市町村における地方公務員制度改革に係る論点と意見について
(概要)
神奈川県市町村における地方公務員制度改革に係る検討会議について
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テーマ
地方公務員制度改革
(総務省「地方公務員の労使関係制度に係る基本的な考え方」)
の課題の整理・検討
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構成
(1)市町村職員(横須賀市、平塚市、小田原市、伊勢原市、座間市、葉山町、寒川町)
(2)県職員(市町村行政課)
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会議日程・議題
設
置
平成23年9月16日
県市町村行政課において会議設置
第1回
平成23年10月6日
「地方公務員の労使関係制度に係る基本的な考え方」の論点整理
第2回
平成23年11月21日
〃
第3回
平成23年12月20日
中間取りまとめ(素案)
第4回
平成24年1月20日
最終取りまとめ
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検討の経緯
国では平成23年6月に国家公務員制度改革関連四法案が国会に提出され、現在審議中である。
この関連四法案では、自律的労使関係制度を措置するために、非現業国家公務員の労働基本権
を拡大し、団体協約の効力等について定めることとしている。
一方、地方公務員制度に関しては、「国家公務員の措置との整合性をもって、速やかに検討
を進める」とされ、総務省から、国と同様に協約締結権の付与等を内容とする「地方公務員の
労使関係制度に係る基本的な考え方」が示されたところである。
この改革が実施されると、今後の市町村の給与制度等の運営に大きな影響が生じる。そこで、
神奈川県市町村行政課及び人事委員会の置かれていない市町村の職員で構成する「神奈川県市
町村における地方公務員制度改革に係る検討会議」を設置し、実務者の立場から、この改革が
行われた場合の市町村への影響や論点を整理し、その意見を取りまとめた。
※1 人事委員会の置かれていない市町村の職員が、平成23年6月2日付けで総務省より示されている「地方公務員の労使関係制度に係る
基本的な考え方」を中心に検討を行ったもの。
※2 現業職員(単純労務職員や地方公営企業職員)に関しては、協約締結権が付与されており、消防職員はその職務の特殊性から、また、
県費負担教職員の勤務条件は県の条例で定めることから、今回の検討対象から除いている。
(1)
公務員制度改革の趣旨
【論点1】国家公務員制度改革と同様に、地方公務員にも自律的労使関係制度を導入することについて
→【意見】地方自治体の裁量が十分尊重され、団体に相応しい人事・給与制度や運用が可能となるシステムを期待する。
(2)
地方公務員法の諸原則について
【論点2】人事院勧告を廃止し、情勢適応の原則等今まで同様の地方公務員法の諸原則を法定することについて
→【意見】市場抑止力が働かない以上、現行の地方公務員法の諸原則を引き続き法定することは理解できる。
【論点3】均衡の原則が存置される中で、従来の「国公準拠の原則」という考え方について
→【意見A】国公準拠の原則を維持することは困難
【意見B】国公準拠等、均一の勤務条件基準は必要
【論点4】法律により給料、手当の種類を決めることについて
→【意見A】給与の種類は法定すべきではない
【意見B】給与の種類まで法定すべき
【意見C】生計費に係る給与に限定して法定すべき
(3)
人事院勧告の廃止及び参考指標について
【論点5】民間の給与の調査結果(参考指標)はどのような内容が望ましいか。
→【意見】給与改定に当たって、職種・職位別の平均給与など、具体的な水準を示す指標が望まれる。
【論点6】民間の給与調査の実施主体について
→【意見】一般市町村が給与調査を実施するのは現実的ではなく、大規模な団体で執り行われるのが望ましい。
地方公務員制度改革における論点とその意見について
との意見がある
との意見がある
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(4)
交渉主体(当局)について
【論点7】団体交渉は任命権者毎に行うべきか。特に、議会事務局職員に関する団体交渉はどのように行うべきか。
→【意見】首長部局の人事給与主管課が委任を受けて職員団体と交渉しているのが実態であり、現状の扱いを変更す
ることは考えにくい。
(5)
協約締結権について
【論点8】協約締結権を付与し、議会への議案提出義務等、法的な義務となることへの影響について
→【意見】労働組合側に参考指標をもって押し通すことは、誠実交渉義務から難しくなり、譲歩等を考える必要があ
る。
【論点9】労働組合との協約に係る議案が議会に否決された場合の協約の効力について
→【意見】協約した内容と異なる議決がなされた場合は、国家公務員と同様に失効するとするのが適当
【論点10】複数労働組合がある場合に、全部の労働組合と合意が得られない場合の勤務条件の統一について
→【意見】合意を得られない労働組合もあり、職員の勤務条件は統一しなければならない旨の法的な規定を置くこと
について検討が必要
【論点11】加入率が低い労働組合しかない場合、その労働組合との協約締結をもって議案を提案すれば足りるのか。
→【意見】労働組合に属さない職員の意見なども踏まえ、労働組合と協約締結するなど、全体の職員の理解を得られ
るような工夫が必要
【論点12】労働組合がない場合の給与等の勤務条件の決定はどうなるのか。
→【意見】過半数代表者を選出する等、職員の意見を聞く機会を設け、勤務条件を検討することが考えられる。
【論点13】人事院勧告が廃止され、参考指標しかない場合の給与改定方針の作成や、団体交渉の単位について
→【意見】団体間で連合組織や協議会などを作り、各団体の労働組合の上部組合と事実上の団体交渉を行い、詳細の
条件について個々の団体単位で、当該団体の労働組合と団体交渉をすることも考えられる。
(6)
管理運営事項について
【論点14】管理運営事項と団体交渉対象事項の区分について
→【意見】「管理運営事項」の基準や取扱いについて今まで以上に明確化が必要
【論点15】今後の団体交渉や改定時期をどのように考えるのか。
→【意見】現行より大幅に時期を違えることはないものと思われる。
(7)
不当労働行為と都道府県労働委員会の関与について
【論点16】団体交渉中に労働組合が都道府県労働委員会へ救済を申し立てた場合の影響について
→【意見】救済が申し立てられた場合、決着までの期間は事実上給与改定等の議会提案が出来なくなるおそれがある。
【論点17】都道府県労働委員会の救済命令が出た場合の対応について
→【意見】救済命令に関する部分に関し、当局として、執行の留保、協約の見直しに関し労働組合と協議、議会への
給与改定案の提出などの対応が考えられる。
(8)
住民への公表について
【論点18】団体交渉の議事概要及び団体協約の公表の内容や程度について
→【意見】公表は協約本体で足りるのか、団体交渉の議事の概要はどの程度の内容なのかなど、公表の基本的な考え
方を明確にする必要がある。
【論点19】給与公表は、ラスパイレス指数等国家公務員の給与と比較し公表していたが、今後の比較の基準について
→【意見】参考指標が比較の基準となるとともに、個々の給料・手当額の比較である「部分的な比較手法」と、人件
費・給与費総額の割合の比較である「全体的な比較手法」の二つのアプローチから公表項目を考えて行う
ことが、より住民の理解に資することになる。
地方公務員制度改革における論点とその意見について
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今後に向けて
人事院勧告という市町村が準拠する基準がなくなり、参考指標をもとに団体毎に給与改定方針を
立てることになれば、交渉コストなどの効率化から、他の団体との連携のあり方、具体的には、既
存の人事管理に係る情報交換を目的とした地域単位等の協議会(中核市・特例市規模の協議会や一定
の地域の協議会などがある)をどのように活かしていくのか、そのあり方や活用方法について検討の
課題になる。
今後、改革後の影響の重大性も踏まえ、市町村としても、改革がなされた場合の準備に遺漏なき
よう、主体的に研究・検討していく姿勢が必要になるものと思われる。
(9)
労働基準監督機関について
【論点20】非現業職員の労働基準監督機関は市町村長とされているが、労使交渉の一方当事者の長が労働基準監督者として
の地位を兼ねることについて
→【意見】市町村長に代わって、労働基準監督署あるいは市町村の公平委員会が担うことの検討が必要
(10)
新制度への移行措置について
【論点21】国家公務員制度改革に伴い、市町村の制度もそれに準じて見直しを図る場合の移行に際しての留意点について
→【意見】人事院勧告に準拠して給与改定を行っている市町村への影響も十分考慮して、準備期間をとって新制度への移
行を図るべき
地方公務員制度改革における論点とその意見について