キトサンナノファイバーsheetの構造と物性
著者 桜井 謙資, 岸田 友貴
雑誌名 福井大学大学院工学研究科附属繊維工業研究センタ
ー年報
巻 4
ページ 12
発行年 2011‑07
URL http://hdl.handle.net/10098/3707
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[9] キトサンナノファイバーsheet の構造と物性
福井大学大学院工学研究科 ○桜井謙資,岸田友貴
1) 緒言
我々はキトサン(CS)、ポリエチレンオキシド (PEO)からCS/ PEO複合ナノファイバ ー(NF)シートを電界紡糸法で製作し,創傷治癒効果のある医用材料になることを報告し てきた.本研究では CS/PEO 複合 NF シートについて材料的観点から研究した.特に NFの配向、NFのシートの含水性、みかけの弾性率等について検討した.
2) 実験方法
紡糸溶液:CS を酢酸水溶液に溶解し,さらに PEO を加え紡糸溶液を調製した。
CS/PEOの混合割合は10/2, 8/2, 6/4, 4/6 2/8, 0/10の6種類とした。回転コレクターを もつ電界紡糸装置を用いて、NF シートを作製した。NF のモルフォロジーや結晶配向 をSEM, WAXDで観測した。また、NFシートの含水度,弾性率、FT-IR測定を行った。
3) 結果と考察
Fig.1にCS/PEO(2/8)の回転数 (a)500rpm, (b)3000rpmで集積し たNFのSEM写真を示す。直線的 で綺麗なNFが作製された。
高回転数の(b)では繊維が配向して いる。繊維直径は約220nmである。
(2/8)NFシートの30℃における 貯蔵弾性率は回転数が上がるにつ
れて増加した。NFの繊維配向によると考えられた.
NFシートの含水度は CSの混合割合が減るにつれ減少した。SEM観察から含水度 の高いNFシートは含水前後で形状変化が少なかった.ナノ繊維間の空隙が含水量に直 接関係している.
CS/PEO(8/2) NFシートの高い創傷治癒効果について既に報告している.主な要因は CSの創傷治癒特性によることは言うまでもないが,NFのよる莫大な比表面積,すな わち有効な反応場が非常に大きいこと,さらに本研究で明らかにしたNFシートの高い 含水度,すなわち,保水性能が非常に大きいことも一因と考えられる.
(a)500rpm
Fig.1 SEM観察 CS/PEO(2/8)