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2. 環境条件 1) 地形 地質琉球列島の南半を占める沖縄県は亜熱帯性島嶼地域であり 広大な海域に分布する 100 余の島々の地形は複雑 多様であり 他県には見られない特異な地形が発達する 以下に主な島々の地形 地質を示す 沖縄島の地形は 石川地峡を境に 沖縄島北部と中南部とでは異なっている 沖縄島

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第 1 章 沖縄のみどりと病害虫 1.沖縄のみどりを構成する主要な樹木 沖縄のみどりを構成する主要な樹木には郷土樹種のみならず、古くから導入された外来種(デイゴな ど)も含まれており、これら全体が沖縄の亜熱帯らしい景観を作り出している。 沖縄らしいみどりを守ろう事業保全対策委員会では、沖縄県内の造林や都市緑化の植栽樹種、「沖縄 県の名木百選」の選定木、生物多様性保全や文化機能などの森林の機能、現状として重篤な被害を樹木 に及ぼす病害虫の有無など、を踏まえ、以下の13種を対象とすることとした。 これら13種の樹木について、本書では表-1に示す主要な病害虫を取り扱う。 区 分 No. 樹 木 名 主 要 な 病害 虫 陸 域 1 イ タ ジ イ シ イ ・ カシ 類 萎凋 病 (ナラ 枯 れ )※ 1 2 イ ヌ マ キ キ オ ビ エダ シ ャク※ 1 3 ガ ジ ュ マル イ チ ジ クカ ミ キリ 、 南根腐 病※ 1、 ※ 2 4 ソ テ ツ ク ロ マ ダラ ソ テツ シ ジミ※ 1 5 タ イ ワ ンハ ン ノキ タ イ ワ ンハ ム シ※ 1 6 デ イ ゴ デ イ ゴ ヒメ コ バチ ※ 1、 ベニ モ ン ノメ イ ガ、 デ イ ゴ 軟腐 症 状 お よ び枯死※ 1 7 フ ク ギ フ ク ギ ファ イ トプ ラ ズマ病※ 1 8 ホ ル ト ノキ ホ ル ト ノキ 萎 黄病※ 1 9 ホ ウ オ ウボ ク ホ ウ オ ウボ ク クチ バ※ 1 10 リ ュ ウ キュ ウ マツ リ ュ ウ キュ ウ マツ 材 線虫病 ※ 1、 マ ツ カ レハ※ 1 非 線 虫 性の 枯 死現 象 汽 水 域 11 オ ヒ ル ギ オ ヒ ル ギヒ メ ハマ キ 12 メ ヒ ル ギ メ ヒ ル ギ枝 枯 病※ 1 陸 ・ 汽 水 13 ヤ シ 類 ヤ シ オ オオ サ ゾウ ム シ、タ イ ワ ンカ ブ トム シ ※ 1 キ ム ネ クロ ナ ガハ ム シ ※1)第 2 章に個別診断・防除方法を記載している病害虫。 ※2)南根腐病は、ガジュマルに限らず広範な樹種で被害が確認されている。 表-1 沖縄のみどりを構成する主要な樹木と病害虫 イ タ ジ イ、イ ヌマ キ、ガジ ュ マ ル、ソ テツ 、タ イワ ン ハ ンノ キ 、デ イ ゴ、フ ク ギ、ホ ウ オ ウ ボ ク、 ホ ルト ノ キ、リ ュ ウ キュ ウ マツ 、 オヒル ギ 、 メヒ ル ギ、 ヤ シ類

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図-1 沖縄の地形(沖縄県史 資料編 1 より) 2.環境条件 1)地形・地質 琉球列島の南半を占める沖縄県は亜熱帯性島嶼地域であり、広大な海域に分布する 100 余の島々の地形は複雑・多様であり、他県には見られない特異な地形が発達する。以下に 主な島々の地形、地質を示す。 沖縄島の地形は、石川地峡を境に、沖縄島北部と中南部とでは異なっている。 沖縄島北 部には、中生代白亜紀~第三紀の千枚岩、砂岩から成る 山地が島軸に沿って島の中央部に 発達し、脊梁山地をなしている。山地の周辺には標高 200m 以上にも達する定高性のある 丘陵が広がる。沖 縄島 中南部には山地が なく 、200m 以下に新第三紀泥岩を主体とする島 尻層群からなる小起伏丘陵と島尻層群を不整合に覆う琉球石灰岩からなる大地・段丘が卓 越する。 宮古島とその周辺離島の地形は、大部分が琉球石灰岩からなる台地・段丘である。 石垣島は、古第三系火山岩、新第三系花崗岩類などからなる山地が中央北部 から北東の 半島に、中央南部には琉球石灰岩からなる台地・段丘が分布する。小浜島は石垣島を小規 模にしたような地形の特徴を有し、竹富島、黒島、新城島は琉球石灰岩からなる台地・段

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図-2 沖縄県の主な土壌 沖 縄 県 農 業 研 究 センターHP より 丘の島である。 西表島は、大半が第三紀砂岩・泥岩からなる 300~400m の山頂高度のそろった山地で占 められている。山地は浦内川や仲間川などの河川によって開析され、多くの滝とともに河 口部には琉球列島の中では発達の良いマングローブ湿地が見られるのが特徴である。島の 西側は著しい湾入と溺れ谷の様相を呈している。 2)土壌 沖 縄 県 に は 沖 縄 島 古 来 の 方 言 に 由 来 する土壌分類名(括弧内は現代の土壌分 類名)の国頭マージ(赤色土・黄色土)、 島尻マージ(暗赤色土)、ジャーガル(灰 色大地土[石灰質]または陸成未熟土)お よびカニク(沖積土[低地土])と呼称す る主な土壌が分布する(図-2)。 国頭マージは、沖縄島中・北部、石垣 島、西表島や他の島々に、分布し、強酸 性で養分に乏しく、浸食されやすい特徴 を持つ。 島尻マージは、沖縄島中・南部、宮古 島、石垣島南部などの島々に分布し、弱 酸 性 ~ 弱 ア ル カ リ 性 で ジ ャ ー ガ ル に 次 ぐ肥沃土壌である。 ジャーガルは、沖縄島中部と周辺離島 を含む南部および宮古諸島に分布し、県 内で最も肥沃な土壌である。土色は暗灰 色~灰黄褐色でアルカリ性である。 カニクは、両マージやジャーガルの分布地域周辺の 低地土で、海や川や池に運ばれて生 成された地質的に最も新しい堆積物を母材とする。沖縄島や宮古島、石垣島や他の島々の 低地全域に分布する。 3)森林植生 沖縄県を概観すると、沖縄島・石垣島・西表島など非石灰岩の山地・丘陵地を持つ高い 島と、宮古島などの石灰岩で構成される平たい低い島がある。 非 石 灰 岩 地 の 山 地 か ら山 地 ・ 丘 陵 地 は 、 主 にイ タ ジ イ が 優 占 す る 森林 が 広 が っ て お り 、 谷部ではオキナワウラジロガシ、風衝地ではマテバシイの優占する森林が 分布する。特に やんばると呼ばれる沖縄島北部の国立公園区域では、国指定特別天然記念物 のノグチゲラ

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図-3 沖縄の森林植生 環 境 省 現 存 植 生 図 を基 に作 成 や 国 指 定 天 然 記念 物 のオ キ ナ ワ ト ゲ ネズ ミ 、 西 表 島 で は 国 指定 特 別天 然 記 念 物 の イリ オ モ テ ヤ マ ネ コ な どの 希 少な 動 植 物 の 生 息・ 生 育 地となっている。 集 落 に 近 い 場 所 や 造 林 地 で は 、 リ ュ ウ キ ュ ウ マ ツ や イ ジ ュな ど が優 占 し 、 豊 か なみ ど り 景 観 を 呈 す る とと も に林 産 物 供 給 の 場と も な っている。 石 灰 岩 地 は 、 耕 作 地 や 集 落 な ど の 人 為 的 な 土 地 利 用 が 古 くか ら 進ん で い る た め 、 二 次 林 や 植 林 地 が 小 面積 か つ斑 状 に 分 布 す る。 御 嶽 林 や 崖 地 な ど では タ ブノ キ ・ ガ ジ ュ マル ・ ヤ ブ ニ ッ ケ イ な どの 優 占す る 自 然 性 の 高い 森 林 が残っている。 河 川 下 流 部 は 森 林 の 分 布 は 少 な い が 、 人 為 的 改 変 の 少 ない 西 表 島で サ キ シ マ スオ ウ ノ キ、 サ ガ リ バ ナ の 優占 す る湿 生 林 ・ 湿 地 林が 分 布 する。 写真-1 イタジイ林 写真-2 リュウキュウマツ林

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潮 間 帯 に は マ ン グ ロ ーブ 林 が 形 成 さ れ て い る。マン グローブ は鹿 児 島県喜 入町を北 限と して、沖 縄県では 沖縄 島、久米 島、宮古 島、 伊良部島 、石垣島 、小 浜島、西 表島、南 大東 島に分布 し、メヒ ルギ 、オヒル ギ、ヤエ ヤマ ヒルギなどが優占する。 海 岸部 は、 クサ トベ ラ、 アダ ン、 オオ ハ マ ボウ、ハ スノハギ リが 優占する 海岸林が 分布 するほか 、植栽由 来の モクマオ ウ、テリ ハボ クが優占する海岸防風林も分布する。 3.病害虫発生による影響 1)森林地域 森林は木材資源の生産拠点としてだけでなく、土壌保全や水源涵養等の多面的機能を有 している。さらに、国頭村や大宜味村、東村にまたがるやんばると呼ばれる地域や西表島 の森林地域は、希少な動植物の生息場所としても重要な地域である。 やんばる地域や西表島の森林地域は、世界自然遺産への登録を目指しており、森林学習 やレクリエーションの場としても利用されており、観光産業の発展に も寄与している。 こ の よ う な 森 林 で 対 象 と す る 樹 木 を 集 団 的 に 枯 死 さ せ る よ う な 甚 大 な 被 害 を も た ら す 病害虫が発生すると、森林機能を維持できなくなり、人間活動にも影響を与えることが危 惧される。 森林機能を保全するためには、激甚な被害をもたらす病害虫への初期防除を徹底する必 要がある。しかし、森林地域は、範囲が広いうえ、路網が未発達であるため、初期発生の 段階で発見するのは困難である。 そのため、激甚な被害発生 の可能性がある病害虫に対しては、森林所有者等との情報共 有等、被害発生の前から監視を継続し、発生の可能性があれば調査し、駆除を実施できる よう、初期防除の体制を整えておく必要がある。 さらに、人間活動の増加に伴い、これまで想定していなかった病害虫の侵入が懸念され ることから、新たな侵入病害虫が発生した場合には、随時、生態及び発生状況を調査・研 究することが必要である。 2)防風林 防風林には、海岸防風林と内陸農地防風林に分けられる。いずれも潮風害より、農地や 家屋等の県民の財産を保全することを目的として 造成している。 そのため、病害虫等の発生により、枯死木が発生 すると、期待している防風・防潮効果 写真-3 マングローブ林

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が得られなくなってしまう。 被害の発生が確認された場合は、速やかに対応する必要がある。 3)緑地帯 緑地帯は、都市部において土砂流出防止や、景観保全及びレクリエーションの場を提供 することを目的として造成されている林地である。特に、沖縄島中南部地域には、荒廃原 野 を 造 林 し た緑 地 帯 が多 く 、 こ れ らの 箇 所 で甚 大 な 被 害 がも た ら す病 害 虫 が 発 生す る と 、 景観の阻害や土砂流出が懸念されるため、被害の発生が確認された場合は、速やかに対応 する必要がある。 4)公園植樹木や街路樹 公 園 や 街 路 樹 で は 、 沖縄 ら し い 景 観 の 形 成 と、 木 陰 の 提 供 す る こ とな ど を 目 的 と し て 、 多様な樹木が植栽されている。 これらは単木状に植栽されていることから、外観上の病徴については発見が容易であり、 害虫の形跡や病徴等を確認した場合は、それぞれの病害虫に適した対応を行う必要がある。 一方、外観上健全に見える樹木の中には、害虫の穿孔や 腐朽菌による内部の空洞化が起 きている場合があり、定期的な健全度調査が必要となる。 5)汽水域 マングローブは沖縄の景観を彩る緑地の一つであり、マングローブが存在する汽水域に は、植物種も多く、マングローブに特異な野生生物が生息するなど、本県の生物多様性に 大きく寄与しており、当該箇所は、環境学習や レクリエーションの場として活用されてい る。 しかし、人間活動の活発化に伴い、マングローブを構成する主要な樹種であるメヒルギ やオヒルギの繁殖が抑制される可能性がある。 4.病害虫の発生状況 1)森林地域 本 島 北 部 地 域 の 森 林 地 帯 に は 主 要 な 森 林 の構成樹種であるイタジイに、クロズエダシ ャクの幼虫が大量に発生し、一斉に葉を摂食 するため、被害を受けた樹木のみならず山全 体 を 丸 坊 主 に す る こ と も あ る ( 佐 藤 , 2001) (写真-4)。また、本種はイタジイだけでな く、イジュやイスノキなどの広範囲の広葉樹 写真-4 クロズエダシャクの幼 虫

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に加害する多犯性の害虫であるが、加害を受けた樹木が枯死に至ることはない。 鹿児島県以北の集落に近い森林では、カシ 類萎凋病(ナラ枯れ)によりナラやシイ・カ シ類の被害が激増しており(森林総合研究所 関西支所,2012)、問題となっている(写真 -5)。県内では本病による被害は確認されて いないが、ナラ枯れを引き起こす病原菌(ナ ラ菌)とその媒介昆虫であるカシ ノナガキク イ ム シ が 、 県 内 で 確 認 さ れ て い る こ と か ら (後藤・喜友名,2013)、イタジイを主体と す る 本 県 の 森 林 に お い て も 被 害 の 発 生 が 懸 念されている。イタジイが主要構成樹種であ るやんばる地域で、本病が発生すると森林の公益的機能が損なわれるだけでなく、そこに 生息している生物などの生息・生育域をも損なう可能性があることから、監視・初期防除 の体制を整えておくことが重要である。 一方、マツ材線虫病(松くい虫)による被 害は、昭和 48 年に名護市~東村で始めて確 認されて以来、増減を繰り返しながら続いて いる(国吉,1974;我如古,1974)。全県的 には、平成 15 年をピークに減少の傾向にあ ったが、北部地域の被害量は依然多く(写真 -6)、平成 27 年度は被害の大部分が名護市 以北であった。被害が低減していた地域(国 頭村、東村)でも枯死木が確認される等、被 害の増加が懸念されている。 松くい虫のように隣接した地域に被害が拡大していく病害虫につい ては、被害の先端地 において被害木を徹底防除することが重要であり、被害先端地域のモニタリング を実施す るとともに単木状に発生した被害木を徹底駆除する必要がある。 森林病害虫等防除法(農林水産省,1950)で定められる保全対策松林を中心に被害状況 及び周辺環境、松林分布などの情報を収集し、その年々の被害状況に応じた防除を実施す る必要がある。また、被害発生源となる松密度を下げるため、伐期に達しているリュウ キ ュウマツを伐採することも予防の一手段である。 松 く い 虫 の 新 た な 防 除 方 法 と し て 天 敵 を 活 用 し た 防 除 技 術 及 び 抵 抗 性 リ ュ ウ キ ュ ウ マ ツの育 種 研 究 が 沖 縄県森 林 資 源 研 究 セ ン ターで 実 施 さ れ て お り 、その 実 用 化 が 待 た れ る。 写真-6 松 くい虫 による激 害林 (本 部町) 写 真 -5 クロズエダシャクの食 害 による 広 葉 樹の被 害

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写真-7 マツカレハ幼 虫 (上)と成 虫(下) そ の他 、リ ュウキ ュウマ ツに はマ ツカレ ハの 突 発的な大発生が確認されており(写真-7)、被害 が激甚化した場合は樹勢の低下や枯死被害がみら れる(国吉・稲福,1969)。また、当害虫の体毛 は有毒であり、触れるとかぶれを生じることもあ ることから、人的被害が発生しないよう注意する 必要がある。 森 林地 域で 発生し ている 新た な侵 入害虫 による 被害としては、タイワンハムシによるタイワンハ ンノキの枯損が挙げられる。本種は台湾で被害が 確認されていたが、平成 22 年頃に始めて沖縄県内 で被害が確認され、その後定着している(末長・ 三宅,2011)。年に複数回発生して、タイワンハ ンノキの葉を食害するため、道路沿いや土捨場等 に自生するタイワンハンノキを枯死に至らしめる こともある(槇原,2014)(写真-8)。本種につ いては、侵入してからの歴史が浅いため、その生 態について明らかでない点も多く、被害程度につ いても不明である。タイワンハンノキについては、 おが粉・消臭剤などにも使われる有用材であるこ とから、資源量の減少を招くような被害が発生す る場合は、防除を実施する必要がある。 有 用な 造林樹 種であ る イ ヌマ キには 、キオ ビエ ダシャクによる被害が毎年発生している。造林地 のように集団で植栽されている箇所については、被害発生に応じた薬剤散布等を実施しており、 写真-8 タイワンハムシの幼虫 写真-10 キオビエダシャクの幼 虫 写真-9 加 害を受 けたイヌマキ林

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甚 大 な 集 団 枯 損 は 現在認 め ら れ て い な い (沖縄 県 , 2016b)。沖縄島北部地域では、イヌマキ の造林面積は少ないことから、キオビエダシャクの発生 が少ない。宮古地域では過去に被害が 著しかったが、徹底防除を実施した結果、現在被害は沈静化している 。八重山地域では、イヌ マ キ 造 林 地 が 多 い こ と か ら 毎 年 の よ う に 被 害 が 発 生 し て お り 状 況 の 監 視 が 比 較 的 容 易 で あ る ことも深刻な被害が抑えられている一因であると考えられる (写真-9、10)。 その他、沖縄島北部の森林地域で認められる病 虫害としては、イタジイに発生する てんぐ巣 病(写真-11)やセンダンに発生するセンダンこぶ病 (写真-12)等が挙げられる。イタジイの てんぐ巣病は発生がまれであり、発生したとしても枯死に至ることがないため、防除の対象と はしていない。また、センダンこぶ病は シュードモナス(細菌)により発生する病害であり(大 宜見,1977)材として重要なセンダンにこぶを生じさせ、利用価値を著しく損なわせる が、そ の防除方法は開発されていない。 沖縄島中部の森林地域では、イタジイの出現頻度は 低い。当該地域でナラ枯れが発生し た場合、沖縄島北部地域への被害拡大の恐れがあることから、沖縄島北部地域と同様に監 視・初期防除の体制を構築しておく必要がある。やんばる地域に比べてアクセスが容易で あるため、病害虫の侵入のリスクも高くなることが懸念される。 リュウキュウマツは北部地域と同様、林縁部や開墾跡地などの空地に多く認められ、連 続して分布している。さらに、中部地域には、読谷村の残波地区のように、乾燥しやすい 土壌でかつ潮風害による影響を受け る地域が存し、リュウキュウマツ以外の樹木では森林 機能が維持できない地域が存在するため、リュウキュウマツの重要性は高い。当該地域で 被害が発生した場合、被害量が増大するとともに、その影響は重大である。 しかし、読谷村、嘉手納町、沖縄市には 米軍事施設および自衛隊基地が存在しているこ とから、被害木の駆除及び防除には管理機関との協力体制を構築することが不可欠であり、 県が率先して方針を示し、防除を行う必要がある。 北谷町以南の森林は面積が小さく、分断されていることから、地域毎に発生した病害虫 の種類やその被害に応じた個別の防除を実施する必要がある。 写真-11 イタジイに発 生したてんぐ巣 病 写真-12 センダンこぶ病

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写真-14 クロツバメの成 虫 宮古島では、現在松くい虫の被害はないが、もともとマツノマダラカミキリは生育して いる。最近、漏脂胴枯病や干ばつによる生理的枯損と思われる非線虫性の枯れが多発して おり(中村ら,2010)、マツノマダラカミキリの発生が増加しているとの報告がある(写 真-13)。 また、平成 27 年度にはアカギ造林地に お い て ク ロ ツ バ メ ( 写真 -14)が発生し、 ア カ ギ の 葉 を 食 い 尽 くし て し ま っ た と の 報 告 が あ っ た が 、 枯 死に 至 る 被 害 は 発 生 していない(沖縄県,2016a)。 八 重 山 諸 島 の 森 林 は 、 沖 縄 島 北 部 地 域 に 見 ら れ る イ タ ジ イ 及び リ ュ ウ キ ュ ウ マ ツ を 主 体 と す る 森 林 と沖 縄 島 中 南 部 に 見 ら れ る 広 葉 樹 を 主 体 とす る 森 林 が 分 布 す る 。 そ の 中 に は 、 他 地域 に な い 固 有 種 や 亜種が出現するなど、植物相は多様である。さらに、そこに生息する動物等も固有種や亜 種が多く、森林地域の保全は生物多様性の観点からも重要である。また、同地域では、古 くから造林業が盛んで、リュウキュウマツやイヌマキが植栽され、素性のよい木材が産出 されてきた経緯があり、いずれも森林面積は比較的多い。 八重山諸島では、沖縄島で確認されている松くい虫によるリュウキュウマツの被害は未 発生であるが、経済活動の活発化に伴う、病害虫等の侵入が懸念されること から、監視体 制を強化する必要がある。リュウキュウマツではこの他にも、本事業において非線虫性の 枯損が確認されている。 写 真 -13 非 線 虫 性 の松 枯 死 木 (左 )とそこに確 認されたマツノマダラカミキリの産卵 痕 (上)

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写真-16 屋 敷防 風 林 (フクギ)の衰退 2)防風林における病害虫 防風林で被害が懸念されるのは、多犯性の南根腐病とフクギファイトプラズマ病である。 南根腐病は森林地域での発生は少なく、主に防風林や緑化帯等で確認される(写真-15)。 本 病 に 罹 病し た 樹 木は、 根 や 地 際部 で 腐 朽 が 生 じ るた め 、 地上部 に は 病 徴が 現 れ に く く 、 強風 に よ る折損 と 誤 認 され や す い(佐橋・田中,2016)。 本 病 に 罹 病 し た 個 体 の 周 辺 に は 、 汚 染 さ れ た 土 壌が 残 る ため、 周 辺 の 樹木 が 同 様 に 感 染 して し ま う可能 性 が あ り、 発 症 し た 個 体 及び 周 辺 土壌の 除 去 の 他、 新 規 土壌の入れ替えが必要になる。このため、 早 期 に 本 病に よ る 被害を 発 見 し 、周 辺 樹 木 へ の 感 染を 未 然 に防ぐ こ と が 必要 と な る。 ま た 、 国 立 研 究 開 発 法 人 森 林 総 合 研 究 所 及 び 沖 縄 県 森 林 資 源 研 究 セ ン タ ー に お い て 薬 剤 を 用 い た 新 た な 土 壌 殺 菌 方 法 が 検 討 さ れ て お り 、 新 た な 防 除 方 法 と し て 期待されている。 フ ク ギ は 、 防 風 ・ 防 潮 効 果 が 高 く 、 古 く か ら 屋 敷 林 と し て 利 用 さ れ 、 沖 縄 の 原 風 景 を 醸 し 出 す 樹 木 と し て 県 民 に 親 し ま れている。しかし、平成 14 年頃から屋敷 林 と し て 植 栽 さ れ 、 防 潮 林 の 役 目 を 果 た し て い た フ ク ギ 並 木 が 黄 色 く 変 色 し 、 梢 端部から枯れ始め、ついには枯死に至るという現象が認められるようになった(伊藤,2013) (写真-16)。 これまでに、一部の発症個体から 推定病原として細菌の一種であるファイトプラズマを 検出しており(河辺ら,2009)、県内各地で確認されている同様の現象についても、本病 による被害である可能性があるため、琉球大学及び沖縄県森林資源研究センターにおいて 調査が実施されている。 し か し 、本 病 の病 原 は植 物 細 胞内 に 侵入 し てい る た め、 目 視が 出 来ず 、 診 断に は DNA を 利 用 す る しか 方 法 がな い が 、 フ クギ の 樹 液に 含 ま れ る 多糖 類 が 検出 を 困 難 に して お り 、 未だ確実な診断方法を確立出来ていない。 写真-15 南 根腐 病 によるイスノキの枯死

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写 真 -17 デ イ ゴ ヒ メ コ バ チ に 加 害 さ れ た デ イ ゴ (上)と軟 腐症 状を示した衰退 木 (右) 3)緑地における病害虫 沖縄島中南部地域には荒廃地の緑化を目的に植栽され た緑地が多く存在する。植栽樹木 は多様で、デイゴやソウシジュ等の早生樹種が利用されている。 緑地に植栽されたデイゴでは、デイゴヒメコバチによる被害が 平成 22 年頃から確認さ れ、本種による被害により花が咲かなくなった例が多く確認されている。また、本種による 被害を受けたデイゴのうち枯死に至る例も確認されている。しかし 、薬 剤に よる 防除は 、費用 が高く、防除効果が限定的であることから、現在、面的な造林木等に対しては防除が実施 されておらず、他樹種に転換されている箇所も多く見受けられる ことから防除方法を検討 する必要がある。 4)公園植栽樹木や街路樹における病害虫 公園や街路等では、緑陰を形成する樹冠の大きな広葉樹が好んで植栽され、主にデイゴ、 ホルトノキ、ホウオウボクなどが利用されている。また、南国 の景観を醸し出す樹木とし て、ヤシ類が植栽されているところもある。 「2)防風林における病害虫」の項で述べた南根腐病は、公園や街路に植栽された樹木 にも発生することがあり、本病に罹病すると、外観から判断することが困難で、強風など により倒木し、人や財産に損害を与える可能性がある。そのため、公園や街路の管理者は、 定期的な調査を実施する必要があり、発症している場合は、罹病木の除去と感染拡大を防 止する処置を実施する必要がある。 デイゴは、緑地と同様にデイゴヒメコバチによる被害が確認されており、景観を保全す る目的で、平成 22 年度から樹幹注入による防除を実施している。デイゴヒメコバチによ る被害を受けたデイゴのうち、年間約 10%は軟腐症状を示し枯死に至っている(写真—17)。 デ イ ゴ ヒ メ コ バ チ に よる 加 害 の み で 枯 死 に 至る こ と は 考 え に く い こと か ら 、 他 の 病 原に よ る 関 与 が 疑 わ れ ている と こ ろ で あ り 、 現在有 力 な 病 原 と し て 真菌類 の フ ザ リ ウ ム を 検証

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しているところである。 また、デイゴヒメコバチが侵入する前は、ベニモンノメイガがデイゴの主要な害虫であ った。ベニモンノメイガは数年に一度、大量に発生し、デイゴの葉を食害するため、開花 を 阻 害 す る 一 要因 と して 考 え ら れ て きた ( 写真 -18)。ベニモンノメイガによる食害では 枯死に至ることはないものの、周辺住民等からの駆除の要望が多い害虫の一つである 。 ホウオウボクでは、ホウオウボクク チバによる被害が発生し、ベニモンノメイガ同様に 新葉を食害して開花している。 ベニモンノメイガ及びホウオウボククチバは食欲が旺盛で、発生する場合は大量である ため、公園や街路などの人の往来の多い箇所では、苦情が発生することもあり、発生した 場合には強剪定などの処置がとられることが多い。 さらに、これらの広葉樹には、梅雨期から夏場にかけてタイワンキドクガやコシロモン ド ク ガ な ど の 麟翅 目 が発 生 す る が ( 写真 -19、20)、毒を有しており、触れると強い痛み やかぶれを生じるため、衛生害虫として注意が必要である。特に公園や学校等の付近にあ る街路樹など、人や子供の往来の多い箇所では、早急に駆除することが 必要である。特に、 タイワンキドクガは、幼虫のみならず成虫や卵、蛹にも毒針を有し、風などでとんだタイ 写真-18 ベニモンノメイガの成 虫(左)と幼 虫(右) 写真-19 タイワンキドクガの幼 虫 写真-20 コシロモンドクガの幼 虫

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ワンキドクガの毒針が人に付着することでかぶれを生じさせることもあるため、駆除には 注意が必要である。 また、公園や庭木に植栽されることが多いカ ンヒザクラには、イラガ類が多く発生すること が あ る が ( 写 真 -21)、イラガ類 の幼虫の毛に 触 れ る と 強 い 痛 み と か ぶ れ が 生 じ る こ と が あ ることから、早急に駆除する必要がある。 ホ ル ト ノ キ は 、 樹 冠 が 広 が り 木 陰 を 形 成 し 、 根の広がりが少ないため、街路樹によく利用さ れている。一部のホルトノキで枯死に至るよう な 衰 退 が 確 認 さ れ て いる ( 写 真 -22)。一部の ホ ル ト ノ キ か ら 細 菌 の 一 種 で あ る フ ァ イ ト プ ラズマが確認(ホルトノキ萎黄病)されている が(河辺ら,2009)、ファイトプラズマは、駆 除方法が確立されていないため、被害木の除去 及び侵入防止が求められる。 南国景観を演出するとして、公園や街路樹に ソテツが植栽されることがある。近年、ソテツ に は ク ロ マ ダ ラ ソ テ ツ シ ジ ミ の 被 害 発 生 が 確 認されている(岩ら,2009)。本種は、沖縄島 では一時的にみられる迷蝶とされるが、近年に なって、急速に分布を拡大している。幼虫時は若い葉のみを食べ、大発生時には著しく美 観を損ねる。連続して被害を受けたソテツは枯死することもある。大発生を防止するため にも、発生初期段階で周辺地域を含めた同時防除が重要である。 ガジュマルは公園等の象徴的樹木として地域住民に親しまれるとともに、その特異な樹 形から観光客も魅了している。ガジュマルの大枝や幹の損傷はイチジクカミキリの食害痕 から進展した腐朽の場合が多く、公園等の利用者の安全を念頭に置いた維持管理が求めら れる。 5)マングローブ類の病害虫 沖縄のマングローブの主要な構成樹木の一つであるメヒルギには、枝枯病が確認されて いる(亀山ら,1998)。本病は激甚な被害をもたらす病害ではなく、日和見感染的に発生 する。本病菌は、通常は樹冠内部の枝上に存在し、被陰条件になった場合に発症すること が明らかとなった。 おなじく主要な構成樹木の一つであるオヒルギでは、胎生種子にオヒルギヒメハマキに よる加害が多数確認され、本種による被害によって、更新が阻害される恐れが あることが 写真-22 ホルトノキの衰 退状 況 写真-21 アオヘリイラガの幼虫

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写真-23 タイワンカブトムシ 写真-24 キムネクロナガハムシ 推察される。 近年、マングローブ林を活用した レクリエーションが活発に行われ、遊歩道などの構造 物が建築されるようになっているが、当該箇所の植生など に留意し、環境整備を行う必要 がある。 6)ヤシ類の病害虫 南 国 の 景 観 を 形 成 す る 植 物 と し て 多 く 植 栽 さ れ て い るヤ シ 類 には、 タ イ ワ ンカ ブ ト ム シ や ゾ ウ ム シ類 、 キ ムネク ロ ナ ガ ハム シ 等 の 害 虫 が 発 生 す る こ と が 知 ら れ て い る ( 牧 茂 , 1915; 矢 口 , 2013; 長 岡 , 2014) ( 写 真 -23、 24) 。 そ の た め 、 沖 縄 島 で は 、 ヤ シ 類 の 植 栽 は 少 な く な っ てい る が 、大東 諸 島 で はダ イ ト ウ ビ ロ ウ の 葉 が民 芸 品 の材料 に な る こと か ら 、 い ま で も 植 栽さ れ て いるが 、 タ イ ワン カ ブ ト ム シ に よ る 被害 が 発 生して い る 。 防除 方 法 と し ては、梢端部分をネットで覆う方法があるが、 ダ イ ト ウ ビロ ウ の 実はダ イ ト ウ オオ コ ウ モ リ の 餌 に な るた め 、 ネット に よ る 防除 が 実 施 で き な い 。 その た め 、誘引 剤 に よ る防 除 を 実 施 し て い る が、 薬 剤 散布や 薬 剤 の 交換 に 費 用 が か か る た め、 ネ ッ トによ る 防 除 に比 べ て 割 高 となっている。 ヤシオオオサゾウムシはヤシ類の新梢を加害したり、フザリウム菌を 媒介したりするこ とで幹枯れを起こし、ヤシ類に被害を与えるため、 1970 年代~1980 年代には問題となっ ていたが、近年では発生が認められていない。 侵入害虫であるキムネクロナガハムシによる被害が平成 26 年 8 月に多良間村で確認さ れており(長岡,2014)、注視が必要である。本種はインドネシア諸島原産の侵入害虫で、 ヤシ科植物の新梢を加害するが、薬剤の登録がなく防除が困難である。 5.病害虫発生時の対応 病害虫が発生した場合の基本的な対応は、初期防除を徹底して行い、被害の拡大防止を 図ることが重要である。しかし、病害虫の種類や被害形態によっては、完全駆除ではなく、 個別対応により保全目的が達成される場合がある。

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病害虫が発生した場合、その被害を把握することによって、どの程度の防除が必要か検 討する必要があり、森林や樹木によって求められる防除対策の内容は異なる(表-2)。 感染力が高い病害や発生量、個体量、食害量が多い害虫等、被害が甚大となりやすいも のに対しては、広域的な防除対策のもと、初期防除を徹底する必要がある。 また、発生が甚大となる恐れがある場合、他の樹種でも機能が維持されると判断される 場合には、樹種転換の検討を行う。 感染力が低い、又は対象となる樹木が限定される、あるいは少数である場合、被害が限 定的なものや、被害が発生した場合に枯損等の影響の出やすい老木・古木や枯死木の発生 により景観が阻害されることが懸念される緑化木等に対しては、予防を中心とした防除を 実施することが求められる。 その他の枯死にまで至らない病害虫に対しては、樹木や森林の機能が阻害されない限り は、薬剤を用いた防除はできるだけ実施せず、被害の進捗状況を監視し、被害が拡大した 場合に限りに対応することが望ましい。 以 上 の 被 害 へ の 対 応 方 針 に 基 づ き 、 本 県 の 主 要 な 病 害 虫 に つ い て 、 主 要 な 病 害 虫 の 診 断・防除方法について取りまとめたので、次章で紹介する。

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表 -2 被 害 発 生 タ イ プ 区 分 毎 の 防 除 ・ 監 視 項 目 例 ※ 1 被害発 生タイ プは、 時と場 所によっ て変化 するも のであ り、 その時の 被害発 生状況 に応じ た対 応を検討 してい く必要 がある 。 ※ 2 リュウ キュウ マツ材 線虫病 について は、Ⅲ .広 域消長 型を呈 している 場所も ある ( 沖縄島 名護 市以南等 ) 。 ○:監視 方法と して有 効かつ 効率 的と考え られる もの △:監視 方法と して有 効では ある が効率性 に課題 がある もの ( 被害発 生状況 の変化 に応じ て個別に 対応検 討が必 要 ) ×:監視 方法と して実 施が困 難と 考えられ るもの 4) 結果 整理   段階 診 断 ・ 防 除 マ ニ ュ ア ル の 作 成 ( 防 除 暦 を 含 む ) 樹 木 病 害 虫 情 報 共 有 シ ス テ ム の 作 成 ( 未 作 成 ) ハ ザ ー ド マ ッ プ の 作 成 通 報 体 制 の 整 備 普 及 啓 発 ・ 注 意 喚 起 監 視 ・ 防 除 技 術 者 等 の 育 成 現 地 踏 査 ( 巡 回 ) 空 中 探 査 ( ラ ジ コ ン ヘ リ 等 ) 空 中 写 真 判 読 ヒ ア リ ン グ 通 報 情 報 収 集 被 害 分 布 図 作 成 ~     被 害 対 応 の 検 討   ( 防 除 方 針 ) A   全 県 対 策 B   C   D   単 木 対 策 E   そ の 他 Ⅰ. 隣接 エリ ア拡 大型  ( 未発 生含 む) ・シ イ・ カシ 類萎 凋病 (ナ ラ枯 れ) ・リ ュウ キュ ウマ ツ材 線虫 病( 松く い虫 ) ※2 ・南 根腐 病 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 主に ・予 防策 ・初 期防 除 ・拡 大防 止策 - 防除帯設置 天敵防除 移動規制 薬剤散布 トラッ プ設 置 伐倒駆除 樹幹注入 資材被覆 Ⅱ. 局所 的突 発型 ・キ オビ エダ シャ ク ・イ チジ クカ ミキ リ ・キ ムネ クロ ナガ ハム シ ・マ ツカ レハ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ○ △ 主に ・初 期防 除 ・被 害抑 制策 天敵防除 - 薬剤散布 強剪定 樹幹注入 資材被覆 Ⅲ. 広域 消長 型 ・ク ロマ ダラ ソテ ツシ ジミ ・タ イワ ンハ ムシ ・デ イゴ ヒメ コバ チ ・ホ ウオ ウボ クク チバ ・タ イワ ンカ ブト ムシ ・オ ヒル ギヒ メハ マキ ○ △ × △ △ △ △ △ × △ △ △ 主に ・予 防策 ・被 害抑 制策 天敵防除 樹種転換 薬剤散布 強剪定 樹幹注入 資材被覆 Ⅳ. 日和 見感 染型 ・メ ヒル ギ枝 枯病 ○ ○ × ○ ○ ○ △ △ × △ ○ △ 主に ・予 防策 - - 過剰利用 の防止 樹幹注入 Ⅴ. 不明 ・フ クギ ファ イト プラ ズマ 病 ・ホ ルト ノキ 萎黄 病 ・ヤ シオ オオ サゾ ウム シ ・デ イゴ の軟 腐症 状お よび 枯死 ・非 線虫 性の 枯死 現象 5) 防除 段階 (防 除対 策例 ) 耕 種 的 防 除 ( 種 苗 対 策 等 ) 1) 準備 段階 2) 体制 構築 段階 3) 監視 段階 被害発生タイプ 区分 対象病害虫の区分 ※1

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[引用文献] 我如古光男(1974).沖縄本島に侵入したマツノザイセンチュウ.森林防疫 23(3),4-6. 後藤秀章,喜友名朝次(2013).沖縄本島におけるカシノナガキクイムシの脱出消長.九州森林研究 66,10-12. 伊 藤俊 輔 ( 2013).フクギの黄化衰退に関する研究 -黄化衰退症の病徴進展と土壌環境-.沖 縄県森林資源研究センター業務報告24,18-19. 岩智洋,図師朋弘,槙原寛(2009).クロマダラソテツシジミの文献目録とそれから得られた知見.森 林防疫58(3),94-104. 亀山統一,平賀智子,小林亨夫(1998).琉球列島におけるメヒルギ枝枯性病害 .日本林学会 大会講演要旨集 109,211. 河辺祐嗣,伊藤 俊輔,喜友名朝次,伊 禮英毅 ,嘉手苅幸男(2009).沖縄本島で発生したフク ギの衰退枯死被害.日本森林学会大会発表データベース 120,278-278. 国吉清保(1974).マツノザイセンチュウによる被害沖縄に発生.森林防疫23,40-42.

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21pp. http://www.ffpri.affrc.go.jp/fsm/research/pubs/

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参照

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