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会社の独立性とアメリカ法--閉鎖会社の独立性に対する一考証---香川大学学術情報リポジトリ

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会社の独立性とアメリカ法

一閉鎖会社の独立性に.対する−・考証

1はしがき。ⅠⅠ・一人会社・同族会社。(i)契約上の債務。くii)不法行 為責任。(iii)会社債権者としての唯一・株主。(iv)会社法人格の否認。 (Ⅴ)個人偵権者と事業偏権者の利害競合。ⅠⅠⅠ.子会社。(i)各独立単位 としての親子会社。(ii)親子会社の合一・(iii)「方便」論一法的暗喩 と現実。(iv)子会社債権者としての親会社。(Ⅴ)親子会社債権者の利 害競合MtheDeep Rock Doctrinel

Ⅰ 法人の実体と形式の関係がわが国で論じられるに・至・つて−から,既に・年久し い。 当初,・−㌧入会杜が株式会社の社団法人性の問題として論議され,1)法人概念 のみならず社団・組合概念の技術性が一一・般軋認識されるよう紅なると,2)・一・人 1)参照,乾,「単独社員の法人」,『法協』,・生5巻8号。佐伯,「−・入会祉に就て」,『法 曹会雑誌』,13巻10号。八木「英法における一人会社」,『国民経済雑誌』,58巻2号。 2)設立当初よりの一・入社団を認めた世界屈指の小国リヒテンスタイン1925年法が欧大 陸の伝統的社団法人論に衝撃を与え,わが国にも喧伝されたのだが,この国や米国ミシ ガン,アイオワ州等のこうした法政策が会社誘致紅よる歳入増加を狙いとした点は,便 宜船籍国問題(=Panlibhonco’’!)と興らない。ちなみに,リヒチッスタイン現人口1 万何千人の何割かが弁誕士であり,その各事務所が数社から数十社の本店所在地となっ ている。設立当時資本金に比例した設立登記税を払う他は毎年申し訳的定額営共税を納 めるだけでよい。こうした便宜立法をまともに受取つて−・人会社是非論を闘わせた虚し さへの反省が,社団・法人の法技術概念僅謂謂の−・助になったと推察するのは,皮肉に 過ぎようか。

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香川大学経済学部 研究年報1 ヱタ6」 ー∫6β− 会社は.理論的に.は株式会社法特有の社団法理のもと,1ケの責任形式(Hafト ungsf0Ⅰ・m)として認識され,3)また,逆に・,・一人会社の合法性承認は,法人 格概念の技術的性格の認識を促がした。4)一人会社から生じがちな弊害の除去 ほ,実際的に.は,将来の株式会社法改正における最低資本金額引上げに.侯つ問 題となっている。5)いわゆる同族会社についても,有限会社形式の採用の奨励 ないし強制という問題を別紅すれば,事情は異らない。 ところで,従属会社とか子会社といわれるものは,形式法理的に.は,閉鎖会 社一般の問題として山・入会社などと共通に.・一応かたづくけれども,8)実質的機 能からみれほ,親子会社関係は企業合同の古典的・典型的編成形式として注目 されるのは,いう迄もない。持株会社を頂点とするピラミッド型コンツ.ェルン に.,会社法学も注目して既紀久しい。子会社の実質的意義ほ,せいぜい零細個 人企業者が税務対策や有限責任型式を狙って用いる紅すぎぬ・一人会社とほ,比 べものに.ならない。この点から親子会社は,独占禁止立法の・一・論点となる。 ところで,戦後わが国の独占再編過程でほ,戦前封建家族的編成の故に独占 強化度に反比例して同族会社臭を深めた「財閥」とちがい,企業系列化とか企 業コンビナ−・ト編成で表わされる新しい型の企来合同方法がもっぱらであり, それに.よる独占体制の整備ほ,戦前天皇制下の独占を質屋共に上廻ってヽ、る。 独占・競争の不断の矛盾深化裡に独占が進行するのは資本制経済の宿命だとほ いえ,わが独禁法ほ,独占に・よる弊害除去に無能力なことを,他のどの国の独 禁法よりも強く宿命づけられて−いる。独禁法が用意する不当「市場支配」抑制 手段は,7)独占企業がそれを現実に桂楷と感じだすやたちまち,独禁法綬和改 3)西臥「株式会社の社団法人性」,『株式会社法講座』,1巻,72ぺ−ジ以下。 4)川島,「企其の法人格」,『田中桝記念論集』。 5)松田,町株式会社法研究』,256ぺ−・汐。 6)18,L・&Contem♪.Probl.,Nol4,1953,はTheClosedCorporation特集号(所収

論文中本稿に席按有用なのは,Bernard F.Cataldo,“Limited Liability with One・

MarlCompazlies and Subsidiary Corporations,,’pp.473−504)として,注目される。 Cf.Rohlich,いLegalProblemsin the Organization and StluCtuIe Of a Close Bu・

siness Corporation。’,124N Y L。./,,266,COl.1(1950).;F.H.0’Neal,′‘Recent

Legislation Affecting Close Corporation,’’22 Lraw &Coniemb.Prob[,1958,

pp.341−362..なお,酒巻,「閉鎖的な会社」,『早稲田法学』,10巻,参照。 7)市場支配の概念紅ついては,参照,拙稿(外国文献紹介),「メストメッカァ多独禁法

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会社の独立性どアメリカ法 −ヱ69− 正で抹殺ないし骨抜きに・されてしまう。もちろん,これほ独禁法自体の問題で なく,わが政治状況の問題であるが,ともかく原理的に.ほ経済憲法たる機能の 発揮を要請されながらも,独禁法の現実ほわずかに・狭義の純然たる消費者行政 に活路を見出しているに.すぎず,それも政治力の弱い弱小業種いじめの域を出 ない。そうした状況裡に倍増ムー・ドにあふられて,新しい形の企業合同手段が 横行する。この現状に対応して出現したのが「関係会社」という新語である。 そもそも財務諸表規則第十条三項8)に発するこの語ほ.,親子会社関係ないし従 属会社関係を,それよりややより広い概念だと説かれながら,スマ」−トに表現 するものとして,急速に.普及した。しかし,このまさに象徴的な新語が別段に 事態の本質を変えるわけでほない。むしろ,戦後一・応の民主化と共に,それな りに.相対的に近代的な企米系列化過程の進行につれ,世はまさに子会社時代で ある。大企業で関連事業部を置かないのは稀であり,定年退職職員ほ子会社行 きを老後設計に当てこみ,日中貿易はダミィ商社を憎み,資本輸出には現地法 人を設立する。事実上持株会社化を狙う中堅商社もあり,将来「原子力からラ ー・メソまでの」大商社自然分解による巨大持株会杜発生も予想されている。雄 大な構想による親子会社関係創設もあれば,紡績会社と遊技品メ−カ−が共同 折半出資でインスタント食品製造会社せ設立するご愛摘もある。 税務対策としての一人会社ないし同族会社横行9)および農基法に絡む農業法 人10)の発生・育成と相侯ち,こうした現実を背景として,戦後の商法学におけ 畠閉鎖会社の研究は,株式会社・法人の本質論を究局の問題意識とする会社の 独立性,11)および会社制度濫用防止12)という2つの課題を,焦点とした。しか における市場支配企業竜」,『会社実務の衣∴』,74締,昭和36年6月。 8)そこでの関係会社定義によれば,発行済株式の総数…の10%を超える持株関係が ありかつ経済上の利益(事業活動に必要な商品・原材料・半製品・部分品・副産物等の 物資,資金その他)供給関係があり,当該事業滴動の主要部分について継続的で緊密な 関係にあることにより従属関係が存する会社相互間,をいう。 9)蓮井,後掲論文,『政経論叢』,8巻3号,107ぺ一汐以下,参照。 10)岡田,「農業法人と会社形態」,『会社実務の友』,65輯,66輯,参照。 11)蓮井,「会社の独童性の限界_!,m政経論叢』,7巻3,4号,8巻1,3号。同「−・人 会祉について」,『政経論叢』6巻3・4号。大浜,「従属会社の独滋性とその限界」,『早 大70周年記念法学論集心加美,「会社の法形態と実体の研究(1)」,『社会科学論集』,

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香川大学経済学部 研究年報 1 J96ヱ ーーJストー・、 もこの2課題は,いわゆる「会社法人格否認の法理」13)の考究において,内在 的に.合叫する。この1点において会社の独立性というすぐれて理論的デー・マは 高い実践性を帯び,会社制度濫用防止というすぐれて一法政策的テ−マは高い理 論性を帯びる。 ところで,この学問的傾向ははば各国共通であって,14J特に西独では,ヒッ トラァがアウトバーン建設資金獲得のため国民車を餌に「労働者観線」を通し た労働者からの詐取によ/つて生まれたフヵルクスプアーゲン社の所有権帰属 (昨年最終解決をみた)問題など対軍需特殊会社債臆の国家負担論議に絡んで も,この傾向が顕著であり,法人格否認法理のヘアドイツチュンク的表現た る“Durchgriff”概念も確立された。15) こうした努力の裡/でわが国を始め各国の学者が,この点で豊富な成果と素材 を抱くアメリカ法に.注目し■たのは,当然であるけれども,各論老のテ−マとの 関連性により,ないしほ.資料選択の如何により,従来その点のアメリカ法研究 は,必ずしも問題の広がり全体を視野に入れたかつ具体性豊かなものとは,い えない面がある。特に・,法人格否認法理を発動したとき,一一人会社の債権者と 唯一・株主個人の債権者の競合,あるいほ親会社債権者と子会社債権者の競合, 6号。絵札「コンツーエルソ関係における株式会社の臼主独立性」,前掲書,177ぺ−−・汐 以下。 12)大隅,「会社の法形態の濫用」,『民商』,35巻6号,1ぺ−ジ以下。大浜,「一・人会社 の濫用とその法人格否定の理論」,『藤井還暦記念』。河井,「検察席からみノた株式会社蜘 度濫用の実態」,『商事法務』,4号。給田,前掲乱258ぺ−ジ以下。 13)大隅,「法人格否認の法理」,『会社法の諸問題』。蓮井,「米国会社法における法人破 衣剥奪の法理」,『法商学部論叢』,2巻1,2号。

14)英国については,L一C・B・Gower,The Principlesof ModeYnCo′ゆanyLaw,2nd

ed=,1957,pp183−209(Chap‖10,uLifting the Veil’’).西独に.ついては,RりSerick, 点βC姉/−0㌢・椚α机上勘助眉以./〟7’よ・Sfよ5Cゐβ7■Pβγゞ0花餅‖1955,244S.(わが国の論者に深い

諺響を与えた此苗の適切な紹介は,蓮井,『会社実務の衣」』,68輯,昭35年12月,32−35 ぺ−ジ)。なお,余り知られていないが,今世紀初頭ドイツに.おける−・人会社の実態とそ の理論構成を要領よくまとめた好ヂセルタチオンとして,ErnstD為mkohler,Wesen

〝搾d月βdβαf祝邦g(7β7α閥職雄一C0〝ゆα花γ∂β∠虎γG.弼∂.〝.,Bofna−Leipzig,190る,68S・・

15)W.Mi]11er−Freienfels,‘1Zur Lehre vom sogenanntem夢Durchgriffく∈beijurist− ischen Personenim Privatrecht、’’AcP.Bdh156,6Heft,19う7,SS525−535.

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会社の独立性とアメリカ法 ーJ7ノー これをアメリカ法がどう処理しているか。この点の検討が従来不十分であっ た。これはわが国に限らず,GoweIやSerickについても言えることである。こ の点は各論稿デー・マの関連上むしろ当然であろうが,実のところ法人格否認の 法理の機能・限界を正確に.評価するに.は,この点まで考察を及ぼす要がある。 また今後予想されるもろもろの「関係会社」問題の法的処理に際しても,この 点の予測が先に.立っていなければならない。この点に眉己慮した上で,ひとまずア .メリカの閉鎖会社独立性をめぐる判例理論を網罷的に.綜合しようとしたのが, 本稿である。16)親子会社関係判例についていちいちその企業合同法理上ないし 独禁法理上の意義16一)を検討してい ない点,問題の広がり全体を敵つたとほいえ ぬ上,徒らに具体的でわが国における本稿の有用性が疑われる贋れさえ存す る。ただ,従来のわが国に.おけるこの分野の研究を補充・精密化する意味はあ ろう。希わくぼ,屋上屋を来するの誹りを免れんことを。 ⅠⅠ −㌧入会杜と同族会社の発達が有限責任と個人経営的完全支配を結合しようと する意欲に.因ることや(Ab払45肋γ机エ・助〝(ヱ932)♪・ヱ0朗/■f−1・)17)その種 会社の作りかたほ,米国でも他の諸国と大同小異であり,特に言いたてる迄 もない。株式会社の制度的意儀に・本来予定されていなかったにもかかわら ず,この種株式会社は事業経営におなじみの型となりきり,1さ)判例・学説上偶 16)この問題は,Ballantine,OnCorPoY■ations,1946,reV‖ed”,ppり298−332;Stevens, Hb.Onih9LawofPrlvvie CorPoraiions,1949・2ledl,ppl・74−79and85−99,の2標 準概説書に評論されている。その他必要文献ほその都度挙示する。 16′)Cf一Kronstein,MillerandSchwa【tZ,ModernAmご′−icamAntiiruSiLraw,N.Y., 1958.,319ps. 17)時に.は他の一人会社形成動機がみられる。例えば,或る不動産に関する寡婦遣儲分産 (dowerう発生を回避しようとする夫の意向。個人のみに・適用され法人にほ適用されな い利息制限法の作用を免がれようとする目的。管理・財産売却を容易化する忠図。Cf.. Fu11er,=TheIncoIpOratedIndividual:A Study of the One−Man Companyり”51

月αγ〃.エ風玖(1938),p…1374い

18)Note,‘‘OneMan Corporations−Scopeand Limitations,’’100U ofPa‖LRev.

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香川大学経済学部 研究年報1 −ノア2一 J夕6ヱ さかの疑問視を別とすれば,19)その存在の合法性ほ.今日もほや論じる迄もな い。判例の一人会社容認論ほ押しなべて平凡であるが,20)肝心なのほ,こうし た通説が一人会社・同族会社を後援する司法政策に法解釈的装いを被せたもの に他ならないという点,21)である。 それが半世紀余紅わたり裁判所によって承認されてきている以上,各州立法者は,ミシ ガンとアイオワの先例に従うこと,そして−・人株式会社の創立とそ・の場合の淑締役会排 除を許すことが,望ましい。これほ,その間遊金部を単純化し,かつ今なお−㌧人会社に つきまとう不信・不安定な雰闇気を消失させる」。Rutledge,“Sigmificant Trendsin ModernIncoIpO工ationsStatutes,”22VVash仙U LQl(1937),P305は,3種の株式 会社法制定の望ましさを判定する研究を提案した。1は巨大企業,1は中小企業,1は 血入会杜。 19)Do11ar Cleaner&Dyers,Inc.V.MacGregor,161Atl.159(1932).Note,45 月加叩.エ.尺βル(1932),p小1089:「有限式任一肌株式会社への役蟄を助長するよう仕組ま れた保護一肌は株式会社の所有と支配が一人の手に集中してしまっている場合なら不要 であろう。一人会社のこの好ましさを裁判所が時たま疑問視するのはこの見地の印しで

ある」。なお,CfrIIMrWormser,Franken・5ietn hcoYPoY−ated(1931),p・95et seq・ 20)米判例の通常の一山人会社支持論拠は,「有限責任ほ,州の株式会社法によつて認めら

れた特権であり,商企業における有限式任を得る目的で該州法所定の方式紅√従′つて一人 会社又は同族会社を粗放する者は,法が附与した特権を利用しつつあるに.すぎない」,に

つきる〔例えば,Elenkrieg v.Siebrecht,238N・Y小254,144N.E.519(1924);英

国近時の代表判例Inland Revenue Commissioners v一Sansom,(1921)2K・B・492, 500,125L.T∴軋37〕。これはサロモン事件の判決をおうむ返したにすぎない。

21)上掲1921年Inland Revenue Comnissioners vlSansom事件においてヤンガァ卿

判事は白く,「本官は,これらの考慮にてらして,一人会社とよほれるものに関連して simulacrum とかSham又は,本件に用いられている言菓CIoak,その他一切の腕曲 な非雉的用語に不贅成である。−㌧入会祉は立法者の奨励を得た承認のもとに.存在するほ かりか,叫\入会社の過半が蕃恵かつ純正であり,そして実務的な意味で一・入会祉が産巣 への栗本の供給に便宜・適当であることを疑うぺき理由は何ら存しない。紛れもなく, −・人会社の中にほ,他のあらゆる結合方式におけると同じく邪悪なもの(black sheep) も混って−いる。しかし東宮の判断では,上に掲げたような非難の言共は弾劾に相当する ことが実証された一㌧入会祉およびその取締役に,厳密にとっておくぺきである。そして かような言葉の無差別な使用が稀ならず不幸・不当な結果をもたらしたことは本宮が十 分承知しているところであり,そして本件はこうした非雉の言葉が使える場合でないと 判断する。」

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会社の独立性とアメリカ法 ーJ73・− (i)契約上の債務 一人会社の株式の全部又は殆どを・−㌧人の老が所有する事実ほ,会社怯人格否 認の十分な根拠ではない。22)従って一会社財産と唯一株主個人財産の区別ほ法的 にも入念に確保される。25)会社債務と唯一株主個人債務の区別についても同様 であり,会社債権者は唯一L株主とその個人財産から弁済を受けられない。24)逆 に,唯・一株主の債権者ほ会社と会社資産から弁済を受けられない。g5)相殺につ いても同じ原則が働く。2¢)例えば,支払不能銀行が或会社の預金と同社唯一L株

22) MacanV”Scandinavia Belting Co.,,264Pa‖384,391,107Atl.750(1919),at p‖752:=A corporation has a separate entity or existence,iIreSpeCtive o董the

persons who ownits stock,and this ruleis not altered by the fact that the greateIpOrtion or−even the entireissue of stock happens to be held by one

person.”ReJohn Koke Co・,38F.2d232,(9th CiI\1930)at p.233:“the rule is quite elementary that a corporation is an entity separate and distinct from

its stockholdeIS,Withseparate anddistinctIightsandliabilities;andthisistrue even though a slngleindividualmayownall,Ornearlyall,Ofthecapitalstock.” CommerceTrustCo小V.WoodbuIy,77Fn2d478,(8th CiI.1935),at Pい487:HFew questionsoflawarebettersettledthan thatacorporationis ordinarily a wholly

Separate entity fIOmits stockholders,Whether they be one or more,,’ 23)米国の指標的判決ほButton v∴Hoffman,61Wis.20,20N・W.667(1884)およ ぴParker v..BethelHotelCo.,96Jenn.252,34S巾W。209(1896)である。バット ン事件でほ唯叫・株主が会社財産の悪感占有者から会社資産を取戻すため目分の個人名義 で起した動産占有回復(Ieplevin)訴訟紅成功しなかった。パァカァ事件でほ自分の個 人名義で会社財産を譲渡しようとした唯q・株主の企てが鰯効と判決された。Cf.Walter HりAndeI・SOn,エ玩扇ム加須溝!0./■Cβ咋♂7αJβ助瑚γ(1931),p‖97.. 24)Lo11isvilleBankingCoV・Eisenman,94Kyl83,21S.W”531(1893).C董.R・S。 Stevens,掛 Cit.p.75.,;Edward H.Warren,Select Cases andOth6Y Auihoriiies on the Law of Private Cor少Orations,1916(Reprint of1930),pい89note.

25)ReJohnKoke Co.(1930),Supra;GeaIy V.,Cain,79Utah268,9P.,2d396

(1932).

26)代表判決はLooney vりThorpe Brosn,277Fed.,367(8th Cir..1921).但し,Cf. Ⅴ。S‖GypsumCo.・V.Mackey WallPlasterCoh,60Mont,132,199Pac.249(1921).

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ヱ96ヱ 香川大学経済学部 研究年報1 ーヱ詔− 主の個人名義約手を所持する場合,唯一∵株主はその約手債務を預金で相殺する ことを許されなかった。2り 会社の債務・債権者と株主個人の債務・債権者との間のこの区別ほ,また従 って唯一株主の有限責任保障は,次の法外部的かつ純プラグマティックな理由 に基くようである(Cataldo,p.476)。契約債権者は自分の債務者を識りかつ選 ぶ機会をもつ。彼ほその取引相手を識りおくべきであり,かつ自分の選定に拘 束される。唯一一・株主と会社のいずれかもしくはその双方が支払不能に陥れば, 会社土台の事業との取引老と唯−・株主個人との取引者との立場を比較しなけれ ばならない。会社債権者の持分(equities)は個人債権者の持分より大きくな い。前者は会社贋産に.限られ,後者は個人資産に限られる。この調整が通常の 事例において両者の持分均等性を保持することに.なる。 例えば,支払人が会社名義の為番手形を,該支払人が引受けた後軋,或る銀 行が割引く。支払人が一一・入会社だと後日判明する。たとえ該会社が支払不能に・ なり該手形に.支払えなくとも,銀行がその唯一株主に手形の支払責任を負わせ ることはできない(注24所掲判例)。該手形に.記載された引受は会社名義だっ たから,銀行は該手形の割引前に.引受人の正体を確かめる機会があった。銀行 は,該社に.対す−る手形上の法的手段をもつことで,該手形取引の仝対価を受取 っている。銀行および他の会社債権者が唯一株主に・責任をかぶせうるとすれ ほ,唯一L株主個人と取引した債権者は唯・一株主の個人財産に優先権をもつべき だのに.,その唯一株主個人債権者を犠牲に.して唯一株主の個人資産が減少させ られることになろう。 米判例ほ一L般にその判決を1egalentity王堅論で簡単に基礎づける立場を選 んでいるけれども,上記の考慮が判例の其の動槻となっているとみてよかろ う。2さ)この考慮における「選定」要因がくっきり浮彫りされまた裁判所が競合

27)State ex rel.SoIenSen VWeston Bank,125Neb612,251N.WJ64(1933); Dennis v.Smith,49S.,W,2d909(Tex“Civ.App.1932)

28)参照,後注所掲サロモン事件におけるノ\アシェル卿判事の判示。事案の特殊状況に比

べて一,この態度が行き過ぎたとみられる近時の判決は,Westervelt’s Sons v.Regency,

Inc.,,63A.2d818(N.J.Super.Ch・1948),aff’d,3N..L Super.173,65A2d776

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会社の独立性とアメリカ法 −ヱ符− する諸供権者群の持分対立に竃及する故紅,この点異例な1判決は,1930年連 邦第9巡回区控訴裁判所が半r’決した註22所掲reJohn KokeCo,事件である。 この事件では,唯一蘭主が会社債務返済のためといぅ口実で個人借入をした。 その後,同人および会社のどちらもが破産したので,貸手ほ会社資産に.対する 債権を有する会社債権者として配当参加を求めた。判決ほこの請求を否認し, 該個人債権者が該貸出の目的を識っていた以上,この者は,他債権者の訴訟参 加権の可能性を勘合しても,「このように・して行った選定に拘束される」と判 示した。 (ii)不法行為責任 普通の場合には,不法行為の被害者は加害者を信頼・取引・適定するもので はない故にり 契約債務と不法行為債務ほこの点で区別できよう。契約債務にっ いては唯一株主の有限責任が認められても,会社農務の執行に際しておかされ た不法行為被害者に関する略一・株主の有限貴任ほ認められない。しかしなが ら,米判例はこの区別を採用していない。唯・−・株主は会社従弟員の過怠行為 (negligent act)による被害者,29)もしくは会社財産の過怠維持(negligent maintenance)による被害者,30)に.対して唯・一L株主の個人芸任を認めていない。 米国の最も権威ある裁判所の1つによるこの点の指標的判決に.おいて,原告 は,不動産会社が所有・管理しかつ多数の賃借人が賃借していた建物のエ作暇 舵(faulty construction)および保存過怠に㌧基く被害者であり,貸借人の1人 の使用人であった。原告が不動産会社の主株主に対する請求権を持たないとし たこのニュ−ヨ−・ク州最高裁(N.Y.Court of Appeals)判決ほ白く, にRegハ社資産を見込む競りだったからであろう。原漕がVanDooIn家個人に負担さ せる積りだったら,原告は同家を契約に参加させることを固執していたろう。原告が求 めうる一切はReg..社資産が原告債権の弁済に利用されねばならないということにつき る。他償権存在および破産開始の事実は,この事惰を変えるものでない。」

29)Sayers v..Navillus OilCoい,41S.W.2d506(TexCiv.App.1931);Hayhurst v.Boyd,50Idaho752,300Pac895(1931)Cf..Price vh Old LabelLiquor Coり 23N.J。.Super小165,92A.2d806(1952)

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ユタ61 香川大学経済学部 研究年報 1 −J符− 「不動産会社が同族会社だという奉天ほ何ら疑わしくも不法でもない。全株式が−・ 家の2,3名で所有されている株式会社は無数ある。1人で殆ど全株式を所有しかつ その老が会社の支配者であり戎いほ唯一・のアクチブな経営者であるという事実自体 は,該会社が法の見地から現実に財産を所有・操作・支配する者として存在しないこ との証明ではない。 多くの老が自分の事業・財産を株式会社化しかつその会社 の支配者である。会社が現実に存在する限り,すなわち本州法ないし設立地州法に・よ って許された事業を行う限り,いいかえれば法の認める椒利主体である限り,その者 はこうした行為を個人責任回避そのものを目的とし,カバーとしてそういう行為が可 能である」。31) 不法行為責任を取扱った目にふれた限りの米判例において,問題となつてい る不法行為はnegligenceであった。従業員又は唯−・株主自身が会社業務執行

に際して犯した不法暴力行為ないし拘禁(assaultorfalseimprisonment)の

ような故意的意図的な違法行為(tortious misconduct)にも,同じ原則が支 配するかほ問題である。唯・−・株主が会社業務の範囲内でこの種不法行為を自ら 犯した場合,有限責任の特権を否認されてよかろう。32) しかし,無差別に契約債務・過失不法行為責任に等しく有限責任を毘ぬいて いるのと全く同様に,米判例は無差別に・両種不法行為に会社独立性の基準を適 用するものと見込まれる。33)この無差別も会社債権者及び唯一・株主個人債権者 の公平を保つという考慮に基く限り,一見した感じとは逆に・,あながち不当と ほ言えない。 (iii)会社債権者としての唯一・株主 叙上の米判例の立場から当然に,会社事業の支払不能に伴い唯一・株主が会社

31)Supra,238N.Y。at p.260,262;144N・・E・at plI521・・

32)この点について格別の検討なしにこの立場を支持するとみられるのは,.Tackson v, Kirchman,175So.105(La”App1937)である。 33)Gzearyv‖Cain,前注25所掲,事件において,或会社によるassaultの損賠請求 で対会社勝訴判決を得た原告は,この判決の満足のため,同社を事実上の唯一・株主とす る戎同族会社の蟄産にかかろうとしたが,成功しなかった。被告会社の債権者たる原告 は,該同族会社株式を判決の満足に利用できる。この株式を媒介した同族会社純資産へ の到達可能性に,会社蟄塵への優先権をもつ会社債権者と唯一磯主個人の供権老との間 の衡平の調節点が,求められる。

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−∫77− 会社の独立性とアメリカ法 債権者の資格を見える場合,唯一億主も会社債権者として清算手続に参加でき る。34)事実,唯一ないし主株主ほ会社担保債権者となりえこ・うしで一腰の無担 保会社債権者に優先できる。周知のように,この立場を代表するのは,会社独 立性の検討濫必ず引かれるSalomon v.Salomn&Co・,Ltd・〔1897〕(A・C・22) 事件の英国員族院判決である。有名な割に正確常知られていないこの事件の主 要事実を念のため次に掲げる。 好況な皮靴製造業個人経営者サロモンが,有限責任獲得の目的で,額面1ポンド株 4万ロで授権資本4ガボンドの株式会社を設立した。受信能力ある(SOlvent)事業 を3万9千ポンドの過大評価観で会社へ譲渡した代償に,披は会社に1千ポンド余の 旧事業負債を引受けささせ,かつ同社株2万1口と社債百通を受けた。社債は額面百 ポンドで会社総資産上の先取特権何だつた。彼の妻と5子は設立要件充足に必要な発 起人の員数合せに.使われ,各1株制当てられた。それ以外に儀式ほ全然発行されなか った。サロモンと2子が取締役会を・構成し,彼が取締役会長・専務取締役になった。 前記社債を担保に彼はBから5千ポンドを借入れ,それを自分の貸金として会社に払 い込んだ。その貸付取引の−・部として:,サロモン所有の前記社債は破毀され,同額の 新社債がBへ,サロモンが当該貸出の範囲内でBの優先担保権にのみ服する「受益所 有者」だという諒解つきで,発行された。景気後退と政府発許予定取消による業績不 振が原因で,会社ほ支払不能となった。会社設立後14ケ月余にして開始された清華手 続で下された判決によれば第1に,Bは,彼の債権の金額弁済請求辟を有する,第2 に,約1千ポンドの資産残高は「社債の受益所有者たる」サロモンに属する,罪3に, 債権額約8千ポンド余の無担保債権者は,受取分皆無。 該判決の]:告を受けた貴族院ほ,「サロモンとSalomon&Co.Ltd.は別 個かつ独立の人である」と判示した㌔)そして有限員任は同国の株式会社によ

34)Wheeler v・・Smith,30Fり2d59,p..61(9th CiI1929);「破産会社に.対する唯一・ 株主の債権が注意深く吟味されるべきであるにせよ,依権者が破産会社の唯一L株主であ るという理由だけでかような債権を否認するのは.,法の趣旨でない。」 35)HeISChell卿判事は日く(〔1897〕A.CLpp.42−43):「こうした状況のもとで,本官 はA‖Salomon&Co‖Ltd.がA.Salomonの>alias<宅にすぎないと言うことの意味を 理解するに苦しむ。同社は同一\人の別名ではない。同社は前提上(ex hypothesi)別簡 の法人である。本官は同社がサロモンに代ってサロモンの事業を行う代理人だったとい う見解を採れない。俗な意味で,会社ほいかなる場合でもその株主に代りかつその為に 事業を行うといえる。しかしこのことが,法的にみて会社・株主間に本人・代理人の関 係を設定するといった,即ち会社の負担した債務の填補責任を株主に負わすといrったも のでないことは,稚かである。」

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香川大学経済学部 研究年報 1 −ヱ符− J96ヱ って−与えられた適法かつ許容できる会社設立目的だから,サロモンが有限責任 確保の目的で会社設立した事実は重要でなかつた。36) それから約30年後,メアリイランド州裁判所は,同じ問題に異った結論をだ して日く,「成人が彼自身の確立ずみ事業を株式会社化し,従前どおりそれを 所有・支配し続け,また同時に自分の個人的利益のため,同社の全資産を将来 の債権者の追及の範囲外に.おきうるのが法の意図することだとは,本裁判所の 考えられないところである」。37)しかし1936年にも言われたように「サロモン 事件の原則ほ無傷のままである」。38) 36)Herschell卿の判示に臼く(supra,ppパ44−46)‥「被告会社は.>oneman<宅会社であ りまたこの点で本官が上述したような会社と異る,といわれる。しかし株式会社に委譲 された事業が3,4人だけの所有物であったこと,また他の発起人らが事務員や他のそ の企業に殆どないし全然利害関係をもたぬ者たちであったこと,はよくみられる。4−6 人なら有限茸任の利便を得て,自分らの資本を事業に使用するために会社を設立するこ とが合法的に可能だのに,一人ならその間じことが許されない,というのがどうしても 本官に理解できない。もちろんとんな場合でも制定法の諸要件を充たしかつ会社を有効 に設立していると前提しての話である。会社の資本が平等の利潤配当請求権を具えた七 人によって平等の割合で所有されているか否か,それとも会社資本が実際上金利潤を独 り占めする一人により,殆ど全部所有されているか,がどうして債椀老の関心事であろ うか。債権者は社員の責任が−・定である会社と取引していることを承知する。そして株 主名侍が債権者に株式の保有状況を,また一\入会社の場合なら株式が実質上鵬\人の手中 にあることを,知らせる。しかしわれらほ.法を作るのでなく,法を解釈せねばなら ない。そして誰もその気がなくぼ有限責任会社を信任する必要がないこと,またその気 になってもそれを信任する前に,その会社の資本・資本保有状況を確認できること,を 忘れてほならない。」 37)I)ouar Cleaners&Dyers,Inc。V”MacGregor〔1932〕,註3所掲。Wiuiam乙 Ripley,〃αま紹S′′■ββ≠d形dl仇沼5加地(1927),p.64−65も同じ考え方をしており,サ ロモン事件について日く,「これに反し,貴族院は,すべての法的形式が適正に遵守さ れているかぎり,詐欺が存在しないと解釈することによって,問題を片づけた。詐欺か 詐欺でないか,素人からみて全くの見えすいたこの言訳はおよそこっけいを通りこして 馬鹿げている(Fraud or no fraud,tOthelaymindthewholeflimsypretextmore

thanborders on the ridiculous小)。これほちょうどデスL/リィの有名な特性描写,>法 律家根性は主として,明白なことを実証するの紅,はっきりしたことを説明するのに,

陳腐なことを数行するのに(expatiating on the commonplace),全力を発揮する嘩,

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会社の独立性とアメリカ法 −ヱ79− (iv)会社法人格の否認 会社法人格の概念は,適法目的に発動されかつ使用されるかぎりでのみ,維 持される。米判例はこの概念の不当使用および不正目的への悪用を承認しな い。会社法人格(corporateness)概念が詐欺永続化・法規潜脱ないし債務回避 の手段軋用いられるとき,この慈用は明白である。39)この種の場合,一一・方で人

38)Masten,以One Man Companies and Their Controlling Shareholders’’,14Can・

助㌢風玖 663,at p671(1936).

39)U。S.v.Milwaukee RefrigeIatOr Transit Co..142Fed”247、255(C.C.E.D.

Wis.1905):「判例の現状において,何か・・・】−・・般原則を定立できるとすれば,株式会社は 一・般原則としてかつ十分な反対理由が現出するまで法的一・休とみなされよう,というこ

とである。しかし法的−り体の概念がto de董eaf public convenience,.iustify wrong, protect fraud,Or defend crime,に用いられれば,法は該株式会社を人の集合(an association of persons)とみなすであろう」。Cf小Kutz Canon Dil&Gas。Co…V”

Harr,56N.M358,244P.2d522,527(1952);Pacific Can Co.v.Hewes,95F・ 2d・42(9th Cir.1938);Ruberoid Co.v.NoIth Texas Concrete Coハ,193F小2d

121(5tllCiI.1951).

この間題を詳論した文献の第1は,Horowitz,“Disregardingthe EntityofPrivat.

Corporations’’14Wash。L.Revn285(1939),15I侮sh..L Revl(1940)“なおCfe Note,“Piercing the Corporate Veil,”4Uqf−Fla.LRev.,252(1951)ニ.ユ−・ヨq

ク州利息制限法との関連でこの間題の特殊な一山面を扱ったのは,Note,38C〃γ’鋸〝ムQ・ 93(1959). きわめて露骨な実例を米判例から挙げよう。GreatOakBldg。Ass’nv.Rosenheim, 341Pa…132,19Al・2d95(1941)・−原告は被告所有財産上に.譲渡抵当権を有した。 被告は授権株式資本500ドルの一・人会社を創設して,それにこの財産を移転した。同社

は該譲渡抵当債務皆済の債務引受を行い,かつ該財産移転の対価として500ドルの支払

を約したが,現金やその他資産ほ支払も交換もなかった。被告は従前同様に賃貸料を取 立て続けかつそれを,該財産維持費用として必要な額を除き,自分の個人銀行勘定に繰 入れていた。このからくりの全目的が被告をその譲渡抵当債務に対する個人賞任から免 脱さすことにあったことは,被告も認めるところだった。原告による譲渡抵当の受戻権 喪失手続(for−eClosuI−e)後,原告は該財産上の未納課税の納入義務を負わされた。被 告ほこの税額を原告に.償還する個人的責任があると判決された。SupI・a,pい97の判示に 甘く,「この原則を念頭におくと,法人格取得という紙仮面はそれだけのことでしかな

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香Ill大学経済学部 研究年報1 −J∂0− J96ヱ 問,他方で株式会社という二役早替りの隠れんぼどっこ ほ許されない。会社名 義でなされた行為は該社員の個人行為とみなされ,40)また社員個人の行為ほ会 社の行為とみなされる。41) い故紅,これがその背後の個人の特性を隠すことは.許されないのである。」 HigginsvlSmith,308U。S‖473,(1940)N−L人会社が唯−L株主との有価証券売買 を目的として設立された。唯一”株主は彼の同社に対する証券売却損の控除を許されなか った。陪審ほ.,裁判所の説示に従い,「スミス氏からそして披と独立・別箇に存在する 何ものかへの」負芙な譲渡が存せず,ただ単に「スミス氏個人の手という彼の左手から その会社の手という彼の右手への譲娘である故,実のところ全く譲洩が存しなかった」 と認定した。

40)この点の代表判例の1っBiscayne Realtys&Ins.,Co,,V“Ostend Realty Co“,

109Fla.1,148So 560(1933)では,グッレユ夫妻ほ不動産取引を業とした。プッシ ュは,醸資産で事業を行わずただブッレ.ユの買入れた土地所有権の取得媒体として用い られるだけの株式会社の,殆ど全株式を保有した。彼の手口は.,土地を買入れ,会社名 義で所有権取得し,それから所有権を会社名裁から彼ら夫始の両方又朋十・カの個人名義 紅移転することだった。或時彼ほ会社名義で買<れた不動産代金叫・部を支払い,残額に ついて会社名義で振出した約手を売主に交付した。それから不動産所有権原は会社名裁 から彼は個人に.移転された。舵手不払により売主は会社に対し該手形金額詣求訴訟を起 し,勝訴判決を得た。会社からの該判決による取立ができなかったので,売主は該約手 につきブッレ,ユ.に個人芸任を負わせそして彼の個人財産を上記判決に.よる取立に服させ るよう,裁判所に申立てた。裁判所はこの申立を認容して,該会社がプッシ.ユ.の単なる alteIegOであってプッVユが笑l舞上商号による個人営業を行/つていたのだ,と判示し た。その判示に日く(109Flaいp.18,148So.p.564):r株式会社の株主が自分の個人 的・私的利害関係ある取引を締結し,かつ会社名義をただその取引完成のための便宜と して利用した場合,その法的一・休そのものは事業が調係がなく,社名が債擬者を宣呉信さ せるのに又ほ披らへの作欺を永硫化するのに用いられたのであり,その場合取引名義と なつた法的一・体ほ無視されかつ当事者が個人芸任な・負わされるであろう。」 41)‘古典的二判例ほPeople v.North River Sugar Relining Co.,1写1N.Y,582,24

N.E,834(1890)とState v”Standard OilCo‖,490hio137,30N‖E。279(1892) である。

この事例で巌もショッキングなのは唯一・または.主株主が会社財産に放火する場合であ る。会社法人格は株主が彼自身の悪行で利得するのを阻止するために.否認される。そし

て株主の放火は該会社財産を填補する会祉名義の火災保険契約に塞く会社の保険金支

払請求に対する有効な抗弁とみなされる。Neily Co.v.London&Lancashire Fi工e

Insurance Co.,148Fedh683(3d Cir.1906);D”Ⅰ‖ FelsenthalCo。V.Northern

AssuranceCo.,284I11“343,12O N.E268(1918)小CfFiremen’s MutualInsurance Co.v。Aponaug MfgCo.,149F‖2d359(5th Cir1945)..

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会址の独立性とアメリカ法 −ノざユー 既にわが国にも周知のとおり,会社法人格の概念が「■公益を侵し,非行を正 当化し,詐欺を保護し,又ほ犯罪を擁護する」ため発動されるかぎり否認され るけれども,この一般原則がこの点の司法活動の限界を述べるものとみなすこ とは誤解を招こう。より流動的に,会社法人格概念への執着が不公正をもたら す鵜果となる場合や或一L走状況下での頁の利害関係人問の紛争の完全な解決を 阻止する場合に.ほノ,会社法人格を否認する傾向が判例上著しい⊃42)この流動的 な原則に舵護されて裁判所ほ各事実関係に基く判決を下すぜい自由な立場で動 けるのである。4S) あからさまに.兵相をいえば,裁判所が会社法人格を否認するか支持するか は.,裁判所が特定事件において採る政策によって決まるのである。これを如実 に実証するのほ政府所有の株式会社に.関する判例である。この種事件でほ,当 該事件において司法上望ましいと考えられた終局結果の如何肥よって,会社法 人格が時に.ほ否認され,時にほ支持される。44)この点一・人会社に関する興味深 い判例ほ,同じ年に同じ裁判所がだした二判決である。45)両事件において裁判 42)ThornburghConstructionCoVCollegeHeightsDevelopment,244P/2d735 (Cal.App.1952);D.N&E。WalteI&CoⅤ”Zuckerman,214Cal.418t.6P.2d

251(1931):Note,36 Yale LJl254巾MetIOpOlitan Holding Cov.SnydeI,79F” 2d266(8th Cir.1935):“TheIe has been a growing tendency uponthe part of

the courts to dis工egard corporate entity andtotreat the stokholders thereof as an association ofindividuals when theieterests of justice are to be served.’,

43)例えば,会社の株主達自身を不公平から守る目的で会社法人格否認が発動された判 例もある−Marchman v.McCoy HotelOperating Co,21S小W」・2d552(Tex., Civ.App.1929),43HaYV”LRev831(1930)Cf”uSGypsumCo.v.MackayWall Plaster Co.,前注26所掲。;Application of Field,190F.2d278(Ct.Of Cus‖and Pat.App.1951).

44)例えば,Sloan Shipyards Corporations v‖Emregency Fleet CorpoIation,258 U.S,459(1921);Emergency Fleet CorpV.Wood,258US小549(1921);U.S;

V。Walters,263UhS,15(1923);Clallam County v”UいS.,263u S。34(1923).

SouthernPacificCoVI)efenseSuppliesCorp。64F.Supp。605(N”DりCal.1946), notedin20So.CaJ、L Rev。293(1947).

45)Erkenbracher v.Grant,187Cal..7,2OOPac.611(1921),and Mini董iev小Rowley, 187Cal.481,202Pac.673(1921).

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香川大学経済学部 研究年報1 Jさ)6ヱ ・−Jβ2鵬 所は公正な結果を得るために出訴期間制限法の「回凰」を余儀なくされた。欝 1の判例で,裁判所はこの結果を得るため−・入会杜の独立性を認めた。滞2の 判例でほ,裁判所はこの結果を得るため会社法人格を否認しかつ一人会社と唯 一・株主を・一着として扱った。48) 会社法人格否認の考え方は一人会社・同族会社について格別な意義をもつ。 株式企業と一個人の両面を代表・構成する唯一又ほ主株主ほ,完全支配と秀れ た知識により,策略・工作の好機を得る。47)従って,一般に.,この種株主の有限 責任の特権は2つの条件に適合することが条件とされる。48)第1にり 唯一文は 主株主は事菜を株式会社編成(corporate footing)で運営しまたそれによって 企業の独立の企業実体を維持・保全しなければならない。49〉第2に.,この播株 46)これらおよび類以の一・人会社関係判例を検討するは.,Note,“OneManCorpoIations −Scope and Limitations.”100U.pfPa.L.Rev.853,865,866(1952)。これら判例 に.ついて:その筆者日く,「各事件がその特殊事実に基いて判決されつつあるのほ明白だ。 唯一の標準ほajustandequitable resultである。ヨリ明確な判断基準を公式化する のは不可儲である。」 47)「あらゆる法の経験において,−・人会社はど多産な詐欺膵殖者は存在しない。それは 人的責任回避の絶好な手段である」(Pepper v.Litton,308U…Sl295,313(1939)で ダグラス判事が引用した原審裁判所の判示)。 48)Note,45助γ仇 エ‖月経.1089(1932):「株式会社仕組の有用さと正反対なのは,−・ 個人に用いられた擦詐欺的使用に格別罷りやすいことである。唯一灘主の格別な資産操 作椒会および抜きんでた知識の故に,唯一・株主が有限茸任を主張する時,彼が該会社の 資金調達十分さおよびその資金独立性(financialidentity)完全保持を肯定的に立証し なければならないこと,を要件とするのが望ましかろう。」

49)Re Looschen Piano CaseCo・,261Fed・93(D・N・1919)でほ,ピアノ枠組製造 業を営む個人事業者が,2ケの一人会社を設立した。罪1の一・入会祉に彼は営農用不動産 を譲渡し,罪2の会社に.のれん及び残りの営英資産を譲渡した。ニ祉とも諸会社方式が 遵守されずまた独立の記録も保持されなかった。2祉の共務は完全に>intermingled<∈ され,そして全企業が従前同様に個人事巣として運営された。第2の−\入会社破産に.伴 い,破産管財人が破産財産の−L部として第1の会社の資産を扱う権利をもつ,と判決さ れた。判決に日く(Sup【a,pl.97):「2ケの株式会社がその取締役ないし経営陣により その会社活動において各独立・別簡の単体とみなされかつそう取扱われる場合,法はそ の二祉を独立・別箇の単体とみなすであろう。」

(17)

会社の独立性とアメリカ法 −∫ββ− 式企業を十分な資金基盤(adequate financialbasis)の上に確立しなければな らない。60) 例えば,事業がまるで唯一・株主の個人事業のように運営され,該株主が自分 名義で該事業に関する契約を結び,個人の銀行勘定をおかず,そして−別箇の会 計なし軋個人の基金・収入を該事業に.投じ,また気ままに個人的必要のために. 事業から金をひきだす,とする。爾後の事業支払不能にさいし彼が貸金として 事業へ投じた金額につき会社債権者として清算分配に参加することほ,許され ない。唯一・株主が個人取引と会社取引の間に一山線を画さなかった以上,裁判所 がその一線をわざわざ画してやる必要ほなく,彼に彼が自ら位置した所に立た

せておけばよい。叫同じくこうしたとき唯→陳主ほ事業連宮上負担した債務の

個人芸任を負う。52) 5U)Pepperv Litton(1939),注31所掲,p・308−310:「d・人会社・同族会社の故産に おける役員・取締役・株主の給料倍権は,裁判所がその承認(allowance)は他の債権者 に公正又は衡平でなかろうと判定した場合,否認されるかもしくほ後順位におかれる。 しかも該給料債権が判決で確定ずみであろうと結果ほ同じことに.なろう。つまり,事実 に.おいて破産会社が単に,会社経営の実体なりし形式を無視しつつ会社業務を自分の個 人業務として扱っていた支配株主のCOrpOratePOCketとして,利用されたにすぎない 場合,この結果になる。そして支配株主によるいわゆる貸出とか前貸は他債権者の債権 より劣後させられ,またこうして事実上前述の形式の状況においてに限らず払込済資 本が全く名目的にすぎぬ場合紅も,該株主による資本出資として扱われよう。そして会 社活動の範囲・規模に応じて必要な資本が該株主から貸出として供給されたとみられ

る。」j?βMe‡fick Dair・y Co.,249Ⅵ7is′′295,2皇NlW.2d679(1946)でも三人の支配 株主兼取締役の給料債権が−・般会社債権者の依椀に劣後させられた。

51)Cf.Ballentine,P?}}Cit”,§123,P…294L

52)代表判例はWittmanVlWhittingham,85Cal,App140,259Pae”63(1927)・Cf

Lobby Display Frame Corp.v“Steinberg,114N.,Y。S,2d917,115N.YりSh2d 859,117Nl.YS.2d330(1952)。 Fu11eI前注17所掲論文ほ,仰一・株ニー;が「その二頚資格のきちんとした区別を守らなか

った」という理由だけで,唯∵・株主に式任を負わせてはいけない,と説く。次いで,唯

一・株主の人的責任が認められた判例でほ,会社贅本不十分の二克ぷE.とか会社債権者誤用の 立証とかいった補足的特慮が唯一−J・の原図となったにすぎない,と説く。フラアのこの一・ 般化が判例の立場にかなっているとはト思えない。

(18)

香川大学経済学部 研究年槻1 ーJβ尋− J96ヱ 株式会社の資本充実不十分なときも同じ結果になる。53) 会社法人格・株主有限責任の代償として−,株主・発起人は,該会社が当該の 規模・性格の事業に㌧通常・予期可能な金詰まりへ対処できるよう,該事業常資 金調達しなければならない。これを要件とする判例・学説ほ著しく多い。54)こ の基準を充さないことは,唯∵・株主に事業執行上債務の個人責任を負わせかつ 彼の会社債権者資格を否定する,きっかけとなる(参照,註37所掲の判例)。 もちろん,この資本十分性基準は掴みどころがなく適用が難かしい。後述の ように.,近年この基準ほとりわけ子会社・系列会社の問題に絡んで多大の関心 を集めている。判例上一一人会社に.この基準を適用することに関心を示した代表 的判決は,1941年Arnold..v.Phillips事件である(註53所掲)。同事件でほ,酒造 業を志した・−・企業家が授権資本5万ドルの株式会社を設立しかつその株を現金 で払込んだ。さらに,彼ほ会社事業開始のための貸出として7プラ■5干ドル貸付け た。事業が大損失なので,設立後2年冒紅彼は巨額の貸出を行った。爾後同会 社の支払不能に際し,7万5千ドルの第仙貸出ほ資本酸出だから該唯一・株主が

53)Arnold vPhillips,117F,2d467(5th Cirl・1941),Cert・denied,313U.S”583 (1941);Dixie CoalMiningCo,V.Wiliiams,221Ala‖331,128So.,799(1930)q 業務上死亡した会社従業員の未亡人に対する補償給付金支払責任を唯一・株主に負わし た。Cf.Hanson v”Bradley,298Mass.371,10N.E.2d259(1937)ハ この点に.関連して注意に償いするのは,Bankruptcy Act,30Stat。564(1898),aS amended,54Stat 835(1940),11U.S.C一§1O7(d)(Z),第67条(d)(Z)である。 その規定に白く,「債務者による叉ほ披に対する破産申立酋提出虹先立つ1年内に債務 者が行った一切の譲渡行為・債務負担ほ,次の者紅対する関係でほ詐欺的(fraudulent) とする ;叉ほ(b)譲渡行為又は債務負担が,その者の現実の意図を問わず,債務 者の手中に残る財産が不当に小額な事業ないし取引に従事し,もしくは従事せんとする 債務者に.よって公正な対価なしに.行われた場合,当時既存債権者およびその他事業又ほ 取引存続中に横板老となった者,;もしくは(C)該個務の履行期到来時の自己の弁済 能力を超えた債務負担することを意図もしくは知悉せる債務者が,公正な対価なしに.,譲 渡行為又は債務負担な行・つた場合,当時既存将来債樅名,。」

同様な規定は統一・詐欺的譲渡法〔UniformFraudulent Conveyance Act,9U。LいA (1918)ト第5条虹もある。

54)Fuller,SuZ・Y’a,pL1382;Note,〃Inadequately Capitalized Subsidiaries,,,19U、 0./C戯.エ.凪玖 872n1(1952)

(19)

会社の独立性とアメリカ法 −ぷ託トー 回復論求権をもたず,第二貸出は純正な貸付金として,唯仙株主ほ清算手続に会 社債権者の資格で参加できる,と判決された。55) (Ⅴ)個人債権者と事業債権者の利害競合 叙上の各節で個人債権者・事業債権著それぞれの地位に言及する機会が幾度 かあった。この問題ほ会社法人格否認を求める状況が存しなければ別に.難かし くない。事業単位・個人取引の区別基準は.,株主・会社債権者・個人債権者各 自の地位を特長づけるのに役立つ。いう迄もなく,会社(事業)債権者は株主 の個人財産にかかれない,逆に.株主の個人債権者ほ.会社財産に.かかれず,株主 は対会社貸出金額につき会社債権者の一一・人として清算手続に.参加できる。そし て,支払不能が株主又は会社の・−L方ないし両方に発生しようともその事実ほこ の結論に蘭関係である。 これに反し,会社法人格否認を求める状況が存すれば,個人債権者・会社債 権者各自の地位ほ難しい問題となる。会社法人格否認の公式的帰結ほ「株式会 社」消失による個人経営化である。その個個的効果として, (1)旧の唯一又ほ主株主は有限責任を享けない。 (2)該株主は会社債権者となる資格を許されず,会社事業宛「貸出金」の償還を否認 されよう。 55)Anderson v・Abbott,321U・S349,36ト3e3(1944):「ふつう株式会社ほ債権者 の請求に対する責任からの絶縁体(insulator)である。会社設立が有限責任入手の目的 で欲されたという事実ほその目的を打挫くものでない。しかし株式会社に由る有限責任 入手の意向を制限もしくは拒否すべき場合がある。カルド−ソ判事が述べたように,か の有限責任原則の放棄はぁその犠牲が何か一・般の公序擁護・維持という目的に不可欠で ある場合4に行われる。詐欺の場合がその例外の−・部に当る。しかし例外はそれだ けに.尽きない。該会社企其の性貿・規模に比して,明白な資本不十分さほ,よく株主が 有限責任の抗弁を否認される場合における重要な一層因とな・つている。=両その原則は 資本調達不足(undercapitalization)を打挫く立法政策が欠けて一いても発動されている。 文無しの銀行株持株会祉が諜任不導体(nonTCOnductor)として介在す’ることを許され れば制定法上の二屈式任政策が打破されることになる本件のような状況では,その原則 はなお重要となる。しばしば判決されている通り,株式会社の介在が取極めの狙いであ ったと嘩なる結果紅すぎなか・つたとによらず,株式会杜の介在が立法上の政策を打破す ることは許されない。」

(20)

香川大学経済学部 研究年報 1 ヱ9∂ヱ ーヱβ6−・− (3)担保付又は先取特権付偏魔橘が満足を得た彼の残余財産全部ほ,会社債権者およ び個人債権者いずれもが保有する無担保債権弁済に充てる共通基金を構成する0 この効果の初め2っは異論ないが,第8の効果は疑問があろ・う。会社事業と 株主の一一一・方又は両方が支払不能に陥ったとき,個人債権要・会社債権者の競合 持分は資産分配順位決定(marshalling of assets)を理由づけ,ないし必要 らしめる。会社債権者に事業資産上の優先権を与え,また個人債権者紅個人資 産上の優先権を与えること,もしくは特殊な状況のもとでほ何か他の分配方法 を決定することが,適切であろう。

===■●●●●●●●●

問題の要点は,会社法人格否認が万能菜的解決袋でないこと,に.ある。56)会 社法人格否認を承けて競合諸債権者の相対立する持分を解決するため調整の必 要が存しよう。この点に関する権威的判例の欠除ほ,問題の十分な意儀が感得 されていなl(1ことを物語るともいえよう(Cataldo,pA86)。詳細は従属会社に 関するくだりで取扱うが,そこでの類似状況につき表明される見解ほ鵬・入会祉 に.も妥当しよう。 この間題の一、側面を表わす1例ほ,債務者が債権者欺取の道具に一人会社や 同族会社を利用する事件,である。この場合,債権者を邪魔しようとする金融 に.行詰った商人がよく閉損金■止を設立し,それに事業を譲渡し,その代償に株式 の全部叉ほ大半を取得し,また有給役員として個人経営当時の完全支配を持続 しつつ事業経営に当る。この種事件でほ判例はもちろん会社法人格を否認し, かつ被欺債権者に披講資産の追求・差押を許す。57)これだけの問題とすれば, この結論を疑問規する者ほなかろう。さりながら,該事業が株式会社基盤にあ るものと信じて該事業と取引しかつ酪後に信用供与した人人のことも,考慮さ れねばならない。この後発債権者は,発起人が欺そうとした先発債権者紅俊

56)EIvin R。Latty,Subsidiaries and Affiliated CoY少Oraiions(1936),p 7:「法人休 診否認く点まで一・たん到達した場合でも,この>否品卜卓はや・つと考察中の問題の解決の

しきいに立ったにすぎないであろう。」

57)Bennett v・Minott,280re 339,39Pac.997,44Pac.283(1896);Kellogg v Douglas County Bank,5S Kan。43(1897);First NationalBank of Chicago v Trebein Co,590hio Stn316,52NE834(1898)

(21)

会社の独立性とアメリカ法 −Jβ7− 先して,会社資産上の優先権を草受する,と指摘する判例がある。58)他方,そ の会社債権者をだしぬいて先発個人債権者が迅速に・行動しかつ裁判により該会 社に譲渡された資産上の先取特権を取得すれば,先債権者の優先的先取特権が 優先しよう。59)こうして,被欺債権者の地位■は,その者自身が債務者の事業実 態把握に.注いだ細心さと彼の行動の適時さ,に・左右されることになる。この両 債権者眉間の公平は,旧(個人)債権者が積極的・警戒的だった場合を除き,新 (会社)債権者が旧債権者よりも有利化されることで,調節される。 しかし,債権者の善意がその細心さより重要な場合もある。例えば,1941年 Sampsell事件において,金融的に行詰った個人事業主甲ほ,債権者詐害(hinder− 1ng)の目的で役立した同族会社に・自己の資産を譲渡した。乙は.この事実を十 分承知の上で同社に信用供与した。其後の甲の破産に.伴い,裁判所ほ甲の破産 財産の一都として会社資産差押を命令した。乙ほ自分が会社資産分配において−, 甲の欺そうとしていた個人債権者よりも,優先権をもつと異議を唱えた。乙の 異議ほ容れられなかった。この事案では主株主の被欺個人債権者の衡平ほ会社 債権者の衡平よりも強いから,公正な結論だといえよう。60)同じく,名目資本 だけでかつ支払不能の−L入会杜の従業員甲が唯一・株主に.賃金債権の個人的貴任 を負わせようとした事件で,61)甲がその債権発生当時その主張事実全部を十分 承知していた以上,甲は勝訴できないと判示された。

58)Jacksonv・NlHThomasInvestment Co.,46F小2d252(5th Cirlr1931);・FoIsom

&Cov.Detrick Fertilizer Co.,85Md.52,36Atl。446(1897)…

59)Booth v.Bunce,33N.Yハ139(1865).・ 60)Sampsellv.ImperialPaper&ColoICoIp・,3L3uS.215(1941)。 61)Hanson vいBradley,298Mass・371,10N・E・2d259(1937)・株主は会社への貸 金として資金を貸付けそれの弁済担保として会社資産上に先取特権を設達した。従業員 はこの先取特権の取消を求めたが,成功しなか・つた。判旨払おいて裁判所はまず不十分 な資本で株式会社を設立する取極めを一・般的軋弾劾しつつ,次いで日く(298Mass・ pり382),「原告は,該会社が些少な資本で設立されかつ借金による以外存続できないと いう事実によって,群書された(WI0ユ1ged)のではなかった。また貸手が担保を固執し た事実庭よって詐害されたのでもない。原告は決定的な諸事実な知悉しつつその状況を 容認した。」

(22)

香川大学経済学部 研究年報 1 一三ββ一− Jご)(f∫ ⅠⅠⅠ 子会社は,62)米国でほ公益軍装分野で最広汎に用いられまた発展の極致紅蓮 しているが,他の事業滴動簡域でも広く用いられている。63)その採用・活用の 原因の主なものは,資金調達便宜増大の意欲,税逃れ,後雉な管理機構の排 除,叫である。しかし,米国独自の発生要l頚ほ,戎州で外国会社としての資格 62)我国に.も周知のElvinR=Latty,5〟∂・S去d壱α㌢よβSα邦dAメナ云如≠βd Co′♪0γ−α如乃・ざ(1936) は,今やこの分野の古典として米国における裁判所・註釈者のメッカ化した勧がある啓 発深い研究である。ラッチィが大変な苦労のはてにすばらしい某紙を挙げている点は, 米裁判所が判決の原因的核心(CauSalco工e)を成す諸政策要園をほ/.)きり表現しないで いるのに,諸判決のヴ.コイルおよびその他の言語操作(verbalartifice)をあばきひん むき去る仕事を見事にやって−のけたこと,にある。ラッチィは,判例の樹立した理論構 造が,その正面からみた言語的みすぼらしさにもかかわらず,健全かつ推賞できること を,十分承認している。ラッチィは冒く(叩少α,p・3),「判決は概してみごとな社会工 学の妙技(admi工able feat o董socialengineering)であったけれとも,判例の合理化 ほ,ふるいにかけたら矢数しかつそこに働く臭のダイナ■ミックな諸勢力を開示せぬ機械 的公式によって,行われている。」なお,Cf.FIederickPowetl,PaYentandSublSidiary C叩か関頭仰S(1931). 63)1944年Andersonv.Abbott事件(注39所賂トで少数意見をだしたi>ヤクソン判事 は日く(321U..R1379−38)):「立法が当裁判所の職分であったら,当裁判所は随意に 率値に持株会杜の解消(undoing)をめざして裁鼻権を行使するであろう。我われのう ち幾人が感じるところでは,僅かな例外を除き,この国で活用されているような持株会 祉は眉任ある経営および健全な資金調達への脅威であり,地方施設の支配を不在地主的 経営陣に移すことであり,かつ少数者の手中へ彼らがよく経営できる以上に巨大な資産 ・企兼の支配を集中することである。これほ記録に倣いする見解である。」CfいBerle, で‘The Developing Law of Corporate Concentrations,”19U qf Chi”L Rev。639

(1952). 64)周知のように,後合会社設立(multipleincorporation)工程は企業なその諸組成 部門に分割するのに使われる。米判例払おけるその典型ほMcLean v。GoodyearTire &Rubber.Col、Inc,85F・2d150(5th Cir”.1936)にみられる:「カ■ノ、イオ州の株式 会社はその事業分割の目的でまたその通首事業の目的,詐欺もしくは第三者の樅利 の侵害を含むことなしに,子会社設立の権利を有した。その親子会社ほ別簡の単体とみ なさるぺきである。」従へて,ゴム製品製造な目的として設立された株式会社が単なる持 株会礼になることな決めそしてその諸ユ、場をその操業のために設立された(デヲク.エア 州)子会社に賃貸できる。

(23)

会社の独ゴ7性とアメリカ法 ・−−ヱβ9−

を認められることの困難又は不可能を避けること,にあった。或州で設立され

た株式会社が他州での営巣を望めば,その日的で該他州紅子会社を・設立するの が便利65)又は必要66)であろう(所謂“pseudo foreign corporation”)。なお, 子会社利用動機の一が有限責任所望にあることほここに.説く迄もない。 (i) 各独立単位としての親子会社 二要因が親子会社関係の恒数として表われる。欝1は,親会社が子会社の株 式の全部,過半又は支配保持可能割合を所有する,こと。第2ほ,両会社が共 通又ほ同−・の取締役・役員を有する,とと。もちろんこの二要因が現存するこ と自体は両会社の会社法人格区別を否認するに足らない。67) 株式所有に伴う共益権的なもの咋「支配」の名で一・持されるが,親会社が子 会社の唯一・又は支配株主としてかような支配を取得・行使する事実も,両会社 を同・一㌧祝するに足らない,所詮この支配ほ株式所有の随伴条件(incident)であ りかつ正常な株式会社手続上の,事柄として法が認めるものにすぎない。法人株 65)例えば,州内会社に他州で設カされた会社の享けない或種の利便を付与するアラバマ 州で,メイン州の会社が専業を行おうとする場合,同社が外国会社としてアラバマ州に 入るの代りに,同州での事業を目的として同州に子会社を設立するのが賢明である。

Cf・Cannon Mfg小Co小V。Cudahy Packing Co,,267U.S.333,335,336,337(1925). 66)例えば,マサチーユ.−セッツ州法ほ同州内鉄道が同州の株式会社紅よつて運営されね

はならないと定める。プアーモソト什lの鉄道会社がマ州所在の路床を自社路線に加える にほ,マ州内路床運営のため同州に子会社をおくしかない。Cf.CentralVermontRy” Vr Southern New England RRい,1Fed.Supp.,1004(D.Mass.1932)‖ 同じく,メ

キンコ法ほ海岸線より50粁内で油井操業を外国会社紅禁止する。この禁令の回避を調う 米国会社はメキシコ人役員を戴くメキシコ子会社系列組織の手段に訴えればよい。Cf.

New York TrusT Co.v。IslaTld Oil&Transport Corq.,34F..2d655(2d Cir… 1929).

67)典型的判例によれば〔Commerce Trust Co。V.Woodbury,77F‖2d478,(8th

Cir、.1935),at p.4釘),「株主が仙人であろうとそれ以上であろうと,株式会社がふつう

その株主から全く独立の単体であるということ程決着をみている法律問題は殆どない。

同様に,或会社による他社株式全部の所有も,他社役員と或会社の役員との同一=性 も,両社の単¶・体への合山を創りだすものでなく,又は−・社を他社の本人ないし代理人 たらしめるものでない。」

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