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特殊相対論による時間の別解釈

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Academic year: 2021

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特殊相対論による時間の別解釈

栁沢 雄太郎(

Yutaro Yanagisawa

株式会社 浜松クオンタム

マックスウェル方程式や素粒子論がローレンツ変換により不変であること、光速度 は、慣性系によらず不変であることは、実験により確立された事実である。しかし、

ローレンツ収縮の解釈には2つの流れが存在する。ランダウは「相対性理論入門」の 中で、「ローレンツ収縮―ローレンツの考えでは、これは粒子とエーテルの相互作用に よって説明され、電子はエーテルの反作用によって圧縮される―力学的効果である。

アインシュタインは、、、この効果は力学的なものでなく、純粋に幾何学的なもの、正 確には運動学的なものである。この効果は物体が遠ざかるときにその見こむ角が小さ くなるのと、、同列のものである。、、、ローレンツ収縮の場合と同じように、時間の遅 れの力学的要因を探し求めることは無意味である。」と記述した。また一方、

W.パウリ

は、「相対性理論」の中で、「ローレンツ収縮を原子論的に説明しようとする試みは全 て放棄すべきであると言えようか?この疑問に対する答えは「ノー」である。」と記述 し、ロシアの物理学者

JANOSSY

は、「物理的相対性理論」の中で、「ロケットに乗っ ている人間が外から加速される時は、神経、筋肉、心臓の脈の速さも全て遅れ、、、化 学過程も遅れ、、、生物的過程が厳密にローレンツ不変であるという主張は、はるかに 遠い外挿を含んでいる。この外挿が正しい結果となるかどうかは、将来の実験によっ てのみ決定されるであろう」と主張し、また、坂田昌一は

JANOSSY

を高く評価して、

「物理学と方法」の中で、「ローレンツ不変性を「物の論理」によって保障しようとす れば、新しい意味でエーテルを復活させねばならないが、

JANOSSY

が主張しているご とく、ローレンツ解釈を絶対視するのは、あたかも量子力学のコペンハーゲン解釈を 絶対視するのと同じくらい危険だと思う」と言明している。

現在、アインシュタインの幾何学的な解釈で、世界の全ての現象を説明した場合、

奇妙ではあるが矛盾は存在しない。また、この解釈はその数学的な美しさと相まって、

奇妙さこそが、革新的理論であると評価されてきたのである。しかし、自然に解釈す ると、納得がいかない部分が存在する。一番奇妙に思える部分は、ローレンツ変換に よる時間の解釈である。ある系

A

(座標

x,

時間t)に対して、系

B

(座標

x’ ,

時間

t’

が、速度

V

で運動しているとする。この時、ローレンツ変換で、

t =

γ

( t – Vx/c

2

)

いう関係が成り立つ。この式の解釈は、系

A

と系

B

の原点 x = x’ =0 の2人が出会っ た時、お互いの時計が

0

に会っていると、別の位置にいた人の時計が、どうなってい るかという式である。私がプラットホームに入ってくる電車の先頭にいる人の時計を 見たら、自分の時計と同じ

0

だったら、はるか後方の電車の人は、後方のプラットホ ームの人とは、1億年でも異なるというのだ。ここで奇妙なのは、後方で時計を比較 した2人が、お互い手をさしだして

触れる

かもしれないという点だ。その触った

は、お互いの時計では異なるが、この空間的に同一近傍で、

手で接触した

(2)

は何なのだろうか。この原理が双子のパラドックスを解くのに使われており、双子の 間の距離が1億光年のはるか遠方に到達した時まで、双子の時計の刻みは同一なのに、

1人が減速し、今までの慣性系からほとんど変化しないくらいの別の減速した慣性系 に乗り移るやいなや、遠方の双子の時計は、一気に変化するのである。その量は、距 離に比例し、1億光年にさえすることができる。

次に、

JANOSSY

の言うような、分子過程として、神経伝達物質による伝達時間を

検討する。神経伝達物質がある細胞から放出され、それが目的の細胞表面に到達する 時間δtを、ローレンツ変換を使い計算すると、静止系でδtのとき、速度

V

で動く 系では、δt

は、γδ

t

とならず、放出方向に依存する。このことは、

JANOSSY

の言うように、相対論を幾何学的解釈に立って、分子、生物過程へ安易に外挿するこ とへの疑念を生じるものである。また、2つの分離した静止棒を、同時に同一加速に より加速し、一定速度にした場合に、2つの棒の静止していた時の間隔

L

は、ローレ ンツ収縮するかと言う問題がある。ローレンツ変換によると棒は収縮するが、2つの 棒の間の距離

L

は変化しない。すなわち、ローレンツ収縮は、物質である棒に固有な 現象であるように思われる。

そこで、以上を自然に解釈できる、時間の新しい力学的、物質的な定義をする。1

)

時間には2つの種類があり、1つは絶対時間であり、1つは固有時間である。2

)

1つ の慣性系として、その地点での3

K

輻射中心系を選択し、この系の絶対時間を定める。

時計を合わせるのは、従来通り光の通信による。(そもそも、非常に特別な3

K

輻射中 心系が存在するのに、この系に何らかの特別な意味を与えていないことは不思議なこ とである)。3

)

全ての物質は、その固有な運動経路にしたがって、真空と相互作用す ることによって、それぞれ別々の固有時間をきざむ。固有時間とは、分子の励起寿命 や素粒子の崩壊寿命である。4)任意の速度の2つの物質(すなわち、従来の慣性系

A

B

の物質)が出会い、

握手できる

なら、そのときの“時間”は絶対時間として同 一であるが、2つの物質の経過した時計がきざむ

時間

は、それらの物質の運動履歴 により異なる(固有時間)。次に、これらの時間の定義に従って、ローレンツ変換を、

幾何学的解釈でなく、物質的解釈として説明する。「時空の幾何学」の中で

J.J

キャラ ハンは、棒が加速されて一定速度になる場合を考察している(物質的解釈)。棒の先端 を持って加速すると、棒の後端は、少し送れて加速しだす。その時発生する衝撃波に より、棒は複雑な運動を行う。そして、最後に、先端が速度

V

で一定になり、棒が安 定すれば、実験によると棒はローレンツ収縮した長さになっていなければならない。

その時、棒の先端に対して、後端は、速度が先端より速い経路をより多く通過するこ とで、固有時間が変化し、後端の固有時間は遅れているのである。これがローレンツ 変換の意味である。一旦、ローレンツ変換が導かれれば、変換式を逆に解けば、絶対 系とそれに対して速度

V

で動く系の間に対称的な変換式が導かれ、また、全ての慣性 系について光速度は方向に依存しないことが導かれ、実験と矛盾することは無い。

Ref.

松田卓也、木下篤哉、「相対論の正しい間違い方」パリティブックス 2001

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