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実践のまとめ(図画工作)

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Academic year: 2021

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平成22年度授業力向上研修(小・中)

実践のまとめ(1 年 図画工作)

平成22年9月9日(木) 指導者 長岡市立富曽亀小学校 教諭 髙栁 麻里 1 題材名 「どんどん ならべて」(造形遊び・鑑賞) 2 題材の目標 (1) 身のまわりにある材料を生かし、場所を選んでつくる。 (2) いろいろな並べ方を自分なりに工夫する。 (3) 自分や友達の並べ方の面白さに気づき、認める。 3 題材と児童 (1) 題材について 本題材は、「行為の展開」の学習主題にかかわるものである。身のまわりにある材料を生かし、 それを並べていく操作から発想を広げるなど、場所とかかわっていく活動である。 身近にある学習用具を机上に並べたり、身のまわりにある自然材や人工材などを生かしたりす るなど、さまざまな材料が活用できる。また並べ方も、線的に伸ばしていったり、いろいろな方 向に変化させ構成したりするなど、さまざまな方法が試行錯誤できる活動である。机という狭い 場所から、教室の床、ホール、廊下など、子どもたちが活動してみたい場所を選ばせたい。 最後には、全員の作品の写真を掲示し、「どんどん ならべて びじゅつかん」を開く。広い 場所で並べると、自分でつくった作品の全体像が見えなくなってしまう。また、いろいろな場所 でつくっている友達の作品が分からない。全体像から分かる自分や友達の作品の面白さやよさを 見つけ、作品名をつけながら楽しく鑑賞させたい。 (2) 児童の実態(男子14名、女子12名、計26名) 入学して以来、体全身を使う造形遊びは、本題材が初めてである。一人一人保育園や幼稚園で の経験値には差がある。ただ、時々ブロックやおはじきを使った授業の後、少し遊ぶ時間を設け たことがある。その際、並べたり積み上げたりする様子が多く見られた。二色のおはじきを交互 にして並べてみたり、並べ方を工夫して花の形をつくったりするなど、いろいろな並べ方を楽し んでいる様子が見受けられた。本題材にも関心をもち、いろいろな場所や材料で面白い並べ方を 工夫する姿や、主体的に場所や材料に働きかけ、「つくり、つくりかえ、つくり続ける」姿を期 待したい。 鑑賞に関しても、時間をとって鑑賞することは初めてである。しかし、絵や工作が出来上がる と、自分の作品だけでなく、友達の作品もじっくり鑑賞する様子が見られる。友達がつくったも のにも、大変興味があると考える。鑑賞の時間を設けることにより、自分や友達の作品のよさを 見つけ合う中で、一人一人の鑑賞する目や態度を養えるようにしたい。

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4 題材展開の構想 (1)研究テーマ 形・色などからイメージし、感じたことを伝え合う子どもの育成 ~いろいろな材料を並べる造形遊びの鑑賞活動を通して~ (2)テーマ設定の意図 新学習指導要領の図画工作科では、特にB鑑賞の内容について、鑑賞の能力や言語活動の観点から 改善が図られている。また新たに〔共通事項〕が新設され、第1学年及び第2学年の目標と内容の中 で、表現及び鑑賞活動において「形や色などを基に、自分のイメージをもつこと」が十分に行われる ようにと記載されている。 今までの自分の図画工作科の授業を振り返ると、カードに友達の作品の感想を記述させるなど、一 方的な鑑賞活動ばかりだった。これでは、子どもたちには鑑賞の能力を十分に育てているとは言えな い。作品の色彩や構成など、いろいろな視点から鑑賞させることや主体的に対象のよさを受け止めよ うとする指導をしていかないと、決して鑑賞の能力は身に付かないと考える。 そこで、上記の研究テーマを設定した。形や色などから「イメージ」するとは、 ・『くねくね』『あったかい』『白から青に少しずつ変わっている』など、形や色の様子や変化から 受ける印象 ・『魚の形に見える』『誰かの顔に見えてきた』などの見立て など、作品のある部分や作品全体から、五感を十分に使って想像することと捉えた。 ただ、自分だけで「イメージ」して鑑賞するだけでは、一つの見方だけで終わってしまう。友達と 「伝え合う」ことで、同じ作品でもいろいろな感じ方や見方があることに気付く。お互いに「イメー ジ」して感じたことを言葉で伝え合いながら、お互いのよさを理解し合い、楽しく鑑賞する子どもを 育てていきたい。 (3)研究テーマに迫るために ① 「イメージ」したことを言葉で伝え合う場の設定 造形遊びをした後に、「どんどん ならべて びじゅつかん」を開催する。言葉で「伝え合う」 方法として以下のことを実施する。 ・付箋を使って、友達の作品のイメージや作品の名前を書いて交流する。 ・一つの作品から、どんなイメージをもったのか学級全員で発表し合う。 付箋を使うと、書いてすぐに作品に貼ることができるため、お互いの作品のイメージをすぐに共有 し合うことができる。また、自分の作品がいろいろな角度から鑑賞できることを知ることができる。 また、一つの作品を選び鑑賞することは、付箋だけでは伝わらない友達の考えを聞くよい機会でも ある。じっくりとその作品を鑑賞し、よいところを見つける目を養うきっかけになると考える。 また、「どんどん ならべて びじゅつかん」だけでなく、造形遊びをする前の事前指導でも、 全体でどんなイメージをもったのか共有し合い、随時鑑賞の場を設定する。 ② 鑑賞の視点を示した表の提示 全員がどのように作品を鑑賞したらよいのか分かるようにするために、鑑賞の視点を示したカー ドを提示する。提示の仕方は以下のようにする。 いろ かたち ならびかた が どんなふうにつながっている? どんなふうにかわっている? どんなふうにみえる?

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③ 情報機器(デジタルカメラ・プロジェクターなど)の活用 「どんどん つなげて」の造形遊びは、教室やホール、廊下など、いろいろな場所を広く使って 活動する。そのため、いつまでも作品を残すことはできないし、全員で移動しながら鑑賞するには 難しい面がある。そのため、デジタルカメラで作品を撮影し、全員の作品を鑑賞することとする。 ただ、欠点として、大きさや素材の感じが伝わらないことが挙げられる。大きさは作品だけでなく 場所全体を撮影するなど工夫し、素材の感じは使った物を写真と一緒に展示し、写真でも伝えられ る工夫をする。 また、全員で一つの作品を鑑賞する時は、プロジェクターを使い、大きなスクリーンでその作品 の良さが感じられるように工夫する。 (4)研究テーマ達成にかかわる評価 「付箋を使って、形・色などからイメージした言葉や作品名を書く児童の割合が学級全体の80% を超える。」 (イメージした言葉・・・一人3~4枚以上、作品名・・・自分の作品を含めて2枚以上) ※ 鑑賞後に、感想シートにおいて付箋を何枚書いたのか記述する欄を設け、それをもとに評価す る。 5 題材の評価規準 造形への関心・意欲・態度 発想や構想の能力 創造的な技能 鑑賞の能力 材料や場所を生かして、 楽しく並べようとして いる。 どのように並べるかを 考えながら、活動して いる。 いろいろな場所や材料 の特徴や組み合わせを 考え、並べ方を工夫し ている。 自分や友達の並べ方の 面白さに気づき、認め ることができる。 〔共通事項〕 ア 自分の感覚や活動を通して、形や色などをとらえること。 イ 形や色などを基に、自分のイメージをもつこと。 6 指導計画(全4時間、本時 4/4時間) 時 学習内容 主な評価の観点と方法 1 ○自分の算数ボックスの教具を使って、机に並べ て楽しむ。 ○どんな場所に、どんな材料を使い、並べて楽し めるかを決める。 □算数教具を使った、いろいろな並べ方を試 している。(関)【観察】 □やってみたい場所や使ってみたい材料を、 思いを膨らませながら考えている。(発) 【シート】 2 ・ 3 ○決めた場所や用意した材料を使って、いろいろ な並べ方を工夫して楽しむ。 □材料や場所を生かして、楽しく並べている。 (関)【観察・シート】 □材料の組み合わせを考えて、並べ方を工夫 している。(発・技)【作品・観察】 4 本 時 ○「どんどん ならべて びじゅつかん」の作品 に、名前をつけながら鑑賞する。 □自分や友達の並べ方の特徴やおもしろさに 気づき、自分なりの作品名をつけている。 (鑑)【シート・観察】

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7 本時の計画 (1) ねらい 自分や友達の作品のよさに気づき、作品名をつけながら楽しく鑑賞する。 (2) 展開の構想 ① 「どんどん ならべて びじゅつかん」で楽しく鑑賞するために ・全作品の写真は、全体が写ったものを用いる。また、あらかじめどの角度から鑑賞してほし いか、その作品をつくった本人から聞き出し、掲示するようにする。 ・どの子の作品にも友達から名前が付けてもらえるように、最初は隣の席の友達の作品から鑑 賞するように指示する。 ・発表し合う場面では、スクリーンに写真を大きく写して、全員がその作品を鑑賞できるよう にする。挙手した子だけが発表するのではなく、鑑賞の視点を生かして作品名を付けた子に も発表させ、そのよさに共感できるようする。 ② 付箋と鑑賞シートの活用 最初に、鑑賞シートを使って、友達の作品の名前とその理由を記述する。ただ名前を付けるの ではなく、その作品の特徴を生かした作品名にしてほしい。鑑賞シートに確実に記述した子から、 付箋に作品名を記入させるようにする。 (3) 展開 時間 学習活動 ◎教師の働きかけ・予想される反応 □評価 ○支援 ・留意点 3 20 前時の活動を振り返る。 ○友達の作品に合う作品名 をつける。 ・シートに作品名とその名 前にした理由を書く。 ・考えた作品名を付箋に書 いておく。 ・どんどん並べると、いろいろな形 に見えてきたよ。 ・同じものでも、並べ方が違うと変 わって見えるね。 ※実在する物や生き物だけでなく、 擬音語、擬態語などをもとにした 例示も入れる。(くねくね○○、 かくかく○○ など) ・前時の造形あそびででき た作品の写真を、ホール に掲示しておく。 ○活動前に、作品名のつけ 方の手本を見せる。その 際、児童の作品ではなく、 参考作品に名前をつけ る。 ○作品名をなかなかつけら れない児童には、気に入 った作品の特徴を一緒に 見つけるなど、個別に声 かけをする。 □友達の並べ方の特徴やお もしろさに気づき、作品 名をつけている。 【鑑】(シート・つぶやき) 「どんどん ならべて びじゅつかん」の さくひんに、 なまえを つけよう! <名前をつける時の視点> (黒板に掲示) ・色の並び方から ・並び方の特徴から ・全体像から(何かに見立てる) 色、並び方、形などから感じ る特徴を作品名に入れるよ う、手本提示の際に話す。

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15 7 ○友達の作品につけた作品 名と、その理由を発表し 合う。 ・書いた付箋を、作品の近 くに貼る。 ○自分で考えた作品名とそ の理由をシートに書く。 ◇身近にあるつながった物 を鑑賞する。 ・色がしましまに見えるから、「し ましま○○」にしてみよう。 ・魚の形に見えるから、「△△な魚」 という名前にしよう。 ◎挙手した児童だけでなく、特徴を よく捉え作品名をつけていた児 童にも指名し、発表させる。 ◎一つの作品でも違う名前をつけ た児童にも紹介させ、いろいろな 見方があることが感じられるよ うにする。 ・友達が考えてくれた名前を少し変 えて、付けてみよう。 ・友達の考えた名前を合体させて、 作品名にしよう。 ・選んだ作品がよく見える ように、デジタルカメラ で撮影したものをテレビ で映し出す。 □自分の作品に合う名前を 考えている。【鑑】(感想 シート) ・学校内やスーパーマーケ ットなど、身近に見られ る物を写真(画像)で紹 介する。 (4) 評価 ・自分や友達の並べ方の特徴やおもしろさに気づき、自分なりの作品名をつけている。 【鑑】(シート・つぶやき) 8 実践を振り返って (1) 授業の実際 ① 本時までの子どもたちの鑑賞の姿 鑑賞の導入として、1時間目に行った算数ボックスの道具で並 べた自分の作品を見ながら、作品名をつける活動を行った。いろ いろな材料を並べる最中に、「○○に見えるよ。」「ここは○○だ よ。」と友達同士でいろいろな見立てをしていたこともあり、作品 名を付けること自体難しくはなかった。ただ、作品全体を見ると 子どもの感覚として道のように感じるのか、ほとんどの子どもが 『くねくね迷路』『ぐるぐる迷路』などといった、『○○迷路』と いう作品名をつけた。「くねくね」や「ぐるぐる」は作品の並び方

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に視点を当てて名前を付けている証拠である。しかし、もっといろいろなものに見立てていける目を もてるような子どもを目指したかった。 中には、『ジャングル迷路』『動物園の迷路』といった作品名を付けた子もいた。『○○迷路』だけ でなく『△△ジャングル』『△△動物園』という作品名が増えていけるよう、本時では板書だけでな く、教師が作品名を付けるポイントを示してから活動に入っていくように考えた。 ② 本時の導入 「いろ・かたち・ならびかた」が「ど んなふうにつながっている?・どんなふ うにかわっている?・どんなふうにみえ る?」という板書と共に、右の写真を見 せ、作品名を付けるポイントを子どもた ちと確認した。子どもたちが出した特徴 や見立てから、『黄色いシャワー』『カラ フルへび』といった迷路から離れた作品名が付けられることを例示してから、鑑賞活動に入った。 ③ 本時の鑑賞活動 教室2クラス分の広さのホールを使って行ったため、子ど もたちはいろいろな作品へと動きながら鑑賞することができ た。 実際の子どもたちがつくった作品は、校舎内の教室や廊下 を使ったことで、作品そのままを残すことができないため、 写真で鑑賞させた。右図のように写真を拡大して、床に置く などして、できるだけ実物に近くなるように展示した。また、 作品があまりに大きい作品は写真をスライドショーで見せた り、高低のある作品は壁に貼り付けたりして展示に工夫した。 子どもたちは鑑賞シートを使って、作品名とその名前にし た理由を記入しながら鑑賞した。子どもたちは、「すべりだい に見える!」「小石が土手まで飛んでった!」「これがダチョ ウの頭で、足で・・・」など、同じ作品を友達同士で話しな がら作品名をつける姿があった。中には、写真に並んでいる ものを指でたどるなど、身体を 使って鑑賞する子もいた。 後半は、一つの作品につい て全員で鑑賞した。取り上げ た作品は、雨具かけチーム・ 給食室前チーム・体育館チー ムである。特に雨具かけチー ムの作品は、『ペットボトルの 迷路』『波の迷路』『かたつむ り』など、鑑賞する方向や視 点を変えるだけで、いろいろ シャワーみたいだ。 ヘビに見えるよ。 黄色いよ。 い ろ ん な 色 が あ るよ。 作品はどの方向からも鑑賞でき るよう、床に置くなど工夫した。 教室をまたいだ作品は映像で見せた。 階段を使っ た作品は実 物に近づけ るために、 黒板に貼り 付けた。 本時で使った鑑賞シート

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な名前が付けられることを全員で確認し合うことができた。最後に、日常の風景の中にある「並んで いるもの」の写真を鑑賞して授業を終えた。 子どもたちの作品名の例 雨具かけチーム (吹き出しは、その方向から見た子の作品名が入っている。) 3階廊下チーム 給食室前チーム 教室チーム かたつむり うみのしま ペットボトルのしま ぐちゃぐちゃキャップじま いけめいろ なみのめいろ ひよこ かぶとむし うまみたいなめいろ ドキドキめいろ のびーる! からふるロケット だちょうじま うさぎじま うさぎのめいろ うさぎのたからじま クリスタルたからじま くらげめいろ おはなのめいろ カラフルはな かくかくめいろ すりっぱめいろ くねくねめいろ ゆうえんちめいろ さばくのめいろ

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(2) 研究テーマについて ① 「イメージ」したことを言葉で伝え合う場の設定 ・一つの作品から、どんなイメージをもったのか学級全員で発表し合う。 本時では、一つの作品にどんな名前を付けたのか発表し合 う時間を設けた。全員で一つの作品を鑑賞し合い、友達がど のような名前を付けたのかを話し合うことで、新たな作品の 良さや特徴を発見することができた。また『かたつむり』が 作品のどこにいるのか、『ウサギの宝島』の宝がどこにある のか探すことを通し、友達の考えに共感し合えることができ た。ただ、発表者と聞く側の間に立つ教師が、考えを中断す るような言葉を発してはいけない。「これが○○に見える? 見えない?」と尋ねることは、そのように見えてほしいと強制しているようにも感じる。そうではな く、「○○さんの考えたことが分かる人はいますか?」と、共感的な発問を投げかけていくことが、 子どもの鑑賞活動を妨げないことと考える。 ・付箋を使って、友達の作品のイメージや作品の名前を書いて交流する。 本時では鑑賞シートの他に、付箋にも作品名を記入させた。だが、付箋を作品に張り合う時間がと れなかった。原因は、鑑賞シートの記入箇所が多かったことである。シートには、作品名の他にその 名前にした理由も書かせていた。また、シートと付箋に作品名を二重に記入させたことも原因の一つ である。とにかく書くことが多く、子どもたちが語り合いながら鑑賞する様子が活発でなくなってし まっていた。だが、シートの記入は教師が評価するためには必要である。付箋に作品名を記入し、時 間があればシートにその作品名にした理由を記入するといったような無理のないシートを作成すべ きだった。 本時の後、作品に付箋を付けて展示を続けた。友達が付けた作品名を見ながら楽しく鑑賞する子ど もたちの姿があった。付箋は使い方次第により、鑑賞活動をする上で有効な手立てになると考えられ る。 ② 鑑賞の視点を示した表の提示 「色」「形」「並べ方」といった鑑賞の視点を導入時に掲示した。この掲示をすることで図画工作に おける指導の共通事項を確実に押さえて鑑賞させることができた。「どんどん ならべて」の題材は、 どちらかというと形に視点を置いて鑑賞しがちになってしまう。最初『○○迷路』という名前が多く なってしまったことからも、形から入っていることが分かる。しかし、言葉を掲示したことで、『カ ラフル○○』という作品名や『ウサギの宝島』で宝が黄色だといった、色に視点を置いて鑑賞する子 どもが増えたと言える。ただ、導入で言葉の掲示だけでなく映像を見せながら鑑賞の仕方を説明した。 低学年では視覚的な説明も必要だと感じたからである。いろいろな見方ができる子どもになるには、 今後も随時鑑賞活動を取り入れていく必要がある。 ③ 情報機器(デジタルカメラ・プロジェクターなど)の活用 本題材は、作品も大きくそのまま残すことが難しいため、デジタルカメラで撮影した写真を拡大し たものを鑑賞した。写真を鑑賞することに違和感があるのではないかと心配する面があった。しかし、 実物よりもコンパクトになったことで作品が見やすくなり、近くで鑑賞するよさを感じた。また、一 つの場所で鑑賞できるため、造形遊びをする場所を子どもたちが自由に選ぶことができた。ただ、家 庭科室・2階廊下チームの作品はあまりにも大きく写真では見せきれないため、スライドショーにし 自分が付けた作品名の理由につ いて、紹介する。

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て鑑賞させた。次から次へと映像が変化するため、物珍しさから多くの子が見たがると思っていたが、 その予想に反し、あまり鑑賞しようとはしなかった。やはりじっくりと鑑賞するためには、作品が静 止した方がよいことが分かった。 本題材では、作品の性質と鑑賞する目や態度の基礎を養うという視点から写真で見せたが、実物の 鑑賞には、それぞれの作品の大きさや質感などからも感じるよさがある。今後も作品そのものの鑑賞 を大切にしたい。 ④ 研究テーマ達成にかかわる評価から 「付箋を使って、形・色などからイメージした言葉や作品名を書く児童の割合が学級全体の80%を 超える。」 (イメージした言葉・・・一人3~4枚以上、作品名・・・自分の作品を含めて2枚以上) 左のグラフからも分かる通り2枚 以上あった子どもたちは89%とな り80%を達成することができた。 2枚以下となった子どもたちもいた が、自分の作品にだけは名前を付け ることができた。この結果から、テ ーマにかかわる手立てに課題は多い が、本題材における鑑賞活動はある 一定の成果はあったといってよい。 (3) 今後の課題 ・付箋の効果的な使い方や子どもたちの実態に合わせた使いやすい鑑賞シートの工夫 付箋に作品名を記入し、時間があればシートにその作品名にした理由を記入するといったような無理 のないシートを作成していく。 ・全員で鑑賞するときの教師の発問の仕方や言葉がけの工夫 「○○さんの考えたことが分かる人はいますか?」と、共感的な発問を投げかけるなど、子どもの鑑 賞活動を妨げないようにしていく。 ・子ども同士で作品について語り合う場の設定 鑑賞の時間を改めて設けるだけでなく、創作活動における子 どもたちのつぶやきや子ども同士の語り合いにも注目してい きたい。本題材でも、遊び途中に「ここは射的ができるんだよ。」 「ここは遊園地で観覧車がこれだよ。」「2つのものがつながっ たあ!」など、チーム同士でつくったものを見ながら語り合っ ていた。その話し合いの中からまた発想し、さらに並べたり少し 移動させたりして新しい作品をつくり上げていた。子どもたちが、 互いに影響し合っている様子がうかがえた。今後は、鑑賞の時間 だけでなく、創作途中にある、ほんの少しの鑑賞の時間も大切に していき、「イメージし、感じたことを伝え合う子ども」を育て ていきたい。 11% 54% 35% 0~1枚 2~4枚 5枚以上 付箋を使って、形・色などからイメージした作品名を書く児童の割合 チームの仲間と話しながら遊ぶ子どもたち。 2チームの作品がつながって喜ぶ子どもたち。

参照

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