【論 文
I
UDC :691;θ5
.
OO1.
4日本 建築 学会構 造 系論 文 報 告 集 第417号
・
1990 年 11月Joyrnal of St【uct
.
Coastr.
Engng,
AIJ,
No.
417,
Nov.
,
lggo建
築
用
ゴ
ム
系材料
の
オ ゾ
ン
試験
に
お
け
る
力
学
的 負 荷
条件
の
考察
EFFECT
OF
LOADING
CONDITION
$
OF
RUBBER
SHEETS
IN
OZONE
TESTS
田 中 享
二 *,宋
’
炳 昌
* *,小 池 迪 夫
* **Kyok
’
T41VIAKA
,B
ソung・
Chang
SONG
and
Michio
KOIKE
.
An
ozone teste【,
equipped with apparatuses measuring either stress relaxation of specimens at constant strain or creep of them at constant stress,
was made in order to investigatedifferences
of ozonedegradation
causedby
different
loading
conditiQns.
Sheets
ofbutyl
Iubber blended withEPDM
in
threelevels
were special 且y made in this study.
Mechanical property of the sheet with each mix were variedby
thedegree
of vnlcanization,
At
first step , the specimens were exposed to ozonein
the ozone tester controlled at a concentra−
tion of 50 pphm at 40℃
,
and stresses or strains of them were recordedduring
the test.
The
speci.
mens were periodicallyinspected
with cracks or rup 加 resif
any.
Good
ozone resistance was observed with lower vulcanized samplesin
the test with constant strain,
on the contrary,
was observed withhigher
vulcanized samplesin
the test with constant stress.
The results obtained were considered to depend on the visco・
elasticbehaviQr
of samples,
then a new
factor
expressingloading
levels
,
an average of apparent strain energy、
which canbe
obtained
by
integrating values of strain energy anddividing
it
by
the period tQfailure
.
The
avaHabiHty of the newfactor
was approvedby
additional ozone tests withdifferent
ozone co皿centrations,
temperatures andbading
conditions.
KegrPOiztg
:ozone,
strain energ )J,
crack,
wisco−
elastic,
creep,
relanatien1.
はじめ に ゴム系材料は大気 中に存在す る微量の オ ゾン の 影響 を 受け,
亀裂,
破 断 とい っ た 欠 陥 を生じ る。
こ れ を事 前に 予知, 評価す る た め に は その性質を十分調べ て お く必 要 がある。
この た めに国 内 外 を 問わず 多 くのオゾン試 験 法 が提 案さ れ,
実 用に供さ れ て い る。 ところ で一
般にゴム系 材 料は力学 的 負 荷 を受 けた場 合 オゾン劣 化が著し く促 進さ れ る。 建 築 材 料は使 用時に何 らか の荷 重また は変 形 を 受けてい る のが通 例で あり,
力 学的 負 荷 が 持つ 意 味は重 要である。 力 学 的 負 荷 条 件 を既 存の オ ゾン試 験 ,覗 につ い て み る と,
その ほと んどが所 定の伸 長 率,
圧 縮 率を与え て固定する定ひずみ負 荷 条 件 の みが採 用さ れて い る。 しか し建 築 用ゴ ム系 材 料の使わ れ方を考えると,
窓 用ガス ケッ ト, 床 制 振ゴム,
免 震ゴ ム支承の よ うに応 力負担 を主目的に使用 され る材料もあ り,
応 力を考慮し た負荷 条件も必 要で ある。
ま たゴ ム系材料の ほとんどの もの は粘 弾 性 材 料である た め, 応 力,
ひずみ は時 間 依 存 性を示 す。
こ の た め応力 緩和現象,もし く は クリー
プ現 象を生じ,
負 荷 方 法に よっ て は同じ材 料であり な がら異なっ た耐 オ ゾン性 評 価が な さ れ ること が あ る。
例えば非常に応 力 緩 和の しt
〈’すい材 料の場合,
定ひずみ下で は耐オ ゾ ン性が良 好に評 価さ れ る傾 向を持つが, 定 応 力下で は逆に伸びやすく な る たあ 耐 オゾン性が低く評価され る。 こ の よ うな場 合 材 料の本 来の性 質と して耐オ ゾン性の よい材料と は何か とい う判 断が難しく な る。 も ち ろ ん特定の 用 途を定め れ ば定ひず み負 荷,
定 応 力 負荷で十 分なこと も多いが建物では完全 に ど ち ら か の状態だ けで使用さ れ ること は ま れ で, 実 際 に は中 間的に存在す るこ と が多く,
オゾン劣 化に影 響を 及ぼす 力 学 的 負 荷の意 味を明ら かに し て お くことは極め て重要であ る と思わ れ る。.
本研究は,
以 上の ような状況 を踏ま え建築用ゴム系 材 料の負 荷 条 件 を考 慮し た オ ゾン試験を行い,
力学的 負荷 の基 本 的な意 味を明ら か に す る と と もにそ れ ら を整理 す る尺度を提 示す ること を 目 的とする もの である。
2.
既往の研 究 ゴム系 材 料にわ ず か なひずみ が生 じてい る と,
そ の劣 化が著しく促 進され るこ と が 明 ら かになっ てS )・
10)以来,
伸 長 状 態のオゾン劣 化に関す る研究が盛んに行わ れる よ * 東 京工業大学工業材料研究所1
* * 東 京主業 大 学 大学 院 生 # * 東 京工業大学工 業材料 研 究 所 助 教授・
工 博 教 授・
工 博Associate
Prof.
of TokyoInstitute
ofTechnolQgy
,
Dr,
Eng.
1Graduate
Studellt of Tokyo Instituしe 6f Technology Prof
.
of Tokyo Institute of TechnQlogy,
Dr.
Eng.
うになっ た。 こ の中に は応 力の変 化に着 目し た研 究もい くつ か あ り
,
例え ばG .
E .
Deckerii),
H.
A.
Voddeni2
】,
S.
A .
Elleri3
〕が,
定ひ ずみ負荷下で応 力緩 和測定がで き る オ ゾン試 験 装 置を製 作し,
オ ゾン亀裂を 定 量 的 に検 討 しよ うと し た。 高野ら “ , も,
リ ラ クソ メー
ター
を利 用 し て応 力 緩 和を測 定し,
材料の耐オ ゾン性の定 量 的な評 価 を 試み,
応 力 緩 和 測定を行えば 材 料の耐オ ゾン性を比 較 的 正 確に評 価 すること が で き ると述べ ている。
これに対 し, 数ぽ少ないがゴ ム系 材 料のオ ゾン試 験 中 の クリ
ー
プに着 目し た研究もい くつ か な さ れ て い る。 」.
R .
Beatty
】5),
D .
J
.
Buckleyi6
)は クリー
プ測 定 装 置を 用い てオ ゾン試 験を行い,
亀裂 成 長速度につ い て蓄積さ れ た仕 事 量か ら定 量 的かつ理 論 的に解 析 し よ う と試み て い る。H .
M .
Leeperi71
は,
低 濃 度 中での長 期の クリー
プ測定に よ り耐オ ゾン性を判 定する方 法 を示し,
こ れ を 利用 し従来の 高 濃 度で の オ ゾン試 験 結 果と比 較 し て い る。 しか しこれ らはすべ て応 力 緩 和,
ク リー
プが全く独 立し て行わ れ て い る た め そ の各々 につ い て は評 価が可 能 で あるが, 建 築 材 料の よ うに応 力 負 担,
ひずみ負 担の両 方 が 混 在しが ち な 用 途に対 して は両 者の中 間 的な状 態が 重 要で あ り, その た め両 者を統一
的に評 価する必 要が あ る。
こ の点につい て現 状で は ほと ん ど研 究がな されて い ない。
3.
試 料お よ び試 験 片 こ こ で行 うオ ゾン試験は,
力学 的 負 荷につ いての検 討 を目的とし て いる た めに,
広範な力 学 的 性 質につ いて の 検討 が 望 ま しい。
こ の た め試 料を,
まず 建 築 用ゴ ム系 材 料と し て使用 さ れ る材 料である こと,
力 学 的性 質の範 囲 が広い ことの2
点 を 考 慮した もの と した。 前 者につ い て は 屋根 防 水用材 料 として用い ら れるブチルー
EPDM
ゴ ム シー
トと し, ブチル ゴム とEPDM
の配 合 比 を変えオ ゾン に対す る性 能に差 を設 けた試 料 (100/0,80
/20,
70/30
と略 記)の3
種と し た。
後 者につ い て は,
加 硫 度 を 変 化 さ せ るこ とに より力 学 的 性 質に差を設け ること と し, キュ ラス トメー
ター
の指 示 値で加 硫 度 25,
50,100
%の 3段 階の もの を 試作 し た (試料名の後に加 硫 度 を さ らに表示 し た)。 試 作 試料の 配合 を表一1
に, 得ら れ た試料の 応 カー
ひずみ曲線を 図一
1に示す。 オ ゾン試 験にはJIS
K 6301 (加 硫 ゴム物理 試 験 方 法) の ダン ベ ル状1号 形 試 験 片を使 用し た。
ダン ベ ル状 1号 形を使 用し た理由は,
オゾン に よ り生じ る亀裂の観 察 面 積が最も広 いた めであ る。
4.
オ ゾン試験 装置およ び 試験方 法 4.
1 オ ゾン試 験 装 置 本 研 究で は試 験 片の力 学的 変化 を測定し な が ら オゾン 試 験 を行う必 要がある。 既 存のオゾン試験機ではこれ ら一
表一
1 試 料の配 合 表 材 料 100/080 /20 ブ チル ゴム 100,
080.
0 EPDM ゴム 0,
020.
0 ス テ ア リン酸 L5 カー
ボンブラ ック τG.
0 ク レイ 10.
0 パ ラ フィン系オ イル 30.
0 酸 化亜鉛 5.
o 同 左 硫 黄 1.
5 ジー
ベ ンゾチ アジル・
ジ サル ファイ ド 1.
2 Zn一
ジメチル・
ジチ オ カー
パメー
ト 0,
5 Z皿一
ジー
n一
ブ チル・
ジチ オ カー
パメー
ト 1.
0100
曾 く75
曇
VR50 惶25
TOX307v.
03u.
o 同 左 (単位 :部 〉 温 度:20 ℃ 引 張り率
度:’°°轡
馳 試 科 370/30−
IOO 100 /〇−
10080 /l
l80
〆20−
IOO 80」
試科 記 号の凡 例鹽
摯
曽
迎、
江 ブ チルとEP囲 の 酉 80/冨0−
51} 7 ∠ 80/20−
lt500
100 200 300400
5
(X
)6
〔X
)700
伸 び 串 (% ) 図一
1 試 料の応 カー
ひずみ曲線 ビー
ム 型ロー
ドセ ル 9 ●輒
定ひずみ負 荷 装 置 荷重 定応力 負 荷装置 図一
2 負荷装置の概略図 装 置が装 備さ れ て お らず,
こ こ で は次の条 件 を考 慮し た 新た な試 験 機 を設 計・
試 作し た。 オ ゾン試 験におけ る静 的 力 学的負荷は定ひずみ状 態 と,
定応 力状態 に 大 別 し う る。
その ため定ひずみ負 荷 装 置と定 応 力 負 荷 装 置を 用意し た。
各々 の概 略図 を 図一・
2 に示す。 前者につ いて は ビー
ム型ロー
ドセル (100kg
) を用い荷重の変化 を測 定し うるよ う, 後 者につ い て は試 験 装 置の 前 面 扉に透明 アク リル 板を使用 し, 所 定 荷 重 負 荷後の標線間距 離の変 化 を 外 側か ら扉 を 開 けることなく 測 定で き る よ う に して あ る。
ま た環 境 条 件につ いて は市 販の多くの試験装置は低 温 の試 験がで き ない もの が多く,
こ こ では槽 内温 度を0
°C
50
tO
ρ 畧30
こ・
む ご20R
日 10o
伸長 率:200 %i
伸 長 率:100 %:
伸 蹄 5 °盤
・
l
一
、
l
丶 ぐ丶「
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、
料:
70/30−
100 【1
1
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飆
10
/20−
100 試再・7・!3。一
,
80!20一
廴倡o 試 科 ;70!30−
100 180 !20よ100一
一
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即/O−
100一
、
、
隔
魎
、
、
、
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一
正001
50!20−
50 LOO/0−
1001
、
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80/20−
50 、。/2。」25 80〆zo−
25 燭 魄 0−
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卩
一
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、
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■
、
亀
亀
80!20−
z5_
:;0
1
11
1
1
一 一 時 閻 t 時 間の対 数 個 で衷 現 lo6 tで衷 現 時 間,
し (hrs ) 図一
3 定ひずみ負 荷試 験結果 まで低下し う る よ うに し た。
製 作 した力 学 的 変化 測定 装 置付き オ ゾン試験装 置を写 真一
1に示す。
4.
2
試験方法 (1 ) 定ひずみ負 荷 定ひずみ負 荷 装置に試 験 片 を取り付け,
所 定の ひずみ とな るまで伸 張し固 定す る。
応 力は時 間と とも’
に低下 す る が,
これをロー
ドセルに よ り測定し,
レコー
ダー
で連 続 記 録 し た。 な お伸長率は試験 片の 標 点間距離 40 mrn に対し,
50,
100,
200 %の 3段 階と した。
(2
) 定応 力負荷定応 力 負荷装置の上端 部に試 験 片
.
を取り付け,
所 定の 応 力にな る ようにあ らか じ め重 量 を調節し た おも りを 懸 垂さ せ る。 この と きの伸 長 率 をノ ギス を 用い て追跡 測 定 する。 こ の場 合は連 続 記 録が な さ れ ていない た めに負 荷 初 期の間は頻 繁に, その後は伸びの変化が緩慢になる た め一
日数 回と した。
な お負 荷 応 力は5,
10,
20kg
/cmZ の 3段 階とし た。
(3
) 環 境 条 件および試 験 時 間 両 負 荷 試験 と も環 境 条 件は多くの オ ゾ ン試Wt
]8)−
22)で 使 用さ れて い る温 度 40±2℃,
オゾン濃 度 50±5pphm とし, 試 験 時 間は最 大400時 間まで行っ た。 ま た試 験 片 の観 察は, 10倍の ルー
ペ を 用い試験 開 始後 1時 間 まで は 5分ご と,
12時 間まで は 1時間 ご と,
その後は 1 日 に数 回,
亀 裂 発 生の有 無, 破断の有無につ いて調べ た。5.
結 果およ び考 察 5.
1 定ひずみ負荷 試 験図一 3に 定ひずみ負 荷 下での試験結果を示 す。 各 試料 と も試 験 開 始 後, 応 力は
一
定値を保つ の で は な く徐々 に 低 下する。
そ の途 中で亀裂が発生する。 連 続 して低 下し て い る応 力は亀裂が 入っ た か ら とい っ て特に急 激に低下 す る とい う訳では ないが,一
部の試 料で は次第に亀裂の 数 が多く な り しか も 深 くな る。
そ の後 破 断するが,
その(
ロ
」
』
星
ω
.
喀 智 ep 楊(
o
お)
一
eP 呻 張 串 (%) 図一4
伸 張 率と欠 陥発生ま で の時 間と の関 係 25 50 10025 50 加望度 (% ) 図一
5 加 硫 度と欠陥 発 生ま で の時 間と の関 係 100 直前に は応 力の低 下が激し く な る。
これ は材料の応 力緩 和が急 激に進行し た とい う よ り は,
応力を負 担すべ き材 料の断面が破 断直前に激 減 する た め と思わ れ る。 (1
) ひずみ (伸長率 )の影響 図一
4に伸長率と 亀裂の発 生,
破断まで の時 間との関 係を示す。
試料に よっ て差はある が伸 長率が大き く な る に従っ て欠 陥 発 生まで の時 間は著し く短か く な る。
0
500
tOO
隶
300
壽
b200 孝1000
応 力:20 ( f!開2) 1其 1 試科 :90 !20−
25 応力:10 (tStXet2)i
応 力:5 (kzf!胆2)l
I 裂発 生 /:
。 ,。
.
、。1i
:
一
純破断 異需な,
’
ρ
1
ノ oo!o−
10 1 訟 料 ;80/20−
Z5E
試 斜 :go!:o−
25昌
1
’
’
’
一
’
’
’
’
0!20一
工00x’
,
”1
80!20−
50 圏 00!一
100 9く 10 〆20−
1001
−
100 !O−
10080 !20.
−
100 70/30−
1001
030−
100’
’
6
ホ
80 加 1一
50F一
呷
一
一,
一
一
崢
一
τ0!30−
1000
1
10
1GO
400
1
10
100400
1
10
1
一 時 固 t 時 聞の対 数 値 で衷 現 log tで 褒 現 時 問 t (hrs ) 図一
6 定 応 力 負荷 試 験 結 果(
2』
Vの
罌
冒 5 10 図一
ア 205 10 20 応力 (kst!cロ2, 負 荷 応 力 と欠 陥 発生まで の時 間との関 係 奮 宕}
ω
eP 爛 25 50 10025 50 100 加 磯度 (%) 図一
8 加 硫 度と欠 陥 発 生まで の時 間との関 係 (2 )材 料の力学 的 性 質の差 材 料の力 学 的 性 質の差 を 調べ る ために,
材 料の配 合は 全く同じ で, 加 硫 度を変 化さ せ て力 学 的 性 質だけ に差を 設 けた試 料 80/20につ い て考 察 する。 図一
5.
に加 硫 度と 亀裂 発生,
破 断まで の時 間との関 係を示す。 同じ伸 長 率 で も 加 硫 度 が 大 き く な るに従っ て 欠陥発 生 が早く な る傾 向がみ られ る。
こ れ に は図一
3に見られ るよ うに加 硫 度 が大 きい場 合には,
同じ伸 長 率における応 力が高 く,
そ の後 応 力が緩 和し て も比 較 的 高い レ ベ ル にと ど まっ てお り,
これ が同じ配 合に もかか わ らず 欠 陥 発 生まで の時 間 に差を生じ さ せ た主た る原 因と推 察さ れ る。 5.
2 定応力 負荷 試験 定 応 力 負 荷 下での試 験結果 を図一6
に示 す。
おもりを 懸 垂さ せ ると 試 験 片は瞬 間 的に伸 長され る。
その後 も極 め て緩 慢では あ る が伸 びは徐々 に増 加す る。
その途 中で 亀裂が 発 生す る。
ただし亀裂が発 生 した か らとい っ て伸 びが急 激に増加す る とい う わ けでは ない。
し か し次 第に 亀 裂の数が 多く な り,
深く な り,
破 断 直 前に な る と伸び が急 激に増 加し破 断に至る。 (1 > 負荷 応力の影 響 図一
7に 負 荷応力 と 亀裂発生, 破 断まで の時間 との関 係 を示 す。
試 料に よっ て差はあるが 負 荷 応 力 が 大き く な る に従って亀 裂 発 生, 破 断 までの時 間は短く な る。
(2 ) 材 料の力学 的性質の差 材 料の力 学 的 性 質の差 を謂べ る た めに前 項 と 同 様,
加 硫 度の み に差 を設けた試 料80/20につ い て考 察する、
図一8
に加 硫 度と亀 裂 発 生,
破 断まで の関 係を示 す。 同じ 応力 レベル で も 加硫 度が小さ く な るに従っ て亀裂の発 生 は早く な る傾 向が み ら れ る。
これに は 図一
6で見 ら れ る よ うに加 硫 度が小さい 場 合に は モ デュ ラスが小さ く,
応 力 負 荷 時の弾 性 伸 びお よびその後の ク リー
プ伸 びが大き く,
こ の こと が欠 陥 発 生 まで の時 間に大 きく影 響 を与え た もの と推 察され る。
6
.
定ひずみ, 定 応 力 下で の欠 陥 発 生 時 間 を整 理 する共 通 尺度の提 案 前節までの結果と して定ひずみ負 荷で は,
試 料の加 硫 度が低 下す る,
す な わ ちモ デュ ラ スが小さ く な る に従っ て耐オ ゾン性は上昇する の に対し,
定 応 力 負荷で は逆に 材 料の モデュ ラ スが大 き くなる に従っ て耐 オゾン性は上 昇 する とい う,
全く相 反 する現 象が得 られ た。 これで耐 オゾン性を判断し よ う と す る と ど ち らの方法の結 果が 正,
4
【
二 謬 ー 騨 ミ 鱒 鴇 櫓 も 急 O 赴 凸(
ご 葭 − 騨 ミ 婚 蝿 甫 争 OO 含 る 陣引1
{
−1
・
ダノ
破
ル
伏L骨形 闘 時 冏 (t ) ヒF 定Dず み且 荷 賦 験匿お け 乙 見 か けの ひずみエ
ネル
ギー
の 呵 間的変 化 時 聞(t) tF 定 応 力 負 荷 試 験Eお ける見b けり
ひずみ=
* hS一
の時固盻変 化 図一
9 各負 荷 下に おける見かけのひずみエ ネルギー
の時 間 的 変 化の模式図・
所 妃Ofδ を 与 儿 伸聾 図一11
残 留ひずみ付 加定ひずみ負荷法の試験 方 法 姻 亀 裂発 生 10D 10曾
』
1 と 謹 o「 讐 GO・
01P40Gas loo 麒 Io 累1
丶
R
丶
xO
_
0 足ひずみ負 荷 ●一
● 定応力負荷 ロ・
・
ロ 残 留ひず み付 加 定 ひずみ負 荷 qlQOl 破 断\
脚
試 料:80!20−
100 q 試 料:
80!ZO−
50 q\
試 料:
&o!20−
z5丶
騒料:
100〆0一
且00、
試 料:τ0/50−
100 al 1 10 100 1 10 100 1 K) 100 1 10 100 1 10 100 見か け の ひ ず みエ ネル ギー
の 平 均 値 (tsr !eii ) 図一
10 欠 陥 発 生まで の時 間 と 見かけのひずみエ ネル ギー
の平 均 値の関 係 し い か, 判断がつ か ない 。 ゴム系 材 料の オ ゾン に対 する 性 能は た だ一
つ であ り,
同じ材料が負 荷 方 法に よっ て異 なっ て評価さ れ ること は,
そ の判断に混 乱を
もた ら す原 因と な る。 こ の矛 盾を解 決す る た めには, 両 負 荷 下で の オゾン試 験 結 果 を共 通に評 価 する物 理 量 を提 示 する必 要 が ある。
以 下に そ の物理 量につ い て考 察する。
通 常の材
料
の力学 試 験で は ひずみ と応 力は連 続し て変 化す る が,
定ひずみ負 荷で はひず み が固 定 され応 力 だけ が,
定 応 力負荷で は応 力が 固定さ れひずみだけ が変 化す る。
し たが っ て力 学 的 挙 動と して は各々両極 端な状態で はあるが 基 本 的に は応 力 とひずみ と で説明し う ることに な る。 それゆえこ こ で は応 力 とひずみ で記 述し う るひず みエ ネルギー
に着 目す る。
ところで,
ゴム系 材 料は多 くの場 合 粘 弾 性 的 性 質 を示 す。 その た め,
力学 的 挙 動は時 間 依 存 性 を持つ。
そのた め さら に ひずみエ ネル ギー
の時 間 的 変 化 を考 慮 し な け れ ば ならない。 定ひずみ負 荷および定 応 力 負 荷にお け る単 位 体 積 当 たりの ひずみエ ネルギー
の時間 的変化は図一
9 の よ うに模 式 的に表すことが出 来る。
な おこ こ で は単 純 な 弾 性 体では な く,
粘弾 性 材 料につ いて,
し か も途 中で材 料に亀裂が 入 る よ う な現 象 を 対 象 として取り扱う た め,
この物 理 量を見か けの ひずみエ ネルギー
と呼ぶ こ とにする。
いずれ も見か けの ひずみエ ネ ルギー
は時 間 と と もに変 化 する・
が,
これ を欠 陥 発 生まで の時 間で除 し,
平 均 値 を 求め,
これを共 通の物 理 量 とす る。
す な わ ち次式で示 すこと が出 来る。 見か けの ひずみエ ネルギー
の平 均 値.
聖
i
置)dt
.
.
.
.
.
.
.
.
.
..
..
、、、 ここ でW
(t
)は単 位 体 積 当た りの見か け の ひずみエ ネル ギー
[kgf/cm2/cm3]を, tFは欠陥発 生 まで の時 間 を 表す。 図一
1 に示す よ うに引 張 試 験に お け る応 力とひ ずみの関係 は多 少曲 がっ て いる がこれ を 直線 的関 係に あ る と仮 定し,
定ひずみ負 荷の場 合は応 力 の時 間 変 化 をσ(t
)と表す と、
腕 )
一
σ(參
’
ε・
………・
……・
…………・
・
……
(・) 定 応 力 負 荷の場 合はひず.
みの時 間 変 化 をε(t)と 表すと σ・
ε(t)w
(t
)=
:
…………・
……・
・
………・
・
(3)2
と表さ れ る。
図一
10に各 負荷
下で の 亀 裂 発 生まで と破 断まで の時 間につ い て,
こ こ で提 案する見か け の ひずみ エネルギー
の平 均 値で整理し,
示 す。
亀裂発 生につ い T’
ま とめ たものは欠 陥 観 察が目視であ る た め多少不ぞ ろい の部 分 もあるが,
お お む ね定ひずみ負 荷と定 応 力 負 荷の 結 果は重 なり合っ てい る。
破 断につ い ては破 断 直前での 亀裂の急 激な進 行の た め, 断 面 積 が 減 少し, その こと が 結 果に大き な影 響を 及 ぼ すこ とが予 想され た が,
結 果 的 には そ れ ほ どの ばらつ き を生じる こ と な く両 負 荷 試 験の 結 果は良く重な り合っ た。 こ の こと は, 見か けの ひずみ エ ネルギー
の平 均値が両負荷試 験結果を共通に評価でき る尺 度とし て有 効であ ること を示唆す る もの と考え ら れ5
る
。
7.
異 なる負 荷 方 法・
環境条件 下 で の有 効性の検 討7。1
異 なる負 荷 下で の有効性の検討 (1) 試 験 方 法の概 要 負 荷 方 法は残 留ひずみ付 加 定ひずみ 負荷 法と した。
こ れは定ひずみ試 験 を 基 本と し,
これ に定応 力 負 荷の効 果 を付け加え た方 法で ある。 試験 方法の概 略 を 図一
11 に 示す。 ま ず ダン ベ ル状 1号 型 試 験片の標 点間距 離40 mm に対 して所定の ひずみ を与え 24時 間オ ゾン試 験を 行う。
その後負 荷 を解 除し,
20±2℃ の恒 温 室 内に静置 す る。
負荷 解 除 後は元の長さに時 間と ともに戻っ てゆ く が, 残 留ひずみ が残る。 次に残 留ひずみ も含め た新た な 標 点 間 距 離に対し て,
前と同じ割 合の ひずみを与え る。
したがっ て伸長さ れ る全体の長さ は前 回 より少し大 きく なる。 これを繰 り返 す。 これ は繰り返 し負荷の効 果と材 料の粘 弾 性 的 性 質に起 因す る ク リー
プ伸び を考 慮 し た, 材 料 自身の性質とし て の耐オゾン性を 簡 便に調べ る た め の負 荷 方 法である。 なお環 境 条件は前項ま での試験と同 様,
温 度40±2°
C
, オゾン濃 度50
±5pphm
と し,17
サ イク ル 〔オゾン に さ らさ れて い る時間の み で 408 時 間 ) まで行っ た。 (2
) 試験結果お よび検討 この試 験で は試 験 片に残 留し た ひずみ が負 荷されて伸 長され る ため繰 り返し の進 行と ともに次 第に伸ば さ れて ゆき,
結 果 と して欠 陥 発 生は早め られ た。 そのた め定ひ ずみ負 荷だけで は欠 陥が生じ な かっ た試料でも亀裂が発 生し, 破 断し た。
こ の試 験 結 果 を 見か けの ひずみエ ネル ギー
の平 均値を 用い て整 理し.
定ひずみ,
定 応 力試験結果と比較し,
図一10
の 中に破線で示す。
多少ば らつ い て いる も の の各 試料と も両試験結 果と良く重な り合って い る。 すな わち 負荷 条件を変えて も提 案した見か けの ひずみエ ネル ギー
の平 均 値でか な り整理 し う ることを示 して い る と思わ れ る。 7.
2 オ ゾン濃 度 を変えた試 験 (1} 試 験の概 要 槽 内 温 度は 40℃ に 固定し, オ ゾ ン 濃 度 を25,50,100,200pph
皿 の4
段 階に変え て試 験 を行っ た。
な お負 荷 条件は定ひずみ と定 応 力の 2種で あ る。
(2 )試 験 結 果お よ び検 討 これ ら の試 験結果を見か けの ひずみエ ネル ギー
の平 均 値で整 理 し,
亀裂発生ま で の時 間につ い て は図一
12に,
破 断につ いて は 図一
13 に示す。
オ ゾン劣 化に対す る オ ゾン濃度の影響 が 顕 著に現 れており,
濃 度が高 くなる に 従っ て欠 陥 発 生は早く な る。
ま た オ ゾン濃 度が変わ っ て も両負荷に よる結 果は比較的良く重な り合っ て お り, こ の場 合 も提 案し た見か け の ひずみエ ネルギー
の平均 値 が一
6
一
試 料80!10−
100BO /20−
fO 400100101Ql淵
二 10夏
,蠶
・.
1驪
蠶
1・慧
1膿
10010 se〆20−
2S tOO!O−
100 10 !30−
101}丶
\
Q_
く }定 ひずみ負1 岨0℃,
25卩ph6 H 定応 力負 荷 亠 q.
丶
丶
己0℃,
50pph璽 亠謡
1 40 ℃,
】00叩h■ 亠 「、
‘0℃.
200卩ph臨 , b t o o.
1 aan O.
11 10100 1 冒0100 1 ,0 100 1 10 100 1 10 100 見 か け の ひ ず み エ *ル ギー
の 平 均 値 (kErld:12 ) 図一12
オゾン濃 度 を 変え た環境下での亀裂発生ま での時間と 見か けの ひずみエ ネルギー
の平均 値との関係 oooo4 110tal 400 100010 二)
1 慌 QI 暄 智400e100P lO 置 1 QIoooo4 1101 α O Q 試 料巳0!20−
10080 !20−
508020−
25 量00 〆B−
1。070 〆30一
苴00\
40℃,
z5叩h■、
o 、、
圏
、
・
ひずみ負 背 定応 力 負 醤 晶、
‘o ℃
.
50pp加丶
丶
、
、
40℃.
100ppb圜、
丶
憫 b丶
40℃.
ZOO叩h■、
丶
\
戛
亠 Ql1 幻 1001 101001101001101001 100 見 か け の ひ ず みエ ネ ル ギー
の 平均 値 (kgt〆cie ) 図一
13 オゾン濃 度 を 変えた 環 境 下での破 断 までの時 間 と 見 か けのひずみエ ネルギー
の平 均 値 との関 係(
圀
h 』 )」
。
瓰 智 e 屮 瓢 鰯試 料 80!ZO
−
100唱0!ZO−
5080 /ZO−
25 川0/O−
mO70 /30−
100 400100鷺
● ●、
0.
101 凹・
ひずみ負 荷 o.
1 H 定応 力 負 萄 0℃,
50pph■
400 ■oo 10 1趣
,
辱
魏
α120 ℃,
50P帥● 嫺 1000 11丶
Oj ‘o℃.
50pph 4DO1000 1 , α160 ℃,
50pph量 4001001011 0
丶
α01m ℃,
50pph 01 1 10100 」 1DD 1 10 「00 「 101001 10100 見 か けの ひ ず みエ ネ ル ギー
の 平 均 憾 (kgf /c ■2) 図一
14 温 度 を変え た環 境 下で の亀 裂 発 生ま で の時間 と 見 か け の ひずみエ ネルギー
の平均 値 との関 係(
・
, 」 V一
.
囮 智 Q’
400試 料50!20−
mO80 /20−
50’
80/20−
25100 !0−
10070 /30一
0 100 o o ■ o 101 圓 ひ ず み負 荷 α, H 走応 力郎 訂 O℃,
50P画■ 400100 10 1丶
0丶
丶
● 0120 ℃.
50叩h■ 娚’
10010 1\
丶
匁
卩
丶
丶
Q140 ℃,
50ppb齲 4001000 − 1丶
、
.
r
、
α 60℃,
50PP』■
40010 σ、
10 1、
,
・
、
Q1 σ01BO℃.
50叩b■ α11 沿 rOO 1 亅01001100 1 ,0loo 1 10 見 か け の ひ ず みエ
*ル ギー
の 平 均 値 (tgt/ci2 } 図一
15 温 度 を変え た環 境 下で の破 断まで の時 間と 見 か けの ひ ず みエ ネルギー
の平 均 値 との関係 か な り有効である こと を示し て い る と思わ れ る。
7.
3 温 度を変え た試 験 (1
) 試 験の概要オゾン濃度を 50pphm に固 定し
,
槽 内 温 度 をO, 20,
40,60,80
℃ の5
段 階に 変えて試 験 を 行っ た。
こ の場合 も定ひずみ と定応 力 負 荷の 2種である。 (2 ) 試 験結果お よ び検討 こ れらの試 験 結 果 を 見か けの ひずみエ ネルギー
の平均 値で整 理し,
亀 裂 発 生まで の時 間につ いて は図一
14に,
破断 までの 時間につ い て は図L−
15に示す。
オ ゾ ン劣化 に対す る 温度の影 響 も顕著で あ り,
温 度が高くな る に 従っ て欠 陥 発 生は早め ら れ る。
ま た試験 温度が変わっ て も両 負 荷に よる結 果は,
比 較 的 良く重なっ てお り,
この 場 合 も提 案し た見か けの ひずみエ ネル ギー
の平均値でか なり統一・
的に整 理しうるこ とを示して い ると思わ れ る。
8.
お わ りに.
建 築 用ゴム 系材 料の耐オ ゾン性を評 価する ために, 力 学挙 動を観 測し な が ら の定ひずみ負 荷,
定 応 力 負 荷下で の オ ゾン試 験 を行い,
材 料の粘 弾 性 的 性 質 を 考 慮し, し か も両 負 荷 下の い ず れの場 合 も,
オ ゾンに対する性 質 を 共 通に整 理 し うる物 理 量とし て見か けの ひずみ エ ネル ギー
の平 均 値 を提 案 し た。 これ によ り,
例え ば粘 性 的 性 質が強く, モデュ ラス の 低い材 料では,
定ひずみ負 荷で は耐オ ゾン性が良 好に,
定 応 力 負 荷で は低く評 価さ れ る結 果が得ら れ るの は, 前 者で は見か けの ひずみ エ ネル ギー
の 平 均 値が 小さ く な り,
後 者で は そ れ が大き く な る た め で あ る と説明で き る。
すな わち,
実 際のオ ゾン試 験で は定ひずみ負 荷,
定 応 力 負 荷 下でな さ れ るこ と が多い.
が,
こ れ ら力 学 的 負 荷の意 味を,
見か けの ひずみエ ネル ギー
の平 均 値で統一・
的に理 解す るこ とが出来る。
し たが っ てこ れ は材料の 本来 的な 性 質と し ての耐オ ゾン性の評 価 尺 度 とし て有 用で あ る と 思わ れ る。
た だ し,
こ こでの 議 論は限ら れ た範 囲の試 料をもとに な さ れ た もの であ り,
広範な材料につ い ての適 合 性に関7
一
し て は今後の課 題で あ る。 謝 辞 本 研 究を 進め る に当 た り
,
試験装置作 成に はス ガ試 験 機 (株 ) 須 賀 蓊氏,
渡辺洋二 氏の, 試 料 作 成に は東 洋 ゴム工業 (株 )鷹島 鉦 造 氏の, また実 験に関し て は (財 ) 建 材試験セ ン ター
清水 市 郎 氏の御 協 力を賜りまし た。
こ こ に深 甚の謝意を表 し ま す。
な お本 研 究の一
部は昭 和 63年 度スガ ウェ ザ リン グ技 術 振 興 財 団 助 成 金に よ りま し た。 参考 文献 1)JISA6008
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