不正競争法序説-5・完-著者
山崎 晴一
雑誌名
東洋法学
巻
7
号
2
ページ
1-27
発行年
1963-12
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00007828/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja不
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目 次 第 一 辛 総 説 ( 二 巻 二 号 ) 第二辛不正競争法の沿革(三巻二号) 第三辛不正競争法の概念ハ六巻二号) 第 四 平 不 正 競 争 の 要 件 ( 七 巻 一 号 ) 第五辛不正競争に対する救済 第一節不正競争訴訟の根拠 て 総 説 二、競争者の財産権の保護 三、公衆の保護 四、公正な取引の助長 第 二 節 当 事 者 て 原 告 二、司自己認。ロの原則 三 、 被 告 ( 以 上 本 号 ) 不 正 競 争 法 序 説崎
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第五章
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競争は対する救済 第一節 不正競争訴訟の根拠 一 、 総 説 不正競争法は、営業における不正な競争を禁圧し、よって公正な取引を助長することを目的とする。それは、近代 市民社会の経済体制である資本制経済の発展を意図するものであり、正常な営業自由の規範的な文えとなるものであ る。このため法は、不正な営業競争によって損害を蒙った競争相手方の救済を計ると共に、公衆 l 一般消資者が不正 競争によってその利益を害せられることから保護せんとする。すでに述べた通り、不正競争を禁圧する法は当初公法 的規制をともなって登場したのであったが、やがて暖保という被侵害利益を想定することにより、競争相手方の保設 救済という近代的不正競争法に発展するに至った。しかし、不正競争行為による被害者は単に競争の当事者のみなら ず、ひろく一般消費者に及ぶことは明かである。したがって一方において法は競争当事者間の不正競争を規制し、公 正な取引の助長に心掛けると同時に他方では、公衆の利盛を設ることに常に窓を注ぐわけである。 しかし営業における自由競争は、契約の自由と共に近代市民法秩序の基幹をなすものであり、不正競争に対する禁 圧が過度になれば正常な営業競争を阻害する倶も生じ、法の芯図するところに背馳する結果になる。そこで、法もいか なる観点から不正競争の防過に臨むかという点に腐心した。その怠図するところは公衆の保護にあるとするもの、または不正競争によって侵害された相手方の救済が不正競争訴訟の根本であるとするもの、あるいはまた公正な取引を 助長することが第一義であるというものなどがあるが、必ずしもその一に限られるものではなく、これらすべてが不 正競争訴訟の根拠として合まれるものであろう ( 1 ) O たとえばアルフレ γ ド・コックス判事はこの点につき﹁まず第 一は正直な営業者をその正当な営業遂行途上において保護すること、第二は不正な手段によって競争者の営業を容い 去らんとする不正な営業者を処罰すること、第三は詐欺から公衆を保詑することである﹂と述べている ( 2 ﹀ 。 ま た 、 まず旬
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問 。 ロ による公衆に対する侵害、 つぎに営業を盗用することによる原告に対する侵害をもって、不正競争 の本質であるとするものもある。日く﹁究極の問題は公衆あるいはその一部が欺同されて、何等利益にならぬものを 購入させられたか否か及び営業が不正に盗用されたか否かである﹂ ( 3 ) 。以下においてこれらの点につき典型的な不 正 競 争 た る 宮gE
問 。 民 に関する判例を中心に考察する。 ( 1 ) z z g w M V ・g ・ ハ 2 ﹀ k r ロ 同 色 。 ・ 。 O M B U M -Z E O H 8 8 Z 片 岡 ・ 。 0 ・ J 1 ・ ロ o d 司 ︻ Y H 寸 ∞ 可 ・ お ( の ・ の ・ ﹀ -M 仏 " H U H 3 ・ こ の こ と は 官 血 管 ︿ 巳 付 。 ロ t ヴ ロ 吋 何 回 H ( 吉 ﹀ 己 m w ω 呂 町 四 ・ の 0 ・ 4 ・ m F O O H h r m s -仲 YMCAF 司 ・S
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て販売することに対し差止命令を求めた事件であり、連邦裁 判所はこれに対し、 同 ︼ m w ω ω 山口問。町内 の証拠がない限り、このような不正私用を禁止することはできないと判示したので ある、この事件において裁判所は﹁訴状には、被告が自分の製品を原告の製品と同一のものとして販売したという理 由からでなく、被告が純粋なアルミニウム洗濯板の製造業者として、実際には亜鉛板製のものをアルミニウム製であ るとして販売し、 公衆を欺間したと述べられである。 すなわちこの理論は、 原告 l l 純粋なアルミニウム板を製造す る者は、他の業者が偽物をアルミニウム板として刻印することをーたとえその業者が偽物を原告の製品として公衆に 印象せしめる意図はないにしても!禁ずる権利があるというのである。これを支持することはかふる事件における私 訴権の根拠は公衆を欺同する点にあるのではなく、あくまでも原告の財産権の保護にあるという完全に確立された原 則を見失う結果になる。かふる事件では、公衆が欺閲されるということは重要な事実であることに間違はない D し か しその欺間行為によって公衆が商品を、原告の商品として購買するときのみに私訴権が認められるのである﹂と述べ ている。すなわち偽物を販売して公衆を欺同することは、疑もなく道徳的な惑であるが、原告の財産経が現実に侵害 されていない限り私訴権の根拠はないというのである。更に続けて日く﹁公訴によってのみ矯正される多くの不法行 為があり、これに対しては、裁判所でなく立法によって補償が規定されなければならない。衡平法裁判所の差止命令による補償の許容は、原告の財産権に関するのである︿ 5 v o ﹁公衆に対する欺同は本法廷に提訴する根拠とはならぬ﹂という理論は、古い事件においてもみられるところであ る ( 6 ) D これは更にその後の事件 ( 7 ) で 引 用 さ れ 、 ﹁ある者が自分の商品を他人の商品として販売することによって 公衆を欺間することは私訴の根拠とはならない。被告が原告の商品と同租類の自分の商品に商棋を附し、あたかもそ の商標が原告のものであるかのように市場に通用させる場合を除いては裁判所は介入しない。けだし、そこには原告 の権利に対する侵害はないからである。かようにして市場において、被告の商品を原告の商品と取違える賠只者の誤 認は、公衆に対する詐欺の存在を意味するものであり、商標が侵害された事実の存否の判断の基準となるものではあ るが、それは裁判所がその事件に対して管轄権を有することの基礎となるものではないということに間違はない。・: -:ゆえに、真の原則は次の如きものであろう。すなわち、商標保護のための裁判所の管轄権は、財産に関して存在す るのであり、財産を効果的に保護する唯一の手段である差止命令によって事件に介入するのである。同様のことが商 標権侵害の事件において、衡平法上の救済を得るために必要であり、他のいかなる財産権違反の場合も同じである﹂ と述べている。同じく、ブラックパ l ン卿も﹁この法の基本的な根拠は、行為者がある商品をそれが特定の営業者の 製品でないことを知りながら、その商人の商品として販売したときに、特定商人を侵害することになるという点に存 する﹂といふ、公衆に対する欺同によって原告を侵害することがこの訴の根拠をなすものであるとしている ( 8
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・ J1 ・ Z o ω -2 ︿ 9 ) でも、やはり公衆の利益は原告に救済の権利を与えるものではないと判示して いる。事実は原告が特殊装置附の金庫を製造していたところ、被告がこれの類似品を製造し販売したので、これに対 不 正 競 争 法 序 説 五京 法 ヤ 法 川 手 __,_ / .... し差止命令を求めたのである D ラ
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ネット・ハンド判事は﹁これらの事案で問題となるのは、まず原告が実際に周客 を失ったか、次に、法が禁止する競争方法によって失ったかである﹂と述べている。この事件の性質は前に引用した 洗濯板の事件に類似しているが、差止命令の請求は認められた。この判決において引用された Z O 巧 ペ O H W 侍 同88
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ル・セメントと銘打って、その地方から産出する石からセメントを製造し販売し同 - 、
n -o 吋 t T u v 中 心 一 方 原 告 は 、 ニューヨークのロ l ゼンデ l ル で ロ l ゼンデ l ル・セメントとして知られるセメントを製造し 販売していた。原告は彼のセメントの名称は地方的特色を示すものであると主張し、これに対し被告は彼のセメント の名称は品質を示すものであると対抗した。差止命令の申立は認められなかったのであるが、これは、被告が顧客を 欺同したために原告が損害をうけたという証明をしなかったがためであると、ラ l ネット・ハンド判事は指摘してい る ( U ) 。同じ判決で洗濯板の事件に言及し、 ﹁原告は洗濯板を製作するに適するアルミニウム板の全生産を確保して いたことを主張した。したがって原告が問題の製品の材料となる板金を事実上独占していたことが当然考えられ、こ のことから、実際にはアルミニウム製でないのに、 アルミニウム洗濯板であるといつわられ購入させられた被告の顧 客は、そのために損害をうけた原告の推定顧客であるとみなすことは妥当な推論である﹂といっている。 ﹀B
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-の事件についてラ l ネット・ハンド判事が意見を述べた通り、原告の推定顧客の喪失に よる損害という点に着服すれば、この事件は巴吋,Z
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の 0 ・事件とは本質的には同じ性質のものとなるのであ り(ロ)、何れにおいても、被告の競争行為によって、原告はそれがなければ、自分の得ベかりし顧客を失ったのである 。 右に引用したところは何れも競争当事者の財産経の保詑をもって不正競争訴訟の根拠としている。 一 般 に 日 M M M m m ︼ 口 問 OMM の成立する要件について、被告の、公衆に対する詐欺の芯思が必要であるか否かは争われたところであるが(口)、 相手方が担告を蒙ったことは必要でないという点に争はなく(日、 た立原告は、被告の行為が通常一般公衆をして誤 信を生ぜしめる可能性があることを立証すればよいのである
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し か し 、 であるからとて、公衆の利益の保護をこの訴の一次的根拠と考えることはできないであろう。このことは 営業上の暖僚の観念が把握されるに及び一層明確になった。詐欺から公衆を護ることは、哲々この訴訟の基礎とされ たところであり、不正競争法が公衆の保護をその目的とすることは否定できないが、 コモン・ロ l 上は、実質的には 公衆に対する保設は、原告がその損害の救済を求めるために提起した訴の反射的効果に期待さるべきものであり、公 来に対する詐欺は、松利侵害や損害の存否を定めるための一つの要件たるに過ぎないものであり(凶)、原告に対する 経利侵害、がこの訴の根拠をなすものであることは定立した原則とい々得るであろう。しかしこの点については兵論の あるところで、公衆の利益の保護を特に強調した判例のあることも見逃すことはできない。 ( 4 ) ﹀ 自 己 目 。g
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山 口 問 。 門 戸 戸 。 。 問 w ド -H N -u ∞ ﹀ 句 一 切 ・ の お ω ・ M m ( 同 ∞ ∞ N ﹀ ・ 不 正 競 法 争 序 説 七京 洋 法 学 l¥ ( 9 ) 斗 一 司 ( N 仏 ) 由 。 ω( の ・ 0 ・ ﹀ ・ 日 { y g N m ﹀ ・ ハ 日 ) h H h悼 一 司 ・ N 寸 一 吋 ( ロ ・ の ・ 開 ・ ロ ・ ] V m w -一 S U C ﹀ ・ (日)続けて、﹁この事件において原告がロ l ゼンデ l ルにおける唯一のセメント製造業者であることが明かにされていない。 したがって、被告のセメント製造元につき欺同され且つ被告が表示したようなセメントのみ買おうとした顧客は、もし被告 の行為がなければ原告の製品を買ったであろうと推定する理由は何もないのである﹂といっている。 ハ ロ ) の 己 目 B m w p p 同 M L m o ﹀ 仏 4 σ 立 宮 山 口 問 g m w の O B ︼ 百 件 目 立 4 0 、 吋 O 立 w の己・﹁同 -G E ∞ ) 匂 ・ ∞ u d ・ (日)その詳細は各論に説くが、巧吉 2 0 5 ・ H V・ 寸 包 以 下 参 照 。 ( U ) 回 目 。 口 己 ︻ Y 4 ・ H U P U -ロ O( 一 戸 ∞ ω ω ﹀ h H 一 回 ・ 侍 ﹀ 門 同 ・ 邑 0 ・ ハ 日 ) し か し 、 の } 出 口 g ロ ミ 巧 m L 8 2 Z m w ロ } 5 2 ω ロ ωE 立の 0 ・ J1 ・ m m g o ロ 可 三 ロ 四 国 主 的 円 O B P H U ロ 巳 ・ 。 FWHE ハ 巴 ω ω ) に お いて、決定的要素とは、元来、公衆が誤認を生じたか否かではなく、その行為によって被告が不正の利益を得、原告が損害 を受けたか否かにあるといっている。 ハ 叩 山 ) の ω ロ ESF 日 v ・
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は概括的にいえば、営業者と賠買大衆が共に 詐欺によって犠牲となることから保護される権利をその根拠としている﹂ (口)。これ以前に同じく述邦裁判所の判例で同様の見解を表明したものを引用すれば、 ﹁関係を有するのは競争生産者の権利のみではない。彼等はその権利を 自ら保護することもできるが、実質的な担告をうけ、間川口する芯思のない商品の代金を文払わされる消賀者は法廷に おいて保護されなければならない﹂ (犯)というものがある。さらに他の判例では、これらの事件における裁判所の枢 胃 民 + ι
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問。ロするこ とを防止することにより公衆の利益を守るためのものである。:::商椋は、 い み じ く も 一 一 一 日 わ れ て き た と こ ろ で あ る が 生産者又は商人が商品の品質と完全性に関し公衆の信用を獲得し、維持し得るための唯一の手段であり、また公衆に とっても、他人の良い評判から生じる果実を常に機敏狭滑且つ計画的に私用する者の詐欺に対し、公衆が設られるた めの唯一の手段である﹂( m v
といった。これより以前ε
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門事件の判決でこの点が指摘された。日く﹁正当な目 的は偽装をまとはぬものである。それは詐欺を特徴的に表示するものである。それは合法的な競争│販売に供せられ た商品を公衆の選択に委ねるーによって企画される目的そのものを挫折させるものであり、販売業者に対する詐欺と な る の で あ る 。 衡平法裁判所が介入を求められたのもか斗る販売を阻止せんがためである。 私はこのような性質を 有する行為を差止命令によって禁圧することが本裁判所の管轄権に属するものであることを疑わない﹂ ( 却 ) 口 ﹀ B O ω lE
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宮ミでも生産者や商人の商標権を保護することばかりが裁判所のすべきことではなく、それと同 時に公衆の利益に対して必要な保護を与えるべく考慮しなければならないと判示している(包。 このように、不正競争訴訟の根拠として公衆の利益の保護を強調した例も多いが、何れもその言うところは、訴は ﹁公衆及び原告に対してなされる詐欺の防止﹂ (幻)に基いて成立するものであり、このため裁判所の松能は、不正な 不 正 競 争 法 序 説 九民 泣 士活 えが
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l' <4~ だ単組 Q# 単組会 j叫心 i~ 回以~,_Jヰ 2 ,_J ν ユl'Q O (とコ) Anderson J. in General Baking Co. v. Gorman,
3F. (2d) 891 (C. C. A. 1925). (~) Jenkins Bros. v. Kelley & Jones Co. , 227F. 211 (C.C.A. 3rd , 1915). C~) Judge Rogers in Scandinavia Belting Co. v. Asbestos Rubber Works , 257F. 937 くC. C. A. 2d , 1919). (お) Judge Dure in Taylor v. Carpenter , 2 Sand f. Ch. くNY) 676 (1846). C~) J udge Durer in Amoskeag Mfg. Co. v. Spear , 2 Sandf. Ch. (NY) 599 (1 849). C~) Drake Medicine Co. v. Glessner , 68 Ohio St. 337 (1 903). C~) Judge Kexnamer in Macy & Co. v. Macy's 39F. く 2d) 186 く D. C. N. D. Okla. , 1930). (認) Truck Insurance Exchange v. Truck Insurance Exchange , 165 Are.332 , (1 940). (~) K. Taylor Dist i11 ing co. v. Food Center of St. Louis , 31F. Supp. 460 (D. C. E. D. Mo. , 1940). 4ミ~,ヨて ~ιt) れはl' <4 朕~~宗←l'Q手話匹~~同穏や, Q 国選\-J~l'Q1
ミl' ~l'Qムさ三社主 1~ 同穏 φQi 止除去;]穿~~l'Q~舟 Q1
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ミム 10 ユドピl' ~'V Q 程誌を込騒々、!堕杓~~(お) 0 -{:\_斗、・*~~I' 1<4 穏 μ3 ぇ←l'Qf.主主~~EiS拙 Qlつの根拠であるということは、明に沿草的な正当性を有する。商標法の基底としての公衆に対する詐欺観念は、ギル ド生活における商棋の規範的性格から、事件を仲介として今日まで及んでいる。公衆に対する詐欺が、商標侵害(及 び不正競争)の実質的根拠であれ、証拠法的準拠であれ、それは裁判所が不正な取引と判所し、そのため営業上の損 害を宋った者のみならず、有効な商根の悪用あるいは不正な競争行為によって敗同される公衆を、保護するために必 要なすべての配慮に合まれる要因である﹂としている(む。沿草的にはその指摘する通りで、ギルド内に行われた内 部規定は、同業者の特権的階級利益の擁護を保守することに主眼がおかれたものであると共に、公衆の保設をも目的 としたものであった。この規制は普通法裁判所によって継承され、その後主として衡平法裁判所が前進せしめたので あ る D しかし、ギルド的規制の継承は法技術的側面においては妥当するが、規範的意味内容においては、近代的不正 競争法は自らギルドの内部規約とは臭ったものである。 普通法裁判所は当初一般消費者を保護するために不正競争を制限することをその趣旨とした(お ) O もっともこの点 でもその態度を端的に表明したのは衡平法裁判所であった。すなわち、消費者大衆の利益を害する範囲でのみ不正競 争の禁過が問題にされたに過ぎず、それ以上は自由な営業競争に委ねられた。 一方普通法裁判所はこれを、公衆に対 する詐欺を要件とする損害賠償事件として管轄し、両裁判所が統合されるまでその態度を固定したお)。やがて営業 上の暖僚の観念が把握されるに及び、被害者の救済に根拠をおく近代的不正競争法の形成がみられるに至ったのであ る。かようにして、発生的には第一義的に公衆の利益保護を目的としたものであれ、すでに近代的衣装を湿って登場 した不正競争法の根拠を、公衆の保護のみに求めることは、規範的独自法則性という法の性格を無視するものではあ 不 正 競 争 法 序 説
東 浩 f . 、 d ・ 法 1・一一一一子 寸4 るまいか。公衆が欺同されたことの証拠が不正競争訴訟にとって欠くべからざる要素であるということは、不正競争 を同福留山口問。ロ のみに限定する考え方からすれば︿恕、現在の法則として認め得る余地も存するが(包、不正競争の 概念がしかく狭く限定されるべきでないことはすでに述べたところであり、 また侵害される個人の利益にまず着眼 し、この救済を趣旨とすることこそ近代市民法の法理に合致するものと考える。しかし不正競争法が公衆の利益を保 設することを、たとえ反射的副次的効果によるにせよ、目的とすることは否定することができないのである。もっと もそのことも、近代的市民社会の経済的秩序維持に対する規制としての、規範的な原理に立脚したものということが できよう。この意味における公衆の利益の保護は、多くの場合、問題となる不正競争の当事者間に係属する訴によっ て達せられるであろうが
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、それでもなお救済に欠ける場合も生ずる。この場合に公衆は如何にして保護されるべ きかという問題が生じる。 原告に訴権が認められない場合などはそれに当るであろう。たとえば商標侵害をうけた原告が己g
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、あるいは原告が悪意での提訴起を不当に遅延したとき(包、 または契約によって他人に自分の商標などの使用を認めた場合詰)などであるロ最後の例は禁反言の原則の働く場合 であり、この事件の多くにおいては消費者は商標の重複使用によって錯誤を生じることはないが(哲、それでも実際 に公衆の混乱を来す場合も、原告な禁反言の理によって衡平法上救済を与えられないために、公衆の保護に欠ける場 A 口 も 生 じ 得 る わ け で あ る 。 ( お ﹀E
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・ J 1 ・ 巴 ロ o F 司 ・ ( N 門 ︼ ) ∞ m N ( の ・ の ・ ﹀ ・ ω 円 Y H U N 印 ) ・Mitchel , p.281; Callmann , op. cit. p.880. (~) Judge Woolley , ibid. (~) Winfield , p.739. (~) Ibid p.740. (~D Justice Brnadieis in Federal Trade Commission v. Klesner , 280U.S. 19 (1 929) . ..,.9 ÇI ..1J..,.9~~' r< -:r桜 11~ ←~紘室長 tA4 三士~'~~:!l目立略抑制点士#二長心't-'~.c-'印紙 Q~ 樹立恩 -<Q~~ 号令 l語学←~~舟 11 室中 te :m~..,.9 Q 't-' ~~J ..1J....)\-Iム~。 (お) Nims , p.46. (~) Development in the Law , Trade Marks and Unfair Competition , op. ci t. p.885. (~) Hilson Co. v. Foster , 80F. 896 (C. C. S. D. N. Y. 1897); Mulhens & Kropff , Ino. v. Ford. Muelhes , Ino. , 43F. (2d) 937 (C. C. A. 2d , 1930). clean hands Q 医~..1J~題 lキ斑 Q 部 j栓“ He who comes into equity must do so with clean hands" Q 医 ê 't-'~~。 題 l 斗制策手伝立 , ~'~Q 穏穿}芭千)~~~ミt.0~詳細は京 ....)\-I<-:r 同千)~ム例記包~歯 ~~J ..1J会 J....)~ I!;量刑 11~ 鋭部 5会 J.uj、,~~ヨム Q~~ ~。 (沼 )StandardO i1 Co. ofColoradov. StandardOil Co.
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1934). Anheurer-Busch , Inc. v. DuBois Brewing Co. , 175F. く 2d) 370 (C. C. A. 3rd , 1949) く 11¥ 十¥1
昔話1
摺〉 Dwinell Wright Co. v. White House Milk Co. , 132F. (2d) 822 く C. C. A. 2nd , 1943) (民自立語申込民:!l []Q 短時去に j 忠臣 ....)\-1 二 ~Q 会 J..!R.c-~込心'十 4く叶~~首脳 Ji 単:!l[]..1J住~;;ñ会 J....)~O) (~) Manhattan Shirt Co. v. Sarnoff-Irving Hat Stores , Inc. , 19De 1. Ch. 151 (Ch. 1933) ; Sahly , Inc. v. M. H. Jacobs Co. , 183F. (2d) 914 (C. C. A. 7th , 1950). (~) 14\叶 Q~ 闘は吋や \-1' ~:!l[].~申込哨く 11 [I[ υ t'-~、必!忠臣 ....)\-1 ム~ ~J ..1J会 J< -:r厳笠 l科思 ....)\-1 ム~ (French Republic v. Saratoga Vichy Spring Co. , 191 U. S. 427 (1 903)). iキ同銀 φ 潟~漏i
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京 洋 法 宇 四 この点に着眼し、裁判所は公衆の保護のために己
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の原則を厳格に適用することなく、 ﹁ 原 告 が そ の 手 の 汚を洗い落すこと﹂を条件として被告に対する差止訴権を認めたり(む、あるいは起訴を遅延した原告に対し部分的 な救済を与え、被告の継続使用を認容するなどの処置を講じた宕)。しかしこれは何れも部分的な効用を有するのみ であり、その効果に多くを期待することは無理であろう。 公衆が錯誤によって損害をうけないための保護を与えることが、この訴の独立した根拠であるという見解をとるも のは、右に上げた場合も、裁判所は独自に原告あるいは被告の行為を差止めることによって公衆の保訟をはかること ができるという詰 ) O しかし、実際問題として、かふる場合に実質的には消費者大衆は損害を蒙らないときもある。たとえば偽物が真物 よりも優れた品質を有し、消費者大衆のその商品に対する着眼点は品質にある場合がそれである。また公衆の損害の 程度は如何に評価されるか。という行為は共通であっても、客体たる商品が英子である場合と薬品である拐合とでは 公衆の損害を同日に論ずることはできないお ) O これらのことを考慮すると、公衆の保護は不正競争訴訟においては 派生的効果として期待し得るのであり、それを訴の潜在的な目的とすることは妥当であるが、これをもって訴の独立 の根拠であるとすることは困難であろう。それは私訴の範囲を逸脱して公法的規制の対象として把握さるべきではあ るまいか(包。しかるとき公衆の利益の観念も、また再検討される必要が生ずると思われる。 この点は前に触れたのでこ L に詳論することは避けるが、資本制経済において経済事実的に、したがって規範的志 味でも、その準縄たる契約自由の原則及び営業自由の原則は、資本制経済体制の確立と発展のために大きな力を致したのであるが、法の予想を超えて発達した社会的経済的現実は、逆に側面から両原則の修正を迫るお)。かようにし て、公衆の利益
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公共の福祉は新な規範意識をともなって前面に押し出されるのである。しかし、このような指導理 念として公共の福祉は、 コモン・ロ l 的不正競争法が保護せんと意図する公衆の利益とは、妥当する社会的経済的地 盤を異にするものであり、前者のためには、不法行為としての不正競争法の領域を超えて位置づけされる立法による 解決にまっところが多い。だがそれにもかふわらず、積極的な意味を合んだ公衆利益の保護l
あ る い は 一 見 に 萌 芽 的 な 意味で右に述べた公共の福祉の保護の観念を採らんとすれば、むしろそれは、不正競争法の一面の目的である公正な 取引の助長という点に注目することによってなされなければなるまい。以下に項を改めて述べる。 ( 釘 ) Z O M -o z o 円 ︿ O 吋 0 0 品 。 0 ・ 0同 Z 0 4 司 開 口 問 - p p 円 四 く -z o 仏 O M 向 。 。 ・ 切 H m N 吋 ・ 色 ω( の ・ の ・ 同 - H ・ 5 0 u J 引 当 ・ ﹀ ・ の υggp の 0 ・ 戸 、 吋 ロ 吋 H H O 吋 F 0 0 日 向 。 円 。 0 ・u N C 晶 司 ・ m m ω ハ H U H N ﹀ ﹀ 日 以 ︼ g -E m s u m o 色 " N 2 d ・ω -g u ハH U E ﹀ ・ ( お ) ロ o E ロ の O U 可 付 。 ω F O 円 問 。 ω 門 戸 口 吋 m w p 円件。 m w 円 。 円 。 円 ω の 。 門 口 ・ 4 ・c
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の原則に関係するときは裁判所は独自に原告または被告に対し宮 g g 目。ロに対する差止を 命ずることができる。この示唆は古く出口 ω o ロ の 0 ・ ︿ ・ 句 。 巳 2 8 匂 -g o ハ の ・ 。 ・ ω ・ ロ -Z ・ ペ -H g d においてし古血窓口 O M B によって与えられている。 ( 却 ) ロ o J 1 0 - o H V B O 己 Z F o F M H F 叶E
品 。 宮 町 民 日 G M M ロ ( H C E m 円 円 。 。 宮 町 。 門 戸 門 戸 。 P 。 ? の 戸 間 ) ・ ∞ 2 ・ ( 打 出 ) ﹀ 5 2 -g口 当 S F g p E の 0 ・ ︿ - m ω 回 目 D M H t ︿ 宮 内 問 ・ 。 。 - w H C ω 匂 -M ∞ 同 ( の ・ の ・ ﹀ ・ 。 円 YEos-ハ 必 ﹀ 勝 本 前 お 七 頁 。 不 正 競 争 法 序 説 五来 洋 法 宇 一 六 四、公正な取引の助長 ﹀
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・ " の事件における判決を批判してコ!ルマンは、 ﹁裁判所は、不正競争に対する訴訟は財 産権侵害の上にその根拠を有しているのではなく、競争関係に逆行する倫理的な信義則を尊重しないことに立脚して いることを無視している﹂ ( M M ) 0 と述べているが、不正競争法は公正な取引を助長することをその目的とすることは 明かである。それは詐欺・誹段・宥迫・暴行その他の不正な競争手段を禁過することを通じ、公正な自由競争を保護 し促進せしめんとするものである。公正な手段による自由な競争は、資本制経済の根底をなすものであり、 コ モ ン ・ ローも公正な競争によってたとえ相手に壊滅的な打撃を与えても、これに干渉することはない。 た と え ば 、 ﹁不正な競争手段により、営業者に対する実際的に詐欺である行為を、何時裁判所が差止命令によって 禁圧するかに関する定立した法則は何もないのであって、各具体的場合の事実を考慮しなければならないのである。 しかし、ある者が詐欺を合む手段によって他人の営業を獲得せんと試みていることが明白である場合は、衡平法裁判 所は正当な営業者を保護し、不当な営業者が営業を継続することを禁ずる﹂a )
といわれたように、判決は、 ﹁ 一 般 に認識されている不正競争法の下では、用いられた詐欺が事件の核心である﹂ お)という点に注目してなされたので ある。同じく、第三巡回区の巡回控訴裁判所は、有効な商標を有しない原告の権利に言及し、﹁詐欺がかふる事件にお ける請求の根底をなすものである。けだし裁判所は公正な取引を促進せんとするものであり、何人も自分の商品を他 人の商品として販売する権利を有しないからである﹂ (相﹀といっている。その他、地方裁判所における同様の判決も 引用することができるお ) Oたとえば、また、暴行をもってする競争行為は不正競争として防圧される。同
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・ 回 目 。 ぽ 江 口 四 日 ( 拍 ) は 有 名 な 事 件である。そこでは﹁他人の生業に対して暴行がなされたときは、訴は成立するが、ある者が他人と同じ営業を営み 競争者に損害を与えた場合はいかなる訴も成立しない。けだし、被告も原告と同じく営栄を遂行する自由を有するか らである﹂と判示されている。4
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号の船長はアフリカ海岸の土人と取引をし ていた。被告であるオセロ号の船長がカヌーにいる土人に発砲して取引を防害した事件であるが、こ t A における不正 な競争行為の中心は暴行にあるお ) O こ の よ う に 、 コ モ ン ・ ロ l は不正な競争方法を禁じ、これによって被害競争者を救済し、また公正な取引を維持せ んがために働く。しかしそれはあくまで手段の不法性に着服したものであり、 いわば競技におけるフェアプレイの精 神に通ずるものである︹印 ) 0 その発展は実質的には。
υ J 1 0 ω 一打 。 百 日 ) 昨 日 の原則の綬和と対応するものである日)とはい え、直接には営業競争の手段に対する規律であり、競争関係を超えて積極的に公衆の利益を椋拐するものではありえ ない。そこには自ら、市民法的秩序に根をおいた平均人的人聞によって構成された社会に妥当する公序良俗の観念が 支配するのである。 資本制経済の発展にこそ資するための営業自由の原則は、独占企業の強大化にともなう経済的従属関係に直面して 修正を余儀なくされる。そこに新しい指導理念としての、具体的人間に基礎をおく公共の福祉が問題とされるに至る ことは、すでに述べたところである。かようにして、幾多の公法的立法措置がなされるのであるが、それも資本主義 的経済体制のカテゴリに超絶するものではなく、その目的は営業関係における﹁公正且つ自由な競争を促進し:::一 不 正 競 争 法 序 説 七京 洋 法 (回)することにある。もしそうであるならばコモン・ロ l 上の不正競争法の意図する公正な 川 宇 j¥ 般消費者の利益を確保﹂ 自由競争の助長という観念を、右に述べた公法的規制の指導理念の端初的観念として把握することも可能なのではあ るまいか。もっともこれも、 コモン・ロ l 上は積極的に主張され得るものではなく、これをもって訴の独立の基礎と 考 え る こ と は 困 難 で あ る お ) O ( 必 ) の m w ロ B m w ロ P H V ・ ∞
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・ また、社会生活における特殊の関係l
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夫婦、本人代理人、信託などーーはその関係に特有の権利義務を生ぜしめるものであ る。競争関係もその一であり、これのみが不正競争訴訟の根拠たる理論を浮き得るものであるという(の己目5
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・ N ω 叫 ( 5 5 ) w O H の ・ ( 叩 叩 ﹀ 戸 開 m w 丘 町 叶 ロ ・ ( 川 仰 ) 同 可 g w ( Z H U ﹀ N O 日 ・ 当 U 1 5 8 w O 旬 ・ 。 戸 町 ・ 位 。 P N ・ ハ ー バ ー ド ・ ロ l ・ ス ク ー ル の ロ バ I ト・プラウカ l 教授も昭和三十四年四月、日本比較法学会における講演(不正競争防 止の分野におけるアメリカ行政部の活躍11│道田信一郎訳で比較法研究一九号一一貝以下に所収﹀において、コモン・ロ l 時 代も不正競争法の重点は相手方の財産粧の保護にあったと指摘し同 gE04 ・ 目 。 ぽ 江 口 間 口 ﹁ 叶 RFZ ロ ︿ ・ 宮 、 の o三 ミ に 言及され、後者の場合﹁カヌ l の乗組員の利益についてはいくらかの関心を示しているが、鴨の栢祉について裁判所が何ら かの関心を示したかという点につきましては全く何の証拠も存在しないのであります﹂と述べておられる。 ハ 印 ﹀ ﹀ 目 。 片 山 g p p m -P の 0 ・ ︿ ・ E R g g E 君 。 円 w p H U H 宮 Z 0 ・ 8 ω ハ 巴 ω H どの o z o p J 可-E28 呂 町 四 ・ 。 c G -u ω 司 ・的 戸 日 ) 匂 -u o o ハ ロ ・ 0 ・ 巧 ・ ロ ・ 吋
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第二節 当 事 者 一 、 原 t士二 Eコ 不正競争訴訟における訴訟手続も、 一般に他の訴に適用される手続と具るところはないT
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未だ不正競争に関する一般的拍象的法理が存在しないことはすでに述べた通りであり、そのため不正競争の原告た るべきものについても抽象的な標準をもって定め得ない。従来コモン・ロ1
における不正競争は各種の定型的不法行 為として把握されてきたものであり、該当する不法行為によって原告も定るわけである。しかし、営業活動の発展は 従来コモン・ロ l で認められた不法行為にあたらない行為で、営業競争上不正な競争手段となるものも生ぜしめるの であって、公正な取引を助長するために、これらの行為に対して公法的規制をもって臨むことす)は、公衆の保護と いう観点から要望されるところであるが、私法的救済を与えるためには、これらの行為の被害者の私訴粧を認めなけ 不 正 競 争 法 序 説 一 九東 洋 法 学 二 O ればならない ( 3 ﹀ O コ モ ン ・ ロ l 上も当初からこれらの行為の被害者の救済に積極的な態度を示し得なかったが ( 4 ) 、徐々にこの態度 を緩和し、不正な競争者の巧妙な考案に対応してこれを禁圧し、その相手方の救済を考慮する傾向にあるものといえ る。このためにコモン・ロ l のなした理論構成は、具体的に新に用いられた不当な競争方法の奥ることによって呉る わ け で 、 一律に抽象的な理論に基いてなされたものではなく、各場合については各論で触れるが、これらの行為に対 する私訴権を認めるには、あらゆる営業者は、営業競争において他の競争者に不当な損害を及ぼすような不正な競争 手段を用いることはできない、という競争関係における義務を有しているのであるということが、潜在的にしろその 根拠をなしているものといえるであろうす ) O こうして、従来の不法行為の型にあたらない場合も不正競争として認 められ、その競争相手方は原告として訴を提起できる場合を生じた。しかし、この場合も原告は、 ﹁被告の顧客がす る敵討の代理人﹂ ( 6 ) として訴権が認められるのではない ( 7 ) 白原告は将来得ベき顧客とか商標権とか契約上の利益 な ど 、 いわゆる暖簾に対する侵害の救済を訴求するのである。 営業活動が拡張した今日、営業競争が単に二当事者閣のみで行われることは少い。したがって不正競争に関する訴 に も 、 いきおい多数の当事者が関係する場合が多い。たとえば同業者多数の利益がある不正競争によって害される場 合などがそれである。このような場合に、その同業者の結成する社団はその椛成員のために原告となることができる ︿ 8 ) O その他問題となるものをあげれば、製造業者は、その製品の古物を販売する者と直接の競争関係はなくとも、販売
者の不正競争を差止める訴の原告となり得るす vo 商品の販売者に、その商品に関する自分の商椋の排他的使用を許 容した、商品の製造者は、それに対する第三者の不正競争につき、原告として訴を提起することはできないとされる ( 日 ) D 非営利的社団もその名称を保護するための訴の原告たり得る ( U ) 口地方的名称を使用する松利の共有者は、他 の共有者のその名称に関する不正競争につき、総員のために原告となることができる包 ) O ( 1 ﹀ の m wロ
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・ ( 2 ) 連邦取引委員会法第五条参照。 ハ 3 ) ﹁法と、不正競争者の湾系との競争では、不正競争の訴訟原因の明確な認識がなされない限り、競争者の利益保護につい ては後者が勝利を得るであろう﹂(の m wロ B m ロ P 句 ・ 弓 お ﹀ ・ ハ 4 ﹀巴 m z z m w σ ・当 M M R F の 0 ・ J1 ・ ロ ロ ロ o Z 毛 主 舎 の m w ω o n 0 ・ u 同 叶c
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問 。 。 ロ NHω( 同 ∞ ω ∞))をあげれば、原告のパスと誤信して利用した のは来客であり、原告は被告の行為によって少しも欺関されたわけではないのである。これは脅迫によって契約関係に介入 し、契約を散楽せしめる場合を考慮してみれば一層明瞭となろう。たとえば、原告に商品を供給することを止めなければ卸 不 正 競 争 法 序 説東 洋 法 手 売商人に対し製品を供給しないなどの脅迫的な言辞をもって、生産者が卸売商人と原告の取引を止めさせるなどの例
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ロ 目 当 巳 H H のσ の 0 ・ 4 ・ 関 口 山 岳 2 g r R H g の 0 ・ HEZP8ω( 巴ロ︾である。ここにおいて原告は、直接被告に脅迫され たのではないが、原告は生産者を被告として訴を捉起し得る。あるいはまた、甲の商庄を利用せんとして乙の暴行をうけた 顧客は、もちろんそのためにうけた損害の賠償を請求するために乙を相手として訴を提起することはできるが、それは甲の 乙に対する訴とは別のものである。 ( 8 ﹀ z z g m込 山 0 5 - Z 0 4 4 ω ∞ 2184 ・ ﹀ g R E Z 弘 司 円 。 ω ω " M A ∞ 口 ・ ∞ -N H m ( H S ∞)の原告はその椛成貝である。新聞企業の 所有者のために、ニュースを集収し提供する社団であったが、そのニュースの盗用防止を訴求した。被告は、それらの新間 企業所有者は原告のような社団による訴によって保護されることはできないと主医した。これに対しピットニ l 判事は﹁実 質的に、訴は社団の構成員の利益のためになされたものであり、その構成員は訴の当事者たり得るものである:::木事件の 社団は構成員の利益を代表して、訴の当事者となり得る﹂と述べているハ但し裁判所はこの点の争は放架されたものとして 判 決 し て い る ﹀ 。 同 ・ 4 ・0 ・m ・ 同 ロ の ・ 4 ・ ﹀ g R E g a 司 円 gpMgd ・ω ・ MgG83 でも裁判所はこの点に触れなかったが、下級容においては 社団が訴の当事者たり得ることが認められた(﹀ ω ω O の 宮 古 品 目 ・ 2 ω ・ ぐ -H 内 ・ ︿ ・ 0 ・ ∞ ・ ・ ∞ C 吋 -Q 3 勾 印 ( の ・ 。 ・ ﹀ ・ E Y H U ω 日 ﹀ 。 ( 9 ﹀ ロ o a 問 。 J 1 ・ 何 m m w 円 切 ∞ 司 ・ ハ M 円 山 ﹀ ∞ 斗 M ( ロ ・ の ・ 同 ・ ロ- z
・ J 内 ・ 一 戸 U N 印 ﹀ ・ ( 叩 ) ω g i ロ 呂 町 四 ・ 。 0 ・ 4 ・ d 巳 円 。 色 白 巳 o m 何 日 o n 円 門 戸 の 宮 町 四 ・ 。 。 門 司 -w S 匂 ・ 的 口 問 ) ℃ ・ 口 町 ハ ロ ・ 。 ・ ω ・ ロ ・ 2 ・ 吋 ・ H 2 3 ・ 但し製造者自身も商標を継続使用している場合は、商標使用を許された販売者が必要的当事者となるのではない。(の。g
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。 。 -p c ・ 4 ・ の m H U - - o m -の 0 ・w N C O 吋 ・ u J N O ( の ・ の ・ ﹀ w 。 己 H W H U H N ) 。 ( 日 ﹀ の 。 H c s t u d E J 可O B 山 門 U 1 4 ・ ﹀ u n o E o E W 口 町 富 山 ω の ・ ∞ ω H Q 8 3 ・ ( ロ ﹀ 同 M H H d - O U 可 ぐ ・ ﹀ B O 門 戸 g ロ の 。 巳 の 0 ・u m O 司 ・ ハ N 3 ∞ ω N ( C ・C ・ ﹀ 日 J Y H U ω H ﹀ ・ しかし、商品の説明的名称の公正な使用について共通の利益を有するものについては、同様な救済が与えられなかった(﹀ i H H g H g おの日付の 0 ・ J 1 ・ H N 山 口 問 4 5 ロピロ O H 2 5 巧 2 E " N ω 印 可 ・ 島 町 ∞ ハ U ・c -z -H ・ H U H m ) 。これが辿邦取引委員会法が制定さ れた一理由である ( Z 山 自 ω ・ 句 - H H ω 白 ) 。二 、
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国包含の原則 営業競争関係にある当事者は、すべて公正な競争行為をなすべ主義務を負っているから、 いわゆる己g
ロ ﹃ 自 己 ω の 原則は不正競争訴訟について殊に章一要な意義を有する。 己g
ロ宮口伝の原則とは、衡平法上の救済を求めんとする者 は自らも潔白でなければならないという衡平法上の原別である臼 ) 0 もと、衡平法裁判所は良心の裁判所とされ、 し たがって被告に対して公正でない、あるいは苛酷なことをした原告には救済を与えないという原別である。それは被 告の提出すべき防禦方法ではなく、被告の主張がない場合も適用される臼)のであって、原告自身、被告または裁判 所が、原告のg
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を示さない限り、原告は公正なものと推定される(
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しかし防禦方法として捉出す ることもできるのであって、この場合、単に被告が不正競争者であるという理由でその主張を却下すべきではない。 この法則が適用されるためには、問題となる原告の行為は故意によるものでなければならないとされる。単に間違 で原告が不正な競争行為をした場合には適用がない(日 ) O 原告はその代理人の行為について、善意の場合はこの法則の適用はない(
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また原告の行為に、救済が与えられる当時に、なお現存するものであることが必要とされる︿5
。また、原告の不 正な行為は必ず訴の争点に直接関係のあるものでなければならない。たとえば原告が被告の不法行為を誘発した場合 (日)、問題の原告の商標がそれ自体詐欺的なものである場合(忽、原告の取引行為や当事者間の契約が不当なもので ある場合(幻)などのように、原告の訴によって問題とされている被告の行為について、原告にもまた不当な行為があ る場合に、この原則が適用されるのである。したがって、商標侵害に関する訴の原告が、広告について不実表示をし 不 正 競 争 法 序 説民社士活折
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布 J -?2 (詩) 0 (出) Precision Instrument Mfg. Co. v. Automotive Maintenance Machinery Co. , 324. U. S. 806 く1945). 〈苫) Memphis Keelylnstitute v. Leslie E. Keely Co. , 155F. 964 (C. C. A. 6th , 1907). くピミ) L. P. Larson ,J
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同来 洋 法 主主. 寸a 一 一 六 れている詰)。しかし雇傭主と共に被告となる一屈主の代理人、被傭者なども、個別的には訴の当事者とならない臼﹀ 宮
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ロされた商品のレッテルの印刷者または容器の製造者なども、実際に宮 ω ω 。ロした者と共に又は別訴の被告 となる(叫)。同じく商品の販売者は製造者と共にあるいは別に被告となり得る(お ) 0 原告の権利を侵町一一目するような名称を電話帳に印刷した電話会社が、その電話帳の出版を差止めることを請求した訴 の被告とされた例がある詰)。しかし、ラジオ広告のスポンサーが自ら放送番組についてコントロールし得ない場合 は、その広告に関しては責任を問われない(包 o ( 幻 ) F O J 1 0門 出 円 。 ω の 0 ・ ぐ -一 ﹃ ・ 開 m H a ︿ O D ω o ロ h w m o ロ ♂ U 1 H 4 ・m ロ ロ 司 ・ 。 日 可 申 ハ ロ ・ 。 ・ ω ・ ロ -Z ・ 吋 ・ H U ω A H ) ・ ( お ﹀ 司 ロ ・ ﹀ ・ 問 。 四 日 ω 4 ・z
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﹀ ・ ここでは会社とその取締役が共に商標侵害の被告となったが、会社に対しては管轄権不存在の理由で訴は却下され、取締役 に対する訴においては会社は当事者として不可欠であるという理由で同様却下された。しかし巡回控訴裁判所はこの点を指 摘し、会社が当事者でない場合も、別にその取締役に対する訴の成立する場合もあるのであり、その者に対する差止命令が 直接会社に効力を及ぼすときもある。したがってこの点に関する考慮が払われなければならない、といった。 ( m m ) m m w M -o v ロ σ円 ぐ ・ ロ 円 ω ロ o p H A H -可 吋 ・ 一 戸 ∞ ∞ ( 同 也 O ∞ ﹀ 一 の 円 O E v m w 円 4 ・ 。 円 0 2 5 F N ω 同 ・ H Y 0 ・ ω ∞ ∞ ( の F ・ ロ Z . ・ 同 ∞ o o y ( 開 ロ 四 ・ ) ・ ( 叩 ﹀ ロ 巳84
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・ ペ ・ H U H m ) ・(~) Matsell v. Flanagan , 2 Abb. Pr. (NS) 459 (New York Common Pleas , 1867); John H. Woodbary , Inc. v. Wn. A. Woodbary Corporation , 23F. Supp. 162 く D.C.S.D.N.Y. 1938); Wagnerv. Meccano , Li mited , 239F. 901 (C. C. A. 6th1917). (~) Christman v. Werner et a l., 9TM. Rep. 112 く NJ. ch. 1918). (お) Natuiba Association of Perfoming Artists v. Wm. Penn Broadcasting , 39F. Supp. 531 く D. C. E. D. Pa. 1941). K i:入キー~r1入ムローミ← ~~~a~l ぱ夜干J~~ ,.1J~主←均等ミ'時 1Eii 話網 f豆闘会 J.lR~締総~~~-R l事ふさ 15 芸~'t-'~~ (Nims , p. 1133.