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この資料集について この資料集は 分譲マンションの管理組合の理事の方が マンションの電気料金削減に取り組む際に役立つ最新の情報を集め まとめたものです 分譲マンションは 全国に 610 万戸 1500 万人が住むといわれています この資料集は マンションの電気料金 という視点に絞り 管理組合の理事の

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<電力自由化とマンションの電気料金について>

―(管理組合が節電や一括受電を検討する際に役立つ最新情報)―

2015 年 12 月 25 日 NPO 日本住宅管理組合協議会 事務局 松田昌也

第1部

マンションへの電力供給と電力自由化

1. マンションへの電力供給① ― 送配電の仕組み ―

2. マンションへの電力供給② ― 供給電圧による区分 ―

3. 電力自由化とマンション

2 部

マンションの電気料金

1. 毎月の電気料金の基本構成

2. マンション共用部・専有部の主な契約種別と料金計算方法

3. 電気料金削減の基本的な考え方

4. 節電・省エネ・設備変更等による電気料金削減

【LED の導入など】

5. 高圧受電のマンションの電気料金削減

6. 低圧受電のマンションの電気料金削減

7. 各住戸・専有部の電気料金削減

8. 電力各社のホームページ・サービスの利用法

【でんき家計簿など】

9. その他の電力供給手段

【太陽光発電・蓄電池・コージェネ・EV 自動車など】

10. マンション共用部の電気料金メニューの疑問点

3 部

マンションの一括受電

1. 一括受電

2. マンションの電力・今後の展望

【スマートメーター、MEMS、HEMS の導入】

(2)

2

・・・・・ この資料集について ・・・・・

・この資料集は、分譲マンションの管理組合の理事の方が、マンションの電気料金削減に取り組む際に 役立つ最新の情報を集め、まとめたものです。 ・分譲マンションは、全国に 610 万戸、1500 万人が住むといわれています。この資料集は「マンション の電気料金」という視点に絞り、管理組合の理事の目線で、東京電力、経産省、業界各社、電気の専 門家等にヒアリングし、調べ、考えた結果を書いてあります。 ・管理組合の理事が情報と知識を持てば、取組み姿勢が主体的になります。 ・電気料金の仕組み、計算方法は複雑、難解ですが、契約の種別と契約容量で決まる月額固定の『基本 料金』と、同じく契約の種別による単価と一ヵ月の電気使用量の掛け算で決まる『電力使用量料金』 の二つで、毎月の電気代の 95%以上を占めています。この二つを先に重点的に理解するのが早道です。 ・マンションには、6000 ボルトの高圧受電のマンション(主として大規模、超高層など)と、200 ボル ト・100 ボルトの低圧受電のマンション(主に小規模)の二つがあり、設備と電気料金の仕組みが、そ れぞれ異なっています。 ・マンションには共用部と専有部があります。マンションの専有部の電気料金の仕組みは、通常は、一 般家庭(戸建て)と同じです。 ・共用部は区分所有者全員の共有の財産であり、その管理・変更等は、区分所有法という法律、マンシ ョンごとの管理規約などをもとに、住民の多数決(総会での普通決議や特別決議)で実行されていき ます。区分所有法第6条、そして、国交省マンション標準管理規約第1条には『区分所有者の共同の 利益』という用語が記載されており、マンションでは重要なキーワードです。 ・1 棟のマンション全体で考えたとき、専有部の電気使用量の総量は、共用部の電気使用量より、はるか に多いこと(おそらく 5 倍~10 倍)は、念頭に入れておくと良いと思います。 ・主に、東京電力の料金メニューについて述べてあります。他の電力会社でも、名称は異なりますが、 類似したメニューがあります。 ・尚、2016 年 4 月からの電力小売自由化により、電力会社の料金メニューは大きくモデルチェンジされ ます。本資料では、現在の東京電力の料金メニューについて述べてありますが、NPO日住協のホー ムページでは、今後、最新の情報での内容に更新していく予定です。

マンションへの電力供給と電力自由化

《電気のエネルギーは貯めることができない(非常に難しい)》という性質を持っている。 電気は発電されると光とほぼ同じ速さで流れ、発電所から送電網を通して、住宅、マンション、 工場などの消費者に送られる。発電所は電気の需要量に合わせて供給量を調整しながら送電して おり、この調整を、『同時同量』と言って、時々刻々に需給(消費と発電)の一致が必要とされ ている。 重要ポイント

(3)

3

第 1 部 マンションへの電力供給と電力自由化

1. マンションへの電力供給 ― 送配電の仕組み ―

以前は、地域の電力会社(一般電気事業者:東京電力、関西電力…など)が発電、送配電、小売り を一貫体制で独占していたが、2000 年から始まっている電力自由化により、発電と小売りの部門に 新電力(PPS:特定規模電気事業者)が参入し始めている。石油・ガス・通信会社や商社、太陽光発 電事業者など約 90 社(2015 年 8 月時点)が企業や自治体向けなどで実際に電力を供給している。

●託送供給 ・ 託送料金(送配電のネットワークの使用料)(規制対象)

●地域の電力会社と新電力(PPS:ガス、石油、商社、再エネ事業者等)

●2000年以降、大口の需要から、電力の自由化(新電力の参入)は始

まっている。

送配電のネット

ワーク

送電線・変電所・

変圧器・その他

発電部門

マンション共用部

送配電部門

小売り部門

発電所

水力・火力・原発・

太陽光・その他

マンション専有部

戸建住宅・商店・

工場

など

地域の電力会社(※東京電力、関西電力・・・)

新電力

新電力

送配電の部分は今後も地域の電力会社が担い、新電力は託送料金を払ってネットワークを利用する。 託送料金は、送電線や変電所などの電力会社の設備、メーターなども含めてコスト計算され、東京 電力等の電力会社がそれぞれの地域ごとに申請し、国が認可するという規制の対象となっている。 発電された電気は、送配電のネットワークの中に供給され、その後は、火力、水力、原発、太陽光 等々の発電元の区別があるわけではなく、同じネットワークを経由して需要者に届く。 送配電のネットワークにおいては、各地の変電所において高い電圧から低い電圧へと徐々に変圧さ れて送られてくる。高い電圧の方が低い電圧よりも送電のコストは安い。

2. マンションへの電力供給 ― 供給電圧による区分 ―

マンションへの電力供給は、契約電力の大きさにより、①特別高圧 20000v②高圧 6000v③低圧 200 v100vの3種類があり、①は超高層など極めて特殊なマンション、②は超高層、高層など1棟の規 模の大きいマンション、③は 1 棟の規模の小さいマンションである。それぞれの電力量料金の単価、

(4)

4 託送料金 2 例(平成 27 年 12 月認可)、自由化の時期等は下図の通り。 供給 電圧 電 力 量 単価

託送料金

(東京電力)

託送料金

(関西電力) 自 由 化 の 時期

特別高圧

20000v 約 15 円 /kwh

平均 1.98 円

/kwh

平均 2.02 円

/kwh 2000 年 自由化 (特殊なマンション)

高圧

6000v 約 16 円 /kwh

平均 3.77 円

/kwh

平均 4.01 円

/kwh 2005 年 自由化 (大規模マンション)

低圧

100v 200v 約 25 円 /kwh

平均 8.57 円

/kwh

平均 7.81 円

/kwh 2016 年 4 月自由化 (小規模マンション) (※参考 低圧電気料金の原価構成例:電力量単価=電源コスト 53%+託送料 33%+粗利 14% )

3. 電力の自由化

(1)経産省による『電力システム改革』の 3 つの目的と 3 つの柱 〈3 つの目的〉 ①安定供給の確保 ②電気料金の最大限の抑制 ③電気利用の選択肢や企業の事業機会の拡大 〈3 つの柱〉 ①地域を超えた電気のやり取り ②電気の小売全面的自由化 ③送配電ネットワークの公平な利用 (2)電力の自由化とは ・電力供給事業者の新規参入を認める (発電の自由化) ・どの供給事業者からでも電力を買える (小売の自由化) ・誰でもどこへでも、既設の送配電網(ネットワーク)を使って電気を送配電できる(送・配電の ネットワーク利用の自由化) ○2000 年以降の電力システム改革によって、電力の小売は既に部分的に自由化されている。その結 果、工場などの契約電力の大きい(特別高圧、高圧)大口消費者(=自由化部門)に対しては、既 に各地域の電力会社以外の新電力が参入し始めている。一方、家庭を含む低圧の小口消費者(=規 制部門)については、2015 年現在は地域の電力会社のみが電気の販売(小売り)を行っている。2016 年 4 月に、小口の小売りが自由化され、特別高圧、高圧、低圧すべてにおいて、小売りが全面自由 化されることになる。ただし、東京電力等の地域の電力会社による、発電、送配電、小売りの一貫 体制は残るので、まだ、完全に公平な競争とは言い難い。 ○既存の電力会社の発電部門と送電部門を切り離す 2020 年予定の【発送電分離】(法的分離)が電 力自由化の終着点とされている。送配電の部門が「一般送配電事業者」として、国のライセンスを 得て、公平、中立な別会社になる。(現状のように、発電、小売りと兼業はできなくなる。)この時 点で料金規制も撤廃され、発電も小売りもすべての事業者が同じ条件で電力を供給でき、完全に公 平な自由競争となる。 (3)新電力参入における諸事情 ①新電力に対しては、電気事業法で「30 分同時同量」が義務とされた。大量に電気が消費され不足 したときには、30 分以内に電力を都合しなければならいという内容。30 分の猶予もない大手電力会 社への『同時同量』よりは緩和された措置だが、容易ではない。太陽光や風力発電などは天候に

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5 左右され、足りなくなったときは大手電力会社から購入して、それぞれの発電量のバランスをとる。 それが 3%以上ずれたときは、インバランス料金というペナルティがある。 ②高い託送料金が競争のネックとなっている。地域を超える場合は需要地の託送料金が適用される。 ③新電力は負荷率の低い需要(ミドル電源、ピーク電源)に強みがある。 (ピーク時とそれ以外の時間帯で使用電力量の差が大きいことを「負荷率が低い」と言う。)既存の 大手電力会社は、平準化した電力使用が対象となるベース電源には強いが、負荷率が低いほど基本 料金が高くなり、割高となってしまう点がウィークポイントだった。

《託送料金(=送配電のネットワークの使用料)が競争のネック》

現在は、送電線、変電設備等々の送配電のネットワークを地域の電力会社が独占している。ネット ワークの使用料を『託送料金』と言って、地域の電力会社が申請し政府が認可する、という規制対 象になっている。新電力各社は託送料金を払って、ネットワークを自由に利用できるが、託送料金 の高さが競争のネックとなっている。地域を超える場合は需要地の託送料金が適用される。

《2020 年の発送電分離が電力自由化の終着点》

電力自由化の終着点と言われる 2020 年の発送電分離により、地域の電力会社が発電、送電、小売を 一貫して独占する状況はなくなり、発電も小売りも完全に公平な自由競争となる。 (4)電力自由化の第一段階 ――電力供給の“司令塔”と“番人”の組織の設置―― 【広域的運営推進委員会】 2015 年 4 月設立 ・電力需給の調整、電力融通の指示を、地域を越えて効率的に行う“司令塔”の役割を担う ・自由化後の電力の安定供給を確保する ・どの小売電気事業者と契約しても電気の周波数や停電しやすは変わらないようにする 【電力取引監視等委員会】 2015 年 9 月設立 ・電力の送配電(ネットワーク)部門の公平性・中立性を確保する監視役、“番人”の役割を担う ・託送料金の認可や小売事業者の登録等に際して審査を行う ・「規制の虜」(監視・規制される側が規制する側を逆に支配してしまう状況)とならないよう、高 度の専門性を有する組織とする。 (5)電力自由化の第二段階 ――2016 年 4 月「電力小売全面自由化」までのスケジュール―― 東京ガス、大阪ガス、石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギー、通信最大手のソフトバンクや KDDI、楽天、市民生協なども参入予定。 2015 年 7 月 電力会社が託送料金を申請 8 月 3 日 小売り電気事業者の登録申請の受付開始(10 月 8 日時点で 40 社が登録) 12 月 28 日までに 電力会社が離島供給約款、最終保障供給約款を届け出 12 月末までに 電力会社が申請した託送料金を国が認可 小売営業に関するガイドライン案の策定 2016 年 1 月 契約変更の受付など事前手続きが本格化 ※小売り事業者に契約時の書面での説明義務(消費者保護) 4 月 1 日 電力小売り自由化スタート 重要ポイント 重要ポイント

(6)

6 電力各社が 7 月に申請した託送料金は、電力取引監視等委員会により妥当性が調査され、12 月 18 日に、1kw時あたり平均で東京電力が 8.57 円、関西電力が 7.81 円で認可された。予想よりも申請 時からの減額は小幅に留まった。新電力は大きな発電所を持っているわけではないので、発電のコ ストもかかり、託送料金は参入の競争力において重要な数字となる。 小売り事業者には、消費者保護の観点から、書面による説明が電気事業法で義務付けられており、 電源構成なども開示する。この時点では(2020 年発送電分離がなされるまでは)、自由化といっても、 完全な自由競争ではなく、消費者保護、安定供給の確保を下に進めるのが国の方針といえる。 (6)2016 年 4 月電力小売全面自由化後のマンション 電力契約先の選択肢が拡大され、マンション専有部が、原則としては、戸別に自由に電力会社を選 べる。(例外として、後述する一括受電のマンションでは自由に選ぶことはできない。) 新電力を選んだからと言って、停電が起きたり、供給が不安定になったりすることはない。 電力そのものは、従来通り、東京電力等の地域の電力会社から安定供給され、代わりに新電力は顧 客が使った分の電力を送配電のネットワークに供給する仕組み。つまり、毎月の電気料金を請求し てくる相手(およびその料金体系)だけが、変わるということになる。 多様な業種が参入し、多様な料金メニューが提供される。例えば、時間帯別、省エネ型のピークシ フト料金。また、「通信とのセット割引」、「電力・ガスとのセット割引」、「支払いの一本化(バンド ル)」、「ポイントサービス」など、これまでになかったサービスが提供されると期待される。 尚、ここでも消費者保護の観点から、2020 年 4 月までは今と同じ電力会社から同じメニュー(規制 料金)で継続・更新できる。ヨーロッパでの事例があるように、自由化になっても電気料金が安く なるとは限らないので、このような経過措置がとられている。 ガス会社による低圧の需要への電力供給が始まる。天然ガス、再生可能エネルギー等のクリーンな 電源が主で CO2 の排出も少ない。低圧供給のマンションの共用部が初めて自由化となり、管理組合 の判断で、自由に電力会社を選べるようになる。 従来の【低圧電力+従量C】に替わる有利な契約メニューが期待される。(従量Cは一般家庭の従量 Bと同じ三段階の料金体系で、使えば使うほど単価が高くなり、電力使用量の多いマンション共用 部や事務所ビルなどには非常に不合理なメニューであった。) ⇒東京ガスのホームページ参照 http://power.tokyo-gas.co.jp/service_owner.html 大口の契約である高圧、特別高圧は、既に、2000 年から順次自由化され、役所などの公的機関は、 入札で電力会社を選んでいる。大口の供給は、その対象となっているのが電力量ベースで 63%であ ったが、実際に新電力に切り替えられたのは、そのうち 4.5%(2013 年度上期、発電量ベース)に 過ぎない。新電力が少しずつシェアを奪いつつはあるが、大口の供給の自由化の実態としては、ま だまだ、既存の電力会社による独占が続いている状況と言える。 自由化により、マンションの共用部の契約は、管理組合の判断で東京電力以外に変えられる。総会 普通決議で行うのが妥当だが、理事会決議だけで変えても(通常は)規約違反とはならない。安く、 安全性は変わらない電気が入手可能。受変電設備は現状と変わらないので、設備投資や手数料など も発生しない。また、メーターは、自動的に、東京電力がスマートメーターに交換に来る。

(7)

7 2016 年 4 月に低圧の小売りが自由化され、特別高圧、高圧、低圧の全てにおいて小売自由化となる。 電力小売全面自由化後には、 ○多様な業種が参入し、多様な料金メニューが提供される。(例:電気・通信・ガス等のセット割引) ○マンションは各戸ごと、専有部ごとに、別々の電力会社と契約できるようになる。(一括受電は例外) ○ガス会社による低圧のマンション共用部への電力供給が始まる。(設備投資不要) (7)電力・ガス・熱 エネルギーの自由化 2016 年に電力の小売が自由化され、1 年遅れて 2017 年にガスの小売が自由化される。さらに、2020 年に電力の発送電分離がなされ、2 年遅れて 2022 年にガスの導管分離が予定されており、電気に続 いてガスも全面自由化される。電力の自由化の方が先なので、ガス会社の電力参入が、先手を打て ている。しかし、電力会社もガスの販売への参入を準備している。現に東京電力はガスをたくさん 輸入しており(ガスの輸入量において、東電 30%、東ガス 15%)、他の業種からの参入も含めて、 シェアの奪い合い、囲い込みといった激しい競争の状況になりつつある。公平で自由な競争の監視 役・規制組織として重要な役割を担う電力取引監視等委員会は、電力・ガス取引監視等委員会と名 称を変えて継続する。 電力の自由化の後に、ガスも自由化となり、電力会社が、ガスの販売に参入してくる。 出典:資源エネルギー庁 重要ポイント

電力・ガス・熱 エネルギーの自由化の道筋

電力・ガス取引監視等委員会 重要ポイント

(8)

8 (8)再生可能エネルギー 日本の再生エネルギー電源比率は現在 12.2%(水力 9.0%、その他 3.2%)だが、政府は長期エネル ギー見通し(エネルギーミックス)において 2030 年に 22~24%を目標としている。大規模水力は余 地がなく、太陽光、風力、小規模水力、地熱、バイオマス等で賄うが、現状は開発が容易な太陽光 に新規再エネ電源開発が集中している形となっている。風力などは諸外国に比べ、極端に遅れてい る。原子力発電所の再稼働を最優先させていることが大きな原因となっている。 2015 年度現在では再エネ電源からの買取り費用は全消費者負担として転嫁され、各家庭では 1.58 円/kWh(一般家庭で 474 円/月程度)ほど電気料金に上乗せされる形となっている。また、原子力 発電の再稼働と再エネの導入促進は裏表の関係となっている。 再エネ電源には、天候や時間帯によって発電量が大きく変化するという弱点がある。再エネ電源の 急速な拡大に伴い、停電などが起こらないようにするためには、送配電部門の調整業務が重要とな ってくる。 (9)海外の電力自由化事情 アメリカ 自由化後カリフォルニアで電力危機発生、同州は 2001 年自由化中断。2014 年 12 月現在、 全米 50 州のうち 13 州、ワシントン DC のみ小売り全面自由化実施中 ドイツ 1998 年に全面自由化。欧州でもっとも高かった電気料金は、一時は産業用で 2~3 割低 下したが、近年は再エネ買い取りコストの増大で上昇に転じ、EU で最も高い。 フランス 1998 年から段階的に自由化され、2007 年に全面自由化。電気料金は 1990 年ごろから低 下し、2000 年から横ばい。原子力発電比率が高いため、燃料費高騰の影響を受けない。 EU ではもっとも安い。 イギリス 自由化で競争激化、1999 年より全面自由化。ガスと電気のセット販売、オンライン契約 等々の様々のメニューで割引競争。家庭用需要家は、半数以上が供給事業者を変更して いる。民営化、自由化により、英国の大手電力会社は独、仏等の大手エネルギー会社に 買収された。 イタリア エネルギーの 8 割を輸入している。1987 年国民投票で原発推進否決。2008 年より、自由 化されてきているが、家庭用と小口業務用需要家には一律の規制料金が維持。需要家は、 一度自由化市場を選択した後でも、希望すれば再び規制料金に復帰できる。規制料金適 用の家庭用需要家の比率は、家庭用全体の 76%となっている。 ((一社)『海外電力調査会』ホームページより、要約して引用) 欧米では電力自由化後に必ずしも電気料金が下がっているとは限らない。日本は、再生可能エネル ギーの導入も含めて欧米に遅れてはいるが、電力自由化について海外の事例には多くの学ぶべき点 がある。 重要ポイント

(9)

9

2 部 マンションの電気料金

1

1

.

.

(ア) (イ) (ウ) (エ)

電気

料金

基本

料金

(固定)

+

電力量

料金

±

電力量料金 燃料費 調整額

+

再生可能 エネルギ ー発電促 進賦課金 (ア)

基本料金=基本料金の単価×契約電力(kW)

契約種別により、力率割引があるなど、多少の違いはあるが、この計算式が原則。契約電力により月 額が固定。 (イ)

電力量料金=電力量料金の単価×使用電力量(kWh)

電力量単価は契約種別により決まっている。例えば、高圧では16 円/kwh 前後、低圧の従量電灯 B や C では、使用量が増えるほど単価が高くなる 3 段階の料金体系で、平均すると、25 円/kwh 前後。

(ウ)燃料費調整額=燃料費調整単価×使用電力量

燃料費調整単価は原油・LNG・石炭の 3 か月間の貿易統計価格より算定され、毎月自動的に上げ下 げされている。 単価は、平成 27 年 9 月現在、低圧契約で-1.60 円/kwh

(エ)再生可能エネルギー発電促進賦課金=単価×使用電力量

単価は、平成27 年 5 月現在、1.58 円/kwh 再生可能エネルギーの電気を電力会社が買取り、全消費 者が負担する仕組み。 (ア)基本料金と(イ)電力量料金で、毎月の電気料金総額の95%程度以上を占めている。 (エ)の再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーが大量導入されてくれば比率は高 くなるが、現在はまだ数%に満たない。また、管理組合の自助努力で変えられるものではない。 電気料金の仕組みは複雑であり、多くの管理組合、住民には難解である。また、採るべき選択肢の周知 も足りなかった。そのため、管理費の経費適正化に努めた多くの管理組合においても、こと電気料金に ついては、今まで主体的な取り組みは遅れ、後回しにならざるを得なかったという側面がある。 業者、専門家に、燃料費調整額や、再生可能エネルギー発電促進賦課金の話も一緒にされると、素人で は、聞いても訳が分からなくなる。些細な事柄や、イレギュラ-な話は後回しにして、まずは、金額の ウェイトが圧倒的に大きく、どの契約種別にも共通であり、そして、管理組合の自助努力で最適化する 方法がある、(ア)「基本料金」と(イ)「電力量料金」に絞って理解し検討を進めていくのが早道である。 その際、(ア)基本料金の契約電力単価(1kw あたり)と、(イ)電力量料金の電力量単価(1kwh あたり)、 という二つの単価が、極めて重要な数字となる。

(10)

10

重要ポイント

○マンションの共用部も専有部も、「基本料金」と「電力量料金」で、毎月の電気料金総額の95% 程度以上を占めている。この二つの仕組みについて、重点的に理解を進め、管理組合としての方 策を検討するのが早道である。

2.

高圧受電の仕組み

200V(動力).. 6,000V 100V(電灯) 6,000V 100V ○ 共用部は、管理組合の資産である自家用受変電設備で、200V、100V に変圧して供給する。専 有部は、借室内の東京電力資産の変圧器で 100V に変圧して供給する。 ○ 高圧受電の共用部の電力量料金単価は、低圧受電より 20%~30%安い。 ○ 専有部の電気料金は、共用部が高圧、低圧によらず、一般の戸建て住宅の家庭と同じ(従量 B の 3 段階料金体系)。 ○ 基本料金のもととなる契約電力は「過去 1 年間の中での最大需要電力」で、月毎に変わる。 30 分ごとに東電が計量した月間の最大値で、同時に多くの設備を使うと大きくなる。 この瞬間的な最大需要電力(デマンド)の数字に、その月以降の 1 年間は縛られてしまう仕組 みである。 東 電 の 変 圧 器

受 変 電 設 備 自 家 用

共用部

業務用契約(自由化部門の大口契約)

専有部(各家庭)

東電との個別契約 (従量 B の 3 段階料金体系) 送 電 線

(11)

11

低圧受電の仕組み

200V(動力) 6,000V 100V(電灯) 100V ↑ (状況によりパットマウントで可) ○ 共用部、専有部ともに、借室の東京電力の変圧器により、共用部動力は 200V に、共用部電灯 は 100V に、専有部は 100V に、それぞれ変圧して供給する。共用部動力の契約は「低圧電力」、 共用部電灯の契約は「従量 C」であるマンションが、ほとんどである。専有部の電気料金は、 一般の戸建て家庭と同じ。(従量 B) ○ 共用部動力の低圧電力契約の基本料金のもととなる契約電力は、通常は、エレベーター、ポ ンプ等の設備容量の合計から決められる『負荷設備契約』である。 ○ 共用部電灯の従量C は、専有部の従量 B と全く同じ。 以下、マンション共用部・専有部の主な契約種別について、概要を説明。 ①

高圧受電「業務用契約」

(自家用受変電設備のある「高圧供給」のマンション) 値上げに政府の認可を要しない「自由化部門」と言われている業務用の大口契約。超高層など、1 棟の規 模が大きなマンションでの事例が多い。共用部分の契約電力が 50kw 以上の場合は、原則として、自家 用受変電設備が必要とされ、高圧供給での契約となる。(高圧は2005 年に、すでに自由化されている。) 6000V の高圧で受電し、借室変電室(東電の管理下にあり、カギも東電が保管)と自家用受変電設備(自 前で設置した管理組合の所有物=自家用電気工作物、法定の検査が毎年必要)に送られ、そこで、200V・ 100V に変圧されて、棟の共用部分と、各住戸専有部に送られる。 東電との契約種別は、この変形として、業務用季節別時間帯電力、さらに業務用季節別時間帯別 2 型 があり、これらは、季節により、あるいは、昼夜により、電力量単価が異なるもので、マンションでは 有利になる契約型。 自家用受変電設備を資産として持つことは、電気料金の上では単価が安くなるが、設備の維持費、法定 検査費用がかかり、将来の更新費用(数百万円~)も高価である。 つまり、高圧受電のマンションの管理組合は、大口契約で電気代の単価が安く優遇されている、という 東 電 の 変 圧 器

動力は低圧電力(負荷設備契約 or 主開閉器契約)

共用部

電灯は従量 C の 3 段階料金体系

専有部(各家庭)

東電との個別契約 (従量 B の 3 段階料金体系) 送 電 線

(12)

12 見方もある一方で、設備の設置場所と維持管理のコストを自前で負担し続けている訳である。 〈1か月の料金計算方法と事例〉 基本料金=単価×契約電力×(185-力率)/100 電力量料金=単価×使用電力量 料金=基本料金 + 電力量料金 ± 燃料費調整 +「再エネ賦課金等」 業務用季節別時間帯別契約の場合、基本料金の単価は 1kw あたり 1684.8 円、電力量料金の単価は 1kwh あたりピーク時 19.36 円、夏季昼 19.36 円、その他季 17.96 円、夜間時 12.45 円 ここで、基本料金における契約電力とは「過去1 年間の中での最大需要電力」で、月毎に変わる。30 分 ごとに計量した月間の最大値で、同時に多くの設備を使うと大きくなる。この瞬間的な最大需要電力(デ マンド値)の数字に、その月以降の1 年間は縛られてしまう仕組みである。 力率については、東電のホームページに、以下の説明がある。 「力率」とは・・・電気をモーターなどの機器に使った場合、エネルギーの損失が生じ、実際に働いた電力(有効電力) は電圧と電流の積(皮相電力)より小さくなります。この比率のことを力率といいます。 力率 (%) = 実際に働いた電力 (有効電力)/(電圧 × 電流 (皮相電力) )× 100 「力率割引・割増」とは・・・力率が悪くなると供給設備をより大きくする必要が生じます。そこで力率の改善をおすす めする意味で低圧電力の場合、力率 85%を基準としてそれより力率の良いものは 90%、悪いものは 80%に設定し、それぞ れ基本料金を 5%割引、割増します。 ※電気機器に基準どおりのコンデンサを取り付けて、力率を改善するようおすすめしています。 ②

「低圧電力」+「従量電灯 C」

(自家用受変電設備を持たない「低圧供給」のマンション) ※低圧供給での東京電力の契約メニューは2016 年 4 月からフルモデルチェンジされる。おまとめ プラン、ピークシフト、電化上手などのメニューへの新規の申し込みは 3 月末で終了する。4 月か らの新メニューは順次公表の予定。(旧メニューのままで継続は可能) ※東京電力の低圧契約の主要メニューの 2015 年 12 月現在の料金表や料金計算式は、以下を参照。 (2016 年 6 月より料金は改訂予定) http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu15_j/images/151201j0101.pdf 家庭用の料金などと同様に、値上げには政府(経産省)の認可を要するので「規制部門」と言われてい る。中規模、小規模のマンションの大半がこの契約種別である。 6000V の高圧の配電線から、棟の借室変電室(東電の管理下でカギも東電が保管)に入り、そこで東電 の責任で、200V・100V に変圧されて、直接、棟の共用部分と、各住戸(専有部)に送られている。 各住戸(専有部)の契約電力と、共用部の契約電力の総計が、50kw 以上になる場合は、借室変電設備が 必要とされ、管理組合は無償で東電に借室変電室を提供し、設備の維持・管理費用は東電が負担する。 管理組合は自家用変電設備を持たないので、その維持・更新費用は要らない。そのかわり、電気料金の 単価は高圧受電よりも高くなっている。 尚、近年は、大型パットマウント(集合住宅用変圧器)が開発され、概ね、72 戸までは借室変電室が不 要となってきている。(このパットマウントの維持管理も東京電力が行う。)

(13)

13 ここで、エレベーターやポンプなどの動力(200V・三相)の部分が「低圧電力」契約、廊下や階段の電灯 (100V)の部分が「従量電灯 C」契約になっており、それぞれメーターは別になっている。従量電灯 C の契約の電気料金の計算の仕組みは、専有部(一般家庭)と同じである。 従って、マンション(棟)の共用部分の契約電力の仕様は、**マンション共用部分:電灯 15KVA、動力 27KW というような形になっている。 電灯部分の契約容量の数字15 KVA は、電灯の数・回路の数で決まり、動力部分の契約電力 27KW の数字 は、通常、エレベーター、ポンプ等の設備容量の合計から決められる『負荷設備契約』である。(上の例 ではエレベーター6.5kw×3 台+ポンプ 7.5kw×1台=27kw) 他に、大元のメインブレーカーにより契約容量を決める『主開閉器契約』という方法がある。 (⇒6 章(その 1)「電子ブレーカーによる主開閉器契約への変更」参照) 該当するマンション(棟)の契約は上記の「低圧電力」と「従量電灯 C」の 2 つの契約となり、電気料 金の請求のお知らせも毎月2 種類送られてくる。 複数棟からなる大規模な団地では、高層棟は、「業務用契約」の高圧受電、中層棟は、「低圧電力」+「従 量電灯C」であるなど、棟により契約種別が異なり、それが団地内で混在しているケースがある。 〈1カ月の料金計算方法〉 「低圧電力」(動力部分の契約) (契約電力および力率は、「電気ご使用量のお知らせ」(検針票) に記載してある。) 基本料金=単価×契約電力×(185-力率)/100 電力量料金=「夏季」または「その他季」の料金単価(税込)×使用電力量 料金=基本料金 + 電力量料金 ±燃料費調整額 +「再エネ賦課金等」 基本料金の単価は1kw あたり 1101.6 円、電力量料金の単価は 1kwh あたり夏季 16.97 円、その他季 15.42 円 「従量電灯C」(電灯部分の契約)

基本料金 1 kVA あたり 280.8 円(1 kVA は 10A に相当)

(kW=kVA×力率だが、ここでは、kW と kVA は同じものと考えて支障ない。) 電力量料金 最初の 120kwh まで (第 1 段階) 1kwh につき 19.43 円 120kwh をこえ 300kwh まで(第 2 段階) 1kwh につき 25.91 円 上記超過 (第 3 段階) 1kwh につき 29.93 円 料金=基本料金 + 電力量料金 ±燃料費調整額 +「再エネ賦課金等」 ③

「従量電灯

C」という契約だけのマンション

4F 建て以下でエレベーターがなく、揚水ポンプの設備容量も小さいようなマンションでは、「従量電灯C」 だけの契約の場合も多くある。200V の三相三線式の電力が必要な動力がなければ、「低圧電力」の契約 はないことになる。 ④

「低圧高負荷」(おまとめプラン)

※低圧供給での東京電力の契約メニューは2016 年 4 月からフルモデルチェンジされる。おまとめプラン、ピークシフト、 電化上手などのメニューへの新規の申し込みは3 月末で終了するが、現状がおまとめプランの場合は 4 月以降も継続可能。

(14)

14 動力の「低圧電力」と電灯の「従量電灯C」という二つの契約を一本化した「低圧高負荷契約」(おまと めプラン)という契約種別がある。二つの契約電力の数字の合計が15kw~50kw の範囲の場合に、希望 すれば、いつでもこの契約を選択でき、安くなるケースがある。東電のホームページの「でんき家計簿」 に会員登録(無料)すれば、料金比較のシミュレーションができる。 〈1ヵ月の料金計算方法〉 基本料金は1kw あたり 1296 円、電力量料金単価は 1kwh あたり夏季 18.41 円、その他季 16.74 円 料金=基本料金+電力量料金±燃料費調整額+再エネ賦課金等 従量電灯C と比較すれば、基本料金が高く、使用量に比例する電力量料金の単価が安いことが分る。 ⑤専有部は

「従量電灯

B」

(一戸建ての家庭と全く同じ) 〈1ヵ月の料金計算方法と事例〉 基本料金は、契約10A あたり 280.8 円。電力量料金は、従量電灯 C の場合と同じ三段階式の単価。 電力量料金 最初の 120kWh まで (第 1 段階) 1kwh につき 19.43 円 120kWh をこえ 300kWh まで(第 2 段階) 1kwh につき 25.91 円 上記超過 (第 3 段階) 1kwh につき 29.93 円 料金=基本料金 + 電力量料金 ±燃料費調整額 +「再エネ賦課金等」 (↑東京電力のホームページより、お知らせの見本)

(15)

15

3. マンションの

マンションでの電気料金の削減方法は、次の4 つに分けて考えられる。 ①使用電力量そのものを減らす。 スイッチオフを含めた節電の工夫、電灯の間引き、点灯時間の調整、待機電力の設定、空調設定温度の 緩和(夏期 28℃、冬期 20℃設定)、LED 照明など新式の省エネ設備への交換など ②使用電力量そのものは減らないが、使用時間帯を昼のピーク時間から、夜間などにシフトする。 ③東電との契約形態の変更により「契約電力」または「電力量」の二種類の単価をより安くする。 ④共用部・専有部を合わせた一括受電の検討(両方で高圧の安い単価を利用できる。) ここで、①は、節電は直接、世の中全体の電気の節約・効率化に貢献する。②も、発電・電力供給の仕 組みは世の中の電気需要のピーク時間に合わせて考えられているので、ピークをシフトし平準化するこ とは、世の中全体にとって節電効果が大きい。 ③、④は、電力会社との契約を有利なものに変更して、コストを低減するもの。契約の変更とともに、 利用者の省エネへの関心が高まり、①、②の電気使用量の低減や使用時間帯のシフト、省エネ設備の導 入などに繋がることにより、世の中全体の節電・効率化に貢献していくものと考えられる。

kW(キロワット)と kWh(キロワット時)の違い

kW(キロワット) … 電気設備の容量、パワー 基本料金に関係する。

その設備を動かすために必要な、瞬間的な最大消費電力

kWh(キロワット時) … 消費電力×時間 電力量料金に関係する。

実際に使われた電力の総量、仕事量

○基本料金の削減は kW の低減により、電力使用量料金の削減は kWh の低減による。

○電力使用量料金(円) = 消費電力

(kw)

×稼働時間

(h)

×電力料金単価

(円/kwh

)

4.

【LED の導入など】

(1)LED 照明

【LED の長所・メリット】 ①省エネ:消費電力(電気代)は白熱電球の20%、蛍光灯の 50%。 ②長寿命:LED の寿命は 40000 時間(=1 日 12 時間点灯で、年 4380 時間で、約 9 年の寿命)、白熱電 球(1000 時間)の 40 倍、蛍光灯(6000 時間)の約 7 倍。ランプ切れによる交換の手間とコストも削減。 寿命が来ても、蛍光灯のように急に点かなくなるのではなく、時間をかけて徐々に暗くなる。

(16)

16 ③紫外線の放射が少ないため、虫が付きにくく、清掃の手間が省け、屋外照明に適している。CO2 排出 量の削減、水銀などの有害物質不使用など、環境面、資産価値の面でも良好。 ④スイッチを入れると、直ぐに明るく点灯。点滅を繰り返しても消耗はしない。 【LED の課題・現状】 ①LED は製品価格、導入費用が高いため、電気代が安くなっても、初期投資費用の回収に、1 年~数年 かかる。しかし、昨今は、普及が広まって商品のラインアップも増え、価格も5~6 年前に比べると3分 の1以下に下がってきている。 ②大手国産メーカーが相次いで蛍光灯、白熱電球の器具の生産中止を発表している。旧型のランプ、電 球は、品薄、納期の遅れ等、流通が以前より不自由になってきている。 ③LED を導入した管理組合の事例では電気代の削減効果が確認されつつある。電力使用量の省エネによ る電気代削減だけでなく、基本料金も下がる可能性がある。 ④直管形蛍光管で既存の器具を利用する場合、電球取付けの際にバイバス工事(安定器の取り外しと配 線の切り替え)が必要。器具本体の交換にも工事が必要。 ⑤本体器具一体型とランプ交換可能型があり、器具の寿命とLED ランプの寿命の兼ね合いがある。器具 とランプが合わないケースがあるので、器具ごと交換が望ましい。 ⑥建築基準法では、非常灯は白熱灯、蛍光灯でなければならないと規定があったが、最近、国交省大臣 認定となり、非常用照明もLED 化が可能となった。 【LED のメリットの活かし方】 駐車場、駐輪場、エントランス等の長時間の点灯場所は、費用対効果が大きい。効果の高いところから 優先的にLED への交換を検討して行くのが合理的だが、いずれ、蛍光管、白熱電球はなくなるのだから、 早めにLED に替えて(オール LED 化)、管理費のランニングコスト(電気代)やランプ交換の手間暇の コストを下げた方が得策とも考えられる。 投資費用回収年数の検討要素としては、「既存照明とLED との消費電力の差」、「東電との契約種別・電 力量単価」、「点灯時間」、「導入費用・製品価格と工事費、交換本数」、「設置場所、既存照明の交換頻度 によるランプ交換の手間暇のコスト」等がある。業者には、投資回収年数についての計算根拠を納得の いくように説明させた方が良い。 東電との契約において、高圧契約ではタイプ別の夜間と昼、低圧契約では従量C と低圧高負荷(おまと めプラン)等における電力量単価の差を考慮。基本料金への影響もある。よって、特に、修繕積立金か らの高額の投資の場合は、LED 以外の他の削減策も併せて、総合的な助言のできる業者に調査を依頼し、 提案を求めることを奨める。 電力使用量の低減による省エネであり、2016 年 4 月からの電力小売自由化は、LED 導入の是非につい て直接的な影響はないが、自由化で電気の基本料金や単価が変われば、投資費用回収年数には影響する。 電球型照明器具比較(60Wタイプ) LED電球 電球型蛍光灯 白熱電球 消費電力 7.5W 10W 60W 寿命 40000 時間 10000 時間 1000 時間 概算価格 1500 円 1000 円 150 円 電球型照明器具での LED の電気使用量は、蛍光灯の約 70%、白熱電球の約 20%

(17)

17

重要ポイント

LED 照明は、価格も下がり、導入効果の実績も多く出始めている。蛍光灯、白熱電球は、生産 中止となりつつある。(⇒早めにLED に交換し、ランニングコストを下げるのが得策とも考えら れる)

(2)マンション共用部の電気設備について

(ポンプ、エレベーター、空調など)

共用部の動力には、給水ポンプ、エレベーター、機械式駐車場、空調などの電気設備がある。電気容量 としては、それぞれ数kw 程度で大した差はないが、稼働時間は圧倒的にポンプが長く、使用量による電 気代の差は大きい。 例えば、インバーター制御で電気容量 7.5Kw(これは最大稼働出力で、常時この電力を消費しているわ けではない。)の給水ポンプの場合、仮に平均4Kw/時で、一日 18 時間稼働し、低圧契約の電気料金単価 が15 円/Kwh とすると、このポンプによる電力使用料は、月に 4×18×15×30 日=32400 円と概算さ れる。 一方、エレベーターの稼働時間は少なく、1階から10 階まで上がっても数円程度しかかからないようで ある。毎月の低圧契約(動力)の共用部の電気代の70%程度はポンプの稼働によるものという情報もあ る。 従って、古い旧式のポンプをリニューアルするときは、更新費用だけでなく、容量の減少と省エネ化に よる、毎月の電気代の減少効果も、業者に良く説明を聞いた方が良い。(家庭で、旧式のエアコンや冷蔵 庫を交換すると省エネへの改善により電気代の軽減効果があるように、新式のポンプは電気代の効率が 良いはずである。)新式の省エネ型ポンプへの交換で、低圧契約の電気代が数十%減る可能性がある。 また、昨今、ポンプを圧力タンク方式から増圧直結式に変更するケ-スが多い。圧力タンク方式は、水 道本管からいったん受水槽に貯め、0 から水圧を上げて上階へ送る仕組みだが、増圧直結式は、水道本管 の圧力も利用するため、電力使用量は明らかに少なくて済み、電気代も安くなる。 例えば、容量が8Kw から 6Kw に下がれば、電力使用量が減り、東京電力に届ければ、基本料金も下が る。(低圧契約の場合、毎月の基本料金の方で、1102 円×(8-6)×0.95=2094 円下がり、電力使用量 料金の方でも省エネ効果により25%以上減る可能性がある。) 次に、エレベーターのリニューアルは、ポンプに比べ稼働時間が少ないので、電気使用量に比例した使 用料金への影響は小さいが、電気容量が減ることによる基本料金の低減には有効であり、特に、油圧式 をロープ式に変えたときに効果が大きい。(基本料金の減り方は、上で述べたポンプの場合と同じ計算で ある。) また、エレベーターの照明を高額のLED に交換するのは、単独の工事では費用対効果が少ない。むしろ お金をかけずにできる、一定時間経過後には消灯する設定や、エレベーターを停止階で待機するような 設定変更を検討した方が良いと思われる。 機械式駐車場は、マンションでは稼働時間が少ないため、使用量としての電気代への影響は小さいと考 えられる。しかし、契約容量として、基本料金には関係している。(→廃止すれば基本料金が減る。) 管理棟や大きな集会室、スポーツ施設があるような大規模マンションは、業務用の空調設備の数も多い はず。業界最大手のダイキン工業によると、1997 年製と 2012 年製では、年間の消費電力に 5 倍の開き

(18)

18 があるとのこと。古いエアコンに高いメンテナンス代を毎年払っているケースもある。新品への交換を 検討する際は、電気代のコストも考慮した方が良い。 ゴミ処理施設や、その他の容量の大きな電気設備がある場合も、考え方は同じである。 電気設備を変更したときの電気代についての基本的な考え方としては、電気容量(kw)の増減は、「基本 料金」に影響し(低圧の負荷設備契約の場合は容量の和として直接的に影響し、高圧の場合は、最大需 要電力・デマンドの値を通して間接的に影響する)、そして、消費電力(kw)に稼働時間(h)と電力量 単価(円/kwh)をかけて計算される「使用量料金」に影響する。 電力使用量料金(円)= 消費電力(kw)×稼働時間(h)×電気料金単価(円/kwh)

重要ポイント

〇最新の電気設備は、省エネ性能化が進んでいる。 〇特に、給水ポンプなど、長時間稼働する設備のリニューアルは、電気代削減への大きな効果 が期待できる。

(3)その他の省エネ改修

外断熱、複層ガラス、屋上・壁面緑化等、省エネ効果のある改修工事は、電気代の削減にも貢献する。 共用部の改修ではあるが、専有部の電気代の削減への寄与があることも注目したい。大規模修繕工事と 合わせて検討すると良い。政府、自治体による各種の補助金も利用できる。

5.

(その1)①業務用契約、②業務用季節別時間帯別、③業務用季節別時間帯別 2 型の 3 種類のうち、有利 な契約に変更する。 ⇒①よりは、②または③が有利なケースが多い。②と③では、基本料金の単価は②の方が安いが、電力 量料金の単価は③の方が安い。夜間に消費する電力が多いマンションでは③が有利なケースがある。 (東電によると、2013 年 9 月現在、①または②から③への変更は認められず、また、新規の契約も①ま たは②に限られているようだ。既に、③で恩恵を受けているマンションは数多くあるが、現状は、毎年 の契約更新で、そのまま継続できる。) 東電のホームページの「TEPCO ビジネスプラットフォーム」(旧名称「高圧のお客様専用ページ」)から 会員登録を行うと、①または②の料金のシミュレーションがPC の画面上でできる。 (その2)デマンド値の低減 ⇒高圧契約では、基本料金のウェイトも大きい。(200KW での基本契約をしているマンションもある。) 毎月の基本料金の単価は1KW あたり約 1700 円程度なので、10KW 減らせば毎月約 17000 円低減でき る。 2.①で説明した高圧契約の最大需要電力(デマンド)をコントロールすることにより、使用を抑制すれば、 向こう 1 年間の基本料金を低減できる。しかし、例えば生産のための工場であれば、稼働をコントロー ルすることは可能だが、生活のためのマンション共用部では、稼働を自動的にコントロール・抑制する ことは、難しいと思われる。 ⇒デマンドコントロールのための特殊な機器を導入せずとも、スポーツ施設、空調、換気など電気設備 が多く、また、内廊下のある超高層マンションなどでは、多数の空調の順次起動や照明のLED 化など、

(19)

19 デマンド値を減らす工夫は、様々と考えらえる。要は、最大需要時の瞬間的な消費電力を減らすことで ある。 ここで、いつ(何月何日)の何時ごろに最大需要になっているかを管理組合が知るには、現状では、特 殊な機器の設置が必要である。東京電力は、最大需要になる日時が分かっているのならば、是非、消費 者に知らせていただきたいものである。 高圧契約は基本料金が高い。最大需要時の瞬間的な消費電力を減らせば、デマンド値が下がり、向こう1 年間の基本料金を下げられる。 (その3)東京電力以外の新電力からの購入 2005 年より、すでに自由化されているので、高圧受電のマンションの管理組合は、2016 年 4 月の小売 り自由化前でも、東京電力以外の新電力から供給を受けることは可能。負荷率が低い(=ピーク時とそ れ以外の時間帯で使用電力量の差が大きい)マンションは、ガス会社などの新電力に見積もりの提案を 求めれば、設備投資や手数料不要で、電気料金が安くなる可能性がある。 (その4)

「高圧一括受電」

⇒第

3 部 マンションの一括受電 を参照してください。

6.

+

+

C

C

(節電以外の方法) ※東京電力の契約メニューは2016 年 4 月からモデルチェンジされる。おまとめプラン、ピークシフト、 電化上手などのメニューへの新規の申し込みは3 月末で終了する。(旧メニューのまま継続は可能) 4 月からの新メニューは順次公表の予定。 (その1)電子ブレ-カーを導入し、主開閉器契約にして、「低圧電力」の契約容量を下げ、基本料金を 安くする。(基本料金が下がるだけで、電力使用量料金の方には、影響しない。) 設備が同時に稼働することはなくても容量の合計で契約容量が決定されてしまう『負荷設備契約』から、 実際に稼働している電流の値をもとにしてメインのブレーカーの大きさで契約容量を決定する『主開閉 器契約』への変更である。 各家庭にある普通のブレーカーは、電流による熱を感知し制御を行っているが、電子ブレーカーは、電 流値をデジタル数値として感知する。コンピューター制御により、規格の許容最大範囲まで使用できる ようにプログラムされており、一定時間の電流値の平均値が契約容量内であればブレーカーは落ちない 仕組みになっている。 ⇒基本料金が40%程度(年間 10~20 万円程度)安くできるケースがあるが、電子ブレーカーの設置に 30~50 万円程度必要なので、投資資金を回収するのに数年を要する。多くの業者があり、盛んに管理組 合に勧誘している方法。信頼できる業者であることが肝要。 【事例】契約容量が現状の負荷設備契約で30kw を、電子ブレーカーを設置して 18kw まで下げる。低 圧電力の基本料金単価は、契約容量1kw あたり約 1102 円であるから、毎月、1102×(30-18)×0.95 重要ポイント

(20)

20 =12,563 円、年間で 150,756 円軽減。(0.95 は力率係数で、低圧電力契約の基本料金に固有の割引要素) (その2)動力は「低圧電力」、電灯は「従量電灯 C」という現在二本立ての契約を低圧高負荷契約 (おまとめプラン)に一本化する。 二つの契約電力の数字の合計が、原則として15kw~50kw の範囲の場合に、東電に希望すれば、この契 約を選択できる。(注:2016 年 4 月電力小売自由化後は、低圧高負荷への新規の申し込みはできない。) 変更に、設備や手数料等の追加費用負担はない。 ⇒契約電力が小さく、電灯の使用電気量が多い(月1000kwh 以上が目安)マンションでは、低圧高負荷 契約にすると、5%程度緩和されるケ-スがある。 ⇒東電のカスタマ-センタ-に聞けば、1 年間の電気代について、 ①料金の実績 ②低圧高負荷契約に変えた場合の料金 の数字を試算して、知らせてくれる。 ⇒東電のホームページの『でんき家計簿』でも、会員登録すれば、随時、シミュレーションが可能。 この場合にも、電子ブレ-カーを設置すれば、基本料金が下がるので、(その1)よりもさらに大きな削 減の可能性がある。『低圧高負荷契約』と『電子ブレーカーによる主開閉器契約』との併用は可能。 (その3)「従量電灯 C」の契約を、東電メニューの中の夜間の電力量単価が安いピークシフトプランに 変更する。(注:2016 年 4 月電力小売自由化後は、ピークシフトへの新規の申し込みはできない。) ⇒「ピークシフト」などの夜間割引メニューは、通常は、マンション共用部の廊下、階段などの電灯に は使えないとされている。しかし、東電へヒアリングした結果、日中に使う電気を夜間に使う工夫(負 荷移動)ができる環境がある場合で、例えば、管理人室が棟の共用部に付属していて、メーターが同じ であるなど、一定の条件の下で、共用部の電灯にも夜間割引メニューを適用できるとのこと。 (参考:「ピークシフト」メニューへの変更が可能となる根拠や条件は、東電ホームページの選択約款「ピ ーク抑制型季節別時間帯別電灯」よる。) (http://www.tepco.co.jp/e-rates/custom/shiryou/yakkan/pdf/250515sentak008.pdf) 共用部の「従量C」を、「ピークシフト」に変更して、大きな削減が実現された事例がある。 『ピークシフト』と『電子ブレーカーによる主開閉器契約』は併用可能。 (その4)「従量電灯C」の契約を、東電メニューの夜間の電力量単価がさらに安い電化上手に変更する。 ⇒「電化上手」のメニューも、通常は、家庭用の従量 B からの変更が可能なものだが、マンション共用 部に、日中に使う電気を夜間に使える「夜間蓄熱式機器」を設置すれば、一定の条件のもとで、共用部 の電灯に「電化上手」メニューを適用させる方策がある。(注:2016 年 4 月電力小売自由化後は、電化 上手への新規の申し込みはできない。) (参考:変更が可能となる根拠や条件は、東電ホームページの選択約款「季節別時間帯別電灯」による。) (http://www.tepco.co.jp/e-rates/custom/shiryou/yakkan/pdf/250515sentak007.pdf) この『電化上手』メニューと『電子ブレーカーによる主開閉器契約』も併用可能であり、電力量料金、 基本料金を“ダブル”で安くできる。 電子ブレーカーや夜間蓄熱設備の導入には設備投資が必要。契約を変更するには、設備の設置と東京電 力への申請などを、コンサル業者が請け負う。『マンション管理新聞』で、記事として、何度か紹介され ている。

(21)

21 尚、電子ブレ-カーはその機能・役割からも製品の信頼性が重要であるが、夜間蓄熱設備(業者が設置 する専用の設備)は、仮に故障しても実害は生じないと考えられる。 (その5)高圧一括受電化 共用部・専有部を一括契約とするもので、削減効果は大きい。第 3 部の『マンションの一括受電』の説 明を参照。 (その6)自家用受変電設備を設置し、高圧受電の業務用契約にして、電力量単価を安くする。 ⇒動力と電灯の契約電力が合計で 50kw 以上の場合は、自家用受変電設備を設置すれば可能だが、場所 と費用、その後の維持管理費がかかる。 (その7)団地で、他の棟と組んで、自家用受変電設備を共用する形で、高圧受電の契約に変える方法。 ⇒東電に聞くと、原理的には不可能ではない、との回答なので、検討の余地があると思われる。 ⇒(その6)(その 7)は、(その 5)の『高圧一括受電化』(第 3 部参照)と組み合わせて検討できる。 ○低圧受電のマンションの共用部の契約容量は、電気設備の大きな改修がなければ、竣工以来、一度も 見直されたことはないケースが多いと思われる。『負荷設備契約』の場合、対象の機器を同時に使うこと はなくても各機器の容量の合計から契約電力が決定される仕組みなので、消費量の実態によらず、ずっ と基本料金を多めに払い続けている可能性もある。また、今後、LED の導入が推進されれば、従量 C の契 約容量も下げられるはず。低圧契約の共用部の契約容量の見直しを行うサービスがあっても良いように 思われる。 ○ところで、高圧契約では、契約電力の根拠となるデマンド値(最大需要電力)を東京電力が測定し、 自動的に決められているが、低圧の契約では負荷設備契約か主開閉器契約しかない。スマートメーター を活用し、低圧の契約においても高圧契約と同様に、年間を通じた最大需要電力に基づいて契約電力を 決定する『実量契約』にしていただけると合理的と思われる。 ○低圧契約の共用部の契約容量については、合理的な見直しを行う余地があると思われる。 ○低圧の契約においても高圧契約と同様に、年間を通じた最大需要電力に基づいて契約電力を決定する 『実量契約』にしていただけると合理的と思われる。 重要ポイント

(22)

22 「低圧電力+従量 C」契約のマンションの電気料金削減 ※東京電力の契約メニューは2016 年 4 月からモデルチェンジされる。おまとめプラン、ピークシフト、 電化上手などのメニューへの新規の申し込みは3 月末で終了する。(旧メニューのまま継続は可能) 4 月からの新メニューは順次公表の予定。 (方法) 変更する契約 部分 変更内容 削減効果 (参考例) 設備 投資 管理組合の 手続き 電子ブレーカー 低圧(動力) 主開閉器契約 に変更 基本料金が 30%~50%減 有り 総会普通決議 低圧高負荷 低圧+従量 C 一本化 総額 5%程度減 なし 理事会決定 ピークシフト 従量 C(電灯) 夜間割引メニュー 電灯料金が 10%程度減 (なし) (理事会決定) 電化上手 従量 C(電灯) 夜間割引メニュー 電灯料金が 20%程度減 有り 総会普通決議 高圧一括受電化 低圧+従量 C 専有部共用部 を一括受電 専有部も含めて 総額 5%~10%減 (なし) 特別決議後 全員の承諾 (注1) 削減効果は、あくまで目安であり、マンション個々の状況による。 (注2) マンションの規模、設備の状況により、検討対象にできない場合もある。 (注3) ピークシフトへの変更は、追加の設備投資なしの場合は理事会決定で可と考えられる。 (注4) 高圧一括受電化のための設備導入費用は、サービス会社が負担するやり方が主流。

7. マンション

※東京電力の契約メニューは2016 年 4 月からモデルチェンジされる。おまとめプラン、ピークシフト、 電化上手などのメニューへの新規の申し込みは3 月末で終了する。(旧メニューのまま継続は可能) 4 月からの新メニューは順次公表の予定。 (その1)東電のメニューの「おトクなナイト 8・10」、あるいは、「ピークシフトプラン」等のメニュー への変更は、夜に電気使用量が多い住戸は削減可能性あり。家族の生活スタイルによる。土、日、休日 の電気使用時間に注意。返って割高になるケースもありうる。無料で、いつでも変更可。 平成25 年 5 月に、東京電力は、ライフスタイルに合わせた、「朝得プラン」、「夜得プラン」、「半日お得 プラン」、「土日お得プラン」等のメニューを追加、新設している。上記(その1)のメニューも含め、東 電ホームページの「でんき家計簿」で試算でき、希望すれば、無料で変更できる。 (その2)契約のアンペア数を下げる。10A 下げると、基本料金が毎月 273 円安くなる。家電製品のア ンペア数の目安を利用して計算すれば、多くの家庭でアンペア数のダウンは可能と推測される。高齢者 の一人住まいの場合なども検討対象。無料で、いつでも変更可。 50A、60A といった、契約量が、今の生活に合っているのかどうかを考えてみると良い。 具体的には、同時に使用する電気機器が少なければ、契約電力量が少なくなるので、一時的な電気使用

(23)

23 量が大きい機器(例:電子レンジ、ヘアドライヤー、エアコン、など)を同時に使っていてもブレーカ ーが落ちない場合はそのままアンペアを下げることができる可能性が高い。 また、同時に使わないようにすれば、さらに契約電力量を下げることができると期待される。 なお、契約に関するブレーカーは、色がついて数字が書いてあるアンペアブレーカーの主幹部分であり、 黒い小さな分岐ブレーカー(配線用遮断器もしくは安全器)が落ちる場合は、そのブレーカーがつなが っている部屋やキッチン等の電気の使い過ぎが原因であり、契約量を変えても解決しない。同じ部屋で 同時に使用する機器を減らすといった対応をする。 ⇒東京電力ホ-ムペ-ジ、個人のお客様、ご契約アンペアの選び方、 (http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/basic/ampere/ampere01-j.html) では、“わが家のアンペアチェック”など、いたれりつくせりの説明がある。さらに、“無料ホームコン サルト”:「サービス員がお客さまのお宅へお伺いして各電気機器の容量を測定し、ご使用状況に最適な ご契約アンペアをご提案します。」とあるので、利用してみたい。 (その3)家庭の電化製品の使用における省エネ・節電 家庭内で消費電力が多い電気器具は、1 位エアコン(25.2%)、2 位冷蔵庫(16.1%)、3 位照明器具 (16.1%)、4 位テレビ(9.9%)で、この 4 つの電気料金は、料金全体の約 7 割を占めるといわれて いる。(平成 16 年経産省:「電力需要の概要」)そこで、これらの機器の使い方を工夫する。 尚、上記は、平成 16 年の経産省の統計資料だが、次ページの平成 21 年の東京電力の統計資料では、エ アコンの順位が 1 位から 4 位に変わっていることに気づく。これは、統計の対象基準の違いによるもの なのかもしれないが、むしろ、エアコンの製品そのものの省エネ性能化によるのではないだろうか? 最近のエアコンの新しい製品は省エネ性能が高まっており、例えば、2009 年(平成 21 年)製の製品は 1995 年(平成 7 年)製に比べて約 4 割も消費電力が少なくなっているとの資料がある。 家電製品を「~」時間使うといくらかかる?を計算するときのシンプルな考え方は、

消費電力

(kW)

×使用時間

(h)

×電気料金単価

(円/kWh)

【例 1】600 ワットのエアコンを 3 時間使用したときの電気代は? ⇒600 ワットを 1000 で割ってキロワットに直し、3 時間と、電気料金単価(24 円/kwh と想定)を掛け 算する。

600÷1000×3×24=43.2 円 【例 2】500 ワットの電子レンジを 5 分間使用すると、500÷1000×5÷60×24=1 円

参照

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○関計画課長