P.Ri e be l の相対的個別費 ・補償貢献額 計算の環境保全原価計算への活用
‑ C.La ng e / R.Fi s c he r の見解 を中心 として‑
柳 田 仁
は じ め に
環境先進国 といわれ る ドイツの90年代 にお ける自然環境保全 のた めの コス トは,企業,個人,政府次元 で は相 当な規模 にのぼ る。企業 また は個人 的な 環境保全のた めに生 じた損害の見積額,並 びに まだ把握 で きない追加所 要額 は,旧東 ドイツの復興資金 に も相 当す るほ どであ る とい う。環境保全 に費や され る企業 の負担額 に限定 すれ ば, ここ数年 とい うもの常 に上昇傾 向 にあ る。
すなわちそれ は1988年 には13億6000万 マル クであったが,6年後 には20億 マ ル クを超 え, その上昇率 は48%に達 した。
しか し,80年代後半以降,先見性 のある企業で は,環境保全 のための支出 は見返 りの まった くない損失で はな く, む しろ将来への有効 な投資であ り, 競争優位性 を生 む ものである とさえ考 え られ るようになった。消極 的で対症 療法的 な姿勢か ら,積極的で予防的な姿勢へ と変化 し,エ コロジー意識 を持
った経営が,進歩的な企業経営者 の新 たなキャッチ フレーズ とな りつつある。
1 種 々の環境 関連原価 計算の提 唱
環境保全のための原価 を計算 ・管理す る方法 として,種々の計算 システム が考 えられ る。例 えば,G.R.Wagnerお よびJ.Kloockの経営環境原価計 算,プ ロツェス原価計算,相対 的個別費 ・補償貢献額計 算, ライ フサ イ ク ル ・コステ ィング (Life Cycle Costing,LCC,Lebenszykluskostenrech‑
nung)等の活用が挙 げ られ る。
現代企業 において増大 しつつある環境保全のためのコス トは,企業経営 に おいて重要 なテーマである。環境保全 に適合 した原価計算 システムでは,内 部及 び外部関連環境 コス トを同 じように扱 う必要がある。 いわゆる 「外部原 価 の内部化」が必要 となる。
1‑ 1 Wagner/Janzenの経営環境原価計算
G.R.Wagner&H.Janzen (1991) は
,
「環境予算計算書」 を提案 し, そ の中に計画要素 を取 り入れた。 その際の計算概念では,外部原価及 び収益 を 可能 な限 り,総括的 に内部化 している。図表1‑1で は特 に,環境保全原価 ・収益計算 を枠 に入れて示 した。 そ こ で はPlinkeの論文 による概念か ら,全部原価 ・収益計算並 びに部分原価 ・ 収益計算のいずれか を選択す ることも含 んでいる。 その際,慣習的な原価 ・ 収益計算 を補完す ることで,拡張 された原価及び収益の基本計算か ら,環境 保全関連値が, いわゆる 「原価 プール及 び効用 (効果)プール」へ導かれ る。
このプール は,元来,原価及 び収益 を 「収容す る場所」 として環境保全関連 プロジェク ト計算のための方法 として役立 っている。
プロジェク ト計算 においては,種々のエ コロジー指向の企業行動領域や計 画領域が具体化 され る。例 えば, それ らは製造領域 における廃棄物 の最小化, 製品の まだ内部化 されていない環境作用因可能性分析, または特殊 な廃棄物
2 国際経営論集 No.20 2000
図表 1‑1 「環境予算計画」の基礎 シェーマ
出典 :Warmer,G.R.:KostenderUmwelterhaltunginihrerBedeutungfiirdieUn・
ternehmenspolitik,in:Mannel,W.(Hrsg.),HandbuchKostenrechnungS.926.
の種類 や数量 回避 のた めの プロジェク トに表示 されてい る。
あ るプール額 が,原 プロジェク トに対 して直接賦課 も, あ るい は基本 的基 準 による配賦 もされ ない場合 は, その金額 はその ままプール に残 り,振替 は 断念 され る。 そ して,環境 関連 のプ ロジェク トが終 了す る と, その残 高 はバ ラ ンスプール として繰 り越 され る。 これ は一方 において は統計 目的 のた め, 他方 において はプ ロジェク トに戻 り,貯 蔵 され る。
外 的影響 が,生態指 向領域 において成果 が約束 され る未来投資額 をプール か ら除外 す る場 合 は, それ もまた一定 の環境保 全費 に対 しあ る期 間 にお ける 種 々 の環 境 保 全 プ ロ ジ ェ ク ト間 の 負 担 力 を明 らか に し う る。 この場 合, Fleichmann/Pandtkeの単 な る記 録 表 とは対 照 的 に, この プー ル は 「価 値 貯蔵勘定」 として役立 つ限 り, む しろ短期 的記録計算 と長期 的環境保全 関連 P.Riebelの相対的個別費 ・補償貢献額計算の環境保全原価計算への活用 3
1) の計画計算及 び意思決定計算 との間の計算技術的連鎖 を明 らかにしている。
1‑ 2 Kloockの経営環境原価計算
J.Kloockは,彼の提唱す る経営環境原価計算 において,各研究者が環境 保全原価概念の定義や限定 に種々の要請 をし,特 に環境保全 のための原価 を 伴 う経営内的 ・外的視点の種々の課題 を無視 していること, また,経営環境 原価計算の経営計画 システムへの統合の問題 もあま り論 じていない ことに批 判的であることを挙 げた。経営環境保全原価 の概念及 び本質 に関 しては,環 境保全原価 の統一的概念規定が成立 していない とし,企業活動上,環境保全 のために生 じた原価 を環境保全原価 と定義 している。 この境界線上の問題 を よ り明確 に分析するために可能 な限 り,環境保全原価 の経営視点か らの体系 化及 び分類化 を主張 している。経営内的及び経営外的視点か らの環境保全原 価 の個所 では,経営内的視点か ら,すべての本質的,客観的,期間的及 び価 値的区分問題 は,環境原価計算で追求すべ き環境保全 目標 の もとで経営個別 的に解決 され るべ きであるが, それに対 して,経営外的視点か らの経営管理 課題 に とって多 くの区分問題が これ まで未解決の ままである点 を指摘 した。
最後 に,環境意識 の高揚 に伴 い環境保全の企業 目標 システムにおけるラン クの上昇 を述べ,ついで環境原価計算の経営原価計算への統合 を主張 してい る。すなわち,多段階式限界計画原価計算 を用いた統合環境原価計算 を実施 す るとい うことである。 さらに,反応的,積極的 または創造的環境政策のた めの諸 アプローチ法 として次の3方法 に関 して論 じている。(i)環境保全指向 またはエ コロジー指向の計画計算 としての環境指向生産政策 に適合す る経営 環境計算,(li)環境保全指向 またはエ コロジー管理計算の意味 を持 つ環境指向 資産管理のための経営環境原価計算,(iii)環境保全指向 またはエ コロジー目標 原価計算の意味 における環境指向生産 コン トロールのための経営環境厘価計 算である。
その意思決定ベースで内部会計情報 を要す る限 り,企業 をとりまく環境 も
4 国際経営論集 No.20 2000
関連 して くる。 その場合,企業管理 における環境関連パ ラメータの よ り進 ん だ統合 によって,給付単位計算 に基本 的 な変化 が生 じる (Kloock,1990)
2) ことになる。 ここに環境経営原価計算の提唱可能性があるとす る。
Kloockは,以上 のような経営環境原価計算 の新展開 に伴 い, 目標原価計 算が反応的,特 に積極的,かつ創造的環境政策 の促進のために用い られ るべ きであるとす る。 しか し, この改善 は,経営環境原価計算構築上,結果 とし てさらなる基本的概念的変更 を惹起 す るとして, これ以上 に問題 を大 き くす ることを避 けている。
1‑ 3 プロツェス原価計算
ドイツ環境省編 『環境原価計算ハ ン ドブ ック』で環境保全のために提唱 さ れているプロツェス原価計算では,一連 のプロツェス,すなわち設計,購買, 製造,販売のような領域 において発生す る共通費が, そこで実施 され る活動
によって生 じるとい うことを重視 して行われ る原価計算である。
プロツェス原価計算 は,従来の ような一括的配騨計 算 を行わないで,間接 部門の共通費 を直接 に原価負担者 に計上す ることによ り, これ らの諸欠陥 を 回避 しようとす るものである。 この方法で必要 な ことは,間接部門における プロツェス (例 えば,資材 の調達,品質保証検査 あるいはロジステ ィックに おける資材 の動 き) を分析 し,明確 に規定す ることである。
最近,廃棄物処理工程 は, その事業全体 にます ます大 きな影響 を及 ぼす よ うになって きた。廃棄物処理 に関連す るコス トのプロツェス原価計算 を実施 する際, そ こで使用するプロツェス値 は, その原因 に見合 った原価 の発生要 因 を基準 に算定す ることが肝要である。
以下 に,各 プロツェスにおけるプロツェス値 を示す。
●発生現場での廃棄物 の収集‑ プロツェス値 :当該機械か ら離れた廃棄 物収集所への搬 出回数。 この搬出回数 は,搬出方法 によ り異 なる。
●廃棄物搬出 (事業所か ら廃棄物保管セ ンターへ)‑ プロツェス値 :同
P.Rlebelの相対 的個別費 ・補償貢献額計算 の環境保全原価計算への活用 5
上。
●廃棄物保管‑ プロツェス値 :廃棄物保管倉庫 に必要 な容積, コンテナ な どの貯蔵 タ ンクの数。 なお, これ は廃棄物 の種類 によって も異 なる。
●廃棄物処理方法や処理業者 との契約 に関す る決定‑ プロツェス値 :結 ばれ る契約数 は,特別監視 を必要 としない廃棄物 や特殊廃棄物 に関す る 個別契約 であ るか, または家庭廃棄物 や特殊廃棄物 に関す る契約等であ
るか によって異 なって くる。
上 に掲 げた どの項 目に も, それ ぞれ さ らに数 多 くの過程 (Ablaeufe)が 含 まれてい る。伝統的 な賦課原価計算 は この ような複雑 な経過処理 に適 して いないが, それ に対 してプロツェス原価計算 は,上 の問題点 を如実 に反映す ることがで き, また最適 なプロツェスを追求す るためのデータベース を提供
3)
で きる としてい る。
なお,LCCを活用 した環境保全原価計算等 に関 しては別稿 に譲 りたい。
2 相対 的個 別 費 ・補償 貢 献額計算の環境 関連原価 計算 への活用
本章 では,C.Lange&R.Fischerの見解 に基づいて,相対 的個別費 ・補 4)
償貢献額計算 を活用 した環境保全関連原価計算 にお ける環境保全原価 の区分 及 び体 系化 に関 して論ず る。
2‑ 1 環境保全原価の区分
環境保全原価 とは,企業活動が環境 に及 ぼす影響 を軽減 す るために とられ る対策 や, またその影響 の諸原因 よって発生す る原価 の総体 をい う。 ここで 環境 への影響 とは, 自然 の収支バ ランスへの介入 に起 因す る大気,土地,水, 動植物, それ に人間 自身への影響 をい う。環境保全原価 を分類 す るためには, 図表2‑1に示 す ように2つの個別領域 を考察 しな くてはな らない。
第1に,原価 については, まず原価 負担者 の場所 に関す る分析が可能 であ 6 国際経営論集 No.20 2000
図表2‑1 環境保全原価のカテゴリー化 環境保全原価
原価は内部環境保全原価 として企業に より負担される
J ∫
狭義における環境保全原価 補償原価
† †
環境への影響に対する積極的な回避策 による原価
外部原価 はそれに直接関わ らない第 3者 よって負担される
J 外部環境原価
†
環境への影響に対する消極的な対策 に起因する原価
出典 :ZfB‑Erganzungsheft1/98,S.109.
る。すなわち企業 自体 が負担す る 「内部原価 (internaliserteKosten)」 と, 例 えば大気汚染,騒音公害,気象異変 な どの ように社会が負担す る 「外部原 価 (externalisierteKosten)」 とに区別で きる。
第2に,企業 の環境 への影響 との関わ りにおいて,環境 への影響 を軽減 す るために企業が積極 的 に とる対策か ら生 じる原価 が ある。 また他方で は企業 は, 自らが その発生源 である環境 への影響 に対 して単 に甘受す る場合 もある。
この ような領域 を考察す ることによって, そ こか ら環境保全原価 について 次の3つのカテゴ リーが対 象化 され る。
●狭義 にお ける環境保全原価
●補償原価 (Kompensationskosten)
●外部原価
狭義 にお ける環境保全原価 は,企業 の環境 への影響 を軽減 す るた めに発生 す る原価 である。 この対策 の例 として生産 に組 み込 まれた環境保全技術 の投 入 (回避対策),投入 した原材料 の リサイ ク リング (再利用対策),渡過装置 の稼働 (廃棄対策), あ るいは汚染土壌 の除去 (回復対策) な どを掲 げ る こ
とがで きるだ ろう。
狭義 にお ける環境保全原価 のカテゴ リー は企業 の積極姿勢 と結 びついてい る。 この場合,補足 され る原価 は消極姿勢 との比較 において環境保全原価 と
P.Riebelの相対的個別費 ・補償貢献額計算の環境保全原価計算への活用 7
呼ぶ。例 えば環境 に優 しい製品の製造原材料 については付加原価部分 は,既 存 の原材料 との比較 において環境保全原価 に算入 され る。
もし企業が環境 への影響 を軽減す る努力 を怠 り, その効果 を消極 的 に受 け 入れ るのであれば, その時点か ら外部効果 (externeEffekte)が発生す る。
この外部効果 は,例 えば排水税 や将来導入 され るであ ろう炭酸 ガス税 な どの 廃棄物賦課金 (Emissionsabgabe)の ように,公共 の手 に委 ね られた廃棄物 処理 に対 す る賦課金 として補償原価 の形 で企業 に負担 され る。 また関係者へ の損害賠償金 の支払 い, または環境保全 に関す る不法行為 に対 す る罰金処分 な どは,環境保全原価 の一部 が企業 に転嫁 され,補償原価 とな る。 もしも環 境への影響軽減措置 を とらず, また外的効果 を補償原価 の形 で内在化 しない とすれ ば, その時点 で外的効果 は外部原価 とな るので, その負担 は外部効果
5) の直接 の責任者で はな く,無関係 な第3者が負担す ることになる。
2‑ 2 環境保全関連原価計算の体 系化
明確 に規定 された環境保全原価 カテゴ リー を基礎 にす ることによ り環境保 全関連 の原価計算方式 の体 系化が可能 とな る (図表2‑2)。原価計算の諸方 式 を本 質的 に差別化 す る指標 (Differenzierungsmaerkmal) は外部効 果 の 算入 とその査定 にある。
実際原価 をベースに した差別化環境保全関連原価計算方式 は, もっぱ ら内 部原価 を対 象 とし,外部効 果 は無視 され る (伝統的 な差別化方式)。環境保 全関連原価計算 は 「従来 の」原価計算 の枠組 みで行 い, また環境 関連原価 は 可能 な限 り互 いに交錯 させず に計上 しなければな らない。 その結果,環境保 全関連原価 は原価種類別計算,原価場所別計算 さらに原価負担者別計算 な ど の個別 的な形 で明示 され ることにな る。
環境保全関連原価計算 の基礎 が計画原価 (拡大 された差別化方式) にあれ ば,外部効果 は具体 的 に企画 された環境保全対策 もし くは補償原価 としての 計画原価 の レベルでのみ考慮 され る。 それ ゆえ外部効果 を どの程度 まで算入
8 国際経営論集 No.20 2000
図表2‑2 環境保全関連原価計算方式の体系化
差別化方式 統合化方式
統合環境保全原価の差別的カテゴリ 外的効果 となる環境への影響 を算入
‑化 による原価計算 する原価計算
実際原価 をベース 計画原価 をベース 非貨幣的統合方式 貨幣的統合結合方
にした伝統的差別
化方式 差別化方式にした拡大 された 式
外的効果 を考慮 し 外部効果は具体的 多方面 にわたる外 貨幣 をベースに し ない に企画 された環境 部効果 を数値化 さ た外部効果 を外部 保全対策 もしくは れない, もしくは 原価 として考察す 補償原価 としての 貨幣的に評価 され る
計画原価のレベル ない原材料 とエネ
出典 :Lange,
C. &
Fischer,R∴a.a.0.,S.111.す るか は, その都度 の計画期 間 に依存 す るこ とにな る。
統合環境保 全関連原価計算方式 には, 内部原価 と共 に一般 に一切 の外部効 果 を も含 め るが,考察 の仕 方次第 で は,貨 幣的 な統合 方式 と金額 に関わ らな い統合 方式 とに区別 しうる。貨 幣的統合原価計 算 の場 合 には,外部効 果 は貨 幣的 に評価 され る。 この評価付 けは,環境 へ の影響 の回避 , 削減,廃棄 もし
くは回復 な どの諸対策 のた めに支 出 された金額 を もとに行 うか, あ るい は間 接 的 に関係者 の行動 を観察 す る こ とによって, あ るい は彼 らに直接 ア ンケー トを とるか に よって行 う。 ただ し,環境 へ の影響 が貨 幣単位 とい うただ一 つ の統一 的大 きさにおいて適切 に計測 で きるか どうか は疑 問で あ る。非貨 幣的 統合形式 で は,多方面 にわた る環境 へ の影響 を特 に数値化 され ない, あ るい
6) は金額 的 に評価 され ない物質 とエ ネルギーの流 れ として捉 える。
P.Rlebelの相対的個別費 ・補償貢献額計算の環境保全原価計算への活用 9
3 管理用具 と しての環境保全 関連原価 計算
3‑ 1 管理 (ControHng)の概念
次 にLange& Fischerは管理概念 を規定 す る。 また それ に引 き続 き環境 保全関連原価計算が管理用具 として機能す るためには, それがいかな る諸特 性 を持 たねばな らないか を論ず る。今 日の管理関連 の参考文献 においてはほ ぼ一様 に,管理 とは,特 に計画,統制,情報 な どの各 システムか らな る経営 総 システム内の相互調整 を図 ることによ り経営の補佐 をす るための企業経営 (Unternehmensfuehrung)のサ ブ システムで あ る と規 定 してい る。 この相 互 調 整 は 個々の 活 動 に お け る 経 営 管 理 課 題 の 分 担 (Teilung der Managementaufgabe)を行 う際 に非常 に重要 な役割 を演ず る。
管理 の課題 は, その 目的か ら確定で きる。個々の経営管理 システム内 とそ の システム問 にお ける相互調整 は
,
「本来」 の課題 (originaereAufgabe)と呼 ばれている。例 えば計画領域 にお ける調整 は計画 システム内で実施 され, 企業 に環境保全 の考 え方 を導入す る際 には,すべての個々の経営 システム は それ らの各活動パ ター ンに従 って調整 しなければな らない。管理 において派 生的な課題 は,情報 システム とその他 の個々の経営 システム との相互調整 か
7) ら導 き出 され る情報供給 (Informationsversorgung)にある とす る。
3‑ 2 管理用具 と しての環境保全関連原価計算の課題
経営 システムの相互調整 に貢献 す る体系的な補助手段 を管理用具 と呼ぶ。
管理用具 としての環境保全関連 の経常原価計算 の適正性 はその計算形態 に依 存す る。図表3‑3 (44貢)のサイ コロ状 の表 には
,
「時間関連」,
「原価集計 範 囲」,
「外的効果 の統合」 な どの各 デ ィメ ンシ ョンに関わ る予測 しうる環境 保全関連原価計算形態 を提示 してある。外部効果 を完全 に, またそれ らの レ ベル において貨 幣的 に表す ことはほ とん ど不可能 なので,エ コノ ミー とエ コ10 国際経営論集 No.20 2000
ロジーのデ ィメ ンシ ョンを非貨幣的 な統合環境保全関連原価計算 の形式 にお いて並行的 に把握す ることは目的 に合 ってい る。 それ ゆえ,貨幣的統合方式 にはさらに立 ち入 って論 じない。 ここでLange&Fischerは,以下 の3方 式 に分 けて説明 してい る。
(1) 伝統的差別化方式 :環境保全関連原価計算 の第一歩 は,実際環境保全 関連原価 を数量や価格構造 に従 って分割 的 に把握 し, その限界 をはっ き り規定す ることである。過去 にさかのぼ り情報 を個別化 す ることはな る ほ ど環境保全原価 の立証 を可能 にす るが, それ によって得 られ る結果 に は決定的な重要性が ない。 なぜ な ら企業 の環境保全対策 についてはその 前段階 においてすで に決定済 みであ り, また投資計算 の範 囲内 にお ける その収益性 も調査済 みであるか らで ある。 しか し,すべての個別 的経営 システム と外部要求 グループ (externerAnspruchsgruppen)に関す る 環境保全関連 の情報供給 は,実際原価ベ ース を伝統的 に差別化 した環境 関連原価計算の課題 と見 な して よい とす る。
( 2 )
拡大差別化方式 :さ らに進 んだ差別化 された計画環境保全関連原価計 算 は,管理用具 として分類 しうる。情報,計画,管理 な どの各 システム 間 にお ける相互調整 は, ここで行 われ る。特 に各給付単位原価計算 の対 象, とりわ け原価場所 (また場合 によって は原価 負担者 も含 まれ るが) についての内部環境保全原価計画 と管理 の調整 は,拡大差別原価計算方 式 と呼 んで よい。 この場合,原価差異分析 は,特 に原価 管理 (Kosten‑steuerung)に役立 つ。計画環境保全 関連 原価計 算 は, この よ うな調整 の役割 と最新情報供給 と並 んで,すべての意思決定, とりわ け品種組合 せの問題,原材料 もし くは生産方法の代替決定, また は自製 か購入 かの 決定, あるいは価格計算 に際 して経営 を補佐 しなけれ ばな らない。
(3)非貨 幣的統合方式 :差別 的環境保全関連原価計算で は,企業活動が与 えるエ コロジー環境への影響力 について完壁 な判 断 を下 す ことはで きな い。外的効果 を引 き合 いに出す ことによって初 めて,例 えば原価投入が
P.Riebelの相対 的個別費 ・補償貢献額計算の環境保全原価計算への活用 11
与 える (Kosteneinsatz)エ コロジー効果 についての判 断が可能 にな る。
内部環境保全 に限定 された実際原価,計画原価, さ らに外部効果 となる 環境 に及 ぼす量 的影響 (mengenmaessigeUmweltwirkungen)を釈合 的 に把握 す ることによって,企業 の環境保全 目標達成 のために重要 な情 報 となる基準値 が明 らか になる。環境 に及 ぼす影響 は, まず物質 とエネ ルギーの流れ として把握 され る。 ある分析 によれ ば この流れ はエ コロジ ーの立場 か ら評価可能 である。環境 に及 ぼす影響 に関す る評価付 けには, 自然科学上 の知識 ばか りで はな く,政治的かつ社会的思考 も大 きな役割
8) を果た してい る。
物質 とエ ネル ギー の流 れ に関す る非貨 幣 的評価 は,通常 の方法 (例 えば ABC分 析)で 実施 す るか, あ るい は基 本 的 方 法 (例 え ば等 価 係 数 [Ae‑ quvalenzziffern]また は評 価 点 [Bewertungspunkte])で実施 す るか の い ずれかである。 また普通 の記述 による論評 も簡単 な評価手段 として見 なす こ
とがで きる。
例 えば原価 削減 の可能性 (Kostensenkungspotentialen)の洗 い出 しな ど, 多 くの経営上 の問題 に解決策 を兄 いだすためには, とりあえず (評価 されて いない,量 的 な)物 質 とエ ネル ギー の流 れ を計 算 す る こ とで十分 で あ る。
エ コロジーの立場 か ら設定 された 目標 と並 んで,環境保全対策 を企業 として 受 け入れ る際 に重要 な要素 である経済的 目標 もまた十分考慮 され る。
また,1997年京都 の温暖化防止会議で議論 された廃棄物法 また は汚染禁止 法 な どを実際 に導入 す る場合 に問題 とな る, 自製 か購 入 か の決定 〔Make‑ or‑buy‑Entscheidung〕 に対 して,将来実施 され る諸対策 に関 す る計画原価
と量的 に把握 された環境 への影響 に関す る情報 は十分 な役割 を果た してい る。
さらに外部効果 を環境保全関連原価計算へ統合 す ることは,特 に早期認識 に大 きな役割 を果たす。一方で は ここに,環境保全対策 において利益 を生 み, 良いイメー ジを与 えるチ ャンス も生 まれ る。 また他方で は,環境保全法規 を 予測 しうるので,前 もって適切 な準備が可能 となる。
12 国際経営論集 No.20 2000
企業 にお ける収益性 は常 に最 も重要 な要件 であ り, また補償貢献額 は製品 種類 に とって主要 テーマであるに もかかわ らず,製 品 もし くは生産方法 の環 境 への影響 と環境保全原価 もまた,企業 の意思決定 に重大 な影響 を与 える。
例 えば環境保全関連共通費 を製 品へ計上す ることは,価格決定 の枠組 み にお いて可能 である。製品の外的効果 に基づ く原価計算 によれ ば,エ コロジー的 に 「悪 い」製 品 はよ り高 くな り
,
「良 い」製 品 はよ り安 くな る。た とえ直接 この価格が市場 で通用す ることはな くとも,エ コロジーの判定基準 に従 った 価格分析 の対象 とな りうる。調整機能 には管理上 の特別 な意味が ある。原価計算 の調整機能 に対応 す る ためには,環境への影響 を把握 す る努力 を怠 ってはな らない。 なぜ な らい ま やエ コロジー的管理が,企業 の存続可能性 を左右す る時代 が近づいてい るか らである。環境保全 目標 の実現 に携わ る従業員 のモチベー シ ョンを高 めるた めに,例 えば環境への影響 とい う点で上位 レベル にある環境保全共通費 を意 思決定 レベルへ割 り当て ることによって,意思決定者 の環境 に優 しい態度が, 共通費 の削減 で 「報 われ る」 こ とにな る。意 思決定者 が原価計 算調整機構
(kostenrechnerischerKoordinationsmechnismen)に基 づ き環境保 全 関連 を管理 (行為への影響)す ることによ り従業員 は,エ コノ ミーの立場 か ら企 業活動 としての環境保全 に参加 す る. さらに環境保全原価 に関す る情幸酎ま, 総経営 システム を調整 す るために環境保全関連予算案作成 と環境保全関連指
9) 数 システムに影響 を与 えることがで きる。
図表3‑1は管理用具 としての非貨 幣的統合環境 関連原価計算 に関す る諸 機能 と個別的課題 を1つ にまとめた ものであ る。次 に,Lange&Fischerは 相対 的個別費 ・補償貢献額計算が,環境保全関連原価計算 に対 す る基本的 シ
ステム として適 していることを論 じる。
P.Riebelの相対的個別費 ・補償貢献額計算の環境保全原価計算への活用 13
図表3‑1 管理用具 としての非貨幣的な統合化 された 環境保全関連原価計算の諸機能
調整機能
●企業領域 における環境保全関連原価の算定
●環境保全関連予算の編成
●環境保全関連指数の算定
情報機能
●環境保全関連原価 削減 の可能性 と計画/統 制の解明
●環境保全関連 リスクの解明
●全管理部分 システムの環境保全関連情報処 理
●外部情報受領者の環境保全関連情報処理
●品種組 み合せ,原材料 または生産方法の代 替, 自製か外注かの決定,価格決定等の問 題解決のための意思決定支援
経済的資料 エコロジカル資料
出典 :Lange&Fischer:a.a.0リS.114.
3‑ 3 相対 的個 別 費 ・補償 貢 献額 計算 に基づ く 環境 保全 関連原価 計算 の諸特 性
相対 的個 別 費 ・補 償 貢献 額 計 算 は,P.Riebelが60年代 に重化 学工 業 の連 産 品 に対 す る原価 の帰属 可能性 に関 して深 く研 究 を進 めてい る うち に ヒン ト
を得 て提 唱 した理論 で あ る。 その長所 は,(∋真正 な共通費 の配賦 は しない, 14 国際経営論集 No,20 2000
(参すべての原価 を個別費 として把握す ることで,一連 の表示可能性 を有す る こと,③経営上の種々の意思決定 に関す る基礎 を提供す ること,④原価場所 のコン トロール に役立つ こと等,特 にこのシステムの理論的純粋性 にある。
対象 を可能 な限 り現実的,かつ忠実 に捉 えることを可能 にす るこのシステム は,徹底的に論理的整合性 を誇 る計算機構 として構築 されている。 この よう な意思決定指向の原価計算では, ほ どん どすべての原価配分 は放棄 されてい る。部分原価計算 システムが機能 しているため,当然 の ことなが ら相対的個 別費 ・補償貢献額計算 においては一切 の固定費 は配賦 されない し, さらに変 動共通費 (見か けの共通費 は除 く) もまた,給付単位へ配賦 され ることはな い。 なぜな らここに何 ら事柄 に則 した正 しい配賦基準 は存在せず, したが っ て,原価計算 における原価 をすべて不正確 に配賦 す ることになるか らである。
相対的個別費 ・補償貢献額計算 をベースにした環境保全関連原価計算の基 礎 は,情報が基礎的構成要素の うちに準備 されている関係 データバ ンクであ る。データベースを,将来,十分利用す るとい うことは,環境保全関連意思 決定の対象 と環境保全限定原価 に基づ き,内部原価 としての実際基本計算 と 計画基本計算 を実施す ることに他 な らない。原価 を基本的 に計算す るとい う ことは,関連す る個別費 を汎用可能 な形 に統合す ることを意味す る。すなわ ちこの統合形態 においては,情報の構成基盤要素 は任意 に組 み合わせ られ る ので, さまざまな問題 の発生 に際 し,適時 に特別計算で対応可能 となる。 こ こで は区分 され た 「量 的一価値 的骨組 み (Mengen‑Wertgeruest)」 は,原 価作用因 を分析す る際 に大 きな役割 を果たす。
図表3‑2は,内部原価基本原価計算 の一例 である。水平方向 にすべての 意思決定対象が,すなわち原価場所か ら始 まり,一定 の環境保全措置,製品, 製品グループな どを経て,全体 としての企業 に至 るまで リス トア ップされて いる。 また縦方向には,2つの大 まかなカテゴ リーである給付原価 と経営準 備原価が環境保全 に限定 された原価 とそれに限定 されていない原価 とに細分 化 されている。 さらに環境保全原価 を狭義の環境保全原価 と補償原価 とに分 P.Riebelの相対 的個別費 ・補償貢献額計算 の環境保全原価計算への活用 15
類 す ることもで きる。各種 の原価 は原価 カテゴ リー に従 って区分 され, デ ィ メ ンシ ョンと価格 によって各単位 ごとに把握 され る。 どの種類 の原価 に対 し て も影響量が指示 され る。消費要素数量 と原価 は意思決定対 象 に帰属す る。
内部原価計算 としての実際基本原価計算 と計画基本原価計算 によって, さ らに進化 した形式 にお ける差別化 された環境保全関連原価計算が可能 とな り, また環境‑の影響 に関す る基本原価計算 とい う形 で,外部効果 の統合が果た され ることにな る。環境 への影響 に関す る基本原価計算 の確立 は, 内部原価 に関す る基本原価計算の確立 に合致 してい る (図表
3‑2)
。 まず縦方向 は給 付 に依存 し, また固定的 な環境 への影響 に関す る大 まかなカテゴ リーの区別 が表示 されてい る。どの環境への影響 に とって も, デ ィメ ンシ ョンと, また場合 によっては非 貨幣的評価 が把握 され る。環境 への影響 に関す る評価 には未解決 の問題が含
まれてい るので,本章 においてはそれ について さ らに立 ち入 ることは しない。
基本原価計算 においては,環境 への影響がいか に緊急の ものであるか を,エ コロジーの立場 に立 った弱点分析, また はABC分析 によ り評価 で きるよ う にな り, また はよ り複雑 な評価 方式 を適用で きるようにな る。 また純粋 に量 的 な評価 を下 す ことによって,評価 自体 を放棄す る ことも可能で ある。環境 への影響がいかなる決定要因 によって変化 す るか を読 み とるためには, デ ィ メ ンシ ョンや評 価 付 け,並 び に各 種 の環 境 へ の影 響 ご とに そ の影 響 範 囲 (量) を捉 えなけれ ばな らないで あ ろう。水平方向 には意思決定対 象が リス トア ップされてい る。環境 への影響 は最終 的 には評価 され ない数量 もし くは 貨 幣的 には評価 され ない数量 として, さまざまな意思決定対策 に分類 され る ことになる。相対 的個別費 ・補償貢献額計算 を活用 した環境保全関連厘価計 算 に関す るあ らゆる分析評価原価計算 は,次 に示 す とお りで ある。
●計画 ・実際環境保全原価,環境への影響,補償貢献額 に関す る原価差異 分析 :ここで は環境対策 にお ける収益性 についての調査,原価 削減 の可 能性 の洗 い出 しをす ることの必要性 の認識 な どが要件 となる。補償貢献 16 国際経営論集 No.20 2000
図表3‑2 内部原価 の基 本 原価 計 算 の例
P.Rlebe10)fE]巻き壷ErJ嘩・封海側梨強等堀0)新曲来ゆ淘轟等明ノ0)筑jE
内部化原価の基礎計鮮 意思決定対象
原価カテゴリー 原価種類 単 位 単価 影響恥囲 前原価場所 1 排水処理 放終原価 最終原価 製品ブル 製品A 企業全体 計 [Vo修理箇所rKst.1] 装恐 場所 1 場所 2 ‑プアルファ
放/原価 良/原価 虫/原価 韮/原価 虫/原価 虫/原価 良/原価
給付 非環境保原価 全限定原価 原材料補助材料 kキロワット時g 生産出機械時間 出来高払Ti‑金 時間 超過時間
碑噴保垂
限定原価 …=泰束の濁墳保全原価 廃材料 kg
エネルギー キロワット時 生産丑 績僚原価 廃棄原価 リットル し舞準物丑
簾♯物賦蘇金 DM 排ttI丑
経営 非環境保
準備 全限定原原価 価 給料家f2 DMDM 四半期月
文房具 DM 月
i
〜
一群境保全混合原価 給料 DM 四半期
l [I東食保全限定原価
b ざ・本来の群境保全価 原給料 DM 四半期
用役 Dh4
‥禰於原価 料金 DM 局
節金 DM 年
総原価の合計 堺境保全癖価ぬ推計
凡例
:
⊂二二]配賦される混合原価 (網かけ部分) 出典 :Lange&Fischer:a.a.0.S.117図表3‑3 相対的個別費 ・補償貢献額計算 に基づ く環境保全関連原価計算
(管理用具の投入)
・経済的 ・エコロジー的 データの記録,計画, 統制
・調整機能
・情報機能 出典 :Lange&Fischer:a.a.0.,S.120.
額計 算 は, さ まざ まな意 思決定対 象 の序列 に従 った環境保 全 原価 の検証 に基 づ き実施 され るので, この検証 の綿 密性 いか ん に よ り環境保 全 原価 の変更 に基 づ く補償 貢献 の ネガ テ ィブな側面 も発見可能 とな る。
●状 況 を的確 に捉 え る基本 原価計 算 デー タ を使 用 した環境保 全 関連 原価計 算 に基 づ く比 率分析 システム の構 築 :比 率分析 システム に は環境保 全 原 価 と環境 へ の影響 に関す る相対 的 な指数 と共 に共通 の指数 ,例 えば環境 保 全 原価 と原価効 果 の変更 にお け る指数 としての環境 へ の影響 に対 す る 補償 貢献 額 の比 率 が含 まれ て い る。
●環境保 全 に関 す る情報 を基 に した価格判 断 の判 定基準 とな る補償 率/捕 償 予算 の調査 :環境 へ の影響 は製 品 の共 通費 を計 算 す る際 の基盤 として の役 目を果 たす。 エ コロ ジー の立場 で設 定 された価格 は 目的原価計 算 プ ロツ ェス にお いて市場価 格 と比 較 可能 とな る。
10)
等 が挙 げ られ る。
18 国際経営論集 No.20 2000
お わ り に
本稿で取 り扱 った相対的個別費 ・補償貢献額計算 をベースにした環境保全 関連原価計算 は,原価管理及び意思決定 に適 した原価計算である。環境保全 関連原価計算 は,環境保全原価 の種類 とその意思決定対象 を個別的 にカテゴ リー化す ることによる拡大差別化方式であるばか りでな く,環境への影響 に 関す る追加基本原価計算 を介 した非貨幣的統合方式 ともな りうる。すべての 基本原価計算 は,実際 ・計画ベースに従 って行われ る。 この ような環境保全 原価計算 は,硬直 した伝統的原価計算方式 よ りも原価管理や意思決定 のため に適切 である。 これ まで論 じて きた原価計算方式 は,全体 として総経営 シス テムにおける相互調整 と情報提供のための, それゆえ,企業 のエ コロジー及 びエ コノ ミー目標 を補佐す るためのコン トロー リング用具 としての役割 を果 たす ことがで きる。 この相対的個別費 ・補償貢献額計算 をベースにした環境 保全原価計算 は,重化学工業,航空機産業等 に通用可能である。相対的個別 費 ・補償貢献額計算の適用拡大 を主張 して きたRiebelは, この ような 目的
に自分の主張 した計算 システムが活用 され ることを大 いに推奨す るであろう。
さらに,環境保全原価計算 を上述 の原価計算法の他 に,固定費補償計算, 補償貢献額計算,結合限界全部原価計算等のような原価計算 システム と統合 することも可能であろう。
要す るに,環境問題が一段 とその深刻性 を増 した現在,多 くの企業では環 境保全原価計算の体系化 を模索 している。 その1つの計算 システム として相 対的個別費 ・補償貢献額計算の有効性 を考察 した。 しか しこの環境保全原価 計算 とい う概念 には実 にさまざまな内容が包括 されていることは,銘記すべ
きである。
P.Rlebelの相対的個別費 ・補償貢献額計算の環境保全原価計算への活用 19
注
1) Wagner,Ge一dRainer:KostenderUmwelterhaltunginihrerBedeutung fuerdieUnternehmenspolitik,in:Maennel,Wolfgang(Hrsg.),Handbuch Kostenrechnung,Wiesbaden1992,S.917‑940.拙稿 「環境保全費の経営環境 原価 計 算 へ の算入 に関 す る一考 察」中央 大 学 経 理研 究 所 『経 理研 究』37号
(1993)。
2) Kloock,Josef:NeuereEntwicklungenbetrieblicherUmweltkostenrech‑
nungen,in:BetriebswirtshaftundUmweltschutz,(Hrsg.)Wagner,G.R., Schaeffer‑PoeschelVerlagStuttgart1993,S.179‑206.拙稿 「ドイツにお ける 環境 原 価 計 算 の展 開
」
『企 業 会 計』Vol.48No.9 (1996)64‑70頁 (1995)0 Kloock,J∴Kostenrechnung nit integrieter Umweltschutzpolitik als Umweltkostenrechnung,:Handbuch Kostenrechnung, (Hrsg.) Maennel, Wolfgang,BetriebwirtschaftlicherVerlagDr.Th.GablerGmbH,Wies‑ baden1992,S.929‑952.3) Bundesumweltministerium & Umweltbundesamt (Hrsg.): Handbuch Umweltkostenrechnung,VerlagFranzVahlen,Muenchen1996.S.73‑78. 4) 拙著 『ドイツ管理会計論』中央経済社,1987年,189‑205頁。Riebel,Paul:
Einzelkosten‑und Deckungsbeitragsrechnung,Grundfragen einerMarkt‑ und endscheidungsorientierten Unternehmensrechnung,Wiesbaden 1985, 1994.Lange,Christoph&Fisher,Regina:UmweltschutzbezogeneKostenre‑ Chnung Auf Basis der Deckungsbeitragsrechnung als Instrument des Controlling,in:ZeitschriftfuerBetriebswirtschaft‑Ergaezungsheft1/1998, S.108f.
5) Lange,C.&Fischer,R∴a.a.0.,S.109f. 6) Ebenda.S.110
7) Ebenda.S.111f. 8) Ebenda.S.113.
9) Ebenda.S.115f. 10) Ebenda.S.116f.
20 国際経営論集 No.20 2000