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第20回 三重県超音波研究会抄録The 20th Mie Medical Ultrasonic Meeting

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Academic year: 2021

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三重医学 第62巻:1〜4, 2019 1

20

回 三重県超音波研究会抄録

The 20th Mie Medical Ultrasonic Meeting, Abstracts

   日 時:平成30年7月8日(日)

   場 所:三重大学医学部 臨床講義棟 第二講義室

   大会長:久保雅敬 伊勢赤十字病院 医療技術部 放射線技術課

プログラム

9:50 開会の辞 第20回大会長 久保雅敬

10:00 一般演題 座長:内田文也

1)運動負荷心エコーの実際 ヨーロッパ留学で学んだこと

演者:杉本匡史

2 )無症候性心筋梗塞に合併した著明な形態および性状変化を示した左室心 尖部血栓の1例

演者:江藤雄飛

3)乳腺腺房細胞癌(Acinic cell carcinoma: ACC)の1症例 演者:中西繁夫

4)乳房に発生した転移性扁平上皮癌の1例

演者: 喜多真弓

5)超音波検査が発見の契機となった年長児の中腸軸捻転の1

演者:寺西良太

6)門脈内ガスを伴った気腫性胆嚢炎の1例

演者:福本義輝

11:15 メーカープレゼンテーション 座長:安本浩二

『超音波装置メーカーによる最新技術の紹介』

12:25 教育講演 座長:久保雅敬

実際の症例から学ぶ注意点 『乳腺超音波検査』

演者:柏倉由実 

13:15 特別講演 座長:界外忠之 

超音波技術の指導と指導検査士受験対策『私たちの技術を伝えるために』

演者:秋山敏一 

14:25 閉会の辞 三重県超音波研究会 会長 中瀬一則

一般演題

1.運動負荷心エコーの実際 ヨーロッパ留 学で学んだこと

三重大学医学部附属病院 中央検査部  杉本匡史 

本邦では2012年より運動負荷心エコーが保険収 載され,2018年度の改定で保険点数が2010点に引

き上げられた.臥位エルゴメーターを用いて運動 負荷をかけながら心臓超音波検査を行う運動負荷 心エコー法は主にヨーロッパで研究・発展してき た検査法であり,労作時の息切れを来す多くの心 疾患に適応がある.演者は2015年より約2年半 ヨーロッパに留学し運動負荷心エコー法の研究と 臨床に携わってきた.2018年の保険点数引き上げ と共に,全国の主要病院でも運動負荷心エコーを 導入する病院が増えてきており,特にStructural

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Heart Diseaseの治療に携わる病院にとっては必須 の検査になってくると予想される.演者の留学経 験,研究実績と共に運動負荷心エコーの実際を発 表する.

2.無症候性心筋梗塞に合併した著明な形 態および性状変化を示した左室心尖部血 栓の1

 三重ハートセンター

  診療支援部1),循環器内科2)

    江藤雄飛1),内田文也1),中津脩平1)     羽根千尋1),柿本将秀1),平本芳恵1)     松林正人1),渡邉優子1),辻井正人1)     宮原眞敏2),西川英郎2)       

【症例】50歳代,男性.

【現病歴】健診にて心電図異常を指摘され当院を受 診.

12誘導心電図】心拍数84/分の洞調律,V1-5誘導 ST上昇,V1-3誘導のQSパターン.

【心エコー】左室心尖部は,広範囲な無収縮と壁厚 の菲薄化から瘤状構造を呈しており,同部位に40

×30mmの表面平滑,内部不均一の可動性を有す る突出した球状の構造物を認めた.

【経過】心筋梗塞に合併した左室内心尖部血栓と診 断され,抗凝固療法のため入院加療となった.入 4日後の心エコーでは,血栓の内部が無エコー となり可動性が増大し,外科的な処置も考慮され たが,入院15日後の心エコーでは,血栓の縮小と 可動性の低下を認めた.入院23日目に冠動脈造影 を施行し,左前下行枝の慢性完全閉塞を認め,一 旦退院となった.

【まとめ】左室心尖部血栓の形態および性状が,短 期間で非常に興味深い顕著な変化を呈し,心エ コーで詳細に観察できた症例を経験したので報告 する.

3.乳腺腺房細胞癌(Acinic cell carcinoma:

ACC)の1症例

 三重県厚生連松阪中央総合病院   中央検査科1),臨床病理科2),外科3)

    中西繁夫1),杉本寛子2),石原明徳2)     岩田 真3

【はじめに】乳腺腺房細胞癌(Acinic cell carcinoma:

ACC)は,唾液腺や膵臓の腺房細胞に類似した腫 瘍細胞の増生を主体とする腫瘍で,乳腺での発生 は極めて稀であり,その画像に関する報告は少な い.今回我々は乳腺原発ACC1症例を経験した ので画像を中心に報告する.【症例】65歳女性.検 診マンモグラフィーにてR-Uに局所的非対称性陰 影カテゴリー3,精査目的で当院紹介となった.超 音波では,R-CM,11時方向に25×23×13mm 区域性で境界不明瞭な低エコー域を認めた.内部 不均質,後方エコー一部減弱を認め,低エコー域 には流入する血流を認めた.点状高エコーは認め なかった.対側乳房との性状が異なりカテゴリー 3で要精査とした.MRIでは最大21mmの不正形 の腫瘤を認め,造影早期から持続的に濃染し,乳 管内進展を思わせるような像も認められた.針生 検が行われ,浸潤性乳管癌と診断された.右乳房 切除+センチネルリンパ節生検を施行し,病理組 織診断で乳腺腺房細胞癌と診断された.

4.乳房に発生した転移性扁平上皮癌の1

  伊勢赤十字病院

   医療技術部 放射線技術課

     喜多真弓,桑原早耶香,藤原綾香,

     林奈緒子,北出 明,鈴木孝明,

     久保雅敬,中野和彦

【症例】53歳,男性.左前胸部腫瘤を触知.中咽 頭癌にて放射線化学療法され,治療後のPET-CT にて左前胸部,肺門,縦隔リンパ節に集積を認め た.以前に他院で左前胸部腫瘤に対し針生検歴が あり良性であると言われたが,悪性腫瘍の可能性 を疑い外科紹介となった.

US】左E領域に31×14×13mmの不整形,境界

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明瞭,内部低エコー不均一,後方エコー不変な充 実性腫瘤を認めた.内部血流は豊富で,エラスト グラフィーはScore3であった.

【病理所見】FNAで壊死背景に深層の異形扁平上 皮細胞,角化した異形細胞が認められた.

【まとめ】乳腺扁平上皮癌は稀であり,腫瘍内に嚢 胞性変化が認められることが多いとされている.

乳房腫瘤の穿刺吸引細胞診もしくは生検にて扁平 上皮癌を認めた場合には原発性腫瘍を考慮するこ とはもちろん,転移性腫瘍の可能性も考慮する必 要がある.

5.超音波検査が発見の契機となった年長児 の中腸軸捻転の1

地方独立行政法人三重県立総合医療センター  中央放射線部

      寺西良太,安本浩二,村山晋也,

      斎藤 睦,奥村尚人

【はじめに】本症例の頻度は新生児発症では5000

7000出生児に1人.無症状で経過することも多 く剖検例は500人に1人との報告もある.多くが新 生児期に発症し,1歳以降の発症は稀であり今回 年長児の中腸軸捻転を経験したので報告する.

【症例】7歳,男児.

【主訴】腹痛,嘔吐.

【現病歴】急性腹症で近医を受診し腸炎疑いにて整 腸剤処方される.

 腹痛,嘔吐,微熱出現し改善ないため当院救急 外来に搬送された.

【超音波所見】翌日の腹部超音波検査にて小腸の拡 張,右季肋部にSMAを中心に腸管が時計方向に 回転するwhirlpool signを認め,中腸軸捻転を伴 う腸回転異常症を疑った.

【経過】その後CTでも同様の所見を認め緊急手術 となった.手術にて中腸軸捻転が認められた.

6.門脈内ガスを伴った気腫性胆嚢炎の1

済生会松阪総合病院 医療技術部検査課   超音波検査室

     福本義輝,仙波 薫,世古利奈,

     牛塲博子,蟹井 藍,中川真理子,

     脇田絵理香,山本幸治

【症例】患者は60歳代,男性.心窩部痛を主訴に 来院するも来院時検査所見にて原因の特定に至ら ず精査入院となる.翌朝,発熱と再度の心窩部痛 が出現.USにて胆嚢は腫大し,胆嚢壁には肥厚と 気腫性変化を認め,肝S4領域にも樹状の気腫性変 化を認めた.

 腹部造影CTでも胆嚢壁と胆嚢内および肝内門 脈にガス像を認めた.これらより,門脈内ガスを 伴った気腫性胆嚢炎と診断し,腹腔鏡下胆嚢摘出 術施行.

【考察】門脈内ガスは,様々な腹部疾患に関連して 出現する比較的稀な病態であるが,特にその原因 が腸管虚血・壊死である場合には,死亡率も高く 注意が必要である.本症例では,門脈本幹や上腸 間膜静脈内にガス像は認めず,腸管にも異常を認 めていない事から,本症例での門脈内ガスは気腫 性胆嚢炎によるものと考えられた.門脈内ガスを 合併した気腫性胆嚢炎の報告例は検索し得た限り 15例であり,本症例は非常に稀な症例と考えら れる.

教育講演

実際の症例から学ぶ注意点『乳腺超音波検査』

     済生会松阪総合病院 乳腺外科  柏倉由実 

乳癌の罹患者数の増加,検診の普及に伴い,乳 腺超音波検査の需要は増えています.

乳腺は探触子が当てやすい体表臓器であり,ま た内臓臓器に比べれば複雑な解剖の理解の必要性 もなく,「簡単に」検査が行えるはずです.本当に 簡単であれば,ミスは起こりにくいものです.し かし実際には,日常診療を行っていると,ピット フォール(落とし穴)のような症例に遭遇するこ

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とがしばしばあります.そして,それらの症例は,

必ずしも難しい症例ばかりではありません.今回 は,「基本を重視する」ことでこのようなピット フォールに陥ることを防げるよう,勉強になった 症例をお示しし,経験を共有していただければ,と 思います.

特別講演 

超音波技術の指導と指導検査士受験対策

『 私たちの技術を伝えるために』

     藤枝市立総合病院 診療技術部 秋山敏一 

私が超音波を始めた36年前は,まだ徒弟制度の 時代で,技術は盗むものと教えられました.現在 は昔と比べると至れり尽せりの時代と思えます.

これまでの指導経験と現在携わっています研修医 の超音波研修についてお話させていただきます.

指導のポイントは,いかに超音波の魅力を伝え,褒 めて本人にやる気を起こさせ,目標を設定できる ようにするかにあるかと思います.

平成25年には日本超音波医学会認定超音波指 導検査士制度が新たに設けられました.しかし指 導検査士を志す方は少なく,このため実績の一部 が緩和され,「超音波指導検査士認定試験のための 講習会」も開催されるようになり,受験しやすく なりました.面接では知識が身についているか問 われますので,説明できるよう整理しておきましょ う.また実技では,基本に戻り一つ一つ声に出し て確認して行うことがポイントです.試験の様子 を交えてお話させていただきます.

参照

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