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日本腎臓学会よりCKD (Chronic kidney disease: 慢性腎臓病)診療ガイドラインが作成され 2009 年には改訂も行われています CKD という言葉が腎臓専門医以外でも通用するようになりつつあります そのCKD 診療ガイドラインの中で注目を集めたのは CKD 患者において ES

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Academic year: 2021

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連携便り

連携便り

より密接な、地域医療連携をめざして。

医療法人 鹿児島愛心会

大隅鹿屋病院

Vol.

4

・C・O・N・T・E・N・T・S・

特 集

低心機能透析患者に対する挑戦

 〜腹膜透析の可能性〜

新入職紹介

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  日本腎臓学会より CKD ( Chronic kidney disease: 慢 性 腎 臓 病 ) 診 療 ガ イ ド ラ イ ン が 作 成 さ れ、 2009 年 に は 改 訂 も 行 わ れ て い ま す。 CKD と い う 言 葉 が 腎 臓 専 門 医 以 外 で も 通 用 す る よ う に な り つ つ あ り ま す。 その CKD 診療ガイドラインの中で 注 目 を 集 め た の は、 「 CKD 患 者 に おいて、 ESKD ( End stage kidney disease 末 期 腎 不 全 ) の た め 透 析 導 入 さ れ る よ り も、 経 過 中 に CVD ( cardio vascular disease: 心 血 管 疾 患 ) に よ り 死 亡 す る リ ス ク が 高 い 」 と い う 点 で し た。 そ れ ま で CKD 患 者 は 腎 機 能 低 下 に よ り 透 析 を し な け れ ば な ら な く な る と い う 観 点 か ら の 対 応 を し て お り ま し た が、 CVD を 如 何 に 回 避 す る か と い う 観 点 か ら の 対 応 も 同 時 に 要 求 さ れ る 事 と な り ま し た。 そ う 言 わ れ て み

ております。   本 稿 で は minority と も 言 え る PD に 取 り 組 む き っ か け と な っ た 低 心 機 能 透 析 患 者 に 対 す る PD 療 法 について述べさせて頂きます。   鹿 児 島 県 第 2位 の 心 臓 カ テ ー テ ル 治 療 件 数 を 誇 る 循 環 器 内 科、 大 隅 半 島 唯 一 の 心 臓 血 管 外 科 を 有 す る 当 院 で は、 必 然 的 に 低 心 機 能 の CKD 患 者 も 多 く な り ま す。 そ の よ う な 中 で は、 「 心 不 全 治 療 の た め に 利 尿 剤 を 増 や し た ら 腎 機 能 が 悪 化 し た 」「 脱 水 気 味 に な っ て 腎 機 能 が 悪 化 し た か ら 利 尿 剤 を 減 ら し た ら 心 不 全 に な っ た 」 と い う 非 常 に 悩 ま し い 状 況 に 陥 り ま す。 ま た、 維 持 透 析 中 の 患 者 に お い て も、 「 除 水 を 増 や し た ら 血 圧 が 低 下 し て 透 析 を 早 め に 終 了 し た 」「 水 を 残 し て 終 了 し た ら 溢 水 状 態 で 救 急 搬 入 さ れ た 」 と い う 事 も し ば し ば 経 験 し ま す。 心 臓 と 腎 臓 と ど ち ら に 重 き を お い て 良 い の か 苦 悩 す る 事 と な り ま す。 6年 前、 私 は そ の 答 え を 見 い だ す 事 が 出 来 ず に 悩 み 続 け て い ま し た。 そ の よ う な 中、 低 心 機 能 の 透 析 患 者 に 対 す る PD の メ リ ッ ト が 学 会 で 発 表 さ れ て お り、 取 り 組んでみる事にしました。   一 般 的 に 低 心 機 能 の 透 析 患 者 に お け る PD の メ リ ッ ト は 以 下 の 事 項が挙げられます。 1.  持 ない 2.  シ め心機能への負担が少ない 3.カリウムの抜けが良い。   以 下 に 当 院 で 経 験 し た 3症 例 を 呈示します。 内科部長

 田 村 幸 大

日 本 腎 臓 学 会 腎 臓 専 門 医 日本救急医学会救急科専門医 る と、 私 の 恩 師 で あ る 湘 南 鎌 倉 病 院 腎 臓 内 科 の 小 林 修 三 先 生 は 透 析 導 入 に な る 患 者 に 対 し て「 様 々 な リ ス ク を 乗 り 越 え て、 透 析 ま で た ど り 着 け た 事 は 幸 運 で し た ね。 こ れ か ら は 透 析 を し な が ら 長 生 き す る 方 法 を 一 緒 に 考 え て 行 き ま し ょ う。 」と語っていました。   こ の よ う に CKD は CVD と 密 接 に 関 連 し て い る 事 が 明 ら か に な り ました。   さ て、 当 院 で は 現 在 約 105 名 の 透 析 患 者 を 管 理 し て お り ま す。 内 訳 は 血 液 透 析( HD ) 90名、 腹 膜 透 析( PD ) 10名、 血 液 透 析・ 腹 膜 透 析 併 用 5名 で す。 日 本 で は 透 析 患 者 の 4 % を 占 め る に す ぎ な い PD を 当 院 で は 5年 前 か ら 取 り 組 み 始 め ま し た。 様 々 な 症 例 を 経 験 し、 これまでに約 30例の PD 導入を行っ

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た。   労 作 時 呼 吸 困 難 が 消 失 し 、 頻 回 に 必 要 と し て い た 緊 急 透 析 を 完 全 に 回 避 す る 事 が 可 能 と な り ま し た ( N Y H A Ⅱ 度 ) 。 * 透 析 患 者 で は 体 液 量 の 指 標 と し て hANP ( human atrial natriuretic peptide )が 頻 用 さ れ て お り、 透 析 終 了 時 40~ 60pg/ml が 適 切 と さ れ ています。 * PD 併 用 後、 DW を 4 kg上 げ て い ま す が、 こ れ は PD 併 用 前 に 心 不 全 か ら 食 欲 が 低 下 し、 や せ て き て い た た め で す。 PD 併 用 に よ り 食 欲 が 回 復 し 食 事 摂 取 が 十 分 に 出 来 る よ う に な っ た 事 で DW を 上 げ て いく必要がありました。 症例 1: 52歳男性   腎 硬 化 症 の た め 6年 前 に 血 液 透 析導入。   5年 前 に 冠 動 脈 バ イ パ ス 術 を 施 行 さ れ た も の の、 心 機 能 低 下 ( EF30 % 台 ) が あ り、 HD 施 行 中 に 頻 回 に 血 圧 低 下 し 透 析 を 終 了 し な けれ ば ならない状態でした。 ・ メ チ ル 硫 酸 ア メ ジ ニ ウ ム( リ ズ ミック ®)内服 ・透析時間 5 時間への延長 ・ ECUM の併用 ・ HDF 施行   上 記 対 応 を し ま し た が、 透 析 中 の 血 圧 低 下 を 回 避 す る 事 は 困 難 で した。   そ の 一 方 で、 dry weight ま で 除 水 し な い と 溢 水 状 態 で 救 急 搬 入 さ れ る 事 を 繰 り 返 し、 透 析 困 難 症 の 状 態 で し た。 冠 動 脈 造 影 施 行 し て み た も の の、 追 加 治 療 を 要 す る 病 変 は 認 め ら れ ま せ ん で し た。 軽 労 作 で 呼 吸 苦 が 生 じ、 日 常 生 活 の 著 し い 制 限 が あ り、 NYHA Ⅲ 度 の 状 態でした。   当 初、 週 3 回 H D + 週 4 回 P D で 導 入 し た と こ ろ、 HD 間 も PD に よ っ て 除 水 が 行 わ れ て い る 事 か ら HD 中 の 除 水 が 不 要 と な り、 結 果 と し て HD 中 の 血 圧 低 下 が 見 ら れ な く な り ま し た。 そ の 後、 PD で の 除 水 量 の up に 伴 い 週 1回 HD + 週 5回 PD で安定しました。   さ ら に HD 単 独 療 法 時 は HD 中 の 血 圧 低 下 を 回 避 す る 為 に 導 入 困 難 で あ っ た RAS 系 阻 害 薬( ACE 阻 害 薬・ ア ン ギ オ テ ン シ ン 受 容 体 拮 抗 薬 ) の 導 入 も 可 能 と な り ま し

冠動脈造影所見

図 1 図 2 図 3 図 5 PD 併用後 DW:48.5kg,hANP( 透析前 / 後 ) :84.1/44.4,CTR:54.8% PD 併用前 DW:44.8kg,hANP( 透析前 / 後 ) :368.6/62.9,CTR:58.9% 図 4 PD併用前 HD開始時 PD併用前HD開始時 BUN (mg/dl) 71.6 48.6 Cr (mg/dl) 11.8 12.8 Alb (mg/dl) 4.1 3.7 β2MG (mg/dl) 37.4 38.2 表1 PD 併用後も透析効率の低下は認められ ませんでした。

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PD併用前 HD開始時 PD併用前HD開始時 BUN (mg/dl) 60.6 37.5 Cr (mg/dl) 11.0 10.1 Alb (mg/dl) 3.2 2.7 β2MG (mg/l) 31.5 26.2 表 4 PD 併用後も透析効率の低下は認められま せんでした。 図 6 図 7 図 8 LVDd/s (mm) (% )EF IVC (呼気 / 吸気) (mm) PD 併用前 54/46 30 15/13 PD 併用後 53/41 45 12/6 表 2 心エコー所見

左心室径の縮小、EF の改善、IVC compliance の改善を認めました。 PCWP (mmHg) (l/min/mCI 2) (mmHg)PA (mmHg)RA PD 併用前 44 2.47 79/31 8 PD 併用後 18 3.00 37/16 7 表 3 右心カテーテル所見 PCWP,PA,RA の圧は低下する一方で、CI の改善を認めま した。   PD 併 用 療 法 を 開 始 し た と こ ろ、 本 症 例 に お い て も 週 1回 HD + 週 5回 PD で の 管 理 が 可 能 と な り ま した。   さ ら に RAS 系 阻 害 薬 ,Carvedilo 図8 PD 併用前 DW:67.5kg,hANP(透析前 / 後) :564.5/291.7,CTR:59.0% 図9 PD 併用後 DW:59.6kg,hANP(透析前 / 後) :−/72.8,CTR:45.8% 症例 2: 71歳男性   8 年 前 に 急 性 心 筋 梗 塞・ う っ 血 性 心 不 全 で 入 院。 左 前 下 行 枝 の 完 全 閉 塞 を 認 め、 PCI 施 行。 そ の 際、 Cr4.7 と 腎 機 能 悪 化 を 指 摘 さ れ て お り ま し た 。 6年 前 に HD 導 入、 導 入 時 す で に UCG に て EF41 % と 低 下 し て い ま し た が、 年 々 悪 化 し、 血 圧 の 低 下 も 頻 回 と な り ま し た。 冠 動 脈 造 影 施 行 し て み た も の の 追 加 治 療 を 要 す る 病 変 は 認 め ら れ ま せんでした。   症 例 1と 同 様 の 対 応 を し ま し た が、 透 析 中 の 血 圧 低 下 を 回 避 す る 事 は 困 難 で し た。 軽 労 作 で 呼 吸 苦 が 生 じ、 日 常 生 活 の 著 し い 制 限 を 認め NYHA Ⅲ 度でした。

冠動脈造影所見

# 1:1 00 % ,# 6:2 5% ,# 7:2 5% ,# 9:9 0% ,# 12 :90% ( small ) ,#14:50% , collateral:LAD → RCA   右 冠 動 脈 近 位 部 よ り 慢 性 完 全 閉 塞 を 認 め ま し た が、 側 副 血 行 路 が 発 達 し て お り、 同 部 位 へ PCI 施 行 し て も 心 機 能 の 改 善 に は 繋 が ら な い と 判 断 し、 PCI 施 行 し な い 方 針 としました。 l,Spironolactone の 3剤 を 併 用 開 始 しました。

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症例 3: 56歳男性 ( 循 環 器 内 科 部 長  古 賀 敬 史 先 生 が 当初担当されました)   XX 年 7月 5日、 仕 事 中 に 突 然 胸 痛 出 現 し、 60分 後 に 救 急 搬 入 さ れ ま し た。 冠 動 脈 造 影 の 準 備 中 に 心 肺 停 止 と な り、 心 肺 蘇 生 を 行 い な が ら 経 皮 的 心 肺 補 助 装 置  ( 以 下 PCPS )、 大 動 脈 内 バ ル ー ン パ ン ピ ング (以下 IABP ) を挿入しました。   PCPS,IABP 挿 入 に よ り 心 拍 再 開。 左 冠 動 脈 主 幹 部 の 亜 完 全 閉 塞 を認め、 PCI 施行しました。   ICU 入 室 後、 PCPS,IABP 挿 入 部 か ら の 出 血、 PCPS に よ る 溶 血 の た め 赤 血 球 濃 厚 液 の 輸 血 約 10L を 要 し ま し た。 ま た、 心 原 性 シ ョ ッ ク の た め、 収 縮 期 血 圧 60 mmHg 前 後 で 推 移 し ま し た。 PCPS,IABP 挿 入 部 の 出 血、 感 染 の 合 併 の た め、 PCPS,IABP の 早 期 離 脱 が 必 要 と な り、 カ テ コ ー ル ア ミ ン の 投 与 に て 循 環 動 態 を 維 持 し つ つ 第 10病 日 PCPS 離 脱、 第 11病 日  IABP 離 脱 に成功しました。   し か し、 そ の 後 進 行 性 に 腎 機 能 が悪化し、第 24病日 BUN144.1,Cr5 .66 と な っ た た め CHDF 開 始 し ま した。尿所見 : 蛋白 (−) 、血尿 (−) 、 好 酸 球( − ) で、 コ レ ス テ ロ ー ル 塞 栓 症 を 示 す 皮 膚 所 見 も 認 め ら れ ず、 低 血 圧 に 伴 う 腎 血 流 低 下 が 原 因と推測されました。   CHDF 開 始 後 も わ ず か な 除 水 で シ ョ ッ ク 状 態 と な り CHDF の 継 続 自体が困難となりました。 後 で 推 移 し た も の の、 ARB, β 遮 断 薬 導 入 も 可 能 と な り、 人 工 呼 吸 器 からの離脱にも成功しました。 LVDd/s (mm) (% )EF IVC (呼気 / 吸気) (mm) PD 併用前 73/64 24 18/10 PD 併用後 53/43 38 14/9 表 5 心エコー所見 左心室径の縮小、EF の改善、 IVC compliance の改善を認めました。 PD 併用前 PD 併用後 PCWP (mmHg) 29 13 CI (l/min/m2) 2.27 1.80 PA (mmHg) 57/28 25/7 RA (mmHg) 11 2 表 6 図 11 図12 第 39 病日 : 体重 51.6kg, BNP 1873.9pg/ml 図13 第 56 病日 : 体重 42.8 kg, BNP658.4 pg/ml PCWP,PA,RA の圧は低下しておりました。CI はむしろ 低下しておりましたが、RA 圧が著明に低下しており、体 液量減少のために CI まで低下したものと推測しました。   透 析 用 ダ ブ ル ル ー メ ン カ テ ー テ ル か ら の 菌 血 症、 不 安 定 な 循 環 動 態、 肺 水 腫 持 続 の た め PD へ 移 行 す る 方 針 と し、 第 39病 日  PD カ テーテル植え込み施行。   PD 導 入 後、 血 圧 は 80mmHg 前

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ca rd io va sc ula r dis ea se in d ia ly sis patients で は 透 析 患 者 の 心 不 全 に 対 し て ACEI/ARB, β 遮 断 薬 の 投 与 が 推 奨 さ れ て い ま す。 ま た、 厳 格 な 体 液 量 の コ ン ト ロ ー ル も 重 要 とコメントされています。   し か し、 3症 例 と も に HD 施 行 中 の 頻 回 の 血 圧 低 下 の た め、 HD 施 行 下 で は い ず れ も 達 成 が 難 し い 状 況 で し た。 心 機 能 低 下 の た め HD 継 続 が 困 難 と な っ た 中 で、 PD

考 

  重 症 心 不 全 に 対 す る PD 療 法 は 以 下 の よ う に 複 数 の 報 告 が あ り ま す。 T he ro le of pe rit on ea l d ial ys is in th e t re atm en t o f r efr ac tor y h ea rt fa ilu re . Kagan A Nephrol Dial Transplant - 01-JUL-2005 ;20 Suppl 7 : vii28 -31 C on tin uo us am bu lat or y p er ito ne al dia ly sis is eff ec tiv e f or p ati en ts w ith se ve re co ng es tiv e h ea rt fa ilu re . - T ak an e H - A dv P eri t D ial - 01-JAN-2006 ;22 : 141-6 P er ito ne al dia ly sis in co ng es tiv e he ar t fa ilu re .

Adv Perit Dial

. 2007; 23:82-9. Review.   HD 患 者 で は 低 心 機 能 の た め に HD 継 続 困 難 と な る 症 例 を し ば し ば 経 験 し ま す。 そ の よ う な 患 者 で は HD 施 行 中 の 血 圧 維 持 を 目 的 と し て、 様 々 な 対 応 が さ れ ま す が、 な お も 血 圧 低 下 を 回 避 で き な い 症 例 が あ り ま す。 K/DOQI cli nic al pr ac tic e gu id eli ne s fo r 図 12 PD 導入後に NYHA の改善を認めています。 併 用 に よ り 体 液 量 の コ ン ト ロ ー ル が 可 能 と な り、 さ ら に 常 に 緩 徐 に 除 水 が 行 わ れ て い る た め 血 圧 低 下 を 回 避 し つ つ RAS 系 阻 害 薬、 β 遮 断 薬 を 投 与 す る こ と で 心 機 能 の 改 善が得られたものと考えられます。

まとめ

  HD 継 続 が 困 難 と な っ て い た 低 心 機 能 の HD 患 者に、 PD 併 用、 心 図 11 PD 導入後に EF の改善を認めています。 不 全 治 療 の 基 礎 薬( ACEI/ARB 、 β 遮 断 薬、 K 保 持 性 利 尿 薬 ) を 投 与 す る 事 で 心 不 全 の 改 善 を 認 め ま し た。 単 に 低 心 機 能 で HD 継 続 困 難 と な っ た 症 例 に 対 す る 代 替 手 段 と し て PD を 行 う の で は な く、 心 機 能 改 善 を 目 的 と し て PD 併 用 を 行 う 事 が 治 療 法 の 一 つ と し て 確 立 されうるものと考えられました。 ( そ の 後、 症 例 数 は 増 え、 同 様 の 症 例 2例を PD 導入しました)

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  病 院 前 の 救 急 体 制 も 重 要 と 言 わ れ て お り、 大 隅 半 島 に は 熱 い 救 急 隊 の 方 が お ら れ る の で、 協 力 し て 救 急 医 療 体 制 を よ り 向 上 さ せ て 行 け た ら と 思 い ま す。 大 隅 半 島 は 広 い た め に 病 院 ま で の 到 着 時 間 が 長 い 場 合 が あ る た め、 心 肺 停 止 の 方 に は bystander CPR が 特 に 重 要 と 思 わ れ ま す。 心 肺 蘇 生 法 の 普 及 に も努めて行きたいと思います。   も ち ろ ん 未 熟 な 点 が あ り、 全 て の 患 者 様 に 満 足 し て 頂 け る 訳 で は あ り ま せ ん が、 鹿 児 島 市 内 の 病 院 で は 手 に 負 え な い と 言 う 理 由 で 鹿 屋 ま で 救 急 患 者 さ ん が 転 送 さ れ て く る( 実 際 に 転 送 さ れ て く る の は 望 ま し く な い と 思 い ま す が ) よ う な 救 急 救 命 セ ン タ ー が 出 来 た ら と 思っています。   救 急 医 療 は ス タ ッ フ の 教 育 の 場 と し て も 適 し て い る と 思 い ま す。 様 々 な off-the job training が 行 わ れ て い ま す が、 救 急 に 関 す る も の も 多 い で す。 い く つ か の 講 習 会 に 関 わ ら せ て 頂 い て い ま す の で、 院 内 だ け で な く 地 域 の 医 療 従 事 者 の 方 々 に 救 急 医 療 の 楽 し さ を 伝 え て 行けたらとも考えています。   当 院 は 大 隅 半 島 唯 一 の 基 幹 型 臨 床 研 修 指 定 病 院 で す。 来 年 度 は 多 く の 若 い 先 生 に 研 修 に 来 て 頂 け る 予 定 で す。 皆 様 か ら も 色 々 と ご 指 導 を 頂 き、 立 派 な 医 師 と し て 育 っ て 頂 け る よ う 頑 張 り た い と 思 い ま す。 鹿屋で日本一の研修が出来る! と、 都 会 か ら も 北 海 道 や 沖 縄 か ら も 研 修 医 の 先 生 が 来 て く れ る よ う になれ ば と考えています。   救 急 患 者 さ ん の 中 に は 骨 折 や 脱 臼 を 起 こ し た 方 が た く さ ん お ら れ ま す。 多 く は 命 に 関 わ る 事 が な く、 整 形 外 科 の 先 生 に お 願 い す れ ば 良 か っ た の で、 今 ま で 整 形 外 科 の 患 者 さ ん は 避 け て い た 感 が あ る の で す が、 や は り 救 急 を す る 上 で 避 け て 通 れ ま せ ん。 鹿 屋 に 戻 る の を 良 い 機 会 と と ら え て、 し ば ら く 整 形 外 科 の 勉 強 を さ せ て 頂 く 事 に な っ て い ま す。 研 修 医 を や り 直 す 気 持 ちで頑張ります。   ま だ ま だ 不 勉 強 な 事 が 沢 山 あ り ま す の で、 皆 様 の ご 指 導 を 頂 け た ら幸いに存じます。

救急部長

 

木村

 

圭一

  皆 様、 こ ん に ち は。 こ の 度 救 急 医 と し て 働 か せ て 頂 く 事 に な り ま し た 木 村 と 申 し ま す。 平 成 15年 7 月 か ら 平 成 20年 8月 ま で の 5年 間 こ ち ら で 働 か せ て 頂 い て い ま し た の で、 お 久 し ぶ り で す と 言 う べ き かもしれません。   私 の 生 ま れ は 名 古 屋 で す。 高 校 は 川 島 な お 美 さ ん と 同 じ 中 村 高 校 で す( と 言 っ て も お 会 い し た 事 は あ り ま せ ん が )。 名 古 屋 弁 が バ カ に さ れ る と 聞 い て い た の で、 遠 く の 大 学 は 避 け、 静 岡 県 の 浜 松 医 科 大 学 で 勉 強 し ま し た。 平 成 4年 に 名 古 屋 徳 洲 会 総 合 病 院 に 研 修 医 と し て 入 職 し、 当 時 名 古 屋 に 勤 務 さ れ て い た 井 戸 院 長 と 利 光 副 院 長 の 素 晴 ら し さ に 魅 か れ て 一 般 外 科 医 に な り ま し た。 そ の 後 井 戸 院 長 が 鹿 屋 に 転 勤 さ れ た の に 伴 い 1ヶ 月 遅 れで鹿屋に来させて頂きました。   も と も と 救 急 医 療 に 興 味 が あ っ た の で 徳 洲 会 に 入 職 さ せ て 頂 き ま し た し、 鹿 屋 で 色 々 な 方 に 救 急 に つ い て ご 指 導 頂 い た の で、 途 中 か ら 救 急 を 専 門 に さ せ て 頂 い て い ま す。   家 庭 の 事 情 な ど で 昨 年 名 古 屋 徳 洲 会 総 合 病 院 に 戻 っ た の で す が、 家 内 も 私 も 鹿 屋 が 忘 れ ら れ ず、 ま た 戻 っ て 来 ま し た。 横 井 庄 一 さ ん のような気分です。   救 急 医 療 の 崩 壊 が マ ス コ ミ で 報 道 さ れ て、 救 急 医 療 か ら 撤 退 す る 病 院 が 増 え て い ま す が、 徳 洲 会 は 「 救 急 医 療 こ そ が 医 療 の 原 点 で あ る 」 と 言 う 理 事 長 の お 言 葉 通 り、 救 急 医 療 を 一 番 重 要 な 分 野 と 位 置 づけています。   救 急 医 療 は 一 人 の ス ー パ ー ド ク タ ー が い れ ば 患 者 さ ん が 助 か る と 言うものではなく、 様々な科のバッ ク ア ッ プ や、 多 く の ス タ ッ フ の 力 が 必 要 で す。 何 よ り も 必 要 な の は、 全 て の ス タ ッ フ の「 患 者 さ ん を 助 け た い!」 と 言 う 気 持 ち だ と 思 い ま す。 大 隅 鹿 屋 病 院 に は 熱 い 思 い を 持 っ た ス タ ッ フ が 沢 山 お り、 救 急医療を行うのに適した環境です。

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「厚生労働省臨床研修指定病院」 ●開  設:昭和63年8月 ●病 床 数:一般275床/療養型38床 ● 診療科目 内科・呼吸器内科・呼吸器外科・消化器内科・消化 器外科・循環器内科・心臓血管外科・外科・整形外 科・脳神経外科・放射線科・泌尿器科・耳鼻咽喉科・ リハビリテーション科・リウマチ科・肛門外科・麻酔科・ 救急科・歯科口腔外科 〒893-0015鹿児島県鹿屋市新川町6081番地1 TEL 0994-40-1111 FAX 0994-40-4579 http://www.kanoya-aishinkai.com/ 医療法人 鹿児島愛心会

大隅鹿屋病院

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