2016年度 辞令交付式 (1)2016年5月21日(土) 第337号 2016年5月21日 第 337 号 公益財団法人 宮城厚生協会 発 行 人 : 横 山 公 樹 4 月 1 日( 金 )、 坂 総 合 ク リニック1号館8階会議室に おいて「2016年度宮城厚 生 協 会 新 入 職 員 辞 令 交 付 式 」 が執り行われました。今年度 は 88名のフレッシュな仲間を 迎えました。今田隆一理事長 と新入職員代表の島由衣医師 のあいさつをご紹介します。
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理事長あいさつ
(公財)宮城厚生協会理事長 今田 隆一 新社会人としてのスタート を切ったみなさん、改めてお めでとうございます。また今 日の佳き日を迎えられた皆さ んのご両親やご家族、ご親戚 の方々のお慶びはいかばかり でしょうか。理事長の私もと てもうれしく思います。 さて、みなさんはこの機会 に初めて社会に出られた方が ほとんどと思います。社会と いうのは自分だけで成り立っ て い な い の は も ち ろ ん で す。 いろいろな人がいて、いろい ろの組織があってその中でど う生きるのか、どう頑張るの かが問われる場です。本日か らみなさんは公益財団法人宮 城厚生協会という組織に入ら れた。新人の「組織人」とい うことになります。
組織を上肢でイメージ、
個々人の役割・チーム
ワーク大切
私は組織のことを考えると きにわかりやすく「上肢」を イ メ ー ジ し ま す。 「 上 肢 」 と いうのは肩から先、手までを 言います。肩は方向付けをし ます。まるで組織の幹部の役 割のようです。肩は体の中で も っ と も 動 か す 範 囲( 「 可 動 域」といいます)の広い関節 で、肩関節を中心に半球状の 範 囲 を 動 か す こ と が で き ま す。組織の幹部はその組織の 方向付けを行ないます。ひじ は中間管理職です。 「力こぶ」 という言葉がある通り、上肢 の中でもっともパワーフルな 関節です。しかし可動域は曲 げる・伸ばす他、右左に捻じ るという比較的単純な範囲で す。 肝心なのは手です。手を構 成している骨(手根骨、中手 骨、 指 骨 )、 そ れ に つ い て い る筋群、関節の一つ一つは小 さく、弱く、可動域も限られ ているのですが、全てが揃っ て、統一された動きを作る瞬 間から体の中で最も微細な細 かい動作・運動が可能となり ます。まるでチームワークに 支 え ら れ た 現 場 の よ う で す。 ここでは何一つ、欠けてもこ う し た 動 き に 支 障 が 出 ま す。 みなさんは明日から手を構成 する要素のひとつとして現場 に入ることになります。 上肢の3つの構成要素であ る肩・ひじ・手を情報でつな ぐ 役 割 が 神 経 で す。 ま た 人・ 物・金の補給路が血管系の役 割 で す。 血 管 系 は そ の ほ か、 組 織 の 温 度 管 理 も し て い ま す。 組織を上肢でイメージする とき、個々人の役割発揮を前 提にしたチームワークの大切 さ を 理 解 で き る と 思 い ま す。 そうです。一人として役割の ない職員はいません。あいさつする島由衣医師 祝辞を述べる今田理事長 2016年5月21日(土) 第337号(2)
4つの期待すること
さて皆さんに期待するとこ ろ を さ ら に 申 し 上 げ ま し ょ う。 一 つ 目 は「 仲 間 を 大 切 に 」 ということです。人生は山あ り、谷もあります。そのとき 本当に頼りになるのは 「仲間」 です。本日、同期入職という 縁をもらった仲間を大切にし てください。 二つ目は「日々の努力を積 み重ねる」 ことの大切さを心 し て ほ し い と い う こ と で す。 日々の努力は決してみなさん を裏切らないでしょう。 三 つ 目 は「 好 奇 心 」 で す。 なにごとにも好奇心をもって チャレンジしてください。 四 つ 目 は「 生 活 者 の 視 点 」 です。これはとくに専門職の 方 々 に 心 し て ほ し い こ と で す。ときには視点を変えてみ てください。宮城厚生協会の成長の
鍵は皆さんに
世 の 中 は 高 度 高 齢 社 会 と あ っ て、 認 知 症 は じ め 障 害 老 人 だ ら け と い っ た 間 違 っ た イ メ ー ジ に と ら わ れ て い ま す。 私 も 高 齢 者 の 入 り 口 に 立 っ て は い ま す が、 自 立 し た 生 活 を こ れ か ら も 送 っ て い き た い と 考 え て い ま す。 し か し、 未 来 を 描 く 責 任 と 権 利 は み な さ ん の よ う な 若 い 人 た ち に あ る の は 間 違 い が あ り ま せ ん。 私たち宮城厚生協会も組織 と し て の 曲 が り 角 に 来 て い る、 と指摘する声もあります。 これからの宮城厚生協会の成 長 の 鍵 は 皆 さ ん に あ り ま す。 先輩たちとともに頑張ってい ただくことへの期待をこめて あいさつとします。新入職員代表
あいさつ
初心を忘れず、患者様と 向き合えるよう、精一杯 努力します 医師 島 由衣 本日は、私たちのためにこ のような式を開催していただ き、誠にありがとうございま す。新入職員を代表いたしま して心よりお礼を申し上げま す。 先ほど、理事長の今田先生 より、期待と励ましのお言葉 をいただき、大変、身の引き 締まる思いです。 私 が 生 ま れ 育 っ た 町 で は、 病院や医師の数が不足してお り、家族が急病の時も診察を 受けるまでに何時間もかかっ てしまう状況が当たり前にな っていました。 幼い頃から漠然と抱いてい た医師という職業へのあこが れが、こういった経験から一 人 で も 多 く に 人 が 安 心 し て 日々を過ごせるように、地域 に貢献したいという目標へと 変わっていったのだと思いま す。 東日本大震災から5年が経 ち、各地で復興が進む今、私 たちの世代が地域を支えてい くのだという思いが一層強く なりました。 私たちは、病や痛みを抱え た人々の力になるべく、今日 こうして医療者としてのスタ ートラインに立つことができ ました。各々が初心を忘れず に、 他者への感謝と思いやり、 そして、正確な知識と技術を 合わせ持つ医療者になること をここに誓います。 一日も早く一人前の医療者 として、患者様に向き合うこ とができるよう、精一杯努力 していく所存です。 ご迷惑をおかけする事もあ るかと思いますが、ご指導ご 鞭撻下さいますよう、お願い 申し上げます。 以上、簡単ではございます が、新入職員を代表しての感 謝と決意の言葉とさせていた だきます。「 宮 城 厚 生 協 会 全 職 責 者 会 議 」 が 2 0 1 6 年 4 月 2 日 に T K P ガ ー デ ン シ テ ィ 仙 台(仙台アエル)を会場に1 01名が出席し開催されまし た。
◆テーマは二つ
一つ目は、2015年度 経営到達と2016年度 予算・経営課題 法人予算計画と4病院の予 算 計 画 に つ い て 報 告 を 受 け、 グループで主要課題の抽出と 自らが取り組む課題を明確に し ま し た。 討 議 メ モ か ら は、 課題を明確に示している事業 所は職責者集団としても共通 認識となっている一方、方向 性を示し切れていない事業所 は、職責者自身も定まってい ない状況が読み取れます。事 業所が抱えている課題と職責 者 意 識 の 特 徴 が 表 れ て い ま す。討論で出された意見は事 業所ごとにまとめられ、20 16年度予算達成に向け議論 を深めることになります。 二つ目のテーマは、 新人事賃金制度 この制度改定は2014年 期第 13回理事会(2015年 6月)で決定を受け、新人事 賃金制度プロジェクトを中心 に検討を進めています。 今回の提案は、昨年 10月に 開催された全職責者会議の討 論やプロジェクトに寄せられ た意見を踏まえ制度設計した ものです。 改 定 コ ン セ プ ト は 二 つ で す。 一つ目は、今後の経営環境 の悪化の下で、従来型の経営 では立ち行かなくなり、収益 と人件費のバランスを早急に 改善することが求められるこ と。 二つ目は、賃金改定原資は 限られているが、医師、看護 師及び若い世代の賃金引き上 げと、職員のモチベーション アップをいかに図れるかを主 眼に検討を行い提案すること です。活発な討議で意見交換
討 議 で は、 「 職 種 や 年 齢 ご とにそれぞれの立場から意見 が で る の は 避 け ら れ な い が、 組織内の高齢化に対する何ら かの人件費対策は必要ではな い か 」「 50歳 か ら 頭 打 ち に な ることや 60歳からの短時間勤 務による減収は生活に大きく 影響する」など多様な意見が 出されています。年齢構成が 高まっている現状への対応の 必要性と賃金が下がる層を作 らないことを両立させる難し さを示しています。 また、 リー ダ ー 手 当 で は、 「 若 手 の 励 み に な る 」「 評 価 制 度 と の 関 連 で 基 準 化 が 求 め ら れ る 」。 人 事評価制度、職責者任期制度 と 登 用 制 度 で は、 「 合 理 的 で 綿密な制度設計が必要」との 意見が出されています。 これらの討議を受け、今後 の進め方について引き続き理 事会で議論していくこととな ります。 各テーブルで活発に議論 報告する花木 長町病院事務長 報告する吉田 泉病院事務長 報告する佐藤 古川民主病院事務長 説明する 大山常務 今田理事長があいさつ (3)2016年5月21日(土) 第337号4月 19日(火) から 23日(土) まで現地に入って災害対策本 部 に 加 わ り、 全 国 か ら の 支 援 者 を サ ポ ー ト し コ ー デ ィ ネートする目的で立ち上げた M M A T( Miniren Medical Assistant Team ) と し て、 当院の郷古医師、奈良民医連 土庫病院の下林医師とともに 活動を行いました。
現地熊本の状況
現地熊本民医連の災害対策 本部は、県庁近くにあるくわ みず病院(一般と地域包括1 0 0 床 ) 内 に 置 か れ ま し た が、事業所の規模などを考慮 して、全日本民医連の対策本 部は、博多からJRで南に約 1時間の大牟田市にある福岡 民医連の米の山病院に設置さ れました。全国からの支援者 は、大牟田に前泊して翌朝バ スで熊本に向かいますが、渋 滞のため2~3時間かかりま した。 熊本市内には、民医連の事 業所では他に、精神科の菊陽 病院があります。どちらの病 院も建物被害は少なく、ほぼ 通常通り診療を再開していま したが、職員の2~3割が避 難所や車中泊を余儀なくされ ていて、かなり疲弊している とのことでした。 全国からの支援者は、両病 院の診療支援とともに、地域 にも入りました。熊本市の東 側に隣接する益城町(ましき まち)は、地震による死者数 が最も多く、住宅の約半数が 全半壊した地域です。古い建 物の1階部分が押しつぶされ た光景が広がる町並みは、直 下型の阪神淡路大震災に似て いました。 公式の避難所には、行政や 各団体からのサポートが入っ ていました。しかし自宅で片 付けをしている方々に声をか け て い る と、 「 狭 心 症 の 薬 が なくなった」 、「フェンタニル パッチ(癌の疼痛緩和薬)を 切らしてしまった」といった 相談がもちかけられる状況が あります。サポートから取り 残された、自宅などでの避難 者も相当数いるのではないか と危惧されました。余震が多 いこともあり、あちらこちら の駐車場で、車の中で寝泊り す る 人 が 多 い の も 特 徴 的 で、 肺塞栓予防のチラシを配って 歩きました。 南阿蘇村は、益城町からさ らに東側、外輪山の内側で東 西に広がる地域です。北西に 位 置 す る 立 野( た て の ) で は、土砂崩れで阿蘇大橋が流 され、東海大学のアパート崩 落とともに、大きな被害が発 生しました。熊本との主要交 通路が寸断され、陸の孤島に なりかけています。民医連も
医療支援に当たる
各医療チームが支援してい ますが、役場の保健師以外に 対 応 可 能 な ス タ ッ フ が お ら ず、南阿蘇に居住するくわみ ず病院の医師がコーディネー ター役を担っています。日赤 や 国 境 な き 医 師 団 と と も に、 民医連も医療支援に当たるこ とになりました。 MMATは、全日本および 熊本民医連の対策本部の組織 だてなどに関して援助を行い 阿南医師(右から2番目)、郷古医師(左から2番目) 2016年5月21日(土) 第337号(4)坂総合病院 社会保障委員 会主催の「症例検討会」が去 る3月 24日に行われました。 事務職を含む「多職種参加 型の症例検討会」は、坂では 初 め て の 開 催 で す。 看 護 師、 検査、放射線、SW、事務な ど約 20名が参加しました。
深刻な事例内容
発表事例は3件 (相談室1、 病 棟 2) 。 1 件 目 は 高 齢 者 男 性 の 独 居、 収 入 は 年 金 の み、 借金は年金を担保に200万 円 余。 年 金 の「 額 面 上 収 入 」 が生活保護水準を上回り「包 括支援センター」との関係も 切れている状況で、いかに介 護サービス、訪問診療を受け させるようにするか? 2 件 目 は 高 齢 者 女 性 で 「 経 済 的 困 難 を か か え た 家 族 」 と 同 居。 入 退 院 を 繰 り 返 し、 入 院 費 は 未 納。 介 護 保 険 料 未 払 の た め ペ ナ ル テ イ で 3 割 負 担 の た め、 介 護 サ ー ビ ス の 支 払 い 能 力 が な い。自宅で安心して暮らせる には、どうすればいいのか? 3件目は 50歳代男性。震災 復興事業で来県。肝疾患で入 院。生活保護、家族・親族と は 音 信 不 通、 「 言 葉 の 暴 力 」 含め頻回に問題行動をおこす 患者。余命数ヶ月と言われて いるが、このまま入院を継続 させるのか? グループで事例討議、 発表 以上について2グループに 分かれて討議。 難 問 に 対 し て 討 議 す る 中 で、 珍 回 答 に 苦 笑 い し た り、 「 自 己 破 産 を す る に も 弁 護 士 への依頼が必要で経費がかな り か か る 」「 介 護 保 険 料 の 未 払 い が あ る と 3 割 負 担 に な る」という知識を得たり、熱 心な討議とグループ発表があ りました。参加者の声
参加者からは「老後破産が 言われている中、今回の症例 は 数 年 後 の 自 分 の よ う だ ⁉」 「 社 会 状 況 か ら し て、 今 回 の ような症例は今後さらに増え る の で は な い か?」 「 参 加 者 が少なかったが、参加者を増 やして2回目の開催も検討し てほしい」 等の感想がだされ、 全体的には好評でした。 社 会 保 障 委 員 会 と し て も、 今 回 の よ う な「 症 例 検 討 会 」 を 定 期 的 に 開 催 で き る よ う、 活動を強化していきたいと思 います。 ました。対策本部のなど活動 をサポートするために、全国 から事務幹部の派遣が要請さ れ、宮城からもいち早く応え ています。偶然出席した熊本 民医連理事会で、今回の被災 対策のなかで、東日本大震災 の教訓が生かされているとい う発言は印象的でした。 今後は、余震や降雨、交通 機関やライフラインの復旧状 況に左右される可能性があり ますが、民医連事業所や被災 者の支援は長期におよぶもの と予想されます。現地からの 求めに応じた、息の長い支援 を意識した準備と派遣が必要 と思われます。 グループで活発に事例討議 事例報告する看護師の 坂井めぐみさん(7階病棟) 事例報告する 佐々木千晶さん(SW) 事例報告する10階病棟師長の 今野美枝子さん (5)2016年5月21日(土) 第337号2016年5月21日(土) 第337号(6)