【
研 究 諭 文】
UDC :69.
007 :519.
2;614
.
8
:69
.
05
日本 建 築 学 会構造系論文報告集 第 352 号・
昭和60
年6
月労 働 災 害 発 生
系
列
の
均 質
性
に
関
す
る
研 究
正 会 員花
安
繁
郎
*1.
は し がき
我
が国
で の毎 年
の労 働 災 害
の ほぼ3
割
,
と く に 死 亡災
害
で は4 割
以
上も
の多
く が建 設
工事
で発 生 して い る。 こ の う ち,
建 築
工事
に お ける災 害
は,
昭 和
57
年
の統 計
に よ れ ば,
発 生 数
では建 設 工
事
災
害
の ほ ぼ2
/
3
の67
.
7
%
,
死 亡災 害
で は約
1
/
3
の31
.
9
% を占
めて お り, 土木
工事
に比
べ て死 亡 数
は少
ないが,発 生 数
が多
い特 徴
があ
る。
ま た,
災 害 発 生
の頻 度 率 を示
す災
害
度 数 率 (
以 下
,
度 数
率
とい う)
や, 発生
し た 災害
の傷 病 程 度 を示
す災 害
強度
率 (
同
じ く以 下
,強度率
という )
な どの災 害 指
標
も
, ほ か の屋 外 型 産 業
と 同様
に,
建 設 業
は高
い値 を示
してい る1)。
こ の よ うに
建
設業
に労 働 災 害
が多
い背 景
と して,建 設
工事
は単
品
受
注 生
産
であ るので生 産 場 所 が 常
に移 動
す る こと,
作 業 対 象
が地 盤
な ど の自然 条 件
の影 響 を受
け る不
確 定 要 素
の多
い もの で あ ること,
作 業
で取
り扱
う機
械
,
用 具 類
が大 型
,重
量物
で あ ること,
作 業 労 働 者
に未熟練
あ
るい は高
年 令
の者
が増加
して いること
,
あ
るい は,
重
層
下請 制
に よ る 管 理の不 徹 底
が生
じや すい こと, な ど生
産 様 式
,作
業
環 境
・
内 容
,
雇 用 形 態
にわ た る多
数
の問 題
点 が 指 摘
さ れ ているZ}。
ま た前 記
の状 況
の も とで,
現 場
で労 働 災 害 防 止
の た めの安 全 管 理 計 画 を
策 定
し,
実 施 す
る に際
し て も, そ れ ぞ れの工事 現 場
の独
自性
に依存
せざ
るを得
ない こと が多
く,
統
一
的
な安 全 管
理を
行
うこ と が 困難
なこと も 災害 多 発
の理 由
と してあ げ ら れ よ う。 し た がっ て,災
害
危 険性
を客 観 的
に評 価
す る方 法
, あ るい は安 全 管
理の効 果
を評 価
す る手 法
につ い て も,
前
述の度 数
率
,
強 度
率によ る評 価 以 外 有 効
な方 法
が確 立
さ れて いな い。
筆 者
は これ ま で,
労
働
災
害
が発 生 す
るま
で の時
間 数
を尺 度
と して,
災 害 発 生頻 度 率
が時 間
の経
過 と とも
に変 動
する過 程 を
評
価
す る方 法
につ い て検 討 を
加
えてき た3 )・
5 ] 。 その結 果
,
災
害
発
生時 間 数
は,
労 働 災 害
に関
す る さ まざ ま な情 報
の中
で も 比較
的 入手
しやす い情 報
であ ること や,
また,
災害 発 生 時
間 を利
用
し た評 価 内 容 も
,た と えば
,昭 和
54
年お よ び59
年 大 会 学 術 講 演 会におい て一一
部 要 約を発 表 * 労 働 省産業安全研 究 所 主 任 研 究 官 〔昭 和59
年7
月20
日原 稿 受理H
,
昭in
60 年 3 月 11日改訂原稿受理 凵,
討 論 期 限 昭和 60 年 9 月末日1
災 害 発 生 率
の有 意
差 検 定
に よっ て災 害 危 険 性
の変 動 を
早
く検 出
で き るこ と や,
ある い は災 害 発 生 率
の信 頼 区 間 が
求 め
られ
ること な ど,
安 全 性 評 価 を
行
う の に適
し た便 利
な尺 度
であ るこ と を明
ら か に し た。
と ころで
,
実 際
に得
ら れ た災
害
デー
タを用
いて災 害 発
生 率
の有
意 差
検 定
や信 頼 区 間
の推 定
など
の統計
的推 論
を行 う
にあ
たっ ては,
仮 定
し た確 率
分布
式 が妥 当
な分 布 式
であ る かの検 討
のほ かに,得
られ た デー
タ が同
一
の母 集
団
か ら ランダ
ム に抽 出
さ れ た標 本値
で あ る か という均 質
性
に関
する検
討 も
な さ れ て い るこ と が大 切
であ
る。
す な わ ち
,
実 際
に得
られ た デー
タの中
に,
あ
る値 が
ほ か の も の に比
べ て著
しく大
き かっ た り,
小 さ
かった
りす
るt い わ ゆる外
れ値
が存 在
す る と き,
これ ら の値
が残
り のデー
タ と同
じ母
菓
団
に属
す る値
であ る か否
かを検 出
す ること は.
統 計 的 推 論 を 行
う う え で重 要
な手 続
きであ
り,
も し異
なっ た集 団
の外
れ値
を含
ん だま
ま計 算
が行
わ れ る と,
そ の結 果
は不 安 定
で, し た がっ て信 頼
のお け な い結
論
が導
か れ ること と
な る。
これ まで に
,
労 働 災 害
の発 生時 間
に関
するデー
タ が与
え ら れ た と き, デー
タに どのよ う
な分 布 形 を仮
定
す る か につ い て の問 題
は,
い くつ かの災 害 事 例
に よ る検討
が な さ れて い る が3 ト S },
得
ら れ た デー
タ の均
質性
に関
す る研
究
は あ まり な され ていない。そこで,
本 稿
で は,災
害
デー
タの均 質 性 を 検 定
す る方法
を考
察
し,
実 際
の災
害
デー
タ を用
い て分析
し た 結 果 を以下
に報 告
し た い。 ま た,
分
析
に は最 小 値
,最
大
値
に関
す る分 布
が用
い ら れて いる が,
これ らは均 質 性 検 定 以
外
の災 害 問 題
にも応 用
可能
な面
も ある の で,
それ らにつ いて も併
せ て言
及 し たい。2.
労 働
災害発 生
時 間
の分 布
実 際
に発 生
し た労
働
災
害
につ い て,
その発 生 間 隔
の分
布 を調 査
し た例
は少
ないが,
Wynn
ら に よ る英 国
の炭 坑
災 害
4) , ある いは筆 者
によ
る日本
での土
木
工事
にお け る災 害
の調 査 例
によ れば
Sl,
災 害
はほ S’
ランダ
ム に発 生
し て い る こと,
すな わ ち一
定
期 間 中におけ る発 生 数
の分
布
はボ
アソ ン分 布
に従
うこ と, あ るい は災 害
が発 生
するま
で の時
間 が 近似 的
に指 数 分 布
に従
うこと が示
さ れて い る。 ここ で ,1982
(
昭57
) 年
に建 築
工 事で発 生 し た 死 亡 災害
を調
べ て み ると,Fig
.
1
に示
す とお り, 全 建築
工
.
.
」
=
6
0hu8
=9
占
4
2
0
0
Φ 〉 眉 』 鑑t
P
ω一
翌
厂All
Building
C
‘)nstructionO
.
8
0
.
8
−
o−
Poi
9.
sondistribution
匕
亅
0
.
6
m
=
0
.
973
E
B
竃
o
・
4
.
!
。1
萼
゜’
:
SRC
・
RC
Constructi
(〕nI
} (,iSS
〔}n守
distribution8
ρ
00
0
ご
5
き
占
4
2
0
0
≧ 嶌 可 匿Wooden
−
House
Construction
−
。.
一
Poiss
.
〔)ndlstrib
しltion m二
〇.
310
1
.
O
8
だ
9D
O
む
毎
p9主
4
2
0
0
Φa
嶌[
Φ 餌 旦〔壁 lti〔m550
0
0123456
01234
01234
0123
Number
ofAccidents
Number
ofAccidents
Number
ofAccide
”ts
Number
ofAccidents
Fig
.
1
Frequency
distribution
offatal
accidentsin
varioushuilding
censtluction sectorsin
the
year
Qflg82
事
,
鉄
骨・
鉄 筋 造 屋
工事
,
木 造 家
屋 工事
,
設備 工 事
の い ず れの工事
の災 害
も,
先
に述
べた事例
と同
じ性
状
であ
る こと,
す な わ ち発 生 数
はボ
アソ ン分 布
で ある こ と が わ か る。
ボアソ ン分
布
は単 位 時 間
ρ発
生 頻 度
率 (
λ)
を
パ ラメー
タ と す る 分布 式
であ
り,
ま
た,
も
し発 生 数
の分
布
が ボア ソ ン分 布
であ れ ば,
個
々 の災 害
が 発生
す る まで の時 間 (
発
生
間隔 )分 布
は指 数 分
布
,
お よび 複 数 個
の災 害
が発 生
す る まで の時 間 分 布
は ガンマ分
布
で示
され, こ れ ら指 数
,
ガン マの両 分 布
と も,
パ ラ メー
タ はボ
アソ ン分 布
の それ と同
一
一
であ る6 )。
指
数 分布
の密 度 関 数 を 以 下
に示
す。
欝畜 :
。(
,)
.
.
1
/
、iレ
・
・
…一 一
(
1
}
とこ ろ で,
度 数 率 (
以 下
A
と略 記 )
とは100
万 労 働 時
間 当
りの災 害 発 生 数
と定 義
され てい る の で, 上式
の指 数
分 布
の パ ラ メー
タ λと は最
尤法
に よっ て,次 式
の ご と く関係
づけ ら れ る。
(
単
位
:1
/
万時 間 )
λ
=A
/
lOO・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
2
)
したがっ て,
あ る度 数 率
A
。が既 知
な もの と して与
え ら れ れば,
A
。の も とで の災 害 発 生 時 間
(
間 隔 )
の分 布
が規 定
でき るので,
その分布
と災 害
発 生 時 間 数のデー
タとを用
い て度
数 率
A
。の有 意 差 検 定
が行
え る。
こ の検 定
に は,
前
に も述
べ た とお り,
デー
タ が も との指 数 分 布 母 集
団
か らラ ンダ
ムに抽 出
され た一
様
な標 本
である こ とが前
提
と なっ て いる。
し か し,
と きには ほか と比
べ て大
き く か け離
れ た,
いわ ゆる外
れ値
と呼 ば
れ る値
が存 在
する こと が あ
るので,
こ のよ うな値
が あ る 場 合に は, こ れ ら の値
がほ か と同
一
な 母集 団
の デー
タで あ る か を吟 味
する必
要
が ある。
こ の
外
れ値検
出
に関
す る著 名
な 方 法には,
Smirnoff
・
Grubbs 検
定
と呼
ばれ る方 法
が あ る。 こ の検 定 法
は,大
き さn
の標 本
に お い て,
平 均 値
か らの偏 差 を
その標 本
の標
準
偏 差
で除
し た値
の最 大 値 (
あ るい は負
の最小 値 )
を検
定
統
計 量 と
して外
れ値
の検 出
を行
う方 法
で あ るこ の
方 法
は広
く用
い られて いる が,
対
象
が正 規 分 布
の集
団
なので,
今 回
のよ う
な指 数 分
布集
団
に は適 用
する こ とが
で き ない。
そ こ で,
指 数 分 布
に 適用
出来
る方 法
を考
え る が,Smirrnoff
−
Grubbs
流 の考
え 方に従
え ば,
要は大 き さn
の標 本
のう
ちの最 小 値
あ るい は最
大値
の確 率
分布 を求
め,
実 際
の標 本 値
がこれ ら の分
布
に属
し た値
と み な し うる か否
かを調
べれ ば よい。
以下
で は,
指
数 分 布の パ ラメー
タ が既 知
の場 合
と未 知
の場 合
とに,
そ れ ぞ れ 分 けて考
え る こと とす
る。
3,
災
害 発 生 系 列
の均 質 性
の検 定
3
.
1
分 布
パ ラメー
タ既 知
の場 合
ま
ず
,
最 小 値
,
最 大 値
の分 布
を論 ず
る準 備
と して,
順
序
統 計 量
の分 布
を考
え る。
互い に独 立で同一
の分布
に従
うn
個
の確 率 変 数
Xi
,
X2
,…,
Xn
を小
さい順
に並
びか え,Xm
≦X
、2≦…
≦X
/m と し た もの を順 序 統 計
量 とい う。
Xn
]=
min
X
‘,X
圃=
max
Xi
‘ ‘X
‘の分布
が連 続
である とし て,
その密度
関 数
をf
(
x
)
,
分布
関 数 を
F
(
x
)
とす
る と,
‘番 目
の順 序 統 計
量,の
分 布 関 数
は,
P
。
亅
XI
‘1く xl一
凡
、(
x)
−
il
.
o(
窒
)
〔
F
(・c
)
]
M〔
・−
F
(
・)
]
”
’
h一
嵐
(
1
)
〔
剛
〔
1
− F
(
x
〕〕
n−
k……一 ・
(
・)
上式
はPr 沙
な く とも
i
個
σ)変 数
はコじ以 下
であ るi
,
と等
しく,
ま た,X
〔‘1の密度 関
数
はL
式
よ り,
ん
ω 一研
1
)
監
一
の
〜〔
F
(
x〕
]
’一
匸〉〈
〔
1
−
F
(x
)
〕
n一
f
(x
)
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
…
(
4
)
ヒ式
に お い てi
=
1
と お く と,
最 小値
の分布
とし て,
F,
i ,(
x
)
一
灘
)
〔
耐
〔
・− F
(
・・)
]
n−
t=1−
〔
1− F
(
コc
)
〕
n・
r・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
r・
…
一・
・
…
(
5
)
丿
1
〔x
)=nf
(
x
),
〔
1
−
F
(
コじ)
〕
n一
監・
鹽
一・
・
P・
・
…
7
P7r
・
畠
・
・
16
)同 様
にi=
n
とお く と,最 大 値
の分 布
の.
.
一
般 式 と して,
FCnl
〔x
>
=
〔
F
(
コr
)
〕
n−・
・
・
・
・
・
・
…
一…
一・
・
・
・
・
…
9・
・
・
・
…
r
(
7
}
一
2
一
AtU
(
x)
;
nf(
x>
〔
F
(
x
)
〕
n−
1・
…・
…・
…・
・
一 …・
一
(
8 )
が得
ら れるS }。
3
.
1
.
1
最 小 災 害 発 生
時
間
の分 布
こ こで は, い くつかの
災害
が発 生
し たと
きに, その う ちで災 害
発生
間 隔 が もっ と も 短いもの(
最 小 災 害
発生 時
間
)
の分 布
につ い て検 討
を加
え る。n
件
の災 害
が発 生
し た と して,
それぞ れ の災 害 発 生 時
間 (
間 隔 ) を
ti
,
t2,…,
tn
と す る。
この とき最 小 値
TmL
.≒
min
.
(
ti
,t
,,…,
tn
)
の分
布
の一
般 式
は(
5
)
,(
6
)
式
で与
え られ
ること
は すで に述
べ た。
そ こ で,
式 中
の密
度 関 数
に(
1
)
式の指 数 分布
式 を代
入 する と,T
.。 の分 布 式
と し て以 下
の式
を得
る。fmin
(
t
)
‘n
λe
旧
n )Lt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt−s・
(
9
>
Fm
,。
(
t
)
=1−
e
−
nat…・
・
・
・
・
・
…………・
一 ・
・
・
…
(
10 )
・
(
T
・ ・n)
一
景
、・ ・(
・一)
一
毒
(
9
)式
は密 度
関 数 を,
(
10
)式
は分 布 関 数
を与
え る。式
中
の λ は(
2 )
式
に よっ て度
数 率
と関 係
づ け ら れ るので,
ある度 数 率
A
。が 既知
の もの とし て与
え ら れ た と す る と,
A
。の も とで の最 小値 確 率 分 布
が 上式
で求
め ら れ る。得
ら れ た デー
タ の最 小 値
を確 率 値
に よっ て評価
す る に は(
10
)式
の分
布 関数
によ れ ば よい が,実
用的
に は,
特
定
の確
率値
に対応
し た度 数 率 と
最
小 災
害発生 時
間
との関
係 を
前
もっ て求
めておき
, そこ で算 出
さ れた最 小 災 害 時
間
と実際
の最 小 時 間
とを比 較
す る方
が便 利
である。
そこ で,
最 小 災 害 発 生 時
間
が あ る時 間 以 下
であ
る確
率 (
下
側
確 率 値 ) を
P
,(
既 知
)度 数率
をA
。,
災 害
発生
件 数 をK
とす ると,
こ れ らの関 係 を満
足 す るT
.t。
は(
10 >式
よ り,
T
… ==
一
識
亘・(
1
− P
)
・
…・
……・
…………
(
1
・)
P
:最 小 災 害
発 生時 間
がTmi
.
以 下
で あ る確 率
た と
えば
,災 害
件
数
K =10
の と きの,
各 種
のP
値
に対
応
し たA
。と
Ttnin
の関係
を
求
めた結 果 を
Fig.
2
に示 し,
ま た,P
己0
.
05
の と きのA
,=
1
.
O
〜
100
.
O
,K =1− 12
の範 囲
でのTmin
を求
め た結 果 を
Fig.
3
に示
し た。
災 害 発 生 時 間
に関
するデー
タ が与
え られた と き,
その最 小
値
が も し(
1
ユ〉
式
によ
るTmin
よ り短
け れば
,
つ ま りFig.
3
で示
さ れ る最 小 災 害 発 生 時 間 よ
りも短
け れば
(
図 中
の直 線
よりも下 側
の場 合 )
,
そ の最小
災 害 発 生時
間
は有 意
に短
い時 間 数
と言
え,
小
さい側
に外
れ た異 常 値
であ
る可
能
性
が き わ めて高
く,
した が
っ て,
この よ う な値 を含
ん だ デー
タ は,
均 質
であ
るとは言
え な く な る。い くつ かの
災 害
が発 生
し た と きに, もっ とも災 害 発 生
Accident
Frequency
Rate
Fig
.
2
Relation
betwee
皿Tmin
,
probabil
主ty,
and accidentfrequency
rate10
(
,
』 嘉 OOO、
〇一
X
)
三E
ト1
0
,
1
O
.
01
1P;
0
.
05
烈
鹸
懣
δ ♂ イ‘
懸 /一
一
一
.
一
1
lo
100
Accident
Frequency
Rate
Fig
.
3
Relation
between
Tmin
,
number of accidents,
and accidentfrequency
rate (P
=
0
.
05
)Group
l (A
、
)Group
2
(A
:
) A − a ヨ卿
−
……
.
−
−
馳 αFig
.
4 ColLective
time
intervals
between
accidents of awhole
group
確 率
(
危険性 )
の高
い時
期
は,災 害 発 生 時 間
(
間
隔 )
がも
っ とも
短い時
間 であ
ると考
え られ る が,
そ の期 間
長
を統 計
的
に評
価
す るに は,上
に述
べ た方 法
が適 用
で き る。
もし最 小 災
害
発 生 時 間
が有 意
に短
け れ ば,
その時 間
は通 常
と は異
なっ た災
害
が起
き や す く な る要 因
が強
く作用
し てい たこと が 予想
され
るの で,
その時 期 実 施
さ れてい た安 全
管 理
の方法
や内 容
,あ
るい は発
生
し た災 害
の原 因
を 入念
に調 査
し,
その結 果
を現 場
ヘ フ ィー
ド
バック さ せ ることが 大 切
であ る。次
に,
最 小
値 分 布 が上
に述
べた均質
性
の検 定 以 外
に も応 用
でき る場 合
と して,
以 下
の問 題 を 考
え てみ る。まず
,
Fig.
4
に示 す
と お り,複 数
の独 立
し た集
団
が あり,
そ れ ぞ れの集 団
で ラ ンダ
ムに災 害
が発 生
し てい ると き
,
集 団
全体
と し て の災 害 発 生 時 間 (
間 隔
)
の分 布
につ い て考
え る。
これ
は た と えば
あ る事 業 所
がい くつ か の独 立
し た作
業 現
場を有
し,
そ れ ぞ れの作 業 現 場
内
で災 害 が発 生
して い る とき,事 業 所
全体
の災 害
発生 時 間 分 布
を1
,
l求
め ることと同
じ問 題
であ る。
こ の
問 題
は,
そ れ ぞれ の集 団
か ら1
個 ず
つ抽 出 さ
れ た デー
タの最
小 値
TAm
=min
(
τ1 , τt,…,
Tn)
の分
布
を 求
め る問 題
と し て解
く こ とがで き,
最
終的
に は,
個
々 の集
団
の度 数
率 を合 計
し た値
S
を
パラ メー
タ と す る指
数
分 布 と
な ること が示
され
る3 )。∫
ki
。(
t
)
・
=
se
−
sc……・
・
………・
…・
(
12 )
F
’
minO)
==1
−
e
’
S ’・
一 ・
・
…………
(
13
)
nこ こ に
s
=Σユ
A /
100
(
A
‘:集 団
i
の度
数
‘=
1率 〉
こ こ で,
各
集 団
のA
‘(
ま た はん
)
がす べ て等
しいと きは(
λ1=
λ2=…
‘An=
λ)
,
ひ と つ の集 団か ら n個
の デー
タを 抽 出
し,
そ の最
小値
の分 布 を求
め る問 題
と同 等
に なり,
(
12
)
,(
13
)式
は(
9
)
,(
10
)式
と一
致
する。
ま た
個
々 の 災害
が発 生
す るまでの 時 間 分布
が指
数
分布
であれ ば,
集 団
全体
で複 数 件
の災
害
が発 生
す る まで の時 間
の分 布
は,
同 じく度数 率
の 合計 値
5
を
パ ラ メー
タ と し た ガン マ(
.
≒ 蓴 O.
〇一
x〕
話 巨 ト 分布
を考
え れ ば よい。
3
.
1
.
2
最 大 災 害 発 生 時
間の分 布
こ こ で は
,
い くつかの災 害 が 発 生 し た と き
に,
そ の う ちで災害
発生 時
間数
がも
っ とも長
い時 間 (
最 大 災
害
発 生
1,
OO
10
(
.
圭 OOO.
〇一
X
)
話 ∈ ←
Accident
Freque
門
cyRate
Fig
.
5 Relation
between
T皿
ax,
probability
,
and accidentf
【equency rate
Ae
じ[d
α 1t F【
・
equency RateFig
.
6
Relation
beween
Tmax
,
number of accidents,
and accidentIrequency
rate
(
P
=
0
.
05
)/
時
間)
の 分布
につ い て考 察 を加
える。
最 小 値
の分 布 を 考
えたと きと 同様
に,n
件
の労 働 災 害
が 発生
し た と きに,
それ ぞ れの災 害
発生 時
間(
間 隔)
をti,
tz
,…
,’
tn
と す ると
,Tmax=
max
(
th
t
!,…,
tn
)
なる最 大 値
の分 布
の一
般 式
は(
7
}
,(
8
>式
で与
え られ て い る の で,
同式
に(
1
}式
の指 数
分布
を代
入 す れ ば,災 害
の 発生
が ランダ
ム な と き の最
大 災 害 発 生
時
間
の確率
分 布 式 と
して以 下
の式 を得
る。
fmax
(
t
)
=
n
λer
入t(
1
−
e
一
λt)
n一
匸…
一
・
・
・
・
…
t・
・
t・
・
…
(
14 )
Fmax
(
t
)
=
(
1
−
e一
λt)
n・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
15
)
・
(
τ一)
一
冨
(
− 1
)
・(
nli)
(詩
天
一
矯 ÷
v
(
Tmax
)
一
揖
(
−
1
)
h(
nl)
(
、無
一
1
・(
T
…
)
12
一
糖
÷
し た がっ て
,
既 知 度 数 率
Ae
の も とでの最 大
災害
発生
時 間の確 率 分 布 式 が 規 定 でき るの で,
最
大 災害
発 生時 間
の確 率 的
評価
が卩∫
能 と な る。
実 際
には最 小 値
の評 価
の と きと 同 様
に,
特 定
の確
率
値
に対
応
し た,
最大災害 時
間
,
度
数率
, お よ び 災害
発生
件 数 との関
係 を あ ら か じ め求
め て お き,算
出
さ れ た最 大
災害
発 生 時 問
と実 際
の そ れ との比 較
に よ る評 価
の方
が便 利
であ る。
そこ で,
最 大 災 害
発生 時 間
が ある時 間 数 以 上
で ある確 率 (
上
側確
率 値)
をP ,
(
既 知 ) 度 数 率 を
A
。,災 害
発生
件
数 をK
と す る と, こ れ らを満 足
す る最 大 災 害 時
間 は(
15 >
式
より,
100
・
lnil
−
(
1− P
)
1 /κ1
・
…・
・
………・
(
16
)
Tmax
=一.
Ao
P
:最 大 災 害 発
生時 間
がTmex
以一
ヒであ る確率
たとえば,
災害
発生
件
数 がK
=
5
の と きの,
さ まざ
ま なP
値
に対 応
し たA
。とTma
。 の関 係
をFig,5
に示
し, ま た,
最 小 値
と同
じ く,P ・
=
O.05
の と きの,K ←1− 12
ま でのA
。とTmax
の関 係
をFig.
6
に示
し た。
い くつ かの
災 害
が発
生 し,
その 発生 時 間
に関
するデー
タ が与
え ら れ た と き, そこでの最
大 値
が〔
16
>式
で計 算
さ れ たT
。ax よ り も大
き け れ ば,
す な わ ちFig.
6
に示
さ れ た時 間 数
よ り も長
け れば
(
図中
の直線
よ り も上
側
の場
A
),
そ の最 大 災 害
発生 時 間
は, パ ラ メー
タA
。 の もと
で は有
意
に長い時
間数
と言
え,
上 側
に外
れた異 常 値
であ
る可 能 性
が き わ めて高
いと判 断
され, こ の よ う な値
を含
ん だ デー
タ は,
し た がっ て,
均 質
な デー
タ と は言
い難
い。
ま た
,
最
大 災
害
発 生
時 間
の時 期
は,
い くつ かの災 害 が
発 生
し た期
間
全体
を通
して一
番安
全
で あっ た時期
と考
え ら れ る が, その時
間数
を統
計 的
に評 価
す るには上
に述
べ た方 法
が適 用
でき,
も
し最 大 災 害 発 生 時 間
が有 意
に長
い時 間
数で あ れ ば,
その時
期
は労働 災 害
が起
きにくく な る要
因
が強
く作用
していたこと が想 定
さ れる ので, その時
期行
わ れていた安 全 管 理
の内 容 等 を十 分 調 査
し,
結 果 を
その後
の安
全管
理計 画
へ反 映
さ せ ること が重 要
で あ る 。上
に述
べ た均質性
の検定
の ほ かにも最 大 値
の分布
が適
用で き る 例 と して,
Fig
.
4
に示 し た複 数 個
の集 団
が ある と き,
すべ て の集 団
で災 害
が発 生 す
る まで の時 間 分 布 を
考
えてみ る。
この問
題 は各 集 団
から抽 出
さ れ たデー
タ の最
大値
丁畆
.=
max
(
τ1,
r,,…
, rn)
を求
め る問 題
とし て取
り扱
え,
結 果
は各 集 団
の分 布 関 数
の積
が最 大 値 分 布
の分
布
関
数
を与
え,
集 団
i
の度 数 率
をA
,とする と,
密
度 お よ び 分布 関
数 が 以下
の 式で示
さ れる。fin
.(
・)
一
盞
茘
ゼ ー画
(
1−
e
−
“t /ioo,t)
[k+
t)・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
一一・
・
…
一・
・
一一・
(
17
)
nFl
−.
(
t
)
=H
(1
−
e
’
(At/’
°
°
}t)………・
…
(
18
>
t=
1 こ こ で各 集 団
のA
,(
また は λ,)
が等
し い とき は,
上 の各 式
はそ
れぞ
れ(
14
)
,
(
15
)式
と一
致 す
る。3
.
2
分 布
パ ラ メー
タ未 知
の場 合
前 節
で の最 小
,
最 大 災 害 発 生 時 間 分 布
を用
い て統 計 的
評 価 を行
うに は,
分 布
の パラメー
タ(
A
。) を事 前
に知
っ てお くこと が必 要
であ
っ た。 し か し実 際
に は,
パ ラ メー
タ の推 定
に際
し て,
過 去
の災 害
デー
タが無
か っ た り,
有
っ ても不 完 全
で十 分
な信 頼 性 を期 待
で きな かっ た り する こ と が あり,
と くに建 設
工事
のよ う
に,
工事 完 了
と とも
に 生産 活 動 場 所
が移 動
す る業 種
ではこの傾 向
が強
い。 し た がっ て,
母 集 団
の パ ラ メー
タ
が未 知
の場 合
につ い ても検
討 を加
えてお く必 要
が あ る.
こ の よ うな
場 合
に適 用
で き る方 法
とし て,
ま ず,
与
えら
れた デー
タ から
た と え ば最 尤 法
な どによ
っ て未 知
パ ラ メー
タを推 定
し,
そ の パ ラ メー
タ値 を 用
いて前 節
で述
べ た外
れ値
の検 出
を行
う方 法
が考
え ら れ る。
し か し,
標 本
を 用
い て推 定
さ れる パ ラメー
タ
は外
れ値
の影 響 を受
け や す く,
その た めに外
れ値
の異 常 性
が検 出
さ れに く く なる。 そ こ で本 節
で は,
よ り簡 便
な,
分 布
のパ ラ メー
タ の規 定
を必 要
とし な い分 布
を用
い て,
デー
タの均 質 性 を検 証
す る方 法
を考
え る。 た だ し,
災 害
はこれ まで と同 様
に ランダ
ムに発 生
す る もの と す る。ま
ず
,
Fig
.
7
に示 す
と お り,
ある基 準 時 点 よ
りn
件
の災 害
が発
生 す る まで の総 時 間
をT
と し,
n件
の災 害
の そ れ ぞ れの発
生時 間 (
間 隔 )
の う ちの最 小 値
をtmin
と し,
同
じ く発 生 時 間
の最 大 値 を
tmax
とす
る。この とき
,
最 小 値
の総 時 間
に対
す る比
X
=
・
tmtn
/
T
を 最 小 時 間 比
,
また,
最 大 値
の総 時 間
に対
する比
y
=
tmax
/
T
を 最 大 時
間 比
と そ れぞ
れ定 義
し,X
およ
び y
の分 布
によ
る均 質
tl
丶t2
丶T
/tl
丶 /tn
01
2
−一
一
1−一
一
nl nFig
.
7
Descriptive
mode 且oftime
intervals
between
accidents10
−
3ヒ
ElO
−
4E10
冖
52
10
100
Number
ofAccidents
Fig
.
8
Relation
between
tmtn
/T
and number of accidents性
の検 定
を考
え る。
3.
2
.
1
最 小 時 間
比の分 布
幽
.
L11 1
.
管 1.
F引
拿 “ 9 “ o 只 “聡
瓣
o.
彡ト
1■
ま
ず
,上
で定 義
さ れ た最
小時
間比
の確 率 分 布
を求
め る と,
以 下
の式
で示 さ
れ る9) 。Pr
(
X
く x)
=
Gmin
(
x
}
=
=
1
−
(
1
−
nx
)
n−
1…・
……
(
19
)
9min
(
ユ:)
冨
n
(
n
− 1
)(
1
−
n
コじ)
n−
2−・
・
;・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
20
)
ただ
し,0
≦x
≦1
/
nE
〔
x
)
−
t
.v
(
・)
−
1
)
1
.
0
緊
1
iO
一
一
2XlO
一
窒
0
.
℃
α=
0
.
01
L
α=
0
.
05
・
α=
O
.
10
α=
0
.
20
一
一
2.
Fig
.
9
.
嚠
10
100
N
ber
ofAccidents
Relation
between
tmax
/
T
and number of accidentsよっ て
,
最 小 時 間 比
の下
側
分
布 関
数
の値
が
αと な
る点
は(
19 )
式
よ り,
為
÷ 圭
(
1
−
・)ii・・……・
∴
・
…一 ・
・
……:
[(
21 )
Fig,
8
に は,Xa
と、
n との関 係
を a=
O
,
Ol〜O.
20
につ い て調
べ た結 果
を 示 し た
。も
し,
実 際
のtmi
。/
T
値
がFig.8
の たと
えば aFO.
05
に相 当
す る値
.
よ り も小
さ け れば
, その最 小 値
は き わ め て小
さ な値
であ り,
集
団特 性
の異
なっ たデ
ー
タ
であ
っ た と想
艨
さ れ,災害
の系
列全 体
は均 質
な系 列
であ
る と は言
え な く な る。
1
3
.
2
.
2
最 大 時 間比
の分
布
最
小 時 間 比 と 同様
に,
最 大 時 間 比
y
の分
布
を
考
え る。
y
の分 布
につ い ては,
その厳密
解
がR ,
A .
Fisher
にょ
っ て次 式
の ご と く得
ら れて お り,
1
%
,
5
% 値
にっ い てはn
=
50
までが数
表
化
さ れ てい る10 )。
PK
Y
>y )
;Gmax
(
y
>
.
・
一
、潔
,,(
一
・尸
G
)
(
・一
・
・)
”
”・
一 ……
(
・・1
ただし1
/
n
≦y
≦1
上 式
はn
が大
き く な ると計 算
が非 常
に面 倒
になるが,
実 用 的
に は第
一
項
の みに よる近 似
で十 分
な精 度
が あ る と さ れてい る1°)。
そ こ で,
初 項
の み によ る 近似 式 を用
い てTable
l Time
i
ロヒervalsbetween
serious accid6ntSin
building
construction
involving
moretha
皿3workeIs
inj
肛 ed (from
l981
.
12
.
21
to
1983
.
11
.
12
>0722807584
匚 」 り 白 」 唖5
1
2
8840078660
24
1
「 03
1146268851
11
」
2
【」
272325211
、
2411204
O
,
4
30
20
10
h 旨 睾 σ」
」 o > 5 甸冖
o 餌Building
⊆
onstruction一
〇−
Geometric
distribution
o
l2345678910
Time
Intervals
between
Accidents
in
weeksFig
.
10 Time
intervals
between
se【ious
accidentsin
bui
且ding
construction上