• 検索結果がありません。

自動車へ全衝突対応の救命機能を搭載するための救急医療実態に基づく傷害予測アルゴリズムの構築とその実証実験 タカタ財団助成研究論文集 ISSN 2185

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "自動車へ全衝突対応の救命機能を搭載するための救急医療実態に基づく傷害予測アルゴリズムの構築とその実証実験 タカタ財団助成研究論文集 ISSN 2185"

Copied!
99
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

自動車へ全衝突形態対応の救命機能を搭載するための

救急医療実態に基づく傷害予測アルゴリズムの構築と

その実証実験

― 平成 21 年度 タカタ財団助成研究論文集 ISSN 2185-8950 ―

(2)

研究実施メンバー

研究代表者

日本大学工学部

西本 哲也

研究担当者

3次救急調査担当:日本医科大学千葉北総病院

阪本 雄一郎

2次救急調査担当:東京慈恵会医科大学柏病院

小山 勉

救急解析担当: むらかみクリニック

村上 成之

衝撃実験担当: 交通安全環境研究所

松井 靖浩

事故調査解析担当:日本大学理工学部

富永 茂

(3)

1 目 次 第1章 緒言 ... 1 第2章 日本外傷データバンクによるわが国の大規模交通外傷データ解析 ... 2 2.1 目的 ... 2 2.2 解析対象データ ... 3 2.3 Psの算出と解析方法 ... 4 2.4 結果 ... 5 2.4.1 解析データの概要 ... 5 2.5 解析1 日本Psモデルの開発と解析 ... 9 2.5.1 日本Psモデルの算出 ... 9 2.5.2 Ps曲線の解析 ... 10 2.5.3 Psカットオフの検討 ... 11 2.6 解析2 車種別のPsモデル ... 12 2.6.1 車種別のPsモデル ... 12 2.6.2 車種別Ps曲線の解析 ... 13 2.6.3 車種別Psカットオフの検討 ... 14 2.6.4 傷害部位の解析 ... 18 2.7 救急活動の実態の解析 ... 22 2.7.1 搬送時間 ... 22 2.7.2 搬送時間と負傷者人数 ... 22 2.7.3 傷害程度ISS別の覚知・現着・現発・病着の解析 ... 24 2.8 実態調査事故例とPs曲線の照合 ... 26 2.9 まとめ ... 27 第3章 2次救急機関の傷害データの解析 ... 28 3.1 目的 ... 28 3.2 調査項目 ... 28 3.3 救急搬送の調査結果 ... 31 3.4 3次救急医療機関と2次救急医療機関の比較 ... 38 3.5 まとめ ... 41 第4章 傷害予測のための事例調査 ... 42 4.1 調査目的と概要 ... 42 4.2 事故調査の方法 ... 42 4.2.1 方針 ... 42 4.2.2 調査地域 ... 42 4.2.3 調査体制および調査方法 ... 44 4.2.4 調査票 ... 45 4.3 調査結果 ... 45 4.3.1 調査事故の概要 ... 45

(4)

2 4.3.2 調査事故10 例の概要 ... 46 4.4 まとめ ... 73 第5章 日本大学の救急救命型ドライブレコーダ ... 74 5.1 目的 ... 74 5.2 自動車救命システムJ-ACNと救急救命型ドライブレコーダ ... 74 5.2.1 自動車救命システムJ-ACN ... 74 5.2.2 救急救命型ドライブレコーダ ... 75 5.2.3 自動通報機能 ... 77 5.2.4 加速度による傷害予測アルゴリズム ... 78 5.2.5 年齢識別アルゴリズム ... 79 5.2.6 衝突方向アルゴリズム ... 79 5.2.7 傷害予測アルゴリズムのまとめ ... 80 5.3 HYGEスレッド実験によるアルゴリズムの検証 ... 80 5.3.1 実験目的と実験方法 ... 80 5.3.2 衝撃実験結果 ... 81 5.4 まとめ ... 85 第6章 アデレード大学における事故調査解析 ... 86 6.1 目的 ... 86 6.2 CASRの活動概要 ... 86 6.3 事故データベース ... 87 6.3.1 TARS(マクロ)データベース ... 87 6.3.2 ミクロ事故調査(In-Depth事故調査) ... 87 6.3.3 傷害レベルのコーディングについて ... 89 6.4 南オーストラリアにおけるヘリコプターによる救急医療体制 ... 89 6.4.1 南オーストラリア救命指令センターMED STAR ... 89

6.4.2 MED STAR Matt Hooper... 90

6.5 まとめ ... 92

第7章 結言 ... 93

(5)

1 第1章 緒言 現状の自動車交通事故における救急活動では,交通事故の覚知から救助,治療までに時間的 ロスを生じており,また正確な事故情報が医師に伝達されにくいため,最適な救急医療が実行 しにくく,防ぎ得る交通事故死亡者が存在している.交通外傷における防ぎ得る交通事故死亡 者は4割にも達すると言われている.これまで研究代表者らは事故記録装置としてのドライブ レコーダの開発に関わり(1)~(3),自動車乗員の傷害予測に焦点をあててドライブレコーダへ救急 救命を搭載する研究を実施してきた(4)~(17)また自動車の予防安全技術への応用のためにドライ バ応答やニアミスについて研究を実施してきた(18)~(23) 本研究では,第3次医療機関(救命救急センター)を中核とした交通事故の実態調査・解析 を行い,傷害と緊急性を判断する全衝突形態対応の自動車搭載予測アルゴリズムの基礎データ を得ることを目的としている. .タクシーに救急救命型ドライブレコー ダを搭載した実証実験の結果では,自動車乗車中乗員の救済も重要であるが,同様に自動車対 自転車,対歩行者,対原付事故が頻発し,車載装置には交通弱者を保護すべく総合的な救済機 能が必要であると考えるに至った. 第2章では,日本外傷学会と日本救急医学会が共同で日本外傷データバンク(Japan Trauma Data Bank:JTDB と略す)を構築しているデータに基づいた解析について述べる.ここでは JTDB に登録されている3次救急医療機関の全外傷データの中から約 5,000 件の交通外傷デー タを抽出し,統計解析手法を用いて日本人版Ps(Probability of survival 予測生存率)の統計 モデルを開発するための解析を実施した. 第3章では,3次救急医療機関の解析結果と比較するために2次救急医療機関である東京慈 恵会医科大学で独自の救急調査を実施し,3次機関と2次機関を比較した結果を述べる. 第4章では,わが国の大学において初めて実施した日本大学と日本医科大学による交通事故 実態調査について述べる.これは,JTDB として交通事故の外傷データが構築されているが, 人体傷害データのみでは自動車技術には不十分であり自動車データが必要であり,傷害程度に 応じた搬送病院の振り分けが適切にできているかを判断する必要ための調査解析である. 第5章では,日本大学で実証実験を実施している救急救命型ドライブレコーダについて,年 齢および衝突方法を考慮した衝撃実験を交通安全環境研究所にて実施した結果を述べる. 第6章では,大学において交通事故調査解析を40 年以上の長期間に亘り実施している豪州 アデレード大学において,事故調査解析の方法,ヘリコブターによる救急搬送について調査し た結果を述べる. 以上の実施に基づき歩行者,自転車,原付および自動車乗員のような全ての衝突形態に対応 する救命機能アルゴリズムの基礎データを得ており,交通事故死傷者ゼロを目指した研究活動 について報告する.

(6)

2

第2章 日本外傷データバンクによるわが国の大規模交通外傷データ解析 2.1 目的

従来,自動車安全技術の開発を目的とした工学分野においては,交通事故による人体の傷害

評価として,主に解剖学的評価であるAbbreviated Injury Scale(以下,AIS と示す)あるい

は,AIS の上位の 3 区分の二乗和で計算される Injury Severity Score(以下,ISS と示す)が

用いられている. 一方,救命救急活動の評価・改善を目的とした医学分野では,予測生存率(Probability of survival:以下,Psと示す)による評価法が米国で開発されている(26)~(31) 救命救急の高度化を目指した傷害予測アルゴリズムを開発するためには,このPs をアルゴ リズムに実装することは有効な手段であると考える. .Psは,1990 年初期

の米国の大規模外傷研究(Major Trauma Outcome Study;以下,MOTS)のデータをもとに,

解剖学的評価ISSに,生理学的評価Revised Trauma Score(以下,RTSと示す)と年齢ファク

タ(55 歳以上かどうか)の 3 つの変数により,当該事故において助かる可能性を統計的に算出

した指標である.Psは臨床データからもその妥当性が証明されている.

しかしながら,このPs を算出する統計モデルは,米国の MOTS データに基づくものであり,

わが国においてもこの統計モデルが使用されているのが現状である.

近年,わが国においても外傷登録システムとして,日本外傷学会と日本救急医学会が共同で

日本外傷データバンク(Japan Trauma Data Bank:以下,JTDBと略す)を作成し,現在ま

で運用されている(25) そこで,本研究ではこのJTDB に登録されている全外傷データの中から,交通外傷データを 抽出し,統計解析手法を用いて,日本人版Ps の統計モデル(以下,日本 Ps モデル)を開発す ることを目的とする. . 特に,次の2 つの Ps モデルの解析を行う. ・今回新たに,日本人Ps モデルを開発し,と従来の米国データによる Ps モデルとの比較を 行い,その相違点を考察する. 解析1. 日本Psモデルの算出 ・乗車車種に着目し,四輪車,二輪車,自転車,歩行者ごとにそれぞれの日本Ps モデルを 開発し,乗車車種の違いによる日本Ps モデルの違いを考察する 解析2 車種別の日本Psの算出 以上の上記2 つの日本 Ps モデルの開発は,わが国で初の試みであり,他に類をみない.そ して,開発した日本Ps モデルと車種別日本 Ps モデルの特徴を考慮して,救命救急用の傷害予 測アルゴリズムへ反映させるためのベースデータとする.

(7)

3 2.2 解析対象データ 2004 年から 2007 年の間に全国の JTDB 登録施設に登録された全外傷データ 20,257 例から, 欠損値処理を施し,交通外傷に限定した5,005 例のデータを抽出し,本研究の解析対象とした. 表 2-1 に解析対象データの抽出条件と抽出過程を示す. さらに 5,005 例のデータについて,患者の乗車していた車種ごとに,①四輪車,②二輪車, ③自転車,④歩行者の4 車種に分類した.表 2-2 にそれぞれの車種ごとのデータ数を示す.② 二輪車が1,740 例と最も多く,次いで①四輪車が 1,234 例,④歩行者 1,075 例,③自転車 956 例となっている. 表2-1. 解析対象のデータ数 データ数 データ抽出条件 備考 20,257 生データ - 11,645 欠損値の処理 Age,Gender,ISS,RTS,survival が揃っているデータのみ抽出 - 5,556 鈍的-交通事故 を抽出 - 5,005 四輪車両運転者(以下,四輪車) 自動二輪車運転者(以下,二輪車) 自転車 歩行者 四輪車助手席,四輪車後 席,二輪車同乗はデータ数 が少ないため今回は解析 対象としない 表2-2. 車種別のデータ数 車種 データ数 四輪車 1234 二輪車 1740 自転車 956 歩行者 1075 計 5005

(8)

4 2.3 Ps の算出と解析方法 Ps は,Champion, H.ら(1990)(26)によって提唱された予測生存率を示す指標であり,解剖 学的重症度ISS と生理学的重症度 RTS に年齢項 Age の 3 つを線形結合としたリスクファクタ

z

とし,式(1)に示すロジスティック回帰モデルで表現される. Age ISS RTS z e Ps z ⋅ + ⋅ + ⋅ + = + = 3 2 1 0 1 1

β

β

β

β

ここで、 (1) 式(1)の Ps モデルの偏回帰係数

β

0

,

β

1,

β

2

,

β

3は,JTDB データを用いて推定される. JTDB データの各患者において観測された ISS,RTS および年齢因子(55 歳以上かどうか) を式(1)に代入することで Ps が計算される.Ps は 0 から 1(100%)までの値とる.Ps=50%は, 生存率が50%であることを意味する.これより,Ps は生理学的所見 RTS と年齢因子を加味し た傷害予測の方法であるといえる. 本研究ではPs 曲線を用いて解析を行う.Ps 曲線とは,横軸に ISS,縦軸に RTS をとり,任 意のPs 値(0~100%)における識別曲線を示す.図 2-1 に Ps 曲線の例を示す. 図1 Ps 曲線(Ps=50%の場合) 図2-1 2 次救急病院で調査した Ps 曲線:Ps=50%の例(24) 同図より,Ps=50%ラインの上の領域は Ps=50%以下となる傷害予測であり救命率は低い. 一方,Ps=50%ラインの下の領域は Ps=50%以上となる傷害予測であり救命率は高いことを 意味する.このPs ラインの変化により車種別,年齢因子別での傷害予測の検討が可能とな る. 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S

L (Motor vehicle) L (Truck) L (Motorcycle) L (Bicycle) L (Pedestrian) D (Motorcycle) D (Pedestrian)

Ps=50% line

Ps 50%以下

救命率は低い

Ps 50%以上

救命率は高い

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S

L (Motor vehicle) L (Truck) L (Motorcycle) L (Bicycle) L (Pedestrian) D (Motorcycle) D (Pedestrian)

Ps=50% line

Ps 50%以下

救命率は低い

Ps 50%以上

救命率は高い

→ Bad Good ←

(9)

5 2.4 結果 2.4.1 解析データの概要 図2-2 に年齢層を 5 歳刻みとしたときの患者人数の分布と死亡率の関係を示す.死亡率は式 (2)のように計算した. 100 (%) 生存者数 死亡者数 死亡者数 死亡率 × + = (2) 同図より,患者人数は20-24 歳前後の若者層と 55-59 歳前後の高齢者層の 2 つの層に多く分 布している.一方,死亡率は,50-55 歳から高くなる傾向を示している.特に 65 歳-69 歳以上 になると,20-24 歳前後に比べ 2 倍以上の死亡率を示している. 0 25 50 75 100 0 200 400 600 800 1000 死亡率 (%) 人数 年齢 人数 死亡率 図2-2 年齢層(5 歳刻み)別の患者数と死亡率の関係(全車種:N=5,005) 図2-3 から図 2-6 に四輪車,二輪車,自転車,歩行者ごとの患者人数の分布と死亡率の関係 を示す. 図2-3 より,四輪車は 20-24 歳前後の若者層と 55-59 歳前後の高齢者層の 2 つ人数のピーク があり,65 歳以上から死亡率が増加する.図 2-4 より,二輪車は 15-19 歳と 20-24 歳前後の若 者層の人数が多高齢者層の人数は少ない.自転車 図2-5 より,自転車は,5 歳~20 歳の未成年者と 50 歳以上の高齢者の人数が多い.図 2-6 より,歩行者は5-9 歳と 55 歳以上の人数が多い.自転車および歩行者とも死亡率は 55 歳以上 から高くなる. 以上より,死亡率は年齢55 歳以上から高くなることから,傷害予測においては年齢 55 歳以 上が重要なリスクファクタの1 つであると考える.

(10)

6 0 25 50 75 100 0 50 100 150 200 250 300 350 死亡率 (%) 人数 年齢 人数 死亡率 図2-3 年齢層(5 歳刻み)別の患者数と死亡率の関係(四輪車:n=1,234) 0 25 50 75 100 0 50 100 150 200 250 300 350 死亡数 (%) 人数 年齢 人数 死亡率 図2-4 年齢層(5 歳刻み)別の患者数と死亡率の関係(二輪車:n=1,740)

(11)

7 0 25 50 75 100 0 50 100 150 200 250 300 350 死亡率 (%) 人数 年齢 人数 死亡率 図2-5 年齢層(5 歳刻み)別の患者数と死亡率の関係(自転車:n=956) 0 25 50 75 100 0 50 100 150 200 250 300 350 死亡率 (%) 人数 年齢 人数 死亡率 図2-6 年齢層(5 歳刻み)別の患者数と死亡率の関係(歩行者:n=1075)

(12)

8 図2-7 に年齢区分 55 歳前後での死亡率の車種別に示す.死亡率は,54 歳以下に比べ 55 歳 以上で高くなる.四輪車,二輪車,歩行者の死亡率は54 歳以下に比べ 55 歳以上で約 2 倍程度 高くなるのに対し,自転車は,3 倍程度高くなる. 12.4 20.3 8.7 15.3 10.0 28.9 16.8 39.8 0 10 20 30 40 50 54歳以下 55歳以上 死亡率(%) 年齢 ①四輪車 ②二輪車 ③自転車 ④歩行者 図2-7 年齢区分55 歳前後と死亡率の関係 図2-8 に年齢区分 55 歳前後での解剖学的評価 ISS の各患者ごとの平均値と標準偏差を車種 別に示す.ISS も,54 歳以下に比べ 55 歳以上で高くなっている. 図2-9 に年齢区分 55 歳前後での生理学的評価 RTS の各患者ごとの平均値と標準偏差を車種 別に示す.RTS も,54 歳以下に比べ 55 歳以上で高くなっている. 15.9 16.7 15.6 18.6 18.619.4 20.9 25.3 0 15 30 45 60 75 54歳以下 55歳以上 IS S 平均値 年齢 ①四輪車 ②二輪車 ③自転車 ④歩行者 図2-8 年齢区分55 歳前後と ISS の関係 7.1 6.5 7.0 7.1 6.4 6.8 6.4 5.6 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 54歳以下 55歳以上 RT S 平均値 年齢 ①四輪車 ②二輪車 ③自転車 ④歩行者 図2-9 年齢区分 55 歳前後と RTS の関係

(13)

9 2.5 解析1 日本 Ps モデルの開発と解析 2.5.1 日本Ps モデルの算出 解析対象のデータ(N=5,005)に対してロジスティック解析を行った.ロジスティック解析 の結果から得られた日本Ps モデルの各パラメータ係数を表 2-3 に示す.同表には,Champion ら(1990)の米国 Ps モデルも比較のために併記してある.日本 Ps モデルは,交通外傷のみのデ ータ,米国Ps モデルは全外傷データを含んだモデルである.同表より,日本 Ps モデルの RTS, ISS および年齢項の各パラメータ係数βi は有意であった(p<.001).これより,日本 Ps モデ ルの統計的妥当性は保証されている. 日本Ps モデルと米国 Ps モデルの RTS,ISS および年齢項の各パラメータ係数βi に大きな 違いはない結果となった. 表2-3 日本 Ps モデルのパラメータ推定結果 モデル 日本Psモデル 米国Psモデル Champion et al (1990) 対象範囲 交通外傷データ 全外傷データ データ数 N=5,005 N=15,754 変数 パラメータ係数βi 標準誤差 p値 パラメータ係数βi 標準誤差 p値 Intercept -1.618995 0.285113 <0.001 -1.247 - -RTS 0.936154 0.038447 <0.001 0.9544 - -ISS -0.071012 0.005126 <0.001 -0.0768 - -年齢項 (55歳以上) -1.480561 0.134857 <0.001 -1.9052 - -次に,算出した日本Ps モデルを用いて,ベンチマークで Ps 値を算出した結果を米国 Ps モ デルと比較する. Ps の計算条件は,重症度とみなされる ISS=9,RTS=4 をベンチマーク問題とし,年齢項を 54 歳以下と 55 歳以上の 2 パターンで Ps を算出した.その結果を表 2-4 に示す.年齢項を 54 歳以下の場合は,日本Ps モデルの Ps は米国に比べて低い.55 歳以上では,日本 Ps モデルの Ps は米国 Ps モデルと同等の結果となった. 表2-4 日本 Ps モデルのベンチマーク Ps 予測結果 日本Psモデル 米国Psモデル ISS 9 RTS 4 年齢 54歳以下 ISS 9 RTS 4 年齢 55歳以上 Ps(%) No. 計算条件

50.1

49.4

1 2

81.6

86.8

(14)

10 2.5.2 Ps 曲線の解析 日本Ps モデルを用いて,Ps 曲線を作成した.図 2-10 に Ps=50%とした場合の日本 Ps モデ ルによるPs 曲線を示す.同図の破線が年齢項 54 歳以下の Ps 曲線を示し,実線が 55 歳以上 のPs 曲線を示している. 同図より,RTS,ISS および Ps(=50%)曲線で囲まれる面積をみると,54 歳以下に比べ 55 歳以上の場合は,面積が小さくなっている.Ps=50%を目標とすると,55 歳以上は 54 歳以 上に比べ ISS が小さく RTS が大きい値でなければならない.例えば,ISS=9 の場合では, Ps=50%を目標とするならば 54 歳以下では RTS=2.5 程度でも大丈夫であるが,55 歳以上では RTS=4 以上でなければ Ps=50%を達成できないことを意味する. 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 15 30 45 60 75 ISS Good←      →Bad R TS B ad ← → G o o d 日本Psモデル(55歳以上) 日本Psモデル(54歳以下) Ps=50% line 9 4 2.5 G ood ← → B ad 図2-10 日本 Ps モデルによる Ps 曲線(Ps=50%の場合)

(15)

11 2.5.3 Ps カットオフの検討 日本Ps モデルを用いて,Ps=50%, 60%,70%,80%,90% と変化させて場合の Ps 曲線を 年齢項54 歳以下を図 2-11,年齢項 55 歳以上を図 2-12 にそれぞれ示す.図中のプロットは, ◆(色付き)が死亡例,□(白抜き)が生存例を示す.これより,Ps=50%以上の領域におい ても死亡例が多くみられる.このことから,Ps=80~90%程度がカットオフとして適当である と考えられる. 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(54歳以下) Ps=60%(54歳以下) Ps=70%(54歳以下) Ps=80%(54歳以下) Ps=90%(54歳以下) 図2-11 54 歳以下での Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(55歳以上) Ps=60%(55歳以上) Ps=70%(55歳以上) Ps=80%(55歳以上) Ps=90%(55歳以上) 図2-12 55 歳以上での Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%)

(16)

12 2.6 解析2 車種別のPs モデル 2.6.1 車種別のPs モデル 前節で作成した日本Ps モデルにおいて,車種別にデータセットを分割し,車種別 Ps モデル を作成した.作成した四輪車Ps モデル,二輪車 Ps モデル,自転車 Ps モデルおよび歩行者 Ps モデルのパラメータ推定結果を表2-5 に示す.同表より,それぞれの車種別の RTS,ISS およ び年齢項の各パラメータ係数βi は有意(p<.001)であり,車種別 Ps モデルの統計的妥当性は 保証されている. 表2-5 車種別 Ps モデル結果 モデル 四輪車Psモデル 二輪車Psモデル データ数 n=1234 n=1749 変数 パラメータ係数 βi 標準誤差 p値 パラメータ係数βi 標準誤差 p値 Intercept -1.43614 0.55444 <0.01 -1.491506 0.503958 <0.01 RTS 0.90092 0.07368 <0.001 0.930784 0.068632 <0.001 ISS -0.07017 0.01098 <0.001 -0.065667 0.009301 <0.001 年齢項 (55歳以上) -1.12875 0.30407 <0.001 -1.226111 0.287522 <0.001 モデル 自転車Psモデル 歩行者Psモデル データ数 n=936 n=1075 変数 パラメータ係数βi 標準誤差 p値 パラメータ係数βi 標準誤差 p値 Intercept -3.7115 0.827 <0.001 -1.027347 0.489603 <.0.05 RTS 1.18587 0.11398 <0.001 0.855995 0.065332 <0.001 ISS -0.0674 0.01234 <0.001 -0.07695 0.009677 <0.001 年齢項 (55歳以上) -1.34716 0.2829 <0.001 -1.53612 0.275701 <0.001 表2-6 に,車種別 Ps モデルでのベンチマーク Ps 予測結果を示す.同表より,全ての車種に おいて,54 歳以下に比べ,55 歳以上で Ps が低下していることがわかる.特に,自転車の Ps が低く,救命を要する車種といえる. 表2-6 車種別 Ps モデルのベンチマーク Ps 予測結果 四輪車 Psモデル Psモデル二輪車 Psモデル自転車 Psモデル歩行者 ISS 9 RTS 4 年齢 54歳以下 ISS 9 RTS 4 年齢 55歳以上 計算条件 1

82.3

84.6

28.5

54.2

Ps(%) 2

60.0

60.2

60.5

83.8

No.

(17)

13 2.6.2 車種別Ps50%曲線の解析 図2-13 と図 2-14 に車種別の Ps 曲線について,Ps=50%とした場合の年齢項 54 歳以下と 55 歳以上をそれぞれ示す.同図より,年齢項54 歳以下と 55 歳以上とも,自転車 Ps の曲線で囲 まれる面積が四輪車,二輪車および歩行者に比べて小さい.

0.0

1.5

3.0

4.5

6.0

7.5

0

15

30

45

60

75

RT

S

ISS

①四輪車 ②二輪車 ③自転車 ④歩行者 図2-13 車種別 Ps50%曲線(年齢項 54 歳以下) 0.0 1.5 3.0 4.5 6.0 7.5 0 15 30 45 60 75

RT

S

ISS

①四輪車 ②二輪車 ③自転車 ④歩行者 図2-14 車種別 Ps50%曲線(年齢項 55 歳以上)

(18)

14 2.6.3 車種別Ps カットオフの検討 図2-15 から図 2-22 に,車種別の Ps カットオフ図を示す. 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(54歳以下) Ps=60%(54歳以下) Ps=70%(54歳以下) Ps=80%(54歳以下) Ps=90%(54歳以下) 図2-15 54 歳以下での四輪車 Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(55歳以上) Ps=60%(55歳以上) Ps=70%(55歳以上) Ps=80%(55歳以上) Ps=90%(55歳以上) 図2-16 55 歳以上での四輪車 Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%)

(19)

15 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(54歳以下) Ps=60%(54歳以下) Ps=70%(54歳以下) Ps=80%(54歳以下) Ps=90%(54歳以下) 図2-17 54 歳以下での二輪車 Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(55歳以上) Ps=60%(55歳以上) Ps=70%(55歳以上) Ps=80%(55歳以上) Ps=90%(55歳以上) 図2-18 55 歳以上での二輪車 Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%)

(20)

16 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(54歳以下) Ps=60%(54歳以下) Ps=70%(54歳以下) Ps=80%(54歳以下) Ps=90%(54歳以下) 図2-19 54 歳以下での自転車 Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(55歳以上) Ps=60%(55歳以上) Ps=70%(55歳以上) Ps=80%(55歳以上) Ps=90%(55歳以上) 図2-20 55 歳以上での自転車 Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%)

(21)

17 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(54歳以下) Ps=60%(54歳以下) Ps=70%(54歳以下) Ps=80%(54歳以下) Ps=90%(54歳以下) 図2-21 54 歳以下での歩行者 Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 ISS RT S 生存 死亡 Ps=50%(55歳以上) Ps=60%(55歳以上) Ps=70%(55歳以上) Ps=80%(55歳以上) Ps=90%(55歳以上) 図2-22 55 歳以上での歩行者 Ps カットオフ(50%,60%,70%,80%,90%)

(22)

18 2.6.4 傷害部位の解析 (1) 車種と傷害部位の相関 表2-7 に車種別の傷害部位の構成比率を示す.傷害部位は患者 1 名に対して複数ある場合も ありその合計箇所数をカウントしてある.図2-23 車種別の傷害部位の構成率を示す. 自転車と歩行者は頭部の比率が多い.特に,自転車は全体の約44%が頭部を受傷しており, 重症化しやすいことが分かる.歩行者は頭部について下肢の比率も多くなっている.一方,四 輪車と二輪車は,頭部と下肢の比率が同程度である.これより,車種を特定することで,その 患者の傷害部位のおおまかな推定ができる可能性がある. 表2-7 車種別の傷害部位の構成比率 全件数 (=1234)四輪車 (=1739)二輪車 自転車(=956) (=1075)歩行者 合計 頭部 (人数) 814 1544 1570 1651 5579 (構成率) 17.9% 21.9% 43.5% 35.6% 28.1% 顔部         (人数) 522 949 397 387 2255 (構成率) 11.5% 13.4% 11.0% 8.3% 11.4% 頚部         (人数) 26 19 9 9 63 (構成率) 0.6% 0.3% 0.2% 0.2% 0.3% 胸部         (人数) 914 1022 354 614 2904 (構成率) 20.1% 14.5% 9.8% 13.2% 14.6% 腹部および骨盤内臓器(人数) 437 417 156 230 1240 (構成率) 9.6% 5.9% 4.3% 5.0% 6.2% 脊椎         (人数) 326 321 172 189 1008 (構成率) 7.2% 4.5% 4.8% 4.1% 5.1% 上肢         (人数) 426 1040 355 429 2250 (構成率) 9.4% 14.7% 9.8% 9.3% 11.3% 下肢         (人数) 993 1584 542 1066 4185 (構成率) 21.8% 22.4% 15.0% 23.0% 21.1% 体表・熱傷・その他傷害(人数) 88 167 53 62 370 (構成率) 1.9% 2.4% 1.5% 1.3% 1.9% 合計        (人数) 4546 7063 3608 4637 19854 (構成率) 100% 100% 100% 100% 100% 四輪車 二輪車 自転車 歩行者 0% 10% 20% 30% 40% 50% 傷害部位構成率 傷害部位 図2-23 車種別の傷害部位の構成率

(23)

19 (2) AIS 3 をカットオフとした傷害部位と車種との相関 表2-8 に AIS2 以下の傷害部位と車種との相関を示す.図 2-24 に車種別での AIS2 以下の最 大傷害部位の分布を示す. 表2-8 AIS2 以下の傷害部位と車種との相関 全件数 四輪車 (=1234) 二輪車 (=1739) 自転車 (=956) 歩行者 (=1075) 小計 頭部        (人数) 306 464 452 504 1726 (構成率) 11.7% 24.7% 10.7% 21.3% 15.6% 顔部        (人数) 503 392 927 375 2197 (構成率) 19.2% 20.9% 21.9% 15.9% 19.8% 頚部        (人数) 21 8 17 6 52 (構成率) 0.8% 0.4% 0.4% 0.3% 0.5% 胸部        (人数) 258 78 200 102 638 (構成率) 9.9% 4.2% 4.7% 4.3% 5.8% 腹部および骨盤内臓器(人数) 231 81 255 135 702 (構成率) 8.8% 4.3% 6.0% 5.7% 6.3% 脊椎        (人数) 189 99 225 131 644 (構成率) 7.2% 5.3% 5.3% 5.5% 5.8% 上肢        (人数) 371 320 922 370 1983 (構成率) 14.2% 17.1% 21.8% 15.6% 17.9% 下肢        (人数) 656 379 1072 680 2787 (構成率) 25.0% 20.2% 25.3% 28.8% 25.1% 体表・熱傷・その他傷害(人数) 84 54 165 62 365 (構成率) 3.2% 2.9% 3.9% 2.6% 3.3% 合計        (人数) 2619 1875 4235 2365 11094 (構成率) 100% 100% 100% 100% 100% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 四輪車 自転車 二輪車 歩行者 頭部 顔部 頚部 胸部 腹部 脊椎 上肢 下肢 体表 図2-24 車種別での AIS2 以下の最大傷害部位の分布

(24)

20 表2-9 に AIS3 以上の傷害部位と車種との相関を示す.図 2-25 に車種別での AIS3 以上の最 大傷害部位の分布を示す. 重症化しやすい頭部は,自転車が 63.8%,歩行者が 50.4%と全体の半数以上を占めている. また自転車は,頭部に次いで胸部が15.9%となっている.歩行者は,胸部と下肢の比率が高い. 一方,四輪車は,胸部が33.9%と最も多く,ついで頭部と下肢が多い.二輪車は,東部が 38.5% で最も多く,次いで,胸部と下肢が多い. 表2-9 AIS3 以上の傷害部位と車種との相関 全件数 四輪車 (=1234) 二輪車 (=1739) 自転車 (=956) 歩行者 (=1075) 小計 頭部        (人数) 509 1108 1092 1146 3855 (構成率) 26.3% 63.8% 38.5% 50.4% 43.9% 顔部        (人数) 19 6 24 13 62 (構成率) 1.0% 0.3% 0.8% 0.6% 0.7% 頚部        (人数) 5 1 2 3 11 (構成率) 0.3% 0.1% 0.1% 0.1% 0.1% 胸部        (人数) 657 277 823 512 2269 (構成率) 33.9% 15.9% 29.0% 22.5% 25.8% 腹部および骨盤内臓器 (人数) 210 74 163 95 542 (構成率) 10.8% 4.3% 5.8% 4.2% 6.2% 脊椎        (人数) 138 72 96 60 366 (構成率) 7.1% 4.1% 3.4% 2.6% 4.2% 上肢        (人数) 56 34 118 62 270 (構成率) 2.9% 2.0% 4.2% 2.7% 3.1% 下肢        (人数) 338 165 515 385 1403 (構成率) 17.4% 9.5% 18.2% 16.9% 16.0% 体表・熱傷・その他傷害(人数) 5 0 1 0 6 (構成率) 0.3% 0% 0% 0% 0.1% 合計        (人数) 1937 1737 2834 2276 8784 (構成率) 100% 100% 100% 100% 100% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 四輪車 自転車 二輪車 歩行者 頭部 顔部 頚部 胸部 腹部 脊椎 上肢 下肢 体表 図2-25 車種別での AIS3 以上の最大傷害部位の分布

(25)

21 表2-10 に車種別にみた AIS3 以上の傷害部位の関係を示す.四輪車は,エアバッグ普及によ り,頭部の重症外傷は少ないが,胸部,腹部,脊椎を重症化している実態が明らかとなった. また,今回の分析は運転席乗員のみを対象としたが,後席で頚部を受傷する頻度が高い報告も ある.自動車の車室内乗員のさらなる保護には,乗員耐性の個体差に適用した胸部,腹部,脊 椎の重症傷害を低減する装置の開発が望まれる. 二輪車および自転車は,車両構造上,頭部の重症外傷が多い.特に自転車の重症頭部外傷は 全体の約6 割以上を占める.自転車は,胸部外傷の比率も多いのが特徴である. 歩行者は,頭部,胸部に加え,下肢で重症化する傾向がある. 表2-10 車種別にみた AIS3 以上の傷害部位 傷害部位 車 種 四輪車 二輪車 自転車 歩行者 頭部 ◎ ◎ ◎ 顔部 頚部 胸部 ◎ ◎ ◎ 腹部 ◎ 脊椎 ◎ 上肢 下肢 ○ ◎ 体表 ◎ AIS3+が多い ○ AIS3+がやや多い

(26)

22 2.7 救急活動の実態の解析 2.7.1 搬送時間 解析対象の 5,005 件のデータから搬送時間に関するデータの欠損値を含むデータを削除し, 搬送時間を算出した.その結果を以下に示す. 覚知~現着:データ数=4951 現着~現発:データ数=4950 現着~病着:データ数=4952 また,参考値として,図2-26 に平成 10 年から 10 年間の覚知―現着平均時間と現着―病着 平均時間を示す. 6.0 6.1 6.1 6.2 6.3 6.3 6.4 6.5 6.6 7.0 7.7 26.7 27.1 27.8 28.5 28.8 29.4 30.0 31.1 32.0 33.4 35.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 (分) (年) 現場到着時間 病院収容時間 図2-26 平成 10 年から 11 年間の覚知―現着平均時間と現着―病着平均時間 (平成21 年度版消防白書より抜粋) 2.7.2 搬送時間と負傷者人数 図2-27 に覚知~現着までの搬送時間を示す.この区間では 5 分~15 分までの時間帯に殆 どの負傷者数が集中していた.図2-28 は現着~現発区間における所要時間であるが,この区 間では前述の区間の所要時間に比べ長い時間帯の5 分~20 分に所要時間が集中する.さらに 現着から病着までの時間(図2-29)と比較すると,10 分から 40 分の間に負傷者が集中して いる事から,現場到着の際に病着までの所要時間の半分は費やされている事が分かる.

(27)

23 1125 (22.7%) 2797 (56.5%) 674 (13.6%) 175 (3.5%) 65 (1.3%) 40 (0.8%) 37 (0.7%) 12 (0.3%) 7 (0.2%) 19 (0.4%) 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 負傷者数(人) 時間 平均時間 8.3分 図2-27 覚知から現着までの搬送時間と負傷者人数分布(N=4951) 82 (1.7%) 1044 (21.1%) 1733 (35.0%) 1010 (20.4%) 486 (9.8%) 254 (5.1%) 341 (6.9%) 0 500 1000 1500 2000 負傷者数(人) 時間 平均時間 16.5分 図2-28 現着から現発までの搬送時間と負傷者人数分布(N=4950) 58 (1.2%) 1140 (23.0%) 1675 (33.8%) 1054 (21.3%) 535 (10.8%) 198 (4.0%) 203 (4.1%) 37 (0.7%) 52 (1.1%) 0 500 1000 1500 2000 負傷者数(人) 時間 平均時間 31.8分 図2-29 現着から病着までの搬送時間と負傷者人数分布(N=4952)

(28)

24

2.7.3 傷害程度ISS 別の覚知・現着・現発・病着の解析

表2-11 に覚知-現着までの時間と傷害程度及び ISS 別の負傷者数を示す.図 2-30 覚知-現

着時間と死亡率を示す.同図より,覚知-現着時間が 5 分以上で死亡率が高くなっている.

表2-11 覚知-現着までの時間と傷害程度及び ISS 別の負傷者数

ISS 1~8 ISS 9~15 ISS 16~27 ISS 28以上 計 ISS 1~8 ISS 9~15 ISS 16~27 ISS 28以上 計

0 8 61 89 158 248 323 299 117 987 8 29 185 283 505 566 749 739 281 2335 2 7 37 71 117 145 205 167 53 570 0 2 10 15 27 38 44 56 13 151 0 1 5 9 15 12 14 23 3 52 0 1 3 9 13 7 6 13 2 28 1 0 4 1 6 8 8 9 7 32 0 0 1 1 2 5 4 0 2 11 0 0 0 0 0 1 2 4 0 7 0 1 0 3 4 1 9 4 1 15 30分以上40分未満 40分以上50分未満 50分以上60分未満 60分以上 死亡 15分以上20分未満 20分以上25分未満 25分以上30分未満 生存 5分未満 5分以上10分未満 10分以上15分未満 損傷程度・ISS 覚知~現着 13.8 17.8 17.0 0 5 10 15 20 25 5分未満 5分以上10分未満 10分以上15分未満 死亡率(%) 時間 図2-30 覚知-現着時間と死亡率 0.0 2.4 1.4 1.4 3.7 3.3 16.9 20.0 18.1 43.2 50.2 57.3 0 10 20 30 40 50 60 5分未満 5分以上10分未満 10分以上15分未満 死亡率 (%) 時間 ISS 1~8 ISS 9~15 ISS 16~27 ISS 28以上 図2-31 覚知-現着時間と ISS レベル別死亡率

(29)

25

表2-12 に覚知-現着までの時間と傷害程度及び ISS 別の負傷者数を示す.図 2-32 覚知-現

着時間と死亡率を示す.同図より,覚知-病着時間と死亡率には関係はみられない.

表2-12 覚知-病着までの時間と傷害程度及び ISS 別の負傷者数

ISS 1~8 ISS 9~15 ISS 16~27 ISS 28以上 計 ISS 1~8 ISS 9~15 ISS 16~27 ISS 28以上 計

0 0 0 1 1 0 1 1 0 2 0 0 0 1 1 0 1 1 0 2 0 1 1 5 7 12 8 13 4 37 0 4 25 49 78 75 69 78 25 247 1 5 56 69 131 143 157 169 65 534 4 9 53 66 132 154 203 220 83 660 1 15 87 117 220 303 398 350 129 1180 2 5 49 72 128 187 258 216 85 746 1 5 14 45 65 76 127 128 46 377 2 3 21 65 91 92 165 163 51 471 死亡 生存 5分未満 5分以上10分未満 10分以上15分未満 15分以上20分未満 20分以上25分未満 25分以上30分未満 30分以上40分未満 40分以上50分未満 50分以上60分未満 60分以上 覚知~病着 損傷程度・ISS 19.1 15.2 16.2 0 5 10 15 20 25 30分未満 30分以上60分未満 60分以上 死亡率(%) 時間 図2-32 覚知-病着時間と死亡率 1.3 0.7 2.1 4.7 3.1 1.8 21.9 17.8 11.4 51.9 47.4 56.0 0 10 20 30 40 50 60 30分未満 30分以上60分未満 60分以上 死亡率(%) 時間 ISS 1~8 ISS 9~15 ISS 16~27 ISS 28以上 図2-33 覚知-病着時間と ISS レベル別死亡率

(30)

26 2.8 実態調査事故例とPs 曲線の照合 図2-34 と図 2-35 に実態調査事例から抽出した四輪車事故 9 例と四輪車 Ps 曲線の照合を行 った結果をそれぞれ示す.実態調査事例は全て生存例である. 図2-34 より,54 歳以下の事故例は全て Ps=90%以上の領域であり,実際に生存である. 図2-35 より,55 歳以上の事故例では,1 例が Ps=80~90%,他 2 例は Ps=90%以上の領域 であった. 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 RT S ISS Ps=50%(54歳以下) Ps=60%(54歳以下) Ps=70%(54歳以下) Ps=80%(54歳以下) Ps=90%(54歳以下) 事例:2009-002 年齢:21 Ps=99.6% ISS1 RTS7.84 事例:2009-003 2010-001 2010-002 年齢:18, 29, 54 Ps=99.5%, 99.5%, 99.5% ISS5 RTS7.84 事例:2009-005 年齢:37 Ps=99.2% ISS13 RTS7.84 事例:2010-005 年齢:18 Ps=99.3% ISS6 RTS7.55 図2-34 四輪車の実態調査事例と Ps 曲線(54 歳以下)の関係 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 RT S ISS Ps=50%(55歳以上) Ps=60%(55歳以上) Ps=70%(55歳以上) Ps=80%(55歳以上) Ps=90%(55歳以上) 事例:2010-004 年齢:66 Ps=94.4% ISS20 RTS7.84 事例:2009-001 年齢:72 Ps=80.4% ISS38 RTS7.55 事例:2010-003 年齢:73 Ps=96.8% ISS8 RTS7.55 図2-35 四輪車の実態調査事例と Ps 曲線(55 歳以上)の関係

(31)

27 図2-36 に実態調査事例から抽出した二輪車事故 1 例と四輪車 Ps 曲線の関係を示す.この事 故例の乗員は54 歳以下であるため,二輪車 Ps 曲線も 54 歳以下のみを示す. 同図より,この二輪車事故はPs=90%以上の領域であり,実際に生存であった. 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 RT S ISS Ps=50%(54歳以下) Ps=60%(54歳以下) Ps=70%(54歳以下) Ps=80%(54歳以下) Ps=90%(54歳以下) 事例:2009-004 年齢:22 Ps=99.5% ISS5 RTS7.84 図2-36 二輪車の実態調査事例と Ps 曲線(54 歳以下)の関係 2.9 まとめ 本章では日本外傷データバンクに登録されている全2 万件の外傷データから,交通外傷デー タに着目して解析を行った. 以下に得られた結果を要約する. 1) 日本では,年齢が 55 歳以上から死亡率が増加する.これまでは 65 歳を高齢者としそ の対策を行ってきたが,本分析結果より55 歳以上を対象とすることが望ましい. 2) 統計的有意性満足する日本 Ps モデルを作成することができた.日本 Ps モデルは従来 の米国Ps モデルとほぼ同等な特性を持つことが分かった. 3) さらに統計的有意性満足する車種別 Ps モデルを作成することができた.これは,他に 類をみないモデルである.車種別のPs 曲線の解析から,自転車事故は重症化しやすく, 四輪車,二輪車,歩行者に比して救命を要する. 4) 車種別の傷害部位の詳細解析から,車種と AIS3+の傷害部位に相関がみられた.この ことは車種を特定することで,重症化している傷害部位おおまかに予測することが可能 であることが示唆された. 5) 事故実態調査事例 10 件と車種別 Ps 曲線との照合を行った.その結果,全ての事故例 でPs=80%以上と予測され,実際にも生存していることを確認した.

(32)

28 第3章 2次救急機関の傷害データの解析 3.1 目的 第2章で実施した3次救急医療機関の日本外傷データバンクの解析結果と比較するために 2次救急医療機関である東京慈恵会医科大学付属柏病院を中核として,救急隊の搬送活動に基 づく救急調査を実施した.この調査の目的は2次救急と3次救急に搬送される患者の重症度に 差異があるかどうか,搬送時間にも差異があるかを確認するためである.本調査は東京慈恵会 医科大学の倫理承認を得て実施している. 調査期間は表3-1 に示すとおり1年9ヶ月であり,136 件の調査を実施した.また,救急隊 員が搬送した患者の該当する乗車車種は表3-2 のとおりである. 表3-1 調査期間と調査件数(年齢,車種が入力されているデータ) 調査期間 件数 平成20 年 2 月 14 日~平成 21 年 11 月 25 日 136 件 表3-2 車種別調査件数 車種 調査件数 四輪車 57 二輪車 32 自転車 25 歩行者 22 136 3.2 調査項目 救急調査表は表3-3 のとおりであり,救急隊員が病院へ負傷者を搬送した際に記入する方式 をとっている.調査項目は事故の概要,GCS 等のバイタルサイン,慈恵会医科大学付属柏病院 へ搬送した理由,車体変形情報からなっている.2章の外傷データバンクJTDB 調査と異なる のは,本調査は生理学的評価GCS 等のみの調査であり,解剖学的評価 ISS や AIS による評価 を実施していないことである.解剖学的評価はAIS コーデイングのためにカルテ情報の再調査 を実施する必要があり,今回は救急隊員が搬送した情報に基づいた調査を実施した.

(33)

29 表3-3(1) 東京慈恵会医科大学柏病院―日本大学 救急隊の方へ お手数ですが,下記の項目を記入の上,看護師か救急部医師まで手渡しして下さい. 来院日 (外来カルテに入れます) 患者整理No 性別 男・女 年齢 歳 ヶ月 事故発生日時 平成 年 月 日 事故発生時間(推測) 時 分 覚知時間 : ,現着時間 : ,現発時間 : ,病着時間 : レスキュー隊の出動 □あり □なし ;救急救命士の同乗 □あり □なし ; , ドクターカーの出動 □あり □なし 事故の概要: 患者さんは,( )に乗車しており,約( )km/h で走行中に, 相手車( )に衝突した. 事故発生場所(住所) その他( 患者さんの状態(主訴を含む): 現場バイタルサイン: 意識レベル(現着) 呼吸回数 □

GCS E ( ) V ( ) M ( )

意識クリア

/回 ;血圧 / mmHg ;脈拍

SpO2

/分 %(現場での測定値) ;皮膚温度 ショック症状 □ あり □ なし ;心停止 □はい □いいえ 搬送中の容体変化 □あり □なし ℃ 意識レベルの搬送中の変化 □ あり 病着直前

GCS E ( ) V ( ) M ( )

□なし 受傷機転: 正面衝突 □はい □いいえ ;車外放出 □はい □いいえ ;車両の横転 □はい□いいえ 救出に 20 分以上要した □はい □いいえ ;5m 以上跳ね飛ばされた □はい □いいえ 特定行為の施行: 酸素投与 □はい ( L/分) □いいえ 徐細動器の使用 □はい □いいえ ;油圧式カッターの使用 □はい □いいえ その他 ( ) 事故発生状況略図:

(34)

30 表3-3(2) 交通事故用 Ver.1 患者の受傷状況について記入してください: 患者さんの乗車していた車は: 乗用車セダン □ 軽自動車 □ 1BOX/RV □ その他 ( ) 乗車位置 □運転席 □助手席 □後席 □その他( ) 患者さんの乗車位置をチェック , 車両の損傷箇所をマーキング して下さい シートベルト着用 □着用 □非着用 □不明 □ 大型車(バス,トラック等) □ 二輪車 □ 自転車 □ 歩行者 相手方の車は: □ 乗用車 □ 大型車(バス,トラック等) □ 二輪車 □ 自転車 □ 歩行者 □ なし □ 不明 当院へ搬送した理由(複数チェック可): □ 距離(時間)が近いから □ 傷害の程度が判断できなかったから □ 緊急治療を伴う事故と判断できたから □ 車の変形が大きいから □ エアバックが展開しているから □ シートベルトをしていなかったから □ 車外放出があったから □ 他の病院からの転送 □ その他( ) 救急隊名 , お名前 損傷なし 裂創 出血 打撲 骨折 その他 頭部 □ □ □ □ □ ( ) 頸部 □ □ □ □ □ ( ) 顔面 □ □ □ □ □ ( ) 胸部 □ □ □ □ □ ( ) 腹部 □ □ □ □ □ ( ) 大腿部 □ □ □ □ □ ( ) 上肢 □ □ □ □ □ ( ) 下肢 □ □ □ □ □ ( ) その他 ( バンパー潰れ □損傷なし □変形 □脱落 □不明 フロントタイヤ □損傷なし □変形 □脱落 □不明 ドア開閉 □可能 □不可能 Aピラー □損傷なし □変形 □脱落 □不明 エアバッグ展開 □展開 □非展開 □装備なし ハンドル変形 □あり □なし シート変形 □あり □なし □不明 自走可否 □可能 □不可能 レ 現場で撮影した車と現場の写真がありましたら添付してください.ご記入ありがとうございました.

(35)

31 3.3 救急搬送の調査結果 【調査対象と傷害部位】 図3-1 には調査対象者の年齢分布を示す.全年齢に亘り受傷者は分布している. 0 2 4 6 8 10 12 14 人数 年齢 図3-1 救急調査対象の年齢層別負傷者(N=136) 表3-4 および図 3-2 へ車種別の傷害部位を示す.四輪車では他に比して頚部を受傷して搬送 されている割合が高い.頭部傷害は歩行者事故での割合が高い.自転車および歩行者では下肢 が損傷主部位となる割合が高い. 表3-4 車種別の傷害部位の構成率(2 次救急) 全件数 四輪車 (=57) 二輪車 (=32) 自転車 (=25) 歩行者 (=22) 合計 頭部   (人数) 31 15 15 18 79 (構成率) 20.4% 14.3% 17.9% 22.2% 18.7% 顔部   (人数) 27 19 12 10 68 (構成率) 17.8% 18.1% 14.3% 12.3% 16.1% 頚部   (人数) 20 10 6 6 42 (構成率) 13.2% 9.5% 7.1% 7.4% 10.0% 胸部   (人数) 23 17 11 9 60 (構成率) 15.1% 16.2% 13.1% 11.1% 14.2% 腹部   (人数) 11 14 9 9 43 (構成率) 7.2% 13.3% 10.7% 11.1% 10.2% 上肢   (人数) 19 15 16 14 64 (構成率) 12.5% 14.3% 19.0% 17.3% 15.2% 下肢   (人数) 21 15 15 15 66 (構成率) 13.8% 14.3% 17.9% 18.5% 15.6% 合計   (人数) 152 105 84 81 422 (構成率) 100% 100% 100% 100% 100%

(36)

32 四輪車 二輪車 自転車 歩行者 0 10 20 30 40 50 頭部 顔部 頚部 胸部 腹部 上肢 下肢 傷害部位構成率(%) 傷害部位 図3-2 車種別の傷害部位の構成率(2 次救急) 【現場到着時のGCS,呼吸数, 収縮期血圧】 受傷者の重症度をみるために,図3-3 へ GCS,図 3-4 へ呼吸数,図 3-5 へ収縮期血圧を示す. これらは現場で救急隊員が調査したものであり,生理学的評価 RTS を計算するためのコード により区分してある. GCS,呼吸数,収縮期血圧のどれも RTS コードで4点に該当する患者が多い.このことは 東京慈恵会医科大学柏病院(2次救急病院)へ搬送される患者のほとんどは軽傷患者であるこ とを示している. 5 2 2 6 87 34 0 20 40 60 80 100 120 人数 GCSスコア 図3-3 現場到着時の GCS の分布

(37)

33 4 1 0 12 83 36 0 20 40 60 80 100 120 人数 RRスコア 図3-4 現場到着時の呼吸数(RR)の分布 0 0 5 2 112 17 0 20 40 60 80 100 120 人数 収縮期血圧値[mmHg] 図3-5 現場到着時の収縮期血圧の分布 【現場GCS と病着 GCS】 136 人の 2 次救急への搬送患者について,現場での救出時と病院到着時の GCS 分布につい て55 歳未満と 55 歳以上に分けて表 3-5 へ示す. 現場到着時のGCS は,55 歳未満では 65 人(69.1%)は GCS8 を越えて意識レベルが高く, 8 人(8.5%)は GCS8 以下で意識レベルが低い. 55 歳以上では 28 人(66.7%)は GCS8 を 越えて意識レベルが高く,1 人(2.4%)は GCS8 以下で意識レベルが低い. 病院到着時のGCS は,55 歳未満では 38 人(40.4%)は GCS8 を越えて意識レベルが高く, 7 人(7.4%)は GCS8 以下で意識レベルが低い. 55 歳以上では 18 人(42.9%)は GCS8 を 越えて意識レベルが高く,2 人(4.8%)は GCS8 以下で意識レベルが低い.なお,現場では GCS 不明が2割~3割おり,病着では5割の GCS が不明である. 搬送時の患者意識レベルの変化(低下)について,現場と病院到着時の平均意識レベルを図 3-6 に示す.55 歳未満でも 55 歳以上でも搬送時に意識レベルの低下傾向がみられるが,55 歳 以上では搬送中に意識レベルの低下が55 歳未満より大きいために現場よりも病着の GCS が低 い傾向がみられた.しかし該当人数が少なく,調査を継続しないと明確な判断はできない.

(38)

34 表3-5 現着と病着 GCS の変化 GCS≦8 GCS>8 GCS不明 合計 GCS≦8 GCS>8 GCS不明 合計 件数 8人 65人 21人 94人 1人 28人 13人 42人 構成率 8.5% 69.1% 22.3% 100% 2.4% 66.7% 31.0% 100% 件数 7人 38人 49人 94人 2人 18人 22人 42人 構成率 7.4% 40.4% 52.1% 100% 4.8% 42.9% 52.4% 100% 現着GCS 病着GCS 55歳未満 55歳以上 14.1 13.4 13.3 13.0 12 12.5 13 13.5 14 14.5 15 現着GCS 病着GCS GC S平均値 55歳以上 55歳未満 図3-6 現着 GCS と病着 GCS の変化 【搬送距離と搬送時間】 図3-7 には事故現場から東京慈恵会医科大学柏病院までの距離を示す.距離が不明なデータが多 いが,事故現場が判明するものでは 5km 以下の搬送が多く,続いて 6-10km となっている.事故 現場の近い病院として2 次病院を選定しているものと思われる. 28 20 6 0 2 80 0 20 40 60 80 100 120 5km以下 6-10km 11-15km 16-20km 21km以上 不明 人 数 距離(km) 図3-7 事故現場から東京慈恵会医科大学付属柏病院までの距離の分布

(39)

35 図3-8 には搬送時間の平均を示す.消防白書と比較すると,全国平均では現場到着に 7.7 分, 病院収容まで35.0 分となっており,今回の調査結果は全国平均と同様の傾向であることが分か る. 出動時間 7.6分 現場活動 時間 17.0分 搬送時間 11.2分 平均所要時間 35.8分 図3-8 搬送時間の分布(平均所要時間) 【慈恵医大への搬送理由】 図3-9 には東京慈恵会医科大学柏病院へ搬送した理由を示す.緊急治療を伴う事故と判断し たケースがもっとも多いが,次いで病院までの距離が近いことを搬送の理由に挙げるケースも 多い.なお,その他の搬送理由については,次の表3-6 に示す. 16.8% 10.6% 25.1% 11.2% 4.5% 2.2% 2.8% 0.6% 26.3% 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 距離(時間)が近いから 傷害の程度が判断できないから 緊急治療を伴う事故と判断できたから 車の変形が大きいから エアバッグが展開しているから シートベルトをしていなかったから 車外放出があったから 他の病院からの転送 その他の搬送理由 (件) 図3-9 東京慈恵会医科大学柏病院(2次救急)への搬送理由

(40)

36 表3-6 にはその他の搬送について列挙して示す.その他の理由で最も多いのは掛かりつけ病院で 本人の希望で搬送されている場合が多い. 表3-6 その他の搬送理由について その他の搬送理由 件数 掛かりつけによる患者本人の希望 12 高エネルギー事故 5 他院で断られた 2 市内2次救急病院受け入れ不可 2 骨盤骨折の恐れがあったため 2 妊娠のため 2 受傷者が病院と関連があるため 2 眼科診療可能なため 2 頭部外傷があったため 1 小児外傷のため 1 多発外傷のため 1 内科にて治療中のため 1 ヘルメットが飛ばされていた 1 事故後痛みが治まらず病院へ搬送 1 既往で心疾患があったため 1 精密検査のため,ドクヘリ・Dr依頼 1 不明 10 【救急活動の手段】 図 3-10 には救急活動時の手段を示す.救急救命士の同乗が最も多く,次いでレスキュー隊 の出動となっている.ドクターカーの出動は少ない. 14 101 2 0 20 40 60 80 100 120 レスキュー隊の出動 救命救急士の同乗 ドクターカーの出動 人数 図3-10 救急活動時の手段

(41)

37 図3-11 には施工した特定行為を示す.55 人のデータであるが,特定行為では酸素投与が最 も多く,次いで除細動器の使用となっている. 52 3 0 0 10 20 30 40 50 60 酸素投与 除細動器の使用 油圧カッターの使用 人 数 図3-11 施行した特定行為の分布(N=55) 特定行為で最も多い酸素投与について,図 3-12 にはその酸素投与量を示す.搬送までに 6 ~10 リットル投与する事例がほとんどを占めている. 3 46 1 0 2 0 10 20 30 40 50 60 5L以下 6-10L 11-15L 16L以上 不明 人 数 酸素投与量 図3-12 酸素投与した患者の酸素投与量(N=52)

(42)

38 3.4 3次救急医療機関と2次救急医療機関の比較 搬送先の振り分け状況を調べるために2章に示した外傷データバンクの3次救急医療機関 の解析結果と2次救急医療機関としての東京慈恵会医科大学付属柏病院での救急調査結果を 比較する. 【GCS の比較】 意識レベルGCS を比較すると,2次救急でも3次救急医療機関であっても GCS8 を越えた 患者を搬送していることが分かる.GCS8 を越える意識レベルの高い患者の割合は2次救急機 関では9割になり,3次救急機関でも55 歳未満では 7 割,55 歳未満では 8 割を超えており, 高齢になると意識レベルが低下するのではないようである. なお,意識レベル GCS のみならず,AIS で示される解剖学的評価が高い場合にも救急機関 へ搬送されるため,一概に意識レベルのみで搬送先判断をしていないとも考えられる. 11.0% (8人) 26.2% (734人) 89.0% (65人) 73.8% (2066人) 3.4% (1人) 17.9% (923人) 96.6% (28人) 82.1% (4236人) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 2次救急 3次救急 2次救急 3次救急 構成率(%) GCS≦8 55歳未満 55歳以上 GCS>8 図3-13 GCS 分布の比較 【傷害部位の比較】 図3-14 に傷害部位の構成率について全体の比較を示し,図 3-15~図 3-18 に車種別の比較を 示す.3次救急も2次救急もほぼ同様の傷害部位となっているが,重症化する頭部傷害を受傷 して搬送される割合は3次救急の方が高い.特に自転車事故と歩行者事故における頭部受傷割 合が2次救急に比して3次救急が高いのが特徴である. 0 10 20 30 40 50 頭部 顔部 頚部 胸部 腹部 上肢 下肢 構成率( % ) 2次救急 3次救急 図3-14 傷害部位の比較(全衝突形態)

(43)

39 0 10 20 30 40 50 頭部 顔部 頚部 胸部 腹部 上肢 下肢 構成率( % ) 2次救急 3次救急 図3-15 車種別傷害部位の比較(四輪車) 0 10 20 30 40 50 頭部 顔部 頚部 胸部 腹部 上肢 下肢 構成率( % ) 2次救急 3次救急 図3-16 車種別傷害部位の比較(二輪車) 0 10 20 30 40 50 頭部 顔部 頚部 胸部 腹部 上肢 下肢 構成率( % ) 2次救急 3次救急 図3-17 車種別傷害部位の比較(自転車) 0 10 20 30 40 50 頭部 顔部 頚部 胸部 腹部 上肢 下肢 構成率( % ) 2次救急 3次救急 図3-18 車種別最大傷害部位の比較(歩行者)

(44)

40 【搬送時間の比較】 図3-19~図 3-22 に搬送時間の比較を示す.3次救急と2次救急で覚知から病着までの救急 の全体に亘る時間は変わらない.大きな差異があるのは図 3-22 に示す現発から病着までの時 間であり,2次救急では 5-10 分の構成割合が高い.これは搬送理由として距離が近いことや 患者が病院の掛かりつけであることが挙げられたように,事故現場と病院が近接していること が理由である. 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 構成率(%) 2次救急 3次救急 図3-19 覚知から病着までの時間比較 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 構成率(%) 2次救急 3次救急 図3-20 覚知から現着までの時間比較 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 構成率(%) 2次救急 3次救急 図3-21 現着から現発までの時間比較 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 構成率(%) 2次救急 3次救急 図3-22 現発から病着までの時間比較

(45)

41 3.5 まとめ 本章では東京慈恵会医科大学付属柏病院(2次救急医療機関)を中核とした救急隊搬送活動 の調査を実施し,以下のような結果を得た. 1) 受傷者の重症度をGCS,呼吸数,収縮期血圧でみると搬送される患者のほとんどは軽 傷患者であった. 2) 現場の意識レベルGCS と病着の GCS を比較すると病院到着時に GCS は低下する傾 向がみられ,55 歳以上の方がその低下率が高いと思われたが,事例数が少なくさらに 調査解析を継続する必要がある. 3) 2次救急医療機関への搬送理由は緊急性を伴うと判断した場合もあれば,距離の近さ や患者がかかりつけ病院であることを理由として本人の希望により搬送されており, 2次救急医療機関のみならず3次救急医療機関としての機能も果たしている. 4) 3次救急医療機関と比較すると,自転車および歩行者事故で頭部傷害を受傷して搬送 される患者の割合が小さい. 5) 3次救急と2次救急で覚知から病着までの救命活動の時間は差異がない.現発から病 着までの時間は2次救急の方が早いが,これは事故現場と病院が近接しているためで ある.

(46)

42

第4章 傷害予測のための事例調査 4.1 調査目的と概要

交通事故に関する外傷データはわが国でもJTDB として構築が始められており,事故時の乗

員の生理学的データ(意識レベル,呼吸数,血圧など)を分析できるようになった.JTDB の

生理学的データからは交通事故におけるRTS(Revised Trauma Score)を算出することがで

き,RTS と死亡率には良い相関が確認されている.しかし JTDB は医学的な活用を主目的に 作られておりRTS など人体傷害データのみで,機序となる事故データはない. そこで本研究では,事故実態と RTS との関係を明らかにすることを目的として,事故実態 調査を実施し,車体損傷,シートベルト・エアバッグ有無,乗員体格,乗車姿勢など事故車両 および関連データと人体傷害データを収集し,事故時の衝突条件,加害部位,人体損傷(病理 損傷,生理損傷(RTS))等の関係を追及する. また,消防白書によると軽傷事故でも救急機関へ搬送する過大なオーバートリアージの傾向 があり,傷害程度に応じた搬送病院の振り分けが望まれる.この適切な病院への救急搬送の振 り分けには,現在,当事者の RTS や車両破損程度などに基づく判断がなされており,RTS, 人体損傷および車両破損の関係をより明確にするため事故車両および人体被害の詳細調査が 必要である. 3次救急を担当する日本医科大学千葉北総病院救急救命センターには年間約250 件近くの重 傷患者(AIS3+)が搬送されており,このうち6割が交通事故負傷者である.そこでここでは, わが国の大学において初めて実施した日本大学と日本医科大学による交通事故実態調査につ いて述べる.救急車やドクターヘリで搬送された負傷者の 10 件について交通事故の実態調査 を実施した結果である. 4.2 事故調査の方法 4.2.1 方針 日本医科大学千葉北総病院へ搬送された交通事故患者を対象とし,当調査への協力の承諾を 得ることができた方の事故について,受傷原因となった交通事故および傷害状況について調査 を行う.本年度は当調査の初年度として調査体制および調査方法などの確立を目標の一つとす る. 4.2.2 調査地域 調査拠点となる日本医科大学千葉北総病院は,千葉市の北方約25km に位置する千葉県印旛 郡印旛村に位置している.千葉県の交通事故は事故発生27,586 件,死者 213 人(2008 年)と 死者数の県別比較ではワースト順位5 位と多く,その中でも日本医科大学千葉北総病院は東京 に隣接し人口が比較的多い千葉県北部地域にあり,交通量の多い道路としては東関東自動車道 路や国道16 号なども比較的近い位置にある. 特に,日本医科大学千葉北総病院では3次救急救命センターとしてヘリコプターによる患者 搬送を行っており,ヘリコプターによる患者搬送範囲は半径約50km の地域に及んでいる(図 4-1 参照).

(47)

43

図4-1 平成 16 年度ドクターヘリ発生地区別出動件数(平成 16 年 4 月~平成 16 年 9 月)

調査対象となる日本医科大学千葉北総病院に運ばれる交通事故の患者のうち重傷に分類さ

れるAIS3 以上(Abbreviated Injury Scale)の患者数は 995 人,そのうち交通事故による患

者数は2005~2008 の 4 年間で 558 人,年間平均で重傷交通事故患者は 140 人/年となってい る.交通事故による月別の重傷患者数は図4-2 に,AIS 別の割合は図 4-3 に示すとおりとなっ ている. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 交通事故に よ る 重症患者数(人) 図4-2 日本医科大学千葉北総病院に運ばれる月別,重傷交通事故患者数(2005~2008 年) 295人 109人 135人 19人 0% 20% 40% 60% 80% 100% MAIS3 MAIS4 MAIS5 MAIS6 図4-3 日本医科大学千葉北総病院に運ばれる重傷交通事故患者の AIS 別構成率 (2006~2008 年)

(48)

44 4.2.3 調査体制および調査方法 調査は,原則的に調査員が1 ヵ月のうち 5 日間を日本医科大学千葉北総病院に待機し,前月 の調査期間以降に搬送された交通事故患者を対象として調査を行った.なお,特別大きな事故 あるいは事故車両が他地域へ搬送されるなどの場合には待機に関わらず調査を行う体制とする. 調査は原則として交通事故に関する車両破損,交通環境,救急活動,傷害の情報を収集する ことを目標としている(図4-4).

・傷害情報

・患者情報

病院

・車両情報

・事故現場情報

・患者インタビュー

調査チーム

・活動情報

・患者情報

救急隊

事故実態調査

図4-4 調査・収集する事故情報 交通事故の救急活動,傷害に関する情報はそれぞれの機関の協力を得て収集し,事故車両, 交通環境に関する情報収集,当事者への調査承諾の確認および当事者へのインタビュは調査員 が担当する(図4-5). 傷害調査に関しては,原則的に外傷の部位,大きさ(程度),状態などの情報を1 次情報と して収集するが,諸データを分析しさらに深い分析が必要になった場合には必要に応じた詳細 傷害情報,例えばX線写真による骨折状況,CT 等による脳挫傷,脳出血の状況,手術時の情 報などを2 次傷害情報として収集できる体制としている.

事故調査チーム

調査員

(経験者1名)

(工学部学生3名)

調査支援員(工学系2名)

(医学系2名)

・医師

・患者

病院

患者搬送

交通事故

・車両調査

・事故現場調査

調査員出動 傷害情報等収集 図4-5 事故情報収集の流れ

(49)

45 調査員は原則4 名とし,経験者 1 名,工学部学生 3 名から構成した.その他に,調査データ をその都度吟味し追加調査の必要,各データの解釈,車両データ,傷害データおよびインタビ ューデータ等各データの整合性などの検討,判断のために工学系2 名,医学系 2 名の調査支援 員を用意している. 調査はアデレード大学の事故調査車両を参考に,図4-6 に示す事故調査専用車両を導入して 行った.調査車両には車体変形測定用の用具を搭載しており,事故現場,事故車両保管場所に 赴いての調査や患者インタビュー等の調査に活用した. 図4-6 事故調査車両と車体変形測定用具類 4.2.4 調査票 調査に使用した調査票の構成は,①事故概要,②環境詳細,③車両詳細,④車両変形「車室 内」詳細,⑤乗員傷害箇所詳細,⑥乗員接触位置詳細,⑦自転車・歩行者事故詳細,⑧救急活 動詳細から成っている. 4.3 調査結果 4.3.1 調査事故の概要 本報告書で報告する調査事故は,2009 年 12 月から 2010 年 2 月に実施した 10 件で,この 10 件の車種別,衝突形体別の調査件数は表 4-1 に示す通りとなっている. 表4-1 車種別,衝突形体別の調査車両数(台) 衝突形体 乗用車 貨物車  二輪車 計 正面衝突 正面衝突(オフセット大) 3 追突 1 1 追突(対大型トラック) 1 側面衝突 1 1 単独(前面衝突) 1 単独(前面衝突オフセット大) 1 単独(ロールオーバー) 1 計 7 2 1 10 3 3 3

(50)

46

衝突形体別では正面衝突,追突,単独がそれぞれ3 台,二輪車への側面衝突が 1 台である.

車種別では乗用車が7 台,貨物車 2 台,二輪車 1 台となっている.

これを傷害程度で見ると各乗員のMAIS は表 4-2 に示すように,MAIS-1 は 2 人,MAIS-2

は5 人,MAIS-3 は 2 人,MAIS-4 は 1 人となっており,重傷以上と判定される MAIS-3 以上

は3 人で 3 割が重傷患者となっている. 表4-2 調査事故乗員の MAIS 別人数 1 2 3 4 5 6 乗用車 1 4 1 1 7 貨物車 1 1 2 二輪車 1 1 計 2 5 1 1 1 10 MAIS 乗員の車種 計 4.3.2 調査事故10 例の概要 本報告での調査事故10 件(10 台)に関しては,調査事故一覧を表 4-3,各事故の概要を表 4-4(1-1)~表 4-4(10-2)に示す.

(51)

表 2-11 に覚知 - 現着までの時間と傷害程度及び ISS 別の負傷者数を示す.図 2-30   覚知 - 現 着時間と死亡率を示す.同図より,覚知 - 現着時間が 5 分以上で死亡率が高くなっている.
表 2-12 に覚知 - 現着までの時間と傷害程度及び ISS 別の負傷者数を示す.図 2-32   覚知 - 現 着時間と死亡率を示す.同図より,覚知 - 病着時間と死亡率には関係はみられない.
図 4-1 平成 16 年度ドクターヘリ発生地区別出動件数(平成 16 年 4 月~平成 16 年 9 月)
図 6-1 アデレード大学 CASR(Center for Automotive Safety Reserach)
+4

参照

関連したドキュメント

Therefore, we developed a method to construct hazard maps of playground equipment, calculated from simulations, by using computer models of children falling on a playground slide..

DTPAの場合,投与後最初の数分間は,糸球体濾  

が作成したものである。ICDが病気や外傷を詳しく分類するものであるのに対し、ICFはそうした病 気等 の 状 態 に あ る人 の精 神機 能や 運動 機能 、歩 行や 家事 等の

全国の宿泊旅行実施者を抽出することに加え、性・年代別の宿泊旅行実施率を知るために実施した。

本報告書は、日本財団の 2016

本報告書は、日本財団の 2015

岩沼市の救急医療対策委員長として采配を振るい、ご自宅での診療をい

分だけ自動車の安全設計についても厳格性︑確実性の追究と実用化が進んでいる︒車対人の事故では︑衝突すれば当