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正多角形の作図と3次方程式 : 正97, 109, 163, 193 角形の作図方程式

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(1)

193 角形の作図方程式

著者 西村 保三, 大石 美咲

雑誌名 福井大学教育・人文社会系部門紀要

巻 3

ページ 85‑98

発行年 2019‑01‑17

URL http://hdl.handle.net/10098/10545

(2)

*1 福井大学教育・人文社会系部門教員養成領域

*2 福井市円山小学校

-正

97, 109, 163, 193

角形の作図方程式-

西村 保三*1 大石 美咲*2

内容要約:本稿では,定規とコンパスと角の3等分器で作図可能な,正97, 109, 163, 193 形を作図するために必要な高々3次の方程式を具体的に示す。

1 はじめに

1801年,ガウスは定規とコンパスで作図可能な正素数多角形の角数は,フェルマー素数に限 ることを証明した。フェルマー素数とは,2m+ 1で表される素数で,3, 5, 17, 257, 65537の 5つが知られている。またガウスは,正17 角形の具体的な作図法も示した。正 257角形と正 65537角形については,角数が多くて実際に作図することは困難だが,正257角形を1832年に F.J.リシェロー[10]が,正65537角形を1895年にJ.G.ヘルメス[3] が,作図に必要な2次方 程式をそれぞれ示した。今日では,正257角形を実際に定規とコンパスで作図するCGを使っ た動画も作られている([6]参照)。

定規とコンパスの作図に加えて,角の3等分が可能な場合,作図可能な正素数多角形の角数 は,2m3n+ 1で表される素数に拡張することが知られており,このような素数は

3, 5, 7, 13, 17, 19, 37, 73, 97, 109, 163, 193, 257, 433, 487, · · ·

と多数存在する([2, 5]参照)。このうち,角数が73以下の多角形と,定規とコンパスで作図可 能な正257角形については,[1, 2, 7, 8, 10]などで具体的な作図法が既に示されている。本稿で は,正97, 109, 163, 193角形の作図に必要な高々3次の方程式を具体的に示すことが目的で ある。なお本稿は,大石の卒業論文[9]を基にしている。

2 角の3等分と正多角形の作図

角の3等分が作図不可能であることは,1837年にドイツの数学者ワンツェルによって証明さ れたが,定規とコンパス以外の方法を用いた角の3等分法が,多くの人によって提案されてい る。角の3等分が可能な作図としては,以下が挙げられる([5], [4, 7章]等参照)。

*1福井大学教育・人文社会系部門教員養成領域

*2福井市円山小学校

正多角形の作図と3次方程式

-正97,109,163,193角形の作図方程式-

西村 保三*1 大石 美咲*2

(3)

1. 折り紙 2. 目盛付定規

3. 直角定規とコンパス

4. 特殊な器具(トマホークと呼ばれるT型定規や,リンケージを利用した器具など)

5. 平面に特殊な曲線が描かれている場合(2次曲線,螺旋,リマソン,円積曲線など)

定義2.1 与えられた実数p, q, r,· · · から実数αが作図可能とは,座標平面上に点O(0,0), E(1,0) およびA1(p,0), A2(q,0), A3(r,0),· · ·が与えられた状態から点P(α,0)が作図できるときをいう。

特に,O(0,0), E(1,0)のみからP(α,0)が作図できるとき,単に実数αは作図可能という。

大きさθの角を作図するためには,1辺が|cosθ|で斜辺が1の直角三角形が作図できればよ いので,大きさθの角が作図可能であることは,実数cosθが作図可能であることと言い換え られる。よく知られているように,定規とコンパスによる古典作図では,与えられた実数p, q に対して,四則p+q, p−q, pq, p/qおよび2次方程式x2+px+q= 0の実数解は作図可能で ある(例えば,[5, Theorem 2.10]参照)。

定理2.2 与えられた実数p, q, rを係数とする3次方程式x3+px2+qx+r= 0が実数解を(重 複度を込めて)3個持つとき,その解は,定規とコンパスと角の3等分器で作図可能である。

証明 カルダノ変換x=x+p3によって,p= 0と仮定してよい。f(x) =x3+qx+r= 0が3重解 を持つとき,q=r= 0より,方程式の解x= 0は作図可能である。f(x) =x3+qx+r= 0が異な る実数解を2つ以上持つとき,f(x)は極大値(≥0)と極小値(≤0)を持つ。従ってq <0であ り,極大値f(−√

−q/3) =−23q

−q/3 +r≥0かつ 極小値f(

−q/3) = 23q

−q/3 +r≤0で ある。ここで,A= 3r

2q

q/3 とおくと,1≤A≤1である。方程式f(x) = 0は,x= 2y√

−q/3 と変数変換すると4y33y−A= 0に変形される。3倍角の公式4 cos3θ−3 cosθ−cos 3θ= 0 より,θ= 13cos1Aとおくと,この方程式はy= cosθ, cos(θ+3), cos(θ+ 3)の(重複度 を込めて)3つの実数解を持つ。Aおよび大きさ3θ= cos1Aの角は,与えられたq, rから定 規とコンパスで作図可能であり,大きさθの角は角の3等分器で作図できるので,方程式の解 yを(従ってxも)作図することができる。□

定規とコンパスと角の3等分器で作図可能な正多角形の角数について,次の定理が知られて いる([2, Theorem 2]参照)。

定理2.3 (Gleason) 定規とコンパスと角の3等分器で作図可能な正素数多角形の角数pは,

p= 2m3n+ 1で表せる素数に限る。

系2.4 定規とコンパスと角の3等分器で作図可能な正多角形の角数qは,q = 2k3lp1· · ·pt

(k, l, t0, piは互いに異なる2m3n+ 1の形の素数)で表される数に限る。

(4)

注意 2.5 角の3等分に加えて,立方根も作図できる場合,一般の3次方程式を解くことができ る。この場合,作図可能な数の範囲はさらに(ヴィエトの体Vまで)拡大するが,作図可能な 正多角形は,系2.4よりも増えないことが知られている([5, 9章Pierpontの定理]参照)。

2m3n+ 1で表せる素数は,

3, 5, 7, 13, 17, 19, 37, 73, 97, 109, 163, 193, 257, 433, 487,· · ·

と多数存在する。このような素数は無限に存在すると予想されるが,未解決問題である。

次節以降では,p= 97, 109, 163, 193に対して,正p角形の作図に必要な高々3次の方程式 を求める。なお,次数の高い多項式の基本対称式の計算には,フリーソフトのmaximaを補助 として利用した。

3 正 97 角形

ζ= exp(2

97πi)

= cos(2

97π)

+i sin(2

97π)

を1の原始97乗根とする。p= 5が97の原始根であ ることに着目して,ζ5(0k ≤k≤95)を順に並べると,ζ, ζ2, ζ3,· · ·, ζ96が1回ずつ現れる。こ れを2つおきに和を取ったものをy1, y2とする。すなわち,

y1=

47

i=0

ζ52i =

47

i=0

ζ25i =ζ+ζ25+ζ43+· · ·+ζ66 = 4.424· · ·

y2=

47

i=0

ζ52i+1=

47

i=0

ζ5·25i =ζ5+ζ28+ζ21+· · ·+ζ39 =−5.434· · ·

とおく。

96

i=0

ζi= 0を利用して,y1, y2の基本対称式を計算すると,y1+y2 =1, y1y2=24 を得る。よってy1, y2は次の2次方程式の解である。

y2+y−24 = 0 (1)

次にy1を2つに分けてx1, x2とする。すなわち,

x1=

23

i=0

ζ252i=

23

i=0

ζ625i =ζ+ζ43+ζ6+· · ·+ζ88 = 1.189· · ·

x2=

23

i=0

ζ252i+1 =

23

i=0

ζ25·625i =ζ25+ζ8+ζ53+· · ·+ζ66 = 3.234· · ·

とおくと,x1+x2=y1, x1x2=−2y27より,x1, x2は次の2次方程式の解である。

x2−y1x−2y27 = 0 (2)

(5)

同様にy2を2つに分けてw1, w2とする。すなわち,

w1=

23

i=0

ζ5·252i =

23

i=0

ζ5·625i =ζ5+ζ21+ζ30+· · ·+ζ52 = 1.104· · ·

w2=

23

i=0

ζ5·252i+1 =

23

i=0

ζ125·625i =ζ28+ζ40+ζ71+· · ·+ζ39 =7.529· · ·

とおくと,w1+w2=y2, w1w2= 2y25より,w1, w2は次の2次方程式の解である。

w2−y2w+ 2y25 = 0 (3)

次にx1を2つに分けてn1, n2とする。すなわち,

n1=

11

i=0

ζ6252i =ζ+ζ6+ζ36+· · ·+ζ81 = 2.493· · ·

n2=

11

i=0

ζ6252i+1=ζ43+ζ64+ζ93+· · ·+ζ88 =1.303· · ·

とおくと,n1+n2=x1, n1n2=y2+ 3x2+w2より,n1, n2は次の2次方程式の解である。

n2−x1n+y2+ 3x2+w2= 0 (4)

同様にx2を2つに分けてl1, l2とする。すなわち,

l1=

11

i=0

ζ25·6252i =ζ25+ζ53+ζ27+· · ·+ζ85 = 0.079· · ·

l2=

11

i=0

ζ25·6252i+1 =ζ8+ζ48+ζ94+· · ·+ζ66 = 3.155· · ·

とおくと,l1+l2=x2, l1l2=−y23x2−w23より,l1, l2は次の2次方程式の解である。

l2−x2l−y23x2−w23 = 0 (5) 同様にw1を2つに分けてs1, s2とする。すなわち,

s1=

11

i=0

ζ5·6252i=ζ5+ζ30+ζ83+· · ·+ζ17 = 5.304· · ·

s2=

11

i=0

ζ5·6252i+1=ζ21+ζ29+ζ77+· · ·+ζ52 =3.199· · ·

とおくと,s1+s2=w1, s1s2=−x22w1+w22より,s1, s2は次の2次方程式の解である。

s2−w1s−x22w1+w22 = 0 (6)

(6)

同様にw2を2つに分けてk1, k2とする。すなわち,

k1=

11

i=0

ζ125·6252i=ζ28+ζ71+ζ38+· · ·+ζ37 =3.318· · ·

k2=

11

i=0

ζ125·6252i+1 =ζ40+ζ46+ζ82+· · ·+ζ39 =4.210· · ·

とおくと,k1+k2=w2, k1k2=x2+ 2w1−w21より,k1, k2は次の2次方程式の解である。

k2−w2k+x2+ 2w1−w21 = 0 (7) 次にn1を2つに分けてm1, m2とする。すなわち,

m1 =ζ96+ζ62+ζ61+ζ36+ζ35+ζ =0.666· · · m2 =ζ91+ζ81+ζ75+ζ22+ζ16+ζ6 = 3.159· · ·

とおくと,m1+m2=n1, m1m2=w1+k2より,m1, m2は次の2次方程式の解である。

m2−n1m+w1+k2= 0 (8)

同様にl1を2つに分けてp1, p2とする。すなわち,

p1 =ζ95+ζ72+ζ70+ζ27+ζ25+ζ2 = 1.531· · · p2 =ζ85+ζ65+ζ53+ζ44+ζ32+ζ12 =−1.452· · ·

とおくと,p1+p2=l1, p1p2=w2+s2より,p1, p2は次の2次方程式の解である。

p2−l1p+w2+s2= 0 (9)

同様にk1を2つに分けてt1, t2とする。すなわち,

t1 =ζ87+ζ69+ζ59+ζ38+ζ28+ζ10 =0.441· · · t2 =ζ71+ζ63+ζ60+ζ37+ζ34+ζ26 =2.877· · ·

とおくと,t1+t2=k1, t1t2=−y2−l21より,t1, t2は次の2次方程式の解である。

t2−k1t−y2−l21 = 0 (10) 最後にm2を3つに分けてv1, v2, v3とする。すなわち,

v1 =ζ91+ζ6= 2 cos(12

97π)

= 1.850842· · · v2 =ζ75+ζ22 = 2 cos(44

97π)

= 0.290457· · · v3 =ζ81+ζ16 = 2 cos(32

97π)

= 1.01864· · ·

(7)

とおくとv1+v2+v3=m2, v1v2+v2v3+v3v1=m2+t1, v1v2v3=p2+ 2より,v1, v2, v3は次 の3次方程式の解である。

v3−m2v2+ (m2+t1)v−p22 = 0 (11) 以上より,高々3次の方程式(1)~(11)を順次解くことによって,v3= 2 cos(32

97π)

が得られ る。この値を利用して3297πの角を作図することができ,これを16等分することで正97角形の 中心角を得ることができる。

4 正 109 角形

ζ= exp( 2

109πi)

= cos( 2

109π)

+i sin( 2

109π)

を1の原始109乗根とする。p= 11が109の原始 根であることに着目して,ζ11(0k ≤k≤107)を順に並べると,ζ, ζ2, ζ3,· · · , ζ108が1回ずつ現 れる。これを2つおきに和を取ったものをy1, y2とする。すなわち,

y1=

55

i=0

ζ112i =

55

i=0

ζ121i=ζ+ζ12+ζ35+· · ·+ζ100 = 4.720· · ·

y2=

55

i=0

ζ112i+1 =

55

i=0

ζ11·121i =ζ11+ζ23+ζ58+· · ·+ζ10 =5.720· · ·

とおくと,y1, y2は次の2次方程式の解である。

y2+y−27 = 0 (1)

次にy1を3つに分けてx1, x2, x3とする。すなわち,

x1=

17

i=0

ζ1213i =ζ+ζ93+ζ38+· · ·+ζ34 =1.788· · ·

x2=

17

i=0

ζ1213i+1 =ζ12+ζ26+ζ20+· · ·+ζ81 = 6.073· · ·

x3=

17

i=0

ζ1213i+2 =ζ35+ζ94+ζ22+· · ·+ζ100 = 0.434· · ·

とおくと,x1, x2, x3は次の3次方程式の解である。

x3−y1x29x−y21 = 0 (2)

(8)

同様にy2を3つに分けてw1, w2, w3とする。すなわち,

w1=

17

i=0

ζ11·1213i =ζ11+ζ42+ζ91+· · ·+ζ47 =−6.903· · ·

w2=

17

i=0

ζ11·1213i+1=ζ23+ζ68+ζ2+· · ·+ζ19 = 1.677· · ·

w3=

17

i=0

ζ11·1213i+2 =ζ58+ζ53+ζ24+· · ·+ζ10 =−0.493· · · とおくと,w1, w2, w3は次の3次方程式の解である。

w3−y2w29w+y2= 0 (3)

次にx1を3つに分けてn1, n2, n3とする。すなわち,

n1 =ζ108+ζ64+ζ63+ζ46+ζ45+ζ = 1.475· · · n2 =ζ93+ζ82+ζ66+ζ43+ζ27+ζ16 =0.339· · · n3 =ζ105+ζ75+ζ71+ζ38+ζ34+ζ4 = 0.026· · · とおくと,n1, n2, n3は次の3次方程式の解である。

n3−x1n2+ (2x2+x3+ 2w1+w2)n+x2+w1−w2−w3+ 2 = 0 (4) 同様にw1を3つに分けてp1, p2, p3とする。すなわち,

p1 =ζ98+ζ70+ζ59+ζ50+ζ39+ζ11 =−1.575· · · p2 =ζ79+ζ72+ζ67+ζ42+ζ37+ζ30 =−2.884· · · p3 =ζ91+ζ65+ζ62+ζ47+ζ44+ζ18 =2.444· · · とおくと,p1, p2, p3は次の3次方程式の解である。

p3−w1p2+ (2x2+x3+ 2w2+w3)p+y2+ 2x2+w2+ 3 = 0 (5) 同様にw2を3つに分けてq1, q2, q3とする。すなわち,

q1 =ζ86+ζ77+ζ55+ζ54+ζ32+ζ23 =2.054· · · q2 =ζ101+ζ76+ζ68+ζ41+ζ33+ζ8 =0.284· · · q3 =ζ107+ζ92+ζ90+ζ19+ζ17+ζ2 = 4.016· · · とおくと,q1, q2, q3は次の3次方程式の解である。

q3−w2q2+ (−x2+x3−w2+w31)q+y2+ 2x3+w3+ 3 = 0 (6)

(9)

最後にn2を3つに分けてv1, v2, v3とする。すなわち,

v1 =ζ96+ζ16= 2 cos(32

109π)

= 1.207973· · · v2 =ζ27+ζ82= 2 cos(54

109π)

= 0.028821· · · v3 =ζ43+ζ66= 2 cos(192

109π)

=1.57642· · · とおくと,v1, v2, v3は次の3次方程式の解である。

v3−n2v2+ (n2+p1)v−q12 = 0 (7) 以上より,高々3次の方程式(1)~(7)を順次解くことによって,v1= 2 cos(32

109π)

が得られ る。この値を利用して10932πの角を作図することができ,これを16等分することで正109角形 の中心角を得ることができる。

5 正 163 角形

ζ = exp( 2

163πi)

= cos( 2

163π)

+i sin( 2

163π)

を1の原始163乗根とする。p= 2が163の原始 根であることに着目して,ζ2(0k ≤k 161)を順に並べると,ζ, ζ2, ζ3,· · ·, ζ162が1回ずつ現 れる。これを3つおきに和を取ったものをy1, y2, y3とする。すなわち,

y1=

53

i=0

ζ23i =

53

i=0

ζ8i =ζ+ζ8+ζ64+· · ·+ζ102 = 8.158· · ·

y2=

53

i=0

ζ23i+1 =

53

i=0

ζ2·8i=ζ2+ζ16+ζ128+· · ·+ζ41 =4.076· · ·

y3=

53

i=0

ζ23i+2=

53

i=0

ζ4·8i =ζ4+ζ32+ζ93+· · ·+ζ82 =5.082· · ·

とおくと,y1, y2, y3は次の3次方程式の解である。

y3+y254y169 = 0 (1)

次にy1を3つに分けてx1, x2, x3とする。すなわち,

x1=

17

i=0

ζ83i=

17

i=0

ζ512i =ζ+ζ23+ζ40+· · ·+ζ78 =−1.081· · ·

x2=

17

i=0

ζ83i+1 =

17

i=0

ζ8·512i=ζ8+ζ21+ζ157+· · ·+ζ135 = 6.646· · ·

x3=

17

i=0

ζ83i+2 =

17

i=0

ζ64·512i =ζ64+ζ5+ζ115+· · ·+ζ102 = 2.593· · ·

(10)

とおくと,x1, x2, x3は次の3次方程式の解である。

x3−y1x2+ (−y22y37)x−y27y321 = 0 (2) 同様にy2を3つに分けてw1, w2, w3とする。すなわち,

w1=

17

i=0

ζ2·83i =

17

i=0

ζ2·512i =ζ2+ζ46+ζ80+· · ·+ζ156 =3.759· · ·

w2=

17

i=0

ζ2·83i+1 =

17

i=0

ζ16·512i =ζ16+ζ42+ζ151+· · ·+ζ107 = 4.251· · ·

w3=

17

i=0

ζ2·83i+2 =

17

i=0

ζ128·512i =ζ128+ζ10+ζ67+· · ·+ζ41 =4.568· · · とおくと,w1, w2, w3は次の3次方程式の解である。

w3−y2w2+ (2y2+y35)w+ 7y2+ 6y314 = 0 (3) 同様にy3を3つに分けてv1, v2, v3とする。すなわち,

v1=

17

i=0

ζ4·83i =

17

i=0

ζ4·512i=ζ4+ζ92+ζ160+· · ·+ζ149 = 1.198· · ·

v2=

17

i=0

ζ4·83i+1 =

17

i=0

ζ32·512i =ζ32+ζ84+ζ139+· · ·+ζ51 =6.196· · ·

v3=

17

i=0

ζ4·83i+2 =

17

i=0

ζ256·512i=ζ93+ζ20+ζ134+· · ·+ζ82 =−0.084· · · とおくと,v1, v2, v3は次の3次方程式の解である。

v3−y3v2+ (−y2+y36)v+ 6y2+y320 = 0 (4) 次にx3を3つに分けてl1, l2, l3とする。すなわち,

l1 =ζ136+ζ126+ζ99+ζ64+ζ37+ζ27 =0.262· · · l2 =ζ158+ζ132+ζ127+ζ36+ζ31+ζ5 = 3.061· · · l3 =ζ150+ζ115+ζ102+ζ61+ζ48+ζ13 =0.204· · · とおくと,l1, l2, l3は次の3次方程式の解である。

l3−x3l2+ (−x3−w1−w3+v2−v31)l−y2−x22w1−w2−v14v3= 0 (5) 同様にv2を3つに分けてt1, t2, t3とする。すなわち,

t1 =ζ131+ζ100+ζ95+ζ68+ζ63+ζ32 =−2.586· · · t2 =ζ145+ζ97+ζ84+ζ79+ζ66+ζ18 =−2.106· · · t3 =ζ139+ζ112+ζ88+ζ75+ζ51+ζ24 =−1.503· · ·

(11)

とおくと,t1, t2, t3は次の3次方程式の解である。

t3−v2t2+ (x2+w1+ 2w2+v1+v3)t+ 2y3+x2+ 2x3+ 2w1+ 3w2−w3+v2+v3+ 3 = 0 (6) 最後にt1を3つに分けてf1, f2, f3とする。すなわち,

f1= ζ32+ζ131= 2 cos(64

163π)

= 0.661857· · · f2= ζ100+ζ63= 2 cos(126

163π)

=1.51265· · · f3= ζ68+ζ95= 2 cos(136

163π)

=1.73525· · · とおくと,f1, f2, f3は次の3次方程式の解である。

f3−t1f2+ (l2+t1)f−l12 = 0 (7) 以上より,高々3次の方程式(1)~(7)を順次解くことによって,f1 = 2 cos(64

163π)

が得られ る。この値を利用して16364πの角を作図することができ,これを32等分することで正163角形 の中心角を得ることができる。

6 正 193 角形

ζ = exp( 2

193πi)

= cos( 2

193π)

+i sin( 2

193π)

を1の原始193乗根とする。p= 5が193の原始 根であることに着目して,ζ5(0k ≤k 191)を順に並べると,ζ, ζ2, ζ3,· · ·, ζ192が1回ずつ現 れる。これを2つおきに和を取ったものをy1, y2とする。すなわち,

y1=

95

i=0

ζ52i =

95

i=0

ζ25i=ζ+ζ25+ζ46+· · ·+ζ139 = 6.446· · ·

y2=

95

i=0

ζ52i+1 =

95

i=0

ζ5·25i=ζ5+ζ125+ζ37+· · ·+ζ116 =7.446· · ·

とおくと,y1, y2は次の2次方程式の解である。

y2+y−48 = 0 (1)

次にy1を2つに分けてx1, x2とする。すなわち,

x1=

47

i=0

ζ252i=

47

i=0

ζ625i =ζ+ζ46+ζ186+· · ·+ζ21 = 9.246· · ·

x2=

47

i=0

ζ252i+1=

47

i=0

ζ25·625i=ζ25+ζ185+ζ18+· · ·+ζ139 =2.800· · ·

(12)

とおくと,x1, x2は次の2次方程式の解である。

x2−y1x+ 2y211 = 0 (2)

同様にy2を2つに分けてw1, w2とする。すなわち,

w1=

47

i=0

ζ5·252i =

47

i=0

ζ5·625i =ζ5+ζ37+ζ158+· · ·+ζ105 =0.263· · ·

w2=

47

i=0

ζ5·252i+1 =

47

i=0

ζ125·625i=ζ125+ζ153+ζ90+· · ·+ζ116 =−7.182· · ·

とおくと,w1, w2は次の2次方程式の解である。

w2−y2w−2y213 = 0 (3)

次にx1を2つに分けてn1, n2とする。すなわち,

n1=

23

i=0

ζ6252i=ζ+ζ186+ζ49+· · ·+ζ55 = 2.928· · ·

n2=

23

i=0

ζ6252i+1=ζ46+ζ64+ζ131+· · ·+ζ21 = 6.317· · ·

とおくと,n1, n2は次の2次方程式の解である。

n2−x1n−3x2+w12w24 = 0 (4) 同様にx2を2つに分けてm1, m2とする。すなわち,

m1=

23

i=0

ζ25·6252i=ζ25+ζ18+ζ67+· · ·+ζ24 = 4.952· · ·

m2=

23

i=0

ζ25·6252i+1=ζ185+ζ56+ζ187+· · ·+ζ139 =7.752· · ·

とおくと,m1, m2は次の2次方程式の解である。

m2−x2m+y2+ 3x2+ 3w21 = 0 (5) 同様にw1を2つに分けてp1, p2とする。すなわち,

p1=

23

i=0

ζ5·6252i=ζ5+ζ158+ζ52+· · ·+ζ82 = 1.807· · ·

p2=

23

i=0

ζ5·6252i+1 =ζ37+ζ127+ζ76+· · ·+ζ105 =−2.071· · ·

(13)

とおくと,p1, p2は次の2次方程式の解である。

p2−w1p+ 3x2+ 2w1−w22 = 0 (6) 同様にw2を2つに分けてq1, q2とする。すなわち,

q1=

23

i=0

ζ125·6252i =ζ125+ζ90+ζ142+· · ·+ζ120 =4.714· · ·

q2=

23

i=0

ζ125·6252i+1=ζ153+ζ87+ζ163+· · ·+ζ116 =−2.468· · ·

とおくと,q1, q2は次の2次方程式の解である。

q2−w2q−3x24w1−w25 = 0 (7) 次にn2を2つに分けてt1, t2とする。すなわち,

t1=

11

i=0

ζ625·(6252)2i =ζ46+ζ131+ζ50+· · ·+ζ190 = 2.454· · ·

t2=

11

i=0

ζ625·(6252)2i+1=ζ64+ζ48+ζ36+· · ·+ζ21 = 3.863· · ·

とおくと,t1, t2は次の2次方程式の解である。

t2−n2t+w2+ 3m1+p1= 0 (8)

同様にm1を2つに分けてu1, u2とする。すなわち,

u1=

11

i=0

ζ25·(6252)2i =ζ25+ζ67+ζ2+· · ·+ζ162 = 2.755· · ·

u2=

11

i=0

ζ25·(6252)2i+1 =ζ18+ζ110+ζ179+· · ·+ζ24 = 2.197· · ·

とおくと,u1u2は次の2次方程式の解である。

u2−m1u−2y23x23n2−q13 = 0 (9) 同様にp2を2つに分けてf1, f2とする。すなわち,

f1=

11

i=0

ζ55·(6252)2i =ζ37+ζ76+ζ57+· · ·+ζ178 =0.027· · ·

f2=

11

i=0

ζ55·(6252)2i+1 =ζ127+ζ47+ζ180+· · ·+ζ105 =−2.043· · ·

(14)

とおくと,f1, f2は次の2次方程式の解である。

f2−p2f−w1−m2+ 2q1−q21 = 0 (10) 同様にq1を2つに分けてg1, g2とする。すなわち,

g1=

11

i=0

ζ125·(6252)2i =ζ125+ζ142+ζ10+· · ·+ζ38 =2.416· · ·

g2=

11

i=0

ζ125·(6252)2i+1 =ζ90+ζ164+ζ123+· · ·+ζ120 =−2.297· · ·

とおくと,g1, g2は次の2次方程式の解である。

g2−q1g−w2−n2+ 2p1−p21 = 0 (11) 次にt1を2つに分けてc1, c2とする。すなわち,

c1 =ζ189+ζ147+ζ143+ζ50+ζ46+ζ4 = 2.015· · · c2 =ζ190+ζ134+ζ131+ζ62+ζ59+ζ3 = 0.439· · · とおくと,c1, c2は次の2次方程式の解である。

c2−t1c−x2−w2−n2−p1−f11 = 0 (12) 同様にt2を2つに分けてd1, d2とする。すなわち,

d1 =ζ165+ζ157+ζ129+ζ64+ζ36+ζ28 = 1.020· · · d2 =ζ172+ζ166+ζ145+ζ48+ζ27+ζ21 = 2.842· · · とおくと,d1, d2は次の2次方程式の解である。

d2−t2d−x2−w2−n2−p1−f21 = 0 (13) 同様にu2を2つに分けてj1, j2とする。すなわち,

j1 =ζ179+ζ175+ζ161+ζ32+ζ18+ζ14 = 4.471· · · j2 =ζ169+ζ110+ζ107+ζ86+ζ83+ζ24 =2.274· · · とおくと,j1, j2は次の2次方程式の解である。

j2−u2j+m2+g1= 0 (14)

(15)

最後にj1を3つに分けてo1, o2, o3とする。すなわち,

o1 =ζ18+ζ175= 2 cos(36

193π)

= 1.666323· · · o2 =ζ179+ζ14= 2 cos(28

193π)

= 1.79584· · · o3 =ζ161+ζ32= 2 cos(64

193π)

= 1.009383· · · とおくと,o1, o2, o3は次の3次方程式の解である。

o3−j1o2+ (c1+j1)o−d12 = 0 (15) 以上より,高々3次の方程式(1)~(15)を順次解くことによって,o3= 2 cos(64

193π)

が得られ る。この値を利用して19364πの角を作図することができ,これを32等分することで正193角形 の中心角を得ることができる。

参考文献

[1] ロベルト・ゲレトシュレーガー〔深川英俊訳〕,折紙の数学,森北出版,2002.

[2] Gleason A. M., Angle trisection, the heptagon, and the triskaidecagon, Amer. Math.

Monthly 95(3) (1988), pp.185–194.

[3] Hermes J. G., Ueber die Teilung des Kreises in 65537 gleiche Teile, Nachrichten von der Gesellschaft der Wissenschaften zu Gottingen, Mathematisch-Physikalische Klasse 3 (1895), pp.170–186.

[4] 礒田正美,Maria G. Bartolini Bussi編,曲線の事典,共立出版,2009.

[5] George E. Martin, Geometric Constructions, Springer-Verlag, 1998.

[6] 武藤広明,正多角形の作図,

http://www.akamon-kai.co.jp/yomimono/seitakakukei/seitakakukei.html

[7] 西村保三,山本一海,折り紙による正37角形の作図,福井大学教育地域科学部紀要2 (2011), pp.63–70.

[8] 西村保三,折り紙による正73角形の作図,福井大学教育地域科学部紀要3 (2012), pp.67–75.

[9] 大石美咲,折り紙による正多角形の作図,福井大学教育地域科学部卒業論文,2018.

[10] Richelot F. J., De resolutione algebraica aequationis X257 = 1, sive de divisione circuli per bisectionem anguli septies repetitam in partes 257 inter se aequales commentatio coronata, Journal fur die reine und angewandte Mathematik 9 (1832), pp.1–26.

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