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天然放射性元素, 核地球(宇宙)化学

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(1)

天然放射性元素, 核地球(宇宙)化学

雑誌名 放射能要覧 (解説付)

金沢大学放射性同位元素委員会(編)

ページ 169‑196

発行年 1980‑11

URL http://hdl.handle.net/2297/00051742

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

(Ⅵ)天然放射性元素、核地球(宇宙)化学

1 7 8 9 M . H . K l a p r o t h ピ ツ チ フ ・ レ ン ド よ り ウ ラ ン 酸 化 物 の 発 見

〔 放 射 能 は 1 8 9 8 α ) 参 卿 Z = 9 2 1828J.J.Berzelius ノールウエー産鉱物よりトリウムの発見

倣 射 能 は 1 8 9 8 ① 参 卿 Z = 9 0

1842E.M・Peligot 金属ウランの単離

1898P.&.M.Curie ピツチプレント・よりの硫化ピスマス沈殿からPoの発見

la。mpt.rend.M7,17aZ=84

8P.&M.Curie,G.Belmont ピツチプレント よりBaににた元素Raの発見

&。mpt.rend̲127,1創司Z=88

99E・Rutherford,F・Dorn 放射性カス(Rn.Tn)radiumEmanation

(niton) Z=86

9A・Debierne ピツチプレント・よりLaににた元素Acの発見

&ompt.rend.129,593)Z=89

1900‑,.'O1W.Crookes,E・Rutherford,F.Soddy

UX.ThXをそれぞれ発見【I惨痢

RalOOmgを分離 RaA7RaB,RaCの発見

Qwaturo"O,270;Ph!!.Mag,旦73ワヨ AcX発見(Be.g̲Z.1696,3963)ber.38,7'75]

AcX発見@Watu"。「71̲,fa94)上と独立に

硝酸トリウムよりRdTh(Th−どど8)発見

[Chem.News、92,251]Groc・Roy.Soc.

2̲EA,115)

Kに放射能のあることを発見(マー4(〕であることは W、R・Smythe9A・Hemmendingerにより1937 年確認)

ThB.ThCの分離発見Gh!!.Mag.9,62a Rbのβ放射能確認(Rb‑87であることは193r7年確認)

AcよりRdAcの発見仁er.̲g̲g,1RO5)

MRTII1)[Be[.4Q,146a

Th‑230(Io)の発見[Am.J.Sci.24,3ワの;

⑮er、40,44'a

ウラン鉱物のPb含有量と地質年代の関連

[Am.J.Sci.23,79j

ThとRdTh7UX171oとの化学的分離の不可能友とと

RaC'の発見[Phy&!k.Z.10,699D ThAの発見企hys!k.Z。ll,9j

MsThlがRaであること確認

本邦温泉の放射能測定のはじめ(福島・飯坂・;兵庫・城

崎)陳京数物誌5,どと7(明43)〕

1902P.&.M・Curie O 4 H B r o o k s

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(3)

V、F・Hess 透過性放射線が地球外からくること、宇宙線の発見

Chys.Z.1ど,99a

K・Fajans RaC"の発見丘hy@!k.Z.M,363

木下季吉小野澄之助西川正治大気中の放射能沈積物の定量(明治43年、レー彗星と関連)

陳京数梅誌旦,92(明44】

E.MarsdenT・BarratThCのThC',ThC"への分岐壊変 (Pr。c.Phys・Soc.",501

G.N.AntonoffUY(Th‑畠31)の発見企hil.Mag6)とど,4'9) A.Fleck.ThB(AcB)=PbRaE=Bi,RaA=Po,RdAc=Th,

MsTh2=Acの化学的同一性

K.Fajans,O・G6hring UXよりUX1,UL(brevium)の発見

(Physik.Z.14,87

A・Holmes,R.Lawson U‑Pb7U‑Th法による年代決定

石 津 利 作 〃 T h e M i n e r a l S p r i n g o f J a p a n " 刊 行

(大正4年)(三朝温泉Rn最高)

Pa‑網lの発見唾er.54,69('ど')]

O.Hahn7L・Meitner

F.Soddy.J,A・Cranston.A.Fleck

Pa−ど31の秀見⑯aturo,100,49a Groc.Roy.Soc.la87W n上と独立に

O.Hahn UX2よりUZ分離、核異性体転移の確認

[Be【、",''3')

A、V・Grosse ZmgPa205白色粉末をつくる

[Sci.Am,14fd,4と('3o刀 G.Hevesy7M.Pahl.Smの放射能[Sm‑149D

金属Paをつくる(J.A.C.S.56̲,と加Cl

A.V・Grosse

O.Hahn.E・Strassmann,E・WalligRb‑Sr法による年代決定 MllePereyFr(命名1951)をAc壊変生成物中に発見

[J.Chem.Phyo.43,fZ6Z,Z63

H A B e t h e● ● 星の友かのエネルギーC一N・Cycle

Chyo.Rev、55,53g

E.C・Anderson7W.F・Libbyetal.

C‑14の大気中での生成確認[Phyo.Rev・ワど,9311

G.T,Seaborg.M.L・Perlmanピツチプレンド中にPu‑239を検出

(J.A.C.S、7O,1571]

A l d r i d N i e r K‑Ar法に主る年代決定

W、F・Libby,J.R.ArnoldC‑14による年代決定;Tracerとしての利用

[SciencellO,67a(Phy§・Rev.E,18"

J・Macnamara,G.Thode 自発核分裂によるKr‑867Xe‑136のウラン鉱物mの蓄

積確認(Phys・Rev、80,4!71]

E、C・Anderson7W.F・Libbyetal

C‑14年代測定値(Phys・Rev、81,64]

1911

11

1

1 1ど

1 3

1 4 1 5

88

19Zl

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1932d 3 4 3 7 3 9

9

1 9 4 7

4 8

89

1950

51

(4)

F、G.Houterman7E・P;cciotoオートラジオグラフイーによる年代決定

bWaturwiss.38,132]

D.F.Peppard7G.W.Mason.J.F.Mech

ピツチプレント.中にNp一之37を検出

(J.AC.S.Z4,6081]

E.Salpeter P‑PChainによる星の中のエネルギー

[Ann.Rev.Nuc!.Sc】皇̲,41('53)]

L、T・Aldrich.J.B・Doak,G、L.Davis

Sr‑90を用いるRb‑87とSr‑87の定量

[Am.J、Sci.g̲Z,377j

T・P・Kohman7N・Saito 天然放射性核種の存在、分類、利用等の総説

[ann.Rev.Nuc!.Soi.4,40)

P.K.Kuroda7R.R・Edwards ピツチプレンド中に自発核分裂によるRI確認

C・Chem・Phys・雛'9401

V.V.Cherdyntsev U−β34/U‑網8比の異常丘r、Ⅲ。Se§&‑kOm.

poOpred.abs・Vozr・Geol・Form.A、N・

ussRP1751

J.I<Arnold7H.AliAl‑Salih雨水中にBe‑r7の確認Gc!encel21,451)

H、V・Schaeffer7R・Davis 含Cl岩石中にCl‑36発見

QWat!.Reo.Counc!!.Pub!2No4CO,17a

1951

5と

5 3

5 4

4

5 5

56

6J.R・Arnold 海底土中にBe‑10の確認[Sc!encel̲",584J 宇宙の元素のabundance@Rev・Mod.phys,gg

6H、E、Suess H、C・Urey

53

br7E.M・&.G、R.Burbidge,W.A・FowlerF.Hoyle

星中の元素合成説睡ev.Mod.Phyo.̲g̲g,547D

58E、L・Fireman 隈鉄GrantのHe‑3量による宇宙線照射の研究

G!anetarySpac。S@!.1,6a

5 9 D . L a l S i ‑ 3 ど の 海 水 中 の ス ポ ン ジ 状 S k e l t o n に 濃 縮 確 認 61w.Herr.W・Hoffmeister,etalRe‑Os法の佳代学的応用によるRe‑187の半減期

[Z.Naturforsh.16alO53

6とH、C.Urey 地球成因論にeoc‑him・etCosmochim.Acta

β6,11

どり.L・Thurber U−為34/U−B38比による年代

[J.Geophys.Res.6「7,451a

64R、L・Fleisher&P.B・Price;Fissionfragmenttrackによる年代測定

D・Geophys・Reo、69,331)

1961

(5)

希ガス発見研究史

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☆他の余力、、スの存在の予須'l(De̲a・"UdranLeCo3/895」

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◎液体空気の分別気化,02,N2除去ズペワトル(RQmsayTra'/ers/898)

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(6)

Ⅵ−1星の内部で核反応によって元素が合成されてゆく過秘を模式的に》j:した (P.103年表1957年参照,その著者名の略号がBzFH)。陽「.との相互作用(水素 燃焼)および中性子(その生成反応は左斜下に'n'う矢印の反応)捕獲によって合成 される元素は横方1A,に,α粒r・との相互作用(ヘリウム燃焼)やさらに複稚な過職 によって合成される元素は縦方Ir'lに反応が進行する。商い原「・番号のノ直素が合成さ れる中性子捕獲過程は矢印つきの曲線で示してある。g9Tcは赤色巨雅の内部で隆期 にわたってゆっくりと中性r,捕獲をくり返しながら合成されるs言processのl例 として,また超新星でみられる254Cfは非常に卸時間の間に中性‑r・を多数捕獲して合 成されるr‑processの,例として示した(Ⅵ‑25図参照)。核物理学的に鼓も安定 な(I‑10図)鉄グループは星の進化の最終段階で、ド衡状態で起るさまざまな核反 応によって生成する。

Ⅵ−2超新星は一種の新星であるが,その爆発エネルギーは桁違いに大きい (104倍)。これまで観測きれた数は50をこえており,われわれの銀河系でおこった ものは図で示した1054年の牡牛座の客星,1572年のTycho断堪,1604年のKeplerWT 星の3つである。1054年の新星は宗史の記録に「Ji月己丑,客躍出天関東南可数、』.,

歳余梢没」とあり藤原定家の明月記にも「客星,天関(おうし座)星に幸(はい)

す,大きな歳星(木星)の如し」とある。光度曲線は極大の巾が約1週間継続したあ と指数関数的に半減期約55日で暗くなってゆく。これが254Cfの半減期と一致する ので,超新星の爆発の際のr‑processによって生成したz54Cfによるものと解釈さ れている。爆発の原因として(1)鉄の光分解,(2)原「・核の電「捕獲,(3)

熱核反応の暴走,等が考えられている。

Ⅵ−3SuessとUrey(1956)のデータにもとづいて元素の存イfl2(Si=106に対 する相対量)を原子量の関数として模式的に示した。要約すれば,(1)水素から A〜100までは指数的に減少する。(2)A>100勾配が急にゆるやかになる。

(3)生成が不十分なうえ,比較的低温で燃えつきるD,Li,Be,BはH,C,N,

Oに比べ著しく少ない。(4)'60,2oNe,24Mg,………4oCa,48Ti等α一process による生成核の存在度が大きい。(5)e‑processによる56Feをピークとする核が 著しく多い。(6)N=50,82,126にはr‑processおよびs‑processの2つの中性 子捕獲過程に対応してA=89,90;130,138;196,208にダブルピークが存在する

(Ⅵ‑25参照)。(7)陽子に富む重い核(点線)の存在度は少ない。これらはr−

やs‑processではな<,p‑processによって生成すると考えられる。

Ⅵ − 4 元 素 は 星 の 内 部 で 起 る さ ま ざ ま の 核 反 応 に よ っ て 生 成 す る こ と は ほ と ん ど疑いのない事実とされている。重い核はⅥ−1,Ⅵ‑25で示したように平衡過程 (e‑process),r一およびs‑processとよばれる中性子捕獲過程によって生成す る。星の内部で重い核を作る主な核反応(中性子捕獲)が開始した時をf年前とす れば,重核の合成速度pは図で示したようにp=poe‑入(f一t)であらわされる(tは現 在から数えた年数,入はpの減少の削合を示す定数)。これによ')安定核種は図の ような増加を,U,Th等の長寿命核種は一部壊変しながらも蓄積されてゆ<。107

〜108年の半減期の核種(Ⅵ−8)は飽和状態に達した後pの減少に伴って減少し,

元素合成の終了したあと108〜109年の間に壊変してしまう(消滅核種)。元素合成 がSingleeVentの場合(1つの超新星の爆発のような元素の合成核反応)は,Sの 時点では半減期の長短によらず,ほぼ同量の核種が存在していたことになる。COn.

tinuoussynthesisの場合には元素合成開始のfより離れているSの時点までに多 数の超新星の爆発による合成が逐次起る場合を含めて考えることができる。

VI−5半減期107〜lOs年の放射性核種AX(壊変してAYとなる),安定核AY,

cY,BXが合成された場合,元素XおよびYの同位体組成の時間的変化を模式的に 示した。核反応開始時期をf,反応停止時期をSとし,この時点における各核種の 量を初生(Primordial)の存在量と呼ぶ。核橦が凝集し放射性壊変による熱で物質 分離が起るまでの時間を△t(〜2×108年)とすれば,この間にAXの一部はAY に壊変しYの同位体組成は変化する。この時期の組成を原始(Primeval)存在量と 呼ぶ。toは地球における地殻の分離,ド員石中の鉱物の生成の時期に対応し,物質に よってXとYの分配が異なることは十分考えられる(Y濃集の点線とX濃集の実線 のように)。to以降,現在までの間にAXは完全にAYに壊変し,現在の同位体存 在量AY,cY,BXを与える。各種隈石物質と地球物質での同位体組織の相違か ら△tの値を求めることが可能である。Xe同位体とI含有量から算出された△tの値は 1〜2.5×108年である。

(7)

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Ⅵ − 2 超 新 星 の 光 度 変 化

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部での核反応(B2FH原図)

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Ⅵ − 3 元 素 の 相 対 的 存 在 量 と 主な生成過程(B2FH原図)

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Ⅵ − 4 重 い 核 種 の 生 成 と 放 射 性 核 種 の 量

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Ⅵ−5安定核種AY,cY,BXと消滅核種AXの存在量の変化(木越原図)

(AX→AY)

(8)

Ⅵ − 2 4 H R 図 は 星 の 特 徴 を つ か み , そ の 集 団 と し て の 性 質 を あ ら わ す も の と し て重要な役割をはたしている。縦軸に光度または絶対等級をと'),横軸にスペクト ル型または表面の有効温度をとった図の上に観測で得られた星のデータを書きこん だものである。星の分布はこの図で幾つかの限られた部分に集中することが知られ ており,図中帯状に対角線状に分布しているものを主系列星と呼ぶ。これは星が進 化するにつれ表面の有効温度とともに光度が増してゆく。これに対し低温度で光度 の 大 き い 星 を 赤 色 巨 星 , 温 度 が 極 め て 高 い に も か か わ ら ず 光 度 の 小 さ い 星 を 白 色 倭 星 と 呼 ぶ 。 こ の よ う な 分 布 は 星 の 進 化 の 問 題 を 解 く 重 要 な 鍵 と な っ て い る 。 矢 印 で 示 し た 方 向 は 星 の 進 化 の 過 程 を 示 す も の で あ る 。 こ れ に 関 し て は , 京 大 の 林 忠 四 郎 教授の太陽の進化に関する有名な研究がある。

Ⅵ−25④すでにⅥ−1,3などで述べたように鉄より重い元素の合成には,

rapid‑process(略してr‑process)とslow‑process(s‑process)と呼ばれる2 つの全く異なる過程を考えることが必要である。前者は1〜100秒の非常に短時間の 間に中性子捕獲反応と短寿命のβ 壊変を繰り返しながら安定核になるもの(超新星 における元素合成)であり,超新星の爆発によって合成された254Cfその他自発核 分裂を起す重元素の核分裂生成物なども一部寄与する。後者は1個の中性子捕獲あ たり103〜106年を要する遅い過程によってβ‐壊変の安定線に沿って次第に重い核 が合成されるものである(赤色巨星における元素合成)。これらの場合には,N=

50,80,126等の殼効果もみのがすことはできない。

⑤Sr‑Zr近傍でs‑processによって核が合成されてゆく経路を示す。小さな 四角の中に与えられている数値は同位体の存在度である。この領域の安定同位体は,

β 壊変およびs‑processでほとんどのものが合成されてゆくことがわかる。中には r‑processを径てしか合成されない86Kr,87Rb,96Zr,また92Moのように(p,7) 反応による生成を考えねばならぬ核も存在する。なおこの領域はⅥ−26(a)で述 べるように,N=50の殼構造の影響をうけている。

⑤Sn近傍でs‑processによって核が合成されてゆく経路を示す。Snにおい てはA<116の同位体は原子番号の低い安定同位体のため遮蔽(shield)されていて r‑processでは合成されない。存在量の少ない''2Sn,''4Sn,''5Snは(p,7)また は(Xn)反応によってしか合成されない。またA>122の同位体は121Snが短寿命 (27h)であるためr‑processでしかできず,116Snは安定な''6Cdによる遮蔽のため s‑processでしか合成されない。同位体の存在度からながめると,''8Sn,'2oSn に対してはr‑processの寄与は明らかに小さ<,''7Sn,''9Snに対しては大きいと 考えられ,'22Sn,'24Snの存在量との比較によってr‑processの寄与の割合が推 定できる。

(P.113)

Ⅵ−26(a)s‑process仮説によれば〜25KeVの中性子(赤色巨星の温度領域で 2〜3×1080Kに対応)に対して捕獲断面積×同位体存在比は,すぐ・隣合う同位体 同士ではほとんど同じにか,またはその変化は数%程度を越えない。図はSr,Zr, Sn,Te,Smの同位体で,この仮説の検討のため,同位体の1つのNo=1.0として規 格化して示した。ぴの値はLi(p,n)反応による中性子を用いて測定した。Sr,Zr,Sn でのNぴの変動はこれらの核がN=50,N=82の近傍にあり,エネルギー準位密度が 小 さ く な る た め と 説 明 さ れ る 。

(Dr‑processおよびp‑processで合成される核について測定したNぴの値をプロ ットしたもので,元素の存在度の違いを補正するためs‑processで合成される同位 体の1つに対する相対値の形で表わされている。中性子捕獲の理論によれば,これ らの核ではs‑processによるものと違って,核のsystematicsに起因する相関係は ないことが予想されるが,実験結果はひどくバラついており,理論の予想を裏づけ ている。

(9)

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(10)

⑥Te‑近傍のs‑processの合成経路を示す。'22Te,'23Te,'24TeはSnとSb の安定同位体によってr‑processに対して遮蔽されている。120TeおよびA<115の Sn同位体の存在量(@参照)からp‑processの寄与が推定できる。s‑processによっ て合成されるTe同位体の存在度がSnの重い同位体と同様に比較的小さいのは,主と してZ=50,N=82の殼効果の影響をうけ,エネルギー準位密度が小さいことに起 因するためである。

⑥Sm‑近傍のs‑processによる合成経路を示す。'48Sm,'5oSmはNdの安定 同位体のため遮蔽されていて,r‑processからの寄与は受けていない。Sm同位体 での(No,48)/(NO'50)の実測値は1.02±0.06で期待値0.98と極めてよく一致してお り,s‑processで合成されたことを裏づける。図からわかるように,'42Ce,'48Nd 15oNd,'55Smはr‑processで,また'44Smはp‑processでしか合成されない。

①Os‑近傍のs‑processによる合成経路を示したもの。1860Sはs‑processの みで,1870Sはs‑processおよび'87Reのβ 壊変で生成する。 1860Sと'870SのびSの 値を測定することによりNぴsの規則性から187Reの寄与を求めることができる。。

1840Sはp‑processで,'87Re,'920sは,186Re,'9'0sがそれぞれ短寿命なのでr‑Pro・

cessでしか合成されない。

Ⅵ−27元素合成が終ってから員石その他の天体物質が物質分離によって形成さ れる過程での熱源は,放射性核種であると予想される。なかでも主役を演じたのは 消滅核種と呼ばれている半減期が104〜108年の核種であると考えられる。半減期の 長さによりIからvのク.ループに分類し,各々について半減期,壊変エネルギー,

宇宙における核種の存在度(Si=10eとして表現)およびこれから計算したコンド ライト(石質員石)中での発熱量(cal/g・y)を表に示した。下の図は元素合成終 了時をt=0とした時,各グループの同位体による発熱量の時間変化を示したもの である。図の斜線部分は,順石の母体と考えられる半径100〜200kmの物体の中心温 度を3,000.K近くまで熱し得る単位時間あた')の発熱量の範囲で,限石の組成をも つ物質の比熱を0.2として計算した。5〜10m.y・の間にこれを成し得るのは,I,

IIグループに属する6oFe,36Cl,26Alという結論になる。

Ⅵ−28鉄より重い核は56Fを種としてs−およびr‑processによって合成された ものと考えられる。

(a)はs‑processによって合成される核をSi=106としてEn=25KeVの中性子に対 するNo(=存在度×断面積)をプロットしたもので経験的に引いた曲線のまわりに 大体おさまっている。

(b)はr‑processで合成される核についてFil様なう°ロ、ソトを行ったもので,s‑process 核のような関係は何ら見られず,両者の相違が明瞭に示されている(Ⅵ‑26参照)。

(c)はs‑process核について全中'│生子束(7)と照射量(p)の関係で

p(7jOCT‑"で表わされるものとしてNぴの質重数依存性を計算し,実験値との比較を 行ったものである。計算にはZ=50,82,N=50,82,126の殼効果が考慮されて おり,曲線はA==90,120,140,210近傍で階段状に変化しており,実測値とよ

く合っている。

(11)

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(12)

Ⅵ−6(a)半減期が109〜10'o年程度の長寿命核による岩石や鉱物等の年代測定 等では,質量分析器による娘元素の│面1位体比の測定,定量等が必要である。質量分 析器にはガス用,固体用,その他目的に応じて各種の装置がある。図はガス用の質 量分析器のl例で,試料ガスはイオン源に導かれ,電子ビームによ')イオン化され る。電圧によって加速され,電場および磁場による質量分析がなされたイオンは,

ファラデーカップに入り,その電流が記録される。加速電圧または磁場の一方を連 続的にかえる(スキャン)ことにより同位体比が測定される。

(b)4oK(T%=1.25×109年," 89%,ECll%)の40Arへの壊変を利用した年 代測定法の例で,38Arを収率を知るトレーサーとしてスパイクした試料(同位体稀 釈分析)のArの同位体組成を示した。放射性起源の40Ar量は,大気中の4oAr/36Ar 比を36Ar量に掛けた値を差引いて求める。親の40K量は通常の化学分析によって求 めたカリウム(40Kが0.0119%含まれる)量から計算する。この方法は,空気中の 40Ar量の補正量によって精度が異なるが,定量限界はt>105年程度である(A.Nier 1948年)。

(c)87Rb(T%=5.10'o年,27.85%)→87Sr法。試料から分離したSrの同位体 組成の,例を示したもので,この場合スパイクとして90Srを5×10‑8g加えてあ る。質量数85のピークは不純物としての85Rbの存在を示し,87への寄与が考盧され ている。86Sr量から放射性起源でない87Srの量を差引けば,87Rbからの87Sr量を求 めることができる。朏量は通常の化学分析で定堂する(O.Hahn,et.all937年)。

(d)'87ReT%=(〜5×10'0年,62.93%)→1870S法。187Reが放射性であるこ とはァ1948年NaldrettとLibbyによってMattauchの同重体則を検討することから明 らかにされた。1954年にはHerrらにより輝モリブデン鉱など,とくにレニウムを濃 縮した鉱物中のオスミウムはほとんど1870s(98〜99%)である例も見出された(下 図)。上図には通常のオスミウムの同位体組成を示す。187Re‑'870s法による年 代測定は,レニウムおよびオスミウムの地殻における存在度が極めて小さい(0.02 ppm程度)こともあり広範な応用は期待できない。しかしレニウム含有量が比較的

多い鉱物に対しては有用な年代測定である。

(e)'29Xe量の異常と'291(T%=1.72×107年)原子番号Zが偶数の場合,一般 にAが奇数の核は両隣の偶数のAをもつ核の存在率の和より少ないとの通則がある (Teの例)。ところがXeの場合にはこれが成立せず,通則に従えば6%以下しか期 待されない'29Xeが,26%もあI),差の20%は放射性壊変により2次的に加わった ものと解される。その源として'291を考えることで説明される。135Baの場合も,

これにならえば135Cs(2×106年)による供給で説明がつくと思われる。

(13)

(a) 岩 石 の 年 代 掴 定 加速された正のイオン

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Ⅵ−6質量分析計とその応用例(a),(b),(c),(d),(e)(木越.年代測定法〃より)

(14)

Ⅵ−7④ここで言う一次天然放射性核種とは,宇宙における元素の合成以来 壊変し尽くさずに現在でも残存している半減期T%>109年の放射性核種を指し,こ れらによって支えられ壊変系列を構成する娘核種とは区別される。カッコ内にはこ れらが放射性であることが確認された年号を記した。40Kおよび87Rbはカリウムお よびルビジウムが放射性であることが発見(1905年)されて以来,質量分析技術の 進歩によって始めて質量数が同定されたものである(1937年)。点線による4つの 区分は便宜的なもので,壊変系列をなすもの,年代測定に広範に用いられているも の。今のところ年代測定にはそれほど実用的でないβまたはE.Cで壊変する核種。

壊変系列をなさない長半減期のα放射性核種である。下のカッコ内は,まだ確認さ れてはいないが,放射性であることが予想される核種を示したものである。なお,

'87ReについてはⅥ−6図で述べたように放射性発見は1948年で,(1954)年は含 Re鉱物中の'870S存在の確認の年である。

Ⅵ−8⑧半減期が107〜108年の核種は元素合成の終了時にはかなI)の量が存在 していたと考えられる。これらは安定核や,より長寿命の娘核種に壊変してしまい,

二次的に誘導生成される場合を除いて現在は天然に見出すことはできず消滅核種と 呼ばれている。これらのうち'291(β )とz44Pu(S.F)はXeの同位体組成に影響を 与え,各種隈石のXe同位体比の測定によって,元素合成からI員石の母体である物質 が分離されるまでの時間を示すインジケーターとなる。244Puの核分裂片飛跡(ブ イ、ソショントラック)も同様に利用されうる。また247Cmに関しては,希土類鉱物中 にその痕跡が存在する可能性があるとして,235U/238U比の測定なども行われたが 否定的な結論しか得られていない。

Ⅵ−9238U(T%=4.51×109年),235U(7.1×108年),23zTh(1.39×10'0年)

はそれぞれ壊変系列をなし,206pb,207pb,2oBpbに壊変する。

(a)は最初に存在していた量を100とし,時間経過とともにこれらが減少してゆ く様子を示した。もし,元素合成終了時の235U/238U=1と仮定すれば,現在のこ の量比から元素合成終了の年代を測定しうる。

(b)放射性起源の鉛同位体206,207,208の量と試料中に含まれる238U,235U, 232Th量と経過時間tとの間の関係式で上の3式はそれぞれ単独にウランー鉛法,ア クチノウラン一鉛法,トリウムー鉛法の年代決定として用いられる。下の2式は上 式から誘導したものである。zo6pb/zo7Pb法は鉛の同体比のみから年代値が求まる ため実験誤差の入る余地が小さい上に,途中で鉛の損失が起っても受ける影響は小 さい利点がある。2oBpb/2oGPb法は,親核種UとThの化学的性質の相違により途中 に受けた外的作用の影響を受けやすいので,前者の年代値がより信頼性が大きい。

図は放射,│生起源のzo6pb/zo7Pb比の時間変化を示したものである。

(c)質量分析により得られた鉛の同位体比から放射性起源の鉛同位体の量を求め るには,元素合成の終了時における鉛(初 │生鉛)の同位体組成の値が必要である。

鉛法による年代測定では放射性起源でない204Pbに対する比を基準にとっている。

現在用いられている初生鉛の同位体比のl例をあげると206/204=9.346,207/204

=10.218,208/204=28.96(Tatsumato&Rosholt(1970))(人により多少こと なる)である。図は初生鉛を考慮した場合の207/204比と206/204比の相関を示すも ので,同じ年代のウラン含有量の異なる試料では,図に示されているisochronと呼 ばれる直線上にのる。Vは204Pb/U比をあらわす。Vが等し<,析出年代の異なる 試料では図中にGrowthcurveとして示した曲線上にのる。この曲線はPb/U比が 一定のマグマから異なる年代に析出した鉛鉱物の同位体組成を示すため,成長曲線

と呼ばれ,析出年代は曲線と交わる等時線の大きさで与えられる。

(15)

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参照

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