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ハワイ英語で使われている日本語起源借用語

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ハワイ英語で使われている日本語起源借用語

ダニ エル ロン グ ・長 門 正 大

1.ハ ワイ英語 の言 語 変種

ハ ワイ英 語 では多 くの 日本 語起源 の単語 が 日常的 に使 われ てい る。 本稿 の 目的 は、本 格 的 な研 究 に向 けて、 そ うした単 語五 十数個 を拾 い集 め、発 音 や意 味、使 用 され るス タ イル や使 用す る民 族集 団に 関す る聞 き取 り調 査 の結果 を踏 ま えて 、今 後 の研 究 要 因 を模 索す るこ とにあ る。

日本 語 じた いがハ ワイで使 われ る こ とがあ るた め、そ の よ うな形 で 日本 語 の単語 をハ ワイ で聞 くこが あ る。 一 方 、ハ ワイ の英 語変種 の 中で も 日本 語起源 の単語 が借 用語 とし て使 われ るこ とが あ る。 ハ ワイ で話 され てい る様 々な英 語変種 は連続}体を成 して い る。

身 内が話 す くだ けた場 面 で使 われ るもの は低位 変 種(basiect)と 呼 ばれ 、 これ は 「 ハ ワイ ク レオール 英語 」(HawaiianCre()leEngliSh、 以 下HCE)の こ とを指 す。 また改 ま った場面 で使 われ る高位 変衝acml㏄t)は 「 ハ ワイ標 準 英語」(HawalianStandardEngliSltHSE)と呼 ば れ て い る(Calr1972)。 本 稿 で は これ らの 変 種 とそ の 間 に位 置 づ け られ る 中位 変 種 (mesol㏄t)を ま とめ、 「 ハ ワイ英 語 」 とい う総 称 を用 い る。

現 在話 され てい るHCEは20世 紀 前 半 に形 成 され た もので あ る。19世 紀後 半 にハ ワイ にや って 来 た移 民 の 間 で 共 通 の コ ミュニ ケ ー シ ョン手 段 と して使 わ れ た ピジ ン英 語 (HPE)か ら発 達 したの で あ る。 ハ ワイ語 を母語 とす るハ ワイ先 住 民 に加 え、英 語 を話す ア メ リカ本 土か らの人 々や 、 中国語 、 日本 語 、 ポル トガル語 、 スペ イ ン語 、琉 球語 、韓 国語 、 タガ ロ グ語 な どを母語 とす る移 民 の存在 もあ り、そ の結果 複雑 な背 景 を持 っ 多民 族 ・多言 語社会 がで きた ので あ る。 この多民 族 ・多言 語社会 の 中で生 まれ た文化 接触が フ ィクシ ョン としてHatta(1994)の映 画 で描 かれ てい る。 ピジ ンや ク レオール の使 用者 は 単 純労働 者で社会 的身 分 が低 か った こ とに加 え、標 準 英語 が話 せな いの は低 能力 だ と見 られた た め、 ピジ ン ・ク レオ ール は 「 間違 った英 語」 と して見 な され 、言 語差 別 の的 と なった。

H(Eを 使 って い る言諸 は一種 の 自己嫌 悪感(方 言 コンプ レックス)を 抱 い てい る と思 われ、Hatta(2005)の短 編 映画 で は現 代 にお け る こ うした劣等 感 が興 味深 く描 がかれ てい る。HCEは 大多数 のハ ワイ住 民 に母 語 と して用 い られ 言語 学的 に言 え ば完 全 な言語体 系 で あるの で、標 準 英語 と比べ 怠 ってい る とみ られ るのは単 なる社 会 的偏 見で あ り、言語 学的 な事実 で はない。なお 、や や こ しい こ とに一般 人 の間 でHCEは いま だにPidgin(ピ ジ ン)と い う呼 び 名で親 しまれ て い る。

近年 になっ て、HCEを 使 う聖 書や 文学 作 品が 出版 され てお り、社 会的 レベル が少 し上

が って きてい る と感 じる(PidginBibleTranslation(hoμp2000,Yamanaka1996)。ま た言語学

者 や 運動 家 がHCEの 正 当性 を訴 え る動 き もある(Boothetal.2009,Pagurigaetal.2009)。 し

(2)

か し、社会 的地 位 の問題 はそ う簡単 に改 善 され る ものでは ない。

一 方 、高位 変 種 のHSEは 米 国本 土 の標 準 英語 とさほ ど変 わ らない。ハ ワイ独特 な語 彙 が使 われ た り、音 声面 で微 妙な違 い が現れ た りす る程度 で あ る。例 え ば、本 土英 語 で[ou]

や[ei]の二重母 音 として発 音 され る[bOut]boat(船)や[feisYace(顔)はHSEで 長母 音[bo:t]

や[fe:s]と 発音 され る。

日本 語起源借 用 語(JOL、JapaneseCtriginLoanwords)の 発音 がハ ワイ 英語 と本 土英語 で異 こ ともあ る。本 土 英語 で 「 津 波 」 は[㎜ami]と 発 音 され るが、 ハ ワイ 英語 では[tsunami]

の よ うに 日本 語の原 音 に近 い発音 で あ る。 同様 に 日本 語の ラ行 子 音 を持d昔 用語(harate な ど)は本 土英語 で は英語 の普通 の̀̀f'の 発音(歯 茎 接近音 同)と な るが、ハ ワイ 英語(HCE か らHSEま で)で は 日本 語 とほぼ 同 じ 「 弾 き音 」[f]で 発 音 され る。 この子音 は〃や/r/、

/d/のいず れ とも区別 さえる点 か ら、ハ ワイ英 語独 自の特徴 と して音素 〃の存 在 を主 張す る こ とがで き る。ハ ワイ 英語 で使 われ るJOLに は本土英 語 の発音 とも元 の 日本 語 の発 音 とも異 な る場 合があ るが、詳 細 は本稿 の6節 で解 説す る。JOLと 元 の 日本 語 で意味 の違 い も見 られ るが 、それ は4節 で 取 り上 げ る。 なお、本 土英 語 とハ ワイ英 語 の最 も大 きな 違 い は、JOLの 単語 そ の ものが本 土英 語 で使 われ ない点 で ある。

2.先 行 研 究

本 稿 の テ ー マ と 関連 す る文 献 は(1)ハ ワ イ の 日本 語 の 特 徴 に 関 す る文 献 、(2)ハワ イ 英 語 に 関す る 文 献 、(3)英 語 に お け るJOLに 関 す る文 献 、 の 三 種 類 に 分 け る こ とが で き る 。 (1)と して の 比 嘉(1974ab)や 井 上(1971,1999)、 安 倍(1965)、 黒 川(1975ab,1976,1978,1979,

1983)な どが 挙 げ られ る が 、 これ ら は 「 ハ ワイ 英 語 」 で 使 用 され る 日本 語 で は な く、 ハ ワ イ に お け る 日系 人 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で の 日本 語 を テ ー マ とす る も の で あ る。 この テ ー マ の研 究 史 の 記 録 と して 足 立(1983)、 阿 刀 田(1975)、 ウエ ハ ラ(1965,1966)、 大 島(1976)、 針 本(1964,1965,1966)、 小 林(1982)、 塩 田(1967)、 武 田(1968)、 野 元(1973,1974)な ど も挙 げ て

お く。(2)と して 挙 げ られ るCalr(1972)やNagara(1972)、Rein㏄ke(1969),BickertDn&Odo

(1976)、Bickerton(1977)は 確 か に ハ ワ イ 英語 に お け る 日本 語 の影 響 を テ ー マ と して い る が 、 これ ら研 究 の 語 彙 に 関 す る情 報 は 部 分 的 な も の で あ り、 文 法 や 音韻 体 系 の解 説 が 中 心 で あ る。(3)の 英 語r般 に お け るJOLの 研 究 に は(]kitlandCannon(1981,1996)やLong(1997, 2001)の 研 究 が 挙 げ られ る 。

ま さに 、 本 稿 の テ ー マ で あ る 「 ハ ワ イ 英 語 に お け る 日本 語 起 源 借 用 語 」 に 関 す る論 文 は少 な い 。 島 田 ・高 橋(2012)はogoと い う一 つ の 単 語 を細 か く、 深 く掘 り下 げ て い る。

島 田他(2014)はhinoshiとg艀g漉,shibiの3語 に 関 す る考 察 で あ る。 こ の他 の 研 究 も 島 田 (2006)や ハ ナ シ ロ ・島 田(2011)な ど に と どま る の み で あ る。

本 研 究 で は 、 島 田 らの 「 狭 く深 く」 の 研 究 と違 い 、 「 広 く浅 く」 ハ ワイ 英 語 のJOLを 網 羅 す る こ とで 、 」OLの 全 体 像 を把 握 し、 そ れ を記 述 す る こ と を最 終 目標 と して い る。

本 稿 で 取 り上 げ るハ ワイ 英 語 で使 わ れ る五 十 数 個 の 」OLは 氷 山 の 一角 だ と思 わ れ るが 、

筆 者 の 目指 す 目標 へ の 第 一 歩 で あ る と考 え る。

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ハ ワイ英 語 で使 われ て い る 日本 語 起 源 借 用 語

3.調 査 概 要

2014年10月27日 、 筆 者 の 二 人 が ハ ワ イ 大 学 で 教 鞭 を とるKentSakodaの 協 力 を得 て 、 ハ ワ イ 英 語 に お け るJOLに 関 す る本 格 的 な研 究 を行 う うえ で の 予 備 調 査 と して 聞 き 取 り 調 査 を行 な っ た 。Sak(恵 はHCEの 母 語 言 諸 で あ り、 そ の 研 究 の 第 一 人 者 と も言 え る。

Sak(血&Siegel(2003)の 筆 者 の 一 人 で あ り、Pagurigaetal.(2009)やBooth(2009)な どに 登 揚 す るHCEの 角轍 者 で あ り、 調 査 協 力 者 と して 適 切 な 言 諸 だ と判 断 した の で あ る。 調 査 方 法 は 、筆 者 がSinonsonetal.(2005)やTonouchi(2005)、Sakoda&Siegel(2003)な どか ら予 め 拾 っ て お い たJOLと 思 わ れ る 単 語 をsakoda氏 に 提 示 しそ の 発 音や 意 味 論 的 特 徴 、 文 に お け る具 体 的 な使 い 方 、 社 会 言 語 的{吏用状 況 な ど につ い て解 説 して も ら う とい う方 法 を と っ た 。 表1に 記 述 した の は 、 ハ ワイ 英 語 の 単 語(つ づ りは 一 般 に使 用 され て い る も の や 発 音 を反 映 した もの)、 起 源 と思 わ れ る 日本 語 、 日本 語 訳(意 味 変 化 が 起 き て い る場 合)、 英 語 訳 で あ る。 右 の 「 解 説 欄 」 にSak(血 氏 か らの コ メ ン トな ど、 追 加1青報 を記 し た 。 本 研 究 の 長 期 的 目的 の 一 つ はJOLが ハ ワ イ の 日系 コ ミュ ニ テ ィ を超 え て 、 中 国 系 、 ポ ル トガ ル 系 、フ ィ リ ピ ン 系 な どの 話 者 に も使 用 され て い るか ど うか とい う こ とで あ り、

単 語 が こ の よ うに 「 汎 民 族 的(pan℃thnic)に な っ て い る 場 合 に そ の こ と を表 に 記 述 した。

表1ハ ワイ英語で使われる日本言 講 原の単語 ハ ワイ英

語 の単語

日本語起 源語

日本語訳 英語訳 解説

αむ碗 熱い セ ク シ ー hotstuff 英 語 の 伽 か らの逆 翻駅 か。

α加 α加 あった 見つ か っ

Ifb蔵mdit! 促 音 を しっか り発 音す る。 日系 のみ

使用 。

わα01ぬ鵜 わα加 〃

ば ちやん 中年女性 middle‑ag(対 woman

o肋 ㏄ 伽 とは 長 音 の 有 無 で 鴎ll。 詳 細 は6.2節 のbachan項 参 照℃

わαc痂 ばち だ め にす る。壊 す

Japanesec㎜e 「 ば ち が 当 た る 」 の 「 ば ち 」 。 使 い 方 はDon'tbachthat!の よ うに な り他 動 詞 と して 扱 わ れ る。 汎 民族 的 。

わα初 如紹 馬鹿たれ 頭の悪い

fbol,d㎞bass 目本 語 と違 っ て 呼 び か け と して使 わ れ ず 、言 及 の み で 使 わ れ る。使 用 例:

herealbaka伽e。 記 嚇 白 勺。

わα肋 馬鹿 最)oLd血bass 一世 しか使わ ない た め 、古 めか しい

感 じがす る。 日系 のみ使 用。

わα砺 α∫ バ ンザイ おめで と

J璽)anesecheer 結婚 式や 誕 生 日な どのお祝 い事 の 時

に使 う。 ア メ リカ本 土 では戦争 が連 想 され るの で用 い られ ない。汎民 族 的。

6吻o 噺 お手洗い to丑et chozuよ り も一 般 的 な 言 い 方 。

わθη如 弁当 Japanese‑s取le

boxlullch

外 出先 で食べ るた め に持 ってい く食

べ物 。料 理 店な どで 出す 、主食 と副

食 を箱 な どに詰 めた もの。汎 民族 的。

(4)

ゐo伽πz 伽 切

ボー ブ ラ 日本 本 国 か ら来 た

日本 人

Japanese丘om Japan

頭 が かぼ ちゃ に似 ていた こ とか ら。

詳 細 は6.1節 の 加伽m項 参 照℃

ゐoc勿 ぼ ちや 風呂 ba血 ぼ ち ゃ とい うオ ノマ トペ か ら。 汎 民

族 的 。 詳 細 は4.2節 の 加c加 項 参 照℃

わ070.ゐ0708 ぼ ろぼ ろ ぼろい服

ぼろきれ

womく)utcloth 借 用起源 に関 しては二 つ考 え られ 、

ぼろ きれ 、 あ るいは ぼ ろぼろな服 で あ る と推 測 され る。

伽 ガ 鱗 ブ リ a㎞berjack レス トラ ンな どで使 用 され る。

B漁 乃 舵碗

ブ ッダ 日本 本国 か ら来 た

日本 人

Japanese丘om Japan

わo伽 ㎎ と同義 語源 は 肋伽m1編 。 詳細 は61節 参照

c㎞ αηα〃 茶わん ぼっ ちや ん刈 り

puddhlgbowl ha丘cut

そ の髪 型 が茶 わん に似 ていた た め。

c砺c勧 3伽

鳥肌 goosebun〕ps 翻 訳借 用。 ポル トガル 語 か らの可能

性 も考 え られ る。

o乃吻oo ちんぽ 男性器 ㎜legeni惚ha

c痂㎎ ・c伽9 ちん ちん 男性器 malegenitaha 発 音が 回 にな ってい る。

c乃o‑c乃o 伽 ぶ

蝶 々 た らこ唇 面ckHps 蝶 々 の よ うな唇 とい う意 味の造 語で あ る と考 え られ る。

c乃oz〃 手水 トイ レ ωilet Sakoda氏 の 祖 母 が使 っ て い た が 、 今

で は とて も古 く感 じる。

ぬ 諏)〃都 大根 大根足 shortandwhiお legS

部分的な翻訳借用語。

海カカ 五vefbur㎞r

5‑4‑4 9Pし 一 し 一

小便する 杖)go杖)the

bathroom

トイ レに行 く こ と、 小 便 す る こ と。

詳 細 は63節 の544項 参 照℃

9万 留 屍 ぎ りぎ り つ む じ、立 ち 毛

cowhck aha丘whorl

江戸 時代 ごろには 「 つむ じ」 を表す 為 に 「 ぎ りぎ り」 と用 いてい た こ と が語源 で あ る と考 え られ る。 島 田 (2014)

乃αわ磁 乃伽 鵡 乃躍)〃 彪駕

はぶ て る 怒 る 、す ね る

beang【y 「 は ぶ て る 」 とい う中 国 地 方 方 言 か

ら。加 伽 彪陶 が 短 縮 され 加 伽 と い う 形 に な っ た もの 。 詳 細 は52節 の habuts項 参 照℃

乃磁 励 裸 naked

乃 蜘 所 襯 balefヒet 一 時期 は汎民 族的 に使 用 され た が

、 後 に 日系 人 のみ での使 用に限 られ る よ うに なった。 日系人 のみ使用 。 伽 αc痂 飯 ハ マ チ ㎜berjack レス トラ ンな どで使 用 され る。

勿 刀αゐα如 鼻 バ ター 鼻水 ㎜ynose 加 ㎜ろ伽 伽 の よ うに使 用す る。 鼻

水 が止 ま らな い様 子 を表魂 鼻 とバ ター か らの造語。

加翻o 鼻 くそ nasalmUCUS,

bugge聡

日系人 のみ使 用。

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ハ ワ イ英 語 で使 われ て い る 日本 語 起 源 借 用 語

乃θ 忽 乃ε 蜘

へ か 青ネ ギ の 入 ったす

き焼 き

謡dyakiwi血

・ 9「eenonlons

o肋 ㎞ 舵勉 の よ うに用 い られ る。

元 々 はそれ に使 う鍋 自体 の こ とを表 す言 葉 だ った。 「 へ か」(焼 き)と い う方 言 が語源 で あ る と考 え られ る。

瓶刀o吻 火慰斗

ア イ ロ ン 廿on(fbr

o

P「essmg clothes)

島 田他(2014)で引用 され るハナ シ ロ 調査 によ る と非 日系や 若年層 の使 用

は無 い に等 しい。

肋9α纏 鏡? アジ類の

jac㎞h

ハ ワイ語 で は π加 と呼 ばれ る。

初go〃2紐 勿 とい う複合 形 も存在 す る。 日本語 の起源語 の検 討 が必要。

吻 α㎜ 々 か っぱ巻 き

rolled cuc㎜bersushi

促 音 は発 音 しない。

緬 π諺' 辛い 呂pic》 ㌧hot 日本 語的 な発 音 をす る。

ゐo伽 ん こ とん アメ リカ

本 土 か ら の 日系 人

Japanese Ameri(職n

頭 を叩 く時 の こ とん とい うオ ノマ ト ペ か ら。詳細 は43節 の 初勿疏 項 参 照。

溺例 ρα 吻 メ ンパチ イ ッ トウ ダイ類 の 魚

squ㎞e廊h 広 島な ど 日本各 地 の方 言 にメ ンパ チ とい う魚名 が あ るが、指 す魚 が異 な るので検討 が必要 。 汎民 族的。

敬 グ 施 目白 メ ジ ロ white毛ye ハ ワイ の図鑑類 に も使 われ るほ ど正 式名 称 と して認 め られ てい る。

吻 鋸 始 ∫ 榔 お むす び、

お に ぎ り

riceban 配鋸 ⑳ な の 複 数 形 が あ る。 日本 語 は

「 お む す び 」だ が 、 「 お 」が っ か な い 。 汎 民 族 的 。

oわα舵 お化け 幽霊 9host 汎 民族的。

oゐ躍 加 η お ばあ ち やん

祖母 9㎜dmother わα伽 とい う変 異形 も存在 す る。

oゐαo勿 η お ばちや

中年 女1生 middle‑ag(対 WO】 ㎜

詳 細 は62節 の ゐαc伽 項参 照

ogo 礫

紅色の食

用の海藻

Wpeof(油ble seagraSS

奈 良時代 よ り使 われ 始 めた語 で あ り、それ が方 言 に残 りハ ワイ へ と渡 っ た と考 え られ る。(島田 ・高橋2012:

85)

q彦た加 η お じいち やん

祖父 9㎜dfaオher ガ ∫,(吻 とい う言 い 方 も存 在 す る。

¢た1襯 お じちや ん

中年男性 ㎡d(丑e‑aged

⑫ ヒ伽 とは長音 の有 無 で区別 す る。

o〃2ε潅o お め こ 女性器 魚㎜legeni曲a 標 準 日本 語で はな く、方 言か らの借

用 で あ る。

謝 肋' 鋸 嘘 をつ く lyip9 主 に政 治家 につ い て使 う。 日系 のみ 使 用。 詳細 は41節 の8励 α∫ 項 参照℃

5乃め∫ シ ビ 黄肌鮪(特 に未成魚)

yellowfintun璃 ぬ(e呂P.young)

奈 良 時代 よ り使 われ始 めた語 であ る。非 日系人 によ る使 用 は限 られ る。

(島田他2014:5(P)

3傭 乃∫ し 一 し 一 小 便(す る)

peeoractof peeing

伽 θホogo読 櫨 の よ うに使 わ れ る。

(6)

8z勿 励 ス リ ッパ

slipper 日本 語 の 「 ス リ ッパ ー 」 の よ うに 発 音 す る。 日系 人 の み 使 用 。

如磁αmη 足 らん 見せびら

かす

showoff st叩id

詳 細 は6.4節 の 珈 軌 配 項 参 照 。 彪勉 吻面'

伽 蜘 脚 初

鉄火巻き roHedt㎜a

sushi

促 音 は発 音 しな い、 また は短 く発 音 す る。詳 細 は5.1節 の 彪勉 項参 照。

〃9π醜 鶯 ウグイ ス bushwafbler ハ ワイ 諸 島 のMolokai島 で よ く使 用 され る。

ZO廊 草履 ビーチ サ

ンダル

sandals 一 般 的 に複 数 形の"s"を 付 け て使 用 さ れ る。

4.意 味の 特徴

ここではハ ワイ英 語 にお いて起源 とな る 日本 語 の単語 と意 味の異 な る語 をい くつか取 りあ げて検 討 す る。 内容 はKentsakodaを 対 象 に した調 査 で得 られ た1青 報 で あ る。以下 で 「 意 味領 域 の縮小 」(shibai)お よび 「 オ ノマ トペ か ら名詞 へ の変化 」(bOcha,kotonk)と い う二つ の意 味変化 現象 を考 察す る。

4.1.shibai(嘘)

ハ ワイ 英 語 に はshibaiと い う言 葉 が 存 在 す る。 ハ ワイ 英語 にお け る意 味 は 「演技 をす る」(SakodaandSiegel2003:115)・ 「 嘘 をつ く」(SimonsonetaL2005;Tonouchi2005:82)で あ る と され て い る。 こ のshibaiと い う語 は 日本 語 の 「 芝 居 」 とい う語 が 借 用 され た 結 果 で あ る。 『 明 鏡 国 語 辞 典 第 二 版 』(北 原2010)は 芝 居 とい う語 の 意 味 を(1)演 射 特 に 、歌 舞 伎 ・文 楽 ・新 派 な ど、 日本 的 な 演 劇 を い う。(2)役 者 が 行 う演 技 。(3)人 を だ ます た め の 作 り事 をす る こ と。 ま た そ の 作 り事 。 で あ る と定 義 して い る。 ハ ワイ で の 訪肋 ∫の 意 味 は (2)と(3)の意 味 か ら き て い る と考 え られ る。sakoda氏 に よ る と現 在 こ の 単 語 は 政 治 家 に し か 使 わ れ ず 政 治 家 の 行 い や 振 る舞 い に対 して 、 彼 は 嘘 を つ い て い る とい う意 味 で 飽 α〃

shibai.の よ うに 用 い られ る。 こ の こ と に 関 して 本 来 は 日本 語 の 「 芝 居 」 が そ の ま ま 借 用 され 意 味 も本 来 の 意 味 で 用 い られ て い た も の が 、 時 間 が 経 つ につ れ 政 治 家 の み の よ うに 対 象 を 限 定 的 に使 用 され る よ うに な っ た 結 果 で あ る と考 え られ る。 そ の 結 果 現 在 の ハ ワ イ で は 「(政治 家 に対 して)嘘 をつ い て い る 」 とい う 日本 語 に は な い 意 味 を持 っ よ うに な っ た の で あ る。

4.2,bocha(風 呂)

こ のbochaは 日本 語 の 「 ぼ ち ゃ(ん)」 とい うオ ノ マ トペ が 借 用 され た結 果 で あ る 。 日

本 語 で は こ の オ ノ マ トペ は何 か が 水 に 落 ち る等 した と き に 用 い られ る の で あ るが 、 そ の

語 に 「 お 風 呂 」 とい う意 味 が 付 加 され 、 ま た オ ノマ トペ 的 な 意 味 を失 っ た 形 で ハ ワ イ で

は使 用 され て い る。 使 用 例 は7}metogobochaの よ うに な り、 名 詞 あ る い は 「 お 風 呂 に

入 る とい うこ と」 の よ うな 動 名詞 で あ る と考 え られ る。 ま た ぼ ち ゃ ん と い う音 が 英 語 の

(7)

ハ ワイ 英 語 で 使 われ てい る 日本 語 起 源 借 用 語

わ磁 に音 が似 てい る こ とも何 らか の影 響 を持 ってい るので は ないか と考 え られ る。

4.3.kOtonk(ア メ リカ 本 土 か ら来 た 日系 人)

Kotonkと い う語 は 「 ア メ リカ 本 土 か らの 日系 人 」 を表 す 単 語 で あ る。語 源 は 「 こ とん 」 とい うオ ノ マ トペ で 、Sakoda氏 に よ る と頭 を 叩 い た と き の 音 が 「 こ とん 」 とい っ た こ と か ら名 づ け られ た よ うで あ る。 こ の 言 葉 が 生 まれ た の は第 二 次 世 界 大 戦 の 時 で あ る が 、 こ の 時 同 じ 日本 人 を ル ーツ に持 つ 日系 人 同 士 で も争 い が 起 き て い た。そ の 中 で 、「 ア メ リ カ 本 土 か ら来 た 日系 人 」 はkOtonk、 「日本 本 国 か ら来 た 日本 人 」 はboburahead(か ぼ ち ゃ 頭 とい う意 味 のJOL、bucimhheadも 同 義)と い う互 い に 椰 楡す る語 が 生 まれ た の で あ る。

5.発 音の特 徴

ハ ワイ英 語 に存 在す る 」OLの 音声 学的 ・音韻 論的 特徴 は大 き く分 けて二種 類 あ る。一 つ は 日本 語 の単語 がハ ワイ英 語 に入 る段 階で その 単語 の発 音 が変化 した もので、本 章 で は起 源語 に存 在す る促 音 が脱落 す る 「 脱 促音 化 」(彪 忽 、吻 α、α加 α吻 、舵肋 、加蜘)と い う現象 につ い て考察 を行 う。 も う一つ の特 徴は 日本 語の単 語 がハ ワイ 英語 に入 る段 階 でハ ワイ 英語 の音 韻体 系 に影 響 を与 えた もので あ り、本 章 でハ ワイ英語 に存在 す る 「 音 素 と して の弾 き音 」(kOrai、karate)、 及 び ア メ リカ英 語 には ない特 徴 として 「 語 頭 の圖 」 (醜槻吻 を取 り上 げ考 察 を行 う。 ま た英語 に共通す る音 韻 体系 が発 音 を通 して綴 りに影 響 を与 えた もの(ching・chin9)に 関 して も本 章で検 証す る。

5.L脱 促音 化

ハ ワイ では鉄 火巻 きの発 音 は 蜘 とな り、促 音 の発 音 に な らない。同様 の現 象は 吻 α 刑面(か っぱ巻 き)に も見 られ、 こ こに も現代 ハ ワイ英語 にお け るJOLの 脱 促音化 がみ

られ る。 一 方、JOLと して使 われ てい るanaattaに つ いて確 認 した ところ、 この語 は促 音 の発 音 は残 ってお り、伽 磁 の よ うに発音 され な い こ とが分 か った。 この こ とか ら全 てのJOLに お いて脱 促音 化 が起 き るわ けでは ない とい うこ とが言 え る。この よ うな語 に は他 に どの よ うな ものが 存在す るのか とい った こ とを引 き続 き調 査す る必 要が あ る。

ハ ワイ英 語 に は 日本語 の 「 へ か(す き焼 きの よ うな鍋 料理 あるい はその鍋 を指す 方 言)」

を起源 に持 つhekOあ るい はhekkOと い うJOLが 存在 して い る。促 音 のない 「 へか」 とい う語 が起源 で あ るのに促 音 を有す る形 の 舵肋 が存 在す る理 由 と して過剰 彦正 が考 え ら れ る。 ハ ワイ にお いて脱 促音化 した 彪紘 や 吻 αの影 響 を受 け、本 来促音 を持 た ないは ず の 舵勉 も 彪漁 、吻 ρ α の よ うに促 音 を持 つ形 が"正 しい"日本語 で あ る と考 え られ、

乃θ 漁 とい うハ ワイ独 特 の変化 を受 けた とい うこ とで あ る。 ま た あるい はそれ らの促 音

の有 無 な どの特徴 を有す る語 を混 同 して しま って い るこ とも理 由の一つ と して考 え られ

るた め、 この こ とに 関 して も さらなる調査 を行 う必 要が あ る。

(8)

5.2.音 素 と して の 弾 き 音

5.1.では 日本 語 の 単 語 がJOLと して ハ ワイ 英 語 に入 っ た 際 に そ の 単 語 が 受 け た 音 韻 的 変 化 に つ い て 記 述 した が 、 以 下 で は 日本 語 の 単 語 が ハ ワイ 英 語 に入 っ た こ とで ハ ワイ 英 語 の音 韻 体 系 が 受 け た 影 響 につ い て 記 述 す る。

ハ ワイ 英 語 は接 触 変 種 で あ るた め 、 本 土 英 語 と異 な る音 韻 体 系 を持 っ て い る。 本 土 英 語 に は 日本 語 の よ うな 「 弾 き音 」 国 は 音 素 と して 存 在 しな い が 、 ハ ワ イ 英 語 に は そ れ が 存 在 す る。SakodaandSiegeI(2003:21)は ハ ワイ 英 語 で の 「 弾 き音 」 の 存 在 に触 れ 、そ れ ら の 音 がJOLの 中 で 確 認 され る と して い る。 こ の 音 を表 す 為 の 「 発 音 表 記 」 と して 大 文 字 の̀D"を 用 い 、̀tkaDai"[ka(ai](辛 い)、̀kaDate"[ka(ate](空 手)]等 の 例 を挙 げ て い る。

5.3.語 頭 の[ts】

ま た 、本 土 英 語 に お い て 圖 は 儲 尾 のgetsに 表 わ れ る も の の)音 配 列 規 則 に よ っ て 語 頭 に くる こ とは 許 され て い な い 。 した が っ て 、 目本 語 の 「 津 波 」 が本 土 英 語 で は[sunami]

とな る。しか し、ハ ワイ 英 語 で は 日本 語 の 原 音 に 近 い[tsunami]と い う発 音 が 用 い られ る。

一 方 、 ハ ワイ 英 語 に は本 土 英 語 と異 な る音 も あ る 。 例 え ば 砂 の ハ ワイ 英 語 で の 発 音 は [torai]のよ う に な り、 同 様 の 現 象 がthreeの 発 音[tori]な ど で も確 認 す る こ と が 出 来 る (SakodaandSiegel2003:26)o

5.4.英語の音 韻体 系 によ る影 響

英語 の音韻 体 系 で は、弛 緩 母音 の後 に来 る鼻 音 は回 、 緊張 母音 の後 に来 る鼻 音 は回 にな る とい う相補 分布 の状況 が あ る。 この音韻 体系 は綴 りに も現 れてお り、弛緩母 音を 有 す る語 はsin[sm]やthin[Om]と、緊 張 母 音を有 してい る ものはsing[s瑚 とthing[0期の よ うにな る。JOLの 発音(そ して綴 り字)に もこの影響 が 見 られ る。 例 えば 「 男性 器」 を 意 味す るJOLはching・ching[胸t剛 で あ る。 起源 語 は 「 ちんちん 」[tfntfm]であ るが、な ぜ 回 → 回 の変化 が起 きた ので あ るか。この語 の母 音がハ ワイ英 語 に借用 され る際 に緊 張 母 音の[i]であ る と捉 え られ た た めそ の後 に来 る鼻 音 も規 則 に の っ と り回 に変 わ った の で あろ う。 そ の綴 りがそ の発 音 を反 映す るching‑chingとなっ てい るの で ある。

6.多 面 的 な 要 因

単 語 に よっ て は 音 韻 論 的 な変 化 も意 味 論 的 な 変 化 を 両 方 と も伴 う物 が あ る。 以 下 で は 意 味 が 変 化 した 際 に 、 「 長 母 音の 変 化 を 伴 うも の 」(bobura、bachan)、 「 ハ ワ イ 独 特 の 変 化 を 受 け た もの 」(544、tmtaran)に つ い て 考 察 す る。

6.1.bobura(日 本本 国か ら来 た 日本 人)

Bbburaと い う語 に も興味深 い 点が あ るこ とが今 回 の調査 で 明 らか に なった。Sakoda

氏 に よる と 日本 本 国か ら来た 日本人(す な わち 日系ア メ リカ人 では ない人)の こ とを指

す語 で あ り、 彼 らの頭 がか ぼ ちゃに似 てい たか らそ う呼ぶ よ うに なった との こ とであ る。

(9)

ハ ワイ英 語 で使 われ て い る 日本 語 起 源 借 用 語

氏 に よる と、加 わ㎜ とい う語 は 日本 の方 言 で 「 か ぼちゃ」 を表 す 「 ボー ブ ラ」に 由来す る。 「 ボー ブ ラ」や 類 形の 「 ボ ブ ラ」、 「 ボ フラ」、 「 ボ ー フラ」等 が 日本 に点在す る ことが 明 らか にな ってい る(平 山輝 男1992:1262‑1263)。 ハ ワイ の 日本 語へ の影 響が強 い広 島方 言 ・山 口方 言(比 嘉1974b:29)に も 「 ボー ブ ラ」 とい う語 が存在す る こ とか ら、

こ こか らの借 用で あ る と考 え られ る。 ま た この 日本 語で の 「 ボー ブ ラ」 の語 源 は外 来 語 で あ り、かぼ ち ゃを表す ボル トガノ嗜吾のababoraで あ る とされ てい る(平 山輝 男1992:

1262‑1263)。 外来 語 と して伝 わ った語 が 日本 にお け る方 言 として残 りハ ワイ に伝 わ った とい うこ とであ る。Sakoda氏 の説 明 を受 けて浮 か び上 がっ た新 たな疑 問点 と して、長 母 音 の有無 が あ る。 氏 に よ る と 「 ボ ブ ラ」 あ るい は 「 ボボ ラ」 の よ うに発 音 す る とされ てお り、 起源語 で あ る 「 ボー ブ ラ」 に見 られ る長 母 音が 消失 して い る。 これ に関 して は 標 準 英語 で の借 用の際 に見 られ る長母 音の消失 の影響 が あ る と考 え られ るが、 さらなる 調 査 が必 要で あ る と考 え る。

表2boburaの 変 遷(作 業 仮 説)

6.2.bachan(中 年女性)

Sakoda氏 か らobachanと い う語 に関 して も興味 深い説 明 を受 けた。この語 の語源 は 「 お ば ちゃん 」、あ るい は 「 お ば あち ゃん」 で ある こ とが推 測 され る。 そ して 「 お ばちゃ ん」

に は他 人 で ある 中年 の女 性 を呼ぶ語 として 「 小母 ち ゃん」、両親 の姉妹 を指 す 呼称 と して の 「 叔母 ちゃん ・ 伯 母 ち ゃん」、ま た 「 お ば あちゃ ん」にも老年 の女 性を指 す 語 として 「 お 婆 ちゃん 」、祖 母 を呼ぶ 際 に用い られ る 「 お祖母 さん」 とい う語 が それ ぞれ存在 す る。こ れ らの意 味 を長 母 音の有 無 で使 い分 け るので あ る。 知 らない女 性 にた い して はobachan を用 い、自身 の祖 母 に たい して はobaachanの よ うに長 母 音で発 音す る。この説 明 を受 け 新 た な疑 問が浮 かび 上 がった。 親 族へ の呼称 としての 「 叔 母 ち ゃん ・伯 母 ちゃん」 の表 現 方法 が不 明 であ る こ と、標 準 日本 語 の正 式 な呼称 は 「 おば さん」、 「 おば あ さん」の よ

うに 「 さん」 を付 け る呼 び方 で あ りそ の呼称 がハ ワイ ピジ ン語 に入 っ てい るか とい うこ とで あ る。またP吻 碗o面 撫(SimonsonetaL2005)に は 日本人 の高齢 の女 性を指 す語 と してbachanと い う語 が記 載 され てお り別 の呼 び方 と してobachanと い う語 が あ る と紹介 され てい る こ とか ら、「 お」が つい てい ない 呼び 方 が標 準 的 に用 い られて い る可能 性 もあ る。sakoda氏 との対 談の 中で祖 母 を表す 語 と してbabanと い う表 現 も確 認 され てお り、

これ らの こ とに関 して は さ らな る調 査 が必 要で あ る と考 え る。

6.3.5‑44[faifofo](小 便 しに 行 く)

こ の 表 現 は 下 品 で 冗 談 っ ぽ く使 わ れ る とは 言 え 、 起 源 が 極 め て 複 雑 で あ り、 言 語 学 的

に 興 味 深 い こ とに は 変 わ りが な い 。Simonsonetal.(2005)で は 、数 字 の 「5‑4‑4」の 発 音 記

(10)

号 と して 「fi‑fo‑fo]と 記 され て い る。HCEの 言 諸 に 確 認 した と こ ろ 、 これ は[faifofo]と 判 明 した 。 っ ま り一般 人 向 け に 書 か れ たS㎞onsonはfiveの 省 略 と してfiを 使 っ て い る

だ けで あ り、 「544」 の発 音(読 み 方)は[faifofo]と の こ とで あ る。 意 味 ぱ̀togotothe bathroo㎡'と あ る の で 、 「 小 便 す る 」 と 日本 語 訳 で き る が 、 広 く言 え ば 「トイ レ に行 く」

こ とで あ る。 英 語 のgo+小 便 を表 す ハ ワイ 英 語 のJOLで あ るshtShiか らの 造 語 で あ る。

こ のgoshtShiを 一 旦 バ イ リ ンガ ル な語 呂合 わ せ で̀5‑44"と い う数 字 に置 き換 え て か ら、

こ の 数 字 を再 び 英 語 と して読 み 直 して 、five‑fonr‑fourの最 初 の 音 を と り[faifofo]とな っ た と思 わ れ る。 日本 で も ア メ リカ 本 土 で も考 え られ な い ハ ワ イ な ら で は の 造 語 で あ る。

6A.tantaran(バ カ、みせ び らかす)

この 伽 加 伽 とい う語 は音 韻 的、意 味的 に非 常 に複 雑な変化 を受 けた語 で あ る。 この 語 の もっ とも古い起 源 とな る 日本 語 は 「 半分足 りない」であ る。バ カ な人 を椰 楡 して 「(頭 が)半 分 足 りない 」 と言 ってい たの だが 、や がて なま り 「 足 らん」 とな り、 その後 「 足

らん足 らん」 と言 われ るよ うにな っ起 さらにタガ ログ語 で 同様 に 「 馬鹿 な人 」 を指 す 語 で あるtarantndbの影 響 も受 け、現在 のtantaranと い う形 にな った ので ある。

この 伽 吻 伽 とい う語 は 、使 用 され 始 めた初期 は 日本 語、及 び タガ ロ グ語 と同様 に 「 馬 鹿 な人」 を指 す語 で あった。 しか しそ の語感 が フ ァン ファー レに似 てい るこ とか ら 「 見 せび らかす 、 目立 と うとす る」 な どの意 味 が生 まれ現在 はそ の意 味 での使 用 に限 られ る の であ る。

7.干 渉 ・転 移

ハ ワイ 英 語 でatsUiを 「 セ ク シー 、 み だ らな 」 とい う意 味 で使 う。漫 画風 に書 かれ たハ ワイ 英 語 の 解 説 書P擁 吻 勿 ぬ 〃撚(Sirnonsonetal.2005)で は 「 色 っ ぽ い 」 とい う意 味 で使 っ て い る例 が あ る。男 性 同 士 が セ ク シ ー な 女 性 に つ い て 会 話 を 交 わ して い る場 面 で あ る。

男 性1:Atsui,yeah?(セ ク シー だ よ ね 。) 男 性2:Fo'real!(だ よね 。)

こ の 語 の 起 源 とな る 日本 語 の 「 あ つ い(暑 い 、 熱 い)」 に こ の よ うな意 味 は 無 い 。 一 方 、 英 語 の 伽 は この よ うな使 い 方 を され る こ とが あ り、 つ ま り これ は 英 語 を 日本 語 に 直 訳 した 後 、 そ の 「 ニ ホ ン ゴ 」 をハ ワ イ 英 語 に 取 り入 れ た 結 果 生 ま れ た も の で あ る と考 え る こ とが 出 来 る の で あ る。

これ は 日系 人 が 使 う英 語 にお け る 言 語 干 渉 の 現 象で あ る が 、 海 外 の 日系 人 が 使 う 日本

語 に も似 た 現 象 が み られ る 。 英 語 で 「 野 球 をす る」 こ と をplayと 表 現 す る。 ハ ワ イ の 日

系 人 が 日本 語 で言醐 寺に 、英 語 の 干 渉 を うけ て 、 「 野 求 を遊 ぶ 」 とい う言 い 方 を使 う。 ポ

ル トガ ル 語 や スペ イ ン語 に お い て も 球 技 の 場 合に ノugar(遊 ぶ)を 使 うた め 、南 米 の 日系

人 が 使 う 日本 語 に も 同 じ現 象が 見 られ る の で あ る。

(11)

ハ ワイ 英 語 で 使 わ れ て い る 日本 語 起源 借 用 語

8.日 本語 の方 言

ここまで は 日本 語 か らハ ワイ英 語 に入 っ た こ とでそ の語 に起 きた変化 、 あ るいはそ の 後 がハ ワイ英語 に与 えた影響 な どにつ い て記 述 してきた が、本章 で はそ の起源 とな る 「日 本 語」 に関す る考 察 を行 う。 上述 の4‑7節 で は 日本 語か らハ ワイ英 語 に借 用 され た際 に 起 きた変化 につ いて考 察 を行 った が、そ の借用 され た 日本 語 その もの に関す る研 究 は多 くな され て きた。 井 上(1971)、比 嘉(1974a、b)はハ ワイ独 特 の 日本 語 、つ ま り 「 ハ ワイ 日 本 語」 の存在 につ い て言 及 して お り、そ の 「 ハ ワイ 日本 語」 には広 島 、 山 口等 の中国地

方方 言 の使 用 が見 られ る とい うこ とが特 徴 として挙 げ られ て い る。そ して多 くのJOLに もその影響 が 見 られ るの であ る。例 えばhabutemと い う語 の起 源 と考 え られ るrは ぶ て る」は 中国地 方の方 言で あ り(偲ll1989:1943)、bobUraやhehaも 中国地 方方 言か らの借 用 であ る と考 え られ る。 また090、hinoshi、9艀9漉 の よ うな古 語 と言 え るもの も、中央 語 に は残 らなか った が方 言 と して残 りハ ワイ に渡 った こ とが要 因 で ある と思 われ る(島 田2014:510)。 この よ うな語 は他 に も多 く存在 す る と考 え られ 、 日本 語 の方 言 に関す る さ らな る調 査 も必 要で あ る と考 え る

9.今 後 の研 究

本 稿 でハ ワイ 英語 にお けるい くつ かの 日本 語起源 の単語 を取 りあげ、意 論 日韻論 といった言 語 学的 特徴 につ いて考 察 した。 今 回の予 備調査 で上 述 の言 語 内的要 因以外 に もい くつ かの言 語外 的要 因 が課題 として浮 き彫 りにな った。 例 えば、使 用 してい る集 団 (社会範 囲)が 日本 語 を話す 一世 に匡 艮られ て い るか、ハ ワイ英 語 を母 語 とす るバ イ リン ガル に も使 用 され るの か、ハ ワイ 英語モ ノ リンガル の2世 、3世 以 降の 日系人 も使 うの か ど うか、そ れ とも 日系 以外 にまで広 が り 「 汎 民族 的(pan‑et㎞ic)」 とな り中国系 、 白人 系 、ハ ワイ先 住民 系な どのハ ワイ 州 民全般 で の使 用 がみ られ るか ど うか とい うこ とであ る。 さ らに社会 言 語的 「 ス タイル 」 の問題 もあ り、ハ ワイ ク レオール 英語 とい うくだ け た身 内 同士で使 われ る下位 変 種 に限定 され るか、改 ま った場面 で使 用 され る 「 ハ ワイ標 準 英語」 にお いて も使 用 され るか、 とい った要 因 も存 在す る と思 われ る。表1で そ う し た情報 を部 分 的 に載 せ てい るが 、今後 は単語 ご との よ り詳 しい情報 につ いて確 認 してい きたい。

謁僻

Theau血o蔓swouldHketoexpresstheirappreciati(mk)KenRehg,JoelBradShaw,and

parti(ntlarlyKentSak()da,allofU㎡versityofHawali,wliokndlyofferOdusadVice,餌(㎞ceand

inforrnationVitalto蜘 朗 ㏄t

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(DanielLong・首 都大 学東京 教 授)

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(15)

I\9 -( `'IV)AL-C \6 N* AENIF l7JPn

Japanese Origin Loanwords in Hawaiian English

Daniel Long Masahiro Nagato

In this paper we examine some Japanese Origin Loanwords (JOL) used in Hawaiian English (HE). We are initially assembled a list of such words gleaned from comic sources such as Pidgin to da Max. Based on additional information on many of those words provided to us by Kent Sakoda, we perform some preliminary analyses to explore possible topics for future research into this topic. These include topics about the origins of the words in the first place.

(1) words that seem to have multi-causal etymologies, i.e. are the results of coincidental similarities with words from other languages (HE taran E- Jp taran, Tagalog taratado)

(2) words that originate in dialectal forms of Japanese as opposed to Standard Japanese (habuts F- western Japan dialect habuteru)

(3) words that are loan translations from Japanese (chicken skin E- tori hada)

Topics also include changes that occurred when or after words were borrowed into HE that have resulted in differences between HE words and the original Japanese forms.

(4) ways in which HE words have shifted in meaning from their etymons (HE taran

"stupid" E- Jp taran "insufficient")

(5) ways in which HE words have changed in pronunciation from their etymons, such as the loss of the phonemically significant geminate consonant of (HE kapa E- Jp kappa•, HE teka E- Jp tekka)

(6) ways in which the JOL have been influenced by English morphology such as the plural endings of zoris.

(7) changes in part of speech from the original Japanese, such as the Japanese noun bachi being used as a verb in HE

Other promising topics range from English phonology to sociolinguistics.

(8) unlike (6) in which JOL have changed in pronunciation to fit English phonology, are cases just the opposite in which JOL has imposed change on HE phonology, adding to the phonemic inventory, e.g. karai "spicy" pronounced not with the alveolar approximate sound [J] ofAmerican English, but rather the flap [r] used in Japanese.

(9) sociolinguistic usage topics such as whether a specific JOL is used in the English of (a)

immigrants who speak Japanese as their 1st language, or (b) Japanese-Americans who

speak some Japanese as a second language, or (c) Japanese-Americans who can not

converse in Japanese, or (d) Hawaiian residents of non-Japanese ethnic origins

参照

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