(119)
高等学校 における論 理指導 につ いて
数学教育教室
笹【
4】は じ め に
数学教育現代化の根源 は(1)現
代数学 その ものの音 しい発展 121 科学技術 のめ ざま しい躍進 1こあ るといわれてい る。 す なわ ち,現
代数 学 の著 しい発展 によ って,数
学 に依 存す る分野が,自
然科学 のみな らず,人
「 日の 行ll」に関係す るあ らゆ る行動科学 まで拡張 され,と
くに技術革新を象徴す る電子計算機の出現 は,そ
の高速計算 の威力 を発揮す ることによ って,今
まで適 用困難であ ったあ らゆ る分 野に,数
学 の適 用 を 可 能 に して い る。 また,現
代数学 の発展 は,古
典数学 に九(礎 をお く教育数学 と現代数学 との間に,ど
うに もな らな い ほ どの大 きなギヤ ップを生 じせ しめた。 このよ うな背景 の もとに,新
しい数学教育 の方向 と して(1)抽
象化 された凱 代数学 の方法 とその構造 を理解 させ,古
典数 学を見通 しよ くし,現
代数学 に入 り 易 くす る。 図 旧来 の数学教育で伝統 的重みを も っていた教イオを再検「刊‐し,現
代社会 の要請,科
学技術,社
会科 学 の要請 に姑応す るよ うな教材 を導入す る。 ことが叫ばれてい る。 そ して,こ
のよ うな現代化のプ ランと して は,い
ろい ろの国で,い
ろい ろの人 々によ って,そ
のね らいが提Π昌されて い るが,そ
の共通のlLlt向を さ ぐるな らば ① 集合 の考 え……投 も能 率的,効
果 的に軌代数学 のア ィデ アを理解 させ るのに役立つ。 ② 記号論理学 の入IIЦ……数学 的推論 の基礎 とな る。 ① 現代数学 の トピックス……群・環 。体・ 行列な ど。 ① 確率 と統計学 の入Hr……現代数学 の応用分野で ある。 等 が Lげ られ て い る*。 さきに も述べたよ うに,こ
の よ うな数学教育現代化の動 きは,単
な る流行でな く,社
会 と数学 の両 面 か らの要請 によ って起 った,避
け ることので きな い歴史 的な必然であ り,我
々は今そ うした時代を 迎えてい るので ある。 したが って,我
々数学教育にたず さわ るもの としては,こ
の よ うな必然性,社
会 の要請,世
界 的大勢 を正 しく認識 して,数
学教育現代化 の動 きに対処 しな ければな らない。 しか し,
回木 におけ る数学教育現代化 の動 きを見 ると,や
た らに現代化の必然性 を説 き,文
商たによ る外国の現代化 を紹介 し,し
た が って 日本で も…… とい う傾 向が強 いよ うに思われ る。教育が,限
り ない進展を続 ける,未
来 の社会 に適応で きる生徒 を育 てなければな らない とい う使命 を もつ以上,確
か に社会 や技術 の要請を考慮 した り,外
国の動 きを意識 す るこ とは当然で あ ろ う。しか し,それゆえ, 対象 の生徒 の実態 を無視 した り,外
国 におけ る教育 の特殊性 を考慮 しないで無批判 にその国 の現代化 案 を受 け入 れた り,ま
た,大
多数 の犠牲 の もとに,小
数者 の充 実 を図 るよ うな ことは許 されな い。 昭 田 *I.C.M.I.における ケ メニー報告 (1962)す なわ ち
,数
学教 育現代化 に と って欠 くことので きな い ことは,現
場 におけ る問題意識 を も った実 践研究 で あ り,こ
の よ うな実践 を通 して得 られ る現場 の発言 が最 も大切で あ ると考 え る。 以下 の研究 も,こ
の よ うな考 えの もとに,数
学教 育現代化 の実践研究 の一 つ と して試 みた もので あ る。なお,研
究 の対象 に論理指導 を取 り上げた理 由は,論
理 が数学的推論 の基礎であ り,数
学 の構造 把握 の支柱 とな るとい うことと同時 に,次
に示す【2】,【5】の論理性 の調査で,従
来 の数学教 育 があ ま り生徒 の論理性 を高めていない と考 えたか らで ある。 【2】 中 学 生 。高 校 生 の 論 理 性 の 調 査 数学教 育 の現代化 の動 きの中で,論
理指導 の重要性 が叫ばれてい るが,数
学 で論理 を重 んず るのは 当然の ことで,何
も現代化 の専売で はない。現行 の学習指導要領 において も,中
学校 で は図形 におけ る論証指導,ま
た高等学校で は,特
に「数学 と論証」 とい う項 目を設 けて,そ
れぞれ論証指導 に力点 をおき,そ
れを通 して論理 的恩考力・判 断力を養 うことを 目標の一つ に してい る。 しか らば,こ
のよ うな数学 を学習す ることによ って,生
徒 の論理 的恩 考力・ 判 断力 が どのよ うに伸 びてい くものか。 また このよ うな論理 的能力 は学年や年令差 にどのよ うに関係す るものなのか,さ
ら に どのよ うな教材 の学習 が論理的能力 を高 め るのに役立つか,な
どの問題 を明 らか にす るため に,次
のよ うな論理につ いて の実態調査 を試 みた。調査 は中学校一年か ら高等学校二年生 までの生徒 を対象 と し,同
問題,同
条件 の もとに行 な った。 佃)調
査 時期 と調査対象の生徒 ① 調査時期 昭和59年10月 各学年 同一 日 時間50分 ② 調査対象 の生徒 につ いて 大阪学芸大学附属天 王寺 中学校 (中1∼
中5) 265名
大阪学芸大学附属高等学校天王寺校舎 (高1,高 2)194名
な お,同
校 は六ヶ年一貫教育 を本則 としてお り,外 部か ら若干 の高校新入生 を加 え るが,中学校 と高 等学校 の生徒 の素質 は殆 ど変 らない。 また,過去 の指導 において,各学年 に次 のよ うな差異 があ った。 中1 8ワ
名(男
子62名,女
子27名) 。 論証,集
合 の指導 を して いな い。 中2 87名
(男
子65名,女
子22名) 。 中1の
とき集合 につ いての指導 を している。 中5 87名
(男
子64名,女
子25名) 。 中2の
とき集合 につ いての指導 を してい る。 高1 100名 (男
子70名,女
子50名) 。 論理,集
合 につ いての指導 を して いない。 高2 94名 (男
子64名,女
子5Cl名) 。 高1の
とき,集
合,ブ
ール代数 の初歩 を指導 している。 121 調査 のね らい ① 与 え られた ことだけを根拠 に して,正
しい推論 がで きるか どうか。②
推論の根拠に前提の逆や裏を平気で使うことがあるかどうか。
①
対偶とか
,背
理法的考え方ができるかどうか。
①
具体・現実から離れて
,純
粋に論理的判断ができるかどうか。
高等学校における論理指導 について (121) に
)調
査 1① 問 題
団 次にのべ られている事が らで,下線の部分が正 しいもの として,それか ら導き出され る結論が正 しいといえるか どうかを調べよ (すなわち,正しい推論がなされているかどうかを調べ るとよい)。 そして,正しいものには○ 印,正しくないものには×印を( )の
中に記入せよ。 は)教
会に通 う人はすべて善人である。私 は教会 に通 う。ゆえに,私は善人である。( )
12)民主主義国であれば ,そ の国民は投票権を もっている。 日本国民は投票権をもってぃる。ゆえに,日本は民主主 義国である。( )
13)白 いものはすべて黒い。雪は白い。ゆえに,雪は黒い。( )
14)三角形が二等辺三角形であれば ,そ の底角は等 しい。△ABCに
おいて ,∠B=∠
C
で ある。 ゆえに,△ABCは
二等辺三角形である。( )
lF。)高
校を卒業 していなぃな らば ,そ の人 は大学 に進学できない。私は高校を卒業 している。ゆえに,私は大学 に進 学できる。( )
俗)民
主主義国では,必ずその政府の長は直接国民 によって選ばれ る。イギ リスで は,首相が政府の長である。 イギ リスの首相 は直接国民によって選挙 されない。ゆえに,イギ リスは民主主義国でない。( )
V)犬
は4本 足の動物である。 4本 足の動物 は松の木ではない。松の木は植物である。ゆえに,犬は植物でない。 偲)彼
は「 昨日欠席 したのは病気であったからだ」といった。彼はスポーツが好きだが,しば しば うそをつ く人であ 登o些狙理上=土
笙I塑
望塑当室堕型立笙聖立瑳盪⊇塑墜変堕望生。したがつて ,彼が昨日病気で休んだのはうそ である。( )
(9)人はネコを飼 うと,ネ コをかわいが る。人がネコをかわいが ると,ネ コはネズ ミを とらない。ネコが ネズ ミを とらないと,ネ ズ ミが増える。ネズ ミが増え ると人はネコを飼 う。ゆえに,ネズ ミが増えると,ネ コはネズ ミをと らない。( )
10
スポーツが好きな人は必 らず数学がきらいで ある。英語がきらいな人は必 らず国語がきらいである。A君
は,数 学または国語のいずれかが好きである。A君
は英語がきらいである。ゆえに,A君
はスポーツが好きでない。( )
② 望 ましい答 (〕 ○ (三段論法) 12)×
(根拠に前提の逆を使 っている) 13)○
(三段論法) (4)×
(根拠に前提の逆を使 っている) (51
×(根拠に前提の裏を使 っている) 16)O(対
偶を 使 つて い る) (η × (裏 を使 って い る) (8)X
(根拠 があいまい) (釧o(三
段論法)llol o(三
段論法・ 対偶 また は背理法) ① 調査 の結果 この調査結果 を示 した のが第1表
でで るあ。 (表 の数字 は誤答・無 答 の百 分率 を表わす) 第 1表 調査1の 結果 (誤答率%)
0 20 0 罰 誦 乙 誦 0 2C % 一“ ︲1 2 か 罰 一 ン 孜 ク 疑 わ 一傷暮
判十
晶
│み
│(訪琲
(剥
(あ掃
) │lii:liillii:i:iflii甘 i; (〕 (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)14)調
査2
① 問 題 □ あるクラスの座席で,A,B,C,D,E,F,Gの
7人が下図のように1列に座っている。 A BC DIE
FIG
この7人の 9月 中の出席状態を調べたところ,次の ことがわか った。 「 どんな目で も,自 分の前の席の人が出席 した 日に ,そ の人は必 らず出席 した。」 この結果をもとにして ,こ の列7人の出席状態について次の問いに答えよ。 (〕 9月 1日に,A君
は出席 した。この日の出席状態は,次のうちどれか。 ④ 全員出席◎ これだけでは判断できない
○ 出席者は大多数だ った
(2)9月
10日は,A君
が欠席 したが,C君
は出席 した。 この 日の出席状態 は,次のどれか。 ④ 出席者は 6人 だ った◎ 出席者は 5人 だ った
○ これだけでは判門iできない
O C君
だけが,4席した(9 7月
20日にG君
は出席 した。この 日の出席状態は次の うちどれか。 ④ 企員出席◎
G君
だけ出席 した0
これだけでは判断iできない(4)9月
50日 にG君
は欠席 した。この日の出席状態は次のうちどれか。 ④ 全員欠席◎ これだけでは判断できない
○ 出席者は 6人 だ った。 ② 正 しい答 (〕 ④
(動
〇俗
)○
性
)④
① 調査結果 この調査結果を示 したのが第2表
である。 (表の数字は誤答,無
答の百分率を示す) 一則 (後) 中 一 男 の 年 別 \ 学 (〕 (2) (3) 平 均【
5】調査の分析 と考察
この調査 は二者択一という弱みを合み,論
理性を調べ るのには,や
や雑な調査であ り,こ
れを根拠 に考察を進めるのは論理的でないかも知れない。 まず,「
論理性 とは何か」がは っきりしなければ, それが養われたか どうかを正 しく評価できない。また,そ
の評価の方法にも問題があろう。 そこで,こ
こでは調査 したような問題に正 しく答え られることも論理的思考力の一部で あ る と し て,調
査結果を分析 し考察を進めててみたい。 何)全
体を通しての傾向 ① 単純な三段論法および推論の根拠のあいまいな問題については,全
学年を通 してよ くで きる。 (□の(り,俗
】 は)J・ 回 の(lD 第 2表調 査
2
の 結 果 (誤答率%)
上
牌
上
兼
一局棚
硼
翔
甲
計 9 4 一 1 ︲ 2 , 一t 計 ” 女 27膿
脂
脚
胸
膨
4 22 譴 勇 一 歩高等学校における論理指導 について (125) ② 前提 の逆・裏を推論の根拠 とする誤 りが多い。 (□の(2),(4),(5),(7);□ の(2),(3)) 特に
,□
の(4)の誤 りの多いのに注 目したい。 これは実際には逆 も成 り立つ例だけに,論
理に弱 さがある者 は殆 ど誤 ったようである。 ③ 対偶を推論 の根拠 とす る問題□の(aは,集
計の結果 は比較的できているが,こ
れは②で指摘 し たような論理の弱さが対偶が真であることに支え られて,偶
然当た った者 も合まれるだけに,こ
の結果をこのまま信ず るわけにはいかない。む しろ,同
様の推論が必要な□ の14)の結果が良 くな いことか ら考えて,こ
こで も②の場合 と同様に論理の弱 さを認めざるを得ない。 ① 回の(制は,三
段論法の組み合わせであるが,比
較的誤答が多か ったのは,結
論が現実ばなれて いるので,常
識的判断が論理的推論を邪魔 したか らだと思われる。 ① 回 の任9は,三
段論法,推
論形式(pvq,∼
q⇒
p),対
偶または背理法などを用いる総合的闊I 題だけに,国
の(4),(7),□の(4)と同様に誤答が多か った。 ⑥ このテス トの解答方式が二者択一であるので,正
答の中にも相 当数の誤答がか くれていると思 われる,し
たが って,実
質上の誤答は,前
記の表を更に上回ると考えなければな らない。 以上のように,生
徒 の論理的判断力は,単
純な三段論法 とか順思考においては,大
分確 か で あ る が,前
提に逆・裏 。対偶が合まれる問題では,そ
の判断力 は非常にあやふやなものであることがわか る。(2)学
年別の傾向と比較 調査の結果を学年別に比岐す ると,次
のようなことがわかる。 ① 単純な二段論法や根拠 のあいまいな推論 については,中
1か
ら高2ま
で全 く同様の好成績であ る。つ まり,こ
の程度の論理 は,数
学とか論証を通 して得 られた とい うよ り,む
しろ彼等 の生活 体験を通 して 自然に得 られた常識的判断力 と考え られる。 ② 推論の根拠に前提の逆を用いている問題 (□の12),(4),□の0)に
ついて,中
1の
誤答率が他 の学年のそれよ りはるかに高いのは,中
1が
まだ論証指導を受けていないというハ ンデ ィ。キヤ ップによるものと考え られる。つまり,こ
のような論理的判断力は或る程度論証指導によ って養 われる。 ① 正答率で各学年の成績を比較すると,高 2が
最 もよ く,次
に中2・ 中5,少
しはなれて高 1, そして中 1と 続 く。 これは予想外の結果だけに注 目したい。論証指導を行な っていない中1が
最 も悪いのは納得で きるが,そ
れに次いで高1が
悪いのは意外である。前述のように,同
校の各学年の生徒 の素質は 7/1Nど同じとみてよいので,こ
の原因はその外に考えなければな らない。それで,い
ろいろ原因を 追求 したが,結
局過去の指導において次のような差異 があ ったことが大 きな原因であると考 え ら ,化る。 ④ 中4は
論証,集
合の指導がなされていない。 ① 高1は
殆 ど集合,論
理についての指導がなされていない。 ① 中2,中
5は
以前に集合の指導を受けている。 ○ 高2は
高1の
とき集合,論
理についての指導を受けている。 ① 中2,中 5,高
1の
誤答率を比較 してみると。「学年が進むにつれて生徒 の論理的思考力が仲 びる」 とは必ず しも言えない。 このことは,「
幼児の思考の特長である自己中心的思考か ら論理 的思考へ の発達過程は, 7, 8才
頃か ら急速に発達 して12才頃で本格的な論理的思考をす るよ うにな る」 と心理学者 ピアジエ
(J.Piagc t)等
が指摘 して いるよ うに,12才
頃にな ると成人 同 様 の形式思考がで きるよ うにな るが,以
後特別 な訓練 な くして この よ うな思考力 があま り発達 しな い ことを物語 って い るよ うに思 われ る。 以上 の ことか ら,従
来 の図形 の論証指導 によ って或 る程度生徒 の論理性 が養われ るが,そ
の伸 びは あ ま り大 き くない。 それ よ り,集
合 な ど論理 に関係す る教材 を指導す ると,命
題「A→
B」 の真偽 をA,Bの
外延 の包合関係で図形的に と らえ るよ うにな り,論
理 的判 断や推論 がは っき りして くるよ う に思われ る。0
調査 の結果 と数学の成績 との関係 この調査 の結果 と数学 のテス ト(調査年度 の第1学
期期末 テス ト)と
の関係 を,中
学校5年
生 につ いて調べてみ ると次 の第5表
のよ うにな った。 なお,中
2,高
1に
つ いて も似たよ うな表 が 得 ら れ た。 (ただ し,調
査 の点数 は,□
で は各 問4点
,□
で は各 間2点
,計
18点 満点 とした。) 第5表調査の結果と数学の成績との関係
深
7 8 9 11 12 14 計 95点 以上 90-94 85-89 80ハv84 75ハv79 70ハV74 65-69 60ハヤむ4 55ハV59 50かV54 45-49 40かャ44 40点 未満 1 4 1 1 1 4 1 1 1 1 1 2 1 2 1 1 2 2 1 1 2 2 1 5 2 5 1 1 1 2 2 4 1 2 2 1 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 4 8 10 12 15 7 15 5 1 5 2 2 5 計 1 2 7 8 7 6 5 (相関係数:r=o.55)
この相 関表 によ る と ① 数学のテス トの成績低位者 は,こ
の調査による論理性 もきわめて悪いといえるが, ② 一般 には,相
関関係が強いとはいえない。 (相関係数:r=0,55)
このことは,数
学の学力 と論理的判断力 とがそれほど強い関係がないということではな く,生
徒 のう 持 っている論理的息考力 とか推論形式とい うものが
,数
学 と強 く結びついて,或
いは数学を通 して養 われたというよ り,む
しろ今までの生活体験を通 して 自然に培かれてきたためではないだろうか。 僻)論
理指導の必要性について 以上二つの観点か ら調査の分析を試 みたが,こ
れを中心に中等教育における論理指導の必要性につ いて考えてみたい。 まず第一に,前
提 の逆・裏を推論の根拠 とす る誤答が全学年を通 して非常に多か ったが,こ
れは論 証指導における大 きな障害 となると思 う。よ く高校生の中でも,「
A→
B」 を証明するのに,「
B→
A」 を証明 して平気でおる者を多 く見かけるが,こ
れは定理の逆e裏
を推論の根拠 とす るよ うな論理高等学校における論理指導 について (125) の甘 さを如実 に示す もので
,こ
れで はとて も論証指導 を したな どとは言 えない。 や は り,こ
の点 の論 理 のけ じめをは っき りさせ ることによ って,初
めて論証指導 の成功 があ り得 ると思 う。 したが って, 高等学校 は勿論 の こと,論
証指導 を一つ の目標 と して いる中学校 の数学で も,論
理 につ いて の意識 的 ・ 集 中的な指導 が必要であ ると考 え る。 第二 に,「
学年 が進むにつれて,生
徒 の論理性 が伸 びるとは言 えない。 また,中
学生 で も集合 な ど 論理 に関係す る教材を指導す ると,それを指導 しなか った高校生 よ りは るか に論理性 が確かにな る。」 とい う調査 の結果 を信頼すれば,意
識 的に論理 の指導 をす ることによ って,こ
のよ うな論理性 を高め ることがで きると考え られ る。 また,中
学校 において も,集
合指導後 にベ ン図によ る論理指導をす る ことは決 して不可能な ことはな く,指
導 の工夫 によ って はその効果 も十分期待 で きると思 う。 第二 に,現
在,生
徒 が身 につ けてい る論理的推論形式が,数
学 を通 して養われた とい う よ り む し ろ,生
活体験 を通 して 自然 に培わ れた ものだ とす れば,論
理性 を養 うことを一つの 目標 と してい る数 学科 にと って は,こ
れ は実 に大 きな問題であ ると言わ ざるを得 ない。 この点か ら考 えて も,や
は り数 学 と結 びつ いた,数
学 を通 して の論理指導 が必要であ ると考 える。【
4】論理指導の実践の目的と計画
以上 のよ うな調査結果 の考察 の もとに,中
等教 育 における論理指導 の必要性 を痛感 し,前
任校 (大 阪学芸大学 附属高等学校)の
横 田稔 良教 官 とともに,中
学校・高等 学校 の論理指 導 の実践 を 計 画 し た。 そ して昭和41年 度 に,横
田氏 はベ ン図によ る論理指導を中学校5年
生 に,筆
者 は真理表 による論 理指導 を高等学校4年
生 に行 な った。以下 に示す のは,筆
者 が高1対
象 に行 な った論理指 導実践 の概 要 であ る。(1)実
践 の 目的 さきに述べたよ うに,数
学教 育 の現代化 の 目標 の中で,中
等教 育に記号論理学 の初歩 を導入す るこ とが上 げ られて いる。現在 の高等学校でそれを取 り上 げる場合,ど
んな 内容を,ど
の程度,ど
のよ う に指導 した らよいのか。 また,そ
の指導 の可能性 の程度はどうか。 さ らに,さ
きの調査分析で指摘 さ れた よ うな論理 の弱 さが,こ
のよ うな指導で充実 され るか どうか,な
どを明かにす るため に この実践 を試 みた。(2)指
導 の時期 と対象生徒 ① 指 導 の時期 昭和42年 1月51日 ∼ 2月22日 。 指導時間8時
間 。 調査 テ ス ト1時
間 ② 対象生徒 大阪学芸大学附属高等学校1年
生(4組
171名) 。集合 (数1)の
指導は既に終 っていた。(3)指
導の目標 記号論理学入門が現代化の一つの柱 として上げ られている理 由は,論
理が数学学習に必要であるば か りでな く,数
学の構造把握の支えとなると同時に,電
子計算機の原理まで発展できるところに重要 性が認め られているか らだと思われ る。 しか し,今
回の実践ではそのような発展まで考えていない。 ただ,真
理表を用いての記号論理 の初歩を指導することによ って,次
のようなことを確かにす ること が主な目標である。 ① 「または」,「
かつ」,「
すべての」,「
少 くとも1つ
の」等の論理語の意味をは っ き り さ せ,そ
れ らの言葉を用いて論理的に正 しい表現や推論ができるようにす る。 ② 命題の否定を明確に し,特
に① の論理語 と否定の関係を明かにす る。① 生徒 は少 しの疑 いもはさまず
,本
能的に三段論法や背理法な どの推論形式を用いている。そこ で推論の有効性や命題の同値性を真理表を用いて検証 し,そ
れによ って今まで十分 自覚せずに虎 いていた論理のこ要さを確認させ,意
識白々にこれを検証 した り,用
いた りす る態度を養 う。 ④ 指導項 目と配当時間 §4
命題の意味 と結合 ……(0。4H寺問) §2
仙単な真理表………… (0.6時間) §5
合成命題………・(1
時間)S4
条件命題 と真理集合… (0.5時間) §5
条件文 と双条件文…… (l H寺問)S6
逆・裏・対偶………… (0.5Π寺間) §7
恒真命題 と恒偽命題… (0.5い寺問) §8
記号の法則1………(1
時間) §9
推論の方法……… (1.5時間) §10
仝称命題・存在命題… (刊 時間) テ ス ト………(1
‖寺F月)【
5】指導の内容と展開
実験 用 テス トを作成 して教材 と して用 いた が,以
下 に示す のが テキス トの観要で あ る。 §1
命題の意味 (ll 命題 の意味 ケ1をも って命題 の意 味 を説明,ま
た条件命題 の意味 も明かにす る。(2)命
題 の結合 命題 は,「
… …,か
つ ……Ⅲ」「 ……,ま
た は……」「 ……ない」「 ……な らば,…
…」 とい う言葉 で結合 されて,新
しい命題 を作 ることを知 らせ る。 1刊1
次 の命題 は どんな言葉 で結合 されて い るか。(D
彼女 は頭 がよ くて,美
人 だ。(2)彼
は病気 か,サ
ボだ。(3)a=bし
た が ってa2=b2
(4)彼
は数学 の勉強 をす るが,英
語 の勉強 を しな い。 §2
簡単 な真理表(1)離
桜pVq(pま
た はq)
pとqは
いず れ も命題 であ るか ら,そ
れ は真であ るか偽 であ るかのいずれかであ る。 し た が っ てP,qが
真で あ るか偽 で あ るか に従 って考 え うる可能 な場合 をあげ ると次の4通
りで あ る。 ①pが
真でqが
泉②
pが
真でqが
偽①
pが
偽 でqが
真①
pが
偽 でqが
偽 さて,「
pま た はq」 が真であるとい う主張 は ①pが
真で あ るか②
qが
真で あ るか①
pも
qも 真 であ るかのいず れかであ るこ とを意味 してい る。 よ って
,こ
の事実を示すため に,真
で あ るこ とをT(truC),偽
であ ることをF(falsc)で
表 わ して,第
4表
の よ うに書 き表わす と便利であ る。 このよ うな表を,命
題「pまた はq」 (p∨q)の
真理_ 表 とい う。高等学校における論理指導について 同様 に して
,合
接PAq,否
定 ∼pの
真理 表 を指 導 す る。 (2) 合接P/ぺq (pか
つq) (雰
チ5万箕)(3)否
定∼p(pで
な い)(第
6表
) 問2
命題pとqが
次 のよ うに与 え られて い る とき,p∨
q,p∧
qの 真偽 を いえ。 (127) (1) P (2) p 不日1よ 束京 は 日本 にあ る。q:パ
リー は フラ ンスにあ る。 三角形 の内角 の和 は誌0° であ る。q:llLl辺
形 の 内チ1の 180° で あ る。(3)P:5は
8の
約 数 で あ る。q:5は
素 数 で あ る。(4)p:6+5=10 q:6×
5=18
問5
命題p,qが
次 の よ うに与え られて い るP:太
郎 が頭 がよい。 q:7と 子 が頭 がよい。 この とき,次
の命題 を記号∨,A,∼
を用 いてか き表わせ。 (1)ラ縫刺 `も 7ι =子も取 カベよい。(2)太
郎 は頭 が よい,ま
た は花 子が頭 がよいかのいずれかである。 侶)少
くとも,太
郎 は頭 がよ くない。(4)太
郎 が頭 がよい,
しか し花子 は頭が悪 い。 ドロ4
次 の数学上 の事柄 を,記
号∨,∧
を用 いて表わせ。 第6表 ∼pの
東理表(1)a≦
b(2)x=±
5(3)運
立 方不ltt x+5y=1,2X-5y=5
(4)α
がax2+bx+c=oと
mx+n=0の
共 通根 であ る。 〔指 導上 の留 意点〕 ① われわれが日常話に用いる「または」の意味は,P,qの 一方だけが真のときに限って,「pまたはq」 が真である とする場合が多い。そこで ,こ の混乱を避けるために,「xy=OJす
なわち「x=0ま
たはy=0」 において、x=
0か つy=0の
とき「xy=OJが
真であることを説き,数学や論理では「または」をテキス トのような意味にと ることを強Jjlした。また,日 常語に用いられている意味の「または」はこれと区別して,記号 pttqを 用いて表わ すこともつけ加える。 ② 文十や数学上の事柄を,記号V,ハ ,∼を用いてIとしく表現できるかどうかに注意を払った。 §5
合成命題(1)合
成命題 と真理表 ○ 合成命題 の意 味 §2
問題5の
命題 や (p∧ q)∨q,∼
(p∨q)等
のよ うにi己号∨,∧
,∼
を用 いて,2つ
以 上 の 命題 を組合わせて作 った命題 を合成命題 とい う。 ○ 合成命題 の真理表 の作 り方 合成 命題∼ (p∨q)の
真理表 は,第 7表
に示す よ うな番号の順序 で,基
本 の真理 表 のル ー ル に従 っ て 完成す ることを指導 す る。 第 7表p l q l
∼(p∨q)TIT‖
T T
TI F‖
T F
FIT‖
F T
FI F‖
F F
ql∼ (p∨
q)Ⅶ
I
T
FT
FT T T
T T F
F T T
F F F
第4表p∨
qの東理表 第5表PAqの
真Jと世表 ∼ (p∨q)の
真理表の作 り方Plql∼
(p∨
q) T F T F T T T F T T F F問
5 (∼
p)∧(∼q)の
真理表 を作 れ。 修)論
理 的 に同値 な命題 ∼ (p∨q)と
(∼p)∧(∼q)の
真理表 (儡 )の列)は
全 く一致 して い る。 このよ うに, P,qの
真偽 に 対 して,全
く同 じ真偽 を与 え る2つ
の命題 は,全
く同 じことを意味す るか ら,こ
れ を論理的に同値 で あ るといい, ,
∼ (p∨q)=(∼
p)∧ (∼q) とか く。 間6
次 の2つ
の命題 が論理 的に同値 であることを示せ。'
(ll ∼(p∧q) (2)(∼
p)∨(∼ q) 儡)ド
・ モルガ ンの法則 ∼ (p∨q)=(∼
p)∧ (∼q) ∼ (p∧q)=(∼
p)V(∼
q) 問7
命題p,qが
次 のよ うに与 え られて い るp:彼
女 は数学 が得 意 だ。q:彼
女 は美人 だ。 この とき,次
の命題 を文章 でのべ よ。 (〕 ば)∼
(p∨q) lpl (∼
p)∧(∼ q) 12)は)∼
(p∧q)
伸) (∼
p)∨(∼ q) 問8
次 の事柄 の否定 をいえ。 (→ 太郎 は学校 に間 に合 って,し
か も忘れ物を しない。12)太
郎 か花子 は数学 が好 きであ る。`
(3)X=0
また はy=o
牲)Xは
ると9の
公約数であ る。 問9
次 の合成命題 の真理表 を作れ(0 (∼
p)∨q 121
∼〔p∧ (∼q)3 0
∼ 〔p∨(∼q)〕 問10
次 の式 を証 明せ よ。(J
∼(∼p)=p 12)p∨
(p∧q)=p 8)∼
〔p∧(∼q)〕=(∼
p)∨q 〔指導上 の留意点〕 ① 合成命題の真理表の完成順序を正 しく理解 し,最後に記入 した列がその命題の真理値であることを徹底する。 ② 論理的に同じ2つ の命題が,真 理表によって確かめられることや,「pVq」 「p∧q」 の否定が, ド。モルガン、 の法則によって導かれることを知らせる。 §
4
条件命題 と真理命題(J
真理集合 の意味・
xを
実数 とす るとき,条
件 命題:X2_4X<oを
真 とす るXの
範 囲は0<X<4で
あ る。 このよ う に,条
件 命題 を真 とす るよ うな変 数Xの
値 の集合 を,こ
の条件 命題 の真理集合 とい う。 同様 に,(X,y)を
平面上 の点 とす るとき,条
件 命題:X2+y2<1の
真理集合 は,原
点 を 中 心 と し,半
径1の
円の 内部 の点集合であ る。12)p∨
q,pAq,∼
pの
真理集合 条件命題p,qの
真理集合 をそれぞれP,Qと
す る とき,O p∨
qの
真理集合=和
集合PUQ
o p∧
qの
真理集合=共
通集合 P∩Q
高等学校におけiる論理指導について ( 129)
o
∼qの
真理集合=補
集 合 P' で あ ることを示す。l
問11
条件 命題p,qが
次 のよ うに与 え られて い る。p:(X-2)(X+1)<o q:X2+4X>0
、(a p,qの
真理 集合 を求め よ。│
修)PAq,pvq,(∼
p)∧qの
真理集合 を求 め よ。 問42.条
件命題p,qが
次 のよ うに与 え られて い る。p:xy>2 q:x2+y2<5
この とき,次
の命題 の真理集合を図示せ よ。 (1) p (2) q (3) pvq (4) p/へ \q (5) ―q (6) (―p)Aq
問15
条件命題pが
常 に真 の とき,そ
の真理集合 は何か。 また,条
件 命題qが
常 に偽 の とき,そ
の 真理集合 は何 か。S5
条件文 と双条件文 (〕 条件文「p→q」 の真理表 を次の5通
りの方法 で説明 した。第8表 p→qの真理表 ① 「p→q」 が真であるとい う主張は「
pで
あ って,qで
ない」 とい うことはない,と
い うことを意味 している。 これは,真
理表の 2 段目の否定であるか ら,第
8表
のような真理表ができる。 ② 「p→q」 が真であるという主張は,〔「pで
あ って,qで
ない」 ということはない〕,す
なわち∼ 〔p∧(∼q)〕 を意味 している。 これを ド・モルガ ンの法則で変形す ると p→q=∼
〔p∧(∼q)〕=(∼
p)∨q (∼p)Vqの
真理表を作ると
,①
と同じ真理表を得る。
③ 約束による説明p:「
明 日雨が降る」,q:「
僕は君にプ レゼ ントする」とす ると,条
件文「 p→q」 は「明 日雨が降 ったな らば,僕
は君にプ レゼ ント」 という約束 となる。 この約束が破 られた場合は「 p→q」 は偽 で,約
束を破 らなか った場合は「p→q」 は真である。 この説明か ら,①
と同な じ真理表を導 く。 (2) 双条イ牛文 「p◆
q」 双条件文「 p(>q」 を次 のよ うに定義 して,そ
の真理表 を導 く (第9表
)。p(>q=(p→
q)∧ (q→p) FH114 nが5以
下 の 自然数 の とき,次
の条件文 の真偽 を調べ よ。nが
るの約数な らば,nは
15の約数 であ る。 問15
次 の命題 を記号∨,∧ ,∼
を用 いて表 わせ。 (1) (―p)→
q (2) p(多 q13)条
件文 と真理集合o p→ q=(∼
p)∨qか
ら,「
p→q」 の真理集合 は P′UQで
あ るこ とを示す。 。p→
qが
常 に真であるため には,す
なわ ち P′UQが
全体集合であ るため に は,P⊂
Qで
な ければな らな い ことを示す。・ 。 また
,P⊂ Qな
らば,明
か に命題「p→
q」 んゞ真であ ることか ら,命
題 と真理集合 の次の 関 係 を導 く。'
「 ′ P 一 T T F F q 一 T F T FP―
qT
FT
T
第 9表 pぐうqの真理表 PT
T
F Fql〆
>qT‖ T
F
‖F
T
‖F
F‖
T
命 題
真理 集合 「p→q」 が常 に真
⇔
P⊂ Q
問16
真理集合 を用いて,次
の ことが らを証 明せ よ。(1)x2+y2<1
な らばx tt y</2
(2)X2+y2<y
な らばx2+y2<1
〔指導上 の留意 点〕 ① 日常言語の「 pな らばq」 は,常
識的には,pが
偽のときは,この文の真偽を考えない。したがって,生
徒に とっては条件文「 P→q」 の真理表がわかりにくいことを考え,上
記に示した5つ の方法で説明して,そ
の納得 の程度を調べることにした。なお, VX〔X>4→
X2>1〕 (x:実数) が真となるためには,前件 pが 偽のとき,条
件文「p→q」 を真としたければならないこと ,ま たこの様に定め ると,「
x>1→
X2>1」 はx>1と
限定 しないで実数全体でこの命題が真といえる便利さを強調 した。 ②p→
q=(∼
p)Vqを
とくに強調する。 ③pが
常に偽のとき,条件文p→qは 常に真となる。したがって,真
理集合では P⊂Q,と
ころがP=/だ
か ら/⊂Q。 このように,空
集合を任意の集合の部分集合とするのは,条
件文の真偽の約束と密接な関連があるこ とを知らせる。 §6
逆 。裏・ 対偶(J
逆・ 裏・ 対偶 の真理表 条件 文 p→qに
対 して,そ
れぞ れ 逆:q→
p
裏 :∼ p→ ∼q
対 偶 :∼q→ ∼p
とい う。 これ らの真理表 を作 ると,第
10表 のようにな る。 (21 条件 文 とそ の対偶 は同値 であ る (第10表か ら)。 p→q=
∼q→ ∼p
問17
次 の命題 の逆・裏・対偶を述べ,そ
の真偽 をいえ。(t1 4で
害Jり切 れ る整数 は2で
割 り切 れ る。(2)a=0な
らばab=0で
あ る。 131 正三角 形 の二つの内角 は相等 しい。(4)合
同な二 つの三角形 の面積 は相等 しい。15)(a>o)∧ (b>0)→ ab>0 (a,bは
実数)間
18
次 の命題 の逆・裏・対偶 を作れ。(1) (p\v/q)→
r (2) (PAq)→
r (3) p―
(∼qAr)
問
19
次 の命題 を,そ
の対偶 が真であ ることを示す ことによ って証明せ よ。(り
Xyが
奇数 な らば,Xも
yも
奇数 で あ る。(X,yは
整数)(2)a2+b2=0な
らば,a=0か
つb=oで
あ る。(a,bは
実数)第10表
逆・ 裏 。対偶の真理表 p 一 T T F F T F T F F F
T
T
FT
FT
T
FT
T
q→p l∼
P→∼ql∼
q→∼PT
T
FT
T
T
FT
T
FT
T
高等学校における論理指導について §
7
恒 真命題 と恒偽 命題(J
恒真命題 (トー トロジー) 条件文 p→ (p∨q)の
真理表 を作 ると,第
11表 の よ うにな り,常
に 論理 的に真で あ る。 このよ うに,真
理表 にTば
か り並ぶ命題を恒真命 題 (トー トロジー)と
いい,記
号Iで表 わす 。12)恒
偽 命題 同様 に,p∧
(∼p)の
よ うに真理表 にFば
か り並 ぶ命題 を恒 偽 命 題 といい,記
号Oで
表 わす 。 (151) 第11表 P→ (p∨q)の
真理表pVq=q\
ッ/p p∨(q∨r)=(p∨
q)∨rpV(q∧
r)=(pVq)∧
(p∨r)pVp=p
pV(p/へ \q)=p
∼ (p∨q)=(∼
p)∧(∼q) p∨(∼p)=I
I∨
p=I
O Vp=p
∼I=0
が分配法則 によ って,次
の2つ
の連 問20
次の命題の うち,恒
真なものはどれか,ま
た,恒
偽な ものはどれか。(J p→
p 121
∼ 〔P∨∼pD (31〔
(∼p)∧q〕 → (p∧ q) §8
記号の法則 命題 に関す る次 の よ うな基本法則 を真理表 を用 いて確かめ る。(1)交
換法則p∧
q=q∧
p
(21 結 合法則p∧ (qAr)=(p∧
q)Ar
儒)分
配法則p∧
(q∨r)=(p∧
q)∨ (p∧r)14)巾
等法則p∧ p=p
15)吸
収法則p∧
(p∨q)=P
16)二
重否定∼ (∼
p)=p
(7)ド
・ モルガ ンの法則 ∼ (p∧q)=(∼
p)∨(∼q)18)Iと
Oに
ついての法則 p∧(∼p)=O
O/へ\p=O
1/へ\p=p
∼O=I
<例
1>
連立方程式X2+y2=1,x2_5 xy+2y2=0
立方程式 に分 けて考 え られることを示す。IXΥ
を
三
1tXΥ
1
<例
2>
基本法則 を用 いて,次
の等式を説 明せ よ。(J
〔∼(p∨ q)〕∧p=O
間21
次の等式を証明せよ。(D (p∧
q)V(p∧
∼q)=p
問22
次の命題を簡単にせよ。 (→(x≧
o)A(X=5∨
X=-2)
(2) (X=-1)∧
(X>2∨
x<-5)
〔
指導上の留意点〕
①5つ
の命題p,q,rに
関する真理表が,この §で初めてでてきたので,そ
の説明に比較的時間をさぃた。 ② 上記のような法則が成 り立つ ことと,双
対性 について簡単にふれ る程度にした。これ らの法則を用 いて,い
ろいろの命題計算す ることは避けた。12)∼ 〔
p∧(∼q∨ r)〕=∼
p∨ (q∧∼
r) 121∼ 〔
p∨(∼p∨∼
r)〕=∼
p∧qAr
S9
推論の方法 (ll 推論の有効性 p→qが
真で,pも
真であるとしてみよう。 この場合,p→
q の真理表をかき,こ
の表の右 にさらにpと
qの
欄をつけ加え れば,第
12表のょ うにな る。 ここで,P→ qが
真であるか ら,p→
qの
欄のうち第1, 5,
4行
に着 目してpの
欄をみる。p→
qと 同時にpも
真であるか ら,第
1,5,4行
の うちTの
ある第 刊行のみに着 目してqの
欄 をみると,qも
真であることがわかる。①
p→
q
すなわち,p→ qが
真かつqが
真であれば,qも
真である。ギ
i巧
「 これを記号で右のように書き表わす。 このように,前
提の命題がすべて真な ら結論の命題 も真であるとき,こ
の推論 は有効で あ る と い う。また,①
の推論形式は,次
の例のように,数
学で しば しば用い られる推論形式である。 く例>
定理「二等辺三角形の底角は等 しい」 以下同様にして,次
の代表的な有効な推論形式を取 り上げ,そ
の有効性を確かめ,こ
のような推論 形式が数学で どのよ うな場合に用い られているかを例で示す。 ②p→ q
①p→ q
①pVq
∼q q→
r
∼p
・・・―P
・・P→
r . q
⑤
p→
q
⑥
p∧
q tt p
p→ l q
.・.p→qAr .・
. p .・
.pAq
問25
上記の④∼⑦の推論の有効性を確かめ,そ
れが用い られる例を上げよ。 問24
次の推論が有効かどうかを調べよ。 (1) p ―)q (2) p→>q (3) p→
qq
∼p
― r_→年 q ・ 〕∴ ∼
q
・・.∼r→∼p
問25
次 の推論 の有効性 を調べ よ。】
(1)国
が民主主義国な らば,そ
の国民 は投票権 を も って い る。 日本 の国民 は投 票権 を も っ て い る。 ゆえに,日
本 は民主主 義国で あ る。 (21 被 害者 を束」し殺 した犯人 は,そ
の とき殺本現場 にいた。彼 はそのとき殺 人現場 に い な か っ た。 ゆえに,彼
は被害者 を刺 し殺 した犯人で はない。(2)間
接証 明法 p→qを
証 明す る代 りに,p→ qと
論理 的 に同値な命題 を証 明す る方法を間接証 明法 とい う。 間接証 明法 を与 え る等 式には,次
のよ うな ものがあ る。,
①p→
q=∼
q→
∼p
②p→ q=p∧
∼q→
∼p !
∫①
p→
q=p∧
∼
q→
q
①
p→
q=p∧
∼
q→
r∧ ∼
r i . │
問
26`①年① の等式を証明せよ。
│ (`
次に
,こ
れらを用いる間接証明の例を 1つ ずつ上げ
,と
くに①を用いる場合を背理法とヤゝっている
第12表 p 一 T T F F q 一 T F T F p→ q p qT
FT
FT IT
F I T
T I F
T I F
高等学校における論理指導について (155)
こ とを強 調 した。
i'│
モ 「問
27
次 の命題 を間接証 明法 を用 いて証 明せ よ。 また,①
∼① の う:ちどの方法を用 いているか。(J Xが
整数で,x2が
奇数 な らば,xは
奇数で あ る。i li:
(2)x+y>oな
らばx>oま
た はy>o (x,y・
は実数)13)a,b,cが
実数な らば,a2_bc,b2.ca,C2_abの
うち少 くとも1つ
は負でない。 〔指 導上 の留意点〕 生徒はいままで少 しの疑いをはさまず,三
段論法や背理法の推論形式を用いていた。そこで,推
論の有効性や間 ・接証明法の妥当性を真理表を用いて検証することによって
,ぃ
ままお十分自覚せずに用いていた論速の重要さを確 認させ,今
後これを意識的に検証したり,用いたりする態度を養うように努めた。 §10
全称命題 と存在 命題(J
全称命題 と存在命題 ○ 「 すべて」 の命題―
・ 「 すべて の実数 Xに つ いて
,x2+x+1>oで
あ る」,「
この クラスのすべて の生徒 は眼鏡 をか けてい る」 のよ うに,「
すべ て のxに
つ いて,Aで
あ る」 の形 の命題 を全称命題 といい,次
のよ う に表わす。VXA(X)
〔A(X):xは
Aで
あ る〕VXは
全称記号 とよばれ,「
すべて のxに つ いて」 また は「任意 のxに つ いて」 を意 味す る。 ○ 「 あ る」 の命題 「少 くとも1つ
の実数Xで
,f(X)=0と
な る」 のよ うに,「
あ る文│こつ いてゥAで
あ る」 の形 の命 題 を存在命題 といい,gxA(x)で
表 わす。 ⊂xは
存在記号 と よば れ,「
あ るxに
つ いて」,「 少 くとも1つの 支につ いて」 を意味す る。 問28
次 の命題 を記 号 で表 わせ。(1)す
べ ての実数Xに
つ いて,X2+x+4>oが
成 りたつ。│
修)X2-X+6<0を
みたす実数Xが
存在す る。│
13)Xが
実数 の とき,f(x)の
最小値 はMで
あ る。(Vx,ユ
xを
それぞれ用 い て,2通
り書 き 表 わせ)(2)「
すべて」 と「 あ る」 の否定∵
: !
xの
集合 Ωが有 限集合 で,Ω
=(X■
,X2,…,Xn)と
す る ときi
VXA(X)=A(X■
)∧A(X2)A…
…∧A(Xn) │
gXA(X)=A(X■
)VA(X2)V…
…`′A(Xn) │
'
とな る。 したが って,
ド・ モル ガ ンの法則 を用 いるとI
年 〔
VXA(X)〕 =∼
〔A(X■ )∧A(X2)∧
…・・!∧Aは
n)〕=∼
A(X■ )∨ ∼A(X2)∨
……∨∼A(Xn)
=gX〔
∼ A(X)〕 同様 に∼ 〔⊂XA(X)〕
=VX〔
∼ A(X)〕 この ことか ら,一
般 に 「 すべ てのxは Aで
あ る」 の否定 ≡「 あ るXはAで
な い」 「 あるXは Aで
あ る」 の否定 ≡「すべてのXlまAで
な い」 で あることに注意 させ る。′す.ィ
´
問
29
問28(1),(2)の 否定 文 をいえ。 問50
次 の命題 の否定 を文 にか きな さい。(1)こ
の クラスの中には近眼の者 がい る。 121 10よ り小 さい素数 の平方 は,す
べ て50よ り小 さい。(3)す
べ ての政治家 は献金 を うけ るか,買
収 を行 な う。 性)A組
の生徒 の中には,こ
の テス トの問題5題
とも解 けない者 がい る。【
6】指導後のテス トの結果と考察
指導 内容 §1か
ら §10まで を指導 した直後,そ
の理解 の程度を知 るため に,次
の よ うな テス トを実 施 してみた。 佃)実
施対象の生徒 について 実施 対象 の生徒 は,論
理指導 した1年 4学
級 の うちの2学
級84名 (男子61名,女
子25名)で
あ る。 これ らの学級 は,平
等 の組分 けによる普通学級であ る。 また,調
査結果 の集計 に関 して は,対
象 生徒 84名 (うち男子1名,女
子2名
欠席)を
学年末 の数学 の評 価 によ って さ らに次 の5群
に分 け,考
察 す る上での便宜 を計 った。 上位群(数
学 の評価 が5, 4に
相 当す る もの) 中位群(数
学 の評価 が5
に相 当す るもの) 下 位群(数
学 の評価 が2, 1に
相 当す るもの) なお,対
象生徒 の知能指数 (東 大AS―
式)は ,第
15表 の ような分布 をなす。(2)テ
ス トの問題 (50分) 回 命題P,qが
次のように与えられている。p:太
郎は強いq:次
郎1ま日弓い このとき,次
の命題をV,A,∼
を用いてかき表わせ。 (引 太郎は強 く,次
郎は弱い。 (2)太郎は弱い, しかし次郎は強い。 第15表対象生徒の知能指数の分布 (%) 知 能 テ ス ト レ
- 88
90∼ 99 100ハvl14 115-150 151-1 2 5 4 5 詞・ 81 74 26 1 1 26 49 22 55 55 24 10 22 55 26 17 (31 太郎が弱いか,または次郎が弱い。(4)太
郎 も次郎 も弱い。高等学校 における論理指導について (155)
(5)「太郎が強いか,または次郎が強いJということはない。 □ 次の│ │の中に記号
V,Aを
入れ よ。(J
数学の記号X≧ yは(X>y)│ │(x=y)
(2)x=y=Zは (X=y)│ │(y=Z)
13)連立方程式
2x-5y=1,x+5y=4は
(2X-5y=1)「
¬ (X+るy=4)
(4)「 X,y,Zの う ち 少 く と も 2つは 等 し いJは (X=y)│ │(x=Z)│ │(y=Z)
(5)y=IXI+2は 〔(X≧0)□ (y=X+2)〕 「 ¬ 〔X<0)日 (y=― X+2)〕 団 次の命題の真理表を完成せよ。
(1)pVq (2)PAq (3)p→ q (4)∼
〔pA(∼
q)〕 ロ ド●モルガ ンの法則を用いて,次
の命題 と同値な命題を作れ。(J
∼ (p∧q) (2)∼
〔(∼q)Vq〕13)pV(∼
q) □ 次の条件文を,∼
,V,Aを
用いて表わせ。 (1) a― b (2) (ハ マb)→
(∼a) □ 次の命題は,命
題 〔p→ (qAr)〕 の逆・ 裏 ◆対偶のうちどれか。( )内
に記入せよ。そのいずれで もない ときは×印を記入せよ。 (a p→∼(qAr) (
13)∼p→ (∼qV∼
r),(
脩)∼
p→∼(qAr) (
□ 次の 2つ の命題が論理的に同値であることを示せ。 p→q=(pA∼
q)→
q □ 但)次
の推論形式が有効かどうかを真理表を用いて判定せよ。 p→q ―q ,
.・. ―p (2)推論「 彼女 はブロ ン ドであ るか,ブ
ルネ ッ トであ るかのいずれ かで あ る。彼女が ブロ ン ドで あれ ば,彼
女は 親切で あ る。彼女は親切でない。ゆえに,彼
女 はブルネ ッ トで あ る」 を記号で表 わす と,p:( ), q:( ), r:( )
とおけば,この推論形式は で,また この推論 は │ 団 但)条
件命題p,qを
p:x2+y2<く2x q:x2+y2<4
とす るとき,次
の真理集合を図示せよ。 ①pの
真理集合②
qの
真理集合⑥ ∼
PAqの
頁理集合 (2)真理集合を用いて「X2+y2<2x
な らばx2+y2<4」
を証明せ よ。 □ 次の命題の否定をかきなさい。 (剣 任意の実数Xに対 して,ax2+bx+c>0で
ある。 12)ある実数Xに対 して,ax2+bx+c=oで
ある。13)A組
の生徒の中には,このテス ト問題の 1題 も解 けない者がいる。(5)テ
ス トの結 果 (21のテス トの結果を表示すると
,第
14表のようになる。表内に示されている数字は正答率
(%)を
表わす。
(ただし
,E8E仕)において
,①
は真理表が正確に書けた者の百分率
,②
は完全正解 者 の 百 分
率
;日
12)において
,①
は推論形式を記号化できた者の百分率
,②
は完全正解者の百分率を示す。
)(2)qAr→
p ( )
14)∼(qAr)→
∼p ( )
果
(正
答率%)
第14表(4)考
察 ①
90%以
上の正答率を得た項 目 □ (文章を論理記号で表わす)□
(1)∼(4)(記号∨,Aの
意味と数学の事柄 との関連) □ (真理表完成)□
(ド:。 モルガ ンの法則)
□ (命題の逆・裏・対偶)□
(命額の同値性 を示す) については,す
べて90%以
上の正答率を上げている。そ して,
これ らの問題では,男
女の差や 上 位,中
位,下
位の5群
の間の格差が殆 ど見 られない。 したが って,論
理記号の恵味,真
理 表 の 完 成,命
題の同値性の検証等の基本的事柄については,十
分理解できたと考えてよい。 ②80%以
上の正答率を得た項 目;■ □15)(絶対値記号を∨,∧
で分解す る)ィ
(81%)
□(ll(推論の有効性)(88%)
□(〕 (命題の真理集合)(85%∼
98%)
□ (全称命題 と存在命題の否定)(80%∼
91%)
この中で正答率の低いのは,□
15)(84%),□
(3)(80%)で
あるが,図
(9は絶対値記号についての 理解の浅 さか ら,□
ほ)の場合 は存在 と全称の2つ
4・組み合せた命題であるため,他
の類似問題 よ り 正答率が下が ったものと考え られる。 とくに,こ
れ らの問題では,上
位群 と下位群の間にかな りの 格差が見 られる。 ま■,推
論の有効い,真
睾年合およφ簡単な全称・存在命題の否定については,
ともに90%に
近③電
鶯
吾
奥
属
夏
ヤ
│:皇
屋を
窒
ζ
4Fも
,貞
亀
曇
を
す
巨
:遅
桑
め
て
い
る
が
,そ
去
正
答
率
は
や
ゝ
愁
く
75 □(01 951 400
(4)1 92 1 95 (5)1 95 1 100 00 % 醐 % 00 97 91 94 94 91 □ (→ (2) (3) (4) (5) ︲00 ︲00 囲 囲 期 一 ︲00 ” 94 ” 95 98 % 期 82 一 粥 ” 野 97 ︲00 ︲00 % 鶉 あ 一 % 鮨 % %(D11001100
(2)1 100 1 100 (3)1 95 1 76 100 100 94 100 100 89 図│〃 IЫ
七
十
1完
64 1 64 1 75 94 95 81 91 95 82 87 85 80 97 97 87高等学校におけ,る論理指導について (157)
%∼
78%で
ある。 また,上
位,中
位,下
位5群
の間にかな りの差がみ られる。実際の指導の場合も 「p→q」 の真理表が理解 しに くく,説
明には5通
りの方法を用いたとそのため,基
本事項 0→q=
(∼p)`マ′qが
[分徹底できなか ったと思 うも ④ □12)は,文
章で与え られた推論の妥当性を調べ る問題である。 この問題の正容率は,推
論形式の 記号化が82%と
かな りよ く,そ
の推論の有効!l■の検証が65%と
非常に悪い。 また,上
位i中
位,下
位の る群の正答率にかな りの格差がみ られ,数
学の成績 との間に強い相関が感 じられる。 この有効性の検証は,既
証の推論形式を用いて検証す る場合は簡単であるが,直
接真理表を作成 して検証す る場合は相 当煩瑣である。実際の指導では,前
者の方法は指導 しなか ったので,生
徒 は この解答に困難を感 じたと思 う。 ③ 回(21は,真
理集合を用いて命題の証明を行 う問題であるが,そ
の正答率は78%と
やや低い。条件 文 と真理集合の関係には,p→
q=(∼
p)Vqの
理解が基礎 となるだけに,こ
の問題の正答 率 も日 とほぼ同じ正答率を示 したものと思われる。 ここでも,□
と同様,上
位,中
位,下
位5群
の間にか な りの差が認め られる。 ① さきに示 したようなテス トの内容だけでは,記
号論理 の初歩が理解できたかを調べ るのに十分で はないが,示
した内容 と程度においては,ほ
ぼ80%∼ 90%以
上の正答率を得ている。 また正答率80%未
満の項 目においては,実
際の指導でも生徒が少 々抵抗を感 じたところであるが,
しか しこれ ら の項 目を高校段階で指導す ることが不可能であるということではな く,指
導の工夫や時間に余裕を もった指導計画を立て るな どの配慮によ って十分理解させ得 るものと考えている。【
7】論理の学習についての感想調査
実際の授業の中で,生
徒 が どんな点 に興味や関心 を もち,ま
た どのよ うな点 に困難 を感 じたかを知 るため に,次
の よ うな5つ
の調査 を行 い,最
後 に短 い 自由感想文 を求 め た。 調査 の質問 と回答の集計 は次 の通 りである。 (数 字 は%を
表 わす) 側)調
査1 .
この間から学習した「論理の授業」について
,次
の
A∼
Eま
でのあてはまる番号を○印で囲みなさ
い。
(A)<難
易調査
>
①
やさしかった
②
むずかしかった
①
とてもむずかしかった
(75) (21) (0)
(B)<理
解調査> !│
① よくわかった
② だいたいわかった
① あまりわからない
① オ
つからなかった
(57) (65) (0) (o)
(C)<興
味調査>
―①
面白かった
②
だいたい面白いと思 った
③
あまり面白くなかった
、
(56) (41) (19) .oち
まらなかった
.
(4)
`'
(D)<意
欲調査>
① も っと論理 の勉強 したドδI歩し論理 の勉強 したい
③ 論理 の勉強 はも うした くない
(51)
…ケ
ー
・
(57).(1
′
Ⅲ
で
イ
1). .(Pl
(E)<他
の数学教材との比較
>
いままで学習している他の学習内容と比較 して
は
)①
やさしか った
②
わからない
③
むずかしか った
(76) (20) (4)
lHl①
興味をもった
(磁) ② わ か らない (57)③
興味をもたない
(10)121調
査 2 (指 導 内容の主 な項 目につ いての難易,理
解,興
味調査 であ る) 次 の左側 にあげた事柄 につ いて あなた は どう思 いますか。A,B,Cに
つ いて,あ
て はまる所 にO印
を記入 しなさい。 (この調査集計 を示す と第刊5表 のよ うにな る)(3)調
査 る (条件文「p→
q」 の真理表 は,生
徒 に理解 しに くい と思 い,実
際 の授業 で は,指
導 内容 に示 した5通
りの説 明を した。 そ こで,生
徒 に と ってその うちどれが納得 しやすか ったかを知 るため に,次
の質 間を した。) 「p→
q」 の真理表 の説 明でわか りやすか った番号を○ 印 しな さい。 第15表調 査
2
の 結 果(%)
命題の意味 と結合 ︶ ダ キ ス ト票
:打 1音を
し
て か た と ず つ ゴいたい│あま り ったIなか った 合成命題の真理表 「 論理 的 に同値であ ことにつ いて ド●モルガ ンの法則 真 理 集 合 「p→q」 の真理表 42 42 67 55 49 50 57 50 58 58 条件文 と真理集合 逆・ 裏 。対偶 について 恒真・ 恒偽命題 記 号 の 法 則 §ワ1推
論 の 有 効 性 §91間
接 証 明 法 §101
全称・ 存在命題の否定 24 5 2 14 16 55 24 45①の説明
(20)
②の説明
(27)
①の説明
(52)
高等学校における論理指導について (17。9)