銅管による Cryptosporidium parvum オーシストの感染性不活化
1)北里大学医学部微生物・寄生虫学,2)同 臨床検査診断学,3)同 実験動物センター,4)(財)北里環境科学センター
笹原 武志
1)菊野理津子
4)中村 健
1)関口 朋子
1)高橋 晃
3)佐藤 義則
1)高山 陽子
2)奥田 舜治
4)井上 松久
1)4)(平成 17 年 3 月 9 日受付)
(平成 18 年 2 月 27 日受理)
Key words : Cryptosporidium parvum, oocyst, copper tubing, cryptosporidicidal activity
要 旨
本研究では金属銅を含む 7 種類の材質の給水用配管にCryptosporidium parvumのオーシストを含む滅菌水 を充填し,24 時間後に回収したオーシストの乳飲みマウスへの感染性に及ぼす不活化効果を比較検討した.
銅管によるオーシストの感染性不活化率は−1.303log と有意な効果を示した.一方,その他の金属およびプ ラスチック系配管による感染性不活化率は,ポリブテン管で最大−0.313log を示したものの,いずれも有意 な効果とは認められなかった.また,銅管から回収されたオーシストの変性率は,その他の被検管から回収 されたオーシストのそれに比べて高く最大 25% を示した.銅管から溶出した 2.4mg!Lの銅イオン(Cu2+) を含む滅菌水には感染性不活効果を認めなかった.このことから,銅管は他の材質の配管と異なりクリプト スポリジウムの感染性を不活化する性質を有するが,その効果は水中に溶出する Cu2+では得られないこと が明らかになった.次に,銅板を用いたフィルム密着法によって金属銅のオーシストに及ぼす細胞傷害作用 を検討した.銅板に直接接触したオーシストは細胞傷害に伴って 26〜29% が変性し,その銅板の表面には 0.5mg!Lの過酸化水素(H2O2)を検出した.しかし,銅板の上に溶出した Cu2+が通過できるようなフィルター をのせた場合,あるいは銅板の表面にカタラーゼを添加した場合,そのような細胞傷害を伴う変性はほとん ど認められず,H2O2も検出されなかった.これらの成績から,銅管によるオーシストの感染性不活化効果 はその金属銅表面に生成される H2O2と Cu2+の相互反応によって生ずる酸素酸化物質の細胞傷害作用によっ てもたらされている可能性が示唆された.
〔感染症誌 80:377〜382,2006〕
序 文
クリプトスポリジウムは脊椎動物全般に広く感染 し,ヒトに腹痛を伴う激しい非血性水様下痢を起こす 原虫である1).糞便中に排出されるオーシストは世界 中の表流水から検出されており2),わが国においても 首都圏や牧畜地域を流れる河川水系にその汚染が確認 されている3)〜5).このオーシストは頑丈な殻で出来て いるために浄水処理レベルの塩素消毒では十分な不活 化が期待できない6).その為に,その汚染は河川水系 を浄水の水源としているわが国をはじめとする国々に おいて深刻な問題である.
銀や水銀と並んで銅はイオンの状態で極微量の濃度 でウイルス,細菌,真菌などの各種微生物に対して殺
菌作用(オリゴヂナミー;oligodynamie)を有してい る7)8).最近,我々は銅溶液を用いて銅イオン(Cu2+) がクリプトスポリジウムのオーシストに対し感染性不 活化効果を示すことを明らかにしている9).そこで,
今回は金属銅を含む 7 種類の材質の給水用配管を用い て銅管のクリプトスポリジウムのオーシストの感染性 に及ぼす不活化効果を比較検討した.
材料と方法 1.配管内でのオーシスト処理
試験には 7 種類の材質(銅,ステンレス鋼,硬質塩 ビ,塩ビライニング鋼,ポリエチレン,架橋ポリエチ レン,そしてポリブテン)の配管,蒸留水を 1〜3 カ 月間充填してエージングさせた銅管,そして対照とす るガラス管を使用した.配管の長さは 500mmで内径 は 13〜15mmであった.滅菌水 40mLにC. parvum 原 著
別刷請求先:(〒228―8555)相模原市北里1―15―1
北里大学医学部微生物・寄生虫学 笹原 武志
HNJ-1 株(SCID マウスにて継代)のオーシスト 6×106 個を加え,それを 1 群 2 本の各被検管に充填して 25℃
で水平にゆっくり振盪した.24 時間後,各被検管か らオーシストを含んだ蒸留水を取出し,4,000rpm 10 分間の遠心によりオーシストを回収した.一部の実験 では,銅管に入れて 24 時間振盪後に回収した蒸留水
(銅管の上清と略す)にオーシスト 6×106個を加え,
それをガラス管に充填して前述と同じように処理した.
回収したオーシストはノマルスキー微分干渉装置付 き顕微鏡を用いて計数し,その形態変化を観察した.
各被検管からのオーシストの回収率(Recovery per- centage)は,(回収した平均オーシストの数!添加し たオーシストの総数)×100 の式より算定した.
2.銅板上でのオーシスト処理
フィルム密着法10)に従って,1 群 3 枚の銅板あるい は対照群として使用するポリエチレン製ストマッカー 専用袋(フィルムと略す)の小片(3×3cm)に 1×105 個のオーシストを含む蒸留水の 0.1mLを添加し,それ を覆うようにフィルムの小片(2×2cm)を密着させ た.相対湿度 90% 以上にした湿潤箱に入れて 25℃ で 24 時間静置した.回収したオーシストの数を計数し,
その形態変化も観察した.さらに一部の実験では,各 小片(3×3cm)の上に 2×2cmのセルロース混合エス テル製フィルター(フィルターと略す,孔径 0.45µm,
Millipore,Bedford,Massachusetts,USA)を置き,
その上にオーシストを含む蒸留水の 0.1mLを添加した 場合,あるいは各小片(3×3cm)の上にオーシスト を含む蒸留水の 0.1mLを添加した直後にカタラーゼ溶 液(Sigma,St. Louis,Missouri,USA)を最終濃度 が 30 units になるように加えた場合について同様な 検討を行った.なお,各実験系におけるオーシストの 回収率は,(銅板から回収した平均オーシストの数!
フィルム対照群から回収した平均オーシストの数)×
100 の式より算定した.
同時に,24 時間後に銅板あるいはフィルターの表 面に生成される H2O2の濃度も測定した.
3.オーシストの形態観察
回収したオーシストの形態はノマルスキー微分干渉 装置付き顕微鏡を用いて観察し,オーシストの殻が傷 害されたものやスポロゾイトが無くなって空洞化した ものを変性オーシストと判定した.各被検管および銅 板から回収したオーシストの変性率(Degeneration percentage)は,(変性オーシストの数!計数したオー シストの総数)×100 の式より算定した.
4.感染性評価試験
各被検管から回収したオーシストの感染性はBalb!c 系乳飲みマウス(7 日齢)を用いて評価した6)9).即ち,
回収したオーシストの 1×104個を 1 群 6 匹の乳飲みマ
ウスに経口接種し,7 日後に腸管を摘出した.ホモジ ナイズした腸管からオーシストをショ糖密度勾配遠心 法により回収し,FITC 標識マウス抗C. parvumオー シストモノクロナール抗体(和光純薬工業,大阪)を 用いて免疫蛍光染色した.染色されたオーシストの数 は落射型蛍光顕微鏡により計数した.得られた数値は 後述するマウス腸管からの回収率で補正し,腸管当た りのオーシスト数とした.結果は,log(各被検管に おける腸管当たりの平均オーシスト数!ガラス管にお ける腸管当たりの平均オーシスト数)の式より算出し た感染性不活化率(Inactivating rate)で示した.
マウス腸管からのオーシストの回収率は次のとおり に測定した.即ち,3 匹の乳飲みマウス(14 日齢)の 腸管ホモジネートにオーシストの 1×105個を加えて混 合した.その後,同じようにオーシストを回収・染色 し,その数を計数した.乳飲みマウス腸管からのオー シストの回収率(%)は,(回収された平均オーシス ト数!添加されたオーシスト数)×100 の式より算出し た.その結果,オーシストのマウス腸管からの回収率 は 39.4±6.9% であった.
5.Cu2+濃度の測定
蒸留水を充填した銅管から 24 時間後に溶出した Cu2+の濃度は ICP-MS 分析装置(HP-4500,横川アナ リティカルシステムズ,東京)にて測定し,mg!Lで 示した.なお,各試料は測定に際して硝酸を 0.6% の 割に添加した.
6.H2O2濃度の測定
フィルム密着法において銅板とフィルムの間,ある いはフィルターとフィルムの間のオーシストを含む蒸 留 水 中 に 生 成 す る H2O2の 濃 度 を Peroxide 試 験 紙
( Merckoquant ; Merk KGaA, Darmstadt, Ger- many)を用いて測定し,mg!L で示した.
7.統計学的解析
統計学的解析法には Wilcoxon t 検定を用い,危険
率p<0.05 を有意差とした.
成 績
各被検管から充填 24 時間後にそれぞれ回収した オーシストの回収率,変性率および感染性不活化率,
そして銅管からイオン化して溶出した Cu2+濃度をTa- ble 1に示した.銅管によるオーシストの感染性不活 化率は−1.303log となり,有意な感染性不活効果を示 した(p<0.01).その際の Cu2+濃度は 2.3mg!Lであっ た.しかし,2.4mg!Lの Cu2+を含む銅管の上清による 感染性不活化率は−0.088log であり,銅管と同じよう な感染性不活効果は認められなかった.また,1〜3 カ月間エージングした銅管によるオーシストの感染性 不活化率は−1.280〜−0.843log となり,有意な感染性 不活効果が認められたものの(p<0.01),その不活化
Table 1 Inactivation ofC.parvumoocyst infectivity by copper tubing
Concentration Degeneration
Recovery Inactivation
Tubing
Cu2+(mg/L)
(%)
(%)
rate(log)
segments
2.3 25
1.1
- 1.303* Copper
2.8 20
2.3
- 1.280* aging for 1 month#
2.5 16
2.4
- 0.843* aging for 2 months#
1.8 14
2.5
- 0.989* aging for 3 months#
2.4 1.8
33
- 0.088 supernatant§
― 1.9
2.6 0.237
Stainless
― 1.6
7.6
- 0.216 PVC
― 1.1
10.8
- 0.272 PVC-lined steel
― 0.3
11.9
- 0.001 PE
― 0.8
16.2
- 0.274 Cross-linked PE
― 1.0
14.1
- 0.313 PB
― 0.5
48.5
― Glass(control)
*,Significantly different from control(p< 0.01)
#,Copper tube filled with distilled water for one to three months.
§,Distilled water filling copper tube for 24 hours.
PVC:rigid polyvinylchloride,PE:polyethylene,PB:polybutene
Table 2 Requirement of direct contact ofC.parvum oocysts with copper surface for cryptosporidicidal effect.
Concentration Degeneration
Recovery Cellulose
H2O2(mg/L)
(%)
(%)
membrane
0.5 29.03
19.07
-
ND 0.99
99.73
+
C.parvumoocysts were incubated on the copper coupon with or without cellulose membrane for 24 hours.
ND:not detected
Table 3 Effect ofcatalase on direct contact ofC.parvum oocysts with copper surface for cryptosporidicidaleffect
Concentration Degeneration
Recovery Catalase
H2O2(mg/L)
(%)
(%)
(30 units)
0.5 26.05
24.35
-
ND 2.57
93.73
+
C. parvum oocysts were incubated on the copper coupon in the presence or absence ofcatalase for 24 hours.
ND:not detected
の割合はエージング期間の延長に伴って僅かずつ減少 する傾向を示した.一方,銅管以外の各被検管(ステ ンレス管,硬質塩ビ管,塩ビライニング鋼管,ポリエ チレン管,架橋ポリエチレン管およびポリブテン管)
によるオーシストの感染性不活化率は,ポリブテン管 で最大−0.313log を示したものの,いずれも有意な感 染性不活効果とは認められなかった(p>0.05).
各被検管からのオーシストの回収率は,ガラス管お よび銅管の上清を入れたガラス管のそれに比べて全般 的に低い傾向を示した.特に,エージングしたものを 含む銅管とステンレス管では 1.1〜2.6% と最小値を示 した.
各被検管からのオーシストの変性率は,エージング したものを含む銅管において 14〜25% を示した.一 方,ガラス管を含むその他の被検管および銅管の上清 を入れたガラス管における変性率は僅かに 0.3〜1.8%
のみであった.
次に,オーシストを銅板上に密着させる方法を用い て金属銅がどのような細胞傷害メカニズムでオーシス トの感染性を不活化しているのかを検討した.その結 果はTable 2およびTable 3に示すとおりであり,銅板 に直接接触したオーシストは細胞傷害により著しい変
性(変性率:26〜29%)を示し,その回収率も 19〜24%
と低値であった.一方,銅板の上にフィルターをのせ て溶出した Cu2+は通過できるがオーシストは銅板に 直接接触できないようにした場合,オーシストに細胞 傷害に伴う変性は全く認め ら れ ず,回 収 率 も ほ ぼ 100% を示した.その際,銅板に直接接触したオーシ ス ト を 含 む 蒸 留 水 に は 0.5mg!Lの H2O2を 検 出 し た が,銅板にのせたフィルターの表面には H2O2を検出 しなかった.また,銅板の接触表面に生成する H2O2
を除去する目的でカタラーゼを添加した場合にも,
オーシストに細胞傷害に伴う変性は僅かに認められた にすぎず,回収率も 94% に達した.その際の銅板の 表面には H2O2は全く検出されなかった.
考 察
給水用銅管による殺菌効果はこれまであまり検討さ れておらず,diarrheagenicEscherichia coli,Fusobacte- rium属,Legionella pneumophila,Pseudomonas aerugi- nosaなど一部の水系細菌について僅かに報告がある のみである11)12).今回,この銅管が他の材質の配管と 異なり,クリプトスポリジウムのオーシストに対して 細胞傷害的に作用し,その感染性を不活化する性質を 有していることを初めて明らかにした.しかし,金属
銅からイオン化して溶出した Cu2+にはそのような効 果は認められず,先の銅溶液を用いて Cu2+によるオー シストの感染性不活化効果を報告した成績9)とは矛盾 するものであった.
銅による殺菌メカニズムとしては,(1)イオン化し た Cu2+が菌体内に取込まれて直接タンパク質の官能 基や酵素のチオール基に結合したり,或いは DNA の 架橋を阻害したりすることによって起こるもの(直接 作用と略す)と,(2)Cu2+が金属銅の表面に生成され た H2O2と反応してできた活性酸素や OH ラジカルに よって起こるもの(Fenton 反応と称す)の二つが挙
げられる13)〜15).今回,銅管の上清には先の報告9)でオー
シストの感染性不活化するのに十分の濃度と考えられ る 2.4mg!Lの Cu2+が含まれていたにも拘わらず,オー シストの感染性を全く不活化するができなかったこ と,そしてエージングしたものを含めた銅管から溶出 した Cu2+濃度とオーシストの感染性不活化率との間 には相関性が認められなかった(相関係数=0.328)
ことなどを併せて考えると,銅管におけるオーシスト の感染性の不活化は,水中に溶出した Cu2+の直接作 用よりむしろ Fenton 反応によって生成された酸素酸 化物質(H2O2や OH ラジカルやオゾン)によって引 き起こされたものと推察された.
そこで次に,銅板にオーシストをフィルムで密着さ せる方法を用いて細胞傷害のメカニズムを検討したと ころ,オーシストの細胞傷害に伴う変性と H2O2の生 成は相関していた.一方,その銅板の表面をフィルター で覆って浸透してくる Cu2+のみの影響を受けるよう にした場合には細胞傷害によって変性したオーシスト は全く認められず,H2O2も検出されなかった.同様 に,銅板の表面にカタラーゼを添加することによって 生成する H2O2を除去した場合でも,そのようなオー シストの変性はほとんど認められず,H2O2も検出さ れなかった.これらの成績は,銅管によるオーシスト の感染性不活化は H2O2と Cu2+の相互反応(Fenton 反 応)によって生ずる酸素酸化物質によって引き起こさ れている可能性を強く示唆するものと考えられる.さ らに,金属銅の表面において H2O2やその関連分子の 生成を伴う Fenton 反応によって細菌が殺菌されるこ とや Cu2+を介した Fenton 反応がオーシストと並んで 高温や消毒剤に対して強い抵抗性をもつBacillus an-
thracisの芽胞に対しても強い殺菌性を示すことなどの
報告14)15)も今回の推測を支持する根拠になると思われる.
既報9)において,硫酸銅溶液や銅板を硝酸処理して 得た銅溶液を用いた場合には 0.25mg!Lの Cu2+濃度で オーシストの感染性不活化効果が認められたのに対 し,今回の金属銅を用いた場合には水中に約 2mg!L の Cu2+が存在したにもかかわらず,そのような不活
化効果を得ることはできなかった.その原因は明確で はないが,金属銅表面から溶出した銅イオンが先に述 べた Fenton 反応を起こす状態にない形に変化した為 ではなかろうかと推定される.これまでに,飽和状態 にある Cu2+は金属銅上に析出し,その後表面から Cu+ の形の銅イオンとして再溶出すること,そして空気中 の O2や CO2の作用により Cu2+は酸化銅(CuO)や塩 基性炭酸銅(CuCO3・Cu(OH)2)などの化合物になる ことが知られている16).これらの所見に基づくと,今回 の ICP-MS による元素分析では Cu+やこの銅化合物を 硝酸で前処置した後にこれらを一括して Cu2+として 計測した可能性があり,実際の Cu2+濃度は既報で示 したオーシストの感染性不活化に有効な Cu2+の最小 濃度よりさらに低い値ではなかったかと考えられる.
各被検管から回収されるオーシストの割合は,ガラ ス管に比べて全体的に低い傾向を示した.その原因と してはオーシストの細胞傷害による変性と管壁への付 着性が挙げられるが,オーシストの変性は銅管にだけ 認められたことから,この回収率の低さは主にオーシ ストの管壁への付着性によるものと考えることができ る.軟鋼,ステンレス鋼,硬質塩ビ,ポリエチレンな どの表面に 24 時間後にどの位の細菌が付着するかを 調べた報告17)によると,Flavobacterium属やP. paucimo-
bilisなどはクリプトスポリジウムと同様に,硬質塩ビ
やポリエチレンよりも軟鋼やステンレス鋼に付着しや すい傾向を示したのに対し,L. pneumophilaやその他 の細菌はそのような傾向を示さなかった.このことか ら,微生物の管壁への付着性は配管の材質と微生物の 種類の組み合わせによってかなり異なるものと推察す ることができる.
以上,給水用配管の材質として金属銅はその他のス テンレス鋼やプラスチック系に比べクリプトスポリジ ウムのオーシストの感染性を不活化する効果を有する ことが明らとなった.今後,銅管によるオーシストの 感染性不活化効果が銅管の給水システムで得られるよ うな諸条件,即ち,銅管からの Cu2+のイオン化や Fen- ton 反応に影響を及ぼす配管の表面積!体積比率,水 の滞留時間(流速),水質(pH や他の無機イオン,Cu2+
をキレートする物質の有無など),そして水温等につ いてさらに検討を加えていく必要があるであろう.
謝辞:本研究の一部は(社)日本銅センター,(財)と うきゅう環境浄化財団,そして(財)河川環境管理財団か らの研究助成により実施された.また,実験遂行に当たり 実験補助をしていただいた北里大学医学部特別研修生 佐 藤真弓氏と菅谷ちえ美氏に深謝いたします.
文 献
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Inactivation ofCryptosporidium parvumOocysts in Copper Tubing
Takeshi SASAHARA1), Ritsuko KIKUNO4), Takeshi NAKAMURA1), Tomoko SEKIGUCHI1), Akira TAKAHASHI3), Yoshinori SATOH1), Yoko TAKAYAMA2),
Shunji OKUDA4)& Matsuhisa INOUE1)4)
Department of Microbiology & Parasitology1), Department of Laboratory Medicine2)and Laboratory Animal Centre for Medical Science3), Kitasato University School of Medicine,4)Kitasato Research Centre for Environmental Science
We studied whether the infectivity ofCryptosporidium parvumoocysts for suckling mice could be inacti- vated by copper tubing or by other types of tubing used to construct water distribution systems, including stainless steel, rigid polyvinyl chloride (PVC), PVC-lined steel, polyethylene (PE), cross-linked PE, and polybu- tene (PB), using glass tubing as the control. Oocysts were incubated in each tubings for 24 hours. The ex- tent of inactivation of infectious oocysts by copper tubing was -1.303 log, which significantly inactivated of infectivity. In contrast, other types of tubing had no significant effect on some oocyst infectivity, although PB did show a maximum inactivation of -0.313 log. 25% of oocysts showed degeneration morphologically af- ter passing through copper tubing, while 0.3% to 1.8% showed degeneration after passing through other tubing. Significant inactivation of infectious oocysts was not caused by water in which copper tubing had been let stand for 24 hours, although it had a cupric ion (Cu2+) concentration of 2.4mg!L. The direct contact of oocysts with copper surface resulted in a decrease in the recovery percentage of oocysts and generation of hydrogen peroxide (0.5mg!L) after 24 h of incubation. The percentage of degenerating oocysts was 29%. Such crypto- sporidicidal effects of the copper surface on oocysts were completely inhibited by overlaying the surface with a Milli- pore filter before adding oocysts and incubating oocysts in the presence of catalase, an antioxidant enzyme. These findings suggest that copper tubing inactivates infectiousC. parvumoocysts cytotoxically which may be due to oxy- gen radicals generated by the interaction between Cu2+and hydrogen peroxide on the tubing surface.