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1. 消費 ( 需要 ) 動向 (1) 成人 1 人当たりの年間酒類消費量の推移まず初めに 各酒類の年間消費量の推移を概観する ここでは 年度間の人口増減や少子高齢化などによる成人人口の変化も考慮するために 成人 1 人当たりの年間消費量に着目している 日本人の成人 1 人当たりの年間酒類消費量は

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2014 年 3 月 12 日 日本銀行鹿児島支店 焼酎業界の現状と課題(上) ~近年の国内における需給動向~ 焼酎は南九州の食文化と深く結び付くと同時に、焼酎業界は鹿児島、宮崎両 県の製造業の中で重要な位置を占めている1。同業界は、第3次焼酎ブーム(00 ~04 年)における需要の急拡大を経験したが、ブーム終焉後は、若年層の酒離 れ等から県内の製成数量(生産量)は減少に転じている。 今回の「かごしま、みやざきノート」では、①近年を中心に国内における焼 酎の需給動向と課題、②焼酎の価格動向、③焼酎業界の海外展開について取り 纏めており、このうち上巻では①を取り上げる。 <概要> 【焼酎の消費(需要)動向】  焼酎の成人一人当たりの消費量は、焼酎ブームの際に大きく伸びて、清酒 を追い抜いたが、ここ数年間は概ね横ばいで推移している。  先行きの需要動向を展望すると、①コアの男性中高年層を大切にしつつ、 酒離れやより軽いお酒へのシフトが進む若い世代の需要をどのように喚起す るのか、②近年本格焼酎の消費が伸びている関東以北での需要をいかにして さらに開拓していくか、などが課題となろう。 【焼酎の生産(供給)動向】  本格焼酎2の製成数量(生産量)を都道府県別にみると、焼酎ブーム以降の 芋焼酎の消費の伸びを主因に、鹿児島、宮崎両県が 1 位、2位を占めている。 こうした中、焼酎用さつま芋の生産量をみると、焼酎ブーム時に大幅に伸 びた後、ここ数年は天候不順による不作もあって伸び悩んでいる。高齢化に よる生産農家の担い手不足等の問題もあり、今後、国内外の需要喚起に成功 した場合、原料芋の安定供給が課題となる可能性がある。  酒造メーカーや農業事業者など関係者が一体となり、農家の高齢化対策な どに向けた取組みを進めていくことが期待される。 1 品目別の製造品出荷額(10 年)をみると、「焼ちゅう」は鹿児島県で第3位の 1,260 億円、 宮崎県で第1位の 963 億円を占めており、基幹産業のひとつとなっている。 2 焼酎は、旧甲類焼酎と本格焼酎の2種類に大別でき、鹿児島、宮崎両県では主に後者の本 格焼酎を生産している(詳細は4頁参照)。 この公表資料は当店ホームページに掲載しています。 ホームページアドレス http://www3.boj.or.jp/kagoshima/

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1.消費(需要)動向 (1)成人1人当たりの年間酒類消費量の推移 まず初めに、各酒類の年間消費量の推移を概観する。ここでは、年度間の人 口増減や少子高齢化などによる成人人口の変化も考慮するために、成人1人当 たりの年間消費量に着目している。 日本人の成人1人当たりの年間酒類消費量は、90 年代初頭にピーク(92 年度、 100.9 リットル)を迎えた後、景気の長期低迷や嗜好の変化などを背景に減少し てきていた。但し、近年は、景気の緩やかな回復や、各メーカーの努力もあっ て、10 年度を底に、減少傾向に下げ止まりの動きが窺われる(10 年度→12 年度、 81.0 リットル→81.4 リットル)。 酒類別にみると、90 年代後半以降、ビール類や清酒の消費量が減少する一方、 梅酒、カクテル、チューハイ等の消費量は増加傾向にある。この間、焼酎(本 格焼酎+旧甲類焼酎)の消費量は、第2次ブーム(82~84 年)と第3次ブーム (00~04 年)3の際に、消費量が大きく伸びて清酒を追い抜いたが、近年は概ね 横ばい傾向にある(図表1)。 (図表 1)年間酒類消費量の推移(成人1人当たり) (注)グラフ中の数字は、お酒の消費量全体に占める酒類別のシェアを表す。 ▽年間酒類消費量の推移(成人1人当たり、シェア) 3 一般的に、お湯割りが注目された 70 年代を第1次焼酎ブーム、「缶チューハイ」等が登場 した 82~84 年頃を第2次焼酎ブーム、本格焼酎が全国的に飲まれるようになった 00~04 年を第3次焼酎ブームと整理することが多い。 (出所)国税庁 HP「酒税課税関係統計資料」、 総務省統計局「人口推計」から日本銀行鹿児島 支店が作成 59 66 72 55 33 31 4 4 6 8 11 11 4 21 23 31 23 15 10 7 7 0 20 40 60 80 100 120 140 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2012 その他 ワイン ウイスキー・ブランデー 清酒 梅酒、カクテル、チューハイ等 焼酎 第3のビール等 発泡酒 ビール 単位:リットル 年度 ビール 発泡酒 ビール等第3の ブランデーウイスキー ワイン 1970 59.4 0.0 4.1 0.3 31.3 2.7 0.7 1.6 100.0 1975 62.5 0.0 3.2 0.3 28.0 4.0 0.8 1.2 100.0 1980 65.8 0.0 3.6 0.3 22.6 5.4 1.0 1.4 100.0 1985 65.2 0.1 0.1 8.2 1.1 18.4 4.0 1.1 1.8 100.0 1990 71.5 0.0 0.1 5.8 1.4 15.2 2.8 1.5 1.7 100.0 1995 70.2 2.0 0.2 6.7 2.3 13.1 2.0 1.6 1.8 100.0 2000 54.5 16.5 0.2 7.7 4.0 10.3 1.5 3.0 2.3 100.0 2005 37.8 18.6 10.0 11.1 8.2 8.0 1.0 2.7 2.6 100.0 2010 32.5 11.1 9.5 10.8 20.6 6.9 1.2 3.2 4.2 100.0 2012 31.4 9.1 9.0 10.6 23.1 6.9 1.2 3.9 4.6 100.0 ビール類 焼酎 梅酒、カクテル 清酒 チューハイ等 洋酒類 計 その他 (単位:%) 第2次 焼酎ブーム 第3次 焼酎ブーム 若年層における梅酒、カクテル、チューハイ人気の影響

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(2)男女別および世代別の酒類消費動向 続いて、男女別の酒類消費動向をアンケート調査の結果を通じて見てみると、 男女共、ビール類を飲む人が最も多い。その一方、男性は次に焼酎や清酒を好 むのに対して、女性は梅酒、カクテル、チューハイやワインを好む傾向にある。 世代別では、梅酒、カクテル、チューハイの飲酒は 20 代、30 代が中心となっ ており、世代が上昇するにつれて減少している。一方、男女ともに若年層ほど そもそもお酒を飲まない割合が多い。 この間、焼酎は男性中高年層では半数以上の人が飲み、根強い人気があるほ か、男性 20~30 代でも比較的好まれている。また、男性と比べ女性の焼酎人気 は低いが、清酒やウイスキー類より飲む人の割合は多く、相対的にみれば善戦 しているともいえる(図表2)。 先行きを展望した場合、焼酎業界としては、コアのファンである男性中高年 層を大切にすることによって、当面の間は一定の需要が見込めると考えられる。 しかし、より長い目でみると、嗜好の変化が著しい若い世代を引きつける魅力 のある焼酎や飲み方を提案していくことが必要となろう。昨年、鹿児島県では 県内の蔵元数社が統一ブランドをつくり、若者や女性が飲みやすいようアルコ ール度数を低めに設定した焼酎を販売し、目標を大きく上回る売り上げを実現 したが、こうした取り組みの継続が大切であろう。 (図表2)男女別、世代別消費動向 ▽調査期間中に飲酒したお酒の酒類 (出所)酒類総合研究所「酒類に関する国民ニーズ調査(2008 年)」 (注)調査期間中(2008 年 2/21~2/28)の飲酒状況。複数回答を認めているため、合計は 100 とならない。 <焼酎の消費特徴> ◆男性中高年層で根強 い人気がある。 ◆男性 20~30 代でも比 較的好まれている。 ◆男性と比べ、女性の 焼酎人気は低いが、 清酒やウイスキー類より は飲まれている。 (単位:%) 20代 68.1 34.1 41.8 19.2 34.4 20.1 15.5 14.6 10.5 30代 65.9 43.8 31.5 22.0 42.3 18.1 19.8 10.9 6.2 40代 66.9 48.0 23.3 30.3 52.2 23.9 22.5 9.8 4.0 50代以上 69.6 40.8 9.6 47.6 63.7 30.7 24.2 6.2 0.6 男性計 67.4 42.6 26.4 29.3 48.3 22.9 20.8 10.3 5.2 20代 42.3 24.5 59.9 13.2 22.6 6.3 25.4 17.9 13.5 30代 49.1 39.8 45.0 10.5 19.3 5.3 24.2 12.9 12.1 40代 52.0 40.9 41.9 16.0 25.9 5.5 34.2 12.6 4.7 50代以上 59.4 34.8 24.9 30.4 27.3 14.3 36.2 11.6 4.4 女性計 50.5 36.2 43.3 16.4 23.5 7.2 29.8 13.6 8.7 飲んで いない 清酒 焼酎 ウイスキーブランデー ワイン その他 ビール 発泡酒 梅酒、カクテルチューハイ等 男性 女性 20代 ビール 梅酒、カクテル チューハイ等 焼酎 発泡酒 ウイスキー ブランデー 30代 ビール 発泡酒 焼酎 梅酒、カクテル チューハイ等 清酒 40代 ビール 焼酎 発泡酒 清酒 ウイスキーブランデー 50代以上 ビール 焼酎 清酒 発泡酒 ウイスキーブランデー 男性計 ビール 焼酎 発泡酒 清酒 梅酒、カクテル チューハイ等 20代 梅酒、カクテル チューハイ等 ビール ワイン 発泡酒 焼酎 30代 ビール 梅酒、カクテル チューハイ等 発泡酒 ワイン 焼酎 40代 ビール 梅酒、カクテル チューハイ等 発泡酒 ワイン 焼酎 50代以上 ビール ワイン 発泡酒 清酒 焼酎 女性計 ビール 梅酒、カクテル チューハイ等 発泡酒 ワイン 焼酎 ビール 発泡酒 焼酎 梅酒、カクテルチューハイ等 ワイン 女性 合計 1位 2位 3位 男性 4位 5位

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(3)地域別にみた成人1人当たりの酒類消費量 続いて、消費動向をより詳細に把握するために、対象をビール、清酒、焼酎 に限定し、各酒類がどの地方で多く飲まれているかを見てみる。なお、焼酎に ついては、以下では、旧甲類焼酎(連続式蒸留焼酎)と本格焼酎(芋、麦、米、 その他の合計で単式蒸留焼酎<旧乙類>と呼ばれる)の2種類4に分類し、より 子細な分析を試みている。 地域別の酒類消費量をみると、ビールがどの地域でも満遍なく飲まれている のに対して、清酒と焼酎の消費は地域によって、ばらつきが大きいことが窺わ れる。これは、ビールが全国的に乾杯の際に飲まれる飲料や、夏場の飲料とし て定着している一方で、清酒や焼酎は古くから親しまれている酒類であるがゆ えに、各地域の風土や食文化などの影響を大きく受けていることが背景にある と考えられる。 大きくとらえると、消費量の大きさから、東日本を旧甲類焼酎圏、中部日本 を清酒圏、西日本を本格焼酎圏と、3つの地域に分類することができる。本格 焼酎は、焼酎ブームの際に、関東や関西などの大消費地などを含め消費量を伸 ばしたものの、四国以東では本格焼酎のシェアは依然低く、国内でさらに市場 開拓の余地が残っていると言える。特に、焼酎自体にはなじみのある関東以北 の地域で本格焼酎の良さがさらに受け入れられる余地はあるのではないだろう か(図表3)。 (図表3)地域別の酒類消費量(成人1人当たり、2012 年度) (出所)日本政策投資銀行南九州支店「焼酎と経済(2002)」を参考に、国税庁 HP「酒税課税関係統計資料」、 総務省統計局「人口推計」から日本銀行鹿児島支店が作成 4焼酎は蒸留方法の違いから、単式蒸留焼酎(旧乙類焼酎)と連続式蒸留焼酎(旧甲類焼酎) に分けられる。単式蒸留焼酎は、71 年に「本格焼酎」の呼称が法令上採用され普及している (法令等では「本格しょうちゅう」とかな表記)。 0 5 10 15 20 25 30 35 九州 南部 九州 北部 中国 四国 関西 北陸 東海 東京 関東 甲信越 東北 北海道 清酒 旧甲類焼酎 本格焼酎(2012年度) ビール 本格焼酎(2000年度) 単位:リットル 清酒圏 旧甲類焼酎圏 本格焼酎圏

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(4)「本格焼酎前線」の動向 上述のように、焼酎は蒸留方法の違いから2種類に大別できるが、焼酎業界 では、本格焼酎消費量と旧甲類焼酎消費量の比の値が1に等しい地域を「本格 焼酎前線」と呼称する場合がある。ここでは、消費動向の締め括りとして、「本 格焼酎前線」の動向を調査し、各地域における本格焼酎消費量と旧甲類焼酎消 費量がどのように推移しているのか分析した。 「本格焼酎前線」の動きをみると、東海以東では、本格焼酎が近年販売シェ アを拡大していることがわかる。特に、関東甲信越以東では、第3次ブーム以 後も、着実に本格焼酎がシェアを伸ばしており、これに伴い前線は少しずつ東 に移動している。なお、東北では、足許本格焼酎のシェアが拡大しているが、 東日本大震災の復興工事現場で、本格焼酎を好む九州出身の建設作業員等が多 く従事していることも一因ではないかとの声も業界では聞かれている。 一方で、九州では、本格焼酎のシェアに変化はほとんどないが、中国、四国、 関西においては、本格芋焼酎が牽引した第3次ブームの只中でも、旧甲類焼酎 の勢いに押されていたほか、その後 12 年度までみると、さらにシェアは減少し ている。地域的にみれば関西、四国、中国における相対的な地位の確保に努め つつ、関東以北の需要のさらなる掘り起こしが期待される(図表4)。 (図表4)本格焼酎消費量/旧甲類焼酎消費量の推移 (出所)日本政策投資銀行南九州支店「焼酎と経済(2002)」を参考に、国税庁 HP「酒税課税関係統計資料」、 総務省統計局「人口推計」から日本銀行鹿児島支店が作成 0.01 0.10 1.00 10.00 100.00 九州 南部 九州 北部 中国 四国 関西 北陸 東海 東京 関東 甲信越 東北 北海道 2000年度 2005年度 2012年度 1.00倍=本格焼酎前線の位置 本格焼酎の シェアが高い 需要拡大地域 需要縮小地域 単位:倍 旧甲類焼酎の シェアが高い 本格焼酎前線の位置は 少しずつ東に移動している

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昨年、地元における需要喚起、地域活性化や宣伝効果などを期待して、鹿児 島県のいちき串木野市と、宮崎県の日南市は本格焼酎による乾杯を推進する条 例を制定、さらに鹿児島県では、年末に本格焼酎に基づくおもてなし条例を制 定している。こうした前向きな動きの効果を地元のみならず、例えば、県人会 などを通じて全国に広げていくことも考えられるのではないか。 2.生産(供給)動向 (1)県別および原料別にみた本格焼酎の製成数量(生産量) これまで、他の酒類や旧甲類焼酎と比較して本格焼酎の消費動向を探ってき たが、続いて、本格焼酎に限定し、県別、原料別に製成数量(生産量)の推移 を見てみる。 まず県別に比較すると、熊本国税局管下の4県で全国の本格焼酎製成数量の 約 83%を占めており、鹿児島県は全国1位(33.2%)、宮崎県は全国2位(28.6%) の製成数量を誇り、種類別では芋焼酎の製造比率が最も高い。因みに、両県の 芋焼酎の生産量の差は近年縮まってきている。一方で、熊本県では米焼酎、大 分県では麦焼酎の製造比率が最も高く、同じ焼酎処の九州でも、県によってか なり個性があることが窺われる。なお、鹿児島、宮崎両県においては、芋焼酎 のほかに、鹿児島県では奄美大島で黒糖焼酎が、宮崎県では宮崎市や西臼杵郡 高千穂などでそば焼酎が生産されている。 因みに、芋焼酎のイメージが強い鹿児島において麦焼酎の製成数量が比較的 多いのは、大手メーカーに対する「桶売り」5 を行っているためである。鹿児島 県における 05 年度以降の製成数量の落ち込みは、焼酎ブーム終焉により、「桶 売り」の受注が減少したことの影響が大きい。 原料別にみると、芋焼酎が牽引した第3次ブーム(00~04 年)終焉後も麦焼 酎の「桶売り」の減少もあって、10 年度までは芋焼酎の製造比率は上昇し続け ていた。その後、芋焼酎の割合は、原料のさつま芋が天候不順のため、不作で あったことなどが関係し、12 年度にかけてやや減少している(次頁図表5)。 5 「桶売り」とは、他の酒造メーカーの最終製品向けに出荷することであり、80 年代に麦 焼酎がヒットした後、需要の急増に対応するために本格的に開始。大手焼酎メーカーにと っては、他メーカーに生産委託することで設備投資リスクを減らせるほか、鹿児島のメー カーにとっても、芋焼酎の仕込みのない時期の設備稼働率向上に繋がるメリットがある。

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(図表5) 熊本国税局管下の焼酎製成数量(原料別)の推移 (出所)熊本国税局「単式蒸留しょうちゅう製造業の概要」 (2)焼酎用さつま芋(鹿児島県産、宮崎県産の合計)生産量の推移 これまでのところ、さつま芋不足によって需要を大きく満たせないという状 況には至っていないものの、長期的にみた場合、業界全体として芋焼酎の持続 的な安定供給について課題がないわけではない。 焼酎用さつま芋生産量(鹿児島県産、宮崎県産の合計)の推移をみると、03 ~05 年度にかけて、芋焼酎ブームを背景に、生産量が約2倍となった後、09 年 度まで振れを伴いながらも緩やかに増加していたことが見て取れる。その後、 10~11 年度は天候不順から不作であったほか、12 年度はやや持ち直したものの、 ピーク(08~09 年度 24.3 万トン)までには回復していない(図表6)。 なお、13 年度は、梅雨明けが平年よりも早く、日照時間が長かったことから、 豊作で品質も良い、との声が多く聞かれている。 (図表6)焼酎用さつま芋生産量(鹿児島県産、宮崎県産の合計)の推移 (出所)鹿児島県農産園芸課、宮崎県農産園芸課 0 5 10 15 20 25 30 2000 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012年度 単位:万トン 天候不順による不作により、10~11年度 は生産量が減少。 12年度(生産量21.6万トン)はやや持ち 直すも、ピーク(08~09年度24.3万トン) までには回復しきれていない。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 5 10 15 20 25 30 2000 2005 2010 2012 2000 2005 2010 2012 2000 2005 2010 2012 2000 2005 2010 2012 年度 その他 そば 麦 米 黒糖 芋 芋の占める割合(右目盛) 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 単位:万キロリットル 単位:%

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(3)焼酎用原料芋の安定的確保について 芋焼酎の原料となるさつま芋の生産量は、天候以外に、将来的には生産農家 数や機械化の進行度合いにも大きく左右される可能性が高い。鹿児島、宮崎両 県内の農業就業人口6は、年々減少しているが、それ以上に農家の高齢化(農家 の平均年齢は 60 後半~70 歳程度)が進行し、後継者不足が深刻化している現状 がある。また、さつま芋は米やじゃがいもなどと比較してみると、収穫までに 労働時間を多く要する作物である。生産農家の減少及び高齢化は避けられない 中、機械化の一段の推進等が、原料芋を安定的に確保するためには、必要であ ると考えられる(図表7)。 (図表7)焼酎用原料芋を安定供給する上での不安要素 ▽農業就業人口(鹿児島、宮崎計)の推移 ▽主要作物の 10a 当たり労働時間推移 (出所)農林水産省「農林業センサス」、「農業構造動態調査報告書」 (注)左の図表中の数字は、農業就業人口全体に占める 65 歳以上の割合を表す。 こうした状況の中、県内の比較的規模が大きい酒造メーカーでは、既に契約 農家を通じた調達を強化したり、休耕地を借り、生産農家の協力を仰ぎながら、 自社でさつま芋生産用の農園を運営する動きがみられる。もっとも、こうした 取り組みは、休耕地を借りるコストや生産農家への契約料の支払いなどの相応 の資金が継続的に必要であり、一部の先に限られている。 従来通りの国内向けの出荷に止まらず、先行き、国内外の新たな需要を喚起 することに成功した場合、原料であるさつま芋の供給制約がボトルネックとな る可能性がある。このため、長期的な視野から、さつま芋の安定供給策につい て、酒造メーカーや農業事業者など関係者が一体となり、例えば、農家の高齢 化対策に関する取組みを進めていくことが期待される。 以 上 6 農業従事者のうち、農業に主として従事した世帯員数。 0 20 40 60 80 100 120 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 年度 さつまいも 米 じゃがいも 時間/10a 22.5% 24.8% 23.7% 29.6% 39.7% 50.5% 57.5% 59.4% 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 65歳未満 65歳以上 年 万人

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