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地方部での広域バスの開設における利害調整に関する分析

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(1)

69

地方部 での広域バスの開設 にお ける利害調整 に関 する分析

谷 本 圭 志 ・喜 多 秀 行

鳥 取 大 学 工 学 部 社 会 開発 シ ス テ ムエ 学 科

conaict Resolution of htcr―Rcgional Bus Service in Local Arcas Kcishi TANIWIOTO and Hideyuki Kr「

A

Dcpartmcnt of social systems cngincering,Faculty of Enginecring Tottori Univcrsity,Tottori,680-8552,Japan

E―maili [email protected]― u.acjp

Abstracti Since thc dcrcgulation of bus markct, thc maintcnancc of local transportation servicc is great concern for many

municipalitics lntcr―rcgional bus servicc is onc of practical rncasurcs to maintain bccausc it can rcducc bus cost by collccting scvcral

routcs inょぅlatcd municipalitics WVhcn thc municipalitties introdklcc this servicc,howcvcr,they rcsolvc thc conflict ovcr the allocation

of subsidy Nalncly,thc allocation should bc fali We exanunc ho覇/thc conflicts havc bccn rcsolved in thc cascs,and thcn formulate

thc conflict situation by coopcrativc game Using coopcrative gamc modcl,wc show that thc fairness bchind cach case、vas likely to

bc thc conccpts of nuclcolus and some ofits dcrivatives

Key words:Intcr―rcgional bus service,Local arcas,(3onaict rcsolution,(3ooperativc gamc theory

1. tま じめに 地方部 におけるバスの利用者 は減少の一途 をた ど り,2002年の 2月 に始 まった需給規制の緩和 ともあ い まって

,多

くの地域 での路線バスは廃止 の危機 に 直面 している。 しか し

,路

線 バスは高齢者 や学生, 主婦 な どのいわゆる交通弱者 に とって必要不可欠 な 交通手段 であ り, どの ように して路線バス を確保す るのか

,確

保で きないのであれば どの ような代替手 段 を選択す るか につ いての検討 が多 くの 自治体 に求 め られている。 従来,自治体 は路線 バスの運行 において生 じる赤 字 をバス事業者 に補助 して生活交通 を維持 す ること が主 たる方策であ り

,今

後 も現実 的かつ有用 であろ う。 しか し

,補

助制度 の改正 とい った環境 の変化 に 伴 い

,補

助拠出額が著 しく大 き くなった 自治体 もあ る。その対応 と して

,複

数 の 自治体が 自らの地域 を カバ ーす る広域 的なバ ス路線 (以後,「広域 バ ス路 線」 と呼ぶ

)を

設定 し

,そ

れ らの 自治体がバス事業 者 に共 同で補助す る取 り組みがあ る。 これ に よ り, 行 政区域 をまた ぐ住民 の移動 の利便性が改善 される とともに

,関

係 自治体全体 か ら見 た効率 的 な運行 を 行 うことで運行費用 が削減で きる とい う効 果 も期待 され る。 しか し

,そ

の実現 には共同の補助事業 に必 要 な費用

,つ

ま リバス事業者 に拠 出す る補助金 の負 担 を決 め る際 にお ける自治体 間での利害調整 が不可 欠であ る。 そ こで本研究 で は

,広

域バス路線へ の共 同の補助 を既 に実現 してい るい くつかの事例 を調査 し

,補

助 金 の負担 に係 る利害が円滑 に調整 され るため に必要 な背景 を整理す る とともに

,調

整 の過程 を協カ ゲー ム的に解釈す る。現在用 い られている補助金負担基 準 が合意 に至 ったのは各 自治体 において公平 な負担 が な されたため と考 え

,調

整 の背後 に暗黙 に想 定 さ れてい た負担 の公平性 の規範 を推定す る。以上 に よ り

,今

後増加す るであろ う広域バス路線 の 開設 にお いて, どの ような背景

,負

担額 の検討 の技術 が あれ ば利害 を円滑かつ迅速 に調整 で きるか につ いての基 本 的 な理解 を得 る。

2.補

助 金 負担 を巡 る利害調整過程

2.1

事例 分析

(2)

(1)各

事例 の背景 お よび利害調整 の経緯 ① 津軽 地域

28市

町村 弘前 市 を中心 と した

,津

軽 地域 の

28市

町村 は 1990年

H月

に設置 された「津軽 の路線バス懇談会」 を改組 して

,1993年

3月 に「津軽地域路線バス維持 協議会

Jを

設置 した。そ こで は

,地

域の足 をま もる の は 自治体であるとの認識 に基づ き

,そ

の地域 にお いてバス を運行 している弘南バスの赤字の一部 を2 8の自治体が補助す ることが検討 された。民営 バス の路線の維持 に市町村が広域 で取 り組む試みは全 国 で初であ り, 日本全 国か ら注 目をあびた. 同協議 会の ワーキ ングチームは

,生

活す るの に最 低 限必要 な便数 を朝二,昼一,夕二の一 日五便 とし, それ をシ ビル ミニマ ム路線 と呼 び

,そ

の維持 のため の補助額 として二億二千万円 を市町村が交付す る と い う考 え方 に立 っていた。 この地域では

,古

くか ら 弘前市 が中核 的な役割 を担 ってお り

,そ

の背景 に基 づ いて弘前市 を代表 とす る三市への負担割合 を高め ることが町村か ら要求 されていた。実際に

,路

線 ご との赤字額や停留所数などに基づいて負担額 を計算 したが

,町

村 は弘前市

,黒

石市

,五

所川原市 の三市 の負担割合が少 ない として,合意 には至 らなか った。 再度

,こ

れ ら三市の負担割合 を上 げた案 を提示 した ものの合意 には至 らなか った。結局

,さ

らに三市 の 負担額 を引 き上 げることに よ り

,合

意 に至 り

,補

助 額約一億九千 円 をその年 (平成7年度

)に

か ぎって 交付 す ることとなった。そ こでは

,市

町村 の人 口, バス総運行 回数

,路

線の損失額 を もとに

,各

市 町村 の負担額が算定 されている。平成8年度 には

,商

圏 人 口が考慮 されていない として黒石市が独 自に負担 割合 を算 出す るな ど,利害の調整 は困難 を極 めたが, 当初案 を減額す るなど して合意 に至 っている。 その後 も,協議会 は28市町村 の協議の場 と して存 続 して きたが

,2002年

2月の改正道路運送法 の施行 に よる規制緩和が開始 され

,各

市 町村が個別 に補助 の文寸応 をす る とい う国の方針 に したが って対応 す る ことが合意 され,2003年 の 5月 に協議会の廃止が決 定 された。 ② 安来能義地域 1999年 5月 に一畑電鉄 (現在

,一

畑バス

)は

安来 市

,能

義郡 の伯太

,広

瀬町の圏域 に運行 していた路 線バスの救 退 を表明 し

,そ

れ を受 けて これ らの三市 町は路線バスの運行 を検討 した。これ らの 自治体 は, 広域バス路線 とす ることで病 院や買い物 な どの利便 が高 まることに着 目し

,2000年

4月 に全 国で初 めて の広域行政組合 を管理主体 とした広域バス (通称, イエ ローバス

)の

運行 を開始 した。 これ らの 自治体 は古 くよ り交流があ り

,歴

史的 な結 びつ きが強い。 その具体 的 な証 と して

,特

筆 すべ きは

,広

域行 政組 合がバ ス事 業 を開始 す る以前 の昭和

40年

頃か ら存 在 し

,現

在 も介護保険 な ど数種類 の事 務業務 を行 つ てい る。 これ まで に も三市 町で利 害 を調整 して きた 経験 と実績があ るためか

,こ

れ らの 自治体が負 担す る補助金 の拠 出額 について利害の対立が顕在化す る ことはな く

,走

行距離比 に基づ く負担基準が採用 さ れてい る。 しか しなが ら

,担

当者 との イ ンタビュー による と

,広

域行 政組合が実施 してい る他 の事 業 に おいて用 い られてい る人口の比率 に基づ く基準 な ど の適用 も

,実

際 には表立 って議論 され るこ とはなか った ものの

,認

識 していた との こ とであ る。 ③ 磐南地域 従来,磐田市 の 自主運行バスがあ った.このバスは, 遠州鉄道 の路線 ネ ッ トワークの空 白地帯 を埋 め る 目 的で開設 された もので

,駅

を結ぶ

2路

,病

院 を結 ぶ

3路

線 の合計

5路

線 か ら構成 され ていた。しか し, 市 は乗客数が少 ない実態 を改善すべ ぐバスの利用促 進 を考 えてい た こ と

,周

囲の市 町村 も駅や病 院へ の アクセス を改善 したい との要望が あ った ことか ら, 1999年よ り

,磐

田市 と周辺

4町

村 は広域バス研 究会 を発足 させ

,各

々の 自治体で運行 している自主運行 バ ス との接続や乗 り入れ方法 な どを検討 して きた。 2001年には協議 会 を設置 し,2002年の 5月 1日 に磐 田市 と福 田町 を結 ぶ広域バスの運行 を開始 した

.磐

5市

町村 は

,ご

み処理 を広域 の行 政組合で対応 す るな ど

,従

来協力 的 な関係 にあ り

,地

理的条件や社 会的条件 も各 自治体 で大 きな差異 はない ことか ら対 立す る要 因が少 な く

,現

在 も合併 の話 しが進 んでい る。 また

,各

市 町村 には自主運行 の コ ミュニテ ィバ スがあ り

,広

域バ スはそれ らに接 続す る形で運行 し てい るためその路線延長 は長 くな く

,財

政事情 が そ れほ ど悪 くはない こととあい まって絶対的な負担額 は さほ ど多 くの負担 とはなっていない。以上の背景 の もとで

,利

害が表立 って対立す ることな く

,走

行 距離比 に基づ く負担基準が採用 された。磐 田市 と福 田町

,豊

岡村 との三つの 自治体 に またが る広域バス として当初 は開業 したが

,そ

れ以後

,磐

5市

町村 全体 での広域化 を検討 す る予定 とな ってい る.また, 2003年 7月 よ り,磐田市温水 プール ー豊 田町駅 ―磐 田病 院間の新 規路線が 開設 され

,豊

田町か ら病 院、 お よび温水 プールヘ の アクセスが整備 された。 ④ 岐阜 県平 田町

,海

津 町

]羽

島市 従来

,岐

阜バスが路線バ ス を運行 していたが

,羽

(3)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 34号 71 島市で別途 の路線の代替バス を羽 島 タクシーに依頼 した ところ少 ない経費で運行 で きた経験があ つた。 そこで

,岐

阜バスに よる運行 か ら羽島 タクシーヘ委 託の変更 を検討 したのが広域バスの発端 であ る。羽 島市 は安価 な通学の足 と して

,海

津 町は岐阜羽 島駅 への足 として

,平

田町は海津 町内にあ る病 院へ の足 として広域バス を必要 と していた.2002年 1月 に広 域バスの開設の話が持 ち上が り,その後10月 1日 に 開業 した。その過程 において羽島 タクシー よ り経費 の見積 もりがあ り

,そ

こで従来 と比べ て安価 であ つ たことに各 自治体が納得 し

,負

担割合 に関す る利 害 の調整 は争点 とならなかった。走行距離比 に基づ く 負担基準が採用 されてい るが

,こ

れ まで に馴染 みが あるこ と

,検

討 の期 間が短 か ったためにそれ以外 の 基準が そ もそ も念頭 になか ったことが採用 に至 った 理 由である。 また

,全

ての市 町は輪 中地帯 にあ り, 地理 的条件

,社

会的条件 に差異が な く

,古

くよ り対 立関係 にはなか ったこ とも利 害対立 に至 らなか った 潜在 的 な理 由の一つであ る。 ⑤名鉄 旧八百津沿線地域 採算 が合 わない ことを理 由に,2000年 9月 に名古 屋鉄道 は人百津線 を含 む岐阜県内の四路線 ・区間 に ついての廃止 を届 け出た。 これを受け

,入

百津線 沿 線の可児市 と兼 山

,御

,入

百津の三町で構成 され る「名古屋鉄道人百津線 ・広見線広域対 策協議 会」 は廃上 の代替案 を検討 し

,バ

スの導入を決定 した。 その際

,人

百津 町については

,公

共交通手段 を確保 す るために

,複

数 の 自治体 に よる共同でのバス運行 が実現 しな くて も単独 でバス を導入す るこ とを想定 してお り

,負

担基準 の決定 において もそれ な りの負 担の受 け入 れ を念頭 においていた。実際

,人

百津 町 に大 きな負担 となる負担基準が決定 された ものの, 大 きな利害対立 は見 られ なか った

.負

担額 は路線 の 延長

,利

用者数

,依

存度 ・期待度等 (八百津 町 は人 百津地 区

,和

知地区

,錦

津 地区の合計 の人 口

,兼

山 町につ いては町の人 口

,御

嵩 町 と可児市 については 人百津 町 と兼 山町へ の移動 人 口

)を

それぞれ 1:2:7 とす るこ とで決定 された。代替バスは

YAOバ

ス と い う名称 とな り

,2001年

10月 1日 よ り東濃鉄道が 運行 を開始 してい る。 ⑥ 多野藤 岡地域

1995年

に利 用者 の減少 な どを理 由に上信 バ ス は 新 町―上野村 のバス路線 の一部区間の撤退 を申 し入 れた

.こ

れ を契機 に

,万

場 町 に「多野藤 岡地域代 替 バス対策室」 を設置 し

,路

線 の沿線 であ る新 町

,藤

岡市

,鬼

石 町

,上

里村

,上

野村の 6自 治体 で検討 を 開始 した

.そ

の後

,上

信 バス よ り全区 間の廃止 が表 明 され,全長66 6kmに及ぶ路線 の代替バス を検討 す ることとなった。 日本 中央バス に逗行 を委託す るこ ととな り

,従

来 に比べ て経費が大幅 に少 な くて済 む こ とが明 らかになった。その印象が強いためか

,補

助金 の負担基準 に関す る利害が精鋭化 す る ことな く, 合意 に至 った。 しか し

,そ

の過程 にお いて多少 の対 立 は見 られ

,走

行距離比 に基づ いて負担す る案 に加 えて

,補

助拠 出額 の一部 を均等 で負担す る案や受益 に応 じて負担す る案が出て きた

,そ

の過程 を経 て, 走行 距離比の負担基準 が採用 された。この路線 で は, 急行 バスが逗行 されてお り

:以

上 の負 担基準 は普通 バ ス について適用 されている ものであ る

.急

行 バ ス は万場 町

,中

里村

,上

野村が新 町方面へ の利便性 を 改善す るために運行 を要望 した ものであ り

,そ

れ ら の運行 に関す る経費 は これ らの 自治体が 1:1:8で 負 担 している。

(2)利

害調整 の様相 以上 の事例 を横 断的 に見 ると

,利

害の調整 には二 つの様相があることが分 か る. ① 「費用の構造」に着 目 した調整 各 自治体が共同で補助 を実施することに伴 う費用, つ まり補助金の拠出額はそれぞれの自治体の参加に 起因するものであ り

,各

自治体が費用の増加 にどれ だけ貢献するか とい う「費用の構造」 に基づいて論 理的に負担額の調整がなされる. ② 「各 自治体の役割」に着 日 した調整 この調整においては

,当

該のバス事業への補助 と い う枠 を超え

,そ

の地域において各 自治体が どのよ うな役割 を担 うべ きか とい う観点 に基づいて調整が なされる

.例

えば

,各

自治体の財政事情や

,中

核性 などに基づいて

,負

担額 を調整す る。 よって

,そ

の 様相 は各 自治体の独 自の思い入れが混入す る調整で もある. 実際の利害調整の場面 において

,こ

れ ら二つ を区 別することは難 しい。表面 に現れやすいのは後者の 様相であ り

,各

自治体が各々の思い入れ を共通認識 として もっているわけではないため

,こ

れのみが ク ローズァップされた議論へ と発展すると調整は困難 を極める。 もちろん

,バ

ス事業への補助は地域全体 の課題 における部分 に過 ぎず

,各

自治体は地域全体 の中の一課題 としてバスを位置づけて議論すること は至 って自然であ り,その観点は重要であるものの,

(4)

共 同でバスヘの補助 を行 うこ との メ リッ トを失 って は何 の意味 もない

.共

同で補助 を行 うこ との原点 は 共 同で実施す ることで メ リッ トが生 じることにあ り, その考え方に立脚 した①の調整に常に立ち戻って当 事者が検討することが

,円

滑 な利害調整の基本であ ると考えられる。

(3)利

害調整の要点 各事例において利害の対立 を未然 に防 ぐことがで きた, もしくは容易 に調整することがで きた要因を 抽出 した。下記の① と② は上記の

(2)の

,下

記 の③ と④は上記の

(2)の

② に関する調整 において 利害調整が容易 となった要点である。 ①共同による補助金の拠 出額の減少 複数の自治体が共同で補助 を拠出するに際 して, 路線や事業者の見直 しを伴 うことが一般である。見 直 しの結果

,従

来要 していた補助金の拠出額 に比べ て大幅な削減が可能 となる場合

,拠

出額の相対的な バ ランス

,つ

まり負担基準 に関す る関心が削減に関 す る絶対額に関する関心が大 きく上回 り

,利

害の調 整が容易になる。実際に

,羽

島市

,海

津町

,平

田町 や多野藤岡地域では

,そ

の ような背景にあった. 共同での補助金の削減額 を示す前 に負担基準 を議 論することは利害の調整の観点か らは得策ではな く, 補助金の拠出額の削減 とい う全ての自治体 にとって の利益 を共通認識 とすることが利害の調整において は肝要 となる。 ②単独 で対応 した場合 に要 する費用の認識 「複数の自治体 による共同の場か ら離脱 したとす ると

,単

独でどのような対応 を行い

,そ

の結果 どれ だけの費用 を要するのか」 ということを各 自治体が 認識 している場合

,利

害の調整 は容易 になる

,つ

ま り

,交

渉 学 にお け る BATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)[1]と その実施 に必要 とな る費 用 を認識 してい る場合であ る

.全

ての 自治体 に とっ て負担額が小 さいほ ど望 ま しい ことは 自明であ るが, そればか りに固執 して共同での実行可能性 を損 な う こ とがあれば

,共

同で実施 す ることによって得 られ る費用 の削減 も失 うことであ り

,元

も子 もない。単 独 で対応 した場合 に要す る費用 を認識す る とい うこ とは

,自

らにとっての受容可 能 な負担額 を知 る こと であ り

,妥

協 で きる範囲 を明確 にす ることであ る. 名鉄 旧八百津沿線地域 において

,入

百津 町が単独 で のバ スの導入 を念頭 においていた とい うことは単独 で対応 した場合 に要す る費用 も認識 していた とい う こ とであ り

,そ

れ よ りも費用 の安 い条 は受 け入 れた 方が よいのであ る。他 に も

,岐

阜県の地域乗合バ ス 路線 である高根線 において

,山

間部の 自治体が単独 での補助の負担 を覚悟 していた ところに他 の市 町村 との共 同化 の話 しが持 ちあが り

,拠

出額が当初想定 していた額 か ら大幅 に小 さ くなったことか ら

,負

担 基準 に関す る利 害の対立 な しに合意 に至 った事例 も あ る。 ③ 自治体 間 での歴 史的 な関係 共 同で補助 を行 お うとす る 自治体 の間で

,古

くよ り対等 関係 にあ る場合 は利害 の調整が容易 であ る。 地域の 中で既 に一体感が出来上 が ってお り

,こ

れ ま で に互 いに助 け合 った経験 が利 害対立 に陥 るの を未 然 に防いでい る。特 に

,安

来能義地域や磐南地域 で は他 の事業 に関す る広域行政組合が存在 してお り, それ らの事業 において負担基準 に関す る利 害の調整 を過去 に経験 してい る とい う意味で

,バ

ス事業 にお ける円滑 な調整 に大 き く寄与 してい ると考 え られ る。 逆 に

,古

くよ り主従 関係 にあ る場合 は調整が困難 と なる

.こ

れ は

,昔

よ リー国の主 と して君 臨 していた 都市 や

,今

後 の市 町村合併 において リー ダーシ ツプ を期待 されてい る都市 に対 して

,そ

の周辺 の町はわ れわれの面倒 を見 るべ きとの雰 囲気が醸成 されてい る一方

,中

核 的 な都市 についてはそのための十分 な 財 政的 な余裕が ない とい う現状 にあることか ら互 い の姿勢が折 り合 わず

,利

害 の調整が困難 になる とい う実態があ る。津軽地域 の事例 は もとよ り

,上

述 の 事例 には取 り上 げていないが岐阜県の大垣 ―上石津 町間の路線 の ように

,そ

の ような背景 の もとで調整 が暗礁 に乗 り上 げたケース も見 られ る。 ④ 地理 的 な要 因 路線 の性質 を単純 に三分類す ると

,平

野部 の中だ け を結ぶ路線 と,山間部 と平 野部 を結ぶ路線があ る. 前者 の場合

,平

野 の中におけ る人 口密度が均 質であ り

,住

民の生活パ ター ンも大差 な く

,行

政区域 の違 いが さほ ど大 きな意味 をもたない とい う意味で各 自 治体が比較 的対称 的であ ることか ら

,負

担基準 に関 す る利 害が大 き く対立す るこ とはない。 これ に対 し て後者 の場 合

,バ

スヘ の依 存度 や利 用者数 な どの 様 々な面が平野部 と山間部 の地区で異 な り

,そ

の実 態 をどの ように踏 まえるか とい う点で共通認識 の形 成が難 しく

,調

整 を困難 に している場合があ る。前 者 に該 当す る磐南地域や羽 島市

,海

津 町

,平

田町で は利害の調整が容易であ ったの に対 し

,多

野藤 岡地 域 では山間部 か ら平野部 に またが る路線 であ るため, 利害の調整が 困難 になる要 因が潜在 的 にはあ った と

(5)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 34号 73 考 え られる。ただ

,こ

の地域 においては

,急

行バス ヘの補助は山問部の地域 のみで負担す るとい うこと で

,山

間部の要望が主 に急行バスで

,そ

うでない地 区の要望は主 に普通バスで とい う双方の立場 の違 い を埋 め

,結

果 的 に利害の対立 が精鋭化す ることな く 調整が図 られた と考 え られ る。 ③ と④ に関する要点は歴史や地理 に依存す るもの であ り

,す

べての地域に該当するわけではない

.こ

こで

,費

用の負担 を違 った角度か ら見てみ よう

.複

数の自治体が共同で補助 を拠出す るに際 して

,路

線 や事業者の見直 しを伴 うことが一般であ り

,見

直 し の結果

,従

来要 していた補助金の拠出額 に比べて削 減が可能 となる。つ まり

,補

助金の拠出額が節約で きる。その意味で

,費

用の負担 とは

,共

同すること によって得た節約額 とい う利益 を関係者でどう分担 す るか とい うことで もある。 よって

,表

面上は

,費

用の負担を各 自治体が検討 していることが実際であ るが

,見

方 を変えれば節約額の分担 とい う前向きな 話である。以上の見方は

,①

と② に述べたことと同 等であ り

,共

同での実施のメ リッ トを認識すること である。このように

,①

と④ に関する要点が満たさ れない地域や

,各

自治体の役割 に着 目 した調整に陥 つた場合において も

,①

と②の要点を当事者に再認 識 させることが調整 における一つのポイン トとなる。 しか し

,①

と② の要点のみを追求 していれば

,自

動的に利害の調整がなされるわけではない。特 に, 負担額の決定に際 しては

,多

くの事例で利害が対立 している。そこで以下では

,先

述の事例 においてど の ような過程で利害 を調整 したかを協カゲーム的に 整理するとともに

,各

事例の背後 に存在 していたで あろう公平性の規範 を推定 し

,具

体的にどのような 公平性に基づ く負担の決定が不1害調整の観点か ら有 効 となるのかについて検討する.

2.2利

害調整場面の協 カゲーム的解釈 広域バス路線 を共同で補助す る事業(以後,「共同 事業

Jと

言 う

)に

参加す る自治体 にとって

,広

域バ ス路線を開設することに伴 う補助額の削減を選好す ることに関 しては共通 している。さらに

,単

独で補 助するよりも補助額が小 さ くな りうることも共通の 認識 となっている場合 には,広域バス路線 を開設 し, そこに共同で補助するという「総論」に関 しては合 意が成立 している。つ まり, どの自治体 も共同事業 か ら離脱 しないことが自明であるとい う協カゲーム 的状況 となっている場合が主である。 もちろん

,例

えば

,あ

る自治体が路線バスに比ベ て安価 な代替交通手段 を持 つていた り

,バ

ス路線が ネ ッ トワークになってお り

,各

路線の重要性 に関 し て 自治体の間に温度差がある場合などにおいては, 必ず しも協カゲーム的な状況にはならないが

,以

下 では上記の「総論」 に関 しての合意が得 られている 状況 を想定す る。 しか し,「総論」への合意は利害対立の解消 を意味 するわけではない。共同事業に要する補助金 (費用) を各 自治体でどのように負担するか とい う問題が必 ず存在 し

,そ

の調整が必要となる。一般的には

,想

定 されるい くつかの補助金負担基準 を対象 とし,そ のど れを採用するかに関 して利害が対立する。これは

,各

自治体が選好する負担基準が異なるためである。その 際,共同事業の成立の前提 を満たさない基準,つ まり, ある自治体が単独で補助 を行 う場合 よりも大 きな負 担額 を与える基準は検討の対象から除外 される。それ が何かを特定する段階を

,本

研究では「第一段階」 と 呼ぶ。その上で

,絞

り込 まれたい くつかの基準 を対象 とし

,そ

の中から一つの基準の選択を目指す,も しく は

,そ

れ らの基準に準拠 して (それらの基準 とは異 な る

)妥

協案を探 り

,そ

の案の下での補助金負担に合意 するとい う過程 をたどる。本研究では,こ れを「第二 段階

Jと

呼ぶことにする。以上の二段階の分類は

,事

例の調査 によるものであ り,補 助金負担をめ ぐる利害 調整過程 はこの ような第二段階のゲームに概 ね大別 で きる。

3.利

害調整過程のモデル化 ゲームに参加する任意のプレイヤーを ,で 表す。 本研究では共同事業 に関与する全ての 自治体が プ レ イヤーである

.プ

レイヤーの集合を Ⅳ=(1,2,一れ}で 表す。プレイヤーの集合 Ⅳの部分集合 を提携 と呼ぶ. 任意の提携 を ざ(⊂り で表す.

3.1

第一段階にお ける補助金負担ゲーム 想定 されている補助金負担基準の集合 をFrで表す。 また 打 に含 まれる任意の負担基準 を ん(∈り で表す。 負担基準 力の下でプレイヤー,が 負担する補助金 を メPで 表す。任意の提携

Sが

共同事業 に参加せず に単 独 でバス路線へ の補助 を行 う場 合 に要す る費用 を σl(S)で表す_ 第一段階では

,Frの

負担基準の中か ら全てのプ レ イヤーに参加 を動機付ける最低限の公平性 を保証す る負担基準のみに絞 り込む。すなわち

,以

下 に示す σlを費用関数 とした ときのコア(core)[2]を満 たす負 担基準 力の集合 を特定化す る。

(6)

Σメー

qぼ

)≦

0(VS⊂

(1)

lcS

Σッ

│=q(N) O)

上式で定義 され るコアを「第一段 階 コア」と呼ぶ. 第一段 階 コアを満 たす負担基準 は共同事業へ の参加 を全 ての プ レイヤーに動機付 ける基準の集合であ り, 共同事業 における最低 限の公平性 を担保 した規準 の 集合 と言 える。 どの ような負担基準が第一段 階 コア を満 たすかについては谷本 ら[3],Ta mOtOす o′.[4]

が検討 を行 ってい る。

3.2

第二段 階 にお ける補助 金負担ゲ ーム 第一段 階 コア を満 たす負担基準 の集合 を ″(⊂動 で表す。 また ″ に属す る任意の負担基準 を 訂(∈り で表す。負担基準 陶 の下で プレイヤー,が負担す る 補助金 を持“で表す。第二段階における任意の提携S の費用 関数

Q(oを

次式 で与 える.

Σ考

C2い

)≦ 8 ,c∫

Σ持

=C2(Ⅳ) た μ (VS⊂洵

9 (6)

(6)式の左辺は負担額 χに対する提携 Sの 不満 と定 義 される。つ ま り

,提

携 ざが共同事業 において負担 する額 と共同事業か ら仮 に離脱 したときの負担額 と の差が不満である。コアが非空である場合 には

,任

意の提携の不満 は負の値 をとる。仁及びその修正概 念 は(6)式の左辺 を以下の ように修正す ることで定 義 される[10]. 平均仁 (弱仁):

Σ持

σ2(S) ,c∫ 上ヒタJイニ: │ざ │

Σ為

C2(ざ ) Fc S C2(S)

Σ

tt C2(Ⅳ

d) Tc ArヽS 相 対 仁 :

Σ埼

C26)

,eS Σ 考 C2(Ⅳ `ぎ 考 ― σ26) たFVヽ∫ 'cS IⅣヽ

SI ISI

平均 差仁 : ここに,ば│は提携

Sの

構成員 の数 を表 してい る。 これ らの概念 を解釈すれば

,平

均仁 は提携 の構成員 一人当た りの不満 を

,比

例仁 は提携 の費用 当た りの 不満 を

,相

対仁 は 自らの提携 とその相 手 の提携 の不 満 の比 を

,平

均差仁 は 自らの提携 とその相手 の提携 の一 人当た りの不満 の差 を考慮 してお り

,そ

れぞれ の概念 が一つの公平性 の規範 であ る。 我 が 国 にお ける広域バス路線へ の補助以外 の様 々 な共 同事 業 にお ける公平性 の規範 と して

,仁

お よび その4多正概念 を有力視 しうる とい う傍 証 が既往 の研 究 に見 られ るため[10][11],本研 究で は

,公

平性 の規 範 と して仁 お よびその修正概念 を文寸象 とす る

.こ

れ らの概念 に基づ く負担額 と実 際の負担額 とを比較 し, 後者 との乖離が小 さい負担額 を与 える協カ ゲー ムの 解 の概念が実際の場 面 において想定 されてい た公平 性 の規範 と解釈 す る.

3.3

第二段 階の補助金負担ゲームの理論 的特性 第一段 階のゲー ムでは

,共

同事業 に参加 す るため (7) (9) (10)

C)=叫

X蕃

これは

,提

携Sに とって最 も高額の補助金負担 を 与 える基準の下での提携 ぎの負担額 であ る。つ ま り, この費用 関数はこれ以上の補助金 を負担す ることが ない とい う意味での悲観 的な想定 の下 での費用 であ り

,従

来の協カ ゲーム理論 における費用関数 の定義 と整合 的である[5]. プ レイヤーは,費 用 関数 C2を 交渉力 として第二段 階のゲームを行 う。第二段 階 におけるコアを「第二段 階 コア」と呼 び

,次

式 で表す。

Σ為≦

C2(」) Iξ

Σ考

=σ2(Ⅳ) ,cN (VS⊂Ⅳ

) (4)

式(4),(5)を満 たす負担額 X=(れ,χ多…,為)の集合 か ら

,あ

る公平性 の規範 に基づ いて「妥協案」 として の負担 を得 ると考 える。その規範 として

,仁

[6]及び その修正概念[7][8][9]を用 い る。仁 は次式 で定式化 さ れ る. (5) Ell■ 8

(7)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 34号 75 の動機 を保証す る負担基準 を絞 り込み

,そ

れ らに よ って第二段階におけるゲームの交渉力

,つ

ま り(3)式 に示す費用関数が定義 される

.し

か し

,第

二段 階の ゲームの結果が第一段 階 において確認 された共 同事 業への参加の動機 を保持 しうるか については必ず し も自明ではない。以下では

,①

第一段階と第二段階 のコアの関係 と②第二段階において合意に至る唯一 解 と第一段階コアとの関係をそれぞれ理論的に整理 する。 命題

1:第

一段階コアが非空であれば

,第

二段階コ アは第一段階コアに含まれ

1か

つ第二段階コアは非 空である[12]. 証 明 : まず

,第

二段階コアが第一段階コアに含 まれるこ とを示す。負担基準 れの下での負担額 を

F牲

徹1れ,ザI 中● ,χヵ")で表す。ポ は第一段階 コアを満たすため次式 が成立する。

C26)=野 XΣ

ttr≦CIド

)(VS⊂

勒 (1動 ,cS よつて第二段階コアは第一段階コアに含 まれる。 次いで

,第

二段階コアが非空であることを示す。こ こで

,あ

る 附*(∈ りについて考えよう

.す

べてのプ レイヤーで負担する全体の額は第一

,第

二段階によ らず一定であることか ら

,次

式が成立す る。

Σイ

=C2(Ⅳ

)=Cl(N) (1勤

たTII また

,の

(s)の定義 よ り次式が成立 す る。

Σχ

r`

"=C2C)(VS⊂

(14)

,cS ,cS て

,仁

及 びその修正概念 は第二段 階 コアの内部 に唯 一解 を与 える。命題 1よ り第二段 階 コアは第一段階 コアに含 まれることか ら

,第

二段 階ゲームにお ける 仁及 びその修正概念 は第一段 階 コアの内部 に唯一解 を与 える。 以上 よ り

,第

二段 階のゲームにおいて導かれ る解 は

,第

一段階における最低 限の公平性 (第一段 階 コ ア)を損 な うことが ない こ とが証 明 され た.つま り, 第一段 階の コアを満 たす負担基準 をベ ース に第二段 階 において負担額 を決定す る際

,第

一段 階の コアを 満 たす

,つ

ま り

,共

同で実施す る動機 を満 たす負担 が必ず存在す る。

4.公

平性 の規 範 の推定 四つの事例 を取 り上 げ

,補

助金負担 において どの ような公平性 の規範が存在 していたのか を推定 した。 具体 的 には

,そ

れぞれの事例 にお いて

,報

告書[13] な どの文献調査

,イ

ンタビュー調査 によ り第二段階 に存在 していた負担基準 を特定 し

,補

助金負担 ゲー ム を定式化 した後

,仁

及 びその修正概念 が持つ公平 性 の規範 に基づ いて得 られ る負担額 を求めた。求め られた負担額 と実際 に事例 の 中で合意 が成立 した負 担額 と比較 し

,実

際の負担額 との乖離 が小 さい規範 を暗黙 に想定 されていた公平性 の規範 と した。 以下では

, 2.1(2)に

示 した費用 の構造 に着 目 した調整が な された と して

,公

平性 の規範 を推定 す る。当然の こ となが ら

,実

際の利害調整 において は

,各

自治体 の役割 に着 目 した調整 も経 て負担額 の 決定 に至 った と思 われ るが

,あ

くまでその調整 は費 用 の構造 に着 目 した調整 をベ ース と した さ らなる調 整 であ り

,費

用 の構造 に着 目 した調整 の結果 を大 き く歪 ませ るこ とが ない もの と考 えた。 事例 1と して津軽地域 の事例 を取 り上 げた。 ここ では

,利

害対立 の構 図 を整理す ることに よ り三人ゲ ーム と した。事例2と して島根県 の安来能義地域, 事例3と して岐阜県 の旧名鉄人百津線沿線地域

,事

例4と して多野藤 岡地域 の事 例 を取 り上 げた。事例 ごとに費用関数

Qを

表 1∼

3の

ように求めた。その 際

,事

例 1では

,弘

,黒

石 ・五所川原

,25町

村 の 順 に

,事

例2においては安来

,広

,伯

太 をそれぞ れ プ レイヤー1,2,3と し

,事

3に

おいては人百津, 兼 山

,御

,可

児 をそれぞれ プ レイヤー1,2,3,4と し た

.な

,事

4は 6人

ゲームであるため提携 の数 が63もあ ることか ら

,費

用 関数 の記述 を省略 した。 費用 関数 を線形変換 して もゲームの構造 は不変 であ るため

,第

一段 階

,第

二段 階の費用関数 は ともに (13),(14)式よ り/″ネは第二段階 コアを満 たす。第二 段 階 コアを満 たす負担額が少 な くて も一つ存在 す る ことか ら

,第

二段 階 コアは非空である. 命題

2:第

一段 階 コアが非空 であれば

,第

二段階に おいて仁 及び その修正概念 は第一段階 コアの内部に 唯―解 を与 える[12]. 証明 : コアが非空であれば仁及びその修正概念 はその内 部 に唯一解 を与 える。 よって第二段 階 ゲームにおい

(8)

1

事例 1に おける費用関数

(%)

4

実際の負担額 と協カゲームによる負担額(%) 提携 ざ 運行 回数 人 口 損失額 商圏人口 C2(S) l 51.4 33,7 47.4 靭 F2 17.4 17.1

:紳

: 8.7 18,9 つ ´ 難鯵 33.7 37.8 49.2 0 る :翻i群 50.8 66.3 62.2 k υ 82.6

829

81.1 =導 送溝【好1 91,3 f23 48.6 鰯 52.6 46.5 66.3 項 目 実際の 負担額 仁 平均 仁 ナヒタ! 仁 糾 仁 均仁 平 差 事 例 弘 前 50.0 452 435 42.5 446 450 黒石 五所 川原 136 15.5 172 143 25町本す 36.4 410 410 403 41.1 413 事 例 安 来 52.2 465 430 41.8 46.5 487 広i頼 273 360 37.7 376 360 36.6 伯 太 206 175 216 17.5 14,7 事 例 人百津 568 刀 付 50,9 635 兼 山 214 22.9 19,7 170 御 嵩 6.3 111 13.4 77 可 児 つ 々 H9 事 例 新 町 34 藤 岡 162 15,7 167 178 鬼 石 308 265 24.0 241 う 々 万 場 210 23.4 228 23.2 243 中 里 107 128 12.9 108 上 野 178 20,1 207 20.2 表

2

事例2における費用 関数 (%) 提携S 人 口 面 積 利用者 Q(ざ) 1 66:9孝 55.0 26.0 66,9 命 る 20,7 25。7 極鞠 51.3 12.4 19.3 魏 舞

227

121 i37遜 80,7

773

876

13キ 報 導:

743

48.7 79.3 231 45,0 ―iL雪墜:∋E: 74.0 表

3

事例3にお ける費用 関数 (%) 提携S 路線延長 利用者 依存度 の(S) ll 44.4 45,3 ::ヨ騒9騎0=二::

806

f2キ ミ期 14.1 14.5 28.7 騨 :│: 14.9 1.9 20.4 f4干 65 :=2壱乾,彗:: 3.0 25,7 121 73.1 59.4 ∩ン 64.8

602

彗鶏 82.5 f14キ

509

71.0 期 83.6 f231 29,0 16.4 49.1 f24 35,2 ユ辮 華 17.5 39.8 (34 26.9 4.9 40.6 1231 93.5 74.3 1峯

:辮

97.0 124}

796

鞘 98,1 134キ 71.3 :│ヨ魯琶Eきユ≡:そこ 85,5 85,9 (2341 脚 54,7 19.4 55.6 例 例 例 事 事 事 仁 平均仁 比例仁 相対仁 平均差仁 実際の費用 を σl仰9=Q(り で除 した百分率の値 とし て与えた。各列には

,第

一段階において想定されて いた基準の もとでの負担割合 を示 している。基準の 多 くはある物理量 に比 して算 出す るものであ り

,そ

の物理量 を最上行に示 している。なお,事例 3の「依 存度」 とは

,近

隣の中核都市への移動人口である. 事例

4に

おいては

,走

行距離比

,均

等割 10%十走行 距離比

90%,受

益比 (それが何 を意味するのかは定 かではないが

,恩

恵 を受ける住民の数 と捉 えて利用 者比 とした

)の

三つの基準が想定されていた。 実際の負担額 と仁及びその4多正概念 を用いた結果 を表

4に

示す。ここで

,求

め られた負担額 と実際に 事例の中で合意が成立 した負担額 を比較 して

,両

者 の乖離 を測定する。その方法 として

,得

られた唯一 解 と実際に事例で合意 に至 った負担額 との残差二乗 和 と

,各

自治体 における残差の絶対値の最大値の二 伽 牌 脚 事 事 事 図

1実

際の負担額 と協カゲームによる負担額 の 乖離 (上 :残 差二乗和

,下

:残 差の最大値) つ を取 り上げた。すなわち

,任

意の負担基準 陶 に関 する前者 は(15)式で

,後

者 は(16)式で評価 される。た だ し,埼*はプレイヤー,の実際の負担額である。

Σは

μ

χ

l)2 ,cN

Wiχ

イ I (15) (16)

(9)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 34号 77 乖離の計算 の結果

,図

1を 得 る。図1よ り

,ど

の 事例 において も

,仁 ,相

対仁

,平

均 差仁 が(15),(16) 式 に基づ くどち らの指標 において も託離 が小 さ くな ってお り

,暗

黙 に想定 されていた公平性 の規範 とし て これ らが該 当 してい るのではないか と推測 され る. 相対仁

,平

均差仁 においては

,相

手 の不満 を考慮 し ているため

,自

分 と相手 との不満 のバ ラ ンスを重視 して負担が決定 されてい る可能性 が示唆 され る。

5.補

助金負担 を巡 る利害調整過程 の提 案 前章 の知見 は

,対

象 としてい る事例 が四つ と少 な いため

,あ

る一つの解が有力 な公平性 の規範 と断定 す ることはで きない。 しか しなが ら

,実

際 に合意 さ れた負担額 と比較 して

,乖

離が小 さい値 を与 える規 範 の集合 とそ うでない規範 の集合 は四つ の事例 にお いてほぼ共通 しているとい う興味深い結果 を得てい る。そ こで

,四

つの事例 を対象 とした分析結果が今 後 の引 き続 きの研 究 において支持 された とすれば, 以下の ような利 害調整過程 を経 ることで

,よ

り迅速 に広域バス路線 の開設が可能 になる と考 え られる. ①各関与自治体が補助金負担基準を提示する。 ②①で提示された負担基準の中で

,あ

る自治体の参 加の動機を損なう負担額を与えるものを除外 し, 負担基準の絞 り込みを行 う. ③②において絞 り込まれた負担基準の中から各自治 体及び提携に最 も高い費用を与える負担基準をそ れぞれ特定する。 ③③で得 られた負担基準に基づいて得 られる負担額 を費用関数 と見立て

,仁

もしくは相対仁

,平

均差 仁を用いて負担額を導出する. ⑤求められた負担額をもとに,さ らなる調整を行 う。 ここに

,①,②

は第一段階

,③

が第二段階におけ る費用関数の算定

,④

が本研究で導出 した公平性の 規範のもとでの負担額の算定

,⑤

lま④で求められた 負担額をベースとした負担額の決定を意味 している. 関与自治体の実務担当者が

,実

際の補助金負担に おいてこの過程を経ることにより

,話

し合いのみに 基づいて各々の公平感を頼 りに手探 りで補助金負担 の調整をするときに要する時間や労力が削減される と考えられる。ただし

,③

において

,最

も高い負担 額を与える基準を自治体が表明せずに自らの負担額 を小さくする戦略的な行動を自治体がとることが考 えられる。そこで

,③

に示す内容が保証されるよう に

,全

ての自治体からの代表者から構成される協議 会等を組織 し

,そ

こで仝ての負担基準の下での費用 を一元 的 に算 出す るな どによ り互 いの状況 を共有 し てお く必要 があ る。 これに よ り

,こ

の プロセスの有 効性 が満 た され る。

6.お

わ りに 公平性 の規範 の推定 において対象 と した事 例 が少 な く, ここで得 られた知見の一般性 については問題 があ る

,現

,広

域バス を導 入 してい るその他 の 自 治体 に イ ンタビュー を実施 してお り

,そ

こでの推計 結果等 について今後随時報告 してい く予定 であ る。 協 カ ゲーム理論 に基づ く解 は

,そ

の計算過程 が煩 雑 であ るな ど

,実

用上 は必ず しも適 していない。 し か し

,今

後 の上記 の調査 を進 めた結果 と して公平性 の規範 が絞 り込 まれ ると

,そ

の公平性 の規 範 を もつ 協カ ゲームの解が実務担当者が用 い うる簡易 な負担 方法 とどの ように対応づいているか を検討 す る こ と がで きる。つ ま り

,岡

田 ら[11]のアプローチ に見 ら れ る よ うに

,費

用 関数の構造 を特定化す る こ とで, 協カ ゲームに基づ く解の概念 と簡易 な負担方法 との 間に一致性 を見 出す ことがで きる。 簡易 な負担方法 と して

,多

目的 ダム事業 で は分離 費用 身替 り妥 当支 出法が用 い られてお り

,そ

れ の原 型 で あ る

sCRB法

お よびその類 型 で あ る

ENSC法

が 簡易 な方 法 の代 表 であ る。それ らは次 式 で表 され る。 ただ し

,SCFは

分離費用(Separabに cost)であ り

,共

同 事業 か ら当該 の プ レイヤー

,が

離脱 した際 の費用 の 減 少 分 虫蝸 ―

C仰

{'))であ る

./VSCは

非 分 離 費 用

(Non―separable cost)で あ り,分離費用 を各 プ レイヤー

が負担 した際 に誰 に も負担 されず に残 ってい る共 同 事 業費 の残額 であ る。詳細 は文献[11]を参照 され た い.

SCRB:

=Sc十

じ(')一

SC

Σ

r(ブ)一Sら] デ∈ihr

ENSC:為 =SC十

±

NSC

rl これ らの負担方法 と

,本

研究の結果公平性 の規範 として該当 していると思われる仁

,相

対仁

,平

均差 仁 による負担 を表 5に 示す。その結果

,ENSC法

は 協カ ゲームにおけるどの概念 とも乖離が小 さ くない 負担額 を与 えるが

,SCRB法

は仁および相対仁 と近 い負担額 を与 えている。よって

,公

平性の規範 とし て仁 もしくは相対仁が該当 し,そ れ らが

SCRB法

と 一致するための費用関数の構造が第二段階のゲーム (17) NSσ

(10)

5

実務 的な分担方法 との関係 (%) 項 目 の 額 際 担 実 負 SCRB ENSC オロ文寸 仁 均 仁 平 逃 事例1 弘 前 50.0 446 425 452 446 450 黒石 ・ 五所 川原 14.3 175 14.3 25町村 411 400 41,0 411 413 事 例 2 安 来 522 465 39.6 46.5 465 487 広 瀬 27.3 36.0 34.3 360 360 伯 太 20.6 260 147 事例3 八 百津 699 53.5 568 63.5 兼 山 232 21.4 17.0 御 嵩 111 可 児 12.0 12.2 事例4 新 町 25 34 藤 岡 鬼 石 308 25,2 22.9 265 241 26.7 万 場 226 20,0 210 232 243 中 里 107 12.1 14.0 10.8 上 野 2工0 20.2 において成立 していれば

,scRB法

とい う簡易 な手 法 で公平性 の規範 を満 た した負担額が導 出で きる。 表5はあ くまで例 を示す に過 ぎないが

,以

上 の点 を 今後理論 的

,実

証 的 に検討 を進 めてい きたい。 謝辞:本研 究 は文部科学省研 究費若手研 究(A)課題番 号 14702043の助成 を受 けた研 究成果の一部 であ る。 本研 究の遂行 に当たっては

,群

馬大学 の青 島縮次郎 教授

,名

古屋大学の加藤博和助教授

,弘

南バ ス株式 会社 の菊池武弘氏

,安

来能義広域行政組合 の 田中操 氏

,群

馬県藤 岡広域市 町村圏振興整備組合 の浅見志 伸氏

,万

場 町の斎藤福蔵氏

,磐

田市の河合励 氏 お よ び田島真幸氏

,上

石津 町の伊藤 昌弘氏

,海

津 町の後 藤英仁氏

,岐

阜県の間瀬大介氏

,仙

石勉氏

,天

木 日 出夫氏 に多大の協力 を頂 いた。 また

,負

担額 の数値 計算 においては′鳥取大学大学 院工学研 究科 の鎌仲彩 子 さんの協力 を頂 いた

.付

して謝辞 と したい。 参考 文献

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,土

木計 画学研 究 ・論文集,Vo1 20, 2003。 (搭載決定) [13]津軽路線バス調査 ワーキ ングチーム :津 軽地域 路線バス維持活性化 のための報告書,1993. (受理 平成 15年 9月 29日)

表 1  事例 1に おける費用関数 (%)      表 4  実際の負担額 と協カゲームによる負担額 (%) 提携 ざ 運行 回数 人 口 損失額 商圏人口 C2(S) l 51.4 33,7 47.4 靭 F2 17.4 17.1 :紳 : 8.7 18,9 つ ´ 難鯵 33.7 37.8 49.2 0 る :翻 i群 50.8 66.3 62.2 kυ 82.6 829 81.1 =導 送溝【 好1 91,3 f23 48.6 鰯 52.6 46.5 66.3 項   目 実際の負担額 仁 平均仁
表 5  実務 的な分担方法 との関係 (%) 項   目 の額際担実負 SCRB ENSC 仁 オ ロ文 寸 仁 均仁平逃 事例 1 弘 前 50.0 446 425 452 446 450 黒石 ・ 五所 川原 14.3 175 14.3 25町 村 411 400 41,0 411 413 事 例 2 安 来 522 465 39.6 46.5 465 487 広 瀬 27.3 36.0 34.3 360 360 伯 太 20.6 260 147 事例 3 八 百津 699 53.5 568 63.5

参照

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