巻頭言
著者 芳賀 直哉
雑誌名 静岡大学教育研究
巻 1
ページ i‑ii
発行年 2005‑07
出版者 静岡大学大学教育センター
URL http://doi.org/10.14945/00006831
巻 頭 言
大学教育センター長 (教 育担当理事・副学長
)芳賀
直哉
このたび、本学大学教育センターの研究報告創刊号を刊行す る運びにな りま した。
本学が学内措置によリセンター組織を立ち上げたのは 2003年 10月 で したが、専任教員 が順次着任 し、企画マネジメン ト部門 1名 、 FD部 門 2名 、共通科 目部 門 (英 語 )2名 の
合計 5名 体制でセ ンター としての本格的活動 をは じめたのは 2004年 4月 か らで した。その 後 2005年 4月 に英語担当専任教員 1名 が加わ り、現在は 6名 体制 となっています。従いま
して、本報告は 2004年 度の研究報告・活動成果 として公刊す るものです。
法人化後 1年 が経過 して、各国立大学は 2004年 度の業務実績報告書を文科大臣に提出し た ところです。法人化 による変化はこの 1年 間だけでは評価できませんが、改善への明確 な方向性が広 く教職員に認識 された とは未だ言 えない状況だ と考えます。そのようななか、
中教審はことし1月 に『 我が国の高等教育の将来像 (答 申
)』を公表 し、大学政策の中長期 的方向性 を示唆 しま した。 しか し、この内容は国立大学の現状に照 らして必ず しも適切な 方向性 となつていない ように思います。そのひ とつが 「将来の国立大の 7機 能別分化」の
提言です。 7機 能 とは、①世界的研究・教育拠点、②高度専門職業人育成、③幅広い職業 人育成、④総合的教養教育、⑤特定の専門分野 (芸 術、体育等 )の 教育・研究、⑥地域の 生涯学習機会の拠点、⑦社会貢献機能ですが、果た してこれが政策誘導になるか否かにつ いては大いに疑間があ ります。
各大学の機能別分化予想を 2015〜 20年 時点にお くとしても、旧帝大系大学がすでに大学 院重点化 を行い、世界的研究・教育拠点お よび高度専門職業人育成のための大学 として整 備 されてお り、すでに一部は分化が済んでいます。静岡大等の地方大学が総合的教養大学 ない し幅広い職業人養成な どの機能 にシフ トす るか と言 えば、現状では否定的な らぎるを えないのが実態です。上記のいずれか 1〜 2機 能 を重点化す ることに関 しては学内か ら猛 烈な反対がおこるで しょうか ら、依然 として地方総合大学は 7機 能全部 を追求す ることに なる可能性が高い と思います。財政的な支援のイ ンセ ンテ ィブも明確でないことが、 さら に機能別分化の進展を妨げることになるで しょう。
ま して、各大学が第一期の 「中期 目標・計画」を提出 した後になつて、 『 将来像』が公表 されたことの意図が不明です。第一期終了後に、次期 「中長期的計画」を各大学が作成す るときの指針 として出され るならまだ しも、この時期に出 した真意がわか りません。 つ
本研究報告書には、 5本 の研究論文が収録 してあ ります。内容的にもバ ラエティーに富
し
む と同時に、それぞれの論文が大学教育セ ンターの業務に密接な関わ りをもったものとな っていると自負 します。順不動で紹介 します と、入試結果の分析を今後の大学教育のあり 方に活かす意図で書かれた論文、学生の授業アンケー トの詳細かつ綿密な分析を通 じて授 業改善に資する具体的提言をしている論文、国立大学でのキャリア教育の導入状況を踏ま えて、今後のキャリア形成教育の方向性を示唆する論文、 TOEICパ イ ロットテス トの結果 分析データを示 して、実績が上がることを示 した論文、また CALLシ ステムを利用 した英
語教育の実践例を紹介 した論文か ら構成されています。本学の大学教育セ ンターの研究報 告や活動実績等が、他大学の参考 になれば幸いです。
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