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The effects of school stress of junior high school students on Feelings of reluctance to go to school and relational aggression, and its decrease effect by their Sense of Authenticity.

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【原著論文】

中学生の学校ストレスが学校忌避的感情と関係性攻撃 に与える影響,及び,本来感によるストレス低減効果

折笠 国康*  庄司 一子**

本研究は,中学生の学校ストレスが学校忌避的感情と関係性攻撃に与える影響,本来感による学校ストレス,

学校忌避的感情,関係性攻撃の低減効果を検討することを主な目的とした。中学生393名を対象に質問紙調査を 行い,仮説モデルを構築し共分散構造分析による検討を行った。学校忌避的感情には学校ストレスのすべての因 子が正の影響を及ぼし,関係性攻撃には学校ストレスの「教師の無配慮」因子のみが正の影響を与えていた。本 来感は,学校ストレスのすべての因子に対し負の影響を与え,学校忌避的感情に直接的に負の影響を与えること が確認された。

キーワード:本来感,学校ストレス,学校忌避的感情,関係性攻撃,中学生

Ⅰ 問題と目的

昨今のいじめ,学級崩壊,校内暴力,不登校等の中 学校で起きている生徒指導上の問題は,どれをとって も生徒や教師にとって深刻な状況であり,全国的な社 会問題になっている。文部科学省(2014)によれば,

中学校での平成25年度のいじめ認知件数は55,248件 としているが,これはあくまでもいじめが表面化され た数字であり,実際にはさらに多くの件数に及ぶもの と考えられる。岡安・高山(2000)は,中学生におい て「仲間はずれ・無視・悪口」「いやがらせやいたずら」

「たたかれたりけられたり」という被害経験を週に1 回以上経験している生徒が,1割程度存在していると している。こうしたことから,いじめはもはや学校の 中で起こるのが当たり前といっても過言ではないもの と考えられる。古市(1991)によれば,実際に不登校 状態に陥っている児童・生徒の背後には,登校はして いるものの,学校に対して強い嫌悪感あるいは忌避的 感情を抱いている児童・生徒がその何倍もの数で存在 し,登校することにも強い忌避的感情を抱いている生 徒が高率の割合で存在していることが示されている。

岡田(2002)は,中学生の情動反応が攻撃などの問題 行動に影響することを示しており,こうした学校に対 する忌避的感情(以下,学校忌避的感情)を多くの生 徒が持つことと問題行動であるいじめの日常的な存在 の間には何かしらの関連があると考えられる。

原田・坂井(2006)は,いじめ等の生徒指導上の問 題の背景には共通して生徒の認知する学校でのストレ ス(以下,学校ストレス)の存在があると指摘してい る。岡安・嶋田・丹羽・森・矢冨(1991)は中学生を 対象とした学校ストレス調査を行い,「教師との関係」

「友人との関係」「部活動」「学業」が主要な学校スト レスであることを示した。岡安・嶋田・坂野(1992)は,

不登校の問題は生徒をとりまく社会的な背景の急激な 変化や,家族関係に起因する諸問題が考えられるが,

中でも児童・生徒が一日の大半を過ごす学校生活にお けるさまざまなストレスが,最も大きな原因であると 指摘している。これらのことから,生徒の持つ学校忌 避的感情やいじめの問題も学校生活を中心として起こ る以上,学校ストレスにかかわる側面が大きいと考え られる。

また文部科学省(2012)によれば,いじめ被害は中 学生で増加することが示されており,中学校でのいじ めの早期発見やいじめ被害を受けた子どもに対し適切 な心のケアの必要性が求められている。粕谷(2017)

*  郡山女子大学短期大学部幼児教育学科

** 筑波大学大学院人間総合科学研究科

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が示すように現代ならではの中学校で起きているいじ めの形態の存在や,学校忌避的感情を多くの中学生が 持つ現状に鑑みると,現在のいじめに応じた予防や改 善に向けた検討は急務の課題であると考えられる。

現在のいじめの形態

坂井・山崎(2004a)において,いじめは他者への 攻撃性の現れであるとし,攻撃性を大きく反応的攻撃 及び道具的攻撃に分けるCrick & Dodge(1996)の考 えを発展させた。具体的には,反応的攻撃を表出性攻 撃と不表出性攻撃に分類し,道具的攻撃に関してはそ の 下 位 概 念 で あ る 関 係 性 攻 撃(Crick & Grotpeter,

1995)で代表させることを提唱した。関係性攻撃とは,

自分の目的を達成するために他人の人間関係を操作す ることで,悪口を言ったり,仲間に入れないことで相 手を社会的に排除したり,相手が嫌われるように仕向 けるなどの攻撃性であり,「直接的な身体行動,言語 的な攻撃を使わずに,仲間関係を操作することによっ て相手に危害を加えることを意図した行動」と定義さ れている。

そこで,昨今の中学校で起きているいじめを理解す るためにはこの「関係性攻撃」を検討することが重要 な意味を持つと考えられる。なぜならば,滝(2001)

や金綱・濱口(2013)が示すように,我が国のいじめ 問題において関係性攻撃が主流になっていると考えら れるからである。こうした中,濱口・渡部・臼倉(2015)

は中学校の教師が認知する生徒の関係性攻撃に焦点を 当てることの必要性を示唆し,桜井(2016)も現時点 での日本の中学校で解決すべき問題の1つとして関係 性攻撃へのアプローチを取り上げている。以下,本研 究で取り扱う関係性攻撃の定義も前述のCrick & Grotpeter(1995)に準じたものとする。

学校ストレス,学校忌避的感情,関係性攻撃の関連 学校という閉じた生活環境の中で教師と生徒,生徒 同士などの人間関係に起因する学校ストレス,学校忌 避的感情,関係性攻撃との関連や因果関係を検討する ことで,生徒指導上の問題の予防や解決に役立つ示唆 や見解を得ることができると考えられる。

嶋田・岡安・浅井・坂野(1992)や岡安・嶋田・丹 羽・森・矢冨(1992)は,教師との関係や友人関係の

ストレスを経験した者は,不機嫌・怒り反応を示す傾 向が高いことを明らかにした。また,古市・國房(1998)

は小学生を対象とした研究ではあるが,学校忌避的感 情と教師の指導態度を検討した。その結果,教師との 関係,友人関係のストレスが学校忌避的感情に影響を 与えることを明らかにした。つまり,現在の中学校に おいても学校ストレスの中でも教師ストレスや友人関 係ストレスといった人間関係にかかわるストレスが学 校忌避的感情の生起に影響を及ぼすことが予測される。

また,本間(2003)が示すように,いじめの多くは 学校内での対人関係を中心に引き起こされている。こ れと符合した見解として岡安・高山(2000)は,いじ め加害生徒は教師との関係が良好でない者が多いこと を,神村・嶋田(1998)や古市・中野(1998)では,

教師との関係や友人関係などのストレスに直面した場 合には,他者への攻撃行動が出現しやすいこと,教師 関係領域でのストレス経験の多さが他責型対処行動に つながるという示唆がある。つまり,学校ストレスの 中でも教師との関係や友人関係といった人間関係によ るストレスが攻撃行動やいじめにも影響を与えている と考えることができ,現在のいじめの主流の形態であ る関係性攻撃にも人間関係にかかわるストレスが直接 的に影響を与えることが予測できる。しかし,岡田

(2002)は,中学生の学校ストレスは怒り,悲哀,不 安等の情動反応を経て,攻撃等の問題行動に至ること を明らかにした。つまり,岡田(2002)の知見から,

人間関係の学校ストレスが直接的に関係性攻撃に影響 を与えるよりも,学校忌避的感情を経由することで助 長されるというプロセスが考えられる。

ストレスの低減が期待される変数

本研究では,伊藤・小玉(2005a)や伊藤・小玉(2005b)

からストレスに対する低減効果の機能を持ち,中学生 の持つ学校ストレスを低減させることが予測できる変 数として本来感を取り上げた。本来感とは,伊藤・小 玉(2005a)において「自分自身に感じる本当らしさ の感覚」と定義され,人の精神的な健康や心理的

well-beingを支えるもので,自尊感情の適応的な側面

として位置づけられるものであり,本研究における本 来感の定義もこれに準じるものとした。これまでの自

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尊感情といじめに関する心理学的研究の知見には一貫 性がなく,自尊感情の高さがいじめを低減すると結論 づけることは難しい。

本来感の具体的な効果は,伊藤・小玉(2005b)に よると,大学生の調査において本来感が高いほど抑う つ,不安に負の影響を与え,人生に対する満足,心理

的well-being,自律性に対して正の影響を与えること

が示されている。さらに伊藤・小玉(2005a)により,

本来感のストレス対処行動による大学生のストレス反 応低減効果が明らかにされた。また,折笠・庄司(2012)

により,中学生の本来感が学級適応に正の影響を与え ることが示されているが,これも本来感のストレス低 減効果に起因するものだと考えられる。以上のことか ら,中学生の学校ストレスに対しても本来感は低減効 果を発揮する変数であることが期待できる。

本研究のモデル

以上のことを踏まえ,本研究では現在の中学生の学 校ストレスの因子構造を確認し,本来感が学校ストレ ス因子それぞれに与える影響,学校ストレスのそれぞ れの因子が学校忌避的感情と関係性攻撃に与える影響,

本来感が学校ストレスと学校忌避的感情を経由した関 係性攻撃に与える間接的な影響と直接的に学校忌避的 感情と関係性攻撃に与える影響,また,学校ストレス が学校忌避的感情を経由し関係性攻撃に至る因果モデ ルを構成し因果関係を検討することを目的とする。

また,本研究で示された結果をもとに,学校忌避的 感情の生起や関係性攻撃の予防や改善に言及すること を目的とする。

本研究で仮定するモデル(Figure 1)と,それに伴 う仮説は以下の6つである。

仮説1: 本来感は,生徒の認知する学校ストレスを低 減させる。

仮説2:学校ストレスの中でも,人間関係に関するス トレスが特に学校忌避的感情に影響を与える。

仮説3:本来感は,学校忌避的感情を直接的に低減さ せる。

仮説4:学校ストレスの中でも,人間関係に関するス トレスが特に関係性攻撃に影響を与える。

仮説5 :本来感は,関係性攻撃を直接的に低減させる。

仮説6:関係性攻撃は学校ストレスから学校忌避的感 情を経由することで助長される。

Ⅱ 方 法

1.調査対象者

東北地方X県の公立中学校1校の1~3年生12学 級の生徒393名が対象者とされ,うち有効回答数は 386名(男子183名,女子203名;1年生男子53名,

1年生女子62名,2年生男子64名,2年生女子67名,

3年生男子66名,3年生女子74名)が対象であった。

2.調査内容

質問冊子は,学校ストレス,本来感,学校忌避的感 情,攻撃性(関係性攻撃)を尋ねる尺度から構成され た。具体的に用いられた質問用紙は以下のとおりであ る。

(1)学校ストレス尺度 岡安・嶋田・丹羽・森・矢 冨(1992)が作成した教師との関係,友人関係,部活 動,学業,校則,委員活動の6つの下位尺度から構成 されている中学生用学校ストレッサー尺度の質問項目 を利用した。本研究では,主に人間関係のストレスを 取り上げることから,校則,委員活動の項目は利用し なかった。また,友人関係の尺度においては,調査実 施校からの削除要望と因子負荷量の低さが重なる2項 目を調査実施校の校長との協議の結果削除した。計 28項目について,それぞれの質問項目に対して最近 数か月の間,自分がどの程度あてはまるかを「まった くあてはまらない」「あまりあてはまらない」「よくあ てはまる」「とてもよくあてはまる」の4件法で回答 を求めた。質問項目は,教師との関係では「先生のや り方や,ものの言い方が気に入らなかった」,友人関 係では「クラスの友達から,仲間はずれにされた」,

本来感

学校ストレス

正の影響  負の影響

学校忌避的感情 関係性攻撃

    Figure 1 本研究の仮説モデル

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部活動では「部活動の練習がきびしかった」,学業で は「試験や成績のことが気になった」などである。

(2)中学生用本来感尺度 伊藤・小玉(2005b)によ り作成された尺度「個人が自分らしくあると感じてい る全般的な感覚を測定する尺度」7項目を参考に,折 笠・庄司(2012)が作成した7項目について,それぞ れの質問項目に対して自分がどの程度あてはまるかを

「まったくあてはまらない」「あまりあてはまらない」

「よくあてはまる」「とてもよくあてはまる」の4件法 で回答を求めた。質問項目は「いつも自分らしくいら れる」「人前でもありのままの自分が出せる」「自分を

“ これでよし ” と感じることがある」などである。

(3)学校忌避的感情尺度 古市(1991)により作成 された学校ぎらい感情尺度の12目を利用した。それ ぞれの質問項目に対して最近数か月の間,自分がどの 程度あてはまるかを「まったくあてはまらない」「あ まりあてはまらない」「よくあてはまる」「とてもよく あてはまる」の4件法で回答を求めた。質問項目は「学 校に来ても何も楽しいことがない」「朝,なんとなく 学校に行きたくないと思うことがある」などである。

(4)攻撃性(関係性攻撃)尺度 坂井・山崎(2004b)

が作成した7項目から,調査実施校からの削除要望と 因子負荷量の低さが重なる3項目を調査実施校の校長 との協議の結果削除した。それぞれの質問項目に対し て最近数か月の間,自分がどの程度あてはまるかを「ま ったくあてはまらない」「あまりあてはまらない」「よ くあてはまる」「とてもよくあてはまる」の4件法で 回答を求めた。この尺度においては,関係性攻撃を道 具的攻撃の範疇とし,自分の目的を達成するために他 人の人間関係を操作する行動に焦点が当てられている。

質問項目は「だれかを仲間はずれにしたことがある」

「その子がみんなから嫌われるようなうわさ話をした ことがある」などである。

3.調査実施手続き

回答はすべて無記名で行われた。各学年の学年集会 時に出向き,成績に関係しないこと,担任や他の教師 が中を見ないこと,質問への回答は自由意志であるこ と,調査の趣旨を直接説明した。その後,各教室で担 任が質問紙を配布し,記入後回収した。回答中に生じ

る質問に対しては,各学級で担任が対応した。回収に 際しては,生徒が回収用の袋を密封し,匿名性の保持 に努めた。

4.調査実施期間

2009年10月に実施した。

5.分析ソフトウェア

本研究の分析は,IBM SPSS PASW STATISTICS 18,

AMOS 18.0を利用した。

Ⅲ 結 果

1.尺度の構成と信頼性の検討

(1)学校ストレス尺度 調査で得られた28項目の評 定値を用いて最尤法,プロマックス回転による因子分 析を行った。その結果,固有値の減衰状況(7.82,

2.47, 2.43, 1.81・・・)と因子の解釈可能性から3因 子が抽出された。この結果に基づき,因子負荷量が低 い(.34以下)ものを除いた項目を再び,最尤法,プ ロマックス回転による因子分析で解析した(Table 1)。

3因子での説明可能な分散の総和の割合は,55.85%で あった。

本研究では,部活動に関わる項目の因子負荷量が低 く(.34以下)すべて分析から削除されたが,概ね原 尺度と同様の因子構造であった。

第Ⅰ因子は,教師のていねいさに欠ける様子,他人 と比べるような言い方,自分を理解してくれない様子,

えこひいきする様子,気に入らない物言いの様子など,

生徒に対しての配慮に欠ける様子を測る項目の負荷量 が高いことが示され,原尺度の「教師との関係」を参 考に,より因子の持つ意味を考慮し「教師の無配慮(α

=.89)」と命名した。第Ⅱ因子は,友人からのいじめ や悪口を言われたり,暴力をふるわれたり,仲間はず れにされたことを測る項目の負荷量が高いことが示さ れ,原尺度の「友人関係」を参考に,より因子の持つ 意味を考慮し「友人からの侵害(α=.85)」と命名した。

第Ⅲ因子は,試験や成績が悪いこと,期待にこたえら れないこと,指名されても答えられないことなどを測 る項目の負荷量が高いことが示され,原尺度の「学業」

を参考に,より因子の持つ意味を考慮し「学業に対す

(5)

る自信のなさ(α =.80)」と命名した。信頼性を示すα 係数はすべての因子で.80以上であり,信頼性が確認 された。

(2)中学生用本来感尺度

中学生用本来感尺度7項目に対して,変数間の相互 関係を観察することを目的に主成分分析を行った。そ の結果,固有値は第1主成分(3.73)と第2主成分(.89)

との間に最も大きな減衰が見られた。すべての項目が,

第1主成分に.64以上で負荷し,寄与率は53.28%で あった(Table 2)。α係数は.85,折半法による相関は .79で,ある程度の信頼性が確認された。

以上の結果から,中学生用本来感尺度は7項目から なる一因子構造の尺度であることが確認された。

(3)学校忌避的感情尺度

学校ぎらい尺度12項目に対して,変数間の相互関 係を観察することを目的に主成分分析を行った。その

結果,固有値は第1主成分(7.50)と第2主成分(.89)

との間に最も大きな減衰が見られた。すべての項目が,

第1主成分に.68以上で負荷し,寄与率は62.50%で あった(Table 3)。α係数は.94,折半法による相関は .94で,ある程度の信頼性が確認された。

以上の結果から,学校ぎらい尺度は12項目からな Table 1 学校ストレスの因子分析結果

Ⅰ Ⅱ Ⅲ 共通性 第Ⅰ因子:教師の無配慮 (α =.89)

先生がていねいにわかりやすく教えてくれなかった。 .79 -.08 -.01 .56 先生から,自分と他人を比べるような言い方をされた。 .78 .01 .01 .62 先生が自分を理解してくれなかった。 .76 .02 .01 .58

先生がえこひいきをした。 .74 .00 .01 .59

先生のやり方や,ものの言い方が気に入らなかった。 .73 -.14 .04 .50

先生から無視された。 .63 .13 -.10 .60

先生にうらぎられた。 .63 .11 -.09 .60

自分は悪くないのに,先生からしかられたり注意されたりした。 .60 .07 .05 .47 授業の内容や先生の説明がよくわからなかった。 .46 -.08 .24 .36 第Ⅱ因子:友人からの侵害 (α =.85)

誰かにいじめられた。 -.07 .82 -.03 .56

友達にばかにされた。 .02 .75 .11 .66

友達から悪口を言われた。 -.01 .75 .08 .62

クラスの友達から,仲間はずれにされた。 .11 .64 -.07 .48 友達に暴力をふるわれた。 -.09 .62 -.02 .36 クラスの異性からきらわれた。 .09 .56 -.01 .41 第Ⅲ因子:学業に対する自信のなさ (α =.80)

試験や通知表の成績が悪かった。 -.04 -.02 .83 .55 親や先生から期待されるような成績がとれなかった。 -.08 -.02 .79 .53 がんばって勉強したが,成績がのびなかった。 .00 .00 .66 .40 人が簡単にできる問題でも,自分にはできなかった。 .06 .03 .60 .49 授業中,指名されても答えることができなかった。 .04 .09 .45 .39 試験や成績のことが気になった。 .09 -.01 .44 .28

因子間相関 Ⅰ Ⅱ Ⅲ

Ⅰ - .47 .38

Ⅱ - - .37

Ⅲ -

Table 2 本来感の主成分分析

負荷量 いつも自分を見失わないでいられる。 .79 自分のやりたいことをやることができる。 .77 いつでも揺るがない「自分」を持っている。 .76 人前でもありのままの自分が出せる。 .74 これが自分だ,と実感できるものがある。 .73 自分を “ これでよし ” と感じることがある。 .68 いつも自分らしくいられる。 .64 固有値 3.73 寄与率(%)53.28

(6)

る一因子構造の尺度であることが確認された。

(4)攻撃性(関係性攻撃)尺度

攻撃性(関係性攻撃)尺度4項目に対して,変数間 の相互関係を観察することを目的に主成分分析を行っ た。その結果,固有値は第1主成分(2.60)と第2主 成分(.61)との間に最も大きな減衰が見られた。す べての項目が,第1主成分に.78以上で負荷し,寄与

率は64.98%であった(Table 4)。α係数は.82,折半

法による相関は.77で,ある程度の信頼性が確認された。

以上の結果から,攻撃性(関係性攻撃)尺度は4項 目からなる一因子構造の尺度であることが確認された。

2.各尺度間の 2 変量相関

関係性攻撃,学校忌避的感情,教師の無配慮,友人 からの侵害,学業に対する自信のなさ,各尺度間の相 関係数(Table 5)を算出した。関係性攻撃と他の尺 度との関連については,学業に対する自信のなさ(r

=.16, p <.001)とほぼ相関はなく,学校忌避的感情(r

=.19, p <.001),教師の無配慮(r =.35, p <.001),友人 からの侵害(r =.20, p <.001)とのそれぞれの間に低 い正の相関が認められ,本来感との間には低い負の相

関(r = -.20, p <.001)が認められた。学校忌避的感 情と他の尺度との関連については,教師の無配慮(r

=.51, p <.001)と友人からの侵害(r =.51, p <.001)の 間に中程度の正の相関が認められ,学業に対する自信 のなさ(r =.38,p <.001)との間に低い正の相関が認 められ,本来感との間には中程度の負の相関(r = - .52, p <.001)が認められた。

3. 関係性攻撃と学校忌避的感情に影響を及ぼすモデ ルの検討

本来感,学校ストレス(教師の無配慮,友人からの 侵害,学業に対する自信のなさ)が学校忌避的感情と 関係性攻撃に及ぼす影響過程モデルについて,Table 5の相関と問題と目的に記載した仮説を考慮したモデ ルを構成し,このモデルを検証するため共分散構造分 析を行った。分析に際しては,教師との関係,友人関 係,学業の各学校ストレッサーの誤差項間に共分散を 仮定し,内生変数には誤差項を付随させた。学校忌避 的感情から関係性攻撃へのパス等,有意ではないパス を削除し,最終的なモデル(Figure 2)が得られた。

図2において誤差の表記は省略した。

Table 3 学校忌避的感情の主成分分析結果 負荷量 学校をやめたくなることがある。 .84

私はこの学校がきらいだ。 .84

学校に来ても何も楽しいことがない。 .83 学校にいるのがいやで,授業が終わったらすぐ家に

帰りたい。 .83

学校にいるとき,よくゆううつになってくる。 .81 できれば学校なんかなくなればよいのにと思う。 .80 朝,なんとなく学校に行きたくないと思うことがある。 .80 学校ではいやなことばかりある。 .80 学校さえなければ,毎日楽しいだろうなと思う。 .79 日曜の夜,また明日から学校かと思うと気が重くなる。 .74 今の学校がいやで,転校したいと思うことがよくある。 .73 今のクラスはよくないので,ほかのクラスに変わりたい。 .68 固有値 7.50 寄与率(%)62.50

Table 4 関係性攻撃の主成分分析結果 負荷量 みんなで遊ぶ相談をするときに,だれかをいれ

なかったことがある。 .83

だれかを仲間はずれにしたことがある。 .81 その子がみんなから嫌キラわれるようなうわさを話

したことがある。 .81

友だちといっしょになって,人の悪口を言った

ことがある。 .78

固有値 2.60 寄与率(%) 64.98

Table 5 各尺度間の相関

関係性攻撃 学校忌避的感情 教師無配慮 友人侵害 学業自信無 本来感 -.20*** -.52*** -.29*** -.31*** -.26***

関係性攻撃  .19***  .35***  .20***  .16***

学校忌避的感情  .51***  .51***  .38***

教師無配慮  .43***  .37***

友人侵害  .35***

*p < .05  **p < .01  ***p < .001

(7)

モ デ ル の 適 合 度 は,χ2 = 6.46(p =.17),df = 4,

GFI=.99, AGFI=.97, RMSEA=.04であった。

4.学校ストレスに影響を及ぼす要因

本来感から各学校ストレスへの影響は,教師の無配 慮へのパス係数(-.29,p <.001),友人からの侵害へ のパス係数(-.31, p <.001),学業に対する自信のな さへのパス係数(-.26,p <.001)とすべて有意であ った。

5.学校忌避的感情に影響を及ぼす要因

学校忌避的感情に影響を及ぼす要因は,教師の無配 慮からのパス係数(.27, p <.001),友人からの侵害か らのパス係数(.26, p <.001),学業に対する自信のな さからのパス係数(.10, p <.05)であると確認され,

すべてにおいて有意であった。

また,本来感から学校忌避的感情へのパス係数(-

.33, p <.001)が有意であった。

6.関係性攻撃に影響を及ぼす要因

関係性攻撃に影響を及ぼす要因として,友人からの 侵害,学業に対する自信のなさからのパスは有意では なく,学校ストレスの中でも教師の無配慮からのパス 係数(.35, p <.001)のみが有意であった。

また,本来感から関係性攻撃へのパス係数(-.10,

n.s.)は有意ではなかった。

Ⅳ 考 察

本研究では,本来感から学校ストレスを媒介または

直接的に,学校忌避的感情や関係性攻撃へと至る因果 モデルを想定し6つの仮説について検討を行った。そ の結果,本来感は学校ストレスのすべての因子に対し て負の影響を与え,学校ストレスを介して学校忌避的 感情に正の影響を与えていることが確認された。関係 性攻撃に正の影響を与えていた教師の無配慮に対して も本来感は負の影響を与えることが確認された。また,

本来感から関係性攻撃への直接的な影響はなく,学校 ストレスから学校忌避的感情を介しての関係性攻撃へ の影響は確認されなかった。

本来感の影響

(1)本来感の学校ストレスへの影響

本来感は,本研究で確認された「教師の無配慮」「友 人からの侵害」「学業に対する自信のなさ」すべての 学校ストレスを低減させる効果が確認され,仮説1は 支持された。本来感は状態的な感情ではなく,特性的 な感情として “ 自分らしくいること ” を支えるため,

他者からの負の影響を最低限にするといったストレス 低減の機能的な働きがあるとの解釈ができる。本来感 は本当の自尊感情,すなわち自分に対して自らを「こ れでよし」と評価することであり,それが自分に対し ての自信につながり,その自信が他者の未熟さである 無配慮なかかわりや友人からの侵害にも寛容になれる と考えられる。また,自らの学業に対する自信のなさ に対しても,あくまで自分全体の一部分のことであり,

自分全体を学業の自信のなさに覆わせることになりに くいのだと考えることができる。また,山根・深見・

教師無配慮 学校忌避的感情

本 来 感 友人侵害

学業自信無 関係性攻撃

正 の 影 響 負 の 影 響

.09

.29***

.31***

.26***

*p<.05  ***p<.001 GFI=.99, AGFI=.97, RMSEA=.04

.33***

.48

.35*** .12 .10

.26***

.10* .07

.27***

Figure 2  関係性攻撃と学校忌避的感情への影響過程モデル

(8)

石野(2016)は,自尊感情の高さとアサーティブな態 度の関連を示した。つまり,本来感が高いことがアサ ーティブな態度と関連することが考えられる。本来感 が高まることで自己理解が促進し,自己理解が深まる ことで自分に自信が持てることからアサーティブな態 度につながると考えられ,その結果としてアサーティ ブな態度がストレスの低減を可能にするのだと考えら れる。

本来感が低い場合は,教師の生徒に対する無配慮な 言動や,友人関係による軋轢や葛藤,学業に対する自 信のなさが大いにストレスとして認知されることにな ると考えられる。これは,Lain(1969)のいう「呑み こみ」という不安状態を考えると理解できる。すなわ ち,自分らしさの感覚が乏しく状況や相手に巻き込ま れ自分自身を保持できないという恐れの状態である。

その結果として他者からのネガティブなかかわりや状 況によって振り回されてしまい,自分の気持ちや感情 が呑みこまれてしまうということである。それ故に学 校ストレスを著しいストレスとして認知することにな ると考えられる。

(2) 本来感の学校忌避的感情・関係性攻撃への直接 的な影響

本研究の結果から,本来感の適応的な効果として学 校忌避的感情への直接的な低下につながる影響が確認 された。これは,本来感が高いことで状況や状態にか かわらず,いつも自分らしくいられることが,物事に 対するポジティブな意味づけを行うことにつながる結 果だと理解できる。すなわち,本来感は状況的要因を 適応的にコントロールできる自己概念として機能し,

同じ出来事を経験したとしても,本来感の高い生徒は 自分の感情を少なくとも負の状態にはしない意味づけ や認知をする傾向があると考えられる。今後,本来感 の高さと状況や状態への正の意味づけをする傾向との 関係を明らかにすることが課題となるであろう。

本研究において,本来感が直接的に関係性攻撃に影 響を与えることは確認することができず,仮説5は支 持されなかった。これは,本来感は個人の内面にかか わる性質のものであり,直接的に集団の相互作用であ る関係性攻撃などの問題には影響を及ぼしにくく,何

かしらの変数を媒介することで関係性攻撃へ影響する ことと理解することができる。また,本来感が直接的 に学校忌避的感情を低減させ,さらには,学校忌避的 感情を助長する学校ストレス自体を低減させる効果が 確認され,仮説3は支持された。この結果は,本来感 が生徒指導上の予防や改善に重要であることを示唆し た折笠・庄司(2012)を補足するものと考えられる。

学校ストレスが学校忌避的感情・関係性攻撃へ与える 影響

(1)学校忌避的感情に与える影響

本研究の結果から「教師の無配慮」「友人からの侵害」

「学業に対する自信のなさ」のすべての学校ストレス が学校忌避的感情に影響を与えていることが示された。

中でも「教師の無配慮」「友人からの侵害」と人間関 係にかかわるストレスの影響が大きいことが確認され,

仮説2は支持された。学校にかかわるストレスが学校 に対する忌避的な感情をつくりだすことは容易に理解 できるものである。学校ストレスが学校忌避的感情に 与える影響について,友人関係のストレスが学校忌避 的感情を助長する本研究の結果は,古市(1991)が示 した学級での友人適応が学校ぎらい感情を助長するこ と,友人関係のストレッサーが学校ぎらい感情を助長 することを示した古市・國房(1998)等の結果を補足 するものと考えられる。また,学業に対するストレス が学校忌避的感情を助長することを示した本研究の結 果は,古市・國房(1998)の結果を補足するものであ ると考えられる。

(2)関係性攻撃に与える影響

本研究の結果では,学校忌避的感情から関係性攻撃 に至る有意なパスが得られず,仮説6は支持されなか った。これは,情動や感情,問題行動の種類によって 生起パターンが異なるという岡田(2002)の示唆を支 持するものだと考えられる。岡田(2002)では,学校 ストレスが怒り,悲哀,不安といった情動反応を経由 することで攻撃が生起することが示されたが,扱われ た攻撃は表出性(反応的攻撃)のものであり,本研究 で取り上げた関係性攻撃はCrick & Dodge(1996)が 示したように反応的攻撃とは弁別される道具的攻撃で あり,両者は共に問題行動ではあるが種類の違いがあ

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る。こうした種類の違いが生起パターンの違いに影響 したと考えられる。

しかしながら,本研究の結果で何より注目すべき点 は,中学生の学校ストレスの中で有意に関係性攻撃に 影響を与えたストレスは,友人関係や学業のストレス ではなく,教師の無配慮という教師との関係によるス トレスのみであることが確認(仮説4は部分的に支持 された)されたことである。説明率が.12と小さく関 係性攻撃に影響を与える他の要因の存在も十分に考慮 する必要はあるが,この結果は現代のいじめの主要な 形態である関係性攻撃の生起にかかわる因果関係の一 端を示すものと位置づけることができる。

三隅・矢守(1989)は,中学校における学級担任の リーダーシップ行動の研究において,「親近性」と「配 慮」の因子が教師と生徒の良好な人間関係を形成する うえで必要であることを明らかにした。つまり,教師 による無配慮なかかわり等の関係性を生徒が認知すれ ば,良好な関係性が築けないことを意味するものであ る。また,教師との関係が良好でない生徒ほど,いじ めの加害者になりやすい傾向があることを岡安・高山

(2000)は明らかにしたが,本研究の結果は,これを 補足するものであると考えられる。また,教師との関 係において教師の配慮に欠ける言動等に対して,生徒 が不機嫌や怒りの反応をすることは容易に想像ができ る。坂井・山崎(2003)により,小学生女児での調査 ではあるが関係性攻撃をすることで加害者側の抑うつ が低下することが示されている。これは,ストレスコ ーピングとして加害者が関係性攻撃を利用したと考え られる。この考え方が中学生でも適用できるとしたな らば,教師との関係によるストレスコーピングとして 関係性攻撃が使用されることも十分に考えられる。今 後は,関係性攻撃のストレスコーピングとしての機能 についての検討が必要である。

今後に望まれる学校現場の在り方と課題

(1)教師の影響力という視点から

教師の言動は生徒のモデル学習としての機能がある と考えられる。小林(1994)は,生徒に対しての罰に よる行動コントロールは,攻撃行動のモデリング学習 効果を高めるといった悪影響を及ぼすことを示した。

教師による罰の行使や配慮に欠けたかかわりがモデル 学習され,友人間における無配慮なかかわりに影響を 与え,やがて関係性攻撃に結びつくといった流れも考 えることができる。また,三島・宇野(2004)は,生 徒の教師に対する罰の認知が反抗の学級雰囲気に影響 を及ぼし,教師に対する受容や親近の認知が意欲や楽 しさの学級雰囲気へ影響することを明らかにした。こ れらのことと本研究の結果から,教師は場合によって 生徒に負の影響を与える可能性があることを自覚し,

望ましい生徒の民主的な心情や生徒間の良好なリレー ションを誘発する正の影響力を与える存在としての自 覚を持つことが重要であると考えられる。

(2)学級風土(同調行動,居場所)の視点から 櫻井・小浜・新井(2005)は,中学生の関係性攻撃 と同調行動の関連を明らかにした。つまり,学級内に おける生徒の同調行動の傾向を改善できれば,関係性 攻撃の波及の防止及び予防が可能になると考えられる。

本来感が高い生徒であれば,自分の価値基準をもとに 行動する可能性が高いと考えられる。そのため,他者 に流されて同調することも少なく,自分の価値や考え に従った行動が期待でき,安易な同調行動を防ぐこと に寄与すると考えられる。また,松木(2011)は,あ りのままでいられることを表す本来感因子を下位概念 とする居場所感が適応的である能動性を促し,不適応 的な攻撃性に対して抑制的な影響を与えることを明ら かにした。これは,学級等の所属する居場所の質,す なわち学級風土や学校風土が攻撃性の予測子になり得 ることを意味していると考えられる。

生徒の居場所づくり等の取り組みに際しては,学校 忌避的感情が生起しにくく,関係性攻撃も生起しにく い,すなわち,教師の無配慮といった教師との関係が 生徒の学校ストレスとして認知されず,生徒の本来感 を育成し得る風土を持つ居場所を目標とすることが大 切であると考えられる。

(3)教師の持つ指導観の視点から

いじめ加害者のいじめ停止には,教師の影響が大き いことを本間(2003)は明らかにした。本研究では,

教師の無配慮といった教師との関係のストレスが生徒 間の関係性攻撃を助長することが示された。つまり,

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関係性攻撃をつくるのも停止させるのも教師の影響が かかわると考えることができる。

山崎(2013a)は,学校教育は科学ではなく主観と 経験が幅を利かせている世界であり,往々にして主観 や経験は間違いを犯すことを理由に,いじめ問題の解 決について今の学校のやりかたでは解決はできないと の見解を示している。さらに,山崎(2013b)は,い じめ,不登校は自律性と対人関係性が備われば避けら れる問題であることを示唆している。これは,本研究 の結果や本来感が自律性に正の影響を与える効果を示 した伊藤・小玉(2005b)の結果から,学校における 本来感の育成の価値や意義と符合した見解であると考 えられる。

誰しもいじめがよくないことは分かっているが,な ぜいじめが起きるのか,小玉(2014)はいじめ問題の 本質は,怒りやストレスを処理する力がないことであ るとする立場で,いじめ問題の解決を倫理あるいは道 徳の問題として扱うことを疑問視する見解を示し,学 校教育の在り方,教師の子どもへの対応の仕方に違和 感を示している。本研究で分析の対象とした学校スト レスは生徒の認知に基づくものである。生徒が教師と の関係をストレスと認知することの教師側の問題とし て,教師特有のビリーフ(河村, 2000)の存在がある と考えられる。教師自身が,教師特有のビリーフの存 在を確認し,その修正をすることが1つの課題である と考えられる。折笠(2011)が示すように,他者の価 値基準や他者評価を必要以上に尊重するのではなく,

自分の価値基準や他者比較ではない自分自身の成長を 大切にする態度の育成が,生徒の自律性を育て,さら には教師特有のビリーフの修正や生徒の本来感を育成 することに寄与すると考えられる。

本研究の課題と限界

本研究は,本来感が中学生の学校ストレスと学校忌 避的感情を低減させることを示し中学生の本来感を高 めることの意義が確認された。今後は本来感がストレ スを低減させるメカニズムや本来感を高める教育の在 り方の研究を発展させ,より具体的な示唆を提供して いくことが課題となるであろう。自分らしさの感覚で ある本来感を高めることは,生徒の自尊感情,自主性

や主体性,そして自律性を高めることにも通じると思 われる。また,本研究は中学生の教師との関係にかか わる学校ストレスが,現在のいじめの主流の形態であ る関係性攻撃を助長することを示した。しかし,モデ ル適合度の指標からモデル自体のあてはまりはよかっ たにせよ,説明率の値が低く,関係性攻撃に影響を与 える他の要因も今後さらに検討することが望まれる。

学校や学級で起きるさまざまな問題は,複雑な人間関 係の相互作用として現象化するものであり,潜在的な 要因の存在も十分に考慮した検討が必要であると思わ れる。

本研究は調査校が1つだけであり,得られた結果が 一般的な中学生の傾向として結論づけることには限界 がある。また,調査対象者数が男女合わせて393名(分 析対象386名)であり,男女の区別なく分析すること でかろうじて多変量解析に耐え得る状況であった。今 後は,調査校を増やし,また全国的な調査を実施する など,男女差や学年ごとの比較検討を行うことも課題 であると考えられる。

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(2018年3月20日受稿,2018年8月10日受理)

The effects of school stress of junior high school students on Feelings of reluctance to go to school and relational aggression, and its decrease effect by their Sense of Authenticity.

Kuniyasu Orikasa (Koriyama Women’s University)

Ichiko Shoji (Human Care Science Graduate School of Comprehensive Human Sciences University of Tsukuba)

The effects of school stress of junior high school students on Feelings of reluctance to go to school and relational aggression, and its decrease effect by their Sense of Authenticity was discussed in this study. Junior high school students (n=393) completed a questionnaire. A hypothesized model was investigated by utilizing structural covariance analysis.

Results indicated that the all factors of their school stress showed a significant positive influence on the feelings of reluctance to go to school, but only the only factor of their school stress of the student’s teacher recognition of thoughtlessness showed a significant positive influence on the relational aggression. The sense of authenticity showed a negative influence on the all factors of their school stress and Feelings of reluctance to go to school.

Keywords : sense of Authenticity, school stress, feelings of reluctance to go to school, relational aggression, junior high school student

参照

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