学童の血清脂質値と食事・運動習慣に関する疫学的研究
学童の血清脂質値と食事・運動習慣に関する疫学前研究
An Epidemi010gical study on the Relationship between serum Lipids and Food; and Exercise HabitS 血 Schoolchildten
宮西邦夫、金胎芳子、曽根英行、太田優子
Kunio MIYAN玲HI, Yoshiko KONTAI, HideyukisoNE and Yuko oTA
緒
近年、食品加工技術の進歩、外食産業・食品 産業の目覚ましい発展、食の簡便化、伝統的な 食文化の崩壊など、食環境や食生活に対する意 識は大きく変貌しつつあり、それに伴って肥 満、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の発 症が注目されてぃるD。食環境や食生活に対
する意識の変化は子ども達にも大きく影響して おり、食生活の基礎が出来る重要な時期に、家 族団梁の減少や外食・調理済食品の利用、また 保護者の食に対する意識や関心の低下などによ
リ、子ど、達の食と健康の基礎的な知識不足、
食ヘの関心の薄れ、食事マナーの乱れ、偏った 食事などが問題となっている。また、稽古や塾 通いなどにより食事の規則性も失われ、遊びに ついても屋外遊びから屋内遊びへ、立位から座 位での遊びへと種類、内容が変わり、運動不足
が過栄養状態と相俟0てしまうのという状況
の中で、子ども達における生活習慣病の発症あ るいは危険因子の保有が懸念されている。
我が国の3大死因は悪性新生物、心疾患、脳 血管疾患であるが、後者はいずれも動脈硬化症
の合併症である血管障害であるため')、.動脈
硬化症を予防することが重要であり、その主因 のーつとされている脂質異常症の発症を抑制す ることが課題である。食事習慣は特に、小児期 の家庭の中で形成され、この時期に好ましい食 事習慣を身に付けることが急務であると考え た。
本研究では、小学生を対象に脂質異常に注目
し、血清脂質値から低値.群と高値群に分類し、
両群における食事習慣と運動習慣の特徴につい て比較検討した。
方法
調査は平成12年から14年までの3年間、新 潟県内の一農村で実施された学童の健康づくり 事業に参加した小学5年生児童336名(男児 166名、女児 170名)を対象と Lた。検査項目 のうち、身体計測値(身長、体重)、体脂肪率、
血清脂質値(血清総コレステロール:TC、、中 性脂肪:TG、高密度りポ蛋白コレステロール HDLC)、血液検査値(ヘモグロビン: Hb、ヘ マトクリット:Ht、血清鉄:Fe)を検討に用いた。
また、身長と体重から肥満度obesi切'index 箕輪法(実測体重一標準体重)/標準体重X 100、及び体格指数Body massindex (体重/
身長(m)'、以下BMD を算出し、検討に用 いた。食事・運動習慣については、保護著の協 力によるアンケサ'ト方式で実施した。食事習慣 については、'朝食頻度、夕食野菜(夕食時の野 菜の摂取頻度)、夜食など12項目、運動習慣に ついては運動(体育以外)、外遊びの頻度につ いて、男女別に検討した。
血清脂質値(TC, TG, HDLC)を各々の四分 位数から4群に分類した。低値の群から順に LI, L2, L3, L4群とし、 4群間の各値の群間変 動について検討した。さらに、各群の特徴を捉 えるため、L1群(以下、最低値群)と L4群(以下、
最高値群)の他の血清脂質値について比較検討
一言
1 /、5
身長(cm) 体重(k宮) 肥満度(0娯)) 体格指数旧脚)
女1 の
Hb (m宮/dl) Ht (%)
ヒ
ヒ
M巳ヨn
人問生活学研究第2号
20Ⅱ
児 166
1402 365
6.1 18.4
Fe m
血、
ノ」、子5
TO (m宮/dl) TG (m宮/dl)
Fat 船 19.4
d1
の有
HDLc m /dl
63.8 土 13.3 63.9 土 123Mean :平均値、SD.:標準偏差、t検定の有意性*:Pく0.05
S.D. Mean の
6.4
8.フ 18.635
した。また、両群の食事・運動習慣との関連性 の有無についても併せて検討した。なお、統計
学的検討にはS加de址のt検定、χ'検定を行 い、 Pく0.05 を有意差ありとした。
13.1
39.1児 170
141.6 ・
35.フ22
17.フ
→一
893
** P く001、(
1765 101.3
170
厶%
95.9
6.4 0.8 22
+ 32.9
SD
):人数 18.6
フ.1
8015.1
2.9
結果
(D 各指標の特徴(平均値、標準偏差) (表 1、 2)
対象者の各指標の特徴を把握するため、男 女児の身長、体重、肥満度、 BMI、体脂肪率、
肌, Ht, Fe, TC, TG,1ΦLC の平均値と標準偏 差を求め、全国値')と比較した。
男児の身長、体重は各々 1402 土 6.4Cm、
365 士 8.7kg で、全国値の 1426 士 8.4Cm、 37.フ 士 9.7kg と比ベ、 HDLC は 638 士 133mg/田で 全国値の648士 153mg/田に比ベ、やや低か つた。 BM1は 18.4 土 35 で全国イ値 183 土 3.1kg と比ベ、 TC は 1765 土 276mg/田で全国値 1727 土 282mg/田に比ベ、やや高かった。
女児の身長、体重は各々 141,6 土 7.1Cm、 357 土 8.okg で、全国値の IU3 士 77Cm、 38.0 士 88kg と比ベ、 BM1は 177 士 29で全国値18.1
土 2,9kg と比ベ、やや低かった。 TC, HDLC は 各々、 1812 土 308mg/dl、 639 士 123mg/田で 全国値の 1729 土器7mg/田,侃7 土 132mg/田
に比ベ、やや高かった。
以上の結果、全国値に比ベ、男女児の身長、
体重、男児のHDLC、女児のBM1がやや低く、
男女児のTC、男児のBMI、女児のHDLC は 高い傾向にあったが、いずれの指標も全国値と の間に顕著な差は認められなかった。従って、
132
39.6 27.6 72.4*
Mean
91.9 1812 107.8
142.6
37.フ6.3 0.8 22
し
玉 L4)
18.3
312
S.D. Mean
30.8 722
*
8.4 9.フ
144.3 38.0 31
児
172.フ
本研究対象児童は我が国の小学5年生として標 準的な体格、血清脂質レベルにあり、特殊な集 団ではないことを確認した。
また、各指標を男児と女児で比較した結果、
肥満度は男児6.1 士 186%、女児 22 士 15.1%、
M1は男児 18.4 土 35、女児 177 士 29 であり、
いずれも男児で有意に高かった。一方、 Htは 男児39.1 土 22%、女児39.6 土 22%であり、女 児で有意に高かったが{その他の指標には性差 はなかった。さらに、食事・運動習慣の男女児 で比較した結果、おやつ(休日)は男児に比ベ、
女児で毎回摂取者が有意に多かった心のの、他
18.1
648
S.D フ.フ 8β
282 153
2.9
172.9
61 7
28.フ 13.2
#:未回答者あり、χ2
2 /、5
"".̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎日'蚕益!上̲14..旦ι̲̲.J̲...̲生!..̲
輸笈蒔一ーーー毎日、ーーー55 ーミ訂一ー'茸;"ーー巨ミ1'ー
^食品̲芒̲毎目工な」,L」13 ̲66.9̲̲リ旦̲̲亙旦̲
朝食野菜# 毎日 53 31.9 43 25.3
^
̲̲̲̲̲̲̲,.,,毎日'喬益!」..」繋̲..68.1̲̲.リ旦̲.̲τ生!.̲
Zラ蚕吾一"毎白'ーー'715‑‑84.3‑ー'鵡Ξ一'ー'ミ享一
̲̲̲̲̲̲毎旦で左:」、 26 ̲15.フ̲̲1乙̲」0.0̲
毎日
夕食時
81 48.8 80 47,1
^白倉^#..^日工存」,L」84̲50.6̲̲旦旦̲̲馳.3̲
ダ食野一一毎百一ーーーフ6‑458‑一百δ一‑52.9‑
日 人
152
̲̲̲̲̲̲毎日'壁亨」上̲90 ̲542̲̲旦旦̲̲47.1̲
毎日
夜食#
23 139 21 12.4
̲̲̲毎目で盆!△̲、143̲86.1 148 87.1 扉暴黄色野^ーー毎白一""ーー49 ‑29.5‑ー、吾可一‑31.2‑
̲.̲̲̲̲.̲̲̲̲̲毎日'至盆,」..JJ6..ξ訟を̲̲.UZ.̲̲躯,.̲̲̲
7畢羣i評"ー'ーーーーー毎白'ーー'ー'0 ‑36f‑ー'冒δ"ーーi晶'ーーー
̲̲̲̲̲̲毎日'空室」と」価̲632̲̲四旦̲̲腿.1̲
揚げ物# 毎日 43 259 39 22.9
̲̲̲̲.̲̲.̲̲日'耆盆,」..」盆L.̲729̲̲.τ,9‑̲τ島5."
^琴'フ'ーー'ーー毎白一ー'ー'r'‑5QO‑ー'ぢξ一一晶!首一
̲̲̲̲̲̲毎日で左:」,L81 4且8 Z宅̲̲42,4̲
おやつ(休日)#毎回 38 229 75 44.1
̲̲̲̲̲^回耆亨」,L」23̲741̲̲̲旦生̲̲55.3̲**
運動#
毎日 142 85.5 133 782̲̲̲̲̲̲̲毎日二空女」,L̲24 ̲145̲̲旦旦̲̲21.2̲
外遊てず
毎日 128 7フ.1 115 67.6毎日でない 37 22.3 54 31.8
の 166
厶%
91,6
人
163
土士土
土土土 土士
** 土土
土土士土土土土土土土
土土土+
土十土+の項目に差はなかった(表2)。
(2)女児の血清脂質の最低値群と最高値群の 特徴(表 3‑1,3‑2,3‑3)
TC,TG,HDLC各値の最低値群と最高値群の 各指標について比較した結果、男児では各々の 2群間に差はなかったことから、以下の検討は 女児についてのみ行った。
表には示さなかったが、女児の TC, TG, HDLCの4群の各指標問の比較結果から、 TC では、 TCの上昇に伴って身長、体重は低下し、
HDLCは有意に上昇Lていた。TGの場合には、
TG̲の上昇に伴ってTC も上昇、 HDLC は低下 していた。 HDLC では、 HDLC の上昇に伴い TCは上昇、 TGは低下していた。
そこで、各指標の変動に伴う特徴をより明確 に捉えるため、最低値群と最高値群の2群間で 比較検討した。
13.3 39.5
学童の血清脂質値と食事・運動習慣に関する疫学的研究
26.1
982
そこで、これらの結果に関連する食事・運動 習慣の有無について検討するため、各指標の最 低値群と最高値群の食事・運動習慣の特徴につ いて比較検討した。
、
1) TCの最低値群と最高値群の2群間の体格 指数、血液性状の特徴(表3‑1)
女児の最低値群と最高値群のHDLCは、572 土 99血g/田、 699 土 149mg/d1を示し、最高値 群で有意に高く、身長は最高値群で有意に低か つた。
(3)血清脂質の各項目の最低値群と最高値群 における食事・運動習慣の特徴
食事・運動習慣を項目ごとに2群に分類し、
各指標の最低値群と最高値群の特徴について検 討した。
0.
23 1.
2) TGの最低値群と最高値群の2群問の体格 指数、血液性状の特徴(表3②
女児の最低値群と最高値群のHDLCは、712 士 122mg/田、 575 土 107mg/由を示し、最高 値群で有意に低いことが示された。
1) TGの最低値群と最高値群の食事・運動習 慣の特徴(表4D
TGの最高値群では、最低値群に比ベ、朝食
3‑1 女1 のT0の
3) HDLCの最低値群と最高値群の2群問の 体格指数、血液性状の特徴(表3‑3)
HDLCの最低値群と最高値群の各指標を比 較した結果、女児の TC は、最低値群170.0 土 26]mg/田、最高値群 1939 土 302mg/田を示 し、最低値群で有意に低かった。一方、 TGは 最低値群 155.4 士 982mg/田、最高値群755 土 37,omg/田であり、最低値群で有意に高かった。
体重、肥満度、 BMI、体脂肪率も最高値群に比 ベ最低値群で有意に高かった。
以上の結果から、 TCと HDLCは共に、低値 あるいは高値を示し、 TGと HDLCは逆の変動 を示すことが示唆さ、れた。
身長(cm)
体重(kぎ)
肥満度(01偶))BMI
Hb (m鼻" dl) Ht (%)
Meah
Fe(m dl)
143.4 37β
4.018.2
L
TC (mψdl) TG (m且','dl)
F3t %
と
43)
HDLC
Meah.゛
.6 .1 ,5
.7 19.フ6
13.2
m
平
の
L M巳ヨn39,5 94.0
d1
L138.6
33.31.5
17.13‑2
148.3 923
61
42
身長(om)
体重(kΞ)
肥満度(0雌))BMI
体脂肪率(F.t(%))
S.D
0.フ 2.1
57.2
SD
176
フ.フ
8.15.5
3.01.
13.1 39.4
TG
*
95.4
Hb (mE/dD
9.9
221.4 129.0
Ht (%)
Fe(m dl〕
67
Me且n
942
0.8
2.2
69.9
の
盲
140.6
33.フ‑1.2 16.9 16,9
TC (mΞ/dl) TG (mψ'dl)
29.5
(43)
29.3
107.フ
HDLO (m /dl) Mean :平均 L
14.9 秤
P く0.0**
S.D
フ.フ
6813.8
2.5
5.6
**
13.1
39.04.6 79.4
険定の有意性畔M巳ヨh
141.8 36,1
3.1 17.8 19.フ
91.4
」
3‑3 女児のHDL0の'氏値 L 43)
30,2 37.0
176.646.6 71.2
SD.:標準偏差193.9 75.5
43
身長(om)
体重(k倉)
肥満度(0礁))BM!
0.8
2.2 土 33.0
SD
→・
6.8
7.
16.0
2.97.
133 40,1 862 191.5 197.8
57.58.9 献
<0,01
P21.9
.4
12.2
→・t検定の有意性緜
Hb (mE/dl) Ht (%)
M休 判' Meヨh
Fe m
142.6
39.29.4 19.0
τ0 (mΞ/dl) TG (mvdl)
FΞt %
2.3 土 32.2 士 87.8 粋
31.0
d1
HDLC
Meヨh.古値
45 SD
21.8
8.0
9916.9
3.4
10.フ**
P く0.0
13.2
39.8m /'dl
平均LMe自n
の特微 44)
140.2
32.5
‑3.3 16.5
822 170.0
155.4
フ.6
SD
0.8
2.3
士 27149.3
→・標準偏差
SD
+ 士
160
6.8
5.6 11.6
2.0
土土土土土土土土土土土
土土士土士土士士土土土 7 土土土土土 80
士+一土土+一 献料艸艸
士士士土土土土土士.士土
土土土土士土士土+一士土 土土士
表4‑1 小5女児のTGの最1氏値群と最高値群の食事習慣,
朝食頻度, 毎日
42 97.7 42 97.フ...̲...毎旦.耆二'、J....J""̲."̲祭...1...̲呈旦̲.,.,....
斬益詩'ー""'ー"'毎百""""花"、'"'漸三""'弓"'‑i11、'"'"ー、
蛋白質性食品#毎日でない 27 628 37
86.1 *毎日
朝食野菜
12 27.9 8 186̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲'毎貝̲でない 31 721 35 81.5 二多雲顎夏奪一、、、一瓦白、ー、ーーーニi6、、、、0ミ五、、、‑3冒、、一否Ξ1、、、'、'、
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲'̲̲̲̲̲毎旦空.なLL̲盆̲̲̲̲生乙̲̲̲̲旦̲̲̲̲1J゛旦̲̲̲̲̲̲̲̲
夕食時 毎日
21 48.8 17 39.5蛋̲白質性食PI#錘旦̲耆ない 21 4旦旦̲̲」2旦̲̲鯉.4 Ii険野粟、、ー、、、ー、毒百、、、、ー、、一巨亘、、、、6豆テ、、、、、i百、、フ二ii!亘'"、、、、、、
...,"̲".̲.錘旦.工盆レ̲、̲,!β...11'旦...2Ξ...̲巨β1...̲
裳雀"""""ー"'ー'毎百""、"ー"弓""" iτ石""" Z"'ー"!5""""、
̲̲̲̲̲̲̲.̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎旦̲工iなレΣ邑β̲̲̲̲̲β旦旦̲̲̲̲3旦̲̲̲旦9.フ̲̲̲̲̲̲
緑黄色野菜毎日
20 46.5 11 25.6...喝̲,,,,̲.,...毎月.工蓉L、..3,...5旦旦""","ヨ盆".̲Z4'..̲jt....
牢乳""""ー'"""""毎目""""i掌"" 1乞谷"""""1言"'‑1罷"、"""
毎日でない 29 67.5 25 582
陽"仔勃冨、、'、ー、、、、毒百、、'ー、、、ー、ン、、ー、'i豆互"ー、"互、"、一悟酒、、、、、、、、
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎旦壁な上>̲̲ 3旦̲̲̲8旦Z̲̲̲̲̲3生̲̲τ9a̲̲̲̲̲̲
栗勃専一ー、、、、、、、、、、毎百、、、ー、、、一巨五一、、誠巨、、、、巨テーー'Σ言、、ー、ー
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎日̲竪な、>̲̲,!旦̲̲̲̲4生2̲̲̲̲̲!旦̲̲a?゛̲̲̲̲̲̲
おやつ(休日)#毎回
20 46.5 17 39.5̲"̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎回室な、、 2窒̲̲̲̲5J'2̲̲̲̲̲2旦̲̲旦9‑̲̲̲̲̲̲
運動# 毎日
36 837 30 69.8...̲...̲...錘旦.工なL、,,.Z...!旦全....".!2.."̲3!.旦...̲.
万〒彊講"""、""'毎百"""""一菌""6ミT"'"1テ'"一否罷、"""、'
人間生活学研究第2号 2011
運習慣の特徴
L (43) 園10 %
向」
010(%) 43)
時の蛋白質性食品の摂取が毎日でない者の出現 率が86.1%、緑黄色野菜の摂取頻度が毎日でな い者の出現率も74.4%と、いずれも有意に高か つたが、その他の項目問に差はなかった。
、
χ2
、
2)HDLCの最低値群と最高値群における食事・
運動習慣の特徴(表42)
HDLCの最低値群では、最高値群に比ベ、
緑黄色野菜の摂取頻度が毎日ではない者の出現 率が部8%と高率であったが、他の項目には差 がなかった。
以上の結果から、 TGの最高値群では、朝食 時の蛋白質性食品、緑黄色野菜の摂取頻度が低
<、 HDLCの最低値群でも緑黄色野菜の摂取 頻度が低いことが示された。
の 邑
日でナ'い
*: Pく0.05
巧 34.9
白質性食品、緑黄色野莱、 HDLCの最低値群 と最高値群の緑黄色野菜の摂取頻度に差があっ たことから、各々の食事習慣がTG,1ΦLCヘ 単独で関連しているのか、他の食事習慣項目が 複合的に関連しているのかについて検討した。
15
(4)朝食時の蛋白質性食品、緑黄色野莱の摂 取頻度と他の食事・運動習慣の関連性 TGの最低値群と最高値群では、朝食時の蛋
34.9
1)朝食時の蛋白質性食品の摂取頻度と他の食 事習慣項目との関連性(表5‑1)
朝食時の蛋白質性食品の摂取が毎日でない者 では、毎日の者に比ベ、朝食時の野菜、夕食時 の蛋白質性食品、緑黄色野菜の摂取が毎日でな い者の出現率が797%、 618%、 758%といずれ
も有意に高率であった。
2)緑黄色野菜の摂取頻度と他の食事習慣項目 との関連性(表5‑2)
緑黄色野菜の摂取が毎日でない者では、毎旧 の者に比ベ、朝食時の蛋白質性食品、同野菜、
夕食時の蛋白質性食品、同野菜の摂取が毎日で
学重の血清脂質値と食事・運動習慣に関する疫学的研究
表4‑2 小5女児のHDL0の最低値群と最高値群の食事習慣,
朝食頻度 毎日
40 93.0 43 97フ..,.̲.,̲.̲,,.,,,,..毎目.工奈レ上,.,,9,.,.,.旦旦...̲1...緑̲...
動巽欝'ー""'"""""毎白""'"、""'""ラ"'"'"T罷""‑fl""'Ξ詣一""'"
蛋̲自質性食品,̲毎旦̲考盆、上旦巨̲̲̲釘、旦̲̲̲̲̲亀3̲̲̲Z巨旦̲̲̲̲̲̲
朝食野菜#毎日
9 209 柏 227̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲..̲̲.̲̲̲毎旦̲耆盆、上̲̲旦3.̲̲!旦.フ̲̲̲̲契̲.̲..Z7.3̲.̲.̲̲..
夕食頻度#毎日
7 860 41 932̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎目'空な、上̲'̲̲̲̲̲!旦旦̲̲̲̲星̲̲̲̲̲̲4.5 ̲̲̲̲̲̲.
夕食時 毎日
18 419 24 54.5蛋̲自箕住食晶参̲毎旦'空盆、上̲̲Ξ.L̲̲,旦L̲̲̲̲坦̲̲̲丑旦1̲.̲̲̲̲
毎日
夕食野菜
19 U2 25 56.8...毎旦.工盆、;:...Z.4...5旦旦...19....̲盤2...,
夜食# 毎日
5 116 5 11.4̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲...̲̲..̲̲毎旦'空盆、上̲旦τ̲...昔旦ρ̲̲̲̲̲亀9̲.̲..旦8.6.̲̲.̲̲.
緑黄色野菜毎日
7 163 16 36.4,...,̲...̲....̲....毎旦.霄盆、'Σ.̲旦せ,....8旦旦....,3,,.,,̲鱸,,,,三,,, 7F季11"'ー""、""毎白""""‑Tナ"""論'1ぢ""'"、"r'"""答ミ1""""""""
̲̲̲̲,̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎旦二で盆、上̲至.6̲̲̲̲旦旦.5 ̲̲29̲̲̲̲̲,5.9 ̲̲̲̲̲̲̲.
毎日
揚げ物#
12 279 9 20.5̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎日'で盆、上̲旦Q̲,,̲0旦.8 ̲̲亀巨̲.̲̲̲29.5 ̲̲̲̲̲̲.
栗物'ーー、、、、フ、、、、毎目一、、、、、ーー巨'i‑""、4百互、ーー而、'、、、否8.2 、、、、、、'
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲毎目̲丕な卜上̲2.1̲̲̲̲4旦旦̲̲13̲̲̲̲̲29.5̲̲̲̲̲̲
おやつ(休日)毎回
18 419 即 45.5̲̲̲̲̲̲̲,,̲'̲,̲̲毎回'雪盆、上̲Ξ巨̲̲̲̲,旦L̲̲上24....̲巨4,5̲̲̲̲̲̲
.毎日
運動#
32 74.433 750
の
L
43ロ(%)
^同」 44
園(%)
#
5‑1
口 ^
朝食時 毎日
16 39.0 26 203竪墓"毎日でない24 舶.5 102 797 *
夕食時 毎日
32 78.0 48 37.5蛋̲自質堂食晶t̲毎̲旦3{参」ι1̲̲̲旦̲̲̲L3乙9̲̲̲̲!旦̲̲̲̲旦!、,̲̲̲̲1士̲
緑黄色野菜毎日
21 51.2 31 242L
の
χ2 ナ'い
の
の
#:未回答者あり、χ2検定の有意性*ゆく0.05、**:Pく0.01、();人数 分'
41.9 16
*:P く005
人
5‑2
口の
の日(41)
日でナ'い
割合偶)人
朝食時 毎日
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といずれも有意に高率であった。
以上の結果から、女児のTG、 HDLCに関連 していることが推測された朝食時の蛋白質性食
口
緑黄色野菜の摂取頻度は、その他の項目と
ロロ、
も関連していることが示され、 TGの上昇およ びHDLCの低下を抑制するためには、朝食な らびに夕食時に蛋白質性食品、野菜、緑黄色野 菜の摂取頻度を高くすることが重要であること が示唆された。
人間生活学研究第2号
2011
考察
近年、食の欧米化や簡便化などにより食環境 が大きく変化しつつあり、その影響は子ども達 の健康状態にも及んでいる可能性が推測され る。その問題点として、偏った食事による食生 活習慣病の増加が懸念されているが、脂質異常 症は成人後に動脈硬化症ヘと進展する可能性が あり、心疾患や脳血管疾患などの発症ヘの関連 性が高くなることが危倶されている。
学童期は様々な生活習慣が形成される時期で あることから、特に好ましい食事,運動習慣を 身につけるための指導が大切であり、生活習慣 病予防の視点からも重要である。
そこで、本研究では、小児期における脂質異 常症の予防対策を講ずるため、血清脂質値の四 分位数から4群に分類L、値の最も低い群(最 低値群)と最も高い群(最高値群)における他 の血清脂質項目、食事・運動習慣の特徴につい て比較検討した。
男女児の各指標は、全国値に比ベ、男女児共 に身長、体重は低い傾向、男児のHDLC、女 児のBM1も低い傾向にあり、男児のBMI、女 児のHDLCはやや高い傾向を示した。しかし ながら、いずれの項目のレベルとも全国値との 問で大きく異なるものではなく、本研究対象児 童は特殊な集団ではないと判断した。
また、男児の肥満度、 BM1は女児に比ベて 有意に高く、この性差は発育交差による結果の 一部と推測したが、女児のHtが男児に比ベて 有意に高かった理由については、さらに詳細な 検討が必要と考えた。
血液中のコレステロールは、 LDL, HDL, VLDLのりポ蛋白分画に分布L、最も多く含ま
れるのがLDL、.次いでHDLである 5)。 LDL は肝臓で合成されたコレステロールを末梢組織 ヘ転送する役割があり、 LDLCが高値の場合に は、動脈硬化が進行しやすいため、悪玉コレス テロールと呼ばれている。一方、 HDLは末梢 組織の余剰なコレステロールを肝臓に逆転送す る働きがあることから、 HDLCが高値である ことは動脈硬化ヘの進展に対し抑制的に働くと 考えられるため、善玉コレステロールと呼ばれ
ている 6) 0
本研究結果でも、女児のTCの最高値群では 最低値群に比ベ、 HD工Cが高く、 HDLCの最 高値群でも最低値群に比ベてTCが高かったこ
とから、上記の分布状態と一致していた。
また、本研究結果では女児のTGの最高値群 はHDLC の低下を伴っており、 TG と HDLC は逆の値を示していた。 HDLC はカイロミク ロンやVLDLなどの低比重系のりポ蛋白のTG が分解される過程で形成されることが知られて
いる 7)'従って、 VLDL の異化低下に伴う TG
の上昇により、HDLCの形成が抑制される結果、
HDLCが低下すると考えられる。
以上の理由から、 TGの上昇とHDLCの低下 を抑制することが重要であり、脂質異常症の予 防のために、 TGの上昇、 HDLCの低下に関連 する食事・運動習慣について検討した。その結 果、女児におけるTGの最高値群では、朝食時 の蛋白質性食品の摂取頻度が毎日ではない者、
即ち、摂取頻度の少ない者が多いことが示唆さ れた。
方法には記載Lていないが、蛋白質性食品の 摂取頻度の質問内容は、肉、魚、卵、納豆など の摂取頻度について、毎日か毎日ではないか について質問した。その中で、特に青魚、には 多価不飽和脂肪酸が多く含まれ、 EPA、 DHA
などのn・3系多価不飽和脂肪酸は肝臓における VLDLの合成を抑制し、 TGを低下させる働き のあることが知られてぃる')。一方、飽和脂 肪酸を多く含む肉類は、 TGのみならずTCも 上昇させることが知られており、学童期等、成 長の著しい年代であっても過剰な摂取は控える べきだとの報告もある 9)。
本研究では、具体的な蛋白質性食品名までは
検討できなかったため、この点については今後
の詳細な追跡調査が必要ではあるが、少なくと も女児の高TG値を予防するためには、朝食時 に蛋白質性食品の摂取頻度を高くすることは推 奨するべき食習慣だと判断した。
野菜、特に緑黄色野菜に豊富に含まれるβ カロテンやビタミンC は、抗酸化物質として、
動脈硬化の危険因子となるLDLの酸化を抑制 すると共に、 VLDLの異化作用を持つりポ蛋白 リノ(ーゼ(1,PL : Lipoprotei11 ⅡPase)のt舌性を 上昇させる働きにより、 TG を低下、 HDLC を
上昇させることが報告されてぃる 1゜)。
また、野菜に多く含まれるペクチン、マンナ ン、ガム類など水溶性の食物繊維は、消化吸収 されないで、腸管においてコレステロールの代 謝産物である胆汁酸を吸着し、コレステロール の異化・吸収を促進して血中コレステロールを 低下させるとの報告がある圃。さらに、食物 繊維の摂取により TCの低下が認められた際、
HDLC に変動は見られず、 HDΞC/LDLCの比
が上昇したとの報告がありⅡ)、食物繊維の摂
取により低下するTCは主にLDL中に含まれ るものであり、結果としてHDLCの低下が抑 制されることが示唆される。従って、 TGの 上昇、1ΦLCの低下を抑制するためには、緑 黄色野菜を積極的に摂取することが望ましく、
TGの高値、,11DLCの低値群には食事指導が重 要であることが示唆された。
さらに、本研究では、朝食時の蛋白質性食品、
緑黄色野菜の摂取頻度が、 TGの上昇、 HDLC の低下ヘ単独で関連しているのか、それとも朝 食時の他の食品が複合的に関与しているのかに ついて検討した。その結果、女児の朝食時の蛋 白質性食品の摂取が毎日でない者は、朝食時の 野菜、夕食時の蛋白質性食品、緑黄色野菜の摂 取頻度も毎日でない者の出現率が低かった。こ のことから、朝食および夕食跡の蛋白質性食品 の摂取頻度が共に低いことが複合じてTGの上 昇とHDLCの低下に関与していることが推測
された。
蛋白質と野菜は生理機能を調節するために必 須の栄養成分であり、その他の成分や物質も含 め、各々の特異的な機能があることから、複合 的あるいは相互作用があり功、一日の食事に は、必ずエネルギー源と蛋白質、ビタミン、ミ
学童の血清脂質値と食事・運動習慣に関する疫学的研究
ネラルの摂取は必須であり、バランスのとれた
食事内容であること瑚、これらを偏りなく摂
取することが重要である。本研究結果からも、
朝食、夕食時の蛋白質性食品、野菜、緑黄色野 菜の摂取頻度の低いことがTGの上昇、 HDLC の低下に関連していたことは上記の報告と一致
していた。
また、学童期は特に、多くの生活習慣が形成、
定着する時期でもあり、近年では子ども達の夜 型生活による朝食の欠食者が増加Lている
14)ことからも、この時期に朝食および夕食時の蛋 白質性食品、野菜の摂取を促すことでより偏り のない食事習慣を身につけ実践することが重要 であり、そのためにも学校給食や家庭で望まし い食環境を整え、支援することが重要であると 考えた。
以上、学童期における脂質異常症の予防対策 について検討した結果、推進すべき望ましい食 事習慣として、朝食、夕食時の蛋白質性食品、
野菜、緑黄色野菜の摂取を推進することが重要 であることが示唆され、これらの食事習慣は TGの上昇抑制、 HDLCの低下抑制のために有 益であることが示唆された。
本研究では、血清脂質値の正常、異常値では なく、各脂質値の最低値群と最高値群について 検討したため、得られた結果は、成長の著Lい 小学高学年の児童を対象にしていることから も、体格指数、血清脂質値も今後継続的に推移 を見守る必要があろう。
結語
1.女児のTC の最高値群では最低値群に比ベ、
HDLCが高く、身長は低かった。
2.女児のTGの最高値群では最低値群に比ベ、
HDLCが低かった。
3.女児のHDLCの最低値群では最高値群 に比ベ、 TCが低く、 TG、体重、肥満度、
BMI、体脂肪率が高かった。
4.女児のTGの最高値群では、最低値群に比 べて、朝食時の蛋白質性食品、緑黄色野菜の 摂取頻度が毎日でない者が多かった。
5.女児のHDLCの最低値群では、緑黄色野 菜の摂取頻度が毎日でない老が多かった。
6.女児の朝食時の蛋白質性食品の摂取頻度が
毎日でない者は、朝食時の野菜、夕食時の蛋 白質性食品、緑黄色野菜の摂取頻度がいずれ も毎日でない者が多かった。
フ.女児の緑黄色野菜の摂取頻度が毎日でない 者は、朝食時の蛋白質性食品、野菜、夕食時 の蛋白質性食品、野菜の摂取頻度が毎日でな い者が多かった。
参考文献
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