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行い 理事会にて受賞者を決定しました 平成 29 年度は 山下俊一氏 ( 長崎大学 ) の 1 名を顕彰し 平成 12 年度からの顕彰累計は 17 名となりました 放射線影響研究奨励賞本賞は平成 18 年度に創設されたものであり 放射線影響研究功績賞と同様に放射線科学研究の分野において活発な研究活動

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Academic year: 2021

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平成29年度 事業報告・決算報告(骨子)………1 平成29年度放射線影響研究功績賞・放射線影響研究  奨励賞贈呈式の開催………8 平成30年度第Ⅰ期 国際交流助成の概要紹介… …………9 AOCRP-5…2018…に参加して… ………11 除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度における  統計資料の公表について(平成29年)………13 原子力放射線業務従事者被ばく線量登録管理制度に  おける統計資料の公表について[平成29年度]…………18 登録概況………20 第91回日本産業衛生学会への参加報告………21 放射線疫学調査へのご協力のお願い………22 自由さんぽ マレーシアフリーク………23 主要日誌………24 ◆◆◆目  次◆◆◆

平成29年度 事業報告・決算報告

(骨子)

 平成29年度事業報告及び決算報告について は、平成30年 6 月 7 日に開催された理事会及び 平成30年 6 月22日に開催された評議員会にて承 認を得ました。  今後とも、当協会の事業発展のため、関係各位 の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。 事 業 報 告 Ⅰ 放射線影響に関する知識の普及・啓発及び 研究活動への奨励・助成  1.放射線影響に係る知識の普及・啓発    協会の総合広報誌「放影協ニュース」を 年 4 回発行しました。    協会の業務の紹介及び放射線関連情報 の発信を図るため、ホームページの充実 に努めました。    国内で開催された放射線影響関連行事 に参加し、情報交換並びに知識の普及啓 発に努めました。  2.研究奨励助成金の交付  本業務は、放射線の生物及び環境への影 響、放射線の医学利用の基礎並びに放射 線による障害の防止など放射線科学研究の 分野における調査研究に対して助成金を交 付し、もって我が国の科学技術の進展及び 国民保健の増進に寄与することを目的とし て、昭和36年度から開始したものです。  助成選考に際しては、公募を行い、応募 された研究課題について学識経験者等によ り構成される研究奨励助成金選考委員会に て厳正な審議・選考を行い、理事会にて交 付案件を決定しました。  平成29年度は 4 件の研究に交付し、昭和 36年度からの助成累計は426件となりまし た。  3.顕著な成績をあげた研究者等の顕彰    放射線影響研究功績賞  本賞は、協会の松平元理事長からの寄 付金等を基に平成12年度に創設したもの であり、放射線の生物及び環境に及ぼす 影響、放射線の医学利用の基礎並びに放 射線障害の防止など放射線科学研究の分 野において、顕著な業績をあげた者に対 して贈呈し、もって我が国の科学技術の 進展及び国民保健の増進に寄与すること を目的としています。  選考に際しては、公募により受賞候補 者の推薦を求め、学識経験者等からなる 本賞選考委員会にて厳正な審議・選考を

公益財団法人 

放射線影響協会

2018. 7, No.96

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行い、理事会にて受賞者を決定しました。  平成29年度は、山下俊一氏(長崎大学) の1名を顕彰し、平成12年度からの顕彰 累計は17名となりました。    放射線影響研究奨励賞  本賞は平成18年度に創設されたもので あり、放射線影響研究功績賞と同様に放 射線科学研究の分野において活発な研究 活動を行い、将来性のある若手研究者に 対して贈呈し、もって我が国の科学技術 の進展及び国民保健の増進に寄与するこ とを目的としています。  選考に際しては、公募により受賞候補 者の推薦を求め、学識経験者等からなる 本賞選考委員会にて厳正な審議・選考を 行い、理事会にて受賞者を決定しました。  平成29年度は、斎藤裕一朗氏(京都大 学)、浜田信行氏((一財)電力中央研究所) の計2名を顕彰し、平成18年度からの顕 彰累計は23名となりました。  4.国際研究集会参加等のための助成  本業務は、放射線影響に関する国際研究 集会等における研究発表等のため海外出張 する研究者、調査研究のため海外研究機関 に派遣される研究者、我が国に招へいされ る優れた外国人研究者等に対して渡航費用 等を助成し、もって我が国の科学技術の進 展及び国民保健の増進に寄与することを目 的として、平成3年度から開始したもので す。  助成選考に際しては、公募を行い、応募 案件について学識経験者等により構成され る国際交流助成金選考委員会にて厳正な審 議・選考を行い、理事会にて助成対象者を 決定しました。  平成29年度は、国際研究集会参加の2名 に交付し、平成3年度からの助成累計は207 名となりました。 Ⅱ 放射線影響に関する調査研究  平成29年度は「低線量放射線による人体への 影響に関する疫学的調査」及び「『東電福島第一 原発緊急作業従事者に対する疫学的研究』に関 する被ばく線量記録の抽出に係る業務」を実施 しました。  1.低線量放射線による人体への影響に関す る疫学的調査  低線量域放射線の健康影響を明らかにす るため、国からの委託を受けて、原子力発 電施設等放射線業務従事者等を対象とした 疫学的調査を実施しています。  平成29年度は、平成27年度に策定した健 康影響評価計画に基づき、調査対象者の生 死等情報の把握、事業対象者への意思確認 調査(インフォームド・コンセント)及び生 活習慣等調査を行うとともに、平成31年度 頃から利用が可能になるがん罹患情報に対 応するため、がん罹患情報の活用方策とと もに臓器線量を推定する手法等について検 討しました。また、意思確認調査への回答 状況について分析等を行い、回答率向上に ついて具体的方策を取りました。さらに本 事業の理解促進活動としては、平成26年度 までに取得したデータをもとに解析した結 果について学会発表、論文投稿等を行うと ともに、ホームページ等により本疫学調査 について情報発信しました。  事業の実施結果の概要は、以下のとおり です。    本事業への協力の意思確認及び生活習    慣等に係る調査業務  平成28年度に引き続き、放射線疫学調 査の 対 象 者となることについての 意 思 確認調査を実施しました。調査は事業対 象者約72,500人に対し、資料を郵送(約 64,000)及び事業所等での本事業の説明会 (10箇所)を実施した際に資料を現地配付 (約8,500:追加発送等含む)の 2 通りの方 法により行い、平成29年度は、平成30年 3 月までに、20,406人から調査対象者と なることについての同意を得ました。平 成29年度までの調査結果は平成27年度に 構築した専用のデータベースに格納しま した。    事業対象者に関する情報の更新等業務 ① 事業対象者の被ばく線量に関する情報  の更新  当協会放射線従事者中央登録セン ターから2016年度(平成28年度)までの 被ばく線量情報等の提供を受け、デー タベースに反映しました。 ② 事業対象者の生死等に関する情報の更  新  30,012人の調査対象者について生死追 跡調査を行い、1,382市区町村に対し住 民票の写し等の交付を請求し、この内

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2018. 7, No.96  放影協ニュース 3 1,380市区町村から計29,780人の調査対 象者について住民票の写し等の交付を 受ける等して回答を得、データベース に反映しました。 ③ 事業対象者の死因情報の継続使用に関  する手続き  統計法(平成19年法律第53号)第33条 規定に基づき、人口動態調査に係る調 査票情報の継続保有の申請を厚生労働 省に行い、承認を受けました。    がん罹患情報の活用方策の検討  調査研究評価委員会において、全国が ん登録データベースの利用申請方法等に ついて検討を行いました。また、臓器線 量の再構築等のために臓器線量構築検討 会を設置し、臓器線量への変換方策等に ついて検討を行いました。    本事業の理解促進活動 ① ホームページによる放射線疫学調査  関連情報の周知  調査結果等について広く周知し、事 業 対 象 者の 協 力を 得るために ホ ー ム ページ、放影協ニュース等による情報 発信を行いました。 ② 意思確認調査への回答状況の分析及び  回答率・同意率向上策の検討  平成27年度から平成29年度の意思確 認調査への回答状況について分析等を 行い、回答率向上策として、未回答者 への再依頼状(はがき)送付と調査資料 の再送付(再調査)を行いました。 ③ 国内外の論文投稿・学会発表  国内外の機関に積極的に引用される 調査として専門家に認知されることを 目的に、学会発表 9 回、論文投稿 5 本 (内 2 本は投稿中)を行いました。    委員会活動  本事業においては的確かつ円滑な実行 を図る目的として、個人情報の取扱い及 び疫学研究に係る倫理的事項に係わる倫 理審査・個人情報保護委員会、並びに調 査研究計画、調査の実施、がん罹患情報 の活用に係わる調査研究評価委員会を設 置しました。調査研究評価委員会の下に 臓器線量構築検討会を設置しました。ま た、「平成28年度疫学調査あり方検討会」 が策定した報告書を踏まえ、平成30年度 以降の事業についての評価を審議する疫 学調査あり方検討会フォローアップ委員 会を設置し、事業継続を判断しました。  2.「東電福島第一原発緊急作業従事者に対 する疫学的研究」に関する被ばく線量記 録の抽出に係る業務  東京電力(株)福島第一原子力発電所にお ける緊急作業従事者の疫学的研究に資する ため、本疫学的研究の統括研究機関より依 頼を受けた緊急作業従事者の被ばく線量記 録等を中央登録センターのデータベースか ら抽出し統括研究機関に提供しました。 Ⅲ 放射線の防護及び利用に関する調査研究   I C R P( I n t e r n a t i o n a l … C o m m i s s i o n … o n… Radiological…Protection:国際放射線防護委員 会)が取りまとめる勧告や報告は、我が国の 放射線防護法令の基本となるものです。この ことを踏まえ、協会は、日本における公衆及 び放射線を取扱う職業人の防護が的確に行わ れるようにするため、ICRP勧告等の動向を的 確に把握し、日本のICRP委員、専門家及び学 識経験者等が情報及び認識の共有化を図り、 国内における考え方が勧告等の検討に貢献で きるよう、昭和61年にICRP調査・研究連絡会 を設置・運営し、活動してきています。  平成29年度は、ICRP主委員会及び第 1 ~ 5 専門委員会(平成29年 7 月より第 1 ~ 4 専 門委員会)において進められている「放射線防 護に係るICRP新基本勧告(2007年勧告)」のレ ビュー作業の状況を平成28年度に引き続き把 握しました。即ち、ICRPの各専門委員会にお いて行われた、線量・線量率効果係数(DDREF) に関する検討、リスクに関連する放射線防護 量としての実効線量の使い方、放射性医薬品 による治療における放射線防護、自然起源の 放射性物質(NORM)やラドン等の現存被ばく 状況、環境の防護等の内容を的確に把握する こととし、ICRP調査・研究連絡委員会を開催 して、関係機関・関連学術団体等との情報交 換・意見交換を行いました。  また、専門的観点からの意見交換を目的に 外部の専門家を招へいし、我が国のICRP委員 等との意見交換会を開催しました。  更に、一般市民を含むICRPに関心を有する 方々にICRPや放射線防護に関する情報を提供 することを目的に、「放影協開催講座(ICRPセ ミナー)」を開催しました。

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Ⅳ 放射線業務従事者等の放射線被ばく線量等 に関する情報の収集、登録及び管理  1.事業概況  被ばく線量登録管理制度には、原子力放 射線業務従事者被ばく線量登録管理制度 (以下「原子力登録管理制度」という。)、除 染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度 (以下「除染登録管理制度」という。)及びRI 放射線業務従事者被ばく線量登録管理制度 (以下「RI登録管理制度」という。)の3制度が あり、それぞれの制度参加事業者の放射線 業務従事者(以下「従事者」という。)及びそ の被ばく線量を放射線従事者中央登録セン ター (以下「中央登録センター」という。)が 一元的に登録管理を行っています。  これら被ばく線量登録管理制度に係る登 録者数を合計すると、平成29年度末で71万 人を超えました。また、厚生労働大臣、経 済産業大臣及び原子力規制委員会からの指 定を受けて、事業者から引渡しを受けた放 射線業務従事者の被ばく線量等の記録は、 約314万件に達しており、これらを適切に 保管するとともに、本人又は関係事業者か らの記録の照会に応えています。  2.経常業務の遂行    原子力登録管理制度に係る事業  前年度に引き続き、原子力事業者等か ら被ばく線量登録管理に関する各種登録 申請を受付け、また、従事者の指定を解 除した者の被ばく線量に係る放射線管理 記録の引渡しを受け、これらを処理する とともに、さらに被ばく線量記録等の登 録保管内容の照会に対する回答業務を行 いました。    ① 従事者(個人識別)の登録及び放射線 管理手帳発行の登録  原子力事業所又は除染等事業場での 作 業に 初めて 従 事する 者については、 本人を雇用する事業者等から従事者の 登録申請を放射線管理手帳発効機関 (以下「手帳発効機関」という。)経由で 受付け、個人識別項目(氏名、生年月 日等)の登録を行い、中央登録番号を 付与しました。また、併せて放射線管 理手帳(以下「手帳」という。)発行の登 録を行い、手帳は手帳発効機関から発 行されました。中央登録番号と手帳は、 原子力登録管理制度及び除染登録管理 制度において共通に使用しています。  平成29年度の新規従事者(個人識別) の登録件数は12,774件(前年度比30% 減)、 新 規 手 帳 発 行 件 数は、12,643件 (前年度比31%減)でした。これらの件 数の減少は、主に福島県内で実施され ている除染作業における手帳の取得が 減 少したためと 思われます。 その 結 果、平成30年 3 月末における従事者(個 人識別)の登録件数の累計は649,824件、 手帳発行件数の累計は、589,493件とな りました。    ② 従事者指定の登録  原子力事業所での業務に先立ち、当 該業務に従事する者について、原子力 事業者から従事者指定の登録申請を受 付、31,548件(前年度比27%減)の登録 を行いました。    ③ 定期線量(年間線量)の登録  定期線量登録は、原子力事業所から、 前年度のそれぞれの原子力事業所で放 射線業務に従事した者の年度線量につ いて、それぞれの原子力事業所から申 請を受け、データベースへ登録するも のです。平成29年度は、80,535件を登 録しました。    ④ 従事者指定の解除及び放射線管理記 録の引渡し  平成29年度は、原子力事業所から従 事者指定の解除申請及び放射線管理記 録34,608件の引渡しを受け、保管しま した。その結果、平成30年 3 月末にお ける保管総件数は2,618,671件となりま した。  なお、放射線管理記録は、マイクロ フィルム化して保管し、従事者本人及 び事業者からの照会に対し即応できる ようにしています。    ⑤ 従事者の被ばく線量記録に係る経歴 照会に対する回答  原子力事業者等からの、従事者等の 基本項目(中央登録番号等)、線量記録、 指定・指定解除、手帳発行記録等につ いて、平成29年度は99,735件(前年度比 6.6%減)の経歴照会があり、回答しま した。    除染登録管理制度に係る事業  除染登録管理制度は、除染特別地域及

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2018. 7, No.96  放影協ニュース 5 び汚染状況重点調査地域で実施されてい る除染等業務、特定線量下業務及び事故 由来廃棄物等処分業務を行う事業者を対 象としています。  平成29年度は、除染等業務従事者に関 する各種登録申請を受付け、必要な処理 を行いました。なお、中央登録番号取得 のための従事者(個人識別)の登録及び放 射線管理手帳発行の登録は、原子力登録 管理制度と共通の運用です。    ① 事業場登録、工事件名登録  除染登録管理制度には、平成30年 3 月末現在、定期線量登録と記録引渡し を実施する事業者94社、記録引渡しの みの事業者321社の合計415社の除染等 事業者が制度に参加しています。  事業場は、平成29年度に183事業場 の新規登録、69事業場の閉鎖により平 成30年 3 月末現在700事業場が登録さ れています。 また、 除 染 工 事 件 名は 805件の新規登録、1,006件の閉鎖によ り平成30年 3 月末現在561件が登録さ れています。    ② 定期線量(四半期線量)の登録  除染登録管理制度は、定期線量の登 録は四半期単位で行われ(原子力は年 度単位)、平成29年度は70,620件の定期 線量の登録があり、平成30年 3 月末の 累計は453,707件となりました。  なお、登録された定期線量は、除染 登録管理システムのデータベースに登 録され、参加事業者により従事者の経 歴照会のために共同利用されます。    ③ 放射線管理記録等の引渡しについて  制度参加事業者が法令に基づいて記 録した放射線管理記録及び除染電離 放射線健康診断記録は、電子画像又は 紙文書により平成29年度に73,816件の 引 渡しがありました。 これら 記 録は、 電子画像(紙文書のものはスキャナー により電子画像化する)からマイクロ フィルムを作成し、マイクロフィルム 文書を原本として保管します。    ④ 経歴照会に対する対応  除染登録管理制度も原子力と同様 に、除染事業者等が除染事業場の端末 から、除染登録管理システムのデータ ベースに従事者等の基本項目(中央登 録番号等)、線量記録等について経歴 照会を行うことができます。平成29年 度は18,551件の経歴照会があり、回答 しました。なお、経歴照会は、除染登 録管理システムと原子力登録管理シス テ ムのそれぞれの 登 録 情 報について、 相互に照会が可能な仕組みとなってい ます。    RI登録管理制度に係る事業    ① 各種登録等の実施  前年度に引き続き、RI被ばく線量登 録 管 理に 関する 各 種 登 録 申 請を 受 付 け、登録等を行いました。  なお、平成30年 3 月末におけるRI被 ばく線量登録管理制度参加事業者数は 26事業者で、このうち非破壊検査関係 事業者が18事業者です。    ② 廃止等事業所からの記録引渡し及び 保管  前年度に引き続き、放射性同位元素 等の 使 用の 廃 止 等の 届 出をした 事 業 者から従事者の被ばく線量及び健康診 断結果の記録の引渡しを受け、原子炉 等規制法での登録管理業務と同様に保 管・管理を行いました。平成29年度に 引渡しを受けた廃止事業所数は45件、 放射線管理記録の引渡し件数は2,767件 でした。    被ばく線量登録管理制度及び放射線管 理手帳制度の普及推進  被ばく線量登録管理制度及び放射線管 理手帳制度について、関係者への説明を 行うなどその普及推進に努めました。平 成29年度は、特にリプレースした原子力 登録管理システムの運用についての制度 参加事業所からの問合せに適切に対応し ました。  3.被ばく線量登録管理業務を安全・適切に    実施するための業務    経常業務を安全かつ適切に実施するため、 平成29年度は以下の業務を実施しました。    原子力登録管理システムリプレースの 実施  原子力登録管理システムのリプレースに おいては、原子力業務従事者被ばく線量登 録管理制度推進協議会及びその専門委員 会であるアドバイザリー委員会との協力の もとに、①セキュリティの確保、②災害時

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の可用性の確保、③IT動向を踏まえ、旧原 子力システムの全面的な見直しを行いまし た。新原子力登録管理システムは、平成29 年10月 2 日に運用を開始しました。    登録管理制度の災害後の事業継続計画 の推進  協会に設置した原子力登録管理システ ムが、 火 災 等により 大きな 被 害を 受け た際に、原子力登録管理制度及び登録管 理システムを早期復旧できるよう、従来 のバックアップ方式を見直し、システム 登録情報等を毎日遠隔地のバックアップ サーバに転送・保存するためのシステム 環境整備を行い、平成30年4月から運用 を開始しました。なお、本バックアップ サーバは既に除染登録管理制度において 平成28年度に設置済であり、平成30年度 以降は原子力登録管理制度と除染登録管 理制度において共同利用します。    放射線管理記録の電子画像による引渡 しの開始  従来、原子力事業者から登録管理制 度への放射線管理記録(公文)の引渡し は、紙文書によることに限定していまし たが、平成29年4月1日より紙文書に加え て、電子画像による引渡しも可能としま した。    放射線管理手帳高度化に係る検討の開始  放射線管理手帳制度を取り巻く環境 は、除染登録管理制度の発足やIT技術の 進展など、放射線管理手帳制度を取り巻 く環境が変化していることから、被ばく 線量登録管理制度推進協議会では、放射 線管理手帳が合理的な放射線管理ツール となるよう専門委員会として「放射線管 理手帳高度化に関するワーキンググルー プ」を設置し検討を行うこととなり、平 成29年10月30日に 第1回 ワ ー キ ン グ グ ループを開催し、検討を開始しました。    被ばく線量登録管理制度推進協議会等 の開催  原子力登録管理制度では、被ばく線量 登録管理制度推進協議会を平成29年 7 月及び11月の 2 回開催し、また、除染登 録管理制度では、除染等業務従事者等被 ばく線量登録管理制度参加者協議会を平 成29年 8 月及び平成30年 2 月の 2 回開催 し、それぞれ制度遂行上の課題等につい て審議を行いました。    原子力事業者及び除染事業者との制度 運営等に係る協議  原子力登録管理制度、除染登録管理制 度及び手帳制度の適切な運用や個人情報 の取扱い等について、原子力事業所及び 除染事業場に当センター担当者が出向い て意見交換を行っています。平成29年度 は、 6 箇所の原子力事業所及び 5 箇所の 除染事業場に出向き、意見交換を行いま した。    手帳発効機関に対する手帳の運用等に 係る指導、助言  手帳発効事業所に対して、「放射線管 理手帳運用要領・記入要領」(手帳発効機 関用)等に従って手帳が適切に運用され ているか、また、個人情報の取り扱いが 規程等に基づき適切に運用、管理されて いるか等について、当センター担当者が 出向いて必要な指導、助言を行っていま す。平成29年度は22箇所の手帳発効事業 所に対して行いました。    統計資料の作成及び公表について  原子力登録管理制度及び除染登録管理 制度においては、登録された被ばく線量 データに基づき、原子力及び除染の各事 業における被ばく状況を示す各種統計を 作成し、公表しています。平成29年度は、 原子力登録管理制度は平成28年度統計、 及び除染登録管理制度は平成28年の暦年 統計及び各四半期統計を作成しました。 統計資料は、協会のホームページ及び広 報誌で公表しています。    学会発表等について  平成29年度は、環境放射能除染学会第 6 回研究発表会において座長推薦論文と して「除染等業務従事者等被ばく線量登録 管理制度の運用について」が受理され、「環 境放射能除染学会誌/Vol.5,No.3」に技術報 告として掲載されました。  また、平成29年度日本アイソトープ協 会放射線安全取扱部会年次大会において、 放射線障害防止法等に基づく放射線管理 記録の指定記録保存機関への引渡しにつ いてポスター発表を行いました。

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2018. 7, No.96  放影協ニュース 7

平成29年度正味財産増減計算書

(単位:円) 科    目 当年度 前年度 増 減 Ⅰ 一般正味財産増減の部  1.経常増減の部    経常収益      基本財産運用益       基本財産運用収益 600 1,504 △…904      基本財産運用益計 600 1,504 △…904      受取会費       賛助会員受取会費 4,630,000 4,730,000 △…100,000      受取会費計 4,630,000 4,730,000 △…100,000      受取補助金等       受取国庫補助金等 172,427,906 170,398,366 2,029,540      受取補助金等計 172,427,906 170,398,366 2,029,540      受取負担金       受取負担金 357,384,347 407,891,042 △…50,506,695      受取負担金計 357,384,347 407,891,042 △…50,506,695      受取寄付金       受取寄付金振替額 2,686,266 1,639,122 1,047,144      受取寄付金計 2,686,266 1,639,122 1,047,144      雑収益       雑収益 36,880 30,278 6,602      雑収益計 36,880 30,278 6,602     経常収益計 537,165,999 584,690,312 △…47,524,313    経常費用      事業費       役員報酬 15,425,800 15,305,800 120,000       給料手当 155,654,217 158,009,155 △…2,354,938       退職給付費用 8,632,682 9,774,403 △…1,141,721       法定福利費 30,587,971 24,560,468 6,027,503       通信伝送費 2,022,029 1,886,723 135,306       データ管理費 110,647,911 103,912,613 6,735,298       事務所借料 40,870,608 40,870,608 0       記録保管費用 4,932,790 7,314,870 △…2,382,080       諸掛費 90,797,565 110,001,469 △…19,203,904       減価償却費 15,512,469 22,528,908 △…7,016,439      事業費計 475,084,042 494,165,017 △…19,080,975      管理費       役員報酬 21,011,700 20,622,180 389,520       給料手当 22,745,006 21,405,955 1,339,051       退職給付費用 5,570,958 5,839,298 △…268,340       事務所借料 9,708,060 9,708,060 0       諸掛費 29,389,279 34,149,848 △…4,760,569      管理費計 88,425,003 91,725,341 △…3,300,338     経常費用計 563,509,045 585,890,358 △…22,381,313      当期経常増減額 △…26,343,046 △…1,200,046 △…25,143,000  2.経常外増減の部    経常外収益     経常外収益計 0 0 0    経常外費用      固定資産除却損       什器備品除却損 2 2 0      固定資産除却損計 2 2 0     経常外費用計 2 2 0      当期経常外増減額 △…2 △…2 0      当期一般正味財産増減額 △…26,343,048 △…1,200,048 △…25,143,000      一般正味財産期首残高 437,380,088 438,580,136 △…1,200,048      一般正味財産期末残高 411,037,040 437,380,088 △…26,343,048 Ⅱ 指定正味財産増減の部     受取寄付金      受取寄付金(指定) 3,090,000 2,890,000 200,000     受取寄付金計 3,090,000 2,890,000 200,000     一般正味財産への振替額      一般正味財産への振替額 △…2,686,266 △…1,639,122 △…1,047,144      当期指定正味財産増減額 403,734 1,250,878 △…847,144      指定正味財産期首残高 12,596,458 11,345,580 1,250,878      指定正味財産期末残高 13,000,192 12,596,458 403,734 Ⅲ 正味財産期末残高 424,037,232 449,976,546 △…25,939,314

(8)

 この度、上記受賞者 3 名をお招きして、平成30年 5 月31日(木)、東京・お茶の水:山の上ホ

テルにて賞状等の贈呈とお祝いの会を開催いたしました。はじめに、佐々木理事長から授賞に

際してのご挨拶として本賞の歴史と受賞者に対する期待等について述べた後、選考委員の先生

方、協会役員・評議員及び事務局職員が見守る中、受賞者お一人ずつ佐々木理事長から賞状等

の贈呈を行い、出席者の温かい拍手を受けました。

 関係者一同による記念撮影の後、受賞者お一人ずつ、受賞に際しての所感を述べるとともに

受賞業績概要についてスクリーンを使いながら発表が行われました。その後、発表に関連する

質問や意見交換等を交えての昼食祝賀会が行われました。受賞者 3 名からは、贈呈式は大変光

栄に感じた、今後も研究に一層励みたい等の感想が寄せられました。

受賞者 受賞業績 【放射線影響研究功績賞】 山下 俊一 (長崎大学 原爆後障害医療研究所 教授) 放射線と甲状腺がんの基礎、臨床ならびに社会 医学研究 【放射線影響研究奨励賞】 斎藤 裕一朗 (京都大学 放射線生物研究センター 博士研究員) 相同組換えの線量依存的抑制機構による放射線 感受性に関する研究 【放射線影響研究奨励賞】 浜田 信行 ((一財)電力中央研究所 原子力技術研究所 放射線安全研究センター 主任研究員) 眼の水晶体に関する生物学・疫学・防護研究

 当協会では、放射線の生物及び環境への影響、放射線の医学利用の基礎ならびに放射線障害の

防止など放射線科学研究の分野において、顕著な業績をあげた研究者に対して放射線影響研究功

績賞を、また、将来性のある若手研究者に対して放射線影響研究奨励賞を贈呈し、顕彰しています。

 平成29年度の放射線影響研究功績賞及び放射線影響研究奨励賞については、下表のとおりの受

賞者を決定しました。

(放影協ニュース平成30年4月号既報)

平成29年度

放射線影響研究功績賞・放射線影響研究奨励賞

贈呈式の開催

前列左から浜田信行先生、山下俊一先生、斎藤裕一朗先生。 後列左から野田常務理事、佐々木理事長、猪飼正身常務理事。

(9)

2018. 7, No.96  放影協ニュース 9  …平成30年度第Ⅰ期  …

国際交流助成の概要紹介

(国研)日本原子力研究開発機構 人形峠環境技術センター

迫田 晃弘

第5回アジア・オセアニア放射線防護会議

(AOCRP-5)

に参加して

はじめに

 2018年 5 月20日~ 23日にかけて、第5回ア

ジア・オセアニア放射線防護会議(AOCRP-5)

がオーストラリアのメルボルン(Melbourne…

Convention…and…Exhibition…Centre)で開催され

ました(写真 1 )。今回、筆者は、公益財団

法人放射線影響協会の国際交流助成による旅

費援助をいただき参加してまいりました。こ

こにご報告申し上げます。

AOCRP(Asian and Oceanic Congress on

Radiation Protection)

 本会議は、国際放射線防護学会(IRPA)の

地域組織であるアジア・オセアニア放射線防

護協議会(AOARP)の定期会合として、 4 年

に一度開催されています。2002年にソウル(韓

国)で初めて開催されて以降、2006年に北京

(中国)、2010年に東京(日本)、2014年にクア

ラルンプール(マレーシア)で開催され、今回

で 5 回目となります。なお、今会期中に、次

回AOCRP-6は2022年にムンバイ(インド)で

開催されることが発表されました。

会議概要

 今回の会議には、20か国から約300名(日本

からは50名ほど)の研究者や技術者らが参加

しました。概ね 4 つの会場に分かれて、それ

ぞれ異なるセッションが同時並行で進められ

ました。発表件数は、基調講演・口頭発表が

約150件、ポスター発表が約50件でした。ま

た、WHO、IAEA、ICRPなどの代表者も参加

し、講演や特別セッションも設けられました。

 内容としては、基礎科学、線量測定、医療

被ばく、現存被ばく、緊急時対応、環境防護、

廃止措置、廃棄物管理、非電離放射線など、

多岐にわたる議論が熱心に繰り広げられまし

た。また、連日早朝にはリフレッシャーコー

スがあり、様々なトピックスを扱った講義が

提供されていました。

 開催国オーストラリアには原子力発電所が

ありませんが、世界一のウラン埋蔵量を誇り、

世界有数のウラン輸出国です。これを反映し

てか、採鉱(Mining)に関するセッションが複

数用意されていたのが印象的でした。

発表内容

 筆者は、セッション「Environmental…Radiation…

Protection」に お い て「Transfer…of…radionuclides…

and…stable…elements…to…insects…and…amphibians…in…

a…uranium…mill…tailings…pond…in…Japan」と題して、

次の内容の口頭発表を行いました。人形峠環

境技術センター内の鉱さいたい積場周辺の生

態系調査を目的に、2016 ~ 17年度にかけて

定期的に堆積物・水・生物(昆虫、両生類)を

採取し、安定元素や天然放射性核種の分析を

行いました。これらデータに基づき、濃縮係

写真 1 メルボルン国際会議展示場(Melbourne     Convention and Exhibition Centre)

(10)

数の解析や生物濃縮を考察しました。発表後

には聴衆から「IAEA報告書(TRS-479)に掲載

されていない生物種の濃縮係数の取得に取り

組んでおり、貴重なデータであるため、今後

も引き続き調査を進めて欲しい」という意見

をいただきました。今後、AOCRP-5参加で

高まった熱意が冷めないうちに、本成果を早

く論文にとりまとめて発信したいと考えてい

ます。

 また筆者は、セッション「Young…Generation…

Network(YGN)

において座長を務めて、

「Launch…

and… activities… of… young… generation… network… in…

IRPA」と題した口頭発表も行いました(写真

2 )。昨年末から、IRPA加盟学会(我が国で

は日本保健物理学会)に所属する世界各地の

若手が主体となって、国際的な若手ネット

ワークの構築と発展を目指した活動が始ま

りました。筆者は本委員会のメンバーであ

り、この度正式に立ち上がるネットワーク

(IRPA-YGN)について紹介しました。このほ

か、日本・韓国・中国・オーストラリアの若

手代表者が、各国内での若手ネットワークの

現状や活動内容を紹介しました。続くパネル

ディスカッションでは、今後の活動として何

を見据え、どのように進めるのかについて議

論をしました(写真 3 )。IRPA会長を含むシ

ニアの先生方からも、たくさんの激励のコメ

ントを頂戴しました。

 現在、IRPAは、若手ネットワークの構築

を重要なテーマのひとつに掲げています。

ヨーロッパでは比較的充実しているようです

写真 2  筆者の口頭発表 写真 3 パネルディスカッション(YGN セッショ ン)。左から(敬称略)、筆者、片岡憲昭(都 産技研)、Alexander Borovskis(オースト ラリア)、Wi-ho Ha(韓国)、Zhi Zeng(中国)

ので、アジア・オセアニアでも先述のセッショ

ンを契機に、若手連携の創生が強く期待され

ています。そろそろ若手と呼ばれる年齢では

なくなってきましたが、筆者も微力ながらこ

れに尽力したいと考えています。

おわりに

 これから冬を迎えるメルボルンの気候はや

や肌寒く感じましたが、会場内は参加者の熱

気で満ちていました。この度、さまざまな方々

と交流を持つことができ、特に若手との会話

では大きな刺激を受けました。今後の自身の

研究活動に繋げていきたいと思います。

 また今回、筆者はScientific…Program…Committee

のメンバーとして活動する機会に恵まれ、貴

重な経験をさせていただきました。YGNセッ

ションの企画もそのひとつです。不慣れなた

め関係者との調整は会議直前まで及んでしま

いましたが、セッションが成功裏に終了した

直後に感じた深い安堵と感慨、そして大きな

自信は、この先も忘れることはないと思いま

す。

謝辞

 AOCRP-5への参加にあたり、旅費を助成

いただいた放射線影響協会に感謝申し上げま

す。

(11)

2018. 7, No.96  放影協ニュース 11

AOCRP-5 2018 に参加して 

(公財)放射線影響協会 

古田 裕繁

 

1 はじめに

……AOCRP(アジア・オセアニア放射線防護

学 会 )は 4 年 ご と に 開 催 さ れ ま す。 第 5 回

AOCRPは 5 月20 ~ 23日にオーストラリア・

メルボルンで開催されました。当協会放射

線疫学センターからは古田と工藤が参加し、

口頭発表する機会を得、私どもの疫学調査

J-EPISODEの紹介に努めると共に、情報収集

を行ってきました。

 世界で最も住みやすい街に選ばれたメルボ

ルンはどこかヨーロッパの雰囲気がするお

しゃれな街でした。日本はもうワイシャツの

季節でしたが、南半球は季節が逆で、ちょう

ど晩秋の時期でした。

 会場となったのは、市内を流れるヤラ川

沿いに建つメルボルン会議・展示センター

(MCEC)というメルボルンの代表的な建造物

でした。会議の参加者は約300人、国外から

は約100人で、うち日本からは約50人の参加

と、非常に盛況でした。

 会議は、基調講演は全体会議形式で行われ

ましたが、それ以外は 4 つの会場に分かれて、

数多くの分科会が開催されました。

2 口頭発表について

 私たち二人は、「放射線リスクモデル」の分

科会で発表を行いました。

 古田は「がん死亡と低線量・低線量率被ば

くとの関連に係る時間依存修飾要因」の演題

AOCRP-5への日本人参加者 古田の口頭発表スライドの一部 1 1 はじめに AOCRP(アジア・オセアニア放射線防護学 会)は 4 年ごとに開催されます。第 5 回 AOCRP は 5 月 20~23 日にオーストラリア・メルボル ンで開催されました。当協会放射線疫学センタ ーからは古田と工藤が参加し、口頭発表する機 会を得、私どもの疫学調査J-EPISODE の紹介 に努めると共に、情報収集を行ってきました。 世界で最も住みやすい街に選ばれたメルボル ンはどこかヨーロッパの雰囲気がするおしゃれ な街でした。日本はもうワイシャツの季節でし たが、南半球は季節が逆で、ちょうど晩秋の時 期でした。 会場となったのは、市内を流れるヤラ川沿い に建つメルボルン会議・展示センター(MCEC) というメルボルンの代表的な建造物でした。会 議の参加者は約300 人、国外からは約 100 人で、 うち日本からは約 50 人の参加と、非常に盛況 でした。 会議は、基調講演は全体会議形式で行われま したが、それ以外は4 つの会場に分かれて、数 多くの分科会が開催されました。 2 口頭発表について 私たち二人は、「放射線リスクモデル」の分科 会で発表を行いました。

AOCRP-5 2018 に参加して

(公財)放射線影響協会 古田 裕繁 AOCRP-5 への日本人参加者 古田の口頭発表のスライドの一部 1 1 はじめに AOCRP(アジア・オセアニア放射線防護学 会)は 4 年ごとに開催されます。第 5 回 AOCRP は 5 月 20~23 日にオーストラリア・メルボル ンで開催されました。当協会放射線疫学センタ ーからは古田と工藤が参加し、口頭発表する機 会を得、私どもの疫学調査J-EPISODE の紹介 に努めると共に、情報収集を行ってきました。 世界で最も住みやすい街に選ばれたメルボル ンはどこかヨーロッパの雰囲気がするおしゃれ な街でした。日本はもうワイシャツの季節でし たが、南半球は季節が逆で、ちょうど晩秋の時 期でした。 会場となったのは、市内を流れるヤラ川沿い に建つメルボルン会議・展示センター(MCEC) というメルボルンの代表的な建造物でした。会 議の参加者は約300 人、国外からは約 100 人で、 うち日本からは約 50 人の参加と、非常に盛況 でした。 会議は、基調講演は全体会議形式で行われま したが、それ以外は4 つの会場に分かれて、数 多くの分科会が開催されました。 2 口頭発表について 私たち二人は、「放射線リスクモデル」の分科 会で発表を行いました。

AOCRP-5 2018 に参加して

(公財)放射線影響協会 古田 裕繁 AOCRP-5 への日本人参加者 古田の口頭発表のスライドの一部 1 1 はじめに AOCRP(アジア・オセアニア放射線防護学 会)は 4 年ごとに開催されます。第 5 回 AOCRP は 5 月 20~23 日にオーストラリア・メルボル ンで開催されました。当協会放射線疫学センタ ーからは古田と工藤が参加し、口頭発表する機 会を得、私どもの疫学調査J-EPISODE の紹介 に努めると共に、情報収集を行ってきました。 世界で最も住みやすい街に選ばれたメルボル ンはどこかヨーロッパの雰囲気がするおしゃれ な街でした。日本はもうワイシャツの季節でし たが、南半球は季節が逆で、ちょうど晩秋の時 期でした。 会場となったのは、市内を流れるヤラ川沿い に建つメルボルン会議・展示センター(MCEC) というメルボルンの代表的な建造物でした。会 議の参加者は約300 人、国外からは約 100 人で、 うち日本からは約 50 人の参加と、非常に盛況 でした。 会議は、基調講演は全体会議形式で行われま したが、それ以外は4 つの会場に分かれて、数 多くの分科会が開催されました。 2 口頭発表について 私たち二人は、「放射線リスクモデル」の分科 会で発表を行いました。

AOCRP-5 2018 に参加して

(公財)放射線影響協会 古田 裕繁 AOCRP-5 への日本人参加者 古田の口頭発表のスライドの一部

で口頭発表を行い、Windows… アプローチを

用いて、①5mSv以上の年線量に由来する累

積線量、あるいは、45歳以上で被ばくした

線量に由来する累積線量の過剰相対リスク

ERR/Svは有意であったが、②高年齢での被

ばくほどリスクが高く見えるのは、一部、出

生年の分布と年線量の推移との相互作用の結

果もたらされたこと、また、③年5mSv未満

線量に由来するリスクが見かけ上マイナスと

(12)

工藤の口頭発表スライドの一部 2 古田は『がん死亡 と低線量・低線量率 被ばくとの関連に係 る時間依存修飾要因』 の演題で口頭発表を 行 い 、Windows ア プローチを用いて、 ①5mSv 以上の年線 量に由来する累積線 量、あるいは、45 歳 以上で被ばくした線 量に由来する累積線 量の過剰相対リスク ERR/Sv は有意であ ったが、②高年齢で の被ばくほどリスクが高く見えるのは、一部、 出生年の分布と年線量の推移との相互作用の結 果もたらされたこと、また、③年5mSv 未満線 量に由来するリスクが見かけ上マイナスとなっ ているのも、同じ原因であることを説明し、最 後に低線量率の職業被ばくによるがん死亡につ いては線量率の影響にもっと注目する必要があ ること、また、個々のコホート研究において、 出生コホートの構造と年線量の動向を明らかに することが必要である旨提言を行いました。 工藤は『生活習慣・社会経済要因と放射線リ スクの比較』の演題で口頭発表を行い、2003-04 年に実施した第2 次生活習慣調査対象者約 4 万 人を対象に、喫煙、飲酒、職種、職位、教育年 数などのがん死亡リスク要因及び被ばく線量に ついて、各々の変数のがん死亡相対リスクをモ デル計算により推計し、比較したところ、全が んのみならず、胃がん、肝がん、肺がん、また、 非悪性疾患においても、仮に放射線リスクがあ ったとしても、その大きさは生活習慣や社会経 済要因に比べるとはるかに小さいという証拠が 得られたとの説明を行いました。 3 そ の 他の話題 そ の 他 の分科会で は、福島第一事故関連、生物影響、職業・医療 被ばくなどの他、世界有数のウラン輸出国であ るオーストラリアの産業事情を反映してかウラ ン鉱山での放射線防護の議論がありました。一 部の国を除けば、ウラン鉱山の職業被ばくは年 線量1mSv 未満とのことでした。 また、オーストラリアは、州法・連邦法で原 発が禁止されており、電力供給の危機を迎えつ つあるとの話がありました。この背景には、実 際のリスクではなく、LNT 仮説のために安全な 線量は存在しないとの誤解に基づく、放射線に 対する恐怖が国民にあるからではないかとの議 論がありました。 このようなことも背景にあってか、放射線防 護における保守主義的なアプローチは賢明であ るが、一方で、便益や費用との適正なバランス を考慮することが重要であるとの意見が、何人 もの発表者からあったのが印象に残りました。 現存被ばくの分科会では、民間航空便におけ る宇宙放射線被ばくについて、航空便の被ばく 線量は飛行コースの高度と緯度によって変わり、 例えば高緯度を通過する日本発サンフランシス コ行の便では 7μSv/y、低緯度を通過するシド ニー行の便では2μSv/y となっており、日本か ら世界へのモデル飛行コースを設定し、2009‐ 14 年の搭乗者数データに基づいて推計したと こ ろ 、 日 本 人 の 年 間 一 人 当 た り 被 ば く 線 量 が 8.3μSv/y、うち 90%は国際線によるものとの 発表がありました。 会 場 と な っ た メ ル ボ ルン 会 工藤の口頭発表スライドの一部 会場となったメルボルン会議・展示センター (MCEC)

 また、オーストラリ

アは、州法・連邦法で

原発が禁止されており、

電力供給の危機を迎え

つつあるとの話があり

ました。この背景には、

実際のリスクではなく、

LNT仮 説 の た め に 安 全

な線量は存在しないと

の誤解に基づく、放射

線に対する恐怖が国民

にあるからではないか

との議論がありました。

 このようなことも背

景にあってか、放射線

防護における保守主義

的なアプローチは賢明であるが、一方で、便

益や費用との適正なバランスを考慮すること

が重要であるとの意見が、何人もの発表者か

らあったのが印象に残りました。

 現存被ばくの分科会では、民間航空便にお

ける宇宙放射線被ばくについて、航空便の被

ばく線量は飛行コースの高度と緯度によって

変わり、例えば高緯度を通過する日本発サン

フランシスコ行の便では7μSv/h、低緯度を

通過するシドニー行の便では2μSv/hとなっ

ており、日本から世界へのモデル飛行コース

を設定し、2009-14年の搭乗者数データに基

づいて推計したところ、日本人の年間一人当

たり被ばく線量が8.3μSv/y、うち90%は国際

線によるものとの発表がありました。

 ポスターセッションでも50近い発表が行わ

れました。

 次回2022年のAOCRP-6はインド・ムンバイ

で開催予定です。

なっているのも、同じ原因であることを説明

し、最後に低線量率の職業被ばくによるがん

死亡については線量率の影響にもっと注目す

る必要があること、また、個々のコホート研

究において、出生コホートの構造と年線量の

動向を明らかにすることが必要である旨提言

を行いました。

 

 工藤は「生活習慣・社会経済要因と放射

線リスクの比較」の演題で口頭発表を行い、

2003-04年に実施した第 2 次生活習慣調査対

象者約 4 万人を対象に、喫煙、飲酒、職種、

職位、教育年数などのがん死亡リスク要因及

び被ばく線量について、各々の変数のがん死

亡相対リスクをモデル計算により推計し、比

較したところ、全がんのみならず、胃がん、

肝がん、肺がん、また、非悪性疾患において

も、仮に放射線リスクがあったとしても、そ

の大きさは生活習慣や社会経済要因に比べる

とはるかに小さいという証拠が得られたとの

説明を行いました。

3 その他の話題

 その他の分科会では、福島第一事故関連、

生物影響、職業・医療被ばくなどの他、世界

有数のウラン輸出国であるオーストラリアの

産業事情を反映してかウラン鉱山での放射線

防護の議論がありました。一部の国を除けば、

ウラン鉱山の職業被ばくは年線量1mSv未満

とのことでした。

(13)

2018. 7, No.96  放影協ニュース 13

除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度における統計資料の公表について

(平成29年)

放射線従事者中央登録センター 

1.統計資料の公表について

… (公財)放射線影響協会放射線従事者中央

登録センター(以下「中央登録センター」とい

う。)は、除染等業務従事者等被ばく線量登録

管理制度(以下「除染登録管理制度」という。)

に参加する除染等業務、特定線量下業務及び

事故由来廃棄物等の処分の業務に関する事業

場に従事する者(以下「除染等業務従事者等」

という。)一人ひとりに中央登録番号を付与し

て登録し、その者の被ばく線量(以下「線量」

という。)を一元的に登録管理しています。こ

れにより、除染等業務従事者等が複数の制度

参加事業場を移動して業務に従事した場合で

あっても、これらの事業場で受けた線量を正

確に把握することが可能です。

 中央登録センターでは、登録されたデータ

を基に、除染等業務従事者等の放射線管理状

況を示す統計資料を作成し、公表することと

しています。今回は、平成29年に実施された

除染等業務等の線量データに基づく統計資料

を公表します。

 なお、当協会のホームページには、ここに

掲載した線量統計の他、速報版として四半期

ごとに集計した統計資料も掲載しておりま

す。各統計資料の過去分や英語版もございま

すので合わせてご覧下さい。

2.データの集計方法

 除染登録管理制度に参加している事業者の

除染等事業場における除染等業務従事者等の

線量を集計したものです。

 (1)本統計資料は、平成30年 5 月16日まで

に制度参加事業者から登録された、除染

特別地域内における除染等業務従事者等

の線量データにより作成したものです。

(事故由来廃棄物等の処分の業務に関す

る事業場は除染特別地域外を含みます。)

 (2)集計した線量は、外部被ばくと内部被

ばくが合算された実効線量です。

 (3)

「除染等業務従事者等の年齢別線量」、

「除染等業務従事者等の男女別線量」及び

「除染等業務従事者等の従事工事件名数

と線量」の集計については、除染電離則

又は電離則の年線量限度の管理に対応し

ています。

 (4)年線量は、集計時点において除染登録

管理システムに登録されている線量データ

のうち、該当年の 1 月 1 日から12月31日ま

での線量を集計したものです

(暦年集計)

   また、 5 年間線量は、 5 年間の線量限

度の管理のために年線量 5 年分について

集計したもので、平成24年 1 月 1 日を始

期とする 5 年ごとに区切られます。ここ

で、平成29年は 5 年区切り 2 回目の初年

に当たり、 5 年間線量と年線量が同じ値

となるので、今回は重複を避けるため5

年間線量に関する統計資料を掲載してお

りません。

 (5)最大線量、合計線量、平均線量及び百

分率の数値は、それぞれ小数点第 2 位を

四捨五入しました。このため、合計が合

わない場合があります。

(14)

 (6)除染等業務従事者等の年齢は、平成29

年12月31日現在の満年齢としました。

 (7)統計資料の作成においては、中央登録

番号(個人識別番号)を基に個人の線量を

集計しました。「地域別線量」以外は、集

計の期間で名寄せされた統計となってい

ますが、「地域別線量」は地域ごとに名寄

せされた集計を行っており、 1 年間に 2

つの地域で作業をした従事者は 2 名と数

えています。

 (8)年間工事件名数は、除染等業務従事者

等が統計をまとめた期間内に従事した除

染等の工事件名の数を示します。

3.除染等業務従事者等の線量限度

 除染等業務従事者等の線量限度は、 5 年間

につき100ミリシーベルト、かつ 1 年間につ

き50ミリシーベルトです。〔女子(妊娠する可

能性がないと診断されたもの及び妊娠中のも

のを除く)については、前述の規定のほか、

3 月間につき 5 ミリシーベルトという限度も

あります。〕

【適用法令】

除染電離則:東日本大震災により生じた放射

性物質により汚染された土壌等

を除染するための業務等に係る

電離放射線障害防止規則(平成

23年厚生労働省令第152号)

電 離 則:電離放射線障害防止規則(昭和

47年労働省令第41号)

4.平成29年線量統計

(1)除染等業務従事者等の年齢別線量[平成29年]

線量(mSv) 年齢(歳) 除染等業務従事者数(人) 計 人  (%) 線 量 1以下 1を超え 2以下 2を超え 3以下 3を超え 4以下 4を超え 5以下 5を超え 7.5以下 7.5を超え 10以下 10を超え 15以下 15を超え 20以下 20を 超える 合…計 (人・mSv) 平…均 (mSv) 最…大 (mSv) 18 ~ 19 87 1 0 0 0 0 0 0 0 0 88 (0.4) 12.3 0.1 1.5 20 ~ 24 918 49 13 3 1 1 0 0 0 0 985 (3.9) 263.4 0.3 5.5 25 ~ 29 1,488 77 36 11 0 1 0 0 0 0 1,613 (6.4) 463.7 0.3 5.4 30 ~ 34 1,773 91 21 10 2 0 0 0 0 0 1,897 (7.6) 489.6 0.3 4.8 35 ~ 39 1,963 119 27 4 4 5 0 0 0 0 2,122 (8.5) 601.1 0.3 6.5 40 ~ 44 2,504 145 49 18 6 2 0 0 0 0 2,724……(10.9) 825.0 0.3 5.5 45 ~ 49 3,061 152 38 11 5 3 0 0 0 0 3,270……(13.1) 877.7 0.3 5.8 50 ~ 54 3,098 186 57 17 8 5 0 0 0 0 3,371……(13.5) 1,038.6 0.3 6.5 55 ~ 59 3,220 215 52 24 6 11 1 0 0 0 3,529……(14.0) 1,183.7 0.3 8.0 60 ~ 64 3,054 206 64 29 5 5 0 0 0 0 3,363……(13.4) 1,166.1 0.3 6.3 65 ~ 69 1,593 127 40 7 3 4 0 0 0 0 1,774 (7.1) 618.0 0.3 7.2 70以上 270 14 3 1 1 0 0 0 0 0 289 (1.2) 83.7 0.3 4.6 合計人数 (%) 23,029 (92.1) 1,382 (5.5) 400 (1.6) 135 (0.5) 41 (0.2) 37 (0.1) 1 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 25,025(100.0) ― ― ― 合計線量 (人・mSv) 3,885.7 1,915.8 960.9 458.9 182.6 211.0 8.0 0.0 0.0 0.0 - 7,622.8 0.3 8.0 [表の見方] ・例えば、平成29年集計における年齢「25 ~ 29」の線量「1を超え2以下」の「77」という値は、平成29年の1年間に25 ~ 29歳の者で 除染等業務を行い、その線量が1mSvを超え2mSv以下であった者が77人であったことを示します。

(15)

2018. 7, No.96  放影協ニュース 15

(2)除染等業務従事者等の年齢別線量[平成29年]

*この図は「(1)除染等業務従事者等の年齢別線量[平成29年]」の表を図化したものです。 3

4.平成

29 年線量統計

1)除染等業務従事者等の年齢別線量[平成 29 年]

[表の見方] ・例えば、平成29 年集計における年齢「25~29」の線量「1 を超え 2 以下」の「77」という値は、平成 29 年の 1 年間に 25~29 歳の者で除染等業務を行い、その線量が 1mSv を超え 2mSv 以下であった者が 77 人であった ことを示します。

2)除染等業務従事者等の年齢別線量[平成 29 年]

*この図は「(1)除染等業務従事者等の年齢別線量[平成 29 年]」の表を図化したものです。 線量 年齢 (mSv) 1以下 1を超え 2を超え 3を超え 4を超え 5を超え 7.5を超え10を超え15を超え20を 合 計 平 均 最 大 (歳) 2以下 3以下 4以下 5以下 7.5以下 10以下 15以下 20以下 超える 人 (%) (人・mSv)(mSv)(mSv) 18~19 87 1 0 0 0 0 0 0 0 0 88 (0.4) 12.3 0.1 1.5 20~24 918 49 13 3 1 1 0 0 0 0 985 (3.9) 263.4 0.3 5.5 25~29 1,488 77 36 11 0 1 0 0 0 0 1,613 (6.4) 463.7 0.3 5.4 30~34 1,773 91 21 10 2 0 0 0 0 0 1,897 (7.6) 489.6 0.3 4.8 35~39 1,963 119 27 4 4 5 0 0 0 0 2,122 (8.5) 601.1 0.3 6.5 40~44 2,504 145 49 18 6 2 0 0 0 0 2,724 (10.9) 825.0 0.3 5.5 45~49 3,061 152 38 11 5 3 0 0 0 0 3,270 (13.1) 877.7 0.3 5.8 50~54 3,098 186 57 17 8 5 0 0 0 0 3,371 (13.5) 1,038.6 0.3 6.5 55~59 3,220 215 52 24 6 11 1 0 0 0 3,529 (14.0) 1,183.7 0.3 8.0 60~64 3,054 206 64 29 5 5 0 0 0 0 3,363 (13.4) 1,166.1 0.3 6.3 65~69 1,593 127 40 7 3 4 0 0 0 0 1,774 (7.1) 618.0 0.3 7.2 70以上 270 14 3 1 1 0 0 0 0 0 289 (1.2) 83.7 0.3 4.6 合計人数 23,029 1,382 400 135 41 37 1 0 0 0 25,025 (100.0) ― ― ― (%) (92.1) (5.5) (1.6) (0.5) (0.2) (0.1) (0.0) (0.0) (0.0) (0.0) 合計線量 (人・mSv) 3,885.7 1,915.8 960.9 458.9 182.6 211.0 8.0 0.0 0.0 0.0 7,622.8 0.3 8.0     除染等業務従事者数 (人) 計 線 量 - 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 5,500 6,000 従 事 者 数 ( 人 ) 年 齢 (歳) 10mSvを超える 5mSvを超え10mSv以下 1mSvを超え5mSv以下 1mSv以下

(3)除染等業務従事者等の男女別線量[平成29年]

性別 線量(mSv) 男性 人  (%) 女性 人…… (%) 計 人  (%) 合計線量 人・mSv (%) 1以下 22,432……(92.1) 597……(90.8) 23,029……(92.1) 3,885.7……(51.0) 1を超え2以下 1,341 (5.5) 41 (6.2) 1,382 (5.5) 1,915.8……(25.1) 2を超え3以下 387 (1.6) 13 (2.0) 400 (1.6) 960.9……(12.6) 3を超え4以下 132 (0.5) 3 (0.5) 135 (0.5) 458.9 (6.0) 4を超え5以下 41 (0.2) 0 (0.0) 41 (0.2) 182.6 (2.4) 5を超え7.5以下 34 (0.1) 3 (0.5) 37 (0.1) 211.0 (2.8) 7.5を超え10以下 1 (0.0) 0 (0.0) 1 (0.0) 8.0 (0.1) 10を超え15以下 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0.0 (0.0) 15を超え20以下 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0.0 (0.0) 20を超える 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0.0 (0.0) 合計人数(%) 24,368(100.0) 657(100.0) 25,025(100.0) 7,622.8(100.0) 男女の割合(%) (97.4) (2.6) 平均線量(mSv) 0.3… 0.4… 0.3 合計線量(人・mSv) 7389.8 233.0 7,622.8 最大線量(mSv) 8.0 5.8 8.0 [表の見方] ・例えば、平成29年集計における「男性」の線量「1を超え2以下」の「1,341」という値は、平成29年の1年間に除染等業務を行った 男性で、その線量が1mSvを超え2mSv以下であった者が1,341人であったことを示します。

(16)

(4)除染等業務従事者等の従事工事件名数と線量[平成29年]

1年間に従事した 工事件名数 年間線量(mSv) 1 2 3 4 5 6以上 計 人  (%) 1以下 16,318 5,157 1,321 184 33 16 23,029……(92.0) 1を超え5以下 687 796 315 144 13 3 1,958 (7.8) 5を超え10以下 3 16 10 8 1 0 38 (0.2) 10を超え15以下 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 15を超え20以下 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 20を超え25以下 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 25を超え30以下 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 30を超え40以下 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 40を超え50以下 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 50を超える 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 合計人数  (%) 17,008 (67.9) 5,969 (23.9) 1,646 (6.6) 336 (1.3) 47 (0.2) 19 (0.1) 25,025(100.0) 平均線量(mSv) 0.2 0.5 0.6 1.2 0.9 0.5 0.3 [表の見方] ・例えば、1年間に従事した工事件名数「3」の線量「1を超え5以下」の「315」という値は、平成29年の1年間に3つの工事件名の除染 等業務を行い、その線量が1mSvを超え5mSv以下であった者が315人であったことを示します。

(5)従事工事件名数と線量に対する従事者構成比[平成29年]

*この図は「(4)除染等業務従事者等の従事工事件名数と線量[平成29年]」の表を図化したものです。

(公表データ)   

(5) 除染等業務従事者等の年間関係工事件名数及び線量

に対する従事者構成比[平成29年]

10mSvを超える 5mSvを超え10mSv以下 1mSvを超え5mSv以下 1mSv以下

* この図は「除染等業務従事者等の年間関係工事件名数及び線量

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1 2 3 4 5 6以上 従 事 者 構 成 比 年間関係工事件名数 凡例

* この図は

除染等業務従事者等の年間関係工事件名数及び線量

[平成29年]」の表を基に図化したものです。

(17)

2018. 7, No.96  放影協ニュース 17

(6)除染等業務従事者等の地域別線量[平成29年]

地域 年間線量(mSv) 地域A 人 地域B 人 地域C 人 その他 人 計 人  (%) 1以下 11,759 9,227 5,786 469 27,241……(93.6) 1を超え2以下 154 1,029 116 0 1,299 (4.5) 2を超え3以下 3 378 3 0 384 (1.3) 3を超え4以下 0 125 0 0 125 (0.4) 4を超え5以下 0 42 0 0 42 (0.1) 5を超え7.5以下 0 36 0 0 36 (0.1) 7.5を超え10以下 0 1 0 0 1 (0.0) 10を超え15以下 0 0 0 0 0 (0.0) 15を超え20以下 0 0 0 0 0 (0.0) 20を超える 0 0 0 0 0 (0.0) 合計人数 (%) 11,916 (40.9) 10,838 (37.2) 5,905 (20.3) 469 (1.6) 29,128(100.0) 平均線量(mSv) 0.2 0.5 0.1 0.0 0.3 合計線量(人・mSv) 1,995.8 5,082.5 522.1 22.4 7,622.8 [表の見方] ・平成29年に除染等業務従事者等が除染等業務等に従事した市町村を、除染特別地域については地理的な位置を考慮して北か ら順に地域A ~ Cの 3 つに区分し、その他の地域を加えた4区分で集計しています。ただし、この区分は平成23年から平成24 年に行われた除染実証事業における区分とは異なっています。   地域A:飯館村、川俣町、南相馬市、浪江町  地域B:葛尾村、田村市、双葉町、大熊町   地域C:川内村、富岡町、楢葉町………    ……その他:除染特別地域外の市町村   ※平成23年、平成24年の統計では、富岡町が地域Bに、大熊町、広野町が地域Cに区分されています。 ・例えば、表における「地域C」の線量「1を超え2以下」の「116」という値は、平成29年の1年間に地域Cで除染等業務に従事し、そ の線量が1mSvを超え2mSv以下であった者が116人であったことを示します。

(7)除染等業務従事者等の地域別線量に対する従事者構成比[平成29年]

*この図は「(6)除染等業務従事者等の地域別線量[平成29年]」の表を図化したものです。 6

7)除染等業務従事者等の地域別線量に対する従事者構成比[平成 29 年]

*この図は「(6)除染等業務従事者等の地域別線量[平成 29 年]」の表を図化したものです。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 地域A 地域B 地域C その他 従 事 者 構 成 比 地域別 2mSv を超える 1mSv を超え 2mSv 以下 1mSv 以下 凡例

(18)

 放射線従事者中央登録センターでは、原子

炉設置者や核燃料物質の加工事業者等の原子

力事業所から登録されたデータに基づいて、

放射線業務従事者個人毎に年間関係事業所数

( 1 年間に働いた事業所の数)及び線量を集計

し、年間関係事業所数別・線量区分別の従事

者数をまとめて公表しております。

 平成29年度の集計結果は下表の通りです。

本統計は、平成29年度の通常作業に伴う被ば

く線量のみの集計結果となっております。平

成29年度において、国が定めた年線量限度( 1

年間につき50ミリシーベルト)を超えた者は

おりません。

 また、国は、法令に従って原子力事業所ご

とに集計した放射線業務従事者数及び線量に

ついて各事業者から報告を受け、原子力施設

運転管理年報などに公表しています。

 なお、東京電力ホールディングス(株)福島

第一原子力発電所事故に伴う緊急作業線量

は、平成28年度以降、登録されておりません。

表 1 .放射線業務従事者の年間関係事業所数及び線量[平成29年度]

年間関係  事業所数 年間線量(mSv) 1 2 3 4 5 6以上 計 人…… (%) 5以下 57,284 5,927 940 214 42 22 64,429(……96.2) 5を超え10以下 1,111 139 37 10 1 1 1,299 (1.9) 10を超え15以下 616 76 6 2 0 0 700 (1.0) 15を超え20以下 463 37 1 0 0 0 501 (0.8) 20を超え25以下 42 0 0 0 0 0 42 (0.1) 25を超え30以下 26 0 0 0 0 0 26 (0.0) 30を超え40以下 7 0 0 0 0 0 7 (0.0) 40を超え50以下 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 50を超える 0 0 0 0 0 0 0 (0.0) 合計人数 (%) (88.9)59,549 (9.2)6,179 (1.5)984 (0.3)226 (0.1)43 (0.0)23 67,004(100.0) 平均線量 (mSv) 0.7 0.8 0.8 0.8 0.7 0.2 0.7 [表の見方] ・例えば、表における年間関係事業所数が5、線量が5mSv/年以下の「42」という値は、平成29年度1年間に5 ヵ 所の事業所で放射線業務を行い、その線量の合計が5mSv/年以下であった者が42人であったことを示します。

原子力放射線業務従事者被ばく線量登録管理制度における統計資料の公表について

-放射線業務従事者の年間関係事業所数及び線量[平成29年度]-

放射線従事者中央登録センター 

図 2 .放射線業務従事者の年間関係事業所数に対する    従事者構成比の年度推移[平成25年度~ 29年度] *この図は「表1.放射線業務従事者の年間関係事業所数及び線量[平成29年度] 」の表と過去4年間(平成25年度~ 28年度) のデータを基に図化したものです。 登 録 概 況 …… (平成30年…3…月末現在)  下表は、放射線従事者中央登録センターにおける各事業の処理実績を年度ごとに集計したものです。 1.原子力登録管理制度に係る事業 … (単位:件) 項   目 平成29年度 平成29年度末累

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