(22)
ラッキョウ調整加 工機 の試作
(第
2報
)
根 茎 切 断 位 置 を 決 め る 自 動 的 楼 構 の 一 例
藤 井 嘉 儀
,川
手 俊 三(鳥 取 大 学 農 学 部)
Studies on a Mechanis江
l fOr Catting off the Roots and Stalks Baker's Garlic.(И′カク靱IPr考″がRFCEL)(I)
A mechanis“
l of automatic position control for catting.Yoshinori Fujii. Syunzo KAWAte,
(Faculty Agriculture,Tottori University)
1. 緒
論 鳥取県東部砂丘畑を中心 とした
,い
わゆる特産砂丘 ラ ッキ ョウの栽培 も,押
寄せ る農業情勢には逆 らえず,そ
の労力的事情か ら, 1部に作付減少の傾向がみ られる。 砂丘畑におけるラッキ ョウ栽培は,そ
の栽培環境 と, ラッキ ョウの特質が, うまくマ ッチし,経
営的にも有利 な換金作物 とな っていた。特に近年になって,い
わゆる 自然食品と呼ばれるもの ゝ重視されるに至 り,ます ます 需要は増加す ると言われている。それにもかかわ らず, 減産(踏
み切 らざるを得な くな ったのはた ゞ,労
働問題 の一点によると言 っても過言ではない。 一般に疏菜栽培 は,そ
の収穫,調
整に多 くの労力を要 し,これが栽渚上 の制約条件 となる事 が 多 いのである が,ラ ッキ ョウの場合 も,まさに,そ
れ で あ って,特
に,根
警 切断除去に要する労力は極めて多 く,また,こ の時期には,国
植,梨
袋掛な ど他作物の作業 との競合関 係 もあって, これが省力機械化の方途を構ずることは極 めて緊要である。 現在行なわれているラッキ ョウの収穫,調
整等の作業 について見 ると,い
わゆる器具を使用 しての作業が主体 をな し,本
格的な機械化は殆んど見 られない。特に,根
茎部の切断 (これが,調
整作業の主体をなす)は ,未
だ に人手により,一
個ずつ行なわれてお り,省
力機械化の 点では全 く未開発の状態である。 (写真1, 2参
照)以
前は,共
同加工場にて,外
部か らの労力を得 て,共
同調 整作業を行な っていたが,最
近の労働事情か ら,そ
れも 不可能にな り,現
在では,各
戸別 自家作業,或
いは,漁
村に配 って依託調整 している状態である。 我 々は, この事実に鑑み,以
前か ら切断作業の機械化 を試みているが,未
だ機械化と呼べ る程の成果を上げ得 ていない。 既に,第
一報 (砂丘研究40巻1号1964年)で
切 断機構 の基礎的なものを報 じたが,そ
の際の問題点 として指摘 した処の, ラッキ ョウの根茎の切断部位を 自動的に決定 す る方法の開発に関 し,そ
の後,種
々検討を加 え,こ ゝ にその一機構を考案 したので報告する。2.試
作 機 の 概 要 今回報告す る試作機は,相
対す る2本のベル ト間にラ ッキ ョウの根部を保持 させつ ゝ移動させ,切
断位置を決 定 し,固
定刃にて切断させる方法で,第
一報 (前述)に
示 した基礎的な機構の応用である。第 1号機 (第1報) は, ラッキ ョウを一球ずつ,人
手にてその切断位置を決 め,ベ
ル ト間に保持 させる方法を用いてお り, これによ ると大手 と,そ
の人のいわゆる「カン」に頼 る為,"断
部位が一様にな らず,又 ,使
用者にとっては,精
神的に 負担がか ゝり,個
人差が大きいとい う欠点があった。本 報の第2号機はこの「 カ ン」による方法を機械的に行な わ しめる様,改
良を加えたもので,原
則的には第 1号 機 と同機構である。 (写真 5参 照) (封 根茎部切断機構 (第1図) 相対す るA,B2本
のVベル トを,そ
の間隔を一定にラツキ ョウ調整加工機の試作 (第2報) 保ちなが ら
,等
方 向に等速で移行 させ,そ
のベル ト間に 切断すべ きラッキ ョウの中心部を挟み,移
行す る中途に 設置 した切断刃に より,根
茎を切 り落す機構である。 (写真4参照) φlイ ンチシャフ ト (第1図)
根茎部切断機構 (25) 持力に打ち勝 って球部をその位置で保ちなが ら,移
動 さ せ る事が出来 るのである (写真 5参 照) 以上が,本
機構の概略であるが,この場合,D群
のな す作用は,ラ ッキ ョウ球に指向性を与 え,又 ,そ
の位置 を保たせ る事であるか ら,ベ
ル トでな く,一
種の レール 式の抵抗体でも良いかも知れない。 しか し,これ ら固定 抵抗を用いた場合,抵
抗の方向が複雑化 し,ラ ッキ ョウ が斜めに曲る恐れがある。故に試作機に於ては,D群
は 下側だけベル トを用い,上
側に ビニールホースをかぶせ た固定抵抗体 とした。 (第2図)
切断位置決定機構 俗)前
2機構 臥引及び0〕 の連絡 (2)項の機構により,切
断位置を定め,保
持 された ラッ キ ョウも,そ
のま ゝでは,ベ
ル トの 終 点 に 至 ってしま う。故に,この終点以前に,(1)機構に移す必要がある。 即ち,D群
の外側に規定 され,移
行 して来た ラッキ ョウ 球を,(1)機構のA,Bベ
ル ト間に狭みとらせ,切
断部に 移行 させて処理す るものである。故にD群に平行に,接
近 してA,Bベ
ル トが設置されなければな らない,そ
し て,A,Bベ
ル トが確実にラッキ ョウ球の中心部を挟む 位置に,そ
の間隔を調整する(写真6参照) 14)その他の機構(a)切
断位置を決めるD群ベル トの構造 Vベル トに図の様にすべ りの良いビニールホースをノ リ付 けしたもので,直
角方向への根毛の移動を妨げない 様留意 した,尚
,保
持用ベル トは図の如 く,スポ ンジの 帯をは りつけたものである。 C′ ピュールホース ,81nm ピュールホース ,51nmT
15mm 立 V′ヾリレト卜
19mm引卜
19mmJ (2)根茎部の切断位置を 自動的に決める機構(第2図) 原理は,切
断機構に用いた複式ベル トコンベアの応用 であるが,切
断機構が物体の中心を挟んで運搬す る方法 であるのに対 し,根
毛部を挟んで移行せ しめる方法を用 いた。根毛の任意の部分をベル ト間に挟ませて移行させ つI,そ
の行程中に, ラッキ ョウ球に一種の指向性を与 える抵抗を加え,位
置を決定させ,ある時 点 に 達 した 時,そ
の抵抗が打消される機構 とした。即ち,第
2図 に み られるD―
D′ のベル ト群を並列させ,そ
の間隙に根 毛を挟み移行せ しめる。 この2群のベル トは,平
行では な く,移
行す るにつれて末広が りにベル ト群間の中が開 くように設置 されてお り,これに挟まれた根毛は, どち らか一方のベル ト群側に移行 しようとする力が生ずる。 この時, 2群間の保持力が相等 しければ,根
毛は切断さ れ,又
,そ
の保持力の差が大きれば,根
毛はその保持力 の大 きい側に引き寄せ られよう。即ち,C―
Crの
保持 力が大で,D一
D′ のそれが零に等 しければ, ラッキ ョ ウは,C一
C′ 側に,無
条件で引き寄せ られ よう。この 時,D一
D′は何 ら障害にはな らない。 しか し,D―
D′ の間隔を, ラッキ ョウ球径以下に保 っておいた場合,根
毛を挟まれた,C群
側に引き寄せ られ た ラッキ ョウ球 が,D群
に達 した時,根
毛の移動に抵抗が加わる。そ し てC群の保持力が大ならば,根
毛 と球部の中途が切断 し てしま うであろう。しかし, C群の保持力を調整 し,あ
る抵抗以上に達 した時,根
毛がス リップす るようにすれ ば,ラ ッキ ョウの球部がD群側のある位置に達 し,抵
抗 が大 とな った時,即
ち,一
定位置に達 した時,根
毛の保 スボ ンジ帯 Vベル ト(A45) ス ポ ン ジ 帯 vベル ト (第5図)
保持用ベル ト及び抵抗体ベル トの構造藤 井 嘉 儀・,II手 俊 二 (b)121に 於ける垂れ下 り♭上の構造 121械構においては,ラ ッキ ョウの根毛 を 保 持 す るた め
,ど
うしても,球
部及び茎部が下 に垂れ気味にな って (1)機構への引き継ざが うま く出来ない。故に,D群
抵抗 体 と平行に銅線 (ビニールホースでお ゝう)を
渡 し,そ
の上 にラッキ ョウの茎葉部が乗 る様にして,垂
れ下が り を防いだ。 (写真7参照) (C)12)機構の末広ベル トの調整 ラッキ ョウ根毛の長 さにより,末
広が りの巾を調整 し なければな らない。即ち,根
毛長 より狭 くす るのである が,一
般には,(り機 構 受 継部で2∼5 cm差があれば良 い。調整には,D一
D′ を移動 させ て行な う。(d)切
断刃の調整A,Bベ
ル トに挟まれて移行 して来たラッキ ョウの根 茎部を切断す るのであるか ら,そ
の切断位置を正確にセ 第 1表 材料
表 ッ トしなければな らない
,特
に,根
部の切断の良否が重 要であるか ら,重
点的に調整す る。 2枚 の切断刃は平行 に,概
ね2021pJ(± 1脚)の
間隔 (ラ ッキ ョウ球の仕上げ 寸法)に
し,ベ
ル トに対 して50° に設置す る。 脩)製
作材料 製作材料は第 1表 材料表に示す如 くである。 る。使用
法 使用者 は
,機
械の左端,ベ
ル トコンベアー始点に位置 し,左
手にラッキ ョウ株を採 り,根
毛を機械に向けて持 ち,右
手にて,一
球ずつ分離,根
毛部をベル トに狭ませ る。 この際,根
毛は任意 の部位を挟 ませれば良いのであ るが,根
底に近い部分を挟 ませ る方が確実である。又, この時,茎
葉部が垂れ下が り防止 レールに乗 る様に留意 す る事が必要である。 ガ 5 11ul ガ 5 mm ガ 5 11ul ス ポ 切 モ ー わ く 減 速 連 動 ※その他,名
部組合せに, 9×951nmボ シャを使用した。 末広ベル ト先端用 ベル ト移行速度は 100翻/Sec. ベア リング入 たれ さが り防止 レール 固定抵抗体用 ベル トに対 して50°に設 置 ウオームギヤ減速比ウ46 歯数78
4.実
験結果及び考察 lul, ラッキ ョウの根茎切断位置を機械 的に決め るための装置を試作した。使用 結果では概ね, ラッキ ョウを規定位置に 置 く事が出来 た。 しか し,121機構か らは) 機構への連絡部で, ラッキ ョウの球状に よリー部 トラブルが生 じ,確
実に移 し換 え られず,曲
つて挟み とられるものがあ った。 これは切断 ロスとなるので,こ浄 に対 しては今後なん らかの対策が必要で ある。 12)ラ ッキ ョウ球部の大きさによる処 理の差が見 られた。即ち,球
の大小個体 差の極端 に大 きなものの調整は困難であ る。 い)整
形 ラッキ ョウは問題ないが,扁
形曲形等のもの ゝ調整が難か しい。 この ようなものは確実に 挟 み 込 む事が出来 ず,斜
め切 りにな り易い。故に,栽
培面 で出来るだけ個体差のない整形のものを 作る事が必要である。 14)処理速度は今回の試作実験では毎 分40個程度に然 り,手
切 り(57個)よ
り 少 し速い程度にとどまった。後にな って 資料を検討 し直 した結果,減
速比の計算 違いにより,送
り速度が7′7cm/SeC・ に 考 ! 品 名1寸
法1触
│プー
〃
リ
ー
│,列
a:イ ンチ │1
1
︲5
︲
︲
2
5
1
1
5
4
20
20
仰
仰
2 m
l. 2m
Vベ
ル ト 軸 〃5
〃 ③ 5 〃 6 A列52イ
ンチ 〃 45 〃 52 ″ 58 ″ 1イ ンチ×50cm ×40 〃 8 allll 巾19mm
160×44null R P M1720(60C/9 5 cm角 受 一 線 棒 プ 軸 力 銅 鉄 ビ 帯 刃 一 材 ヤ ヤ ジ タ 組 ギ ギ ン 断 2 1 1組 1組 ル ト, ナ ッ ト及び5011n12平 ワ ッラツキ ョウ調整加工機の試作 (第2報) な っていた事が判明した。固定刃を50° にした場合
,毎
法を開発 したのみに終 り
,根
本的な機構の開発 には至 ら 秒10cn/Sec.が 最適であるが,こ うした場合,処
理能力なか ったが
,あ
えて,こ ゝに報告 し関係者の御批判を仰 は向上 し,斜
め切 りもある程度,防
げると思われる。ぐこととしたものである。 脩
)ス
ポンジ帯の改良 参 考 文 献 市販のものは,弾
力性,耐
久性 ともに満足す るがもの 得 られず,この調達が,機
械の効率を大 きく変えると思① 阿部正俊
,藤
井嘉儀,酒
井永(1%4):ラ
ッキ ョ われ る。出来れば,合
成樹脂性のものが望ましい。ゥ調整加工機の試作
,砂
丘研究第10巻第 1号 以上,本
報は,切
断位置を 自動的に決める機構の一方② 鳥取県農林部 (1965):鳥取県 の砂地農業。
Sununary
Bakers Carlic is in great demand Eor use as Pickles, But due to the insufficient supply of laboure rs, ve must cut down on its Production.
In order to resolve this prOble■ 1, it is urgent to mechanize the h1/ork Of cutting off its roots
and stalks which is now done with hand‐ tools.
ヽVe developed a simple mechanism, ■vhich Puts Bakers Garlic between two belts and cuts ofE the root and stalk, transfering them One after another.
But we could only get about double efficiency by using this machine becanse we had to put the Garlic the two belts one by one by hand.
Then, after two further experiments, we produced an improved mechanism by wlnich a tamer could mechanically put a Baker's Carlic between the two belts. when ve used the impr― oved machine, we need not put the bulb bet■ veen the two belts. By putting any Part of the roo
thairs between them and transferring to the right side, we put the bulbs between them,mec―
hanically, in the prOcess.
ヽヽ「e could not get good results because the relation of other mechanisms not clear.
` ∼
ラツキ ョウ調整加工機の試作 (第2報) 写真
1
慣行作業 (切取 り作業) 写真2
慣 行 手 切 り 法 写真5
試 作 第2号
機 全 図 写真4
① 切 断 機 構 写真5
②根茎 切断位置決定機構 写真6
①機構 と②機構 の連絡(28) 藤 井 嘉 儀 。)II手 俊 二