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近未来への種蒔き

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Academic year: 2021

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2015 年日本光学会の研究動向 

巻頭言

近未来への種蒔き

佐  藤   学

(山形大学)

 最近は,インターネットの普及に伴い,キーを叩くだけでさまざまな情報が入手可 能であり,過剰なほどに便利な世の中である.われわれが気になる近未来の情報も例 外ではなく,それらの内容は,人口変動,GDPなどの世界情勢や主要成長産業などが 一般的である.光学に関係する成長分野は多岐に及ぶが,重要なところでは,モノの インターネットも含めたフォトニクスと関係が深い情報通信関連分野が挙げられよう.

 わが国の競争力に科学技術の持続的な革新や発展は必要不可欠であり,そこで大切 なのは人材であることは自明である.危惧されるのは 理科離れ であり,これは最近 の問題ではなく,日本に限らず先進国共通の課題である.20年ほど前に英国の大学教 員を案内したときも,まさにこの話題となったのを覚えている.特に問題は,理科の 成績はよくても学年が上がるにつれて興味が薄れることである.これは社会全体で対 策すべき課題であり,ここ数年,いろいろな学会で取り組みを積極的に行っているの は,周知の通りである.

 人材育成には短期と長期の両眼で腰を据えてじっくりと対峙すべきであるが,現実 にはどうであろうか.ここ数年,特に教育機関を取り巻く環境は,人的・物的の有効 活用のもと,さまざまな面から対応が必要とされている.限られた時間の議論を通 し,向かうべき課題に十分対応していくことは容易ではない.企業においても,この 時代,高いモチベーションをもって積極的に研究開発を行う優れた人材を育成する環 境整備はそう容易ではないと思われる.これらに対して,近未来に向けて種蒔きすべ きはまさに今である.教育機関でも企業でも,厳しい状況の中,先を見据えてどのよ うに,どの種蒔きをするかが問題である.種は環境を整えれば確実に芽を出し,ある 程度離したほうが大きく育つようである.

 従来,「光学」は,編集委員会での議論を通して特集を企画し,幅広い情報を会員の 方々に届けてきた. 光学 を産業の中で育成する意味から異分野との交流が広めら れてきたが,さらに社会のニーズの感度を高めて戦略的に交流の幅を広げる必要も感 じられる.この4月号では,光学の国内情勢を主要として,第一線の方々に国内外の 状況をご執筆いただき,多様な切り口での情報が盛り込まれている.今回もお忙しい 中,ご執筆いただいた方々に感謝するとともに,本誌が多くの方々の目にとまり,さ らに異分野の方々の興味を引いて,新しい芽が大きく成長することを期待したい.

参照

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