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環境との共生をめざして平田泰章

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Academic year: 2021

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 20 世紀は多くの資源・エネルギを消費する大量生産の 工業技術が急激に発達し,暮らしの豊かさや便利さを追 求した世紀であった。しかし,この大量生産,大量消費 が廃棄物処理と地球環境保全の問題を顕在化する一因と なった。21 世紀にはこれらの問題がさらに深刻化するこ とが予想されており,環境調和型社会への転換の重要性 がいわれるゆえんである。

 当社においても「環境との共生」を全社重点テーマと 位置付け,製鉄所・工場では省エネルギ,廃棄物発生抑 制,リサイクルなどを積極的に推進するとともに,機械・

エンジニアリング部門では各種の先進的な環境保全装 置・プロセスや省エネルギ機器を顧客に提供して,「環境 の世紀」とよばれる新しい時代の一員としての役割を果 たすべく努力している。本号では当社の環境保全への取 組みについて,機械/プロセス関連の技術の中で特徴的 なものを紹介してみたい。

  わが国では年間約 5 000 万トン発生する都市ごみの最 終処分場の不足が深刻化しているうえ,ダイオキシン問 題をはじめとした環境負荷の低減やリサイクルの推進が 必要となり,従来の「焼却+埋立」に依存したごみ処理 方法からの脱却が求められている。これに対応する技術 として,当社では,次世代処理システムとして注目され ている熱分解ガス化溶融システムを実用化した。本シス テムは,ごみのエネルギを利用して高温溶融処理し,ダ イオキシン発生を大幅に抑制できるとともにリサイクル 性にも優れている。さらに,ストーカ炉,プラズマ炉,

RDF(ごみ固形化燃料)製造設備など先進的な幅広いご み処理関連の製品を提供している。一方,下水汚泥処理 についても,コンパクトで熱効率の高い循環流動床式焼 却システムを実用化した。以上のような製品群は,製鉄 を通じて当社が古くから培ってきた高度燃焼技術などに 支えられている。

  また,リサイクルに関しては,当社加古川製鉄所にお いて発生するスラグ,ダスト,レンガ,廃油などのいわ ゆる発生品の 100%リサイクル化(ゼロエミッション化)

を,2001 年度に業界で初めて達成する見通しとなったこ

とが特筆される。このゼロエミッション活動の中で,と くに効果の大きかった技術的成果を挙げると,1)全量溶 銑予備処理により転炉スラグおよびダストの有効利用を 可能にしたこと,2)廃プラスチックの安定した高炉吹込 み技術を確立したこと,3)従来リサイクルが困難であっ た高 Zn ダストなどについては,当社が Midrex 社と共同 開発した FASTMET プロセスにより製鋼工程へのリサイ クルを実現したこと,などである。なお,同様の活動は 神戸製鉄所,真岡製造所など全社的に実施されており,

各方面から高い評価をえている。

  さらに,砕石濁水ケーキなどの泥土を水熱反応により 高強度な土木・建設材料に変えてリサイクルするプラン ト(エコサンドリサイマー)も開発し,砕石場で1号機 が稼動している。この処理方法は,従来の焼結固化処理 にくらべてきわめて低コストであり,かつ高品質の固化 製品がえられることから注目を浴びている。

  最後に,環境騒音低減をめざした静音化技術について 触れたい。最近は,新幹線の高速化や高速道路の交通量 増大などにともない環境騒音抑制に対する社会的ニーズ が高い。当社では,これに応えるべく,鉄道・道路用防 音壁,低騒音スチールハウス,新幹線用低騒音形材など 広範な防音製品,防音技術を開発し,快適性向上に貢献 している。

 以上述べたように,当社では長年にわたり培ってきた金 属材料の生産プロセス技術や機械・プラント技術などを 応用展開して,環境保全のための特徴ある製品やプロセ スを生み出してきた。今後は,環境との共生に対する社 会ニーズがさらに強まることは疑いがなく,当社として もそれに応えるべく将来に向けた技術開発をおこなって いる。その一端を紹介すると,高温空気燃焼による高効 率・環境負荷低減を狙った次世代ストーカ炉,浚渫土の 処理や土壌浄化技術,オゾンを利用した下水の高度処理 技術,電熱供給ハイブリッド型太陽光発電システム,な ど多岐にわたっている。今後とも,すぐれた技術を開発 して,顧客の幅広い要望に応え,環境保全に対する企業 としての責務を果たしていきたい。

神戸製鋼技報/Vol. 51 No. 2(Sep. 2001) 1

環境との共生をめざして

平田泰章

代表取締役副社長

Aiming at Environmental Symbiosis

Yasuaki Hirata

■特集:環境との共生・調和−機械/プロセス編  FEATURE : Advanced Processing Technologies for Environmental Protection

(巻頭言)

参照

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