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面内変動分布力を受ける長方形板の動的安定性

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(1)

長崎大学工学部研究報告 第15巻 第25号 .昭和60年7月 45

面内変動分布力を受ける長方形板の動的安定性

        高橋 和雄*・松川 徹**・・川野 隆太*

by

Kazuo TAKAHASHI*, Toru MATSUKAWA**

and Ryuta KAWANO***

  Dynamic instability of a rectangular plate subjected to inplane sinusoidally varying forc varies linearly along the edge is analyzed by the small deflection theory of thin plate. The is analyzed by a Galerkin method and the harmonic balance method. Unstable regions a sented for various boundary conditions of the plate and loading conditions.

which oblem

P「e一

1.まえがき

 プレートガーダー橋の腹板に列車荷重などの動的な 荷重が作用すると腹板と上フランジの溶接部に疲労ク ラックが生ずることや騒音が発生することが知られて いる。この原因は腹板に面外の曲げ変形が生ずること によるものである。そこで,著者らは面外変形の要因 として,面外係数励振振動による不安定振動に着目し た解析を進めているD,2)。これらの研究によって,純 曲げを受ける場合の不安定領域は振動次数の和が偶数 次の結合共振が支配的であることおよびこの事実は単 純共振のみが存在する一様圧縮荷重の場合と根本的に 異なることなどが明らかになった。この成果は純曲げ を受ける荷重辺が単純支持された長方形板の解析結果 から得られたものである。

 現実のプレートガーダーの腹板の中心はプレート ガーダー全体の図心軸と一致しないために,腹板には 曲げモーメントの他に軸力が作用することになる。ま た,荷重辺は単純支持と固定の中藺にあることが予想

分布勾配をもつ変動面内分布力が長方形板 場合に拡張して,各種の境界条件のもとに を明らかにするものである。なお,荷重辺 は単純支持もしくは固定とした。

 数値解析では面外係数励振動の不安定領 境界条件および分布面内力の応力勾配の影 にするものである。

2.基礎式および境界条件

 Fig.1に示すような長方形板に,矧座 し,∬ッ平面に対して直角方向をz軸とす の2四馬にFig.1に示すような任意の応 つ静的面内力N・・。と変動面内力N、,εCO するものとする。安定を失った直後の長方 振動の運動方程式は次式で与えられる。

  ・離+D・物+(砺+端・C・・

される。

そこで・本研究では蝋1)・2)の鰍を画意の碓

廉灘す

を導入

諾=0,α 配をも が作用 の曲げ

Ω彦)

       l        l昭和60年5月8日受理−

*土木工学科 (Department of Civil Engineering)

** 繽B大学大学院修士課程 (Graduate Student;Department of Civil Engineering, Kyushu Univer ity)

***土木工学専攻修士課程 (Graduate Student, Department of Civil Engineering)        1

1

(2)

46 面内変動分布力を受ける長方形板の動的安定性

y7b

σ 0 a x σ

Fig,1Geometry and coordinate system

       箒一・,  (1)

 ここに,ρ:板の密度,D=Eが/{12(1一ツ2)}:板岡1 度,E:ヤング率, y:ポアソン比, N」σo=一σ議(d−

Oly/ろ), N鎚=一σ轟(4−oヅ/う),σo,σ占:lyニ0に:おける

応力,(d=1,c=2)1純曲げ(σ=6M/ん2),(4=一1,

c=1):三角形分布荷重,(4=一1,0=0):一様分布 圧縮荷重,獄たわみ,診:時間,74=(∂2/∂が+∂2/∂ッ2)2

 境界条件として,次の4ケースを考える。すなわ

ち,

 case I:全周辺単純支持

 case II:荷重辺単純支持,他辺固辺  case III:荷重:辺固定,他辺単純支持  case IV;全周辺固定

3.解  法

 式(1)の解測を各ケースの境界条件を考慮して次の ように仮定する。

 case I, II: =窟7晦(彦)W漁(躍,ッ)

      η=1

  ここに, ハ4=1,2,…         (2一α)

 case III,1γ: =乃ΣΣ丁蹴。(彦)暁。(諾,ッ)(2一の          ηL=1 π=1

 ここに,丁漁,T㎜η=未知の時間関数,隔π,臨π:

固有振動解析によって得られた固有振動形,各ケース に対して次のように与えられる。

ca・el・職袖孕…響ツ (3一・)

ca,e狂、臨_、i。漁Σ。・

      a   =1  名

{   σ一1COS       う)π 一…(ゴ+彦)

ca・e皿・三三裁・響{…( 一1 α) 

  一・6・σ≒) }・i血ブ響

(3−b)

(3−c)

ca・eW・ ッヨ躍{…σ『差)π劣一…

(∫+P) }{…(ブー1)πツー…G+言)πy}(3−d)

式(2)を式(1)に代入してGalerkin法を適用する。すな わち,

ca・e l,H・∫1∫ILωW繍4ツー・

       ここに,5==1,2,…      (4−a)

ca・e皿, W・∫1∫IL(覗鋤一・

       ここに,r,5ニ1,2,…    (4−b)

各ケースに対して,式(4一α),(4一のの定積分を実 行して,行列表示すれば,次のようになる。

霧〔遵〕{量}+〔B〕{T}+蕩(・・一φ一δ

       〔C〕{17}=={0}      (5)

 ここに,〔孟〕,〔B〕,〔σ〕:係数行列,{7}={処1 辺27〜3…1乃17至2…}7

 式(5)を長方形板の振動および座屈解析によって得ら れる最低次固有円振動数ω11および座屈応力σc・を用 いて無次元化する。

〔4〕{ゲ}+÷(〔B〕+λ,γσ。〔c〕){7}+曇r

      ω       ω        λcゲσεcosτ〔C〕{7}={0}        (6)

 ここに,1ヲ0==σ0/σσ7,〜免==σ /σσ7,面=Ω/ω11,σσγ

       一λ・r毒・・一・/ω1・

式(b)の解を次のように仮定する。

 {T}==θλτ{一穿bo十Σ(αη乙sin〃zτ十6ηLcos〃zτ)}   (7)

        ηL冨1

 ここに,え:未定定数 b。,α糀,b履未知ベクトル  式(7)を式(6)に代入して,調和バランス法を適用す

れば,次のようなδ・,α肌6皿を求めるための同次方 程式が得られる。

 〔D〕{X}雷{の      「   『・(8)

(3)

 ここに,{X}={bo例b2…α1α2…}T,〔D〕:係数 行列

 行列〔D〕の性質から行列〔0〕は次のような3個の行 列に分解される。

 〔D〕=〔1鴫〕一λ〔1陛1〕一・〜2〔1肱2〕      (9)

 ここに,〔砥〕,〔1胚1〕,〔偽〕:λの0,1,2次の係数 行列

 ここで,{Y}・=ス{X}なる新しいベクトルを導入す れぽ,式⑨は2倍サイズの固有値問題に変換される。

[   〔0〕〔偽〕輯1〔払〕一〔瑠→〔払〕]倒一λ1}}

       (10)

 式⑩は非対称行列の固有値問題の基礎式である。得 られた固有値の実数部Re(λ)の値がすべて:負なら ば,式(7)の一般解に含まれるθλτが時間とともに収 束するために安定,逆に一つでも正ならばθ2τが発 散するために不安定である。式⑦に含まれるパラメー ターである励振円振動数あと変動応力の振幅砺の 組合せによって,長方形板の面外振動は安定もしくは 不安定となる。不安定な状態において長方形板に面外 振動が生じ,時間とともに振幅が増大する。

4.面外不安定振動の性質

式(6)の微分方程式の不安定領域には次の2種類があ

る。

伽=2賜/kの付近に生ずる単純共振

あ=(ω差±ω1)/kの付近に生ずる結合共振   ⑪

 ここに,k=1:主不安定領域, k=2:副不安定領 域,ω1:無次元固有円振動数(z:x方向の半波数,

 ゼ:y方向の半波数)

 つまり, 無次元加振振動数あが固有振動数の2倍

(2ωわ の整数分の1(1/k)付近に生ずる単純共振 と,無次元加振振動数あが2個の固有振動数の和,ま たは差(ωゑ±ω1) の整数分の1(1/k)付近に生ずる 結合共振である。式⑪の不安定領域のうち,どれが重 要であるかは式(6)の微分方程式の係数励振の項の行列

〔0〕の要素構成によって定まる。

 代表的な応力勾配のモデルとして曲げモーメント荷 重(d=1、c=2),三角形分布荷重(d=一1,c=

0),一回分布荷重(d=一1,c二〇)の3ケースの 要素構成は次式のように与えられる。

 a)曲げモーメントの場合

47

〔σ〕=

O C120 C14 0 … σ21 0 C23 0 C25…

00320C340…

α10C430C45一 一

1鱈争1ぐ

b)三角形分布荷重の場合

〔c〕=

Cll C12 0 C14 0 … C21 C,,C230C25…

O C32 C33 C34 0 …

C410C43C4、C45…

0 052 0 C54 C55…

c)一様分布荷重の場合

〔c〕=

C1皇0 0 0 0 …

O C220 0 0 一一一

〇 〇C330 0…

O O O C440 一一

〇 〇 〇 〇C55…

(12−a)

(12−b)

(12−c)

a)の曲げモーメントと。)の一一様圧縮荷重の不安定 領域の性質はすでに文献1)に述べたとおりである。こ れに対して,曲げモーメントと一様圧縮荷重が同時に 作用する三角形分布荷重が今回新たな議論の対象とな るべきものである。この三角分布荷重の要素構成な曲 げモーメントと一様圧縮力を除く一般の応力勾配に対 して成立する。式(12−b)に示すように三角形分布荷重 の要素構成は曲げモーメントと一様圧縮荷重の非零の 要素を重ね合せた形となっている。したがって,その 不安定領域は曲げモーメントの場合の和形の結合共振

(嬬+ωつ/k(i+」:奇数)と一様圧縮荷重の場合の 単純共振2砺/kからなることが予想される。

5.面外不安定領域

 (1)境界条件の影響

 文献1)と同じ計算自由度を用いて,曲げモーメント M を受ける正方形板の面外不安定領域に及ぼす境界 条件の影響を明らかにする。Fig.2〜5はcase I,

皿,血およびIVの面外不安定領域を初期応力がない場 合(Mo=0.0)に対して示したものである。 また,

各ケースの無次元固有円振動数ω殊および式(6)の定 数αi1およびλcrをTable 1に示す。これらの図中に おいて横軸δは無次元加振振軸数を,縦軸乃46は無 次元変動曲げモーメントの振幅である。図中の右下が りの斜線部が結合共振を,右上りの斜線部が単純共振

(4)

48

O.5  eme O.4

O.3

O.2 o.z

O.5 it

O.4

O.3

combinati'on resonance

sinple resonance

asl+ta)2co!‑Ha)g

to! tol+t,! 2co2

o

O.2 O.1

e.s Mt O.4

O.3

O.2

O.l

         2.0 4

Fig. 2 Unstable regions of a .o

square

     6eO

plate: case I and pure

8.0 ・‑

       ur bending Mt

10.0

2co1 co;

tul+tDS

3ut2 tol+a);

tui+u}g

toE+u)g

co3'lw2 3

o         2.0 4

Fig. 3 Unstable regions ofa .o

square

     6.0

plate: case II and

   8

pure

.O di 10.0

bending Mt

tu!+(Dg ut:+u)32

.

'

to:+CL)3 to8

uti wl+tDg

1co2 co2

.!.H,)l2 coE+t,} to!tu2

ut:+ta)e

2 1

coita 2 i‑HDg

O 2.0

   Fig.4 Unstable

       4.0

regions of a square

    6.0

plate: case III and 8.0

pure bending

  10.0 di twt

(5)

ra‑ as*UzaEk eJllZJlI test e Jlill!i;veJJit 49

o.s lk.

e.4 O.3 O.2

O.1

5tu:

utl,")! as;+tD; co;tug tol+u):

col+tDg col+utg

'

o

Fig. 5

2 4

Unstable regions of a square,plate:

6

case IV and pure

8al

bending Mt

10

Table 1 Nondimensional natural frequencies to andM

  s constants al and Zcr case

s M

1 2 3 4 aii 2cr

I

1 2 3

1.000 2.500 5.000 8.500

 2.500  4.000  6.500 10.000

 5.000  6.500  9.000 12.500 2.0

25.5528

fi

1 2 3

1.000 2.396 4.468 7.217

1.891 3.270 5.359 8.127

3.530 4.847 6.920 9.691 2.9350

39.2187

case

s M

1 2 3 4 aii 2cr

m

1 2 3

1.000 1.900 3.531 5:884

2.935 3.267 4.843 7.141

4.460 5.348 6.904 9.164 2.9336

32.0001

W

1 2 3

1.000 2.041 3.664 5.866

2.041 3.001 4.599 6.755

3.681 4.599 6.144 8.281 3.6494

47.9925

(6)

50 面内変動分布力を受ける長方形板の動的安定性

の不安定領域を意味するQ不安定領域に示した記号

(ω㌦+ωブ∂/k,2ω%/kはそれぞれ結合共振,単純 共振の種類を意味する。なお,1瞬=・0.5において不 安定領域の幅が0.1以下の幅の狭い不安定領域は省略

されている。

 次に不安定領域に注目すれぽ,式(12−a)の行列 の対角線要素はゼロであるが,連成項を介して,図に 示すようにω12,ω22,ωi3などの単純共振の副不安定 領域が存在する。これらの図から明らかなようにこの 付随する単純共振の不安定領域は結合共振の場合より もかなり狭い。したがって,曲げモーメントを受ける 長方形板の不安定領域は結合共振が単純共振よりも重 要である。次に結合共振の幅に注目すれば,ω21+

ω2Q(CaSe l),ω3、+ω32(CaSe皿),ω32(CaSe皿)

およびω31+ω32(case W)のように固有振動i数の 比が接近した場合に広くなる。逆に,固有振動数の比 が離れている場合には狭くなる。

 1次の固有振動数の10倍までの振動数の範囲では,

case皿の不安定領域の種類が最も多い。また, case Wの不安定領域の幅が最も狭くなっている。次に,結 合共i振の不安定領域の種類に注目すれば, 結合共振 ω説+ω碧(M,R=x方向の半波数, n, s:y方向

の半波数)において,

 case I,皿

   i)R=M

  {

   ii)n十S=偶数

0.5

q亡 0.4

0.3

0.2

0.1

    2ω1ω1ω1

2ω≧

Qω釜

   2ω圭

ヨ…軸量 ω1軸量

Qω1 2ω3

2ω量

0   2・0   4・0  6・0  8・0面 10・O

 Fig.6 Uustable regions of a square plate:case II and triangular Ioad qむ

0.5

qt

O.4

0.3

0.2

0.1

 】Lω1

ω呈 2ω1 3      ωユ 2ω…

2ω1

2ω義

     2ω釜ω量

2ω1 2ω量

0 2.0 4.0 6. 8.O  o

@     ω 10

Fig.7 Unstable regions of a square plate:case II and uniformly distributed load q6

(7)

高橋和雄・松川 徹・川野隆太 51

case皿

 {  i)M十R=偶数   ii)n+S=奇数

case IV

 {  i)M十R=偶数   ii)11十Sニ=奇数

{溜‡§:醸

なる条件を満足したときにのみ生ずる。このように,

case皿,IVのように荷重辺が固定された場合には,

不安定領域の種類は荷重辺が単純支持される場合と著 しく異なると言える。

 (2)応力勾配の影響

 応力勾配の影響を明らかにするために,case皿の 三角形分布荷重および一様圧縮荷重の場合の不安定領 域をFig.6,7に示す。 Fig.3の曲げモーメント荷 重1唾の場合には結合共振が優勢である。 一方,式

(12−c)から明らかなように,Fig.7の一様圧縮荷重 の場合は単純共振のみが存在する。これらに対して,

三角形分布荷重の場合には両者が存在することにな る。具体的にFig.6の不安定領域に注目すると,結 合共振の幅は狭く,単純共振が卓越する。単純共振に ついてはFig.7の単純共振とほぼ一致している。 こ れより,純曲げの場合に卓越する結合共振は軸力成分 が入ってくると,その幅が狭くなることがわかる。

6.まとめ

 本研究は面内変動分布力を受ける長方形板の動的安

定性を各種の境界条件のもとに解析したものである。

本研究で明らかになったことをまとめると次のとおり である。

(1)曲げモーメントを受ける長方形板の不安定領域は結 合共振が支配的である。その不安定領域の幅は境界条 件の区別に無関係に固有振動数が接近している場合に 広い。

(2)曲げモーメントを受ける長方形板の結合共振の不安 定領域の種類は荷重辺の境界条件によって異なる。

(3)曲げモーメントの他に軸力が作用する長方形板で は,主の単純共振の不安定領域が広くなり,結合共振 の不安定領域は狭くなる。この結果,不安定領域は一 様分布荷重の場合に近づく。

 数値解析には本学の情報処理センターのFACOM M−180AD−Hを使用したことを付記する。

        参考文 献

1)高橋,田川,池田,松川;面内曲げを受ける長方 形板の動的安定性,土木学会論文報告集,第341号,

PP.179〜186,1984年1月

2)Takahashi, K.,M. Tagawa and T. Ikeda;

Dynamic Stability of a Rectangular Plate Subject−

ed to Inplane Moment, Theoretical and Applied Mechanics, Vol.33, pp.311〜318,1985 3)高橋池田,井上;面内力を受ける長方形板の振

動解析,長崎大学工学部研究報告,第14巻,第23 号,PP.165〜170,1984年7月

Table 1 Nondimensional natural frequencies to and M

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