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3.1 実験方法下記 (1)~(11) 項の作業手順で行う 全ての作業が終了するまで 研磨面には絶対に触れないこと 何故なら 研磨面が汚れてしまうと腐食が十分に行われなかったり 斑が出来てしまい金属顕微鏡観察が出来なくなる場合があるからである (1) 研磨作業 :No.800( 平均粗さ Ra=20

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Academic year: 2021

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金属の顕微鏡組織と硬さ試験

1. 目的

炭素含有量の異なる4種類の金属材料の顕微鏡組織の観察と硬さ測定を行い、炭素含有量による組織 変化および硬さの変化について検討する。 2.

使用機器

本実験では、試験片の表面を研磨、エッチングし、光学顕微鏡で組織を観察する作業と、硬さを計測す る作業を行う。 組織観察および硬さ測定を行うために使用する機器は次のものである。 (1)光学顕微鏡:オリンパス社製・TYPE(BHM-313MB) (2)デジタルカメラ:オリンパス社製、TYPE(STYLUS TG-4) (3)ビッカース硬さ試験機:島津製作所製、TYPE(HV)

3. 顕微鏡による組織観察

金属材料の性質は化学成分ばかりでなく、金属組織にも支配される。例えば鉄鋼の機械的性質につい ては金属組 織の面から解釈できる事柄が多い。金属組織の調べ方には色々あるが、最も基本的で一般的 なのが光学顕微鏡による観察である。本実験では炭素鋼を対象に選び、顕微鏡組織の観察を行う。炭素鋼 は含有炭素量の多少により組織や性質が大いに異なる。これらの様子を知ることは鉄鋼を理解する手始 めと言えるであろう。本実験では炭素量の異なる4 種類の炭素鋼(S25C、S35C、S45C、SKS93)を試 料とし、各人はそのうち1 種 類を分担する。 研磨:研磨面を研磨紙および琢磨機を用いて鏡面に仕上げる。研磨するには粗粒から逐次に細粒を用い るのが原則である。 腐食(エッチング):研磨面を化学的に腐食して、相の見分けが出来るようにする。本実験では腐食剤と してピクラル5%溶液(ピクリン酸+アルコール)を使用する。その他の腐食剤として、ナイタル(硝 酸十アルコール) 等が使用される。 検鏡ならびに金属組織写真撮影: 本実験で使用する金属顕微鏡は、オリンパス社製 BHM 落射照明専用型金属顕微鏡である。拡大倍 率400 倍で観察を行う。その理由は、この程度の倍率が金属組織観察に適している場合が多いから である。今回の報告書には、手書きのスケッチおよび各自が撮影した金属組織写真を添付する。手書 きのスケッチをする理由は、組織 の特徴をより的確に頭に入れるためである。金属の顕微鏡写真お よびスケッチには原則として、材質、拡大倍率、エッチング法などの説明とスケールの表示が必要で ある。各人が仕上げる試料は 1 種類であるが、観察およびスケッチは全種類(4 種類)について行 う。本実験で観察できる組織には、フェライト、パーライトなどがあり、これらの識別も必要である。

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3.1 実験方法

下記、(1)~(11)項の作業手順で行う。全ての作業が終了す るまで、研磨面には 絶対に触れないこと。何故なら、研磨面が 汚れてしまうと腐食が十分に行われなかったり、斑が出来てし まい金属顕微鏡観察が出来なくなる場合があるからである。 (1) 研 磨 作 業 :No.800(平均粗さ Ra=20μm)と No.1000(Ra=16μm)の 2 枚 の研磨紙を使用して作業を行う。 (注)3 本の指でしっかり持ち、手首を固定して、体を前後す るようにして、真っ直ぐ平らになるように研磨を行う。最初は、 No.800 の研磨紙を用い、図-1に示すように研削盤の研削方向 に対 し直交する向きに研磨し、研削痕が消失するまで行う。次 に、No.1000 の研磨紙を用い、No.800 の研磨紙を用 いて研磨 した研磨痕に対し直交する向きに研磨する。No.800 の研磨紙を 用いて研磨した研磨痕が消失したら作業終了である。この研磨 作業が最も重要であるので、慎重に作業を行うこと。 (2) 水洗い:研磨面の研磨粉を洗い流すために、水道水 を少し強めに出し、10 秒程度洗う。 (3) 琢磨(バフ仕上げ):図-2に示すように琢磨機の回転方向と試料面の研磨方向が 直角になるよ うに試料をしっかり持ち、琢磨機の縁に手(or 手首)を固定し、研磨面を琢磨面に均等に強く押 さえつけながら、琢磨面の中心から外側へゆっくりとスライドさせる。この作業を3、4 回行い、 試料面を鏡面に仕上げる。琢磨材は拉度3μ m の純アルミナ粉末の懸濁液を使用する。 (4) 水洗い:琢磨材を洗い流すために、石鹸を付けたスポンジを使用し、水道で研磨面を良く洗う。 洗いが不十分 だと腐食されにくいので注意する。 (5) 乾燥:ドライヤー(熱風乾燥機)を使用し試料全体を良く乾かす。ドライヤーを停止する時は、 熱風のスイッ チを OFF にし、5 秒程度経過した後送風スイッチを OFF にする。 (6) 腐食:シャーレに入れたピクラル 5%溶液を使用する。研磨面を液中に浸けた状態で腐食を行う。 このとき研磨面はシャーレの底には触れないように注意する。腐食時間はそれぞれ、S25C: 60 秒、 S35C: 50 秒、S45C: 50 秒、SKS93: 40 秒 (7) 水洗い:腐食時間終了と同時に、強めに出した水道水で腐食液を良く洗い流す。洗い方が不十分 だと腐食が進 行し、組織観察が出来なくなってしまう。洗い流す時間は、30 秒程度は確保する こと。

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3 (8) 乾燥:ドライヤー(熱風乾燥機)を使用し試料全体を充分に良く乾かす。 乾燥が不十分だと錆が 出てきてしまい組織観察が出来なくなってしまう恐 れがある。 (9) 写真撮影:各人が仕上げた試料の組織を、デジタルカメラを使用して写真撮影し、倍率 450 倍で プリントアウトを行う。(注意:接眼倍率は400 倍、プリント倍率は 450 倍) ピント合わせの手順は、図 -3に示す試料台に試料を載せ、図に示す試料台上下ハンドルを操作(手 前(反時計回り)に回せば、試料台は降下する)し、試料の腐食面と対物レンズの隙間を1mm 程度にセ ットする、 再び試料台上下ハンドルを反時計回りにゆっくり回す。すでに視野が明るいのでピント位置 が近いから、試料台上下ハンドルを慎重にゆっくり回して試料台を降下させ、試料面にピントを合わせ る(金属組織の境界がはっきり見えるようにする)。次に、デジタルカメラを操作し、組織の顕微鏡写真 を撮影、プリントアウトする。 図-5 デジタルカメラ 図-6 プリンタ

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4 デジタルカメラ及びプリンタの操作: ① デジタルカメラに SD カードが挿入されていることを確認する。 ② デジカメのモードは i-AUTO とし、デジカメ倍率が 4 倍、顕微鏡は 40 倍の対物レンズとする。デジ カメの画面または、接眼レンズを覘きながらピントをあわせる。 ③ シャッターを押して撮影し、デジカメ画面で撮影できているか、確認をする。 ④ 撮影が完了したら、プリンタの電源を入れ、デジタルカメラから SD カードを抜いてプリンタに挿入 する。 ⑤ プリンタの指示にしたがって印刷をする。 手順:トップメニュー→デジタル写真プリント→選んでプリント→写真を選択、枚数の選択→用紙の 選択(L 版を選択)→枠なし、日付なし、カラーと設定する→用紙をセットする((向きに注意)光沢面 を上にする。)→印刷 ⑥ プリントアウトが完了したらメニュー画面に戻り、sdカードを外して、カメラに戻し、試料台を降 下させ、試料を試料台から取り除く。 (10) 組織観察:倍率 400 倍で、4 種類全ての材質(S25C、S35C、S45C、SKS93)の組織観察を写真 で行い、 含有炭素量の違いにより組織がどのように変化しているか等を良く認識する(貸し出し 写真を使用する)。 (11) スケッチ:4 種類全ての材質について、倍率 400 倍でスケッチを行う。組織の大きさ(実寸大) や形などは 勝手に変えないこと。

4. 硬さの測定

金属材料の硬さは引張強さや粘り等とも関連があるので、硬さ試験は硬さそのものを目的とする場合 以外にも多く行われる。硬さ試験法として、JIS では 4 つの測定方法(ブリネル、ビッカース、ロックウ ェル、ショア硬さ試験法)が決められている(JIS Z2243~Z2246)。精度、簡便さ、試験片寸法などにそ れぞれ特徴がある。硬さの意味が単純明確でないことに由来し、4 つの方法の物理的な意味は多少なりと も相違している。従って相互間の理論的換算は出来ない。実用上の目的から対照表があるが、それは実験 で求めたデータに依っている。本実験では、上記 4 つの方法のうちビッカース硬さ試験法で硬さ測定を 行う。 ビッカース硬さ:対面角q が 136°のダイヤモンド 4 角錐圧子を用いて出来た窪みの表面積で試験荷 重を割った値 を硬さ値 H として算出する。その算出は式(1)による。 ただし、 F:試験荷重(kgf) d:窪みの対角線長さ(mm) S:窪みの表面積(mm2 θ:ダイヤモンド 4 角錐圧子の対面角(136°)

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5 この方法では窪みの大小に関わらず形が相似であることから、原則的には荷重の大小は硬さ値に関係 しない。したがって、広範囲の硬さに対して一つの尺度で間に合う。本実験で使用する試験荷重 F は、 10kgf とする。窪みの対角線長さは、窪みの 2 方向の対角線長をそれぞれ 1μm まで読み取り、それらの 平均値を用いる。硬さ値H は、小数第1位を切り捨て、整数第 1 位までとする。ビッカース硬さの表示 方法は、数値の後にHV を用いるのが普通である。必要に 応じてその後ろに試験荷重を付記する。例え ば、本実験では 250HV10 のように表記する。

4. 1実験方法

(1) 設定荷重の確認と始動ペダル:10kgf の錘を試験装置後 部にある負荷装置の上に載せる(この作業 は事前にしてあるので、諸君はする必要はない)。次に、始動ペダルをゆっくりと静かに最後まで踏 む。 (2) 試験片のセット並びに始動:試験片を試料台中央に置き、マイクロスコープ固定金具を取り外し、マ イクロスコープを移動させる。それには図-8に示す操作①および②による。この時、鏡筒部に触れ

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6 ると光軸がずれてしまうので、決して鏡筒部に触れたりしてはならない。次に、試料 台上下ハンド ルを回し(回転方向は図-7を参照)、試料面を圧子先端部との隙間が0.5mm 程度になるまで近づけ る。圧子先端部(図-8参照)を試料面にぶつけないよう慎重に操作する。 (3) 荷重の負荷:始動レバーを下に倒す(図-7参照)。ランプが消え数秒後、再度点灯する。ランプが 点灯したら負荷終了である。 (4) 試料台の降下:試料台上下ハンドルを反時計方向(装置正面から 見て手前)に回し、試料面がマイ クロスコープの対物レンズカバーに 当たらない位置まで下げる。この時、位置調整のために試料台 上下ハンドルを時計方向(試料台が上がる方向)に回してしまったら、試験片の位置を少し移動させ、 もう一度(1)からやり直す。 (5) 圧痕のピント合わせ:マイクロスコープを最初の位置に移動させ、 試料台上下ハンドルを操作し、 試料面を対物レンズカバー先端との隙間が 1~2mm 程度になるまで近づける。次に、マイクロスコ ープを覗きながら少しずつ試料台を下げていくと図-9に示す 四角形の圧痕が観察される。 (注) 圧痕の大きさを測定するので、圧痕にピントをしっかりあわ せること。 (6) 圧痕の対角長さの測定 ・圧痕の横方向対角長さの測定 最初に、マイクロスコープのビュアーの左側にあるつまみ(図-10を参照)を操作し、図-9に示す ように左側の基準スリットを圧痕の左側頂角に合わせ、次にビュアーの右側にあるつまみを操作し右側 測定スリットを右頂角に合わせる。この時の表示値を読み取る。単位はμm である。 (注)左右のつま みの操作の順番を守ること。 ・圧痕の縦方向対角長さの測定 マイクロスコープのビュアーを左右のつまみ部を持って時計回りに90°回転させる。測定は上記の場 合にな らって行う。 (7) 上記(1)から(6)の作業が終了したら、試料台上の試験片を若干移動し、その場所で再度硬さを測定す る。

5. 結果のまとめに関するアドバイス等

(1) 写真を基に 4 種類(S25C、S35C、S45C、SKS93)の材質のスケッチを行い、材質、拡大倍率、 腐食条件、 スケール等を記入する。スケッチの大きさは写真の 1/2 程度で充分であるから、最初 に定規などで枠を画いておくと良い。 (2) ビッカース硬さの測定結果を表にまとめる。本実験では各試験片の炭素含有率を測定していない。 したがって、 各材料の炭素含有率の値は、JIS 規格(G4051, G4404)で決められている各材料 の炭素含有率の中央値を用いる。

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7 (3) ビッカース硬さ一炭素含有率線図を作成する。縦軸にビッカース硬さ H、横軸に炭素含有率 C (%) をとり、全てのデータをプロットする。SKS93 以外のデータを用いて、最小二乗法により近似直 線を決定し、それを図に 記入する。 次に、データを基に S45C~SKS93 間のグラフを各自作図 する。 (4) 上記の(l)と(3)を基に炭素鋼の炭素含有率と顕微鏡組織、炭素含有率と硬さの関係について 検討する。ただし、 各組織の大きさと圧痕の大きさを念頭に置いて、議論すること。 <注意事項> ・図や表は定規等を使用し、フリーハンドで描かないこと。 ・検討、考察は、論理的に、順序立てて記載し、本実験以外の知見を用いる場合は、参考文献を明記する こと。 ・レポートの内容が不十分である場合、次回の検討に出席できない。 ・レポートの本文や表はワープロ書き、図(グラフ)は手書きにすること。

6. 研究課題

金属材料は非常に多くの場面で利用されていることから、それらの知識は機械技術者には欠かせないも のである。 本実験の内容だけでは不充分であるので、以下の事項について調べ、報告書の末尾に綴じて 提出すること。 (1) 鉄鋼の金属組織の基本的な事柄を教科書などで勉強する。 例えば、フェライト、パーライト、セ メンタイト、マルテンサイト、オーステナイト等について調べる。 (2) 鉄鋼の熱処理について基本的な事柄を教科書などで勉強する。 例えば、焼入れ、焼戻し、焼なま し、焼ならし等について調べる。 (3) 硬さについては、JIS で規定する 4 方法(JIS Z2243~Z2246)のうちブリネル、ショア、ロック ウェル硬さ試験法について調べる。

参考文献

例えば、材料工学Ⅰの教科書である (1)松山晋作、 イントロ 金属学、 オフィス HANS、 2003. (注意) (1) 上記参考書の 4.1 原子の混ざり方~4.2 状態図とは(p30~33)、6.3 鉄-炭素状態図の見方~6.5 炭素 鋼の顕微 鏡組織(p67~70)は、必ず事前に熟読して理解しておくこと。また、実験の際には上記参考 書を各自持参する こと。

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8 (2) レポートの本文中にこの実験以外で得られる事項を記載するときは、必ずそれが記載されている文献 を示し、レ ポートの末に参考文献として列挙すること。 例えば、本文中には下の例に示すように、 参考文献を使用した文章に参考文献の番号を記載する。 鉄鋼材料やアルミ合金の引張強さと硬さの間には、直線関係が認められ、硬さ値から引張強さを推定 できる(1) また、レポートの末尾には、以下のように参考文献という項目を設け、そこに番号、著者、本の名前 (or 論文題目)、 出版社(or 掲載雑誌名、巻、号、ページ)、出版年. を記載する。 参考文献 (1)松山晋作、イントロ金属学、オフィスHANS、2003.

参照

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