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香川県小豆島における降水の流出量
と貯水量に関する研究
高 桑
札1 調査の目的と方法
‖)調査の目的と前回までの諏査結果 本調査の目的は香川県′ト豆島にある主要河川の主な支流流域において,降雨 の流出崖と貯水池群に貯溜される水量との関係を明らかにし,水資源再開発の 資料とすることにある。 この報告は本誌第17号において報告した香川県東部における降水の流出量と 貯水池の貯水量に関する研究,第18号において報告した香川県中部における降 水の流出量と貯水盈に関する研究,第24号において報告した香川県西部におけ る降水の流出量と貯水量に関する研究の続編である。 第17弓では.大川郡の鴨部川・津田川・与田川・湊川・馬宿川の各流域につい て,流出率45%の場合,各水系の貯水率は鴨部川1432%,津田川14一52%,与田川14.07%,湊川507%,馬宿川4.51%となり.湊川と馬宿川が水利開
発途上水系といえるとした。 第18号では,木田郡・高松市・香川郡・綾歌郡・坂出市・仲多度郡・善通寺 市・丸亀市を流れる各河川で,同様に各水系の貯水率は新ノー12053%,春日川3857%,語田川・御坊川9/71%,香東川1457%,太津川2855%,綾川
15.80%,大束川25.11%,土器川697%,金倉川71.43%,弘田川15。28%
となり,土器川と語田川・御坊川が水利開発途上水系といえるとした。 第24号では,三豊郡・観音寺市を流れる各河川で,同様に各水系の貯水率は高瀬川2140%,財田川11.41%,椎田川2900%となり.財田川が水利開発
途上水系であるとした。高 桑 糸し 132 (21調査地域
調査地域は,小豆郡の土庄・池田・内海3町の境界付近にある四方指山西斜面
から流出し,蛙子池・銚子渓を経て黒岩付近で,中山池・殿川ダムを経て西流
する支流殿川を合せ池田湾に流入する伝法川の流域,四方指山北斜面の水を集
めて土庄町小海付近に河口を持つ橘川の流域,池田・内海両町の境界付近から
流出し池田町の中心部を流れて池田湾に流入する池田大川の流敵地田町の三部半島北部から流出し二面漁港付近で池田湾に流入する競川の流域,土庄町と
内海町の境界にある峻岨山南斜面の寒霞渓付近から流出し内海湾に流入する別 当川の流軌別当川の東方にあって屋ケ城山南斜面から流出し内海湾に流入する片城川・木庄川・安田大川の流域,屋ケ城山北斜面から流出し内海町の吉田漁
港に流入する苦馴lの流域,吉田川の南にある小流で同町の福田漁港北部に流
入する伊副tlの流軌屋ケ城山東斜面から流出し福田漁港に流入する森庄川の 流域などである。 図1 調査地域香川県小豆島における降水の流出量と貯水量に関する研究 133
2 調査地域の自然環境
(1)地形と地質 り 山 地 小豆島の最高峰屋ケ城山(8167m)から西へ三笠山を経て美しの原へ続く 山嶺の南側斜面は侵食が進み傾斜が急峻であって,集塊岩などの差別侵食で寒 霞渓では笥巌怪石の絶景をつくっている。山頂は狭い平坦面を残し,山体を刻 む谷はⅤ字型に深く掘り込み,谷壁には断崖や露岩が多く,溶岩に覆われてい る所では溶岩が造崖層を形成する。 低い山地には基盤である花崗岩頬が山頂まで露出する場合が多く,また山頂 部に溶岩や集塊岩などが存在することもある。≡都半島南部のように山頂部に 安山岩や玄武岩などの溶岩がかなり厚く存在する場合は侵食谷はあまり発達せ ず.概して平滑な山腹斜面を持つが,大深半島などのように花崗岩類だけから 成り,あるいは上に集塊岩などがある花崗岩類の山地・丘陵では小谷が発達し 複雑な地形を示している。 土庄町の伝法川北岸に臨む皇踏山(393.8m)は讃岐岩質安山岩で番われた 山頂平坦面をよく保存し,この東方には山頂部が集塊岩類から成る山地が続く。 皇踏山はおよそ海抜280m以上が讃岐岩質安山岩で,西南端の山頂部は急崖と なり,その他の山頂平均面の周囲は急斜面で囲まれている。山腹の花崗岩の部 分は下方はど緩傾斜で,西部の山鹿は小谷で刻まれている。池田町の三都半島にある段山(2079m)は,海抜100m以上が玄武岩で170
m以上の部分が山頂平坦面を形成する。玄武岩の下は薄い凝灰岩や礫岩を挟ん で花崗岩が露出している。また,西部中腹の富士峠以西の山嗜(138m)は海 抜100m以上に玄武岩をのせているが,頂部の平坦さが消失し高度も段山本体 より−・段低くなっている。 また,この南方にある白浜山(301.7m)は海抜およそ100m以上が玄武岩 であるが,山頂平坦面の面積が狭く台地状を成していない。 2)山麓台・上位台地 大深半島などにある山麓台は花崗岩から成り小谷で刻まれているが,小豆島高 桑 礼 134 東部ではその範囲が著しく狭い。
土庄町の鳥越岡南方の海抜180m付近で標高171mの三差路から滝宮の集落
へ通ずる道路の南側の小範囲に安山岩粗の円磯を含む地層が付着しているが, この露出は比高約3m,粗砂の偽層を持つ花崗岩賀粗砂の多い砂礫層で,礫の 粒径は10cm以下が多く著しく円化しており,′ト河川の河口付近に堆宿したもの らしい。この緩斜面は崖錐堆積物状の角礫を含む土砂で被覆され,その下には あまり団結していない第三系己層の堆積物がある。 3)下位台地 土圧町北部の尾形崎東部には上位台地の地形面より−・段低く,海抜40∼50m 付近に小平坦面が付着しているが,この地形面は隆起波食台らしく,花崗岩や 集塊岩起原のあまり陶汰されていない粗粒の亜角礫の多い砂礫層が存在する。 この地形面を下位台地とした。 三都半島南東部の谷尻・吉ノ浦付近には海抜40−50mの花崗岩が露出する台 地上に海食礫らしいやや円磨した偏平な礫が分布しており,岩石海岸の波打際 に近く海食崖に付着して,現在の海食台より2mほど高く侵食され残った隆起 海食台が広く存在するが,一地点における範囲が極めて狭い。 4)低 地 河川が短小で勾配が急であり河谷の各所に土石流堆積物が見られ,河川の下 流部に三剛、卜は判定できる地域は存在しない。また,扇状地は少ないが池田町 の大麻山南鹿には沖積経とした方が適切な急斜面の扇状地がある。 また,古文書・古地図などによるとこの地域では有史時代の過去において湾 奥部の海岸線は現在よりも内陸側へ入り込んでおり,河川の堆椿や人工の埋立 によってしだいに海岸線が海側へ進出していることがわかる。 ′卜豆島では古くから塩浜が開かれ,延宝7年(1679)の検地によると池田村7町6反5畝14歩,土庄村17町3反8畝10歩.渕崎村2町7反14歩.草加部
村16町3畝29歩など′ト豆島9村で塩浜反別57町9反7畝4歩であった。最盛期 の天保年間(1830年どろ)には150hnの塩田が存在したというが,明治38年 (1905)には39hα,昭和26年(1951)には16.4hαに減少し現在は稼動して いる塩田がない。香川県小豆島における降水の流出畳と貯水量に関する研究 155 (2)傾斜区分 400以上の急傾斜地は皇踏山溶岩台地の山頂平坦面の周辺部南側.伝法川南方 にある大麻山の山頂に近い北西および南東斜面.池田町と内海町の境にある段 山の山腹,碁石山の山頂部,寒霞渓付近から星ケ城山の南側山腹にかけての−・ 帯,大部港へそそぐ桂川の中流部沿岸の山腹,吉田川や森庄川中下流沿岸の山 腹,当浜川上流の水源地付近,岩谷北部の山頂付近などにまとまった分布があ る。また.三部半島西岸,内海町の東岸などの岩石海岸では海食崖が400以上 の急傾斜面を示している。 300以上400未満の地域は.大深山と高見山付近一層,皇踏山山腹,大麻山や 段山の山腹.白浜山の南側斜面,池田附から内海町にかけての山地の山腹斜面, 土庄町北東部の橘川や桂川・東川などの沿岸にある山地や銚子渓付近の山地な どに広く分布している。 200以上300未満の地域は大深山南部と東麓,池田町の飛岬付近から三都半島 にかけての山麓部,内海町の飯神山付近,別当ノーl西岸の山腹,苗羽・芦浦から 瀬戸にかけての山麓部,田浦付近,千羽ケ嶽の北部,安田付近の山腹,星ケ城 山南側と北側斜面の一部などにまとまった分布があるはか各地の山腹斜面に散 在している。 150以上200未満の地域は大麻山の山頂と南麓部,伝法川上流沿岸,小江付近, 百島付近・,池田町北部にある段山の山頂部,寒霞棋の南側斜面,美しの原周辺 の山腹斜面,星ケ城・三笠山の北斜面,吉田川の上流沿岸などにまとまった分 布がある。 80以上150未満の地域は大深山北麓,皇踏山の山頂部と南麓,土庄町北西部 にある上位台地・山麓台の一帯,池田町北東部の段山山頂部と南麓,寒霞渓南 麓,苗羽付近,美しの原付近−・帯.′ト豆島ゴルフ場付近.星ケ城山や三笠山の 山頂部,吉田川上流の平間付近などに分布する。 30以上80未満の地域は島周辺の湾頭にある低地.土庄町北西部の上位台地 の各所.皇踏山や三部半島の段山の山頂部,池田町の岡条付近,内海湾へそそ ぐ諸河川中流沿岸などに散在している。 30未満の緩傾斜の地域は土庄港付近.伝法川沿岸,池田湾・内海湾 へ流入す
高 桑 糸L 156 る諸河川の沿岸,桶川・桂川・東川などの下流部沿岸などにある低地一層に分 布している。 (3)水系・谷密度 本島の主要河川は星ケ城山から美しの原へ・続く山頂部を中心として放射状に 流出している。西流する伝法川が最も長大で,北流するものには土庄町北東部 の桶川・桂川・東川,東流するものには内海町東部の吉田川・森庄川・当浜川 ・城石川・桶川,商流して内海湾に流入する河川には別当川・片1城川・木庄川 ・安田大川などがある。また,南西流して池田湾へそそぐ河川には池田大川・ 豊栄川・競川などがあり,大深半島では大深山を中心に桂川・千軒川・柳川・ 畝木川などが放射状に流れている。 谷密度の低い地域は皇踏山・白浜山・段山および美しの原から星ケ城山へか けての山頂部のように,讃岐岩質安山岩や玄武岩・輝石安山岩などの溶岩が山 頂部にある山地,土庄町北西部の上位台地・山麓台などである。 谷密度の高い地域は各山地の中腹部,とくに大深山付近,池田町北東部,段 山の南西および南東の山腹斜面,片城川・安田大川の上流部沿岸など花崗岩類 の卓越する山地に顕著に見られる。 (4)土 壌 香川県土地分輯基本調査総括報告書によると本地域における山地・丘陵地の 土壌は黄褐系の乾性褐色森林土壌が64%でもっとも多く,次いで乾性褐色森林 土壌が28%,残積性未熟土壌が5%,褐色森林土壌が3%の順位に分布してい る。 黄褐系の乾性褐色森林土壌は太地域の花崗岩地帯に広く分布し,尾根や山腹 斜面の大部分を占める乾性土壌である。土層は浅く細礫に富み,砂賀で,未熟 土的な様相が強く,マツの天然林が多いが,生育はきわめて不良である。 乾性褐色森林土壌は花崗岩類の上部を覆う安山岩類や凝灰宕類を母材とするも のと崖錐砕屑物を母材とするものとがある。前者は本地域の山頂部および山腹 斜面に広く分布する乾性土壌で,土層は−・般に浅く,A層の形成ほ貧弱である。
香川県小豆島における降水の流出量と貯水畠に関する研究 137 B層は有機物含量が少ないが,彩度は低いものが多い。主として生育不良なア カマツ,クロマツの天然林である。しかし四方指山地,星ケ城山地の緩傾斜面 では土層が比較的深く,ヒノキの造林地として利用されている。後者は皇踏山 地と四方指山地の−−・部の下部傾斜面に分布する。15cm前後のA層が形成され, B層は一般に堅密で角礫にすこぶる富む壌質土壌で,マツおよび広葉樹の天然 林であるが,生育ほよくない。 残積性未熟土壌は主として花崗岩を母材とする海岸近くの低山地に多く,安 山岩頬を母材とする地域の尾根にもかなり出現し,マツ疎林で,生育は劣悪で ある。 褐色森林土壌は乾性褐色森林土壌と同じ地域に分布し.匹】方指山地および星ケ 城山地では谷斜面から山腹斜面にわたって比較的広範囲に出現する。ヒノキの 造林地として利用され,生育は良好である。 台地・低地の土壌は黄色土壌が68%でもっとも多く,次いで褐色低地土壌が 8%,グライ土壌が5%,細粒褐色低地土壌,粗粒褐色低地土壌,細粒灰色低 地土壌が各3%占め,黄色土壌以外は水田として利用されている。 黄色土壌はすべてが果樹園または普通畑として利用され,断面の主要土層が 粘質なもの,壌質なもの,礫層が出現するものに区分される。 主要土層が枯質なものは黒岩・大沢・滝宮などや北西部の集塊岩の崖錐地帯 や花崗岩質砂と石英質の細粒砂やシルトの地域に分希し,黄色土壌の申で37% を占める。壌質なものは主として花崗岩を母材とする残積性または崩構性土壌 で,土層が比較的厚く,礫に富んでいる。本地域の山麓傾斜面または台地に出 現し,黄色土壌の中でもっとも分布面積が多く,56%を占め,生産性は中位で ある。礫層が出現するものは主として土庄町鹿島の花崗岩地帯.池田町中山の 集塊岩地帯に分布するが.内海町坂手の凝灰岩,角礫凝灰岩や閃緑岩地帯にも 分布が見られ,黄色土壌の申で7%を占める。この土壌は有効土層が浅く,干 ばつの被害を受けやすく,生産性は低位である。これらの黄色土壌は30似下の 傾斜地に78%,300以上の急傾斜地に22%が分布する。
高 桑 糸L 138 3 集水区の区分 伝法川においては,水流の最上流部にある伝法ダムの集水地域を伝法夕∼ム集 水区(Dl区),伝法ダムより下流で支流殿川との合流点までの流域を大択集水 区(D2区),殿川の上流部にある殿川ダムの集水地域を殿川ダム集水区(D3 区),殿川ダムより下流の合流点までの殿川流域を殿川集水区(D4区),本流の 最下流部である殿Jlはの合流点より下流の本流流域を黒岩集水区(D5区)と した。 橋川においては,上流部の橘ダムの集水地域を橘ダム集水区(Tl区).橘ダ ムより下流の流域を橘川集水区(T2区)とした。 池田大川では,上流部の池田ダムの集水地域を池田ダム集水区(Il区).池 田ダム地点より下流の流域を池田大川集水区(Ⅰ2区)とした。 境川では全流域を競川集水区(Kl区)とした。 図2 橋川・伝法川の集水区と主要貯水池
香川県小豆島における降水の流出量と貯水量に関する研究 139 別当川では上流部の内海ダムの集水地域を内海ダム集水区(Bl区),内海ダ ムより下流の流域を別当川集水区(B2区)とした。 片城川では全流域を片城川集水区(Hl区)とした。 木庄川でも全流域を木庄川集水区(Knl区)とした。 安田大川では粟地ダムの集水地域を粟地ダム集水区(Yl区),粟地ダムより 下流の流域を安田大川集水区(Y2区)とした。 吉田川では吉田ダムの集水地域を吉田ダム集水区(Ⅵ1区),吉田ダム地点よ り下流の流域を吉田川集水区(Ys2区)とした。 伊豆川では全流域を伊豆川集水区(Izl区)とした。 森庄川では森庄ダムの集水地域を森庄ダム集水区(Ml区),森庄ダム地点よ り下流の流域を森庄川集水区(M2区)とした。
4 流出率の算定
この地域で長期にわたる降水量と流入量の観測を実施している別当川上流の 内海ダムについて.昭和44年から53年までの観測値を流出率の算定に使用する0 日観測値を積算した内海ダムの月降水量と月流入量の借は表1,2に示してある0 内海ダムにおける10年間の平均降水量1,307。1Ⅲmであるが,年降水量の最大値は昭和51年の2,223mmで,50年の1.479皿mと45年の1.430mmがこれに次ぎ,
最小値は53年の729mmで,48年の967mmと52年の1,064mmがこれに次いでいる0
10年間の月別平均降水量の最大イ酎ま9月の2685mmで,6月の1783mmと8
月の175..Ommがこれに続き,最小値は12月の384mmで,1月の412mmと2月の
493皿mがこれに続くのである。 内海ダムにおける10年間の地域降水鼻に対する地域流出量の百分比である流出率は6260%で.その月別流出率の最大値は1月の10407%で,9月の8818
%と7月の7241%がこれに次ぎ,最小値は10月の2892%で,12月の30−54%
と8月の4048%がこれに続いている。 本報告では,前回秤告した本県東部及び中部の流出率に従って,年流出率と して45%を採用し,参考として50%の場合と60%の場合についても計算するこ とにした。町ミ 田 匹 勺一 しっ くj⊃ 亡・・− ∝〉 田 く> 田 克
︵怠\篭︶嘲Y梶可h嬢置 N雅
香川県小豆島における降水の流出量と貯水量に関する研究 141 表3 内海ダム流出率計算値 月 内海ダム流入量 地域流出量 降水量 地域降水量 流出率 (ポ 山) mm) 適) ) /秒) し ( ( (%
1.861
160,790
412
154,500 104い07 20,981
84,158
493
184,875 45.52 31,440
124,4ユ6529
198,375 62.72 43,273
282,787
1129
423,375 66り79 51,561
134,870
867
325,125 41..48 65,379
464,746
1783
668,625 69“51 74,450
384,480
141.6
531,000 72u41
83,075
265,680
1750
656,250 40u48
910,276
887,846
2685 1,006,875 88ひ1810
1,235
106,704
984
369,000 28..921,479
127,786
638
239,250 53一.4112
0,509
43,978
384
144,000 30.54 計 35,519 3,068,241 1307,0 4,901,250 62.605 各水系の貯水率
(1)伝法川水系 伝法川水系で,年平均降水量を1.200mm,流出率を45%とした場合,全集水 面積1.845hαに27個の地が計1.429,440nfの貯水量を持ち.その貯水率は14り35 %に当たる。 殿川合流点より上流部では,集水面椿1.303hαで,殿川ダムなど12個の池が 1.397,900rばを貯水し,貯水率は1987%である。 集水区別で見ると,もっとも貯水率の高いのは殿川ダム集水区(D3区)の4854%で,大択集水区(D2区)の179%がこれに次いでいる。
貯水率がもっとも少ないのは殿川集水区(D4区)014%で.伝法川集水区 (Dl区)の083%がこれに次いでいる。高 桑 札 表4 伝法川水系の貯水率 142 集水区 (Ⅴ) (P) 面積 貯水 流路延長 貯水量計 降 水 藍 流 出 爵 流出畠 貯水率 番 号 池数 (R) ー・貯水鼻 形良×100) %
Dl hα 2 血 同 同 同 同 299 144 13,400 3,588,000 1,614,600 1,601,200 083
D2 202 3 261 19,500 2,424,000 1,090,800 1,071,300 179 D3 520 4 178 1,362,900 6,240,000 2,808,000 1,445,100 4854D4 282 3 274 2,100 3,384,000 1,522,800 1,520,700 014
D5 542 15371 31,540 6,504,000 2,926,800 2,895,260 108
計 1,845 27 777 1,429,440 22,140,000 9,963,000 8,5331560 1435 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 監 流出蔓 貯 水 率 流 出 量 流出量 貯 水 率 番 号 (R) 一貯水藍 (Ⅴ収×100) (R) 一貯水監 (Ⅴ収×100) 戒 % % Dl 075 2,152,800 2,139,400 062 D2 1,212,000 1,192,5α) 161 1,454,400 1,4乳900 134 D3 3,120,∞0 1,757,100 4368 3,744,000 2,381,100 3640 D4 16,920,000 16,917,900 001 2,030,400 2,028,300 010 D5 3,252,000 3,220,460 097 3,902,400 3,870,860 0β1 計 26,298,∞0 24,868,560 544 13,284,000 11,拓4,560 1076 (2)橋川水系 橘川水系では,集水面椿が698hαで2個の貯水池が123,500dの貯水量を持 ち,その貯水率は328%である。 集水区別に見ると,上流部の橘ダム集水区(Tl区)の集水面椿は459hαで2 個の貯水池に123,500汀ぎを貯水し貯水率は498%で,下流部の橘川集水区(T 2区)では貯水池はなく,貯水率は0%である。香川県小豆島における降水の流出盛と貯水畳に関する研究 Ⅰ45 表5 橋川水系の貯水率 T2 239 0 149 0 2,868,000 1,290,600 1,290,600 0 計 698 2 299 123,500 8,376,000 3,769,200 3,645,700 328 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 鼻 流出量 貯 水 率 流 出 鼻 流出鼻 貯 水 率 番 号 (R) 一貯水量 (VRX100) (R) ー貯水藍 (Ⅴ//寵×100) 戒 % 正 % Tl 448 3,304,800 3,181,300 374 Tヱ 1,434.000 1,434,000 0 1,720,800 1,720,800 0 計 4,188,000 4,064,500 295 5,025,600 4,902,100 246 (3)池田大川水系 池田大ノけ水系では,集水面積は766hαで6個の貯水池が計108.500ポの貯水 景を持ち,貯水率は2…62%に当たる。 集水区別に見ると,上流部の池田ダム集水区(Il区)は集水面積が229hαで 1個の貯水池が5,000ポを貯水するが,貯水率は040%であり,下流部の池田 大川集水区(Ⅰ2区)は集水面積が537hqで5個の貯水池が103,500工ばを貯水し, 貯水率は357%である。 (4)競川水系 全流域を1集水区(Kl区)とする競川水系の集水面積は197厄で,3個の貯 水池が13,300rばを貯水し.その貯水率は125%である。
高 桑 144
香川県小豆島における降水の流出量と貯水量に関する研究 145 表6 池田大川水系の貯水率 集水区 面積 貯水 流路延長 貯水鼠討 降 水 最 流 出 鼻 流出爵 貯水率 番 号 池数 (Ⅴ) (P) (R) 一貯水畳 峨×10n) 皿 h(L ロ 056 5,000 2,748,000 1,236,600 1,231,600 040 km 正 % I2 537 5 478 103,500 6,444,000 2,899,800 2,796,300 3小57 計 766 6 534 108,500 9,192,000 4,136,400 4,027,900 262 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 鼻 流出量 貯 水 率 流 出 量 流出量 貯 水 率 番 号 (R) 一貯水鼠 (Ⅴ収×100) (R) ー貯水鼻 (lう兎×100) 正 % % 皿 036 1,648,800 1,643,800 030 3,222,000 3,118,500 3亘21 3,866,400 3,762,900 2.68 計 4,596,000 4,487,500 236 5,515,200 5,406,700 197 表7 競Jtl水系の貯水率 集水区 面積 貯水 流路延長 貯水鼠計 降 水 量 流 出鼻 流出盈 貯水率 番 号 池数 (Ⅴ) (P) (R) 一貯水盈 (\掩×l00) hq km 粛 %
Kl 3
164 13,300 2,364,000 1,063,800 1,050,500 1.25 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 量 流出量 貯 水 率 流 出 最 流出畳 貯 水 率 番 号 (R) ー貯水量 (\シ象×100) (R) ー貯水鼻 (1う兎×100) 戚 % 正 %Kl
113 1,418,400 1,405,100 094 (引 別当Jll水系 別当川水系の集水面帯は877hqで11個の貯水池が計219,500Ⅱデを貯水し,貯 水率は4“63%である。 集水区別に見ると.上流部の内海ダム集水区(Bl区)は,集水面積が375hα高 桑 札 146 で5個の貯水池が203.000Ⅱぎの貯水量を持ち.貯水率は1002%に相当し,下 流部の別当川集水区(B2区)の集水面椿は502hαで6個の貯水池が計16,幻0Ⅰば を貯水するが,貯水率は061%にすぎない。 表8 別当川水系の貯水率 集水区 面積 貯水 貯水量計 降 水 鼻 流出 爵 流出最 貯水率 番号 池数 流路延長 (Ⅴ) (P) (R) ・一貯水盈 (Ⅴ佃×1(旧) hα km 適 %
Bl 5
138 203,000 4,500,000 2,025,000 1,822,000 10.02 B2 502 6 218 16,500 6,024.000 2,710,800 2,694,300 061 計 877 356 219,500 10,524,000 4.735,80P 4,516,300 463 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 盈 貯 水 率 番 号 (R) 流出畠 貯 水 率 流 出 鼻 流出鼻 一貯水量 (Ⅴ収×100) (R) 一貯 水量 (1ク兎×100) 戒 % 戚 撼 %Bl 2,250,000 2,047,000
9.02 2,700,000 2,497,000 752 B2 3,012,000 2,995,500 055 3,614,400 3,597,900 0.46 計 5,262,000 5,042,500 417 6,314,400 6,094,900 3小48 ㈲ 片城川水系 全流域を1つの集水区(Hl区)とする片城川水系の集水面積は273hqで2個 の貯水池が16,000dを貯水し.貯水率はLO9%である。 表9 片城川水系の貯水率 集水区 貯水 貯水鼠計 降 水 鼠 流出 二級 流出鼻 貯水率 面積 流路延長 番 号 池数 (Ⅴ) (P) (R) ー貯水鼻 岬l00) km d %Hl hG 2
313 16,000 3,276,000 1,474,200 1,458,200 109 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 鼠 流出量 貯 水 率 流 出 鼠 流出鼠 貯 水 率 番 号 (R) 一貯水鼻 (Ⅴ兎×100) (R) 一貯水藍 (VRXlOO)%
%Hl
098 1,965600 1,949,600 081香川県小豆島における降水の流出量と貯水量に関する研究 147 図4 別当川・片城川・木庄川・安田大川の幸水区と主要貯水池 (7)木庄川水系 余所域を1つの集水区(Knl区)とする木庄川水系の集水面積は126hαで2個 の貯水池が44,100dを貯水し,貯水率は648%に相当する。 表10 木庄川水系の貯水率 集水区 面積 貯水 貯水愚計! 降 水 毘 流出鼻 流出盟 貯水率 番 号 池数 旅路延長 (Ⅴ) (P) (R) 一貯水鼻 鴨×朋 hα km 3 m d 正 虚 %
Knl 2 126
144 44,100 1,512,000 680,400 餌6,300 648高 桑 乱 流出率50%の場合 流出率60%の場合 148 集水区 流 出 て語 流出量 貯 水 率ぎ 流 出 鼠 川 流出鼠 貯 水 率 番 号 (R) 一貯水鼻 (Ⅴ兎×100) (R) 一貯水量 (VkxlnO) 撼 適 % %
Knl
583 907,200 863,100 486 (81安田大Jけ水系安田大川水系の集水面積は658hαで8個の貯水池が計976,500Ⅰばを貯水し,
貯水率は2748%である。集水区別に見ると,上流部の粟地ダム集水区(Yl区)の集水面棒は272厄で
2個の貯水池が873,000Ⅰゴを貯水し,貯水率は5944%に達しており,下流部の安
田大川集水区(Y2区)の集水面積は386hαで6個の貯水池が103,500rばを貯水
し.貯水率は4.97%である。 表11安田大川水系の貯水率集水区 面積 貯水
貯水星討 降 水 鼠 流 出 鼠 貯水率 (Ⅴ) (P) hα km 戚 d %Yl 2 05 272 873,000 3,264,000 1,468,800 595,800 5944
Y2 386 6 178 103,500 4,632,000 2,084,400 1,980,900 497 計 658 8 233 976,500 7,896,000 3,553,200 2,576,700 2748 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 鼻 流出昆 貯 水 率 流 出 鼻 流出鼻 貯 水 率 番 号 (R) 一貯水鼠 (Ⅴ収×100) (R) 一貯水鼠 (VRXlOO) d % ボ !淫 %Yl 1,632,000 759,000
5349 1,958,400 1,085,400 4458 Y2 2,316,000 2,212,500 4−47 2,779,200 2,675,700 372 計 3,948,000 2,971,500 2473 4,737,600 3,761,100 2061 (9)吉田川水系 吉田ノーl水系の集水面積は609hαで,2個の貯水池に115.000Ⅰガを貯水し,貯 水率は350%である。 上流部の吉田ダム集水区(Ysl区)の集水面積は492hαで2個の貯水池が香川県小豆島における降水の流出量と貯水量に関する研究
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115,000rばを貯水し,その貯水率は4..33%であるが,下流部の吉田川集水区(Ys 2区)には貯水池がない。 表12 吉田川水系の貯水率 集水区 面積 貯水 流路延長 貯水盈討 降 水 畳 流 出 量 流出盛 貯水畳 番 号 池数 (Ⅴ) (P) (R) 一貯水量 (1卿100 ) km 正 ポYsl h 2
% 279 115,000 5,904,000 2,656,800 2,541,800 433Ys2 117 0
143 0 1,404,000 631,800 631,800 0 計 609 2 422 115,000 7,308,000 3,288,600 3,173,600 3.50 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 景 流出量 貯 水 率 流 出 量 流出最 貯 水 率 番 号 (R) ー貯水鼻 (Ⅴ兎×10P) (R・・) 一貯水最 (Ⅴ収×100) % d%
Ysl
3.90 3,542,400 3,427,400325
Ys2 702,000 702,000 0 842,400 842,400 0 計 3,654,000 3,539,000 315 4,384,800 4,269,8002.62
(10)伊豆川水系 伊豆川水系は全流域を1つの集水区(Izl区)とするが,貯水池はない。 表13 伊豆川水系の貯水率 集水区 面積 貯水 流路延長 貯水鼻計 降 水 量 流 出 量 流出鼻 貯水率 号 池数 (Ⅴ) (P) (R)) 一貯水量 (∇R渕00) hα km 戚 正%
Izl 0
084 0 1,872,000 842,400 842,400 0 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 量 流出藍 貯 水 率 流 出 鼠 流出昆 貯 水 率 番 号 (R) 一貯水鼻 (l掩×100) (R) ー貯水鼠 (Ⅴ収×100) % 正 %Izl 田 田
0 1,123,200 1,123,200 0高 桑 糸L 150 (川 森庄川水系 森庄川水系の集水面積は,365hGで上流部の森庄ダム集水区(Ml区)と下流 部の森庄川集水区(M2区)に分けられるが,いずれも貯水池は造られていない。 表14 森庄川水系の貯水率 集水区 面積 貯水 流路延長 貯水量計 降 水 鼻 流 出 鼻 流出盈 貯水率 番 号 池数 (Ⅴ) (P) (R) 一貯水量 WlOO) km 撼 適 ポ %
Ml h 0
208 0 3,780,000 1,701,000 1,701,000 0 M2 50 0 068 0 600,000 270,000 270,000 0 計 365 0 276 0 4,380,000 1,971,000 1,971,000 0 流出率50%の場合 流出率60%の場合 集水区 流 出 爵 流出盈 貯 水 率 流 出 畠 流出鼻 貯 水 率 番 号 (R) ー貯水最 (1う兎×100) (R) 一貯水量 (1掩×100) ボ % 戚 正 %Ml 1,890,000 1,890,000
0 2,268,000 2,268,000 0 M2 300,000 300,000 0 360,000 360,000 0 計 2,190,000 2,190,000 0 2,628,000 2,628,000 06 各水系の集水区における貯水率の比較
この地域における全水系の集水面横の合計は6.570hα,貯水池数の合計は63 個,その貯水量の総計は3,045,840航年平均降水量の総計は78,840,000Ⅰ迂,同 流出量の総計は35,478,000rば,総流出量から貯水池の総貯水量を除いた数値は32,432,160d,貯水率の平均は859%となる。
貯水率のもっとも高い水系は粟地ダムのある安田大Jtlで27.亜%に達し,伝法 川の14.35%,木庄川の648%,別当川の4.63%がこれに次いでいる。 また,貯水率が0%である水利未開発水系は伊豆川と森庄川である。 集水区別に見ると,貯水率のもっとも高い集水区は安田大ノ什水系の粟地ダム 集水区(Yl区)が59.44%で,伝法川水系の殿川ダム集水区(D3区)の4854%, 別当川水系の内海ダム集水区(Bl区)の1002%がこれに次いでいる。 貯水率が0%である水利未開発地域は桶川の楢川集水区(T2区),吉田川の香川県小豆島における降水の流出盈と貯水量に関する研究
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⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ 出 喋 − N ∑∑ ⊂⊃ ⊂⊃ 1【J lUl 塾 N ト・−1 ⊂⊃ 凶 d⊂⊃ Ln くYつ 正 に ∽ ∽ 〉→ >一 寸 卜 寸 の 等 田 トー 監 尉 >一 >→ 0〇 (:亡〉 てr く⊂〉 田 くエ〉 出 1く 仁 出 ⊂=〉 ▼・・・」 琴 肇 ま⊂ N ▼・・・■ ⊂⊃(⊂〉 那 dd 臼(.⊂〉 巳
・・・・・一 N □で 亡日 出 uつ uつ 劉 ▼・−■ ▼・・・」 服 ⊂⊃ 卜 寸 の U⊃ 束 ヨ 費 0〇 0〇 凶 d⊂⊃ 蟹 ぐつ の 寸 く卜 uつ Uつ ●● ●● 田 ご⊥享=一 田 ▼・・・■ 避 題 − Cヾl+○仁 ・匂・ の 白(⊃〔⊃ ⊂〕⊂ 題 蟹 ︵祁聾Q説等敬重寓言己00NJ曲者改姓︶撒鴬屯e礁嘗ゆ昭む鴇り︼亜偶与 ≡悩 ︵訳︶隠者蛮e凶鴬≠機鴬噴昭士視り︼亜囲与 ¢l礪高 桑 礼 152 吉田川集水区(Ys2区)及び伊豆川の伊豆川集水区(Izl区),森庄川の森庄ダ ム集水区(Ml区).森庄川集水区(M2区)などである。 文 献・資 料 高桑 札(1954):阿讃山地北辞の侵蝕面,香川大学学芸学部研究報告第1部4号 高桑 軋(1963):阿讃山地のpitching的曲隆に関する地形学的研究,香川大学学芸学 部研究報告第1部16弓 高桑 乱(1964):小豆島の水資源,地理学研究(香川大学)13号 土庄町(1967):土庄町ため池台帳 池田町(1967):池田町ため池台帳 内海間(1967):内海町ため池台帳 香川県(1969∼78):内海ダム管理年表 香川大学教育学部地理学研究室(1972):香川の地理 香川県(1974):台風8号による集中豪雨災害概要 香川県(1975):小豆島観光開発地域土地分類基本調査 高桑 礼(1976):香川の自然と災害,瀬戸内出版株式会社 い香川県(1976):台風17号による災害概要 高桑 礼(1977):′ト豆島の地形と災害,香川大学教育学部研究報告第1部42号 香川県(1977):香川県土地分類基本調査総括報告書 高桑 札(1980):香川県東部における降水の流出鼻と貯水池の貯水鼻に関する研究,香 川大学一般教育研究第17号 高桑 礼(1980):香川県中部における降水の流出鼻と貯水鼠に関する研究,香川大学−・ 般教育研究第18号 高桑 礼(1983):香川県西部における降水の流出鼻と貯水鼻に関する研究,香川大学−・ 般教育研究第別号