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月賦販売について

その他のタイトル On the Instalment Selling

著者 鯰江 城夫

雑誌名 關西大學經済論集

巻 2

号 2

ページ 85‑92

発行年 1952‑06‑15

URL http://hdl.handle.net/10112/15865

(2)

月賦販賣について 載時中に於ける生活必需物賽の糎端な不足は載後平和蛮業の回復により一巡之が解消すると共に他方イツフ>抑圧︑経済安定敵策の採用及び国際的景氣の中だるみ等の影響は経済界に於ける所謂金詰丸需要の減退となつて現われ企業に深刻な打撃を輿えてゐるが之を克服する為.商品阪賣面に於ては種々の努力が為され

4

あり︑その一つの現われとして月賦阪賣制度の採用が最近頓

に旺んとなり至る処その廣告を見るに至ってゐる°勿論之等の中

生壼者が直接自已の製品を月賦にて阪賣するもの︑又は小賓業者

がその商品の中比絞的高債にて需要者が全額即金にては購入に多

少困難を感ずるが如きものを従来よりの顧客等限定された範囲の

者の間に月賦にて阪賓する等の事は多くの業種に於て夙に行われ

てゐる処であるが︑猶之等以外に月賦阪賓そのものを主たる業務

とするものの増加傾向が最近に於ける特徴であり醸つて又之等月

賦阪賣業は現在猶過渡期にありその内容に於ても種々維多︑その

極端なるものほ昨年夏頃以降本年に入つてからも叉極最近所謂日

月 賦 販 賣

に っ

八五

掛月掛式月賦販賣会祉の詐欺事件として度々新開紙上に報道された事例があるが滋に採上げたものは之等月賦販賣を業とするものに付て昨年秋`大阪府下及近郊に於て為された実態調査及び経済屡関係の調査資料を羹礎として考察したものである︒陣つてその得られたる数字等に付ても例えば営業成績︑賓上高に関するものの如き総て楓実を示すものとは云い難く︑或いは又調査事項の不適切の為`類推考察に不便を惑ずる点等あるも之等に付ては

1一の関係業者により直接判明し得る程度に止めざるを得なか

調+

況としては大阪市内特に東区西区南区北区の中心部に於て十二祉

約==八%住吉︑天王寺︑阿倍野︑浪速︑大淀区等の周辺部の各区

に於て六祉計十八耽約五八%に対し大阪府近郊都市に於てほ堺

市︑岸和田市︑貝塚市︑和歌山市等に於て十=︱祉四二%となつて

+

の二十祉六六%であり之等を有せず本店のみに於て営業するもの

" ' ¥  

鯰 江 城 夫

(3)

次に企業の規模に付てゞあるが之を推測する為には自已資本に

してゐる︑次にその従業員の数に付ては二十人前後のもの十六祉 耽は近郊都市所在のものであり‑=

1 0 0

高に平均五ケ所となつて居る︒又その市内に於ける所在地に於て

ほ周辺部に少く︑中心部に集中する傾向がある︒又近郊都市に於

ては市内中心部に匹敵してその発展が顕著である︒

次にその創設の年度を観るに昭和二十一年より同二十三年まで

は一ケ年に一耽平均の設立にて計三祉︑二十四年度は三祉に対し

二十五年度は十五祉と飛躍的に増加し更に二十六年度は十祉であ

るが之は約半ケ年の数字であるから年間を源づれば二十五年度以

上の創設があったものと推測される°斯様に二十五年を挽として

に対する当面の隠念の解消を示すものであると共に他方咳治的に

も我国産業界は国際経済の一環として二十四年頃より漸次需要の

馘退に対処し︑之を喚起し販賣面に新生面を開拓する必要に迫ら

れてゐる客観情勢を反映するものと云ひ得られる︒

加うるに借入金をも含めての経営資本の総額に付て之を知る必要

があり殊に最近の如く賽金借入の困難︑従つて又借入金の多寡が

賽本金額に比例せず懸隔の存する時代に於ては特に然りであるが

此の点に関する数字は把握し難く︑その運韓資金総額として示さ

れたる数字より推測するとしてもその中︑月賦受入金と借入金と る事情もあり︑又その経営方針により取扱商品を自己賽金にて買取らず生産者との特約により又はその代行として阪賣︑集金等の職分を行う場合には他業種に比しその賽本金額を少額ならしめ得るものである︒此事は資本金額の多寡と次に掲げる従来人員数とが常に比例しない関係に於ても現われてゐる︒猶二

0

万円以下五

心部所在のものである︒又一の個人経営形態を除き他の三十祉は

総て株式会祉形態を採つてゐる°名称に於ても約==分の二までは

百貨阪賣︑相互共栄︑信用阪賣︑月賦阪賣等の特殊なる名称を冠 急激に増加を示してゐる事実は一面経済安定政策に基きインフ>費用支出を要せず随つて運韓査金は之を借入金によっても賄ひ得

4

その保有数は二十ヶ所を最 月賦販喪について

の比率及び商品回韓率が不明であり且喪上金額等と対比するも大

差あり相当の粉飾ある事が窺われる︒従つてその運韓査金と称す

る金額は自己資本の三倍より十倍︑平均六︑五倍程度である事を

参考として自己資本及び従業員の数より之を考察するに賽本金額

に於ては二十万円以下のもの五耽十六%三十万円四就十==%五

0

J O

O

=

00

1

0

0

万円以上三祗九%となり五

0

00

万円程度のもの最

も多く企業規模としては中小企業に属するも︑一面月賦販賣業は

製造業と異り原則として自己賽本によるぺき︑固定設備に多額の

八六

(4)

にて約半数を占め︑三十人以上百人末演六祉十九%百人以上百五

十人末演五祉十六%百五十人以上四祉十==%となり又従業員に於

ける内外勤︑男女別の構成比は内︑外勤の数が略等しきもの七祉

しニー四倍であり電又男︑女別数に於て男女略同数又は女の数が

多きもの合して十祉︵︱‑三%︶に対し男が多きものはその倍の二十

I祉︵六八%︶でありその割合も極端なるもの女ーに対し男九の如

きものもあるが男が二︑三倍を占めるものが最も多い︒之等外勤

数の多き事及び男の従業員多きはその組織営業方針により多少異

同はあるも逓例︑直接顧客阪賣制の採用及び外交員︑集金人によ

り日掛畜月掛金を集金する必要の多き事によるものであり︑又一

般的に他業種に比し資本金額︑企業規模の割合に於て多数の従業

員を必要としてゐる︒又前述せる如く賽本金額とその従栗負の数

とは常に必ずしも比例せざる理由として考えられる事は固定資産

に多額の賽金を要せず経営賽本の殆んどを流動資金として利用し

得るが故に会祉設立に際して企業者は賽本金として調達可能の金

額を以てその公称賽本金とせず︑その一部を以て賽本金とし他は

借入金の形態におく事を得る点にある°勿論此事は独り月賦阪賣

業にのみ見らる

4

︑現象に非ず"最近殊に徴成に対する技衛的対

抗策の一として汎ゆる業種に於ても一応考察される問題であるが

月賦販賣について

八七

月賦阪喪業に於ては特に此点に付いての融通が比鮫的容易である︒従つて調達可能の賽金の中幾何を以て賽本金とすべきや電企璽の判断︑採択の余地相当廣く︑故に賽本金額の多寡常に必ずしも経営に於ける規模の大小と一致せず︑又その従業員の数の多少と比例せざる事ともなる︒第二にほ当該経営に於ける営業政策︑阪賣方法等によりその実際営む業務内容︑経蓮等に相当の開きが存する事である︒此点に付ては後に阪賓方法及び信用授興の方法の項に於て述ぶる処と関蓮するが直接個々の顧客に阪賣するや︑園体契約を主とするや︒或いは又月賦のみを取扱ふや︑日賦をも併せ扱ふやにより異るものである︒即ち園体契約にのみ依存する営業方針を採る時は集金其他に多数の従業員を必要とをず︑叉月賦のみを取扱ふ場合は日賦をも併せ扱ふものに比し著しく外勤員を節約するを得るものである︒

次に阪賣方法に付てゞあるが直喪店︵サーピス︑ステーション︶

を有するものと加盟店制度即ち需要者は月賦販賣会祉と特約を結

ぺる加盟店に於て購入するもの︑及び之等両制度を併用するもの

制度を併用するものが大多数の二十二註︵七

l %

)

であり加盟店を

有するものほ二十六祉八四%となり︑その加盟店を獲得するに於

ては市中の繁華なる商店荷にしかも比毅的より多くの之を有する

(5)

事によりその宜偉効果を狙ふもの

4

如<`十合︑高島屋等の百貨

店と特約せるものもあり︑猶特異なものとしては労働組合との特

約により労組の共同購買又は支彿保証︑戟旋機関としての機能を

主目模とするものもある︒その保有加盟店数は二十六耽中五十店

以下のもの十七祉六五%に対し五十店以上百五十店以下のもの五

祉十九%百五十店以上四祉十六%となつている°猶之等の内メー

カーとの特殊な関係︵取次等︶のを強調しているものが四祉ある︒

而して月賦購入を希望する需要者が輩狼にその会祉と契約を結び

会員となり︑規則に基き一定の月賦掛金を彿込む事により当該商

品を入手し得るもの即ち個人加入と︑予め月賦阪賣会祉と一般会

就︑工場等が契約を結び置き︑月賦阪賣会祉はその取扱商品を当

該会祉内︵食堂等︶に随時出張陳列し需要者は当該会祉の職員章︑

偲梨等によりその商品を書又は加盟店に趣きて希望商品を購入し

その代金は給料中より会祉に於て一定率づ

4

差引きこれを一括し

て月賦阪賣会祉に支挑ふ方法をとる園体加入とがあるが︑幽体加

入の場合は後述の頭金又は一定月賦金掛込を為さずとも商品の先

渡が行われるのが常であり︑会祉は給料中よりの差引︑一括支挑

等の事務に対し一定の割戻金等を受取る事がある︒之等両者の比

率は圏体のみを取扱い個人加入を取扱わぬもの一祉のみで残り︱︱︱

十祉全部が個入加入を認めてゐるに対し個人加入をのみ扱い園体 月賦販賣について

加入を取扱わざるものは十一祉︵三十五%︶あり範つて両者を取扱

次に現在行われてゐる月賦の種類︑又は需要者たる会員に対す

る信用授興の方法︑限度等に付てゞあるが通常月賦阪賓とは言ふ

も日賦︵掛︶をも取扱ふのが普通であり(==+︱祉中十九祉六一

%其の内1祉は日賦のみを専門としてゐる︶月賦の期間としては

三十祉中==ヶ月より六ヶ月末演のもの約三分の一`十祉︑十ヶ月

末滴のもの十三祉四==%を加うれば七十六%となり更に十ニヶ月

末糀のもの六試二十%計九十六%となり一ケ年以上のものは一祉

四%のみの割合となり大体六ヶ月より十ヶ月位のもの

4

多い事を

示してゐる︒日賦は大体五十日より==︳百日位までが昔蓮であるが

十九祉中1一百日以内のもの八祉四十二%三百日以内は九祉四十七

%計十七祉八十九%となり殆んどを占めてゐる°而して月賦の期

間はその商品の金額と脱合せ設定されてをり例えば六千円程度の

ものは六ヶ月一万円前後の商品は十ヶ月と云ふが如く月平均一千

円位を撰準としてゐる様である︒月賦の場合に於てほ会員となり

︵三百円前後の入会金を徴牧するものもある︶月賦掛金を=︱ヶ月

程度︵商品代金の約︱︱‑︑四割︶を掛込めば該商品を受取る事が出

閉仕組となつてゐるのが普蓮であるが︵此場合商品受販後は掛

金が一︑二割増加する契約のものもある︶一般に月賦販賣による ふものは十九祉六十二%となってゐる︒

八八

(6)

商品の債格は最初より二割前後割高とされゐる︒

猶頭金を三︑四割支彿えば商品の引渡が得られ残金は三︑四回

の短期間の月賦といふものもある°或いは又最初希望商品を定め

置かず一定の月賦金掛込の後は通帳により一定金額までは加盟店

に於て希望する商品を購入し得るものもあるが之等何れの場合に

於ても

l =

︑四割程度の掛込にて無制限に何種類もの商品を入手し

得るものではなく全額支彿済︑又は一定金額掛込後でなければ新

規商品の購入は認められぬ事があり︑且又信用授興限度を最高一

万円又は二万円迄と定め或いは商品引渡の時は保証人を必要とす

るのが昔涌であり︑殊に日掛等の場合に於ては一戸の店舗を構え

居る事をその條件とするが如く信用授興︑保証の点を鍛格に規定

するものであるが︑之に対して園体契約等の場合に於ては会祉が

其の給料より差引一括支挑する事を條件として需要者は一定月賦

金掛込又ほ顕金を必要とせず商品の先渡も受け得られ且又その所

有権も最初より移韓する場合多きに対し︑個人加入の場合は代金

完済後に所有権を移韓しそれ迄は商品を賃貸する形式を採るもの

が普逸であり掛込金を中途にて延濡する時は甑往の掛込金ほ賃貸

品代債の三分の一の掛込の後に商品を受取り得る事︑其の他は月

賦の場合と同様であるが日賦に於ては主として店舗を有し日々の

月賦販賣について 料として商品を引上げるものである︒日賦の場合に於ても大体商

八九

現金収入ある者を対象に集金人が毎日集金に廻るものである°頴之に加うるに無盤の如き仕組により最初に商品を入手する者には割高に︑順次後になるに従い掛込金が減少し︑且給付時に於て商品を必要とせざる者に対しては現金を給付するものもある︒即ち利用者も最初より之を賽金融蓮の一方便として利用するものであるが此場合は事実上純然たる無塞であり過般昨年夏以降塵々新聞紙上に於て掛込金に対し給付を行わざる月賦阪賣詐欺として報撞されたものは此種のものの覇質なものである︒其後はか

4

類似の仕組のものに対しては無盤業︵相互銀行︶法違反として禁

止︑取締が行われてゐる︒

次にその取扱ふ品目ほ凡そ生活必需物賽全般に亘つてゐるが特

にミシソ︑ラヂオ︑洋服等が最も多く︑次で家具︑什器︑自韓車︑

は農機具︑機械類にまで及んで居るが特に異色あるものとしては

住宅を対象とするもの及び労組との特約の下に青果物︑魚類より

{

ラヂオ等の快適品としての性質のもの︵我国に於ては︶多く洋服

靴等必需品の場合に於てもその利用隋級︑会員加入に於ける條件

よりして絶対必需品としての用途より多少余裕品として利用され

る傾向がある°而もその商品の共通性としては即金にて購入する

(7)

には多少高額なるもの及び耐久性あるものが多い︒

次に賣上高に付てゞあるがその一ヶ月賣上高は不明四祉︑.残ニ

十七祉中百万円以下とするもの七祗二十六%百万円以上二百万円以下のもの五肱十八%二百万円以上一•一ー百万円以下のもの三祗十二

%︱︱一百万円以上五百万円以下五祉十八%五百万円以上七祉二十六

%であり次に此数字を賽本金額と対比するに︵経営資本総額は実

数把握困難に付一応公称賽本金のみ︶lヶ月賣上高は賽本金額の

六倍より二十倍の間のもの七註二十六劣︑賽本金額と略同額より

四倍位迄の間のもの二十祉七十四%その平均は五•四倍、三最頻

値三倍︶となるが︑元来之等の数字は課説対策の為には実数以下

に銀行等賽金関係の先には実数以上に装ふぺく常に慣習づけられ

て居る企業に於てその饂実の数字を把握するほ仲々困難にて︑以

上の数字も一応の参考として狩来の調査︒観察に侠つべきものと

思はれる︒懃之を喪上件数と比鮫するに平均金額一件当り一万円

であり︑賣上の多い月は十二月が最高︑次で十一︑十︑五畜四︑

となり少い月は一︑そ七`八の順となる︒叉解約率は一%より

°

月賦掛込金は艇往の賃貸料として返還せざる事が規定され畜又商

品を未だ引渡し居らざる場合は無條件︑掛込金返還を規定するも

のもあるも通常は二︑三割の解約手数料を差引き返還するものが 月賦販賣について

多い︒之を要するに賣上高の実数把握は困難なるも掘観して他の

商品阪賣業に比し決して劣らず阪賓成績は相当高率である事が推

測される︒而も期かる賣上成績に於て幾何の利盆ありやの問題で

あるが︑特殊なるもの例えばメーカーと特殊関係の場合又はミシ

ン等に於てその部分品を購入し組立をも行ふが如き時は原債に対

し十割もの利潤あるも通常は原債に対し三︑四割位であり.此点

に付ては他の販賓業より稲有利である︒蓋し月賦阪賣に於ては最

初より商品債格を一︑二割︑割高とし置くが常である事による︒

以上よりして賣上高︑利潤率共に良く企業採算に於ては有利なる

が如きであるが︑乍然他面集金に要する費用は賣上高に対し平均

二︑五%にも上る如く︑一般阪賓業に比し︑より多くの営業諸経費

を必要とすると共に更に月賦阪賣業に於て根本的に重要なる問題

はその運韓賽金に多額の賽金を必要とする特殊事情である︒即ち

商品代債の三︑四割の掛込により商品を引渡

L

残金は数ヶ月に亘

り分側受取る事は結局一般阪賓業者より賽金操作の困難︑より多

額の賽金の調達を必要とする事を示すものであるが最近の如く金

融機関よりの融賽獲得の困難なる時代に於て殊に新規企業は充分

なる融賽ほ到底受け得られず賽金不足は一般阪賓業より特に深刻

であり︑勢い個人りの金融に頼らざるを得ないが此場合の金利は

その勢力関係により異るも日歩十錢より三十錢程度︑平均日歩十

(8)

月賦販賣について 六`七餞︵月五分︶となり金融機関による場合の金利日歩二餞六厘︵月八厘︶より五錢程度と比酸して相金多額の金利支彿を必要とし企業利潤の相当部分が斯かる方面に側かれて居り醸つて同等の規模︑成績を有する場合に於てもその賽金調逹に関する巧拙︑條件等の差により企業利潤に於ては相当の懸隔が生じる事となり損益の根源は一に隠つて資金調逹方法の如何に依ると云ふも過言

此事はヌ月賦販賣会祉が商品仕入先に対する決済にも影響し即

金支擁を原則とするものも殆んど半額は手形等により支彿が為さ

れ又月賦阪賣会祉自体が仕入先︑加盟店等に月賦支挑の方法を採

之を要するに昭和二十四年頃より一応の経済安定政策が載後の

イソフレを喰止めると共に迎にデフ>傾向︑需要の滅退が現われ

たのに対し企業に於て之を克服する手段として採られた月賦阪賣

制度は一面消費者階級の要望と合致しその急速なる発展を見るに

至ったのであるが然し猶その発達は極最近の事に属し内容︑成績

共区々にして末だ企業として基礎を充分に躙立したものとは云ひ

得ざる現朕にあり殊にその根本的問題たる賽金不足傾向︑其他業

者の要望として詐欺等世間の信用を失墜せしめるが如き無塞類似

の営業方法︑悪質業者の取締等が唱えられる事は末だ月賦販賓業

の過渡期にある事の証左であり企業として漸くその緒についたも

のと云ふぺく︑之を生産者側に於ても消費者の側に於ても国民経

は元来経済基盤の異る我国に於てはその腑来に於ける予測に付て

も到底規を一にして考え得るものではないが︑然し一応他の條件

を捨象し月賦阪喪を制度そのものとして考える場合︑生産者の側

に於ては有効需要の造出︑ひいては産業の振興策ともなり他面消

費者の側に於ても必要なる商品にして高債なる為即刻購入し得ざ

るものを︑しかも良質のものを︵勘共月賦挑の性質上一時的の粗悪

品を撰まされる危除性は少ない︶比較的容品に獲得し得る事とな

り経済生活水準の向上に賓する等の長所を有するものであり︑︵勿

論反面の欠点︑弊害は伴ふも︶醸つて理論的には期かる制度の健全

なる発達に対しては助長をこそ必要とすれ抑圧すべきものではな

いのであるが唯然しこれが為には先︑制度として祉会的に発達せ

しむぺく業者の努力が為さるぺきであるが然るに我国に於ける月

賦販賣業は業者︑利用者共に不健全なる分子により歪められて居

り甚しきほ度々報道さる如く詐欺的行為に堕するあり`現朕に於

ては却つて取締を要すべき朕勢にて無條件に之が助成を図るぺき

ではなく︑殊に照来之を積極的に育成すぺく採上げる可きや否や

は一に隠つて今後の我国の置かるぺき経済環採の推移にあり或い 済と深き繋がりをもつ制度として成立せしめてゐる米国のそれと

(9)

月賦販賣について

は国際情勢により輸出不振其他の理由にて国内に於て何等かの有

効需要造出︑生産対策が要求されその一環として更に此制度を採

上げ橡討すべき必要を生ずるやも知れざるも此事は国際政局の動

向と直接密接な関係を有し︑飯に経済の範囲を超えるものと思わ

それにも不拘最近の傾向としては月賦販賣制度並びに月賦販賣

璽ほ逐次増加`叉その内容に於ても璽^統一`逍に薬.りつ

4

あるが如きであるが現在その対策として考えらるぺき事は消極的

には利用者を害する如き悪質なる業者を販締るほ勿論或いは條令

等を定め︑更に積極的には府縣・通産局等に於てその内容を審査

し儀良なるものは登録`又は標準店等として之を指導し︑更に情

勢の推移の必要に応じては賽金関係の斡旋︑信用保証︑保瞼等も

唯然し現朕よりして最も容易であり且健全にして生産者︑利用

者双方に利便を興える方法としては利用者の職場を中心とした

る︑隅体契約による然もメーカーと直結せる月賦阪賣即商品別月

賦阪賣制度を普及拡張せしめる事である︒即ち一般会祉

H

場︑事

業場等に於て特約によりメーカーより一貫せる月賦販賣を行い︑

叉は加盟店に於て自由に購入せしめ︑その代金は給料中より差引

き一括支挑を保証するに於ては阪賣者に於ても貸側れの危瞼等も なく従つて企業を健全化せしめる事は放愛︑悪質なる業者を排除せしむる事となり他方需要者に於ても過大なる頭金を要せず最初より低廉なる割賦金により然も必要品が即時利用し得らるる事となり需要者に最も月賦阪喪の利益を亨受せしめるものであり現朕に於ては最も健全且妥当なる方法と考えられる︒

参照

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