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RHIC-PHENIX 実験200GeV 金+金衝突における同種2粒子を用いた量子力学的干渉効果の反応平面依存性の測定

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Academic year: 2021

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全文

(1)

Measurements of Quantum Interference of Two

Identical Particles with respect to the Event

Plane in Au+Au Collisions at √sNN = 200GeV at

RHIC-PHENIX

著者

新井田 貴文

その他のタイトル

RHIC-PHENIX 実験200GeV 金+金衝突における同種2

粒子を用いた量子力学的干渉効果の反応平面依存性

の測定

学位授与大学

筑波大学 (University of Tsukuba)

学位授与年度

2013

報告番号

12102甲第6719号

URL

http://hdl.handle.net/2241/00121914

(2)

氏 名 ( 本 籍 地 ) 新井田 貴文 ( 東京都 )

の 種

類 博 士 ( 理学 )

号 博 甲 第

6719 号

学 位 授 与 年 月 日 平成25年11月30日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当

科 数理物質科学研究科

学 位 論 文 題 目

Measurements of Quantum Interference of Two Identical

Particles with respect to the Event Plane in Au+Au

Collisions at √sNN = 200GeV at RHIC-PHENIX

RHIC-PHENIX 実験 200GeV 金+金衝突における同種 2 粒子

を用いた量子力学的干渉効果の反応平面依存性の測定)

査 筑波大学准教授 博士(理学)

江角 晋一

査 筑波大学教授 理学博士 三明 康郎

査 筑波大学講師 博士(理学) 中條 達也

査 筑波大学教授 博士(理学) 小沢 顕

論 文 の 要 旨

米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)の相対論的加速器(RHIC)で、核子対あたり重心系 200GeV の金 原子核同士の衝突実験を行い、衝突において生成される高温・高密度領域のクォーク・グルーオン・プラ ズマ(QGP)の性質を調べる研究を行った。QGP とは、ビッグバン直後の宇宙初期に存在した高温・高密 度の物質状態、物質相であり、その高温・高密度状態は、その膨張発展後に QGP 相から、通常の核物質 等のハドロン相へ相転移すると考えられている。PHENIX 実験の中心ラピディティーにおいて、荷電 π、K 中間子等のハドロンを測定し、それら同種2粒子間の量子力学的干渉効果を用いて反応領域(QGP の終 状態)のサイズの中心衝突度、横方向運動量、粒子種、及び高次反応平面に対する依存性を測定し、特 にその形状に関する時空発展や、膨張の様子を調べる事を目的とした。 原子核衝突の衝突関与部の形状は中心衝突の場合には衝突軸から見て円形となり、非中心衝突の場 合には反応平面に対して縦長の楕円形(アーモンド形状)となる。これらの初期形状を持った高温・高密 度の物質は、QGP 相やその後のハドロン相での相互作用の結果、膨張発展後に終状態のハドロンとして 放出され、実験的に観測される。この楕円的な粒子放出を示す量を、楕円型方位角異方性v2と呼び、楕 円流とも言う。また、最近ではさらに高次の方位角異方性 vnも、初期の衝突原子核内の核子分布の揺ら ぎを起源とした膨張発展の結果として、QGP の流体的性質やその膨張の様子を反映する指標として注目 されている。これらの運動量空間での方位角異方性異方性と、終状態の幾何学的方位角異方性とのつ ながりを知る事により、その膨張発展の全容を知る手がかりを得る事が可能になる。そのため、2粒子干渉 効果により得られる反応領域のサイズの反応平面依存性を測定する事に注目したのである。 本研究では、HBT 法と呼ばれる同種2粒子間の量子力学的干渉効果を用いて、QGP のフリーズアウト 時、つまり終状態の反応領域(粒子発生源)の空間的及び時間的な大きさや広がりを調べるために、

(3)

RHIC-PHENIX 実験で、核子対あたり 200GeV の金・金衝突における π 中間子及び、K 中間子の同種2 粒子間の相対運動量相関の測定をした。特に、運動量空間での方位角異方性により実験的に測定した (高次を含む)反応平面を基準軸にして、この2粒子相関法を使い、反応領域の大きさとその幾何学的形 状を測定した。先ず、反応領域終状態の大きさは、中心衝突度や生成粒子の横方向運動量に依存する というこれまでの実験結果を確認した上で、さらにπ、K 中間子の間ではわずかに異なるという粒子種依 存性を明らかにした。これらの結果は、反応の終状態の反応領域の体積が生成粒子数にほぼ比例して いる事を意味し、高温・高密度反応領域が衝突後に横方向へ大きな膨張をした事を示している。また、粒 子種による依存性はこれまでの実験結果の物理的解釈に対する高次の修正を与える様な結果である。 特に、その空間的及び時間的、大きさや広がり形状の高次方位角異方性とのつながりを調べるために、2 次及び3次反応平面に対する2粒子干渉効果の依存性を調べた。実験データの解析を行い、その結果 を理解し比較するために、流体力学的模型を使ったフィッティングや、物理シミュレーション数値計算の結 果、以下の事が分かった。楕円的膨張の結果、初期形状よりその楕円率は減少し(円形に近く)なるが、膨 張後の終状態の形状も依然として反応平面に対して縦長の楕円形である事、π 中間子に比べて K 中間 子を用いて測定した形状はその変化が少ない事(より大きな楕円率を持つ事)、さらに初期の三角形状は その膨張後ほぼ無くなるか、又は形状の正負(短軸・長軸)の逆転現象が起きている事を示唆するという、 新たな結果が得られた。

審 査 の 要 旨

〔批評〕 高エネルギー原子核衝突実験を遂行し、データ解析を行い、2粒子干渉効果の反応平面依存性を用 いて、反応領域の高次の幾何学的形状を測定した事は、世界的にも新しい。特に、π、K 中間子を用い た2次の楕円的幾何学的形状の中心衝突度と横運動量依存性の詳細な測定と、またπ中間子を用いた 3次の三角的幾何学的形状の中心衝突度と横運動量依存性の測定が、最新の実験的結果である。これ らの実験的な結果を物理的に理解し解釈するために行った流体モデル計算との比較や、さらに独自に 行った物理シミュレーションによる数値計算によって得られた測定結果に対する理解は、QGP 相及びそ の後のハドロン相での反応領域(粒子発生源)の時空発展に関するこれまでの物理的解釈を更新した。 〔最終試験結果〕 平成25年10月24日、数理物質科学研究科学位論文審査委員会において審査委員の全員出席のも と、著者に論文について説明を求め、関連事項につき質疑応答を行った。その結果、審査委員全員によ って、合格と判定された。 〔結論〕 上記の論文審査ならびに最終試験の結果に基づき、著者は博士(理学)の学位を受けるに十分な資格 を有するものと認める。

参照

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