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春季リーグ戦と秋季リーグ戦の失点パターンについて (2016 年度春 秋季リーグ戦 N 体育大学硬式野球部公式戦 29 試合 学籍番号 13A0024 学生氏名伊藤竜次 I. はじめに 野球は試合終了時に得点が高いチームが勝利となるた め 失点を防ぎ得点を重ねることを目的としてゲームを進 盤の失点

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運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0006

学生氏名

阿部

翔人

Ⅰ.はじめに 日本体育大学硬式野球部はバントを多く利用している。 野球にとってバントは大事なプレーだとよく言われ、結果 的に成功していても、 一発で決まらないと雰囲気が悪くな り、失敗すると流れが変わるとまで言われている。 よって本研究ではバントはバントでも「送りバント」、「セ ーフティーバント」、「スクイズ」などの種類があるがその 中でも「送りバント」に着目し、送りバントの重要性、送 りバントを決めることによって得点にどのように結びつ き、得点にどのような関係性があるのか調べてみることに した。 Ⅱ.方法 2016 年度首都リーグ春季・秋季リーグ戦日本体育大学 の試合、春季 14 試合、秋季13試合の合計27試合を対 象とする。 1発でバントが決まった時とそうでないときの比較を① と置く。送りバントが使われる場面の0死1塁を②、0死 2塁を③、0死 1・2 塁を④、1死1塁を⑤、1死2塁を ⑥、1死1・2塁を⑦と置く。 2016 年度春季・秋季リーグ戦の日本体育大学硬式野球部マ ネージャー記載のスコアをもとに行う。日本体育大学攻撃 時の送りバントが一発で成功したか、そうでないかに分け て成功率を求める。 Ⅲ.結果 一発で決まったのが20 回、そうでないものが 13 回とな り、バントを試みた全体の割合は61%と 39%となった。② 全部で22 回だった。一発で決まったのが 12 回でその後得 点になったのは3 点だった。そうでないものは 10 回でそ の後得点になったのは2 点と差はあまりなかった。③0 死 2 塁の場面では一発で成功した送りバントは必ず得点して いた。④バント機会は2回しかなかった。得点は一発で決 まったときの1 点だけとなった。⑤全部で 4 回バントをし ていた。一発で決めたときは1 点だけ得点につながったが、 そうでないときは必ず得点している。⑥両方ともバントを する機会はなかった。⑦1 死 1・2 塁では両方とも 0 回とバ ントの機会はなかったが、セーフティーバントという作戦 の形で試み、一発でバントを決めていた。 Ⅳ.考察 バントの成功のうち一発で成功しなかったものより一発で 成功したほうが多かったのには理由があると。プロ野球で 18 年間活躍をしていた古田敦也は³⁾ ファースト・ストライ クの取り方について0-0 におけるテーマは、いかにストライ クを取るかに集約されると述べている。ピッチャーを心理的 にも有利にさせるということからバントのしやすいストラ イクゾーンにボールが集まり一発で成功した数が多くなっ たのではないかと考えられた。 Ⅴ.まとめ この研究からバントを一発で成功したときと一発で成功 しなかったときの得点率は一発で成功したときは11 本中 5 本で45,5%、一方一発で成功しなかったときは 11 本中 6 本 で54,5%という結果となりあまり差はないが、一発で成功し なかったときの方が得点に結びついていた。一発で成功しな い方が得点につながっている結果となり、バントが一発で決 まった時の流れや雰囲気というのは得点に関係していない。 しかし、リーグ戦の試合展開をみると一発で 成功したバントから流れが変わった試合がある。よって一概 に一発でバントが成功しない方が得点に結びつくわけでは ない。 Ⅵ.参考文献 1)川相昌弘(2011)『川相昌弘 スモールベースボールを紐 解く:日本的スモールベースボール』ベースボール・マガジ ン社p.135 2)2016 年度春季・秋季首都リーグ戦スコアブック 3)古田敦也(2009)『フルタの方程式』朝日新聞出版 p.70

バント成功率と得点への関係性

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運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0024

学生氏名 伊藤 竜次

I.はじめに 野球は試合終了時に得点が高いチームが勝利となるた め、失点を防ぎ得点を重ねることを目的としてゲームを進 める必要がある。功力が野球の試合における「勝敗のカギ は70%投手にある」と述べているように、投手の役割が重 要である。失点に繋がるのは、野手の場合エラーであるが、 投手の場合は被安打と四死球である。 そこで本研究では本学硬式野球部を対象として平成 28 年度の公式戦での結果についての情報を状況別に集計し、 どのようなシチュエーションでの失点が多いのか、どのよ うなきっかけや流れでの失点が多いのか検証し、選手への 戦術指導のために有効な視点を得ることを目的とした。 Ⅱ.方法 本学硬式野球部の平成 28 年度春季リーグ戦、秋季リー グ戦、全日本大学野球選手権大会、計 29 試合の結果を対 象とした。 平成 28 年度春季リーグ戦、秋季リーグ戦、全日本大学 野球選手権大会、計 29 試合全ての試合結果をデータとし て採用した。アウトカウント別にH、2BH、四球、エラー を表にまとめた。春季リーグ戦と春季リーグ戦の失点をイ ニング、序盤・中盤・終盤の3 つに分けた。ただし、延長 戦(タイブレークも含む)のデータは除外した。 すべてのデータを日本体育大学リサーチデータ 1)より 抽出しMicrosoft Excel2010 上に入力し、表の作成および グラフ作成を行った。 Ⅲ.結果 春季リーグ戦と秋季リーグ戦のデータを合わせた結果、 2BH、3BH といった長打を打たれた場合、約 50%以上の 確率で失点に関係していることがわかった。特に 3BH は 100%の確率で失点に絡んできていることがわかった。ま た四死球のうち B(四球)よりも DB(死球)の確率が高 いことがわかった。(表5) イニング別に失点機械と失点数を見た結果、6 イニング 目(7回機会があり、15 失点)が最も多いことがわかった。 またイニングを序盤、中盤、終盤の三つに分けた場合、最 も多くのは、中盤(30 失点)であった。春季リーグ戦は終 盤の失点(15 失点)が勝敗を左右していたが、秋季リーグ 戦においては中盤の失点(19 失点)が勝敗を左右し、さら に後半の失点に繋がっていたことがわかった。 (表5.春・秋季リーグ戦アウトカウント別失点確率) H 2BH 3BH HR B DB E 0 死 38% 63% 100% 6 29% 100% ― 1 死 26% 56% 100% 6 30% 29% 40% 2 死 20% 20% 100% 4 0% 50% 0% Ⅳ.考察 春季リーグ戦と秋季リーグ戦のデータを合わせた結果、 2BH、3BH などの長打を打たれた場合、約 50%以上の確率 で失点と関係していることがわかり、長打を打たれた際は、 キャッチャーやベンチがタイムをとり、ピッチャーの気持ち を落ち着かせたり、間をとったりしてあげることが重要であ る。また死球を与えた場合、高い確率で失点に関係してきて いることからも、死球を与えた際の対処を考える必要があ る。失点を重ねると同時に味方のエラーが絡んでくると投手 はプレッシャーを感じることも考えられる。 Ⅴ.まとめ 野球というスポーツは点を与えなければ負けることはな いスポーツであり、安打よりも無条件で相手に出塁を許す四 死球が試合の流れを左右するものではないかと考えられる。 どんな状況におかれてもプレッシャーを自分のプラス要素 として受け取ることができる精神力を身につけることが上 で通用する選手の条件であると考える。そのためには、技術 的な練習をしていくことも大切であるが、メンタル面のトレ ーニングをしていくことも大切な事であると考えられる。 Ⅵ.参考文献 1)平成28年度 N 体育大学硬式野球部春季リーグ戦、秋季 リーグ戦のチームスコアブック、リサーチデータ Baseball Analyzer (データベーススタジアム) 2)野球の試合で得点となったランナーの出塁別検討 市丸 直人(福岡教育大学附属体育研究センター、2002)

春季リーグ戦と秋季リーグ戦の失点パターンについて

(2016 年度春、秋季リーグ戦 N 体育大学硬式野球部公式戦 29 試合

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運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0075

学生氏名 金久保 亮

Ⅰ.はじめに 10 年以上野球というスポーツにかかわってきた中 で野球をやるという観点で野球をしてきたが、今回野 球を知る、違う方向から見るという観点から考えてい く。ランナーが一塁にいる場面での攻撃は基本であ る。ツーアウトからの攻撃はものすごく少数に限られ てくるため、ノーアウト、ワンアウトのランナー一塁 について研究していけば得点力アップにつながるで あろう。 ランナー一塁の場面は多くの作戦が考えられる。そ の中でどのような作戦、どのような攻撃が一番得点に 絡むのかを研究していけば、将来指導者になったと き、野球を教える立場になったときに少しは役に立つ と考える。 そして今回の研究を元に少しでも後輩たちが日体大 硬式野球部の目標である、日本一に近づければいいと 思い今回の研究に至った。 Ⅱ.方法 A 対象の試合 春季、秋季公式戦全 29 試合 B スコアブックからノーアウト、ワンアウト一塁 のケースを抜き出し得点に絡む作戦、絡まない作戦を 抽出。 C 項目 ノーアウトランナー一塁 全 53 回 ・ヒッティング 全22 回 ・バント 全26 回 ・スチール 全 5 回 ワンアウトランナー一塁 全59 回 ・ヒッティング 全33 回 ・バント 全 8 回 ・スチール 全18 回 D 集計方法 スコアブックをもとに Microsoft Excel を使いパーセンテージを出した。 Ⅲ.結果 春 全15試合 36得点 内14得点 A ノーアウト一塁 23回 ・ヒッティング 10回 得点2回 ・バント 13回 得点2回 ・スチール 0回 B ワンアウト一塁 27回 ・ヒッティング 8回 得点5回 ・バント 6回 得点2回 ・スチール 13回 得点3回 秋 全14試合 41得点 内14得点 C ノーアウト一塁 30回 ・ヒッティング 12回 得点4回 ・バント 13回 得点4回 ・スチール 5回 得点2回 D ワンアウト一塁 32回 ・ヒッティング 25回 得点4回 ・バント 2回 得点0回 ・スチール 5回 得点0回 Ⅳ.考察およびまとめ 今回すべてのケースでバントをさせるよりヒッティ ングをさせるほうが得点に絡む確率が高いという結果 が出た。これは、アウトカウントを増やしてランナーを 進めるより少しのリスクを背負いアウトカウントを増 やさずにランナーを進めたほうがチャンスが広がるか らだと考えられる。 今回の研究を行いこのような結果が出たが、流れや打 順によってまた違う結果になるのが野球というスポー ツだ。野球は理屈じゃ語れないところが多くある。野球 について考えれば考えていくほど多くの疑問が出てき てしまう。それだけ野球は奥の深いスポーツだといえ る。そんな私たちは指導者やこれから野球に携わってい く中で今回の研究結果も参考にしていく。 Ⅴ.参考文献 1) 世界野球ランキング

WBSC(World Baseball Softball Confedration) 野球世界ランキング 2) 東京学芸大学の及川研准教授らの研究結果 http://www.nikkei.com/article/DGXZZO2332424 0T10C11A2000000/

ノーアウト、ワンアウトランナー一塁の作戦と得点の結びつき

(2016 年度春、秋日本体育大学硬式野球部公式戦 計 29 試合)

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運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0088

学生氏名 岸 隆一郎

Ⅰ.はじめに 10 年以上野球というスポーツにかかわってきた中で野 球をやるという観点で野球をしてきたが、今回野球を知る、 違う方向から見るという観点から考えていく。ランナーが 一塁にいる場面での攻撃は基本である。ツーアウトからの 攻撃はものすごく少数に限られてくるため、ノーアウト、 ワンアウトのランナー一塁について研究していけば得点力 アップにつながるであろう。 ランナー一塁の場面は多くの作戦が考えられる。その中 でどのような作戦、どのような攻撃が一番得点に絡むのか を研究していけば、将来指導者になったとき、野球を教え る立場になったときに少しは役に立つと考える。 そして今回の研究を元に少しでも後輩たちが日体大硬式野 球部の目標である、日本一に近づければいいと思い今回の 研究に至った。 Ⅱ.方法 A 対象の試合 春季、秋季公式戦全 29 試合 B スコアブックからノーアウト、ワンアウト一塁のケー スを抜き出し得点に絡む作戦、絡まない作戦を抽出。 C 項目 ノーアウトランナー一塁 全 53 回 ・ヒッティング 全22 回 ・バント 全26 回 ・スチール 全 5 回 ワンアウトランナー一塁 全59 回 ・ヒッティング 全33 回 ・バント 全 8 回 ・スチール 全18 回 D 集計方法 スコアブックをもとに Microsoft Excel を 使いパーセンテージを出した。 Ⅲ.結果 春 全15試合 36得点 内14得点 A ノーアウト一塁 23回 ・ヒッティング 10回 得点2回 ・バント 13回 得点2回 ・スチール 0回 B ワンアウト一塁 27回 ・ヒッティング 8回 得点5回 ・バント 6回 得点2回 ・スチール 13回 得点3回 秋 全14試合 41得点 内14得点 C ノーアウト一塁 30回 ・ヒッティング 12回 得点4回 ・バント 13回 得点4回 ・スチール 5回 得点2回 D ワンアウト一塁 32回 ・ヒッティング 25回 得点4回 ・バント 2回 得点0回 ・スチール 5回 得点0回 Ⅳ.考察およびまとめ 今回すべてのケースでバントをさせるよりヒッティング をさせるほうが得点に絡む確率が高いという結果が出た。こ れは、アウトカウントを増やしてランナーを進めるより少し のリスクを背負いアウトカウントを増やさずにランナーを 進めたほうがチャンスが広がるからだと考えられる。 今回の研究を行いこのような結果が出たが、流れや打順によ ってまた違う結果になるのが野球というスポーツだ。野球は 理屈じゃ語れないところが多くある。野球について考えれば 考えていくほど多くの疑問が出てきてしまう。それだけ野球 は奥の深いスポーツだといえる。そんな私たちは指導者やこ れから野球に携わっていく中で今回の研究結果も参考にし ていく。 Ⅴ.参考文献 1) 世界野球ランキング

WBSC(World Baseball Softball Confedration) 野球世界ランキング 2) 東京学芸大学の及川研准教授らの研究結果 http://www.nikkei.com/article/DGXZZO23324240T10C11 A2000000/

ノーアウト、ワンアウトランナー一塁の作戦と得点の結びつき

(2016 年度春、秋日本体育大学硬式野球部公式戦 計 29 試合)

(5)

運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0108

学生氏名 黒岩 卓

Ⅰ.はじめに 盗塁数に着目するだけでなく、試合中のカウント別盗塁成功 率にどのような傾向があるのかを明らかにすることを目的と した。 Ⅱ.方法 日本体育大学リサーチ班スコア集計ソフトと電卓を用い首 都大学リーグの2016 年度春季秋季リーグ戦の 1 部校のカウン ト別盗塁成功率と各大学の傾向を調べる。 Ⅲ.結果 各大学のカウント別盗塁成功率 Ⅳ.考察 首都大学リーグ全体の2016年度の春季秋季リーグ戦に おける盗塁試走数は201本であった。その中で成功した本数 は138本で、成功率としては69%だった。プロ野球セント ラルリーグの2016年度の全体成功率が70.3%であった ので平均的な成績だったと思われる。 基本的にどこのチームも、0-0、0-1、1-0、1-1 のカウントで走ってくることが多い。盗塁をする場合特別な作 戦でない限り打者は投球を見逃すことになるので打者不利なカ ウントにしたくないという心理が働くからだ。 6校の中で一番盗塁試走数が多かったのは日本体育大学の5 0本、次いで城西大学の47本で、この2校でリーグ全体の約 半分を占めている。また、成功率が一番高かったのは筑波大学 で74%であった。 日本体育大学と城西大学の共通点としては打力の弱さだ。日 本体育大学は、春のチーム打率が0.188。秋のチーム打率 が0.190と2016年度は成績が振るわなかった。また、 城西大学は、春はリーグでトップのチーム打率で、0.243 だったが秋のチーム打率は0.161。例年打率の高いチーム ではない。 簡単にヒットが出ない中で点を取っていくために盗塁を多く 仕掛け、一つのチャンスをものにしようとする戦い方だった。 そのため、他チームに比べ盗塁試走数が多いのだと考える。 Ⅴ.結論 集計の結果、どの大学も数の多い少ないはあるが0−0での一 番盗塁試走率が多かった。成功したら0−1、1−0でセカンド にランナーをおけるので、送りバント等でさらに展開すること が出来、失敗しても打者が不利なカウントにならないので打者 への負担を軽くすることが出来ることが関係している。次いで 1−0の試走数が多いのも同じ理由だと考えられる。どの大学も 3ボールからは極端に盗塁数が減っている。投手がボール球を 投げると四球になりランナーが1、2塁になるので無駄にギャ ンブルをしてリスクを背負うことを避けたいからだ。 カウント別で見ると数は少ないが2−1は83%と成功率が 高い。セオリーではないカウントなので相手バッテリーの気が 一瞬緩むからかもしれない。また、打者有利なカウントではあ るので、2ストライクからでも打てると信頼されているバッタ ーのときは仕掛けていくのも面白いかもしれない。 プロ野球と首都大学リーグの盗塁成功率を比較したところほ ぼかわらなかった。 チームカラーや能力に盗塁数の差はあるが、どのカウントが 盗塁をするケースが多いかの相違点はほとんどなかった。

首都大学野球リーグ2016年度春季、秋季リーグ戦におけるカウン

ト別盗塁数、盗塁成功率

(6)

運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0115

学生氏名 小杉 勇太

Ⅰ.はじめに 10 年以上野球というスポーツにかかわってきた中で野球 をやるという観点で野球をしてきたが、今回野球を知る、 違う方向から見るという観点から考えていく。ランナーが 一塁にいる場面での攻撃は基本である。ツーアウトからの 攻撃はものすごく少数に限られてくるため、ノーアウト、 ワンアウトのランナー一塁について研究していけば得点力 アップにつながるであろう。 ランナー一塁の場面は多くの作戦が考えられる。その中 でどのような作戦、どのような攻撃が一番得点に絡むのか を研究していけば、将来指導者になったとき、野球を教え る立場になったときに少しは役に立つと考える。 そして今回の研究を元に少しでも後輩たちが日体大硬式野 球部の目標である、日本一に近づければいいと思い今回の 研究に至った。 Ⅱ.方法 A 対象の試合 春季、秋季公式戦全 29 試合 B スコアブックからノーアウト、ワンアウト一塁のケー スを抜き出し得点に絡む作戦、絡まない作戦を抽出。 C 項目 ノーアウトランナー一塁 全 53 回 ・ヒッティング 全22 回 ・バント 全26 回 ・スチール 全 5 回 ワンアウトランナー一塁 全59 回 ・ヒッティング 全33 回 ・バント 全 8 回 ・スチール 全18 回 D 集計方法 スコアブックをもとに Microsoft Excel を 使いパーセンテージを出した。 Ⅲ.結果 春 全15試合 36得点 内14得点 A ノーアウト一塁 23回 ・ヒッティング 10回 得点2回 ・バント 13回 得点2回 ・スチール 0回 B ワンアウト一塁 27回 ・ヒッティング 8回 得点5回 ・バント 6回 得点2回 ・スチール 13回 得点3回 秋 全14試合 41得点 内14得点 C ノーアウト一塁 30回 ・ヒッティング 12回 得点4回 ・バント 13回 得点4回 ・スチール 5回 得点2回 D ワンアウト一塁 32回 ・ヒッティング 25回 得点4回 ・バント 2回 得点0回 ・スチール 5回 得点0回 Ⅳ.考察およびまとめ 今回すべてのケースでバントをさせるよりヒッティング をさせるほうが得点に絡む確率が高いという結果が出た。こ れは、アウトカウントを増やしてランナーを進めるより少し のリスクを背負いアウトカウントを増やさずにランナーを 進めたほうがチャンスが広がるからだと考えられる。 今回の研究を行いこのような結果が出たが、流れや打順によ ってまた違う結果になるのが野球というスポーツだ。野球は 理屈じゃ語れないところが多くある。野球について考えれば 考えていくほど多くの疑問が出てきてしまう。それだけ野球 は奥の深いスポーツだといえる。そんな私たちは指導者やこ れから野球に携わっていく中で今回の研究結果も参考にし ていく。 Ⅴ.参考文献 1) 世界野球ランキング

WBSC(World Baseball Softball Confedration) 野球世界ランキング 2) 東京学芸大学の及川研准教授らの研究結果 http://www.nikkei.com/article/DGXZZO23324240T10C11 A2000000/

ノーアウト、ワンアウトランナー一塁の作戦と得点の結びつき

(2016 年度春、秋日本体育大学硬式野球部公式戦 計 29 試合)

(7)

運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0160

学生氏名 島倉 光衛

Ⅰ.はじめに 日本体育大学硬式野球部はバントを多く利用している。 野球にとってバントは大事なプレーだとよく言われ、結果 的に成功していても、 一発で決まらないと雰囲気が悪くな り、失敗すると流れが変わるとまで言われている。 よって本研究ではバントはバントでも「送りバント」、「セ ーフティーバント」、「スクイズ」などの種類があるがその 中でも「送りバント」に着目し、送りバントの重要性、送 りバントを決めることによって得点にどのように結びつ き、得点にどのような関係性があるのか調べてみることに した。 Ⅱ.方法 2016 年度首都リーグ春季・秋季リーグ戦日本体育大学 の試合、春季 14 試合、秋季13試合の合計27試合を対 象とする。 1発でバントが決まった時とそうでないときの比較を① と置く。送りバントが使われる場面の0死1塁を②、0死 2塁を③、0死 1・2 塁を④、1死1塁を⑤、1死2塁を ⑥、1死1・2塁を⑦と置く。 2016 年度春季・秋季リーグ戦の日本体育大学硬式野球部マ ネージャー記載のスコアをもとに行う。日本体育大学攻撃 時の送りバントが一発で成功したか、そうでないかに分け て成功率を求める。 Ⅲ.結果 一発で決まったのが20 回、そうでないものが 13 回とな り、バントを試みた全体の割合は61%と 39%となった。② 全部で22 回だった。一発で決まったのが 12 回でその後得 点になったのは3 点だった。そうでないものは 10 回でそ の後得点になったのは2 点と差はあまりなかった。③0 死 2 塁の場面では一発で成功した送りバントは必ず得点して いた。④バント機会は2回しかなかった。得点は一発で決 まったときの1 点だけとなった。⑤全部で 4 回バントをし ていた。一発で決めたときは1 点だけ得点につながったが、 そうでないときは必ず得点している。⑥両方ともバントを する機会はなかった。⑦1 死 1・2 塁では両方とも 0 回とバ ントの機会はなかったが、セーフティーバントという作戦 の形で試み、一発でバントを決めていた。 Ⅳ.考察 バントの成功のうち一発で成功しなかったものより一発で 成功したほうが多かったのには理由があると。プロ野球で 18 年間活躍をしていた古田敦也は³⁾ ファースト・ストライ クの取り方について0-0 におけるテーマは、いかにストライ クを取るかに集約されると述べている。ピッチャーを心理的 にも有利にさせるということからバントのしやすいストラ イクゾーンにボールが集まり一発で成功した数が多くなっ たのではないかと考えられた。 Ⅴ.まとめ この研究からバントを一発で成功したときと一発で成功 しなかったときの得点率は一発で成功したときは11 本中 5 本で45,5%、一方一発で成功しなかったときは 11 本中 6 本 で54,5%という結果となりあまり差はないが、一発で成功し なかったときの方が得点に結びついていた。一発で成功しな い方が得点につながっている結果となり、バントが一発で決 まった時の流れや雰囲気というのは得点に関係していない。 しかし、リーグ戦の試合展開をみると一発で 成功したバントから流れが変わった試合がある。よって一概 に一発でバントが成功しない方が得点に結びつくわけでは ない。 Ⅵ.参考文献 1)川相昌弘(2011)『川相昌弘 スモールベースボールを紐 解く:日本的スモールベースボール』ベースボール・マガジ ン社p.135 2)2016 年度春季・秋季首都リーグ戦スコアブック 3)古田敦也(2009)『フルタの方程式』朝日新聞出版 p.70

バント成功率と得点への関係性

(8)

運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0173

学生氏名 菅沼 賢一

Ⅰ.はじめに 日本では現在、セントラルリーグに6球団、パシフィッ クリーグに6球団の計12球団のプロ野球チームがある。 ホームランや安打を量産する打者にはどのようなタイプが あるのかを、2016年公式戦200打席以上のセパ12 0選手を対象に調べることを目的とした。 私たちは野球をしてきた中で、大まかに分けて二つの打 法があると考えた。タイミングをとる時に、足を上げて打 つ打法とすり足打法である。すり足打法のほうが目線のブ レが少ないと考えるので、ミート力に優れ打率が高く、四 死球、安打数も多く、三振も少ないと考えていた。また、 足を上げて打つ打法のほうが体重を乗せたスイングができ ると考えるので、長打率や本塁打が多いと考えていた。 その中でプロ野球選手の足上げ打法とすり足打法ではど ちらの方が良い打撃成績に繋がるのかを調査した。 Ⅱ.方法 野球に関する書物、インターネット、NPB(日本野球機 構)ホームページを参考に調べた。 すり足打法と足上げ打法の定義は、ステップした足が踝 (くるぶし)より高く上がれば足上げ打法、踝より低けれ ばすり足打法とする。 Ⅲ.項目 まずは、200打席以上の120選手の足上げ打法とす り足打法の割合を調べてみた。その後、平均打率、平均長 打率、平均安打数、平均本塁打数、平均出塁率、平均三振 数、平均四球数を調べた。 Ⅳ.結果 セリーグ・パリーグ200打席以上のプロ野球選手12 0人を調べたところ、76%91人の選手が足上げ打法で、 24%29人の選手がすり足打法という結果となり、日本 プロ野球界では足上げ打法が主流ということが分かった。 平均打率はすり足打法の方がやや高いという結果となっ た。長打率もすり足打法のほうが高い結果になったが、す り足打法は外国人選手が多く占めるため、外国人を抜いた結 果を見てみると、日本人選手では足上げ打法の方が長打率が 高いという結果になった。また、平均安打数、平均本塁打数、 平均出塁率、平均四球数でも足上げ打法の選手の方が良い打 撃結果を出していることが分かった。 Ⅴ.考察 すり足打法の選手の方が打率が高いという結果になった。 しかし、日本人選手の体の小ささを補うためには、足を上げ 上手く体重移動を利用してバッティングしなければ打球を 飛ばすことが難しく、本塁打や長打を打つことは難しくな る。そのため、本塁打や、安打、長打を打つためには足上げ 打法の方が有効だということが分かった。 平均三振数では、外国人を抜いた結果を見るとすり足打法 の方が圧倒的に三振数が少ないということが分かった。これ は、やはりバランスが取りやすいためスイング時のブレが少 ないからだと言える。 平均四球数、平均出塁率では私たちの予想とは違い、足上 げ打法の方が多いという結果になったが、足を上げたほうが 投手が投げた球を長く見ることができるため、四球を増やす ためには足上げ打法の方が有効だということが分かった。 Ⅵ.まとめ 日本人選手は足上げ打法の割合が高く、外国人選手はすり 足打法の割合が高いという結果になった。ここには体格差の 違いがあることが一つの要因である。 日本人選手は体重移動を上手く利用しスイングスピード を速くすること、日本人に合ったタイミングをとり、上手く ミートすることがバッティングには重要になってくる。 今後の自身の野球生活や、指導の際にこれらの結果を活か して、精一杯精進する。 <参考文献> バッティングの科学決定版 川村卓 洋泉社 日本経済新聞 バッティングメカニズムブック理論編 前田健 ベースボ ールマガジン社

プロ野球選手の足上げ打法とすり足打法の比較

(9)

運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0207

学生氏名 竹田 豊

I.はじめに 野球は試合終了時に得点が高いチームが勝利となるた め、失点を防ぎ得点を重ねることを目的としてゲームを進 める必要がある。功力が野球の試合における「勝敗のカギ は70%投手にある」と述べているように、投手の役割が重 要である。失点に繋がるのは、野手の場合エラーであるが、 投手の場合は被安打と四死球である。 そこで本研究では本学硬式野球部を対象として平成 28 年度の公式戦での結果についての情報を状況別に集計し、 どのようなシチュエーションでの失点が多いのか、どのよ うなきっかけや流れでの失点が多いのか検証し、選手への 戦術指導のために有効な視点を得ることを目的とした。 Ⅱ.方法 本学硬式野球部の平成 28 年度春季リーグ戦、秋季リー グ戦、全日本大学野球選手権大会、計 29 試合の結果を対 象とした。 平成 28 年度春季リーグ戦、秋季リーグ戦、全日本大学 野球選手権大会、計 29 試合全ての試合結果をデータとし て採用した。アウトカウント別にH、2BH、四球、エラー を表にまとめた。春季リーグ戦と春季リーグ戦の失点をイ ニング、序盤・中盤・終盤の3 つに分けた。ただし、延長 戦(タイブレークも含む)のデータは除外した。 すべてのデータを日本体育大学リサーチデータ 1)より 抽出しMicrosoft Excel2010 上に入力し、表の作成および グラフ作成を行った。 Ⅲ.結果 春季リーグ戦と秋季リーグ戦のデータを合わせた結果、 2BH、3BH といった長打を打たれた場合、約 50%以上の 確率で失点に関係していることがわかった。特に 3BH は 100%の確率で失点に絡んできていることがわかった。ま た四死球のうち B(四球)よりも DB(死球)の確率が高 いことがわかった。(表5) イニング別に失点機械と失点数を見た結果、6 イニング 目(7回機会があり、15 失点)が最も多いことがわかった。 またイニングを序盤、中盤、終盤の三つに分けた場合、最 も多くのは、中盤(30 失点)であった。春季リーグ戦は終 盤の失点(15 失点)が勝敗を左右していたが、秋季リーグ 戦においては中盤の失点(19 失点)が勝敗を左右し、さら に後半の失点に繋がっていたことがわかった。 (表5.春季リーグ戦、秋季リーグ戦アウトカウント別失点確 率) H 2BH 3BH HR B DB E 0 死 38% 63% 100% 6 29% 100% ― 1 死 26% 56% 100% 6 30% 29% 40% 2 死 20% 20% 100% 4 0% 50% 0% Ⅳ.考察 春季リーグ戦と秋季リーグ戦のデータを合わせた結果、 2BH、3BH などの長打を打たれた場合、約 50%以上の確率 で失点と関係していることがわかり、長打を打たれた際は、 キャッチャーやベンチがタイムをとり、ピッチャーの気持ち を落ち着かせたり、間をとったりしてあげることが重要であ る。また死球を与えた場合、高い確率で失点に関係してきて いることからも、死球を与えた際の対処を考える必要があ る。失点を重ねると同時に味方のエラーが絡んでくると投手 はプレッシャーを感じることも考えられる。 Ⅴ.まとめ 野球というスポーツは点を与えなければ負けることはな いスポーツであり、安打よりも無条件で相手に出塁を許す四 死球が試合の流れを左右するものではないかと考えられる。 どんな状況におかれてもプレッシャーを自分のプラス要素 として受け取ることができる精神力を身につけることが上 で通用する選手の条件であると考える。そのためには、技術 的な練習をしていくことも大切であるが、メンタル面のトレ ーニングをしていくことも大切な事であると考えられる。 Ⅵ.参考文献 1)平成28年度 N 体育大学硬式野球部春季リーグ戦、秋季 リーグ戦のチームスコアブック、リサーチデータ Baseball Analyzer (データベーススタジアム) 2)野球の試合で得点となったランナーの出塁別検討 市丸 直人(福岡教育大学附属体育研究センター、2002)

春季リーグ戦と秋季リーグ戦の失点パターンについて

(2016 年度春、秋季リーグ戦 N 体育大学硬式野球部公式戦 29 試合

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運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0212

学生氏名 田端 秀平

Ⅰ.はじめに 日本では現在、セントラルリーグに6球団、パシフィッ クリーグに6球団の計12球団のプロ野球チームがある。 ホームランや安打を量産する打者にはどのようなタイプが あるのかを、2016年公式戦200打席以上のセパ12 0選手を対象に調べることを目的とした。 私たちは野球をしてきた中で、大まかに分けて二つの打 法があると考えた。タイミングをとる時に、足を上げて打 つ打法とすり足打法である。すり足打法のほうが目線のブ レが少ないと考えるので、ミート力に優れ打率が高く、四 死球、安打数も多く、三振も少ないと考えていた。また、 足を上げて打つ打法のほうが体重を乗せたスイングができ ると考えるので、長打率や本塁打が多いと考えていた。 その中でプロ野球選手の足上げ打法とすり足打法ではど ちらの方が良い打撃成績に繋がるのかを調査した。 Ⅱ.方法 野球に関する書物、インターネット、NPB(日本野球機 構)ホームページを参考に調べた。 すり足打法と足上げ打法の定義は、ステップした足が踝 (くるぶし)より高く上がれば足上げ打法、踝より低けれ ばすり足打法とする。 Ⅲ.項目 まずは、200打席以上の120選手の足上げ打法とす り足打法の割合を調べてみた。その後、平均打率、平均長 打率、平均安打数、平均本塁打数、平均出塁率、平均三振 数、平均四球数を調べた。 Ⅳ.結果 セリーグ・パリーグ200打席以上のプロ野球選手12 0人を調べたところ、76%91人の選手が足上げ打法で、 24%29人の選手がすり足打法という結果となり、日本 プロ野球界では足上げ打法が主流ということが分かった。 平均打率はすり足打法の方がやや高いという結果となっ た。長打率もすり足打法のほうが高い結果になったが、す り足打法は外国人選手が多く占めるため、外国人を抜いた結 果を見てみると、日本人選手では足上げ打法の方が長打率が 高いという結果になった。また、平均安打数、平均本塁打数、 平均出塁率、平均四球数でも足上げ打法の選手の方が良い打 撃結果を出していることが分かった。 Ⅴ.考察 すり足打法の選手の方が打率が高いという結果になった。 しかし、日本人選手の体の小ささを補うためには、足を上げ 上手く体重移動を利用してバッティングしなければ打球を 飛ばすことが難しく、本塁打や長打を打つことは難しくな る。そのため、本塁打や、安打、長打を打つためには足上げ 打法の方が有効だということが分かった。 平均三振数では、外国人を抜いた結果を見るとすり足打法 の方が圧倒的に三振数が少ないということが分かった。これ は、やはりバランスが取りやすいためスイング時のブレが少 ないからだと言える。 平均四球数、平均出塁率では私たちの予想とは違い、足上 げ打法の方が多いという結果になったが、足を上げたほうが 投手が投げた球を長く見ることができるため、四球を増やす ためには足上げ打法の方が有効だということが分かった。 Ⅵ.まとめ 日本人選手は足上げ打法の割合が高く、外国人選手はすり 足打法の割合が高いという結果になった。ここには体格差の 違いがあることが一つの要因である。 日本人選手は体重移動を上手く利用しスイングスピード を速くすること、日本人に合ったタイミングをとり、上手く ミートすることがバッティングには重要になってくる。 今後の自身の野球生活や、指導の際にこれらの結果を活か して、精一杯精進する。 <参考文献> バッティングの科学決定版 川村卓 洋泉社 日本経済新聞 バッティングメカニズムブック理論編 前田健 ベースボ ールマガジン社

プロ野球選手の足上げ打法とすり足打法の比較

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運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0289

学生氏名 松岡 京介

Ⅰ.はじめに 盗塁数に着目するだけでなく、試合中のカウント別盗塁成功 率にどのような傾向があるのかを明らかにすることを目的と した。 Ⅱ.方法 日本体育大学リサーチ班スコア集計ソフトと電卓を用い首 都大学リーグの2016 年度春季秋季リーグ戦の 1 部校のカウン ト別盗塁成功率と各大学の傾向を調べる。 Ⅲ.結果 各大学のカウント別盗塁成功率 Ⅳ.考察 首都大学リーグ全体の2016年度の春季秋季リーグ戦に おける盗塁試走数は201本であった。その中で成功した本数 は138本で、成功率としては69%だった。プロ野球セント ラルリーグの2016年度の全体成功率が70.3%であった ので平均的な成績だったと思われる。 基本的にどこのチームも、0-0、0-1、1-0、1-1 のカウントで走ってくることが多い。盗塁をする場合特別な作 戦でない限り打者は投球を見逃すことになるので打者不利なカ ウントにしたくないという心理が働くからだ。 6校の中で一番盗塁試走数が多かったのは日本体育大学の5 0本、次いで城西大学の47本で、この2校でリーグ全体の約 半分を占めている。また、成功率が一番高かったのは筑波大学 で74%であった。 日本体育大学と城西大学の共通点としては打力の弱さだ。日 本体育大学は、春のチーム打率が0.188。秋のチーム打率 が0.190と2016年度は成績が振るわなかった。また、 城西大学は、春はリーグでトップのチーム打率で、0.243 だったが秋のチーム打率は0.161。例年打率の高いチーム ではない。 簡単にヒットが出ない中で点を取っていくために盗塁を多く 仕掛け、一つのチャンスをものにしようとする戦い方だった。 そのため、他チームに比べ盗塁試走数が多いのだと考える。 Ⅴ.結論 集計の結果、どの大学も数の多い少ないはあるが0−0での一 番盗塁試走率が多かった。成功したら0−1、1−0でセカンド にランナーをおけるので、送りバント等でさらに展開すること が出来、失敗しても打者が不利なカウントにならないので打者 への負担を軽くすることが出来ることが関係している。次いで 1−0の試走数が多いのも同じ理由だと考えられる。どの大学も 3ボールからは極端に盗塁数が減っている。投手がボール球を 投げると四球になりランナーが1、2塁になるので無駄にギャ ンブルをしてリスクを背負うことを避けたいからだ。 カウント別で見ると数は少ないが2−1は83%と成功率が 高い。セオリーではないカウントなので相手バッテリーの気が 一瞬緩むからかもしれない。また、打者有利なカウントではあ るので、2ストライクからでも打てると信頼されているバッタ ーのときは仕掛けていくのも面白いかもしれない。 プロ野球と首都大学リーグの盗塁成功率を比較したところほ ぼかわらなかった。 チームカラーや能力に盗塁数の差はあるが、どのカウントが 盗塁をするケースが多いかの相違点はほとんどなかった。

首都大学野球リーグ2016年度春季、秋季リーグ戦におけるカウン

ト別盗塁数、盗塁成功率

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日本体育大学 卒業抄録

運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0290

学生氏名 松岡 潤樹

I.はじめに 野球は試合終了時に得点が高いチームが勝利となるた め、失点を防ぎ得点を重ねることを目的としてゲームを進 める必要がある。功力が野球の試合における「勝敗のカギ は70%投手にある」と述べているように、投手の役割が重 要である。失点に繋がるのは、野手の場合エラーであるが、 投手の場合は被安打と四死球である。 そこで本研究では本学硬式野球部を対象として平成 28 年度の公式戦での結果についての情報を状況別に集計し、 どのようなシチュエーションでの失点が多いのか、どのよ うなきっかけや流れでの失点が多いのか検証し、選手への 戦術指導のために有効な視点を得ることを目的とした。 Ⅱ.方法 本学硬式野球部の平成 28 年度春季リーグ戦、秋季リー グ戦、全日本大学野球選手権大会、計 29 試合の結果を対 象とした。 平成 28 年度春季リーグ戦、秋季リーグ戦、全日本大学 野球選手権大会、計 29 試合全ての試合結果をデータとし て採用した。アウトカウント別にH、2BH、四球、エラー を表にまとめた。春季リーグ戦と春季リーグ戦の失点をイ ニング、序盤・中盤・終盤の3 つに分けた。ただし、延長 戦(タイブレークも含む)のデータは除外した。 すべてのデータを日本体育大学リサーチデータ 1)より 抽出しMicrosoft Excel2010 上に入力し、表の作成および グラフ作成を行った。 Ⅲ.結果 春季リーグ戦と秋季リーグ戦のデータを合わせた結果、 2BH、3BH といった長打を打たれた場合、約 50%以上の 確率で失点に関係していることがわかった。特に 3BH は 100%の確率で失点に絡んできていることがわかった。ま た四死球のうち B(四球)よりも DB(死球)の確率が高 いことがわかった。(表5) イニング別に失点機械と失点数を見た結果、6 イニング 目(7回機会があり、15 失点)が最も多いことがわかった。 またイニングを序盤、中盤、終盤の三つに分けた場合、最 も多くのは、中盤(30 失点)であった。春季リーグ戦は終 盤の失点(15 失点)が勝敗を左右していたが、秋季リーグ 戦においては中盤の失点(19 失点)が勝敗を左右し、さら に後半の失点に繋がっていたことがわかった。 (表5.春季リーグ戦、秋季リーグ戦アウトカウント別失点確 率) H 2BH 3BH HR B DB E 0 死 38% 63% 100% 6 29% 100% ― 1 死 26% 56% 100% 6 30% 29% 40% 2 死 20% 20% 100% 4 0% 50% 0% Ⅳ.考察 春季リーグ戦と秋季リーグ戦のデータを合わせた結果、 2BH、3BH などの長打を打たれた場合、約 50%以上の確率 で失点と関係していることがわかり、長打を打たれた際は、 キャッチャーやベンチがタイムをとり、ピッチャーの気持ち を落ち着かせたり、間をとったりしてあげることが重要であ る。また死球を与えた場合、高い確率で失点に関係してきて いることからも、死球を与えた際の対処を考える必要があ る。失点を重ねると同時に味方のエラーが絡んでくると投手 はプレッシャーを感じることも考えられる。 Ⅴ.まとめ 野球というスポーツは点を与えなければ負けることはな いスポーツであり、安打よりも無条件で相手に出塁を許す四 死球が試合の流れを左右するものではないかと考えられる。 どんな状況におかれてもプレッシャーを自分のプラス要素 として受け取ることができる精神力を身につけることが上 で通用する選手の条件であると考える。そのためには、技術 的な練習をしていくことも大切であるが、メンタル面のトレ ーニングをしていくことも大切な事であると考えられる。 Ⅵ.参考文献 1)平成28年度 N 体育大学硬式野球部春季リーグ戦、秋季 リーグ戦のチームスコアブック、リサーチデータ Baseball Analyzer (データベーススタジアム) 2)野球の試合で得点となったランナーの出塁別検討 市丸 直人(福岡教育大学附属体育研究センター、2002)

春季リーグ戦と秋季リーグ戦の失点パターンについて

(2016 年度春、秋季リーグ戦 N 体育大学硬式野球部公式戦 29 試合

(13)

運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13A0321

学生氏名 山中 裕介

Ⅰ.はじめに 日本では現在、セントラルリーグに6球団、パシフィ ックリーグに6球団の計12球団のプロ野球チームがあ る。ホームランや安打を量産する打者にはどのようなタイ プがあるのかを、2016年公式戦200打席以上のセパ 120選手を対象に調べることを目的とした。 私たちは野球をしてきた中で、大まかに分けて二つの打 法があると考えた。タイミングをとる時に、足を上げて打 つ打法とすり足打法である。すり足打法のほうが目線のブ レが少ないと考えるので、ミート力に優れ打率が高く、四 死球、安打数も多く、三振も少ないと考えていた。また、 足を上げて打つ打法のほうが体重を乗せたスイングができ ると考えるので、長打率や本塁打が多いと考えていた。 その中でプロ野球選手の足上げ打法とすり足打法ではど ちらの方が良い打撃成績に繋がるのかを調査した。 Ⅱ.方法 野球に関する書物、インターネット、NPB(日本野球機 構)ホームページを参考に調べた。 すり足打法と足上げ打法の定義は、ステップした足が踝 (くるぶし)より高く上がれば足上げ打法、踝より低けれ ばすり足打法とする。 Ⅲ.項目 まずは、200打席以上の120選手の足上げ打法とす り足打法の割合を調べてみた。その後、平均打率、平均長 打率、平均安打数、平均本塁打数、平均出塁率、平均三振 数、平均四球数を調べた。 Ⅳ.結果 セリーグ・パリーグ200打席以上のプロ野球選手12 0人を調べたところ、76%91人の選手が足上げ打法で、 24%29人の選手がすり足打法という結果となり、日本 プロ野球界では足上げ打法が主流ということが分かった。 平均打率はすり足打法の方がやや高いという結果となっ た。長打率もすり足打法のほうが高い結果になったが、す り足打法は外国人選手が多く占めるため、外国人を抜いた結 果を見てみると、日本人選手では足上げ打法の方が長打率が 高いという結果になった。また、平均安打数、平均本塁打数、 平均出塁率、平均四球数でも足上げ打法の選手の方が良い打 撃結果を出していることが分かった。 Ⅴ.考察 すり足打法の選手の方が打率が高いという結果になった。 しかし、日本人選手の体の小ささを補うためには、足を上げ 上手く体重移動を利用してバッティングしなければ打球を 飛ばすことが難しく、本塁打や長打を打つことは難しくな る。そのため、本塁打や、安打、長打を打つためには足上げ 打法の方が有効だということが分かった。 平均三振数では、外国人を抜いた結果を見るとすり足打法 の方が圧倒的に三振数が少ないということが分かった。これ は、やはりバランスが取りやすいためスイング時のブレが少 ないからだと言える。 平均四球数、平均出塁率では私たちの予想とは違い、足上 げ打法の方が多いという結果になったが、足を上げたほうが 投手が投げた球を長く見ることができるため、四球を増やす ためには足上げ打法の方が有効だということが分かった。 Ⅵ.まとめ 日本人選手は足上げ打法の割合が高く、外国人選手はすり 足打法の割合が高いという結果になった。ここには体格差の 違いがあることが一つの要因である。 日本人選手は体重移動を上手く利用しスイングスピード を速くすること、日本人に合ったタイミングをとり、上手く ミートすることがバッティングには重要になってくる。 今後の自身の野球生活や、指導の際にこれらの結果を活か して、精一杯精進する。 <参考文献> バッティングの科学決定版 川村卓 洋泉社 日本経済新聞 バッティングメカニズムブック理論編 前田健 ベースボ ールマガジン社

プロ野球選手の足上げ打法とすり足打法の比較

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運動方法(野球・ソフト)研究室 指導教員 古城 隆利 助教 学籍番号 13D0154

学生氏名 栗原 伶奈

Ⅰ.はじめに 日本では現在、セントラルリーグに6球団、パシフィ ックリーグに6球団の計12球団のプロ野球チームがあ る。ホームランや安打を量産する打者にはどのようなタイ プがあるのかを、2016年公式戦200打席以上のセパ 120選手を対象に調べることを目的とした。 私たちは野球をしてきた中で、大まかに分けて二つの打 法があると考えた。タイミングをとる時に、足を上げて打 つ打法とすり足打法である。すり足打法のほうが目線のブ レが少ないと考えるので、ミート力に優れ打率が高く、四 死球、安打数も多く、三振も少ないと考えていた。また、 足を上げて打つ打法のほうが体重を乗せたスイングができ ると考えるので、長打率や本塁打が多いと考えていた。 その中でプロ野球選手の足上げ打法とすり足打法ではど ちらの方が良い打撃成績に繋がるのかを調査した。 Ⅱ.方法 野球に関する書物、インターネット、NPB(日本野球機 構)ホームページを参考に調べた。 すり足打法と足上げ打法の定義は、ステップした足が踝 (くるぶし)より高く上がれば足上げ打法、踝より低けれ ばすり足打法とする。 Ⅲ.項目 まずは、200打席以上の120選手の足上げ打法とす り足打法の割合を調べてみた。その後、平均打率、平均長 打率、平均安打数、平均本塁打数、平均出塁率、平均三振 数、平均四球数を調べた。 Ⅳ.結果 セリーグ・パリーグ200打席以上のプロ野球選手12 0人を調べたところ、76%91人の選手が足上げ打法で、 24%29人の選手がすり足打法という結果となり、日本 プロ野球界では足上げ打法が主流ということが分かった。 平均打率はすり足打法の方がやや高いという結果となっ た。長打率もすり足打法のほうが高い結果になったが、す り足打法は外国人選手が多く占めるため、外国人を抜いた結 果を見てみると、日本人選手では足上げ打法の方が長打率が 高いという結果になった。また、平均安打数、平均本塁打数、 平均出塁率、平均四球数でも足上げ打法の選手の方が良い打 撃結果を出していることが分かった。 Ⅴ.考察 すり足打法の選手の方が打率が高いという結果になった。 しかし、日本人選手の体の小ささを補うためには、足を上げ 上手く体重移動を利用してバッティングしなければ打球を 飛ばすことが難しく、本塁打や長打を打つことは難しくな る。そのため、本塁打や、安打、長打を打つためには足上げ 打法の方が有効だということが分かった。 平均三振数では、外国人を抜いた結果を見るとすり足打法 の方が圧倒的に三振数が少ないということが分かった。これ は、やはりバランスが取りやすいためスイング時のブレが少 ないからだと言える。 平均四球数、平均出塁率では私たちの予想とは違い、足上 げ打法の方が多いという結果になったが、足を上げたほうが 投手が投げた球を長く見ることができるため、四球を増やす ためには足上げ打法の方が有効だということが分かった。 Ⅵ.まとめ 日本人選手は足上げ打法の割合が高く、外国人選手はすり 足打法の割合が高いという結果になった。ここには体格差の 違いがあることが一つの要因である。 日本人選手は体重移動を上手く利用しスイングスピード を速くすること、日本人に合ったタイミングをとり、上手く ミートすることがバッティングには重要になってくる。 今後の自身の野球生活や、指導の際にこれらの結果を活か して、精一杯精進する。 <参考文献> バッティングの科学決定版 川村卓 洋泉社 日本経済新聞 バッティングメカニズムブック理論編 前田健 ベースボ ールマガジン社

プロ野球選手の足上げ打法とすり足打法の比較

参照

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