学校教育における地域の教育資源の活用に関する研究 : 活用の推進のための校内体制・組織に注目して
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(2) 第4節校内体制整備・組織つくりにおける. 的交流が予想される場合もとしている。. 視点. 第3章では、A市の「人材活用=地域の教育. 第5節 まとめ. 資源の活用」という調査・把握に基づく補助金. 第5章 地域の教育資源の活用の推進に向けて の今後の課題・展望. 第1節 地域の教育資源の活用の推進に向け ての体制整備・組織つくりの評価 1 事例校の地域の教育資源の活用のため の体制・組織の違い. 2 地域の教育資源の活用の推進体制・組 織の評価規準試案. ・各校への指導と、各校の活用状況を明かにす る。そのことを通して、市の施策の不十分さ、. 市の地域の教育資源の活用の捉え方の不備を示 し、各校の独自性を持った活用を評価する。. 第4章では、第2節において、まず校内体制 ・組織つくりの重要性を示す。そのために、2 次調査により事例校を体制を整えていない事例 校、体制・組織を整えている事例校等のように. 第2節 本研究の限界と今後の課題. 分類し、論を進めていく。第3節では、体制整. 第3節今後の展望. 備・組織つくりにおいては学校長の指導性が重. 4 論文の概要. 要であるとし、まず、それを一切示さない事例. 第2章は以下のとおりである。第1節におい. を挙げる。その後、地域の教育資源の活用での. て各種定義をもとにしながら、地域の教育資源. 学校長の指導性として「地域の教育資源、その. の活用は、校区を出発点にしながらも子どもの. 活用についての考え方」「活用の推進のための考. 成長・興味関心に応じた範囲で、そこに存在す. え方と行動」「地域と学校との連携についての考. るあらゆる資源を、学校の主体牲に基づいて、. え方と行動」「地域の教育資源の活用に関わる行. 学校の種々の活動で活用するものとする。第2. 政に対する考え方」の4つとし、事例をもとに. 節では、教師用実践書をもとに、「地域」「継. 示している。第4節では、事例調査より示され. 続」という視点が特色として挙げられることと、. た校内体制整備・組織つくりにおける視点とし. 活用内容例からでは明かにされない、活用のた. て、「計画性」「核の存在」「研修・反省会」「担当. めの校内体制・組織に注目する必要性を示す。. 部署の性格」「学校全体との関係」「子ども・地域. 第3節では、活用の意義を、教育効果の高まり、. への働き掛け」「教員への働き掛け」を挙げ、そ. 地域との連携、学校内の変革、につながるもの. れぞれの意味・重要性を述べている。. とし、さらに活用により、現在学校と地域社会. 第5章では、地域の教育資源の活用の推進に. の連携で望まれているあらゆる面に反映が期待. 向けて、第4章により明かになった学校長の指. されるとする。そして第4節において前の節を. 導性、校内体制整備・組織つくりにおける視点. 受け、本研究での地域の教育資源の活用とは、. をもとにした、校内の体制整備・組織つくりの. 主として校区を中心とした地域で、人材を主に. 必要性を述べている。そしてその実現ために、. した資源を学校教育活動に用いることとしてい. 推進体制・組織の現状を評価するための簡易的. る。ただし、人材の活用を、外部講師等の活用. 規準を提示している。. のような「一般的」な人材活用とは考えず、人 材活用以外が主目的であっても、結果として人. 主任指導教官 加治佐哲也. 指導教官竺沙知章.
(3) 平成12年度 学位論文. 学校教育における地域の教育資源の活用に関する研究 一活用の推進のための校内体制・組織に注目して一. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 学校教育専攻 教育経営コース. M99052D 小川正博.
(4) 学校教育における地域の教育資源の活用に関する研究 一活用の推進のための校内体制・組織に注目して一 学校教育専攻・教育経営コース. M99052D 小川正博. [目次] 第1章 研究のねらいと方法 第1節研究の背景……………・…・…・…・……・…………・…………・・……・…………………………1. 1 歴史的視点…………・……・・………………………………………………………………………1 2 学校現場からの視点・・…・……・……・・…………・・…・……………・・…・…………・・……・………2. 第2節 研究の目的………………・・…・…………・…・…・……………・・……・…………………・…・・…3 第3節 研究の方法…………・……・…・……………・・…・……・………・・………………・・…・…・……・・3. 第2章 学校教育における地域の教育資源の活用 第1節 地域の教育資源の活用に関する各種定義……………・…………・・…………………・……・・6 1 地域の範囲……………………………・……・……………・…・・……・……………………………6 2 教育資源のとらえ方………・…・…・・………・……………………・……………………・…・…・…8. 3 「活用する」という意味……………・…・……………・………………………………………10 第2節 地域の教育資源の活用内容例………………・・…………・……………………・…・・………10 1 活用内容例……………………………・……・……・………・…・・…………・……・……………・10. 2 活用内容例より見えること………………・・………・・………・・………………………………12 3 活用内容例より考えるべきこと…………・……・…・……………………………・…・………・13. 第3節 学校教育における地域の教育資源の活用の意義………………………………・…・……・14 1 教育効果……………・…………・…………・…・・…・………・・…………………・………………14 2 地域との連携………・・…・・…・…・……・………・……………・・…・…・……………・・……・・…・・15. 3 学校内の変革……………・…・………・・………・……………・・…・…・……・・…・…・・……・……16. 4 まとめ……………・・・…………………・・………・…・……・・………………・・…・………………18 第4節 本研究における地域の教育資源の活用…・・……………・…・・……・・…・…・………・・…・…19. 第3章 A市での学校教育における地域の教育資源の活用状況(1次調査について) 第1節 A市の概要…………・・…………………………………………・………………・・…………・21 第2節 調査対象・調査内容……・…・…………………・……・・…・…………・…・………・……・…・・21. 第3節 A市の地域の教育資源の活用に対する行政としての施策…………・……・…………・…22 1 活用状況の把握………………・・……・…………・・………………・…………・・…・………・…・・22. 2 各校への支援措置…………・……・…・……・・………………・…………………………………22 (1)人材活用予算………・………・……・…………・・……・…………・・…・……………・・…・……22. ② 人材バンク……………………・……………・………・……・…・……・…………・・…・………23 3 各校への指導…………………………………・・…・………・……・……・…………・・………・…23. (i).
(5) 4 教委のとらえ方……………・…・……………・…………・・……・………………………………23 (1)各校の状況について…・・…・……・・…・………………………………………………・…・…・23 (2)今後の見通し…・……・・……・・……………・……………………………………・・・・……・…・23 (3)各校の計画について・・…・……・・……・………………………………・・・…………・・………・23. (4)特に人材活用のねらいについて………・・…・………………………………・・……・………24. 第4節 A山面中学校の地域の教育資源の活用状況……………・・…・……………・・…・…………24 1 A中学校……………………………・・………・……………・・……・………一・……・…・…・一24 2 B中学校……………・…・・………・・………・…・・一………………………・…・・…………・・…・25 3 C中学校……・…・………・…・・……………・……………………f・…・……・…・・………・…・・…26. 4 D中学校・・……………・………………・・…・………………………………・・…・………・・…・…28. 5 E中学校……………・…・……………………・……………・・…………・……・・………………・30 6 F中学校……・・……・…………………・・…・……………・…・・……………・・…・………・・…一32 7 G中学校・・……・………………………・・…・……………・・…・……・・…………・………・・…・…33. 8 H中学校……………一・・………一・……・……………・…・・…………・・……・………・…・…・34 第5節 考察………………・・………・………・・…・……………・・…・……………・・…・………・……・・36. 1 市教委の施策…………・……・……………・…・・…・……………・・……・………・…・・…………36 2 各校の取り組み………・・…・…・・……………・・…・・……………………………・……・……・…37. 第4章 活用の推進のための校内体制整備・組織つくりの現状(2次調査より) 第1節 2次調査の概要……・・……・一・……………・…・・…・……………・・……………・・…・……・40. 第2節校内体制整備・組織つくりの重要性………………・・……・…………・・…………・・…・・…41 1 事例校の分類…………・…・……・………………………………・・………・……………・…・・…41. 2 体制を整えていない事例校・その1(学校としての体制を整えるつもりがない事例)41 3 体制を整えていない事例校・その2(体制整備が中途半端な事例〉・…・……………・…42 4 体制・組織を整えている事例校・その1(体制・組織がほぼ完成した事例)…………50 5 体制・組織を整えている事例校・その2(確立した体制・組織が出来上がっている事例) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…。。・・・・・・・・・・・・・・・・…。・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 52. 6 体制が整いつつある事例………………………………・…・・…・・…・…・…・…………・………55. 7 整備のために苦労している事例………………・・……・……・……・・…………………………59 8 まとめ………………・・…………………・……………………………・…・…・…………・・……・61. 第3節学校長の指導性…・・…・………・・…・…………………………………………………・・……・62. 1 地域の教育資源の活用における学校長の指導性の内容……………………………………62 2 指導性を発揮しない事例・・……・………・・…・……………・・………・…・……・………………・62. 3 地域の教育資源、その活用についての考え方………………・………・…・……・・…・………65 4 活用の推進のための考え方と行動………………………・・………・・……・・………・…・・……68 5 地域と学校との連携についての考え方と行動………………・・…・…・・……・・…・・…………71. 6 地域の教育資源の活用に関わる行政に対する考え方……………・…・・……………………73 7 まとめ………………・・……・…・・…・……………………………………・…・………………・…75. 第4節 校内体制整備・組織つくりにおける視点………………・・…・…・…・…・…………………76. (皿).
(6) 1 計画性(長期計画)………………・・…………・……・・……………∵……・・…………………76. 2 核となる人物・部署の存在(……きっかけとして〉…………………………・・………・…78 3 研修・反省会(……継続・学校による活用とするために)………・……・………・………80 4 担当部署(分掌)の性格・・…………………・……………・・…・…………・…・……・…………82. 5 学校全体との関係…………………………………・・…………・……・・……・…………………85 6 子ども・地域への働き掛け・・……………・…………・・……・…………………………………87 7 教員への働き掛け………・・……・……………・・…・……………………………・…・…・………88. (1》活用に対する評価(主として地域側からの)という視点………………・・…・…………88 (2)地域からの強い力という視点………………・・…………………………・……・…・・………89 ㈲ 強制という視点・・………・…・…・・………………・・……・…………・・…・……………・・……・89. (4}年間計画という視点………………・・……・…………………………・…・………………・…90 (5)学校代表という視点………………………………・・…・………・・………・…………・…・…・90 ①実践の外への発信………・・……・……………・・………・……………・・…………・……・・…・90. ②研修出張…………・…・…・…………………………………………………・・・………………90. (6)担当者の固定という視点…………………………………………………・…・・……………91 第5節まとめ………………・・…………・…・…・………・…………………………・・…・……………91. 第5章 地域の教育資源の活用の推進に向けての今後の課題・展望 第1節 地域の教育資源の活用の推進に向けての体制整備・組織つくりの評価………………93 1 事例校の地域の教育資源の活用のための体制・組織の違い…・・……………・……………93 2 地域の教育資源の活用の推進体制・組織の評価規準試案………………・・………………・94 (1)推進体制・組織の現状を評価する簡易的規準……………・・…・……・・…………・………94 ② 推進体制・組織の現状の原因を評価する必要性…………・・……・……………・・…・……97. 第2節本研究の限界と今後の課題…………………………・………・・……………………………98 第3節今後の展望……………一・………………………………・・…・・………………・・……・…100 参考文献一………・……・・………・……・…・………・……・…・…………・・……・………………・……102. あとがき…・・…………・・………………・…・・・………・・…・……………………・・…………・…………105. (通).
(7) 第1章 研究のねらいと方法. 第1節 研究の背景 1 歴史的祖点 昭和60年代に、それまでの教育荒廃に対応するために地域を基盤とする教育活動の見直しが行 われた。その中で、. ・教育病理の原因が地域や家庭の教育力の低下とともに、学校が地域、家庭との連携を欠いたこ とによる問題解決の手遅れであることに気づき、学校の改善に、地域との連携、行政を含めた 地域のサポートによることの再確認の必要性があること。. ・子どもの生き方の形成にとって地域社会は捨て去る対象ではなく、そこでの生きざまに触れる ことによって、協働や自己の将来の方向づけを学ぶことができるということ。 ・生きた体験によって学ぶことの意義を再発見し、知識の具現化とともに、地域での体験から一 般的な知識や法則を導き出すという体験的知識の科学化の必要性の自覚がいること。 が捉えられた*1。. この見直しの具体的な方向として、「開かれた学校」というキーワードのもと、同時期の教育課 程審議会答申では、地域の施設の積極的活用、学校教育活動についての地域の人々の理解や協力、 家庭や地域社会の建設的な意見に耳を傾ける、などで学校が地域に開かれたものとなることが求め られた。. 地域と学校の関わりとしては、これ以前にも考えられており、戦後すぐにも事象がある。アメリ カのE・G・オルセンの生活中心の立場を踏まえたコミュニティー・スクール論*2(地域社会学校) である。地域社会における子どもの生活体験を重視し、そこにおける課題の解決に焦点を当てたも のである。しかし、この事象は、最終的に地域・町づくりに方向が向けられていたと考える。それ. に対して、昭和60年代以降の考え方は、子どもをどうしていくかという方向へ、最終的に子ども に方向がむけられていると考える。. この方向は、現在進められている教育改革においてもはっきりと打ち出されている。「ゆとり」 の中で「生きる力」の育成を目指す観点から、各学校の創意工夫を生かした特色ある教育、特色あ る学校づくりをねらいとして、各学校において、幼児児童生徒が家庭や地域社会において行った体 験や活動を生かした指導に努めることや、家庭や地域社会の人材・施設や様々な活動との連携を図 った教育の重要性を説いている。その上で、学校と家庭・地域社会の十分な連携や開かれた学校づ くりについて示している零3。 一1一.
(8) そうしてこの方針に従った新学習指導要領では 「各学校においては、法令及びこの章以下に示すところに従い、生徒の人間として調和のとれ た育成を目指し、地域や学校の実態及び生徒の心身の発達段階や特性等を十分考慮して、適切 な教育課程を編成するものとする。」 (中学校学習指導要領第1章総則・第1教育課程編成の. 一般方針・1> と示されている。さらにその解説では地域の実態として、. 「学校は地域社会を離れては存在し得ないものであり、生徒は家庭や地域社会で様々な経験を 重ねて成長している。. 学校の置かれている地域には、都市、農村、山村、漁村など生活条件や環境の違いがあり、 産業、経済、文化等にそれぞれ特色をもっている。このような学校を取り巻く地域社会の実態 を十分考慮して教育課程を編成することが大切である。とりわけ、学校の教育目標や指導内容 の選択に当たっては、地域の実態を考慮することが大切である。」‡4 となっている。. このように学校にとって地域は、子どもをどう育てていくかという教育活動を行う上で、大切な 存在であるといえる。そして、現在強く言われている特色ある学校づくりでは、地域を考える必要 性が一層求められている。. 2 学校現場からの視点 子どもたちは地域で生活をし、その中でさまざなな体験をし、学びもする。子どもたちそれぞれ が、地域というものを背負って登校している。さらに昨今はさまざまな方法で多くの情報が手に入 れることができる。このような中、地域の実態を無視し、社会の動きと切り離した中で教育を行う ことは不可能であろう。. また、情報だけで実物による体験や経験が不足し、知識偏重と言われていることも事実である。 そこで体験の重視が叫ばれている。それ以外にも、技術革新や社会の変化により、学校の中だけで、 学校にある教材・教具だけを用いて教育をおこなうのも難しくなっている。このように、学校の中 だけで教育を考えるのは困難である。. これらのことは、先に見たように、新教育課程においても一層注目されていることと考える。こ れまで以上に、学校と地域との結び付きば大変重要とされる。特に、新教育課程で新しく示された 総合的な学習の時間を中心に、これからはもっともっと地域に目を向けて行く必要性が求められて いくはずである。 一2一.
(9) これまでも、各学校では地域との結び付きを考えてさまざまな取り組みが行われてきた。顕著な 例として、教育荒廃との関係において、荒れる学校の時代から、非行対策・生徒指導対策としての 地域の各機関・保護者との連携・協力は、多くの学校で行われていることであった。また、地域の 教育資源を教材として活用しての取り組みもいろいろと行われてきた。. にもかかわらず、新教育課程が示された後の現場の空気はどうであろうか。一部の先進校を除き、 大慌てといった感である。新教育課程に対応した研修も多いようである。地域の必要性は十分に認 識されているものの、具体的な方法については手付かずの部分も多いようである。. この原因は多くあろう。活用の経験のあるところでは、各教科・領域がそれぞれバラバラで行っ ていたり、単発のイベント的なものとして終わってしまい、継続的に、子どもたちに何を身につけ させ、子どもたちをどう育てていくのかという視点が、学校全体として持たれていないこと。活用 の経験のないところでは、これまでの実践が地域の特色に応じて展開されているために、展開の現 象面だけを見てしまうことで、自校の地域では参考にしにくいこと、など。いずれも、学校として、 地域の教育資源の活用をどう考え、どんな体制で取り組んで行くのかがはっきりとしていないのだ と考える。. 第2節 研究の目的 教育と地域との関係というと、地域教育、社会教育、二二融合をはじめ、さまざまなものが考え られる。その中でも、学校教育活動の中で考えられる地域の教育資源の活用では、多様な方法によ る豊かな指導内容により、子どもたちの自主性や興味関心をもたらし、教育効果の高まりが期待さ れている。. そこで、この地域の教育資源の活用による学校の教育活動に注目し、学校としてどういう場合に、 どういう体制(地域との連携体制・教師を支援する体制など)・組織で、どういう手順・方法で、 どのような意図(活用のねらいなど)のもとで実施していく必要があるのかという活用のあり方を 明らかにしていくことで、地域の教育資源の活用を推進していくための学校体制の整備と組織つく りについて考えることを目的とする。. 第3節 研究の方法 事例調査を中心に進める。 一3一.
(10) これまでの、地域と学校の連携や地域の教育資源の活用に関わっての研究では、 ・地域特性受容の要件。 ・地域の実態の生かし方。 ・地域の教育資源活用の意義。 ・地域の教育資源の分類。 ・地域の教育資源活用の進め方。. といった、地域と学校の連携、地域の教育資源の活用についての、大切さや取り組むときの注意等 は示されているが、校内体制について論じているものは少ない。さらに、具体的事例に基づいて述 べているものはほとんど見当たらない。校外のどんな組織とどう連携するかを具体的事例によって 示しているものはあるものの、事例は外部組織が中心であり、校内に目を向けてはいない。 また、学校の組織・運営・評価に関する研究では、. 。校内組織のあり方についての考え(学校組織の意義。組織運営のポイント。校務分掌見直し・ 改善の観点。組織づくりの観点など。〉。 ・学校教育目標の構造。. ・特色ある学校・特色ある教育活動編成のための組織。 ・学校経営改善の観点。. 等が示されているものの、地域の教育資源の活用との関係を中心に述べたものはほとんどない。 さらに、これらの研究では、たとえ具体的事例として示されているものがあったとしても、それ は種々の条件が整備された、いわゆる全国的に知られた先進校・目立った実践により注目されてい る学校や研究校が多い。しかも、小学校での事例が多い。. しかし、第1節、第2節で述べたように、これからは、あらゆる学校で地域の教育資源の活用が 求められ、行われる。. そのために、先進校という評価とは無縁の、「普通の」公立中学校を事例校として、行政からの 不十分な援助朽の下、各校が独自に、どのような活用内容について、どのような体制を考え、組織 し、取り組んで行ったのか明らかにしながら、研究の目的にせまるものとする。. 中学校とするのは、小学校のように地域の教育資源の活用の実践が豊富であると予想される生活 科の経験がないこと、教科担任制による教科中心・教科担任が学年所属であるという学年組織によ る学年中心、の教育活動が行われ、学校全体での取り組みが少ないと考えられることからである。 そして、高等学校と違い、義務教育制度の下、学校周辺の一定地域(校区)の子どもたちが通うこ とを考慮してのことである串6。 一4一.
(11) また、事例調査のための予備調査として、文献をもとにした研究を行う。その中で、地域の教育 資源の活用とはいったいどういうことなのかを、改めて考えてみる。と同時に、地域の教育資源の 活用による学校教育活動の実践例を広く知り、実践での特徴をつかみ、事例調査において考慮して おくべき点を考える。. 注. *1 中留武昭「学校を開く戦略は何か」『学校経営の改善戦略』第一法規、1989年。 *2 教育改革国民会議において、再び「コミュニティスクール」という言葉が示された。それは、以下のような ものである。. 森喜朗首相の私的諮問機関である教育改革国民会議く座長=江崎玲於奈・芝浦工業大学長)の第2分科会に おいて、新しいタイプの公立学校の可能性として、検討された内容である。. 第2分科会委員(主査)の金子郁容氏(慶慮義塾幼稚舎長)が、2000(平成12)年7月3日に部会へ 提案。コミュニティスクールを、「地域に開かれた学校」を念頭に、「地域独自のニーズに基づいて、地域が 運営する地域のための市町村立学校」と定義している。. 案によると、コミュニティスクールでは、市町村が校長を募集し、教員採用の権限は校長にある。また、地 元代表を含む学校ごとの地域学校協議会を設置し、学校のチェック・評価を行う。他に、学校基準等について は、大枠を国が定め、実施については地方で行うという。. この提案に対して、分科会内でも意見が分かれている。2000年7月26日に発表された審議経過報告に よると、次のようなものがある。多様な可能性を提供するものとしての趣旨に賛同。提案内容は、本来私立・ 公立学校ですべきという意見。提案内容は、私立で行うべきもので、公立学校での実施は困難という意見。ま た逆に、提案内容は現行の公立学校でも十分可能という意見、などである。 9月22日に出された中間報告では、新しいタイプの学校(「コミュニティスクール等」’)の設置促進の一 つとして示された。それは、私立学校を設置しやすくするための方策の提案、研究開発学校拡充の方策の提案 に続いて、コミュニティスクール設置の可能性を検討するというものである。 今回のコミュニティスクールの内容は、保護者・住民の意思に基づいて設立するチャータースクールの発想 を取り入れたものと解釈できる。ねらいはあくまで、その学校に通う子どもの個性に応じた成長を願ってのも のである。その点、オルセン等が示したコミュニティスクールは、地域創造を重要視したものと考えられ、そ れと今回のものとは、大きな違いがあると思われる。. *3 『教育課程審議会答申』、1998年7月29日、1教育課程の基準の改善の方針・1教育課程の基準の改 善の基本的考え方・(2》教育課程の基準の改善のねらい・沖)各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色あ る学校づくりを進めること。. *4 文部省r中学校学習指導要領(平成10年12月)解説一総則編一』、1998年12月、第3章第1節1 (2》イ①。. *5 第3章第3節と第5節参照。 *6 「校区」を考慮することに関しては、第2章第1節、第4節において示している。. 一5一.
(12) 第2章学校教育における地域の教育資源の活用 第1節 地域の教育資源の活用に関する各種定義 1 地域の範囲 地域の教育資源の活用において、地域の範囲をどうとらえるかを考える場合には、二つの面から の考慮が必要である。物理的・地理的な面からと、活用による教育活動を受ける人々の心理的な距 離の面からである。このどちらを欠いても、範囲のとらえ方として不十分なものになると考える。 次のように地域の範囲を示しているものがある。. 「地域の範囲」については、通学区を「基本地域」とする、同心円的居住圏を想定するのが適 切ではないかと思う。学校が位置つく地域として、在籍する児童・生徒が居住し、通学して来る 範囲を「基本地域」と推定するのである。・一つの学校の教育対象としての児童・生徒の生活基盤. や生育の背景、現在の当面課題などを考察し、学校経営のあり方を考える指針を通学区を中心に 考えることは当然であるが……(略)判 通学によって線引きがされるという物理的・地理的な面と、子どものその範囲との心理的なつなが りという面を考慮し、通学区(校区〉を範囲としている。. この校区を基本とする考えの物理的な面を強調したものとして、次のものがある。 子どもは一般に親の居住する地域からそう遠くない、生活圏内の学校に通学している。特に義 務教育段階の子どもやその親にとって、学校は選択の許容されない機関となっている。校区外の 公立の小学校や中学校へは“越境入学”でもさせない限り子どもを入学させることができない。 このように、今日の小・中学校の校区による地域限定的な性格は、かなり明確なものになって いる*2。. 行政によって通学区域を分けるという、物理的な面に注目をしている。 また逆に、心理的な面に重きをおいたものもある。. その中では、地域は子どもの発達、生活圏の拡大とともに広げられていくことを重視している。 そして、「地域とは行政地域ではないこと」紹とのタイトルのもと、その根拠として以下を挙げて いる。それは、地域を行政による区分けで相対的にとらえることによる他地域との優越・排他を生 む危険性、幼少期を振り返ると生活圏が学区域外であるという論者及びその周囲の体験、学区域外 の卒業生も地域の人材とする実践校の事例、他校と協力して他校校区も含めた広い地域を地域とし てとらえている事例を示すといったものである。 だがこれには、いくつかの問題点があるのではないか。 一6一.
(13) 一つは、子どもの生活圏のとらえ方の片寄りである。とらえ方が、心理的な面のみに基づいてい ることである。生活圏を地域と見るのは、子どもとそことのつながりという、心理的な面からもよ かろう。そこで、子どもの発達とともに生活圏も広がるので、地域は行政地域と一致しないという のである。確かにそういうこともあり得よう。しかし、学校の役割や行政地域と学校の関係を考え た場合、まず、子どもの生活圏として校区を考えるべきではないか。物理的・地理的に区切られた としても、校区は生活圏でもあるのであるから。. 二つ目は、地域を行政地域を単位として他地域と相対的にとらえると、優越・排他を生むという ものである。しかし実際に地域(たとえ行政地域でなくても)である物事に取り組めば、それ以外 の地域との違いが出てくるわけであり、先の危惧はどこまで地域を広げても永遠に続くものであり、 結局は地域性を考えることはできなくなるという矛盾をはらんでいる。. 三つ目は、学区外の卒業生を「地域の人材」として活用・協力している例を挙げ、地域を行政地 域に限定すべきでないとしていることである。では、例えば企業が地元に貢献したり交流したりす ることがある。この場合は、その企業は地域の資源である。それならば、企業を退職・または異動. により、遠く離れた者がでた場合、それを地域の人ととらえるであろうか。いや、傘業のOBであ ろう。企業の人材である。それならば、先の卒業生の例も、地域人材ではなく、その学校の人材と とらえるべきではないか。学区外をどこまでの範囲にするかも考える必要があろうが、地域人材と 学校の人材は別物であろう。子どもの生活圏を重視するなら、子どもがこういった学区外の卒業生 を地域の人ととらえるのかを考える必要もあろう。. 他校区との交流も、それぞれの校区を出発点にして考えているわけである。校区を一切無視して 考えることは不可能である。. 子どもの生活圏という考え方は大切である。が、この心理的な面のみに目を奪われると、学校教 育における地域の教育資源の活用の意義を見失うことになる。. 校区ρ成立事情等により、物理的に作られた範囲が、子どもたちの心理的に身近な地域になる場 合がある。また逆に、子どもたちの生活圏が、そのまま物理的な校区に当てはまる場合もある。さ らに、子どもの成長により、生活圏の変化もある。. そこで、物理的・地理的な面、活用による教育活動を受ける人々の心理的な距離の面、この両方 を対等に重視する。すると、次のようなものがある。これは、地域の教育資源を地域素材としてグ ループ分けをしたもの零4の中に見られるものである。. ①地域素材の第一のグループ:一般的に、教育課程の編成・実施にかかわる地域は在校する児童 ・生徒の生活している範囲と考えられ、一義的には、児童・生徒の通学区域を一つのまとまり 一7一.
(14) と考える。この範囲内で教育目標を達成するために用いられる素材(もの・ひと・こと〉。 ②地域素材の第二のグループ:通学区域に隣接する外側の地域あるいはより広い地域。児童・生 徒の遊びの範囲・買い物に行く商店街を考慮。. ③地域素材の第三のグループ:市町村・都道府県という行政単位の範囲。教育課程編成の際に行 政地域の実態を考慮した各地教委の基準・方針に基づくことから。. ④地域素材の第四のグループ;地域住民の生活にかかわり深い地域の素材。行政区画が分かれて いても産業、経済、自然等で結びつきの深い地域。. 学校教育における地域の教育資源の活用を考える場合、地域の範囲は上の4グループに分けると らえ方をもとにしたい。. つまり、校区をまず第1に考える。やはり、特色ある学校づくりや学校による活用、さらに地域 との連携*5を念頭にする場合は、学校(校区)『を中心に考える必要がある。そして場合により、市. 町村内の隣接校区や市町村内全域に広げることもある。この場合は、子どもの興味関心等に留意す る必要がある。また、地域の実情や教育活動の活用によるねらいによって、それ以上に範囲を広げ る場合も十分に考えられる。このように徐々に範囲を広げることも考えるのは、単に地理的・物理 的な範囲指定にこだわり過ぎることなく、子どもの心理的な範囲を忘れないようにする必要性もあ るということである。. 2 教育資源のとらえ方 何を教育資源とするかについては、多くの分類が示されている。地域内にあるさまざな“モノ・ コト”を、論者の視点により分けたものである。また、教育資源という用語も、論者によりさまざ まである。. 地域の教育力という言葉で、子どもたちがどのような体験をするかにより分類したものがある*6。. それは、①自然体験を通しての教育力、②文化的体験を通しての教育力、③社会的体験を通しての 教育力、④勤労体験や社会参加を通しての教育力、というものである。 同じ地域の教育力という言葉によっても、. 地域の特色を学校経営に生かすという課業の中核は「地域」に潜在する「教育力」の発掘・開 発とその活用である。このような「教育力」は、児童・生徒のカリキュラムに導入・定置し得る 人的・物的・情報的資源が中心となるのは、いうまでもないが、学校の営為や発表に、直接・間 接に寄与、貢献が得られる人的・物的資源などの開発も留意する必要がある。 と、活用の対象そのものに焦点を当てたものもある宰1。 一8一.
(15) また、地域の実態の内容として、. ①自然環境:自然、気候、地理、とくに河川、湖沼、山野など。 ②社会環境:産業、経済や職業構造、生活様式や慣習、社会規範、歴史・伝統など。. ③教育環境:社会教育施設、文化施設、保護者や住民の社会意識や学習要求、学校への関心・協 力、地域の社会的課題、学習フィールドや環境など。 という分類を示しているものがある*7。地域の実態に応じた教育を行うということで、上記実態の 内容を学習材として活用することが考えられる。. 地域の範囲を考える際にも示した地域素材*4という考えでは、「この範囲内で教育目標を達成す るために用いられる素材(もの・ひと・こと)。」としている。. 地域の教育(的)資源という言葉を用いたものでは、①教材を作るための資源②地域の様々な人 材③教育や学習のための場というもの宰8がある。. 平成10年度の学習指導要領解説からは、地域の人的・物的環境(近隣の学校、社会教育施設、 生徒の学習に協力することのできる人材等)を縛、特に総合的な学習の時間に関する部分零10から は保護者・地域の専門家・留学生、公共図書館・博物館・企業・工場、団体、川・申などの自然、 文化財、伝統的な行事・産業などを、教育資源として読み取ることができる。 最後にこのようなこれまでの議論を踏まえ、教育リソースという呼び方で、活用目的別分類を行 った上で、. 今日その活用が求められている地域教育リソースとは、各学校において効果的な教育活動と学 校運営を図るために意図的に用いられるリソースのうち、地域社会内に存し、または地域性を有 する人材、物資、施設・場、活動・営為、情報・知恵と広くとらえるのが適当であろう。 というもの*11を示すことができる。. 地域性を有するという部分で、「1 地域の範囲」で示した、校区から物理的・地理的に離れた 卒業生などをどうとらえるかという疑問も残る。しかしそれは、地域の範囲を正しく把握すること で解消できると考える。上記は、地域の教育資源を的確に示しているととらえる。 そこで以上を踏まえて、教育資源とは、人的、物的どちらでも、さらに自然・文化・風土・環境 ・情報に至るまで、地域の中に存在するもので学校の種々の活動に活用できるありとあらゆるもの はすべてであると考える。. そうすると、どの学校でも、どの地域にでも、教育資源があると考えることができる。活用する かどうかの判断は、学校が主体性を持つということになる。活用できるかどうかは、学校の創意工 夫によるということになる。 一9一.
(16) 3 「活用する」という意味 上記の教育資源のとらえ方を考える際に示した中で、すでに「活用する」についても示されてい る。. 子どもに対する体験というとらえ方、児童・生徒のカリキュラムに導入というものと、学校の営 為に貢献という二つのとらえ方、教育目標を達成するというとらえ方等である。. 子どもを対象にして授業等での活用と、学校運営での活用というのが考えられる。 先の教育リソースの活用目的別分類では、教育資源を分類したものと活用目的を教育活動と学校 運営の二つにしたものとをクロスさせてまとめている。. こういつたことから、上記の教育資源のとらえ方で述べた「学校の種々の活動」を、二つの目的 で分類でき、そうすることで「活用する」の意味を示すことができよう。. 一つは、いわゆる教科・領域という、各教科く必修・選択)・道徳・特別活動・総合的な学習の 時間といった教育活動の中での活用である。もう一つは、学校運営の中での活用である。 前者は、教材の開発や講師依頼、施設等の利用という、子どもに直接関わりのある活用である。 また、教育課程外の活動ではあるが、実際上学校で重要な地位を占める課外部活動での活用も考え られる。この場合は、地域在住、地域に関わりのある人材による指導者としての活用、地域内の施 設の利用が考えられる。. 後者は、学校評議員や現在も各地で見られる生徒健全育成の会などの、主として教員と地域の関 わりのある活用である。. 第2節 地域の教育資源の活用内容例 1 活用内容例 一般に市販されている、地域の教育資源の活用の教師向け実践書を中心にして、教育活動におい て、どのような活用がされているのか、把握を試みたものである。 次のような活用内容例がある。なお、下線は、本稿執筆者による。 地域の教育資源の活用内容例. i単元・主題1ね. ら. いi地域の教育資源i配慮点・問題点iねらい以外の成果. 1i情報機器を活用i主体的に行動できるi生活文化、歴史・地i直接体験を重視したi地域の人々との触れ iしての地域調査i資質を身につけさせi理的事象、自然的事i調査活動。情報収集i合いができた。 i研究活動 iるため、社会的・自i象。 i・まとめの記録でコi i i然的事象に目を向けi iンピュータを活用。i i lる。 l i生徒間での学習記録i. −10一.
(17) i. i. i. 2iインターネットi情報活用能力を身にi市のホームページ、 i地域の特色を生かしi自分と地域とのかか ●. iの累積、引き継ぎ。i. 幽. ●. ●. ・. @i等を利用した地iつけ、積極的に情報i商店、川、魚、水道iた課題の選定が重要。iわり、学校や地域に. 3i自主自立. ?. i課題解決への探求活i遺跡、太鼓の演奏をi生徒一人一人の「ふi. i動を通して、盤のiしている人・・植物{るさと麟」を育そi. c Si. iチ脚立」を目指i講煮藩1蹴翻釜雛 「生き方」学習i地域に「開かれた」i書道家、和紙細工家{地域の人々と「共にi学校と地域社会のネ. ●. .. ■. ?鷹譜軽羅麸即統文i右軸難擬鐵姦鐵無. 5i国際理解. i地域の特色を生かしi社寺、遺跡、史跡、 i生徒訪問先への依頼i地域の様々な人々の. 6i国際理解、環境{調査・体験活動を重i河川、企業、ゴミ、 i放課後も自由に個々i地域への所属感。. =. =. =. = : 1福祉、郷土 1視し、学び方や生き1介護施設、文化財、1の課題に取り組める=. 7i海の生き物 1探求する喜びを体験i海・海の生き物、 i何度も何度も出会わi @i iさせる。 i水族館、学芸員。 iせる。 i 8iOOのすてきな所を見つけよう iひじき、工事現場、 i子どもたちが何度もi @i i漁業協同組儀 i町を歩く。 i 9i環境 ?. iホタルが暮らしやすiホタル、地域の川、 i関係者と交流する場i. iい自然環境、人にとi専門家・清流の会・i面・ 『 i i. ? 解. i. iっての環境整備を考i区役所。. iいつでも、自然・人i. i翻ゑかかわりがi. 10i行け行けまちのi地域のものや人とかi公園、保育園の先生」問題解決的な追求とi. 薗T検隊. iかわりながら願いや陣域のおばさん.i実践のプ・セスを子i. ? i響発展させoi 11i自分の生き方を探ろう. ? ?. i罐篶騨i. i史跡、公共施設、企i人と触れ合い、自然i地域との結び付きの. i業地元で鶴i繍縦讃響一十 i. i寒鮒」を育むよi. 12i私の好きな木 i1本の木の、四季をi木、児童公園。. @i. i生きる姿を見る。 i. i. i. i1年間通して観察。 i. 13i勤労体験学習 i豊かな体験を通してi道路、老人ホーム、 i毎年継続して取り組i地元産業にも目を向. @i. i自ら行動できる生徒i史跡、畑、森林。 iむことが効果的。 i颪ようになった。 一11一.
(18) iを育成。. 14iふれ合い学習 iふれ合いを深め、ふi伝統芸能、伝説、地i保護者・地域の方々i子どもたちと保護者 iるさとの心とともに、i場産業、文化的諸行iの絶大な協力。 i地域の人々との親近 1感が増した。 i福祉の心を育てる。i事。 i 参照1∼6:文部省r特色ある教育活動の展閉のための実践事例集(中学校・高等学校編)』1999年。. 7∼8:『日本教育新聞』、1999年12月3日・17日。 9∼10:今谷鄭重編『「総合的な学習」のための地域教材をつくる』教育開発研究所、1993年。. ll∼12:『中学教育』小学館、1998年、12月・1999年、3月。 13∼14:『地域素材の教材化読本』教育開発研究所、1992年。. 2 活用内容例より見えること まず、地域の教育資源について見える。第1節2で考えたように、地域に存在するさまざまな“ モノ・コト”が、教育資源として活用できると考えられる。地域の教育資源として活用できるもの は、無数にある。どこの学校でも、どの教師であっても、地域の教育資源の活用は可能である。 次に、地域の教育資源の活用における、ねらい、配慮点・問題点、成果といったものである。 当然のことながら、それぞれの教科・領域や単元の目標に基づいて、ねらいが組み立てられる。 そのねらいを達成するための配慮点・問題点があり、活用の結果として成果がある。. けれどもこれらの多くの中に、ある特色が見られる。「地域」と「継続」という視点である。 「地域」とは、活用において、その対象となった地域と関わっていくということである。いろい ろな考え方。方法がある。上記も含め多くの活用内容例の中から拾い上げてみると、次のようなも のである。. [地域を対象に]. 町を発見する。すてきな所を見つける。町を紹介する。 [地域に向けて]. 地域で自分たちの力を役立てる。地域のために自分たちが出来ることを考える。 [地域と共に]. 地域の人と生き方を考える。地域とのかかわり、結び付きを考える。地域の中で生きている ことを知る。地域の特色を生かす。 [地域を愛する]. 地域への愛着を持つ。地域文化の理解。新しい文化の創造。ふるさとを大事に。 上の分類はあくまで目安である。ここで大事なのは分類ではなく、こういつたものが、「地域」 の視点として、活用内容例から見えるということである。. 「地域」の教育資源の活用をしているのであるから、あって当たり前かと思われる視点であるが、 教科等のねらいだけに目を向けた場合、忘れられがちな視点である。せっかくの地域の教育資源の 一12一.
(19) 活用である以上、大切な視点である。地域の教育資源の活用と、単なる学校外の教育資源の活用と を区別する、意味ある視点である。. 「継続」には、二つの意味がある。一つは、地域の教育資源の活用というのが、身近な地域にあ るからこそできることである。繰り返し活用の対象とかかわること、それで学習が深められるとい うことである。もう一つは、長期的に見て、活用計画の繰り返しということである。単発のイベン ト的なものに終わらないためにも、改善を加えつつの繰り返しが必要である。「継続」することで、. 活用を発展させるということである。こうした「継続」によって、「地域」という視点とかかわる 機会が増えることになる。. 3 活用内容例より考えるべきこと 活用内容例より見えることを参考にして、自分の地域に当てはまる題材や場所等を考慮して、さ らに、「地域」や「継続」という視点を意識して、教師が考えている教育活動で活用にすぐ取り組 めるであろうか。. 内容によっては、明日からでもできるものがあろう。教師が地域の資源を取材・醸集し、教室に 持ち込む場合である。しかし、それは地域の教育資源の活用の一部門である。たとえ資源を教室に 持ち込む場合でも、それが「人」であるならば、校内の手続きを必要とする。外部との交渉も必要 である。「人」でなくてもそれらが必要な場合がある。. では逆に、子どもたちを地域に出す場合はどうであろうか。資源を教室に持ち込む以上に、もっ と複雑な手順・手続きを要する。. つまり、地域の教育資源の活用を行う授業担当教師の責任で可能なもの、活用にすぐに取り組め るものは、地域の教育資源の活用のほんの一部なのである。地域の教育資源の活用の大部分は、一 教師の責任だけでは済まず、学年や学校全体としての支援が、外部交渉や権限・責任問題の面から 必要となるものである。. 授業担当教師だけで活用が困難なのは、こういつた権限・責任問題だけが理由ではない。 地域の教育資源の活用とは、当たり前のことであるが、地域の教育資源を相手とする。地域の教 育資源は、右から左へと容易に動かせるものではない。地域から学校へ、授業担当教師の都合で教 育資源に来てもらうわけにはいかない。まず、教師が地域へ出なければならない。そうすると、活 用が大掛かりになればなるほど、授業担当教師にさまざまな負担を求めることになる。時間的・金 銭的・肉体的・精神的……。教師個人での負担には限界がある。つまり、教師の個人的努力では手 に負えないことが多いのである。 一13一.
(20) 地域の教育資源の活用には、授業担当教師の努力のみで解決するものと、それでは成り立たない ものがある。そして、地域の教育資源の活用を考えれば考えるほど、後者が増えるということであ る。地域の教育資源の活用ということには、一人一人の教師の努力と工夫というような、これまで の教材開発の考え方の踏襲では、成り立たない面が多いということである。 このように、教師個人で行えないこともある。学校として取り組んでもらわなくてはいけ.ない場. 合もある。教師個人の努力にも限界がある。他の教員の協力を求める場合もある。ところが、この 活用内容例を見ただけでは、地域の教育資源の活用に向けて、学校は何をしたらいいのか、何をす べきなのかが見えないのである。. そこで、地域の教育資源の活用のために、学校の体制・組織にまで注目し、そのあり方を考えな くてはいけないということを、活用内容例より考えるべきなのである。この活用内容例よりは見え ない部分を、つまり内容だけに注目していても明らかにされない部分を、新たな方法で考えるべき だということを、活用内容例から考えるべきなのである。. 第3節 学校教育における地域の教育資源の活用の意義零12. 1 教育効果 地域の教育資源を活用する意義としては、まず第一に、カリキュラム上の意義、これは多様な教 育方法・豊かな教育内容により、教育効果が高まるということが挙げられる。地域・社会から要請 される課題、学校が考える教育課題の解決へ向けて、豊かな指導内容によって教育効果が高まると いうことである。. この、地域の教育資源の活用による教育効果の高まりの理由としては、多くの意見が示されてい る。. 例えば、地域社会における体験活動は子どもたちの興味・関心に基づく自主的・自発的参加であ るからというもの*13、地域の人々との触れ合いにより意志の疎通が図られること、生徒主体の体験. 学習による学習内容の具体化や学習結果が見えることでの学習への取り組みの積極性が図られるか らというもの判4がある。. これらを細分化したものでは、地域の素材の教材化には次の8点の意義、 ①地域に自然・社会の本質・問題が露呈して’いる。. ②学習の対象となる、ひと・もの・ことが現実の自然・社会のなかでどう働いているか、また、 問題を生じているかを、何度でも自分で見たり聞いたり調べることができ、対象を詳しく具体 一14一.
(21) 的に認識するのに有利である。 ③臨場感をもって、共感的認識も得やすい。. ④地域に教材を求めることによって、三下の知識・体験を生かして学習を進めやすい。 ⑤既有の知識・体験を足場にして自分にとって未知なるものを認識することができる。その作業 の足場となる知識・体験を豊かにすることができる。 ⑥何度でも調べ直しができ、調べる力の育成にも役立つ。 ⑦各人の願い・疑問・不安を掘り起こし、学習のエネルギーとしゃすい。 ⑧地域への関心を高め連携していく力量を形成していくことに役立つ。. があるからとしたもの判5などがある。 これらはすべて、視点の重なりがみられたりはするものの、子どもらの身近な資源を活用してい ることから導き出される、教育効果が高まるという意義と関連付けられる。. 地域の教育資源の活用をする意味として次の4点としたものがある*4。上の8点の分類とほぼ同 意味であり、教育効果の高まりが期待されるといえる。 ①子どもの実態からの出発。. ②より具体的な事実に基づいた授業づくり。 ③自ら学ぶ意欲と、主体的な学習。 ④地域との信頼・協力関係。. 2 地域との連携 ところで、地域の教育資源の活用によっては、教育効果の高まりだけが期待されるのであろうか。. 先の教育効果の高まりの理由として挙げた中で、8点に分類した意見の「⑧地域への関心を高め 連携していく力量を形成していくことに役立つ」や、4点に分類した意見の「④地域との信頼・協 力関係」に注目をする。. 確かに、このことが学習者の興味・関心を引き出し、意欲を持たせることで教育効果の高まりに 結び付く。. だが、このような地域への関心・連携、地域との信頼・協力関係が築かれることそのものにも、 意義はなかろうか。. つまり、活用により、地域に目を向け、地域との結び付きが深まるということも、地域の教育資 源の活用の意義であるということである。. 先の「④地域との信頼・協力関係」については、「地域にある素材を教育活動に取り入れるため 一15一.
(22) には、地域の人々の協力を得たり、地域のさまざまな施設を活用したりしなければならない。それ は、教師の教材研究の段階でも、教育活動の段階でも言えることである。つまり、地域にある素材 を教材として用いるということは、その地域にあるものや人に子どもたちが積極的にかかわってい くことを意味するのである。見たり、話を聞いたり、体験したりすることによって、教師と子ども の地域に対する理解と愛着は深まっていく。と同時に、地域の人々も、子どもたちや学校への理解 を深めていく。このようにして、地域素材を媒介にして、学校と地域社会との関係は深まっていく。 学校教育は、地域との信頼・協力関係のうえに成り立つものであるが地域素材の活用はこの基盤づ くりに深くかかわるものと見ることができる。」*4としている。. 地域の教育資源を活用することで、教育効果が高まることはもちろんのこと、学校と地域との結 び付きが深まることにも意味があるのである。. 3 学校内の変革 さらに、地域の教育資源の活用にはもう一つの意義があると考える。 それは、活用を計画し実施することを通じ、地域との連携を図る学校経営として、その体制を整 えることにつながるという面である。. 地域との連携の推進について、「生きる力の育成」と「学校経営の改善」の文脈において、次の ように3つのレベルに分けて示されているものがある零16。. ①学校経営のレベル 「生きる力」の育成という観点から学校教育目標とその具現のための教育計画について見直し、 地域との連携をどう位置づけるか、「生きる力」の育成について、家庭・地域の理解と協力を 得るために何が必要かを考える。. ②教育課程の編成のレベル 教育課程の編成にあたって、家庭・地域の期待・要望、建設的な意見をどう取り入れていくか を考える。. ③実際の教育活動・学習指導の実施のレベル 具体的な学習場面に即して、児童・生徒の地域の生活との関連について協議し、地域施設や人 材の活用について考えていく。. 地域の教育資源の活用の意義として、地域との結び付きが深まるというものがある。そこで、地 域の教育資源の活用は、地域との連携を進めるものの一つであると言える。であるから、活用を通 して上の3つのレベルにおける連携の推進が可能となる。 一16一.
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