鹿児 島湾湾 口部 における成層期 の残差流構造
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(2) 鹿 県島湾湾 口部 にお ける成層 期 の残差流 構造. 997. 定 常 な 動 態 を 明 ら か に す る た め,こ 2007年 Line3. 3.. れ ら の 点 を 考 慮 し,. に 流 速 計 の 係 留 に よ る 連 続 観 測 を 実 施 し た. 流 速 の 係 留 観 測. (1) 係 留 観 測 の 概 要 係 留 地 点 と し て,で た 場 所 で,し 130°42'12"E,水. 深105m)とB点(31°11'00"N,. 130°43'30"E,水. Line3. き る だ け フ ェ リ ー の 航 路 か ら離 れ. か も 漁 業 権 の な いA点(31°11'00"N,. 深79m)を. 選 定 し た(図‑1).. 流 速 計 に はAANDERAA社. 製RCM8を. 流 速 の 測 定 間 隔 は20分 はA点. し た.観. 10月22日,B点. 図‑2. 方 向 を 意 味 す る,上 29日),下. 図:「. 図:「. の数値 は湾 内 への 流入. 上 層 流 出,下. 上 層 流 入,下. 層 流 入 」(2005年9月. 層 流 出」(2004年6月23日)). 計8台. 用 い た.. 速 計 の設 置 水 深 で15m,30m,45. 測 期 間 はA点. は8月23日. の 模 式 図 を 図‑3に. 停 潮 時付近 の流 況パ ター ンの例. た,流. で20m,40m,60m,80m,B点. m,60mと. (図 中 の 数 値 は流 速 の 南 北 成 分 で,正. と し た.ま. が2007年8月24日. か ら10月22日. で あ る.係. か ら 留系. 示 す.. (2) 係 留 観 測 の結 果 枕 崎 の 潮 汐 な らび にB点 に示 す.な. お,A点. で の 流 速 の 南 北 成 分 を 図‑4. に お いて 上 ・下 層 につ い て 欠 測 デ ー. タ が 多 か っ た.ま た 係 留 地 点 で は 湾 軸 方 向 が概 ね 南 北 方 ン に分 類 で き る こ とが 明 らか と な った(図‑2,表‑1). と こ ろ で,従 来 の研 究 で は,混 合 期 に お いて,湾 で 「東 側 流 入,西 層 流 出,下. 向 と一 致 す る た め,海 水 交 換 は南 北 成 分 に よ って 規 定 さ 口部. ら にADCPに. よる観測 結果. で は,水 平 方 向 よ り も鉛 直 方 向 の 流 況 変 化 が 卓 越 して い. 層 流 入 」 とい う3つ の 残 差 流 パ タ ー ンが 出 現. た た め,本 論 文 で は,湾 口東 側 の 地 点 の鉛 直 循 環 流 パ ター. し,こ の 中で 「 上 層 流 入,下. 層 流 出 」が 卓 越 して 出現 す. る こ とが 報 告 され て い る.ま. た成 層 期 に お い て は,「 東. 側 流 入,西. れ て い る と 考 え ら れ る.さ. 側 流 出 」,「上 層 流 入,下 層 流 出」,「上. 側 流 出」 と 「上 層 流 出,下. 層 流 入 」 のパ タ ー. ンの み に着 目 し,B点. の 流 速 の南 北 成 分 を検 討 対 象 と し. た.流 速 の南 北 成 分 を25時 間移 動 平 均 し,残 差 流 を算 出 した 結 果 を 図‑5に 示 す.ADCPに. よ る横 断 観 測 か ら,成. ンが 出現 し,後 者 のパ タ ー ンが 卓 越 して 出現 す る こ とが. 層 期 に お い て,2つ. 明 らか に され て い る(櫻 井 ら,2000). 一 方 ,本 観 測 結 果 で は,成 層 期 に お い て も,「 上 層 流. る可 能 性 が 示 され た が,本 連 続 観 測 か ら も,ADCP観 の 結 果 と同 様 に,「 上 層 流 出,下. 入,下. 下 層 流 出」 の2つ の パ タ ー ンが 実 際 に 形 成 さ れ て い る こ. 層 流 出」 とい う特 徴 的 な 流 況 パ タ ー ンが 停 潮 時 付. 近 に 出 現 して お り,こ の 結 果 か ら,混 合 期 だ け で な く成 層 期 に お い て も 「上 層 流 入,下. 層 流 出」 とい う残 差 流 パ. の 残 差 流 パ ター ンが卓 越 して 出現 す 測. 層 流 入 」 と 「上 層 流 入,. とが 確 か め られ た. ま た,完 全 に一 致 して い る わ けで は な い が,A点. とB. タ ー ンが 形 成 さ れ て い る可 能 性 が 示 され た.た だ し,本. 点 で ほ ぼ 同 時 期 に 同 じパ タ ー ンが 出現 す る こ と多 い こ と. 観 測 結 果 に は潮 流 の 影 響 が 少 な か らず 含 ま れ て お り,さ. が 確 認 で きた.そ. れ ぞ れ の パ タ ー ンが 継 続 す る期 間 は最. らに,停 潮 時 付 近 の 流 速 パ ター ンの ス ナ ップ シ ョ ッ トし か得 られ て い な い た め,残 差 流 パ タ ー ンの形 成 メ カ ニ ズ ム の 考 察 に は不 十 分 で あ る.成 層 期 に お け る残 差 流 の非 表‑1. ADCP観. 測 の結 果(○:観. 上,×:観. 測 流速 が 推算 潮 流 の2倍 以. 測流 速 が推算 潮流 の2倍以 下). 図‑3. 係 留系 模式 図.
(3) 998. 海. 図‑4. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 枕崎 潮位 とB点 の流速 の経 時変化(流 速 の正 の値 は湾へ の流入 方 向 に相 当 す る). 図‑5. 25時 間移 動平 均流 速 の経 時変化. (破線 で囲 まれ た期間:「 上 層流 入,下 層 流 出」,実線 で囲 まれた期 間:「 上層 流 出,下 層流 入」) 長 で5日 程 度 で あ り,A点 (流 出 方 向),下. の 最 大 流 速 は 上 層 で10cm/s. 層 で35cm/s(流. 出 方 向),B点. の最大 流. 速 は上 層 で15cm/s(流. 入 方 向),下. 向)で. き な 流 入 や 流 出 が あ る場 合,A点,. あ る.ま た,大. 層 で13cm/s(流. 入方. B点 と もに,上 層 と下 層 で 逆 向 きの 流 向 とな って い る こ と が 多 い. 4.. らか に され て い る.こ の た め 次 に,こ. の よ うな 水 温 の水. 平 構 造 の 影 響 に つ い て 調 べ た. 具 体 的 に は,水 産 技 術 開 発 セ ン タ ー(ホ ー ムペ ー ジア ドレ ス:http://kagoshima.suigi.jp/index.aspx)に よ って 配 信 さ れ て い る,鹿 児 島 一那 覇 間 を運 行 す る 「フ ェ リー な. 残 差 流 パ タ ー ン形 成 メ カ ニ ズ ム に つ い て の 考察. (1) 河 川 流 量 と風 の 影 響 表 層 と底 層 の両 方 で,よ たB点. 水 温 差 と残 差 流 パ タ ー ンの 間 に相 関 関 係 が あ る こ と が 明. り長 期 間 の 観 測 結 果 が 得 られ. で の 結 果 を 用 い て 残 差 流 パ タ ー ンの 形 成 メ カ ニ. ズ ム を 考 察 した.ま ず,タ. ンク モ デ ル を用 い て 計 算 した. 全 河 川 流 量 の 日平 均 値 と残 差 流 との 相 互 相 関 を 調 べ た と. み の う え(マ. ル エ ー フ ェ リ ー(株)所. 有)」 で 取 得 さ れ. た水 深10mの. 水 温 デ ー タ を 用 いて,B点. の残 差 流 時 系 列. と の 比 較 を行 っ た.代. 表 的 な 結 果 と して,8/25と9/8の. 水 温 分 布 な らび に,混. 合 期 で あ る10/30の 水 温 の 分 布 を. 図‑6に 示 す.北 緯31.6〜30.0度 の移 動 に約5時 間 か か っ て い る が,B点. を 通 過 す る 時 刻 か ら 判 断 す る と,9/8は. 「上 層 流 出,下. 層 流 入 」,8/25は. こ ろ,両 者 の 間 に相 関 関 係 は見 られ な か っ た.鹿 児 島 湾. 点Bに. へ 流 入 す る河 川 は全 て 二 級 以 下 の 河 川 で ,河 川 流 量 が 湾. Rの 緯 度 も示 して い る.. ス ケ ー ル に 対 し小 さ い こ とか ら,河 川 流 量 が 残 差 流 に与. 「上 層 流 入,下. の 残 差 流 パ タ ー ンに対 応 して い る.ま た,図 加 え て,櫻 井 ら(2000)が. 層流 出」. 中 に は観 測. 水 温 差 を 求 め た地 点S,. まず,成 層 期 に お け る 表 層 水 温 の水 平 構 造 の特 徴 を 整. え る影 響 は小 さか った もの と考 え られ る.同 様 に 風 と残. 理 す る(な. 差 流 の比 較 も行 った が,両 者 の 間 に も相 関 は見 られ なか っ. 緯 度:約31°Nで. た.最. 合 期 に は 地 点S,Rの. 水 温 差 は3〜4℃ と な る こ とが 報 告. た こ と か ら,風 の 影 響 が そ れ ほ ど強 く現 れ なか った もの. さ れ て い る が,8,9月. に は 日射 の 影 響 が 強 く,黒 潮 の 温. と考 え られ る.. 度 と変 わ らな い く ら い に ま で 湾 内 表 層 水 は 加 熱 さ れ るの. も水 表 面 に近 い観 測 点 が 水 面 下15mの. 位 置にあ っ. お,観. 測 点Bの. 緯 度:31.183°N,佐. あ る).櫻. 井 ら(2000)に. 多 岬の よ って,混. (2) 水 温 の 水 平 構造 の影 響. で,湾. 上 記 の よ うに 風 や 河 川 水 の 流 入 の影 響 は,特 徴 的 な 残. で水 温 が 極 大 とな って い る分 布 が 見 られ る が,こ. 内外 で の水 温 差 は小 さ い.ま た,北 緯31.4度 付 近 れは こ. 差 流 パ タ ー ンの 形 成 に対 して ほ とん ど無 視 で き る こ とが. の点 を 境 に フ ェ リー が 東 西 方 向 の 進 路 を変 え る こ と の影. 明 らか に な った.と. 響 と考 え られ る(フ. こ ろ で,メ. カニズムへの直接 的な言. 及 は な さ れ て い な い も の の,従 来 の研 究(櫻. 井,2000). で は,成 層 期 と混 合 期 い ず れ に お いて も,湾 内 と湾 口 の. 北 緯31.4度 付 近 で,そ. ェ リー が北 上 す る場 合 を 例 に取 る と, れ ま で の 西 か ら東 へ の進 路 が,東. か ら西 へ と変 化 す る).鹿. 児 島 湾 湾 央 部 の表 層 で は,成.
(4) 999. 鹿 児 島湾湾 口部 に おけ る成 層期 の残 差流 構造. 成 層 期 は表 層 水 温 の 空 間 的 な差 が 小 さ く,表 層 水 温 の み で はバ ロ ク リニ ッ ク圧 の差 を説 明 で き な い と考 え られ る. (3) ADCP,STD観. 測 か ら得 ら れ た 結 果 の 考 察. 2章 に示 したSTDを. 用 い た観 測 で は,湾 軸 方 向 に複 数. の 塩 分 ・水 温 の 鉛 直 分 布 が 観 測 さ れ て い る.た 2007年8,9月. だ し,. に つ いて は 湾軸 方 向 の観 測 地 点 が 限 られ て. い た た め,そ れ 以 外 の結 果 を 対 象 に,前 節 で の 考 察 を 踏 ま え つ つ 改 め てADCPの た.ま. 断 面 観 測 結 果 につ い て 考 察 し. ず,残 差 流 よ り も潮 流 の 影 響 が 大 き く現 れ て い る. 結 果 を 除 去 す る た め に,定 点 観 測 の結 果 か ら潮 流 の 調 和 定 数 を算 出 した 後,調 和 解 析 に よ り潮 流 を 推 定 し,こ の 図‑6. 表層 水温 の水 平構 造. 結 果 と,ADCPに. よ って 得 られ た 停 潮 時 付 近 の流 速 と を. 比 較 した(表‑1).実. 測 の 流 速 が 推 算 潮 流 よ り も2倍 以 上. 層 期 に 東 岸 側 に 高 温 水 が 存 在 して い る た め,東 西 方 向 の. に大 き い結 果(表‑1中. 進 路 の 変 化 に よ り水 温 変 化 の傾 向 も変 わ った と考 え られ. に,湾 軸 方 向 のバ ロ ク リニ ック圧 の 勾 配 と残 差 流 パ タ ー. みを対象. ン との 関 係 を調 べ た.な お,前 節 で 示 した よ うに,バ. る. 次 に,残 差 流 パ タ ー ン と水 温 の 水 平 構造 の 関 係 を調 べ た.大. の 記 号 「○ 」 に相 当)の. き く分 類 す る と,「 上 層 流 出,下. す る場 合,北. 緯31.0〜31.3度 の 区 間 で,水. 高 くな る傾 向 が 見 られ た.ま た,図‑6に. 層流入」が 出現 温 は湾奥側 に 見 られ る よ う に,. らば,北. 緯31.0〜31.3度 の 区 間 の マ ク ロ な水 温 構 造 で 密. 度 流 が 発 生 して い る こ と に な る.こ の点 を考 慮 して,複 数 の 観 測 点 か ら図‑1の 地 点C,Dを. 選 定 し,2点. B点 近 傍 で は局 所 的 に表 層 水 温 の 勾 配 の 符 号 が 変 わ りや. ロ ク リニ ック圧 の 差 を求 め た.バ. す い こ と も確 認 さ れ た.B点. 基 準 密 度 で 除 した 値 を求 め た 後,そ. 付 近 は周 辺 よ り も水 深 が 浅. ロ. ク リニ ック圧 の勾 配 に よ っ て残 差 流 が 形 成 さ れ て い る な. 間 のバ. ロ ク リニ ッ ク圧 の差 を の水 深 平 均 値 か らの. く,成 層 が 破 壊 さ れ や す い た め,こ の よ う な局 所 的 な 変. 偏 差 △p'/ρ0の. 化 が 生 じた もの と考 え られ る.仮 に残 差 流 の形 成 が バ ロ. と,密 度 と流 速 の 観 測 日に は1〜3日 の ず れ が あ る もの の,. ク リニ ッ ク圧 の勾 配 で 説 明 で き るな らば,B点. 「上 層 流 入,下. 細 な 変 化 で は な く,む. 近 傍の微. しろ北 緯31.0〜31.3度 の 区 間 の マ. ク ロ な 水 温 構 造 で密 度 流 が 発 生 して い る こ と に な る. 一 方 ,「 上 層 流 入,下. 層 流 出」が 出現 す る場 合 に は,B. 分 布 を 求 め た(図‑7).こ. の 結 果 を見 る. 層 流 出 」,「上 層 流 出,下 層 流 入 」だ け で. な く,「 中層 貫 入 」(表‑1の 「中 層流 入,そ れ 以 外 で 流 出 」) の パ タ ー ンま で もバ ロ ク リニ ッ ク圧 の 差 に よ っ て説 明 で き る こ とが 分 か る.な お,成 層 期 に お い て,表 層 水 温 の. 点 近 傍 にお け る表 層 水 温 の水 平 勾 配 に一 定 の傾 向 が 見 ら. 空 間 勾 配 は 必 ず し もバ ロ ク リニ ック圧 の 勾 配 を代 表 す る. れ な か った.ま. わ け で は な い こ とが 確 認 され た.い ず れ に して も図‑5に. た,9/4〜9/11に. お い て,「 湾 奥 側 高 温,. 湾 口 側 低 温 」 と い っ た水 温 構 造 が 維 持 され て い た に も関. 示 す 残 差 流 の 鉛 直 構 造 の 大 半 が エ ク ス チ ェ ン ジ ・フ ロ ー. わ らず,「 上 層 流 出,下. の形 態 を 示 す こ と や 上 記 の 結 果 か ら判 断 す る と,鹿 児 島. 層 流 入 」 の パ タ ー ン は9/8ま で し. か形 成 され て い な い こ とが確 認 さ れ た.仮 にバ ロ ク リニ ッ. 湾 に お け る成 層 期 の 残 差 流 は,バ. ク圧 の 勾 配 で残 差 流 が 説 明 で き る な らば,こ の よ うに表. に よ って 形 成 さ れ る密 度 流 で あ る可 能 性 が 高 い と言 え る.. ロ ク リニ ック圧 の 勾 配. 層 水 温 の み で残 差 流 を説 明 で きな い理 由 と して,水 温 の. (4) 潮 汐 の 影 響. 鉛 直 構 造 が考 慮 され て い な い こ とが 考 え られ る.つ ま り,. 次 に 「潮 汐 強 度 」 を用 い て 潮 汐 変 動 の大 き さ が 残 差 流. 図‑7. バ ロ ク リニ ック圧 の差 の鉛直 分布(横 軸 の正 値 は流入 方 向の残 差流 を誘起 す る圧力 差 を意味 す る).
(5) 1000. 海. 岸. 工. 学. 論. パ タ ー ンの 違 い に 与 え る影 響 を 調 べ た .こ こ で 「 潮 汐強 度 」 と は潮 位 変 動 のr.m.s.で 与 え られ,大. 潮 や小潮 な ど. 潮 汐 の 強 さ の 違 い を 表 した もの で あ る.潮. 汐 強 度 とB. 文. 集. 第55巻(2008). 謝 辞:本 論 文 を完 成 す る にあ た り,鹿 児 島大 学 水 産 学 部 ・ 中 村 啓 彦 准 教 授,仁 科 文 子 助 教,水. 産 学 部 練 習 船 「南 星. 丸 」の 船 長 を は じめ と す る乗 組 員 の 皆 様,ま. た第十管 区. 点 の流 速 の南 北成 分25時 間 移 動平 均 値 との 相互 相 関 を と っ. 海 上 保 安 本 部 海 洋 情 報 部 の皆 様 に,現 地 調 査 の 実 施 に お. て み た と こ ろ,水. は遅 れ 時 間‑2日 で 正 の ピー. い て ご協 力 い た だ き ま した.ま た,鹿 児 島 県 水 産 技 術 開. で 負 の ピー ク値 が 表 れ て お り,そ れ ぞ れ の 遅. 発 セ ン タ ー に は フ ェ リー な み の うえ に よ って観 測 さ れ た. ク値,6日. 深15mで. れ 時 間 に お い て 水 深60mの 示 して い た(図‑8).こ 前(潮. 相 互 相 関 係 数 は 逆 の符 号 を. れ は潮 汐 が 最 小 と な る約1〜2日. 汐 強 度 の 周 期 は14〜15日)に. エ ス チ ャ リー循 環 が,. 反 対 に潮 汐 強度 が 最 大 とな る1〜2日 前 に は逆 エ ス チ ャ リー 循 環 が 卓 越 しや す い こ と を示 して い る.こ の よ う に潮 汐. 水 温 デ ー タ な らび に 黒 潮 北 縁 位 置 デ ー タ を,ま た 海 流 予 測 情 報 利 用 有 限 責 任 事 業 組 合(FOP)に. はJCOPEデ. ー. タ の ご提 供 い た だ き ま した.以 上 の 方 々 や 関係 機 関 に対 して,こ. こ に謝 意 を 表 します.. な お,本. 研 究 は,文. 部 科 学 省 科 学 研 究 費 ・萌 芽 研 究. 強 度 と残 差 流 の 間 に は相 関 関 係 が 確 認 さ れ るが,残 差 流. 「逆 エ ス チ ャ リー 循 環 が 閉 鎖 性 内 湾 の 水 環 境 に 及 ぼ す 影. の パ タ ー ン の 出 現 期 間 は2〜5日 で 潮 汐 強 度 の 変 動 周 期. 響 に つ い て 」(代 表 者:安. (14〜15日)と. の 補 助 を 受 けて 行 わ れ た も の で あ る こ と を こ こに 付 記 し. は異 な って い る.こ. の た め,潮 汐 そ の も. の が残 差 流 パ タ ー ンを 直 接 的 に コ ン トロ ー ル して い る と. 達 貴 浩,課. 題 番 号:19656233). ます.. は考 え に くい.成 層期 で は,水 温 の水 平 構 造 が 数 日ス ケ ー ル で変 動 し,こ の変 動 に よ って残 差 流 パ タ ー ン も変 化 し て い る と考 え られ る が,前 述 の よ う に湾 口部 の残 差 流 形 成 に密 度 流 が 影 響 を及 ぼ して い る の で あ れ ば,密 度 躍 層. 参. 考. 文. 献. 櫻井 仁人 ら(2000): 鹿児 島湾の湾 口断面 を通 しての海水流入 ・ 流 出過程, 海の研究, 9巻, 第1号, pp.1‑12. の 混 合 に 寄 与 す る潮 汐 変 動 が 少 な か らず 密 度 流 の形 成 に 影 響 を及 ぼ して い る は ず で あ る.上 記 の よ うに比 較 的 高 い相 関 が得 られ た の は,こ の よ う な潮 汐 混 合 の影 響 を 示 唆 して い る と推 察 さ れ るが,そ. の詳 細 に つ い て は,今 後. さ らな る検 討 が 必 要 で あ る. 5.. 同 一 パ ター ンの 残 差 流 が 形 成 さ れ る 範 囲. 本 研 究 で観 測 され た残 差 流 の 空 間 ス ケ ー ル を 明 らか に す るた め に,ADCPに 示 す(図‑9).観. よ っ て得 られ た流 速 の 横 断 分 布 を 図‑8. 測 線 毎 に観 測 時 刻 が 異 な って い る た め,. 潮汐 強度 と残 差流 の相 互相 関. 観 測 線 に よ って は 潮 流 の影 響 が 少 なか らず 含 まれ て い る こ とに な るが,そ れ に も か か わ らず,全 測 線 にお いて 同 一 の 流 況 パ タ ー ンが 確 認 さ れ た .い ず れ の観 測 線 も上 述 の地 点C,Dの (水 温)分. 間 に位 置 す る こ とか ら,C,D間. Line1. の密度. 布 に よ っ て い ず れ の 測 線 に も 同一 の パ タ ー ン. の流 れ が 出 現 して い る と解 釈 で き る.こ の よ うに 本 観 測 で 得 られ た 残 差 流 の パ タ ー ンは湾 軸 方 向 に比 較 的 大 き な 空 間 ス ケ ール を有 して お り,湾 口近 傍 の 海 水 交 換 を 支 配 す る流 動 で あ る と推 測 され る.. Line2. 6. 結 論 1). 鹿 児 島 湾 湾 口部 で は,成 層 期 に 「上 層 流 出,下 層 流 入 」 と 「上 層 流 入,下. 層 流 出 」 と い う特 徴 的 な残 差. 流 構 造 が 数 日の ス ケ ー ル で,い. ず れ も頻 繁 に 出現 す. る こ と が 明 らか と な った. 2). 「上 層 流 出,下 層 流 入 」 と 「上 層 流 入,下. 図‑9. 層 流 出」. の いず れ の残 差 流 も水 温 の 水 平 勾 配 に よ って 生 じ る 密 度 流 で あ る可 能 性 が 高 い こ とが 示 さ れ た.. 湾 軸 方 向 の 流 れ(2004年6/23,図‑2下. 図 参 照).
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