Title
Synergistic Growth Inhibition by Acyclic Retinoid and Vitamin
K_2 in Human Hepatocellular Carcinoma Cells( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
金森, 堂
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第691号
Issue Date
2007-01-17
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/23071
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氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 金 森 堂(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 691号 平成19 年1月 17 日 学位規則第4条第1項該当
SynergisticGrowthlnhibition byAcyclic Retinoid andVitaminK2in Human Hepatocellular Carcinoma CeIIs
(主査)教授 森 脇 久 隆 (副査)教授 森 秀 樹 教授 柴 田 敏 之 論文内容の要旨 背景と目的 肝臓癌(HCC)は癌死亡率の第5位にあり,その予防・治療は世界的に重要な問題となっている。HCC の進展は,B型またはC型肝炎ウイルスの持続的な感鄭こよって誘導される肝臓の慢性炎症に伴う。 また高い再発率のためHCC患者の予後は不良である。しかし,現在のところ,HCCの化学予防薬あ るいは化学療法薬は確立していない。 レチノイド(ビタミンA類似体の総称)は,上皮の増殖,分化の制御に基礎的な効果を及ぼすが, その機能は核内受容体のレチノイン酸レセプター(RARs)とレチノイドXレセプター(RXRs)を介 する。我々は先行する研究により,リン酸化による翻訳後修飾のためRXRαが機能不全を来たし, それが肝発癌に関わることを見出した。また我々は,非環式レチノイド(ACR,新規合成レチノイ ド)がヒトHCC由来細胞株でアポトーシスを誘導し,動物モデル,ヒト臨床試験で肝発癌を抑制す ることを報告してきた。一方最近の研究では,ビタミンK2(VK2)がHCCを含む様々なヒト癌細 胞に増殖抑制効果を及ぼすことが報告されている。実際,臨床試験でもVE2の経口投与がHCCの発 生・再発率を低下させ,患者生存率も改善することが証明されている。ただしVK2によるこのよう な作用の正確なメカニズムはまだ解明されていない。 さて,VE2とレチノイドの併用が相乗的に抗腫瘍効果を発揮したといういくつかの報告がある。 そこで今回我々は,レチノイド(ACRまたは9cRA)とVK2の組合せがヒトHCC細胞に対し相乗的な 増殖抑制効果を及ぼすか否かを検討し,そのメカニズムについても解析した。 方法 肝癌細胞株Huh-7,胎児肝細胞由来Hcの2種類の細胞株を用い,レチノイド,VK2,両者の組み合 わせにより,以下の効果を解析した。 (1)細胞増殖抑制効果 (2)アポトーシス誘導効果(TUNNEL染色による) (3)RAS/MAPKとp-RXRαの発現に及ぼす効果(Western blot) 結果 Huh7細胞ではレチノイド,VK2の単独使用に比し,両者の組み合わせ(同時投与)が相乗的な細 胞増殖抑制効果を示したが,Hc細胞では同様の効果は観察されなかった。またVE2による前処置が, 引き続いて添加されたレチノイドの増殖抑制効果をさらに増強したが,逆の順序では相乗効果は見
一27-られなかった。アポトーシスもレチノイドとVK2の併用により相乗的に誘導された。Westernblot 解析ではレチノイドとVK2の組み合わせでRASの活性化とその下流にあるERKのリン酸化が抑制さ れ,その結果リン酸化RXRαの発現も低下した。 考察・結語 本研究では,肝癌の予防・治療に関し有効性が期待される2薬剤の組合せ効果を検討した。その 結果,肝癌細胞株Huh7に対しレチノイドとVE2の組合せが①相乗的な細胞増殖抑制効果を示すこ と,その作用は②RAS/MAPK経路とその標的であるRXRαリン酸化を抑制し,③レチノイドによるア ポトーシス誘導能を回復させること,を見出した。 肝癌については慢性肝疾患からの発癌予防と,治療後の二次肝癌抑制が必須の課題であり,有効 な薬剤の出現が期待されている。また投与期間が長期となるこれら薬剤については,副作用も重要 な因子である。VK2は実地臨床において以前より広く使用されており,安全性も確立されている。 また,レチノイドも臨床試験が始まり比較的安全に使用できる可能性がある。本研究の結果から, レチノイドとVE2の併用が肝癌予防・治療における有効な手段のひとつになる可能性があると考え られた。 論文審査の結果の要旨 申請者 金森 堂は,レチノイドとVE2の併用が相乗的な肝癌細胞増殖抑制効果を示すことをin vitroで証明し,その作用機序を解析した。本研究の成果は消化器病学,肝臓病学の進歩に少なか らず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]
Synergistic GrowthInhibition by Acyclic Retinoid and Vitamin K2in Human Hepatocellular Carcinoma Cells
Cancer Science(in press).