について
平成29年11月16日
群馬県県土整備部交通政策課
群馬県のマスコット 「ぐんまちゃん」
計画のイメージ ・人口減少と超高齢化が同時に進行する中、自動車を使えない県民の移動手段を確保しなければ、経済活動の低迷、人 口の流出、財政支出の増加などの問題が深刻化し、持続可能なまちづくりが困難になる恐れがある。 ・平成27・28年度に実施したパーソントリップ調査の結果を踏まえ、多様な移動手段を確保するための取組を明確 にした実行計画を平成29年度に策定。 群馬県全域を対象として、都市・郊外・中山間などの地 域特性に応じた施策を検討する。 <まとまりを維持し、公共交通でつなぐイメージ> 前橋市 高崎市 桐生市 伊勢崎市 太田市 草津温泉 富岡製糸場 群馬県の交通網と 人口集中地区(H27) 尾瀬 1
100m未満でも4人に1人が自動車を 使う過度な自動車依存社会
1.過度な自動車依存
県民の約8割が移動に自動車を利用
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 発 生 中 中 量 (ト リ ッ プ エ ン ド ) バス運行本数(往復) 高崎駅西口 県庁前 前橋駅 本町(前橋市) 群大付属小前 市役所・合庁前(前橋市) 箕郷営業所 平均1時間に4本 2.低い公共交通の利便性 利便性の高いバスサービス の人口カバー率は約1% バス路線 区間延長 カバー人口 カバー率 平均運行本数 1時間に4本以上 8,189m 26,795人 1.36% 3
3.鉄道利用者数の減少 鉄道利用者は今後20年で約18%減少 今後20年で通学利用が約4割減少 人口減少率約13% よりも大幅な減少 鉄道断面トリップ数減少率 ~-10% -10%~-30% -30%~-60% -60%~ 吾妻線 上越線 信越本線 上信電鉄 わたらせ渓谷鐵道 東武線 両毛線 上毛電気鉄道 鉄道沿線地域の方が人口が大きく減少 4
1.高齢者 公共交通が日常生活に使えないことで生じる課題 ①買い物や通院が困難になる高齢者が増加 ②人口の約3割を占める高齢者の消費活動が低迷 ③外出率の低下により、福祉医療費が増加 自動車が使え ない高齢者の 約半数が自動 車送迎に依存 自動車が使えない高齢者は 外出率が30ポイント程度低 い 北部地域の高齢者は 近隣にお店がないために 移動販売を利用する 割合が高い 5
2.高校生 北部地域の高校生の約半数が鉄道通学。うち、約7割は駅まで家族送迎。 北部地域の高校生が 県外に住みたい主な理 由として、鉄道やバスの 利用しやすさを重視す る傾向 鉄道路線が廃線になった場合に生じる課題 ①高校生の通学手段がなくなる ②送迎による子育て負担が増加 ③県外への人口流出が増加 6
3.98 3.77 4.09 3.29 3.74 4.33 4.11 3.72 4.47 3.99 3.75 4.28 3.40 3.87 3.75 3.89 4.04 4.58 商店街へ行きや すい地域 郊外ショッピングセ ンターへ行きやす い地域 医療・福祉施設 へ行きやすい地域 子育て支援施設 へ行きやすい地域 みどりや自然が豊 かな地域 鉄道・バスが利用 しやすい地域 徒歩・自転車で 日常生活が済む 地域 自動車で移動し やすい地域 自然災害や火災 などの危険性が少 ない地域 公共交通を利用している人 公共交通を利用していない人 3.若い世代 県外在住若年女性が群馬県に戻りたくな い理由の一番は「公共交通が不便」 15~24歳の女性が公共交通を利用す る傾向 公共交通の利便性が低いことによる課題 ①若い世代の定住促進施策の妨げとなる 公共交通を利用する習慣のある人は転居先とし て「公共交通の利便性」を重視 7
•移動手段が自動車しか選択できない現状
•人口減少に加えて高齢者の外出機会の減少により、群馬
の経済が低迷していく恐れ
•学生の減少に伴う鉄道サービス水準の低下が避けられず、
通勤通学の機会が限られたり自動車送迎の負担が大きく
なる地域が増える懸念
•公共交通が使いにくいことで、若者を呼び戻す機会さえも逃
しかねない
•歩く機会が減少するため、医療費も増加
計画の課題
「自動車を使えない県民」 の移動手段がなくなっ
ていく
8ぐんま“まちづくり”ビジョン: まちのまとまりを維持し、 公共交通でつなぐ
<実行計画>
群馬県総合交通
計画(仮称)
都市計画区域
マスタープラン
(法定計画)
地域公共交通網
形成計画
(法定計画)
20年後を展望した
施策の推進
法定計画への位置づけ による実効性の担保 (土地利用) 法定計画への位置づけ による実効性の担保 (公共交通) 9② 鉄道・バスが運行されている地域
鉄道・バスをより利用しやすい環境の整備
① 鉄道・バスが運行されていない
(サービスレベルの低い)地域
既存の公共交通の概念にとらわれない
、
『新たな概念の公共交通』
施策展開の
方向性
「自動車以外の移動手段」 も
選択できる社会へ
基本目標
公共交通(鉄道・乗合バス)の利用者数
約6千万人→約6千万人の維持
(H49目標値) <移動手段に占める鉄道・乗合バスの利用割合約3%に相当> 10→ 地域的な暮らしの足を確保する
1. 多様な移動手段の確保
(1)地域に適した移動手段の導入支援 短 期 中 長 期 (2)新たな移動手段の導入検討 (3)自動運転技術の検討 【新たな移動手段の検討例】 新たな移動手段のシステム構築や、社会実験を通じて、 県が導入支援を行う 〔運営は、市町村・交通事業者〕 タクシーが 運行する地域 タクシーの相乗り促進など 自家用有償旅客運送を活用し た相乗りサービスなど タクシーが 運行しない地域 デマンドバス・タクシー、スクールバスへ の混乗など デマンドバスの平均収支率24.4% 1人300円の運賃に対して 900円を補助 デマンドバス・タクシーの導入課題 デマンド交通はコミュニティバスよりも市町村負担 額が少ない反面、輸送人員1人当たりの負担額 が大きく、運行効率性は低い 【多様な移動手段の例】 11→ 基幹公共交通軸を維持する 1. バ ス (2)バスの定時性の確保 (3)パーソントリップ調査結果を活用した バス路線網等の見直し (1)ICTを活用したバスの利便性向上 ①バス情報のオープンデータ化 ②バスロケシステムの導入支援 ③交通系ICカードの導入検討 • 基幹となるバス路線の定時性を確保 • 交差点の右折レーン設置などの交通円滑 化対策を実施 バス停名が分からなくても、目的地からバ ス路線が検索可能 12
→ 基幹公共交通軸を維持する 2. 鉄 道 (1)駅の利便性向上 (2)乗換抵抗の改善検討 (3)県民の交通行動を変えていく取組 (モビリティ・マネジメント) 3.公共交通を軸としたまちづくり 4.観光地間を結ぶ公共交通ネットワーク ①パークアンドライド推進 ②駅アクセス向上、駅前広場整備 ③駅バリアフリー化、駅設備の改善 • 公共施設建て替え時に公共交通沿線に統廃合を進め、公共交通中心のまとまりを 形成 • 複数の観光地を結ぶバス路線の実証実験などの取組を国、交通事業者とともに実施