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[講演要旨] 静岡県掛川市南部の横須賀城址周辺の地層に見られる1707 年宝永地震の痕跡

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Academic year: 2021

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(1)歴史地震 第 23 号(2008) 155 頁. [講演要旨]静岡県掛川市南部の横須賀城址周辺の地層に見られる 1707年宝永地震の痕跡 藤原. 治 *1・小野映介 *2・佐竹健治 *1・澤井祐紀 *1・海津正倫 *2・矢田俊文 *3・阿部恒平 *4・池田哲哉 *5 ・ 岡村行信 *1 ・佐藤善輝 *2 ・Than Tin Aung *1 ・内田淳一 *6 1:産総研 活断層研究センター,2:名古屋大・院・環境学,3: 新潟大・人文, 4:筑波大・院・生命環境科学,5:復建調査設計㈱,6:熊本大・院・自然科学. 1.はじめに 1707年10月28日(宝永四年十月四日)に南海トラフで発生した宝永地震は,静岡県から四国に 至る広い範囲の沿岸に大きな地殻上下変動を生じた.また,この地震による津波は,伊豆半島か ら九州まで広範囲の沿岸を襲った( e.g. 渡辺,1998).静岡県中部の掛川市南部にあった横須 賀湊は,この地震による隆起で水深が減少し港としての機能が損なわれ,その後衰退したとされ る( e.g. 今村,1943).しかし,この伝承を裏付ける地学的証拠は知られていない.今回,横 須賀湊の跡地で行った掘削調査によって,伝承された隆起の痕跡を確認したので報告する. 2.調査地域と調査方法 調査地は掛川市横須賀にある横須賀城址の南側で,「遠州横須賀惣絵図」(17 世紀後半)に 描かれた「入海」の跡である.明治 23 年測量の陸地測量部による地図では「入海」跡は全て水 田となっており,このエリアは宝永地震と 1854 年安政東海地震に伴う隆起によって完全に陸化 したことが分かる.この「入海」跡でハンディジオスライサー(高田ほか,2002)とハンドコ アラーを用いて,最長で 270 cm 前後のコアを 30 本掘削した.コアの層相記載,加速器質量分 析計による. 14. C 年代測定(㈱パレオ・ラボに依頼),予備的な有孔虫と珪藻の分析を行った.. 3.調査結果と考察 「入海」跡の多くの地点で地下数十 cm(標高 1.1~0.4m前後)の層準に不整合があり,これ を境界に下位の泥炭層あるいはラグーン泥層(暗灰色の粘土層を主体としシジミの殻を稀に含 む)から,上位の湿地堆積物(砂交じりで灰色のシルト層からなる)へと層相が急変する.こ れらの地層からは有孔虫化石は検出されなかったが,汽水や海水に成育する珪藻種の化石が検 出され,海水の影響を受ける入り江や低湿地で堆積したものである. 層相変化が生じた時期は,14 C 年代測定値から 17-18 世紀と推定される.このことから,層相 変化は 1707 年宝永地震に伴う隆起を示すと考えられる.この層相変化境界には,基底に侵食面 を持ち一部に葉理が発達する層厚 10-15cm 前後の含礫粘土層または砂層が挟まれる.この地層 は強い流れから堆積したもので,宝永地震津波による堆積物と考えられる. 4.課題 宝永地震に伴う隆起量を具体的に算定することが重要な課題である.地震の前後での水深変化 を,微化石の分析データや「入海」に出入りしていた船の大きさ(喫水の深さなど)などから復 元していく予定である.宝永地震以外にも,2世紀以降の地層から幾つかの層準で隆起を示唆す る層相変化や液状化痕と考えられる砂脈が認められた.今後,掘削地点や年代測定データなどを 増やして,地層データと歴史地震との対応を解明していく. 本研究は科学研究費補助金(課題番号:18340161,代表者:藤原. - 155 -. 治)により実施した..

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