線型代数学演習第 6 回
(A ターム水曜 4 限,理 2,3 1–7 組)土岡 俊介 2016 年 12 月 21 日
• 小木曽先生の授業の成績+レポート(最終日12/21に配布)によって成績が決まります.
• 配布される解答はhttp://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~tshun/2016a.html にもあり ます.またそこからメッセージフォームにリンクを張っています.匿名で要望等あれば,お 気軽にどうぞ.
• 授業あるいは線型代数の理解を深めることが目的なので,自分にあった問題に取り組んでく ださい.友達と議論したり,webを調べるのもご自由に.
1 概要
(S1) 授業では,自己線型写像の対角化可能性,内積空間,グラム・シュミット直交化法を扱いま した.
(S2) 今日は試験対策と復習をし,いくつか数学に関する名言・格言を紹介します(後者は線型代 数と関係なし).
1
2 確認
(A1) V を実内積空間とする.v,w∈V は(v,w) = 0となるとき直交する(v⊥wと書く)と言 い,√
(v,v)をvの長さ(||v||と書く)と言う.v,w∈V について,以下を示せ.
1. ||v+w||2+||v−w||2= 2(||v||2+||w||2) 2. v⊥w⇔ ||v+w||2=||v||2+||w||2 3. (v+w)⊥(v−w)⇔ ||v||=||w||
(A2) R3に通常の内積を考え,実直交線型空間とみなす.基底
1 0 1
,
1 1 1
,
0 1 1
にグラム・シュミット直交化法を施し,正規直交基底にせよ.
(A3) V を実直交線型空間とし,W ⊆V を実部分空間とする.W⊥∩W ={0}を示せ.
(A4) V を実直交線型空間とし,v1,· · · ,vnを正規直交基底とする.任意のv∈V について v= (v,v1)v1+· · ·+ (v,vn)vn
となることを示せ.
(A5) R3に通常の内積を考え,実直交線型空間とみなす.R3の以下の部分空間
W1={t(x, y, z)∈R3|x/2 =y/3 =z/4}, W2={t(x, y, z)∈R3|x+ 4y+ 8z= 0} について,直交補空間W1⊥, W2⊥を求めよ.
(A6) 行列A =
0 0 −1
0 1 0
−1 0 0
を実直交行列で対角化せよ.すなわち,直交行列P であって,
D:=tP AP が対角行列になるようなPとDを求めよ
注意:(A3)はまだ授業でやっていません.W⊥ :={v∈V | ∀w∈W,(w,v) = 0}です.
注意:(A6)はまだ授業でやっていません.次が概要です:
1. n×n実行列P が実直交行列とはtP P =PtP =Enとなることと定義されます.
2. n×n実行列Aが実対称行列とはA=tAとなることと定義されます.
3. 任意の実対称行列Aについて,ある実直交行列P が存在して,tP AP は対角行列になるこ とが知られています(きっと授業で扱うでしょう).求め方は以下の通りです:
• Aは対角化可能なのでD:=Q−1AQが対角行列になるようなQを求めます.
• Q = (q1,· · · ,qn)と実ベクトルq1,· · ·,qn ∈Rnを用いて書くと,q1,· · · ,qn はRn の基底になっています(Qが正則だからです).
• q1,· · · ,qn にグラム・シュミット直交化法を施して p1,· · ·,pn を得るとき,P = (p1,· · · ,pn)が求めるものになっています.
2
3 解き残っているボーナス問題
第2回の(C6.3) n×n行列Aについて,rank(A) = n−1ならばrank(A) = 1e を示せ(ヒント:AAe = AAe = det(A)En).
第2回の(C9)の一部 A, Bをn×n行列とするとき(ここでn≥2),ABg=BeAeを示せ(ヒント:ケーリー・ハ ミルトンの公式の証明を思い出す).
第3回の(B3) 自己線型写像f :V →V が,ある自然数m≥1についてfm = 0となるとき,idV −f は 同型写像であることを示せ(ヒント:実は簡単).
第3回の(B4) K成分n×n次行列のなすK 線型空間をMn(K)と書くことにしよう(和は行列の和で,
スカラーc倍は行列のすべての成分をc倍する).任意の K 線型写像f : Mn(K) → K は,あるA ∈ Mn(K) を用いてf(X) = tr(AX) と書かれることを示せ(ヒント:V が 基底 v1,· · · ,vn を持つ K 線型空間のとき,線型写像 f : V → W を定めることと,
f(v1),· · ·, f(vn)∈W を定めることは同値).
第4回の(C2) 複素数α∈Cについて,lim
n→∞αnが存在する条件は「|α|<1またはα = 1」である.では n×n行列Aについて, lim
n→∞Anが存在する条件は何か?(ヒント:ジョルダン標準形).
第4回の(C3) n×n行列Aが,
(X Y O W
)
と区分けされているとする(ここでXはm×m行列,Y は m×(n−m)行列,Oは(n−m)×m零行列,W は(n−m)×(n−m)行列).Aが対角 化可能ならば,Xも対角化可能であることを示せ(ヒント:最小多項式).
第5回の(A9) 今,この 723教室で演習を受けている学生の集合を V とする.V にどのような加法 + :V ×V →V と,スカラー倍R×V →V を定義したとしても,V は決してR線型空間 の公理を満たさないことを示せ(ボーナス問題).
第5回の(A10) 対角化可能なn×n 行列 A, B は,AB = BAであれば,A と B は同時対角化可能で ある(ある可逆行列P が存在して,P−1AP とP−1BP が共に対角行列になる)ことを 示せ.(ボーナス問題,ヒント:A が対角化可能⇔ Cn = ⊕
α:Aの固有値
Vα だが(ここで Vα={v∈Cn|Av =αv}はAの固有値αの固有空間),FBが各Vαにどう作用するか考 えてみる).
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