等 差 数 列
等差数列は
1次関数のようなもの
同じ数ずつ増えていく数字を羅列したもの 和は
Sn = (初項
+末項
)×項数
2
公式よりも意味を覚えることが大切 等差数列とは
例えば1時間に何本もの電車やバスが走っている路線の時刻表を見ると,3,7,11,15, 19,23,…や,14,34,54のように規則正しいダイヤになっている路線が多い(もちろんど の路線もこうなっているわけではない)。このように等間隔な数字を羅列したものを等差数 列とよび,第n番目を一般項として表すことができる。
上のような数列の一般項を出してみたい。第1項は3,第2項は3 + 4,第3項は3 + 4 + 4 のように,第n項は3に対して4をn−1回足している。この3のような第1項を初項とよ び,一般項anは,an= 3 + (n−1)×4とできる。項どうしの差を公差とよぶ。初項をa, 公差をdとすれば一般項は次のようにできる。
等差数列の一般項 an=a+ (n−1)d
等差数列の和
この数列の和3 + 7 + 11 +· · ·+ 111,つまり 初項から 第28項ま での和を考えてみ たい。図 のように初項から3項分と末項から3項分くら いを書いてみる。すると初項と末項の和,第2
項と最後から2項目の和,第3項と最後から3項目の和は全部同じく114である。これを項 数の28回繰り返す。そしてすべてを2回ずつカ ウントして28回な ので,2で割ってやる。
そうすると,
初項3,末項111,項数28より,3 + 111
2 ×28 = 1596 このやり方が分かればよいが,便利のために公式にすると,
初項a,末項a+ (n−1)d,項数nから,(初項+末項)×項数÷2 = 2a+ (n−1)d
2 n
和の公式というよりも,(初項+末項)×項数÷2と,台形の面積公式のようなノリで覚え ておけば忘れることはないはずである。
●和が最大や最小 例題 等 差数列an =−2n+ 23につい て,初項からの和が最大となるのは第何項までの和か。また,
その和を求めよ。
■解答■ 初項21,公差−2である。これは,21,19,17,… と減っていき,どこかでマイナスになる。マイナスになる手 前までを足すと最大になる。−2n+ 23>0より,n <11.5, つまり第11項が最後の正の項である(a11= 1)。ここまでの 和が最大になるので,
21 + 1
2 ×11 = 121 第11項
等 比 数 列
倍・倍していくものが等比数列 和は
arn −1r−1
または
a1−rn 1−rどちらでもよいが,
r > 1なら前者を
r <1なら後者を利用する
等 比 数 列
ある単細胞生物が分裂を繰り返し,増えていくとき,理論的には2,4,8,16,32,64,…
のように2倍,2倍となっていく。また,1mのヒモを2等分し続けると,1/2[m],1/4,1/8, 1/16,1/32,1/64,…のように1/2倍,1/2倍となっていく。これらを並べたものを等比数 列という。
このとき,一番最初の数字を初項,倍率を公比と い う。n番 目の数 字一般項は,初項をa,公比 をr とすると,an=arn−1 と表現できる。
例えば6,18,54,162,486,…は初項が6であ る。3倍,3倍になっているので公比は3。だから
an= 6·3n−1または6を2×3に分けてan= 2·3n
どできるが,後者は初項をひと目で見て分かりにくいので,前者の方が良い。前者の書き方 にすると第n項がn−1乗になることに注意。
等比数列の和
等比数列の和Sn=a+ar1+ar2+ar3+· · ·+arn−1は Sn=arn−1
r−1 =a1−rn 1−r
となる。公式とその使い方をしっかり覚えておく必要がある。どちらを使ってもよいが,極 力マイナスにならないように1−rとr−1を使い分けたい。
●r−1バージョン 一般項がan = 2·3n−1,an = 4nなど,公比が1よりも大きいもの に使用。an= 4nの初項から第n項までの和の求め方は次のようになる。まず,初項である が,単純にn= 1を代入した値で考える。初項4で,公比4なので,
Sn= 4·4n−1 4−1 =4
3(4n−1)
●1−rバージョン 一般項がan= 3 12
n
やan=−(−3)nなど,公比が1より小さいも のに用いると便利。an=−(−3)nの和は,初項はn= 1を代入して3,公比は−3だから,
Sn= 3·1−(−3)n 1−(−3) = 3
4{1−(−3)n} ←1−(−3)nを1 + 3nとした人は反省して下さい…
これは初項から第n項までの和である。第n−1項までの和ならarn−1−1
r−1 となる。数列 の一般項にも3·2n−1など「n−1」という式が出てくるが,これらを混同しないようにし たい。和の計算には初項・公比・項数を把握しておけば大丈夫である。
等比数列の和は特殊なので早めに覚えておくべきである。また,数IIIをやる人にとって 等比数列は非常に重要といえる。
数 列 の 和 (I)
Σ
は「足せ」という指示記号 必ずしも公式があるわけではない
n
k=1
k n
k=1
k2 n
k=1
k3
のみ公式を覚えればよい
シグマの意味
Σ はギリシャ文字で,Sに相当する。合計という英単語(sum)の頭文字である。Σ記号 は数列を足せという指示である。例えば,
n
k=12k = 2 + 4 + 8 + 16 +· · ·+ 2n n
k=1ak =a1+a2+a3+· · ·+an
のように,一般項akとなる数列をk = 1からnまで足し合わせることを意味する。
1 + 2 + 3 +· · ·+n=k
k=1= 12n(n+ 1) 12+ 22+ 32+· · ·+n2 =n
k=1
k2 = 16n(n+ 1)(2n+ 1) 13+ 23+ 33+· · ·+n3 =n
k=1k3 = 14n2(n+ 1)2
の3つ はしっかり覚え るべきである 。しかし ,その他 に覚えるべ きΣの公式 はない。しか も,Σk3の公式はΣkの公式を2乗しただけなので覚えるべきことはさらに減る。また,Σ1 はnであるため,これも覚えるほどのことでもないはずである。
例題 次の数列の和を計算せよ。
(1)n
k=1k(k+ 1) (2)n−
1
k=1k (3) n
k=2(k+ 1)
■解答■(1)まず,k(k+ 1) =k2+kと展開する。
n
k=1
(k2+k) = 16n(n+ 1)(2n+ 1) + 12n(n+ 1) ↓ 1
6n(n+ 1)でくくる
= 16n(n+ 1){2n+ 1 + 3}= 13n(n+ 1)(n+ 2)
(2)これは一般項をanとすると,a1+a2+· · ·+an−1である。スタートは1だが,ラスト は第n−1項なので,公式のnにn−1を代入すればよい。
n−1
k=1
k= 12n(n−1)
(3)これはa2+a3+a4+· · ·+anである。ところが使える公式はa1からの和なので,まず,
a1~annまでの和を公式で出したあと,a1を引けばよい。ak =k+ 1なので,a1= 2。
k=1
(k+ 1)−a1= 12n(n+ 1) +n−2 = 12(n2+ 3n−4) = 12(n−1)(n+ 4)
Σの公式として新しく覚える必要のあるのは上記の3つである。他にも等比数列の和の公式 を使うものや,特殊な計算方法が必要なものがある。
数 列 の 和 (II)
Σ
を見つけても
すぐに公式に走らないこと 等比数列・部分分数分解などがある
Σは「数列の和をとれ」という記号 三角関数や対数と違い,
Σは分配できる
等比数列の和
Σというのは「 足せ」という記号 であることを 思い出しても らいたい。Σの右側 に等比 数列 が書いて あったらそ れはΣ専用の 公式が あるわけ ではな く,等比数列の和を求めよと いう指示なので,初項・公比・項数をハッキリさせ,等比数列の公式を使う。
例題 次の数列の和を求めよ。
(1) n
k=1
(−3)k (2)n−
1
k=1
4k+2
■解答■ 初項はk= 1を代入して求める。公比はk乗の底,項数はΣの上と下で。
(1)初項−3,公比−3,項数n。−3·1−(−3)n
1−(−3) = −3
4{1−(−3)n} (2)初項は43 = 64,公比4,項数はn−1なので,
64·4n−1−1 4−1 = 64
3 (4n−1−1) 等比数列の和の公式はa·rn−1
r−1 =a·1−rn
1−r である。これは初項から第n項までの和で ある。例えば第2m+ 5項までであったら,a·r2m+5−1
r−1 =a·1−r2m+5
1−r となる。
∑は分配できる
色々な関数sin,cos,tan,logは分配できないし,sin 2θ= 2 sinθなんてやってはいけな いということをしつこく習ってきたと思うが,Σは分配できるし,定数をくくり出すことも できる。
例題 次の数列の和を求めよ。
(1) n
k=1
(k+ 2k) (2) n
k=1
{3k+ (−3)k−1}
■解答■ いずれも分配して考える。
(1)まず,第1項目のkはΣの公式で,第2項の2kは,初項2,公比2の等比数列である。
n
k=1
k+n
k=1
2k = 12n(n+ 1) + 2·2n−1 2−1 = 1
2n(n+ 1) + 2n+1−2
(2)第1項の3kは,初項3,公比3の等比数列,第2項の(−3)k−1は,初項が1であり,公 比が−3の等比数列。k乗とk−1乗になっているが,どちらも初項から第n項までの和で あることに注意してもらいたい。
n
k=1
3k+n
k=1
(−3)k−1 = 3· 3n−1
3−1 + 1·1−(−3)n
1−(−3) = 3n+1
2 − (−3)n 4 −5
4
このように,Σの中に何があるかで対策が違ってくる。Σを見てもすぐに公式に持ち込まず に,何の和をとるのか,一旦考えてから計算を始めてもらいたい。
数 列 の 和 (III)
部分分数分解
n
k=1
k(k1+ 1) =
n
k=1
1
k − 1 k + 1
具体的に書き出して
何と何が相殺し合うか 公式がないもの
その他にもいくつかのタイプがある。
●部分分数分解
n
k=1
k(k1+ 1) = 1
1·2 + 1
2·3 + 1
3·4 + 1
4·5 +· · ·+ 1 n(n+ 1) 部 分 分 数 分 解 と い う の は通分の逆で あ る 。分 母 が
k(k+1)なら,分母がkとk+1の分数に分ける。分母 が小さい方がその数は大きいので,分母の小さい方か ら大きい方を引いて,分子をa,bなどとおく。つまり,
k(k1+ 1) = a k − b
k+ 1 とする。そしてa(k+ 1)−bk k(k+ 1)
と通分してkの恒等式とみてa,bを求めればよい。この場合は
1k − 1
k+ 1 になる。その他,
(k−1)(k1 + 1) = 1 2
1
k−1− 1 k+ 1
, 1
(3k−2)(3k+ 2) = 1 4
1
3k−2 − 1 3k+ 2
のように,基本的には分母の小さいもの分の1引く分母の大きいもの分の1をカッコで閉じ て,分母の差分の1をかける形になるので,覚えておいて損はない。だからこの数列の和は
n
k=1
k(k1+ 1) =
n
k=1
1
k − 1 k+ 1
= 11− 1
2
+ 12 −1
3
+· · ·+
n1 − 1 n+ 1
= 1− 1
n+ 1 = n n+ 1 例題 次の数列の和を計算せよ。
(1)n
k=1
k(k1+ 2) (2)n
k=1
√
k+ 2−√ k
■解答■ (1)まず,部分分数分解すると,上段 落の説明通り,
12
1
k − 1 k+ 2
とできる。そして 右のように,Σを使わないで和を書き出してみる。
すると,各カッコの右側の項と,2つ先のカッコの左側の項どうしが相殺し合う。初項から 3~4項とラスト2項ほどを書いてみる。すると,何が消えて何が残るか分かる。
12
1 + 12− 1
n+ 1 − 1 n+ 2
= 34 − 1
2(n+ 1)− 1 2(n+ 2) (2)これもΣを使わずに書き出してみると分かる。
n
k=1
√
k+ 2−√ k
= (√ 3−√
1) + (√ 4−√
2) + (√ 5−√
3) + (√ 6−√
4) +· · ·+√
n+ 1−√ n−1
+√
n+ 2− √n
=−√ 1−√
2 +√
n+ 1 +√
n+ 2 = −1−√ 2 +√
n+ 1 +√ n+ 2
階 差 数 列
項と項の差自体が数列になっているもの 差のことを階差数列といい,
bnとすると 一般項は
an = a1 + n−1k=1
bk (n 2
のとき
)要は数列の和の計算が必要
階 差 数 列
一般項にある定数を足していくものを等差数列といい,ある数をかけていくものを等比数 列というが,項と項どうしの差そのものが数列になっているものを考えてみたい。
1, 2, 5, 10, 17, 26, 37,· · ·
まず,第1項1と,第2項2の差は1,第2項2と第3項5との差 は3,次の差は5,次の 差は7のように差そのものが数列になっている。この差のことを階差数列という。階差数列 は,1, 3, 5, 7,· · · と,初項が1,公差が3の等差数列になっているので,これをbnとおく。
するとbn= 2n−1。
ところで初項をa1とすると第2項のa2はa1+b1。第 3項はそこに+b2なので,次の項はa1+b1+b2+· · · の ようになり,第n項は
a1+b1+b2+b3+· · ·+bn−1
のように,bn−1までをプラスすることになる。これをΣ を使って表現する場合,Σの頭をn−1として,
an=a1+n−1
k=1
bk ただし(n2)
と表現できる。ところで「n2のとき」というフレーズがクセモノである。記述式ではこ れを書かないと減点されるのである。初項はa1のみであり,階差数列は第2項以降に影響 が出るからである。
n2のとき,an=a1+n−
1
k=1
(2k−1)となるから,これを計算すると an= 1 + 2·1
2n(n−1)−(n−1) =n2−2n+ 2 n= 1のとき,a1= 1−2 + 2 = 1と,本来の初項と
一致する。だから,an=n2−2n+ 2。
例題 一般項を求めよ。1, 3, −1, 7, −9, 23,· · ·
■解答■ 階差数列をとってみると,
2, −4, 8, −16, 32,· · · であ る。こ れは 初項2,公 比−2の等比数列だから,bn= 2(−2)n−1。一般項は
n2のとき an= 1 +n−
1
k=12(−2)k−1 = 1 + 2·1−(−2)n−1 1−(−2) = 5
3− 2
3(−2)n−1 また,n= 1のとき,a1= 53 −2
3 = 1で,一致するので,an= 53 −2
3(−2)n−1 。 なお,この例題では,Σの公式ではなく,等比数列の和の式を用いている。
漸 化 式 (I) 等差・階差数列編
漸化式というのは
数列の項どうしの関係式
an+1 = an + 3 a1 = 1
という漸化式について 第
n項に
3を足すと次の項になる
つまり,
anは等差数列 漸化式の意味
漸化式といっても色々な形のものがあるが,初めに学ぶのは一般項an と,それよりも1 つ先の項であるan+1との関係を表した方程式である。抽象的で分かりにくいが,まず漸化 式とは何か理解しておく必要がある。
漸化式 は一般には難し いと思われている が,その性 質を分 かってしまえば 全然怖くは ない。漸 化式を簡単 に説明す ると,項と項の関係を表した方程式のことで あり,一般項を出すことを「解く」という。
an+1 =an+ 2 a1= 3
この漸化式はどうなるだろうか。anを左辺に移項して
みると,an+1−an = 2となる。これは,第n+ 1項と 第n項の差が2と いうことを表す。
さらにa1 = 3というのは,初項は3から始まるということである。初項である3に2を足 すと第2項に,第2項に2を足すと第3項になる。つまりこれは等差数列であり,初項が3, 公差が2の等差数列となる。この漸化式を解くと
an= 3 + 2(n−1) = 2n+ 1 an= 2n+ 1
階 差 数 列
では次のような漸化式を考えてみたい。
an+1=an+n+ 2 a1 = 1
これは第n項にn+ 2を足すと1ランク上がるとい う考え方となる。もっと具体的に考えると,第1項 に1 + 2で3を加えると第2項に,第2項に4を加 えると第3項に,第3項に5を加えると第4項にな
る。これはまさに階差数列の考え方であり,その階差数列はn+ 2となる。つまり,この漸 化式を解く際には階差数列の考え方を使えばよく,n2のときは
an=a1+n−1
k=1
(k+ 2) = 1 + 12n(n−1) + 2(n−1)
= n2+ 3n−2
2 これはn= 1でも成立
となる。an+1−anが定数であれば等差数列,an+1−anがnの式であれば階差数列の考え をもって一般項を求めればよい。つまり,漸化式を学ぶに当たって新しい知識は不要で,今 までに習得した知識を使い回すということである。
漸化式 はこ の 他に 等比 数 列型の もの が ある が ,基 本は隣の項 どう し の関係が分 か れば よ い。何をすればランクが上がるかということを考えればよいのである。
漸 化 式 (II) 等比数列編
第
n項に何かをかけると第
n+ 1項になる
an+1 = 4an, a1 = 3なら,初項
3,公比
4の等比数列 すなわち
am = 3·4n−1an+1 −2 = 4(an−2)
も同様
等 比 数 列
漸化式(I)で扱った通り,漸化式は項と項との間にある関 係式のことである。
an+1 =ran (a1 =a)
なら,第n項であるanをr倍すると第n+ 1項のan+1に
なる,ということに他ならない。考え方としては等比数列となる。
例題① an+1 = 3an a1= 1
■解答■ これは初項1,公比3の等比数列。an = 3n−1 例題② an+1+an = 0 a1= 2
■解答■ まず移項。an+1 =−an。これは公比が−1の等比数列。分かっているとは思う が,−1もれっきとした公比であることは忘れないように。だからan= 2(−1)n−1
例題③ 3an+1 = 2an a1 =−3
■解答■ とりあえずan+1 =の形に変形することから。
an+1 = 23an 初項−3,公比2
3 より an=−3 23
n−1
公比が正の整数でないとき,カッコの位置に気をつけてもらいたい。公比
23を丸ごとカッコ で囲んでn−1乗を書くように。間違っても
23
n−1
とか
23 n−1とかしないでほしい。このよ うな書き方では合っていても点数はもらえない。
例題④ an+1 =an a1= 2
■解答■ これで悩む人は多い。an+1 =an。これは定数列と呼 ばれるものであり,a1もa2もa25もa223もanも同じということ である。つまり,an=a1よりan= 2
応 用
次のような漸化式も等比数列扱いができる。
例題⑤ an+1+ 3 = 2(an+ 3) a1 =−6
■解答■ a1+ 3を1つの塊として扱う。an+1+ 3もan+ 3も
「+3」がついているがnが含まれていないものなら同じ数列は塊 にしてもよい。すると数列{an+ 3}は初項a1+ 3,公比2の等比 数列になるから,
an+ 3 = (a1+ 3)·2n−1
ここでa1 =−6だか ら,an=−3·2n−1−3。漸化式で は以上の意 味をしっかり理解 して おけば一通り終了である。あとは応用である。
漸 化 式 (III) 二項間の特性方程式
an+1 = san +t
(s
,
tは定数
) α = sα+tという特性方程式を作る そして辺々引く
an+1 −α = s(an −α)
とすれば
an−αそのものが等比数列
一連の流れを覚える
二項間漸化式でももっとも重要と思われることが,特性方程式を使った解法である。何は ともあれ例題で確認しておきたい。
例題 an+1 = 3an+ 4 (a1= 1)の一般項を求めよ。
■解答■ ではまずはan+1 ⇒α,an⇒αとした式を書くと,α= 3α+ 4となる。これは 特性方程式と呼ばれるものであり参考書などに普通に載っているが,公に使って良いもので はない。これは代入しているのではなく,新しい式を立てているということに注意してもら いたい。この後,元の漸化式と特性方程式を辺々引く。
an+1 = 3an+ 4
−) α = 3α+ 4 an+1−α = 3(an−α)
すると{an−α}を3倍すると{an+1−α}になるというこ とが分かる。そのため{an−α}自体が公比3の等比数列で ある。ちなみに初項はnにだけ1を入れたa1−αである。
ここでαはnに関わらない定数なので,nが変化してもαは変化しない。よって an−α= (a1−α)×3n−1 ∴ an= (a1−α)·3n−1+α
となる。ここでαをどうにかすれば完成である。特性方程式α= 3α+ 4を普通に解いてや れば,α=−2となる。a1 = 1なのでこれらを代入すれば
an={1−(−2)}3n−1+ (−2) ∴ an= 3n−2
しかし,ここで注意すべきことがある。特性方程式は一般的に答案に書いてはいけないので ある。答案には以下のように書いてほしい。
an+1 = 3an+ 4を変形するとan+1+ 2 = 3(an+ 2)となる。ここで{an+ 2}は初項a1+ 2, 公比3の等比数列だから,
an+ 2 = (a1+ 2)·3n−1 ⇐⇒ an= 3n−2
いつでも使えるスグレもの
他に an+1
2n+1 =−an
2n + 2 (a1 = 1)のようなときは,an
2n =bnとおけば,b1 = a1
21 = 12とな るから
bn+1=−bn+ 2
b1 = 12
とできる。特性方程式はα=−α+ 2より,α= 1なので,{bn−1}は初項b1−1,公比−1 の等比数列だからbn−1 = (b1−1)(−1)n−1。
bn=−1
2(−1)n−1+ 1 = 12(−1)n+ 1 よって2n倍すれば an= 12(−2)n+ 2n
群 数 列 (I) 群数列とは
1|1, 2|1, 2, 3|1, 2, 3, 4|1, 2, · · ·
・各群の初項が通しで何番目か
・各群に何個入っているか
・各群の初項は何か
この
3つさえ把握すれば大丈夫 通しで何番目か
では次にあるような数列を考えてみたい。
1|2, 2|3, 3, 3, 3|4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4|5, 5, 5, 5, 5, 5,· · ·
このようなものを群数列とよび,一般項を出すことは基本的に不可能なことが多い。第1群 には1が1つ,第2群には2が2つ,第3群には3が4つ,第4群には4が8つある。つま り第n群にはnが2n−1個入っている。
こ こ で ,第n群の 初 項 に 通 し 番 号 を つ け る な ら ,第 n−1群までのすべての項数に1をたせばよい。まず,第 1群から第n−1群までの項数を求めることであるが,第 1群に1項,第2群に2項,第3群には4項なので,第 n群には2n−1項入っていることになり,
1 + 2 + 4 +· · ·+ 2n−2 = 2n−1−1
2−1 = 2n−1−1 である。つまり,第n−1群の末項は通しで2n−1−1番 目なので,第n群初項は通しで2n−1番目と分かる。ま
た第n群には2n−1項が入っており,各群の項の値はnである。
ある項を求める
次に第1000項が何であるかを考え てみる。まず第1000項がn群に属す る と仮定 す る 。第n群初 項 は 通 し で 2n−1番目であるから,その上で,第n
群のラストの項は通しで何番目か。それは第n+ 1群初項の1個手前と考える。第n+ 1群 のトップは2n−1のnをn+ 1にすればよいだけなので2n番目。その1個手前なので,第n 群は2n−1−1番目から2n番目である。
2n−110002n−1
ここでこれを満たすnを求めるが,直感で出すのが手っ取り早い。29 1000<210なので n= 10といえる。つまり第10群なのでa1000= 10。
第 何 項
また7は第何項であるか考えてみたい。まず7は第7群に入る。他の群数列のときはもう 少し難しくなるがこの数列の場合,第7群がすべて7なので第7群が第何項から第何項まで かを考えるだけでよい。第7群初項は通しで26番目,第7群末項は第8群初項の1個手前 なので,27−1番目である。つまり,7は,第64項から第127項までということになる。
群数列はバリエーションが多く,もっと難しいのが一般的である。
群 数 列 の 和
和を求めるには
akが第何群かを考え
ak
が入っている手前の群までの総和を求めることから 通し番号の重要性
ここでは,群数列の和を考える。
1|1, 3|1, 3, 5|1, 3, 5, 7|1, 3, 5, 7, 9|1,· · ·
について。第n群の中の項は2n−1で表され,n個の項が入っている群数列である。まず,
第n群の初項は通しで考えると何番目だろうか。第n−1群までの項の数プラス1であるか ら,1 + 2 + 3 +· · ·+n−1より,1
2n(n−1)項だから第n群初項はその次ということで,結 局 1
2n(n−1) + 1番目となる。通し番号が分かると群数列は強くなれる。群数列が出題され
た時はとにかく準備として,第n−1群までの項数を数列の和によって計算し,そこにプラ ス1をして第n群初項は通しで何番目かを求めておくことである。
群数列の和
第n群はn個の項があり,1, 3,· · · , 2n−1であるため,第 n群内の和は簡単に求まる。
1 + 3 + 5 +· · ·+ 2n−1 = 2 + 2(n−1) 2 n=n2 これが第n群の中だけの和である。次に,第1群~第n群す べての和は次のようになる。
n
k=1k2= 16n(n+ 1)(2n+ 1)
群数列は気長にやらざるを得ない。自分が何をしているか逐一把握する必要がある。
途中までの和
で は第50項まで の和を出 してみ たい。まず第50項が 通しで 何番目 かを考 える。第n群 初項は
12n(n−1) + 1番目だから,第n群末項は,次の第n+ 1群第1項の1個手前なので n+ 1を代入して 1
2n(n+ 1) + 1−1 = 12n(n+ 1)番目。
12n(n−1) + 150 1
2n(n+ 1)
となるnを探せばよい。これは直感が一番早い。n= 10であり,第10群と分かる。
では第10群初項は通しで 1
2×10×(10−1) + 1 = 46番目なので,第50項は5番目。こ
こで50−46 = 4番目とだけはやらないように。自信がなかったら少々ハズいかもしれない
が,指を折り曲げて46,47,48…と数えてもいい。間違って1個ずれるよりは幾分マシで ある。総和は第9群までの和と,第10群の1,3,5,7,9を足せばよい。
9
k=1
k2+ (1 + 3 + 5 + 7 + 9) = 16×9×10×19 + 25 = 310