5.1単元の構想
5.改善実習実践の実際及び考察
5.1単元の構想1 単元名 ブックレポートを書こう
皿 使用教材 「海のいのち」(立松和平・作 東京書籍『新しい国語 6年下』)
皿 単元の目標
○ 登場人物の考え方や生き方や相互の関係,中心人物の変容,物語の中心的なテーマ,
作者の文章表現の工夫について,叙述との関係を明らかにしながら読み取っている。
(読むこと)【内容目標】
○ 物語の内容や表現に対する自分の考えを,根拠を示しながら述べている。(言語に ついての知識・理解・技能)【技能目標】
N 基 盤
O教材観(「教材分析表」に基づく教材分析は,巻末資料XI参照)
本作品「海のいのち」は,主人公「太一」の成長と,海との関わりを描いた作品であ る。自分のあこがれであり,漁師でもある父を通して抱いていた海に対する思いは,父 がクエによって殺されるという事件を経て,そのかたきを討ちたいために「父と同じ瀬 に毎日一本釣りに行っている漁師」である与吉じいさへの弟子入りするという行動に辿 り着く。ここで太一は,父と同じような考えを持つ与吉じいさの思いに触れ,人が海に 生かしてもらっていることに気づき,自分も次第に彼らのような漁師へと成長していく。
ある日太一は,追い求めていた瀬の主に出会う。「この魚を捕らなければ,本当の一人 前の漁師にはなれない」と思いっっも,感情が乱れる太一。やがて,「もりの刃先を足 の方にどけ」瀬の主を殺すことをしなかった。この場面は1瀬の主を殺すことこそ太一 の夢であると読み進めていた子どもたちに対して「あっ」と思わせる大逆転であり,物 語としての魅力を一層かき立てている。
本作品は,原題は「一人の海」1>といい,もともとは50ページ超の児童文学である。そ の作品を教材書に所収するにあたり短縮したため,叙述の省略が多く,児童にとってか なり難解な文章になっている。しかしながら,クライマックス場面の「こう思うことに よって〜」の一文や「千びきに一匹」といったキーワードなど,叙述の言葉の意味を明 らかにしていくことによって物語世界が一気に広がる深みのある物語として,教師から も子どもからも人気のある作品となっている。また,中心人物・太一のクライマックス 場面における葛藤と変容から,太一の心情をひつくり返した巨大なクエ,そして「海の いのち」が象徴するこの作品の中心的なテーマを捉えることは,思春期を迎える児童に とって,文学作品を通して感動体験を味わうことができる優れた構成になっていると考
1)立松和平「一人の海」,『海鳴星』所収,集英社,1993年,pp.55−109
140 一
5.1単元の構想
える。こうした,文章自体の省略性,叙述の言葉の持つ深みから,本作品は叙述を基に 丁寧に作品世界を切り開いていく「統合・解釈」を中心に取り組むのに相応しい教材で あると考える。そのためには,児童に示すべき「焦点」となる叙述を教材分析でしっか
りと見出す必要がある。
また,本作品には「海に住んでいる」「海に帰りましたか」「海で生きていける」とい った比喩表現や「海中に棒になって差し込んだ光」といった情景描写表現などの優れた 叙述,及び,いのちの連続性を想起させる書き出しの工夫などの,小学校高学年児童に
も感じ取れるようなレトリックが散見される。文学作品の筋を追いかけるだけならあら すじを読めばことは足りる。しかしながら,あらすじを読むだけでは感動は得られない。
つまり,文学的文章には書かれていることば以上のカがあり,その力が読み手に感動を もたらしている。こうした文学的文章特有のよさを感じさせる点でも,本作品は優れた 教材であると捉えている。
○児童観
本学級は男子17名,女子14名,計31名の学級である。本学級の児童は素直で明るい性 格の児童が多く,それが授業にも反映され,自由なつぶやきがよく出る雰囲気がある。
一方で,学力的,情緒的に支援を要する児童のために,簡潔で分かりやすい指示や個別 の対応が求められる場面もある。一学期に学習した物語文教材「ばらの谷」の単元では,
叙述を根拠に自分の考えを述べる「述べ方のワザ」の技能に高まりが見られた。根拠と なる叙述を意識するようになったことで,以前に比べて主観や憶測による解釈が減って
きた。
O指導観
2008年に示された中教審答申の中で,国語科の改善の基本方針として,「言葉を通し て的確に理解し,論理的に思考し表現する能力」の育成を重視することが挙げられてい る。学習指導要領「C読むこと」の指導事項にも,「描写をとらえる」ことや,「優れた 叙述について自分の考えをまとめる」ことなどが挙げられており,言葉を通して理解し 表現するカを高める指導の必要性は,ますます高まっている。よって,単元目標に「叙 述と内容の関係を明らかにする」ことや「叙述を基に自分の考えを述べる」ことを盛り
込んだ。
また,平成20町版学習指導要領において,内容の(1)に指導事項が,(2)に言語活動例 が位置づけられた。その中で「(1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動 を通して指導するものとする」との記述も見られ,国語科の学習指導は言語活動を通し て指導事項を指導することが明確になったと言える。特に,言語活動が読みの目的とな るように単元を構成する「単元を貫く言語活動」は,児童が単元を通して明確な目的意 識・必要感を伴って大切なことを繰り返し学習することで,主体的に物語を読む力や,
学習指導要領の指導事項に挙げられた読みのカをつけることが期待できる。よって,本 実践でも単元を貫く言語活動を組み込んだ指導を行いたい。
5.1 単元の構想
単元目標達成のために,単元を貫く言語活動も含め,本実践では以下の3っの手立て を講じるものとする。
①主体的に思考・判断を伴う言語活動を設定し,単元えお貫いて目的意識を持たせる。
②読みの形成や深化のために,云え合い(テキストとの対話→自己との対話→他者と の対話→自己野尻対話)のサイクルを組み込む。
③読むための手引きとして日嗣を示し,言語活動の中で活用させ,振り返りをさせ ることで読むカの定着を図る。
①の目的意識は,本単元では,ブックレポートを書くために,課題に応じて「大切だ と思う一文を見出し,読み取ったことを説明」したり,「物語の中心的なテーマを,叙 述との関係を明らかにしながら説明」したりすることに取り組ませるものである。②の
云え合いは,根拠となる叙述の意味を考える「テキストとの対話」,自分の考えをまと めるために書く 「自己との対話」,大人や友達などの他者と意見を相互交流する「他者 との対話」の3つの対話的実践ををもとにして自分の意見を再構成する「自己内野対話」
によって読みが深まることを指す。これは,一学期の実践で教師主導でなぞり読みに陥 るような授業になってしまったことの反省から,テキストや自己との対話では主に児童 が目的のために必要性を持って読むことを,他者との対話と自己内再対話では主に読み の深化を目指している。③の巨至麹は,教師の発問や指示に従ってではなく,児童自身 が目的や課題に応じた読みの力を持たせることができるように,読みの着眼点や読み方 の手引きを示し,適宜振り返りを行わせることである。これも,一学期の実践の反省か ら,児童が一人読みである程度読み深められるようなカをつけることを目指している。
また,教材内容だけでなく,レトリックにも着目できるような指導にも結び付けたい。
なお,本実践では,読み取るべき範囲を一定の場面で区切ることにする。「従来の文 学的文章の指導は場面ごとに詳細に読み取ることに偏りすぎている傾向がある」2)との 指摘もあるが,本学級には,ある程度の場面で区切らなければ内容がなかなか理解しに
くい児童が少なからずいる。そのため,「大切な一文」やその意味を見出す活動に全員 を取り組ませるには,範囲を限定することはやむを得ない。
本単元について教科書が本来設定している学習課題は,「物語に出てくる人物の関係 をおさえながら読む」と「物語が自分にもっとも強く語りかけてきたことについて考え る」である。前者については本実践でも指導するよう位置づけている。また,後者につ いては,物語の中心的なテーマについて自分の考えをまとめる際,叙述との関係性まで 捉えようとしている。従って,本実践は教科書が設定している学習課題も踏まえている
2)文部科学省は「読解力向上プuグラム」(2005.12)において,「文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであ つた指導の在り方を改め…」という指摘をしている。
142
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と言える。
以上の指導内容について,物語の中心的なテーマについて自分の考えをまとめること は,学習指導要領「C読むこと」内容の指導事項「オ 本や文章を読んで考えたことを 発表し合い,自分の考えを広げたり深めたりすること」と,また,人物の考え方や人物 相互の関係,中心人物の変容,作者の文章表現の工夫について読み取ることは,「工 登場人物の相互関係や心情,場面についての描写をとらえ,優れた叙述について自分の 考えをまとめること」と整合している。
V 単元の観点別目標
○ 登場人物の生き方や物語の中心的なテーマに興味を持ち,大切な叙述を意識しなが ら読もうとしている。(国語への関心・意欲・態度)
○ 登場人物の相互関係や心情,場面について手がかりとなる叙述を捉え,登場人物の 考え方や中心人物の変容を読み取り,優れた叙述に着目し,その表現の特性やよさ について自分の考えをまとめている。(読むこと)
○ 人物の心情や変容,場面についての描写を捉え,物語の中心的なテーマについての 自分の考えをまとめている。(読むこと)
○ 物語の内容や表現について考えたことを,根拠を明らかにして,構成や文章表現に 気をつけてまとめている。(書くこと)
○ 物語の内容や表現に対する自分の考えを,根拠を示しながら述べている。(言語に ついての知識・理解・技能)
○ 色彩語や擬i声語などの表現の工夫に気づいている。(言語についての知識・理解・
技能)
VI単元の評価規準
表5−1 「海のいのち」の単元の評価規準
国語への 言語についての
関心・意欲・態度 読む能力 書く能力 知識・理解・技能
ア登場人物の生き方 ア登場人物の考え方や中心人物 ア太一が変容した因果 ア物語の内容や表
や物語の中心的なテ の変容を読み取り,優れた叙述 を元に,物語のあら 現に対する自
一マに興味を持ち, に着目し,その表現の特性やよ すじを書いている。 分の考えを,
大切な叙述を意識し さについて自分の考えをまとめ イ 「海のいのち」の魅 根拠を示しなが
ながら読もうとして ている。 力が伝わるように, ら述べている。
いる。 イ 物語の中心的なテーマについ 全体の構成や文章表 イ色彩語や擬i声語
イ 活動の見通しを持 て自分の考えをまとめている。 現を考えながらブッ などの表現の
ち,学習活動の意義 ウ物語の大まかな内容を捉え, クレポートを書いて 工夫に気づい
を理解している。 印象に残ったところや疑問に思 いる。 ている。
つたことを読み取っている。
5.1単元の構想
皿 単元の指導計画(全15時間)(改善実習で使用した主なワークシートは巻末資料X皿参照のこと)
表5−2 「海のいのち」の単元における各時の目標及び評価の計画 次
@
@ 時
1
2
3
4
5
6
78
9
10
11
12
13
4院﹂
11
各時の目標
ブックレポートを書くねらいと内容を 把握し,活動の見通しを持つ。
物語に興味を持ち,物語の内容をとら えて初発の感想をまとめている。
単元でつけるべきカを把握し,手引き の使い方と学習活動の意義を理解する。
物語の構成を把握し,設定を読み取っ
ている。
父の海に対する考え方を読み取ってい
る。
与吉の海に対する考え方が分かる重要 な叙述を見つけている
叙述を基に与吉の海や太一に対する考 え方を読み取っている。
与吉の太一に対する言動を基に,太一 の成長を読み取っている。
太一が感じた海の情景を太一の心情に おきかえてまとめている。
描写表現と叙事文の表現の違いを知り,
描写表現のよさについて考えている。
太一が瀬の主と対峙したときの心情を 読み取っている。
太一が瀬の主を殺さなかった理由を読 み取っている。
物語の中心的なテーマについて自分の 考えをまとめている。
物語のあらすじを短い文章にまとめて
いる。
物語の内容や表現について考えたこと を,根拠を明らかにしながら,構成や 文章表現に気をつけて書いている、
評価規準
単元の言語活動についての理解を深め,活動の 見通しを持っている。(関ア)
物語の大まかな内容を捉え,印象に残ったとこ ろや疑問に思ったことを読み取っている。(読
ウ)
ブックレポートを書くために必要な読みのカは 何か見つけようとしている。(関ア)
物語の場面構成や設定を読み取っている。(読
ア)
父の海に対する考え方についての自分の考えを 持っている。(読ア)
第一場面のミニブックレポートを,根拠を示し ながらまとめている。(言語ア)
与吉の海に対する考え方につながる文を見つけ,
自分の考えを持っている。(読ア)
第三場面のミニブックレポートを,根拠を示し ながらまとめている。(言語ア)
太一の成長や与吉と太一の関係を読み取ってい
る。(読ア)
第四場面のミニブックレポートを,根拠を示し ながらまとめている。(言語ア)
海に飛びこんだときの太一の心情を描写表現を 基に読み取っている。(読ア)
描写表現のよさについて考えている。(言語イ)
太一が瀬の主と対峙したときの葛藤を読み取っ
ている。(読ア)
第七場面のミニブックレポートを,根拠を示し ながらまとめている。(言語ア)
物語の中心的なテーマについて,テーマを支え る叙述を示しながら考えている。(読イ)
太一が変容した因果を元に,物語のあらすじを 書いている。(書ア)
「海のいのち」の魅力が伝わるように,全体の 構成や文章表現を考えながら,根拠を明らかに
しながらブックレポートを書いている。(書イ)
一 144 一
5.1単元の構想
皿 「焦点化」を意識した教材分析(1)…叙述内容(筋)について
(教材分析の詳しい内容は,巻末資料X[に示す。)
文脈の形成を決定づける読みの「焦点」
医互ヨ]「父の海に対する考え方」…「もぐり漁師」「だれにももぐれない瀬」「海のめぐみ だなあ」「父は全く変わらなかった」等と関連し,父が優れた漁師であるとともに,海の命 が豊かな海へ感謝の気持ちをもっていることが理解できる。
圃「父の死から太一は瀬の主をどう思ったか」…太一が瀬の主と対峙した場面にお いて,太一が瀬の主を倒したいと思う動機を理解するのに必要。その後の与吉への弟子 入りの動機と合わせ,いっかは瀬の主を倒したいと思っていたことがうかがえる。
国玉:豆}「与吉の海に対する考え方」…「おとうの死んだ瀬で」「千びきに一匹でいいんだ」
「二十匹取ると」「村一番の漁師だ」等と関連し,①太一が与吉を選んだ理由,②与吉が魚 を滞りすぎない漁師であること(海の命を大切にしていること),③与吉と父が同じ信念を 持った漁師であること,④太一は父と同じ考えを持った与吉に惹かれ,与吉の信念を引き 継いだこと,が理解できる。なお,②については,与吉の漁法である「飼い付け漁ゴを「底 引き網漁」との対比で知識として児童に教えておくことで,より強化されよう。
團「おとう,ここにおられましたか〜」…与吉の「千びきに一匹」をめぐる理解を前 提として,太一は,父や与吉が守ってきたこの海が,瀬の主のような巨大なクエが生きら れるようないのち豊かな海だったと改めて分かり感動する。一方で,ずっと追い求めてき たクエに鈷を打たない理由を自分自身に納得させなければならない。そして口をついたの がこの言葉である。この構図は,「こう思うことによって〜しないで済んだ」の構文を理解 することでさらに強化される。
文脈の形成を支えるのに重要な読みのポイント
1.、一はなぜ与吉に弟子入りしたがったのか…父はもぐり漁師であるのに,わざわざ 違うタイプ(一本釣り漁師)の与吉に弟子入りしたのは,漁の技術よりもむしろ,与吉 が父の瀬を漁場としていることによると考えるべきである。つまり,太一はこの匂すで に瀬の主に会いたいと思っていたことがうかがえる。
2. 吉の評価からみえる太一の成長・ 「なかなか釣り糸をにぎらせてもらえなかった」
「作業はほとんど太一がやるように」「おまえは村一番の漁師だ1から,太一が父と同じ 思想を持つ与吉の思想を受けつぎ,与吉からも認められていくことが分かる。
3.、一にとっての海一 「かがやきながら交差する」「壮大な音楽」「とうとう父の海に」か ら,漁師として成長した自分がついに父の瀬に来た高揚感が感じ取れる。これらの優れた情 景描写表現(比喩表現)を太一の心情におきかえて表現させたい。
4.、一は何に葛藤したのか?・「太一は鼻面に向かってもりを〜」「おだやかな目」「こ の大魚は自分に殺されたがっているのだ」「この魚をとらなければ本当の一人前の漁師に は…泣きそうになりながら」から,クエを殺したい気持ちと,新たに芽生えた正体不明 の,クエを殺してはいけないことを感じさせる感情との葛藤が生じていることが理解で
きる。
文脈の形成に必要な予備知識
【漁師】…魚貝類の売却益で生計を立てる職業。 【飼い付け漁】…撒き散らすえさが やや大きいため,必然的に小さな魚はとらない(底引き網漁との比較によって与吉の海 に対する考え方がより明確になる)。 【クエ】…1rnを越す個体も獲れる。
5. 1単元の構想
D( 「焦点化」を意識した教材分析(2)…文学的な表現のよさについて
文学作品において,筋を追いかけるだけなら,あらすじを読めばことは足りる。しかし ながら,あらすじを読むだけでは感動は得られない。つまり,文学的文章には書かれてい る言葉以上のカがあり,その力が読み手に感動をもたらしている。このような,文学的文 章のもつカ,つまり文学的な表現のよさを子どもにどのように考えさせればよいのか。
・着目すべき文学性の高い優れた表現(叙述)は,児童の視点から読み起こす。つまり,
最初から教師が限定せず,児童の感性に基づいて取り扱う。まず感動ありきで,その 感動がどこから来ているのかを叙述に即して考えさせたい。最終的に,「描写」「書 き出しの仕掛け」といった感動を抽象化した文学的価値づけまで行いたいが,こうし た知識を先に児童に持ち出さないようにしたい。
・着目すべき文学性の高い叙述は,①叙述そのものの持つ表現の文学性,②作品全体の 構造から見たときの文学性,の両者から見ることができる。
こうして,読解活動の中で文学性の高い叙述について思考する場面を何度か経験させ,
最終的な言語活動において言語化する(例えば,自分がもっとも気に入った叙述とその叙 述が持つ価値について,自分の考えを述べるような活動)ことは,PISA型読解力における 形式の熟考・評価に相当する。つまり,「読みの焦点化」で,筋を読み深めるだけでなく 叙述の持つ文学性について考えを深めることは,内容だけでなく形式についての読解力育 成にもつながると考える。
叙述そのものの持つ表現のよさの分析
魎ヨ]「光る緑色の目」…色彩語を用いてクエのイメージを強化している。
匿錘]「海に帰りましたか」…冒頭の文と同様,比喩表現(隠喩)に隠された意味を読み取ら せたい。作品の主題にかかわる意味形成が可能な一文であり,書かれていることばの意味以上 の意味を含ませている技巧的なよさを感じ取らせたい。
墜垂亟ヨ…太一が父の海にたどり着いた場面における情景描写表現の連続。写真で切り取ったよ うな一瞬の場面を,時間が止まったかのようなゆったりさで表現している。つまり,イメージ を生き生きと描いている,文字によって絵を描いていると言ってよい。また,太一の心理も描 こうとしている。子どもに一連の表現の工夫点や効果について考えさせたい。
魎]「海のいのち」…題名。物語のテーマを考える際に特に注目させたい。単元の最初に海 のいのちとは何を指すか考えさせ,単些末に考えたとき自分の考えがどう変化したか比べさせ
たい。
作品の構造から見た表現のよさの分析
匿至亟「父もその父も…住んでいた海に,太一もまた住んでいた。」…海に住む,とい う比喩法が使われている。「冒頭部には作者による読書を引きつける工夫が盛り込まれている」
というレトリック的なアプローチから,文章の裏に潜む意味を読み取らせたい。この一文は,
作品の主題そのものが読み取れる可能性を持っている。
146 一
5,1 単元の構想
X 第二次における「伝え合い」を通して深める「単元を貫く言語活動」の流れ
〈伝え合いのサイクル〉 〈学習活動のサイクル〉 〈言語活動の桝クル〉
〆
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【家庭学習】ミニレポートを書こう
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【授業①】おしゃべりタイムをしよう おな何
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【授業②】全体での話し合いをしよう
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国語科の内容価値だけでなく, どのような力を使って読解活動をしたかという技能価値について児 童に自己評価させ, メタ認知を図る。
「つけたいカ」 は,学習指導要領国語[第5学年・第6学年]における「C読むこと」 及び
[伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項]の各指導事項に基づく。
※このサイクルを2時間かけて取り組む。
5.2 第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価
5.2 第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価 5. 2.1 第1時の授業の展開と授業評価
第一次は,2時間計画で「物語を読んで,学習の見通しを持つ」ことをねらいとした。
表5−3 第1時の授業計画
次時
主な学習活動 評価基準 評価方法【第一次】物語を読んで,学習の見通しを持つ
1 物語の中心的な学習 課題を把握し,活動
の見通しを持つ。
・物語に興味を持ち,単元で学習することにつ いての見通しを持っている。(関)
・単元でつけるべきカを把握し,手引きの使い 方と学習活動の意義を理解する。(関)
ワークシートにおけ
る謎,鰹
◆単元の学習計画を立てよう。
1.授業のねらいを確認する。
2,教師が提示した「ブックレポート」を読み,書かれている内容を把握する。
3.単元のねらいであるブックレポートについての教師の説明を聞き,最後に相互 発表会があることを知る。
4.この単元でどんな活動を行うか発表させる。その際,「なぜこの活動をするの か」「この活動をすることで自分たちにどのようないいことがあるのか」を繰 り返し問う。
5.ブックレポート発表会を成功させるために(この単元で「内容」と「表現」を 読み取るために)どのようなことができないといけないかを,教師の掲示物を もとに考える。
6.授業の振り返りを行う。
■活動の展開
授業の最初に,「この『海のいのち』の単元で,皆さんがどんな活動をするかを知って もらおうと思います。活動名は『ブックレポートを書こう』と言います。」と活動の目的 を示し,さらに「レポートとは日本語でどんな意味でしょう。」と,言語活動の性質を丁 寧に押さえようとした(表5−4参照)。
表5−4 第一次第1時の発話記録(1)
C:メモ T:おしい C:記録 T:おしいなあ。最初に「ほ」がっく言葉では? C:報告!
T:正解です。ブックレポートとは,読んだことを報告する文章のことです。口で言っ ても分かりにくいと思うんで,見本を準備してきました。今から音読しますので,皆 さんはどんなことを書けばいいのかを探って下さい。
148 一
5.2 第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価
﹃ごんぎつね﹄新美南吉ブックレポート 六年 ○○ ○○
1みなさんは︑友だちとのすれちがいを感じたことはありま んか?﹃ごんぎつね﹄は︑ひとりぼっちのこぎつね﹁ごん﹂のすれちがいの物語です︒2一人ぼっちのいたずら好きなこぎつね﹁ごん﹂は︑人間の むところにいってはいたずらばかりしています︒ところが︑ る事件をきっかけに︑ごんはおっかあに先立たれた兵十が 分と同じ一人ぼっちになったと同情するようになります︒ して︑ある事件の﹁つぐない﹂として︑くりや松たけを持っていくようになります︒しかし︑兵十はこんがいたずらを に来たと思い︑じゆうでごんをうってしまいました︒兵十
一︑うってしまった後でくりや松たけを持ってきていたのがこんだと知りました︒3私は︑この作品のテーマは﹁すれちがいが生み出す悲しさ﹂こと思います︒なぜなら︑ごんの気持ちは兵十にはまったくったわっていなくて︑やっと伝わったのが取り返しのつかないことが起きた後だったからです︒作者は︑私が感じたようよ︑すれちがいが生み出す悲しさを伝えたかったのだと思い
す︒4私が素晴らしいと思った文があります︒それは︑ 青いけむりが︑まだ︑つつ口から細く出ていました︒ いう文です︒なぜなら︑兵十のこうかいしている気持ちをつよくせつ表現するのではなく︑けむりの色や細さで表しているところがら︑余計に物語の悲しさが伝わってきたからで ︒私は︑けむりの青さが︑兵十の強いこうかいの気持ちを 現しているように思えました︒5とちゅうまではいたずらをするごんの楽しい話だったの︑︑あんなに悲しい結末になるとは私は予想もできませんで
た︒私は最後の場面を何度も読み返しました︒こんなに私 引きつけたこの物語を︑多くの人に読んでもらいたいと思
いました︒6物語はいつも幸せな結末をむかえるとはかぎりません︒いい物語をしょうかいしてといわれたら︑私は﹃ごんぎつね﹄ すすめます︒きっと︑心に残る物語だと思います︒
見本となるブックレポート
図5−1
そして,見本となるブックレポート(図5−!)を配布し,まず教師が音読してから,個 人で5分,グループで5分かけ,段落ごとにどんな内容が書いてあるかを読み取り,全体で 段落ごとに確認し合った。例として第1段落でのやり取りを示す。
表5−5 第一次第1時の発話記録(∬)
T:第1段落はどうでしょう。 C14:話題の提示 T:説明文で習った用語を使っていて偉いです。
C30:問い T:どうでしょう。 C10:最初の一文だけじゃないかなあ。
C1:問いに対する答えがないから問いとは言えない。
C16:これは文章全体に対する問いにはなっていない。
T:では,話題の提示ということでいいかな。
このような流れで,児童から引き出した段落後との内容は次の通りである。カッコ内は,
より文章の性質に即したものとして教師が提示したものである。
1段落:話題の提示 2段落:あらすじ 3段落:自分の考え,物語から読み取ったこ と(物語のテ…一一・マ) 4段落:作者の工夫(文章表現の工夫) 5段落:感想(作品 に対する意見) 6段落:まとめ
5.2第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価
そして,書き上げたブックレポートはお互いに読み合うことを伝え,誰かに読んでもら うために書くという目的意識を与えた。また,活動の柱として「物語の中心的なテーマに ついての自分の意見を持つ」ことと,「文章表現の工夫も発見する」ことを強調したとこ
ろで時間が切れてしまった。
■ここまでの指導評価
第1時からいきなり時間が足りず,予定していた活動(学習活動の5.)ができなかった。
その原因として,見本のブックレポートの理解に時間をかけすぎたことが挙げられる。グ ループで話し合う必要性もあまりなかったし,事前に配って家庭で読んできてもらう方法 もあった。また,見本のブックレポートの文章が長すぎたのも時間がかかった原因と言え る。さらに,実際に書かせたい内容が含まれていなかった(内容面の「大切な一文」)。
これは,授業前の構想が十分固まっていなかったことに起因する。このように,改善の余 地が多い指導となった。
5.2.2 第1時(後半)の授業の展開と授業評価
■活動の展開
最初に,二時で理解したブックレポートの6つの内容を掲示し,「これが書けるために はどんな活動が必要でしょうか?」と児童に問いかけた。最初は児童は何を答えてよいか 分からず考え込んでしまったが,最初の児童がぼつりと「音読」と発言してからは,今ま での活動経験から意見が出るようになった。
表5−6 第一次第1時の発話記録(皿)
C16=音読 T:そうだね。他には? C2:意味調べ T:素晴らしい 他には?
C3:本論を…C:それ説明文じゃんC3:あ,そうか C12:物語のテーマを考える
T:物語のテーマを考え続ける,にしておきましょう。
C6:場面分け C:それがあったか〜
T:これしとくとどんないいことがある?
C=話が分かりやすい(以下略)
③菌締り
酒
その後は次々と意見が出て,最終的に写真5−1のよ うに9つの活動が示された。続いて,これらの活動を,
単元の中でどのような順序で取り組むと,最後のブ
ックレポートにつながるかについて考えさせた。単 写真5−1
④中 ぜ畑梅疹
㊥プ・ηし斜
第2時の板書記録(1)
一 150 一
5.2 第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価
元の冒頭は読むために必要な作業的な活動が中心に,後半になるにつれて作品の核心に迫 るような活動が中心になると考えやすいという視点を与えて考えさせたところ,写真5−1 のような順序に落ちついた。このように児童に考えさせることは,活動の見通しを持たせ るだけでなく,主体的に学習計画を考えることにもつながるという点で効果があった。
次に,こうした活動において物語を読み取るためにはどのような力が必要だと思うか投 げ掛けた。
表5−7 第一次第1時の発話記録(1V)
T:例えば,わり算をするためにはどんな力が必要ですか。 C:かけ算T=そうですね。
では,あまりのあるわり算は? C:ひき算もいる T:そうですね。では,速さは?
C:道のり÷時間 T:そうですね。そういう公式がありますね。算数だったらパッと出 ますね。じゃあ,中心人物の変容を捉えるにはどんな力がいるの?誰か言えますか?
C:え?え? C:読解力 T:読解力!う一ん,ちょっと大き過ぎるなあ。 C:(笑)
T:なかなか言えないでしょう。今からそれを教えてあげます。
T:今回,物語の内容を読み取ることと,表現の工夫を読み取ることの両方をやります。
まずは,内容を読み取るための力を見ていきましょう。
この投げ掛けによって,「ブックレポートを書 くために必要なカはどんなものがあるんだろ う?」という児童の関心を引きつけることに成 功した。そして,写真5−2のような穴あきのワザ 表を黒板に掲示し,穴の中に入る言葉を考えさ
せた。
穴あきにしたことで,「登場人物の性格が分か る文って,どんな文だろう」と,隠れた部分に 入るのに相応しい言葉を,自身の学習経験から 一生懸命呼び起こそうとする姿が見られた。ま た,「会話文」と入るべきところ「セリフ」と いう意見が出てきたら,「セリフとはいわずに,
授業では何と言ったっけ?」と,適切な学習用 語を全体が再確認できる場ともなった。これは,
まず内容面,次に表現面(写真5−3),最後に一 学期の指導の復習(「しょうこの文」「理由づけ」
「自分の知識や経験との結び付け)を行った。
その際,熟考・評価に重要な「知識や経験との 結び付け」をよく思い出させるために,プロジ
写真5−2第2時で使用した掲示物(1)
写真5−3 第2時で使用した掲示物(皿)
エクト実習でC19がドラガンを評価した際の根拠である「ドラガンがばらを摘み取る行為
5.2第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価
は養蜂家が蜂を殺すようなもの」という例を提示し,具体例と結び付けながら思い出させ ることができた。ただ,その後の学習で全員が意識していたとは思えず,もっと強調する とよかったかも知れない。
このように,事前に学習指導要領等から必要と判断する「ワザ」を授業者が準備しつつ,
それらをトップダウンで与えるのではなく,児童の学習経験を呼び起こしながら一つ一つ 丁寧に押さえていったところが,本時の工夫点の一つである。
本時でおさえた「ワザ」は図5−2の通りである。
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◎ 心し1系騨.蝕⁝鐸儲講﹂読鉱一門.
図5−2本時でおさえた「ワザ」
一 152 一
5.2第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価
その後,内容面,形式面のワザ表(図5−3,図5−4)を配布した。
語を読むワザ︵高学年版︶
まずは︑どんなことを読み取りたいかを決めましょう︒
.﹇▽書法鴇ザ
ワザ①︼どんな文に目をつければいいのでしょうか?
囚三園や人物のようす表す文や陶臨墨を大切に読もう!
読み取りたい場面を何回も読み︑読み取りたいことが表れていると感じた文
に線を引こう! 一つだけでなくいくつも見つけよう!
↑ワザ②︼文からどんなことを考えればいいのでしょうか?
★登場人物の心情を想 したり︑★登場人物の を読み取ったり︑★ 場人物同士の関を考えたり︑★ 心人物の変容を読み取ったり
してみよう︒とくに︑言葉の意味にとことんこだわってみよう!
↑ワザ③︼もしも︑かんたんに読み取れなかったら⁝?
・剛後とむすびつけて額えだり・
・テーマや題名とむすびつけて考えたり︑
,
分の知識や経験とむすびつけて考えたり︑
・ほかの言葉におきかえて比べてみたり︑
・文や人物を比べて以ているところや違うところを考えたり
・その言葉がなかったらどう感じるか考えたりする︑
といったワザも使おう︒
﹁読み取る﹂とは﹁文の言葉から書かれていないことの意味を考える﹂ことだよ︒
図5−3 配布したワザ表(内容面)
章表現のよさを味わ
陶つワザ︵高学年版︶まずは︑どんなことを読み取りたいかを決めましょう︒
どんな文に目をつければいいのでしょうか? ・﹇▽ 文章表現のよさを味わうワザを使うべし一・
︻ワザ①︼
き出しの文の工 を見つけよう!
物語の書き出しの文には作者の工夫や仕掛けがいっぱい!みぬけるかな?
︻ワザ②︼
とくちょうのある文章表現である︑
岡國表現
團現︵反復︶
を使った表現 を見つけよう一・
園
これらに文は︑登場人物の性格や心情︑風景の様子なども表しているよ!
︻ワザ③︼
これらの文は︑登場人物の性格や心情︑風景の様子なども表しているよ一・
FF︑﹁読み取る﹂とは﹁文の言葉から書かれていないことの意味を考える﹂ことだよ︒
図5−4 配布したワザ表(形式面)
5.2 第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価
5.2.3 第2時の学習評価 一初発の感想段階の児童の読み一
第2時は,教師が全文を三白し,全文範読後,
初発の段階での感想と物語のテーマを書かせ た。C19は,一学期の単元で,熟考・評価する ための一要素である「自分の知識や経験との結 び付け」がよく定着し,本単元でもそうした表 現がよくみられるという特徴がある児童であ る。C25は平均的な読解力を持ち,一人読みで はなかなか叙述に即した読み深めが形成されに くいという特徴がある児童である。
嘉確鉱鼠者翠都・引表毎箸.声蚕朝象r象窃叡ち
私計た〆が集イ彪多慰・じ多が︶夏易挙奪か・奏がすゴソ毘峯・.糾が志.疹.たら︑ひ劉や友好・で.ぞし重いそっちか3で考そして.5馬煙案営か姦ぞ︐曇た蒙総無丁か.き姜・〜た裂そη後何署狩︐券か妊居り圭L養ぞげ人σ有亀︑他〃虚妄・・ゼ行事か判むら・逐2マぞに量から剃㌃ぞ分が・︑ゲ言書亀︑身・﹀︑︾﹂玄3滋参ξ・・纂きa〜案︑三・・吻︑ぞ箋そ駄到狽︐姦雛翻刻駐釧⁝郷︐馴耕勧朔濠豪四湊紹嬢︐
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図5−5C25の初発の感想
C25(図5−5)は,太一の成長が心に残 っていた。しかし,C25の最終的には違う 場面を最も心に残る場面に選んでおり,C 19と同様,読み深めていくうちに読みの 変容が起きたと思われる。
C19(図5−6)は,印象に残った場面と して結末場面を挙げていた。また,重要 な叙述である「帯びきに一匹〜」の意味 に注目していた。読解活動に入ってから,
C19が結末場面に特に着目をしていた様子 は無かったので,読み深めていくうちに 大切な場面が変容していったと思われる。
感想の記述からは,やはり自分の経験と
結び付けた表現が見られた。
続いて,両名の第2時の段階における物 語の中心的なテーマを次上図5−7,図5−8
に示す。
図5−6C19の初発の感想
一 154 一
5. 2 第一次の授業の展開及び学習評価と指導評価
C19は海を中心に,人物をその 周辺に位置づけてテーマを捉えて
いるところが特徴的で興味深い。
C19に限らず,テーマを海を中心 に捉えている児童は多かった。C2 5は,クエの描写がテーマにつな がりがあるのではないかと捉えて いる。C25はテーマに関して最後 まで一貫してクエの描写を関連づ けていた。初読段階における「じ ゅうようなんじゃないかな」と思 ったことが,最後まで心に残った のかも知れない。ただ,教師の説 明不足でテーマの意味の捉え方が 充分ではなかったように思われ
た。
全児童の第2時における1回目
のテ・一一tマの一覧を図5−9に示す。
テーマの記述より,それぞれの児 童のテーマを支える「部分」はこ ちらで解釈して補足した。父や与 吉の海に対する考え方や,太一が クエを殺さなかったことなど,児 童がどこからテーマを感じている かは非常に多様であることが分か る。本実践では第10時,第15時と 計3回テーマについて書かせてお り,テーマを支える背景はだんだ んと収束していく傾向を見せる。
なお,児童には,第1時の学習 の見通しを持つ活動の中で,今の テーマと最後のテーマを比べる
一マ
よう伝えている。そのことで,
自分の読みの成長が分かるからである。
1 第2時のテーマ 1テーマを支える考え
ξ蒙姦竺
C1 人は海で生き,海に Aっていく
「海に帰りましたか」
フ記述 2白芝◎凱払﹂砂 募窪≧嚢鴛穿工
C2 海の主は海のいのち 太一が瀬の主を殺 ウなかったこと C3 太一の成長 太一が独り立ちし
トいく過程 C4 クエのいのち 太一が瀬の主を殺
ウなかったこと C5 海のいのちの大切さ 太一が瀬の主を殺
ウなかったこと C6 海のいのちを大切に 太一が瀬の主を殺
ウなかったこと
i ;くi寒1 霧・11」.,i 踏
焔ソi i㌧ぎiP l餐一⁝⁝濃1 を︐ ︑; 儀i勢 1イ7 i・湛⁝i滞iドそi;栖i該・i暫⁝系⁝・︐i碧旨 = ﹁7乞i難1 :λiz・i景1;tゑ
C8 海はいえ 「海に帰りましたか」
フ記述
C10 クエの命を救った 太一が瀬の主を殺 ウなかったこと C11 海の中にもいのちはあ
与吉の教え
C12 海の大事にしないとい ッない
「海に帰りましたか」
フ記述
C13 父さんみたいになる 太一の漁師になる
ョ機
C14 海のめぐみを大切にし 謔、
父の海に対する考
ヲ方
C15 海の魚 与吉の教え
図5−7C19の初発のテーマ
C16 海のいのちは永遠に 結末
C17 海の命を守るのは漁師
スち 与吉の教え
一 F C18 海は漁師の最後に帰
驍ニころ
「海に帰りましたか」
フ記述
二重轟豊
C19 いろいろな人々から見 ス「海」
豆易人物そrオして孔フ海に対する考え雪
闘石のようだクエ 言詫量蓬霧自㍗二
C20 海の生物のいのち 「海に帰りましたか」
フ記述
C21 魚を守る その他
C22 海も生きている 与吉の教え
C23 太一の「海」 その他
1 許
宴J・:・かま
Gねi宅、ぽ
c融i勇⁝たiい聴iがまi零 ぱi︐ii芦︐番i;あ⁝署・i歓ぐ ︐3亀︑ ︑;iのiり︑⁝クi漁 iエi師 iもiた⁝;1曜⁝ つi父⁝参iをiliねi疲ii毎i奎 1 ﹂ii臨
C24 欠席 欠席
C25 岩のようなクエ クエの描写から感じ
ス何か C26 海に住む魚や漁師た
ソ全部が海のいのち その他
C27 海のめぐみ 父の海に対する考
ヲ方
C28 海のめぐみ 父の海に対する考
ヲ方
G29 海の中で生きているい
フち 与吉の教え
C30 海のいのちの大切さ 与吉の教え
図5−8C25の初発のテ C31 海の命のありがたさ
父の海に対する考
ヲ方 図5−9初発のテーマー覧
5,3 第二次の授業の展開及び学習評価と指導評価
5.3 第二次の授業の展開及び学習評価と指導評価
5. 3.1 概要 一「単元を貫く言語活動」「伝え合い」を含んだ学習活動サイクルー
第二次では,「人物相互の関係や中心人物の変容を読み取ったり,優れた叙述について 自分の考えを持ったりする」ことをねらいとして,単元を貫く言語活動であるブックレポ ートを書くために,伝え合いをしながら読み取る活動に取り組んだ。
本単元における「単元を貫く言語活動」「伝え合い」を含んだ学習活動のサイクルを,
図5−10に示す。一回のサイクルに2時間かけ,第二次
「二百{匿「1.
で計4回の伝え合いのサイクルに取り組んだ。Q&A lをか人lI lまいで1ス ト
やレポートメモは主に家庭学習で行い・鯉なときは 鰭i皇
麗搬畿総続弊脱票繁L_撫菰1隆蔀
モを読み合い,気になる叙述について全体で話し合っ o&ハからレポしみメnyへ た。最後にミニブックレポートに自分の考えをまとめ 母
て述べ・ついた力を振り返り・ つの伝え合レ のサイ i禽繍他
クルが終了する・ 麟雛
サ,灘膿鷺灘:警__1轡
疑問に対する自分なりの答えを書く活動である・筆者 母
が2004年頃から取り組んでおり,主に予習として取り 一再禰一1
灘鵬野饗灘欝輪茸 il嬉il
簿記犠雛1欝寡黙し熱還1野
際に本実践で使用したものを次回図5−11に示す。レポ ミ』=ブックレ薪ハκままめる 一トメモとは,学習課題(ほとんどが,その場面にお 図5−10 「単元を貫く言語活動」
と「伝え合い」を含んだ ける大切な一文とその理由の説明。内容面が中心だが, 学習活動サイクル できるだけ形式面も書くように指導した)に対する自
分の考えを簡潔に文章化する活動である。これは主として家庭学習として行わせ,授業に おける他者との対話の際の,グループの友だちに読み上げる原稿となる。実際に使用した レポートメモの例を増頁図5−12に示す。Q&Aとレポートメモは,伝え合いのサイクルに おける「テキストとの対話」「自己との対話」に当たる。
ミニブックレポートとは,伝え合いの最後の段階で自分の考えを文章化する活動で,伝 え合いのサイクルにおける「自己内再対話」に当たる。実際に使用したミニブックレポー
トの例を次々頁図5−13に示す。
主課題 ↓ 﨣 の取り出し
@ ↓ ↑
@統合・解釈
1
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@1
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焦点の学習課題 ↓ 﨣 の取り出し
@ ↓ ↑
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主課題 ↓ 﨣 の取り出し
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