発行日 : 2016/6/27
NY金小幅上昇
週刊ゴールド
金の投資判断に必要な情報がここに凝縮されていま
す。
毎週月夕方発行
先週末6月24日金曜日のNY金8月限は+59.3ドル高の1322.4ドル。英国のEU離脱ショックを受けてドルが急 騰、原油・株価が暴落、債券相場が急騰と金融市場が大荒れとなるなか、逃避買いが殺到して一代高値を更新した。 時間外取引を1362.6~1252.8ドルのレンジで推移し、前日比65.8ドル高の1328.9ドルとなった。8月限は、 英国の欧州連合(EU)残留に備えて売りが先行し、前日安値(1256.9ドル:立会終了後の電子取引)を下回った が、市場の楽観ムードを裏切りEU離脱派が過半数を上回ったことから、金融市場は大荒れとなった。ドルが急騰、株 価・原油が暴落するなか、金は逃避買いが殺到して16日の高値(1318.9ドル)を突破し、一代高値を1362.6ドル (99.5ドル高:7.9%)まで更新した。ただ、金融市場の値動きが落ち着きを取り戻したことから、利食い売りで高 値から下押された。 立会時間は、戻り歩調を引き継いで1335.9ドルまで上昇したあと、ドル高・原油安や株価の戻りで1312.7ドル まで後退したが、週末を控えた買い戻しで地合いを強めた。英国のEU離脱ショックを受けて時間外取引は大荒れの展 開となったが、立会時間は建玉整理に終始した。英国のキャメロン首相は、スコットランド独立の国民投票を乗り 切ったものの、英国民はEUからの独立を選択した。他国民の選択は尊重する以外に選択肢はないが、英国民はEUか らのいくばくかの自由を勝ち取った代償に、経済・安保などに関わるさまざまな問題を抱え込むことになった。今 後、EUから切り離されることによる手続き上の問題に直面し、経済的な負担が増すだろう。単一市場へのアクセスに 制限が加わり、シティーの金融機関が規模の縮小ないし撤退を決断すれば、残るのは油田とプレミア・リーグ、軍需 産業ぐらいではなかろうか。 引け後に米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した6月21日現在の建玉明細によると、大口投機家の金の先物建 玉は29万2729枚の買い越しで、前週の27万9862枚の買い越しから拡大した。銀の先物建玉は8万243枚の買い 越しで、前週の6万9639枚の買い越しから拡大した。 今日の材料 ・英国民投票で英国民はEU離脱を選択、金融市場は大荒れ。 ・中国上海総合指数は前日比37.67安(1.30%)の2854.29。 ・5月の米耐久財受注速報値は前月比2.2%減、予想の0.5%減を下回る。輸送用 機器を除く受注は0.3%減、予想は0.1%増。航空機を除く非国防受注は0.7%減、予想は0.4%増。 ・EU離脱派勝利を受け、国民の判断を尊重するとしてキャメロン首相は辞意を表明。 ・英国のEU離脱を受けてG7は声明を発表、為替相場を中心とする市場が混乱してい る現状は経済に悪影響、緊密な協議を通じて適切に協力することをあらためて確認。 ・6月の消費者信頼感指数確報値は93.5に下方修正、予想は94.1。 ・大口投機家の金の先物建玉は29万2729枚の買い越しに拡大。 ・大口投機家の銀の先物建玉は8万243枚の買い越しに拡大。(日本先物情報ネットワーク)TOPICs
予期せぬBREXITで世界の株価は
80 100 120 2016年1月4日を100とした指数 タイ SETI フィリッ ピンPSI ジャカル タ総合指 数 シンガ ポール FTSTI マレーシ アKLSETOPICs
金とVIX指数
予期せぬBREXITのために世界の株価は下落し、VIX恐怖 指数が急上昇した。世界の資金はSafe Havenとしての金 と債券に回り、金は2014年7月以来の高値1320ドルと なった。TOPICs
金とドルインデックス
60 80 100 120 140 60 100 140NY金と米国10年物国債金利
(相関係数0▲0.77)
NY金 米国10年債金利 世界各国の政府発行国債が売れており、金利は過去最 低水準に下落している。⇑
金利
+2トン
+1トン
+0トン
+1トン
+5トン
+5トン
1,617トン
1,616トン
1,611トン
1,606トン
+17トン
+0トン
+0トン
+4トン
+3トン
+8トン
+5トン
+3トン
+3トン
+3トン
+7トン
+6トン
2016/6/2
2016/6/1
1,676トン
1,659トン
1,659トン
1,659トン
1,655トン
1,652トン
1,644トン
1,639トン
1,637トン
1,633トン
1,631トン
1,624トン
1,618トン
1,617トン
2016/6/9
2016/6/8
2016/6/7
2016/6/6
2016/6/3
2016/6/16
2016/6/15
2016/6/14
2016/6/13
2016/6/10
2016/6/23
2016/6/22
2016/6/21
2016/6/20
2016/6/17
2016/6/26
92 100 108 60 80 100 120 140NY金と
ドルインデックス
(相関係数▲0.84)
NY金 ドルインデックス⇩
ドル
高
TOPICs
NY金とドルインデックス
TOPICs
円高と東京金価格
60 80 100 120 80 100 120 140
NY金・
東京金
・
ドル円
NY金 東京金 ドル円円高
⇧
一方通貨はポンドとユーロが値下がり、ドルが上昇、またSafe Havenとしての円が買われえて円高となり、一時 99円台まで円高になった。ポンドは1985年以来30年ぶりの安値となった。その分円建ての金価格の値上がり率は NY金より小さかった。1月初めを100とした指数では、6月24日のNY金は22.8%上昇しているのに対し、東京金は 6.2%に過ぎない。この間、ドル円は14.4%円高となっている。東京金は、円高以外に2%程反応が鈍くなっている。TOPICs
ユーロとポンドは急落
TOPICs
ポンドは30年ぶりの安値
TOPICs
金ETF残高+17トン増
6月26日の世界の金ETF残高は、Thomson Reutersによれば、 1,676トンとなり、先週23日の1,659トンから+17トン、+英ポンドが米ドルに対して30年ぶりのポンド安となり、証券市場は世界中で英国の投票がEU離脱を決めるや否や 下落した。金や日本円は急騰し、政府国債の利回りは投資家が先行きの不透明性や混乱かにより、リスク資産から引 き出した資金の安全な置き場所として買われた。 最近多くの投資家は、英国は国民投票でEUに残留する方に投票すると思っていたため、EU離脱は大きなショック であり政治的経済的な混乱た欧州で起きて、壊れやすい世界経済の緩慢な成長に打撃を与えると恐怖を抱いた。 我々は長い、政治的、金融的、経済的な不透明な時代に入っている。投資家がリスク資産から金や円、政府発行の 国債等のSafe Haven資産に資金を移すことには何の驚きもない。金価格は8%上昇して1360ドルと2014年3月 以来の高値になった。Brexitのニュースが流れてからこうした価格の動きとなることは想定内である。また為替の世 界ではポンドとユーロが下落することも想定の範囲内である。そしてこうした通貨建ての金価格はより大きく高騰し ている。ポンド建てでは2桁以上上昇し、3年ぶりの高値である992ポンド/オンスとなっている。ユーロと建てでは 11%高の1230ユーロ/オンスとなっており、2013年4月以来の高値である。 英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利し、ドルが上昇、世界の金融市場も激しく揺れている。こうした状 況から米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを先送りする可能性が高まっている。FRBはわずか数週間前、7月 26・27日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを検討していた。しかし今となっては7月利上げの公算は極 めて小さく、7月以降の利上げの可能性も後退したとみられる。少なくとも欧州の政治情勢が米国の経済見通しにどう 影響するかが明白になるまではそうだろう。 FRBの観点で最も重要な動きは大幅なドル高だ。ドルは通貨バスケットに対し2%上昇した。 ドル高は事実上、米国にとって政策の引き締めを意味する。米国の輸出に打撃を与え、輸入物価を押し下げるため だ。株式相場の下落や世界的なリスク資産からの逃避もこうした政策引き締め効果に加わる。調査会社コーナース トーン・マクロのアナリスト、ロベルト・ペルリ氏は調査リポートで「ドルの持続的上昇は、影響が世界の金融市場 に波及する上で最も深刻な経路になり得る」と述べた。ペルリ氏によれば、中でもドル高で中国当局には人民元の下 落を容認するよう圧力がかかる。過去において人民元安はそれだけで市場の急変動の一因となり、これを受けFRBは 利上げを見送った経緯がある。英国のEU離脱により、慎重でリスクを避けたがるイエレンFRB議長が利上げに極めて 消極的になることは明白だろう。利上げすれば市場の変動幅が拡大し、ドルに上昇圧力がかかるとみられる。 イエレン議長は今週、米議会で「英国の国民投票でEU離脱が決まれば経済への影響は極めて大きくなるだろう」と 述べた。英EU離脱は「不透明な時期の到来を告げ」世界市場の変動をあおるとし、「そうなれば金融環境や米経済に 負の影響を及ぼす」との考えを示した。英国の決断によって米経済が長期にわたって悪影響を受けていることが明確 になり、米経済が緩やかに成長し物価が上昇するとのFRBの見通しが大幅に下方修正される場合、FRBが政策金利を ゼロに向けて引き下げる可能性も出てくる。
TOPICs
米国の利上げ遠のく
6月25日
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各国通貨建て金価格
by
GFMS
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金価格高騰
株式会社コモディティー インテリジェンス4東京都中央区日本橋蛎殼町1丁目11-3-310 会社電話: 03-3667-6130 会社ファックス 03-3667-3692 メールアドレス: [email protected] 発行元 : 掲載される情報は株式会社コモディティー インテリジェンス (以下「COMMi」という) が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作 成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つも のでもありません。 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に 修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。 COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情などの影響により、その価値を増大または減 少することもあり、価値を失う場合があります。 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を補償するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が 発生した場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。 COMMiおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。 『喉元過ぎれば熱さを忘れる』と言う格言どおり、先週末世界を駆け巡った衝撃は早くも緩和しつつある。冷 静になって考えてみれば、英国の凋落は世界にそれほどの影響は与えないであろう。恐ろしいことは『離脱ドミ ノ』が発生するかどうかである。今後フランス大統領選挙やドイツの総選挙等があり、反政府勢力=EU離脱派が 勢いを増すことは考えられるが、英国経済へのダメージを見れば考え直すかもしれない。当の英国は、自ら下し た決断に戸惑っていることであろう。英国の輸出入の半分弱をEUが占め、EUからは入超である。EUは英国の離 脱が他国に波及しないように英国に対して懲罰的な関税をかけるかもしれない。そうでなくとも、直接的ダメー ジはEUより英国に多いだろう。それを見て他国が追随するかどうかは今後の問題である。金は米国の利上げが遠 のいたという好条件を得たが、このままどんどん上がるとは思えない。どこまで不安が高まるか、あるいは一過 性のもので、株価も急反発するかどうかが見ものであり、それによっては金価格の上昇も一過性に留まる可能性 もある。
金曜日の衝撃から時間が経つにつれ、楽観論が様々に報道されるようになってきた。Wall Street Journalの論調 は、オバマ政権はEUへの支援を強化すべきで、英国ともFTAによる自由貿易政策を進めるべきだと進言し、韓国は米 国の手本となるほど早々と英国との2国間自由貿易協定の締結推進を明言したと社説で述べている。また別の記事で は、「米国の対英貿易は5%未満に過ぎず、Brexitがあっても米国商務省が28日に公表する1~3月期のGDP確報値 は上方修正され、4~6月期も大幅な成長の加速が見込まれると自信を持った論調となっている。さらに金利環境も 10年物国債利回りが1.58%に下落、これと連動する住宅ローン金利など長期の借り入れコストは下落していると し、米国債利回りが低下した理由の一つは、Brexitにより世界の中央銀行が緩和姿勢を強めると債券投資家は見てい るからだとしている。英中銀イングランド銀行、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行は緩和策を講じ、米連邦準備制度 理事会(FRB)は利上げ計画を早くても来年以降へ先送りする、との見立てだ。」という。 「ジョンズ・ホプキンス大学金融経済学センターの共同所長、ロバート・バーベラ氏は、米経済が貿易面で受ける 打撃を金利低下が相殺するとの見方を示す。最終的にブレグジットのGDPへの影響は差し引きゼロ、という結果にな りそうだ。 投資家からすれば、状況はより複雑だ。米企業は英国で大規模な事業を展開しており、商務省によると、米国の多 国籍企業は海外売上高の約10%を英国で稼いでいる。そのため、国内型の企業の方が、ブレグジットがもたらす嵐を 乗り切るのは容易と思われる。 当然ながら、英国の問題によって国際信用市場の予期せぬ脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りとなり、それが米国に 波及することはあり得る。さらに、ユーロ圏加盟国がEUから離脱する危険性も高まっている。ただ今のところは、米 国の投資家は株式を保有したいかどうかではなく、どの株式を保有したいかを考えた方が良いかもしれない。」と論 調は楽観的様相となっている。