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【03】「多言語による高校進学ガイダンス」開催報告

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Academic year: 2021

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3 HANDS next 月 23 日に宇都宮大学で開催された「多言語による 進学ガイダンス」についてです。これは別項に詳し い報告がありますのでご覧下さい。  これから制作される『教員必携 外国につなが る子どもの教育』(続編)について、大まかな内容 は次のように計画しています。第1部は、多様化す る外国につながる子どもに対応するための支援例 の提供です。支援対象の子どもについては「日本 で生まれた子ども」「小学低学年で編入した子ども」 「中学で編入した子ども」などいくつかのモデルを 設定し、どのような場面でどのような支援が効果的 かという視点での実践例を提案します。第2部は、 HANDS プロジェクト事業の「多言語による進学ガ イダンス」や「外国につながる子どもの進路調査」 などの成果を活用し、学級担任段階で実施可能な 進路指導についての具体的な提案や保護者に提供 できる翻訳資料の提供、外国につながる子どもの 教育や進路に関する有効なデータの紹介を予定し ています。第3部では、実際の支援例を体験談と いう形で紹介します。成功例だけでなく失敗談も含 め、幅広い立場の支援者にとって参考となる情報を 提供したいと考えています。  今回の会議に先立ち、参加者に対して事前に課 題をお送りしました。前述の第1部の概要を紹介し た上で、効果的な実践例を持ち寄るという課題で した。校務多忙の中、多くの出席者から回答の提 出が得られました。提出された実践例は初期指導 的な内容に加えて、学習指導の方法に関する内容 が大変目立ちました。外国につながる子どもの多様 化や定住化に伴って、支援の現場は学習支援が中 心になりつつあることを表しているようです。  協議はグループ形式で進められました。課題に 対する全回答をコピーして参考資料として配布し、 第1部の構成を見据えた、子どものモデルケースや 場面別の効果的な支援について具体例を作成する という内容でした。設定を絞り込んでの提案は多 少の困難を伴いましたが、多くの素晴らしい提案が 出されました。外国人児童生徒支援会議にとって『教 員必携∼』の刊行はあくまで副産物であり、本来 の目的はここに集った拠点校教員の皆さんが多くの 情報を見聞し、より良き支援について共に考え、新 しいヒントを持ち帰ることにあります。その点からも 意義のある協議だったと感じています。  今年度の外国人児童生徒支援会議は2月に実施 される第3回を残すのみとなりました。11 月中に組 織される作成委員会を中心とした作業を経て『教員 必携 外国につながる子どもの教育 実践例・進 路』(仮題)として具体的な内容が提示される予定 です。昨年度の支援会議を経て完成した『教員必 携 外国につながる子どもの教育 Q&A・翻訳資 料』に続く、有効な教員用手引き書を完成させた いと思います。

「多言語による高校進学ガイダンス」

開催報告

宇都宮大学国際学部 教授 HANDS プロジェクト 研究代表

田 巻  松 雄

10 月 23 日(日)に「多言語による高校進学ガイ ダンス」を開催しました。昨年に引き続き 2 度目の 開催です。このガイダンスは、日本語を母語としな い子どもたちと保護者を対象にして、日本の教育制 度や高校受検に関する情報を正確に提供することを 目的にするものです。中学生と保護者を含む当日の 参加者については、5 ページをご覧下さい。昨年よ り参加者は減っていますが、11 月 13 日に真岡市で 同様のガイダンス(HANDS プロジェクトと真岡市 教育委員会共催)が開催されることが影響してい ると思われます。また、今回は鹿沼東高校の国際 理解部のフレッシュな面々が参加してくれました。

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4 HANDS next 内容は昨年と同様に、第一部テーブル(日本語 を含む 7 か国語)ごとのガイダンス、第二部全体 質疑、第三部体 験 談から構成されました。資料 は、「より大事な情報をより分かりやすく」を目指し、 昨年作成したものの改訂版をつくりました。 全体質疑で出された主な質問は、以下の通りです。 (1)高校入学後にかかる費用について、(2)単 願と併願の違いについて、(3)公立中学校でのマ ンツーマンでの取り出し教科補充指導の不安、(4) 来日1ヶ月の受検生はどういう高校を目指せばよい のか、(5)英語を専門に学べる県立高校やインター ナショナル校は県内にあるか、(6)栃木県内の私 立高校の情報はどこで得られるか、(7)高校一日 体験や高校での説明会に日本語がよく分からない 外国人親子が参加した場合の対応は、(8)調理師 希望だが、高校で資格取得可能か、(9)県立高校 入学後の親の転勤等による転校転学について、(9) 専門学科からの大学進学の可能性は、(10)A 措 置と B 措置の受検資格・受検内容、(11)フレック ス選抜とは。 参加者からはおおむね好評をいただきました。 すなわち、アンケートで、保護者・見学者 17 人中 14 人が満足(やや満足が 3 人)と答え、児童生 徒 11 人はすべて満足と答えてくれました。基本的 な情報を正確に提供するという目的はほぼ達成で きたのではないかと思います。個人的な感想として は、全体質疑の司会が大変だったこと、全体質疑 はもう少し工夫できるのではないかと感じました。 まず、第一部のガイダンス終了後、各テーブルか ら全体質疑に向けて多くの質問が出たことを確認し ましたが、時間の関係上、質問を各テーブル 2 つ に限定せざるを得ませんでした。それでも、10 を 超える質問が出て、1つ1つの質問に対して時間的 にあまり丁寧な回答を提供することができなかった と感じます。回答者の意見にも、もっと丁寧に答え たかったというものがありました。一方で、回答者 が丁寧に答えた場合、これだけの内容を短い時間 で通訳するのは大変ではないかと思える場面もあり ました。 正直、進学ガイダンスの準備は大変です。資料 改定版作成のために何度も会議を開催しました。 今回も翻訳者・通訳者をはじめ、多くの学外関係 者の協力を得て開催することが出来ました。現在は 大学主体の形で進めていますが、ガイダンスを継続 させていくためには、自治体・学校・大学の連携 ネットワークのより良いあり方を検討していく必要を 感じます。12 月 3 日のフォーラムでも、ガイダンス のあり方について話し合います。どのようなガイダ ンスが必要とされるのか、この点を検証しながら、 栃木県にはこんな素晴らしいガイダンスがあると評 価されるようなものを作り上げていきたいと思って います。 7 言語(日本語・ポルトガル語・スペイン語・フィリピン語・ 中国語・タイ語・英語)によるガイダンス資料

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5 HANDS next

参加者アンケート結果(抜粋)

0 2 4 6 8 10 12 14 䝇䝨䜲䞁ㄒ 䝫䝹䝖䜺䝹ㄒ 䝣䜱䝸䝢䞁ㄒ䞉ⱥㄒ 䝍䜲ㄒ ୰ᅜㄒ

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(」ᩘᅇ⟅ྍ⟅ྍ) 私たち英語国際理解部の6名は、会場準備・片 付け、記録係りとして、このガイダンスに参加しまし た。また、このうちの2名が卒業生の体験談での司 会を務めました。ガイダンスに参加する前はあまりよ く分かっていなかったのですが、参加してみて県内 の外国人児童生徒の現状を知ることができました。 私たちの部活は、夏休みに東京の JICA 地球ひ ろばやユニセフハウスなどを訪問し、世界には学校 に通えないこどもが多くいるということを知りまし た。しかし、ここ栃木県にも思うように高校進学で きないこどもたちがいるということを知り、驚きまし た。「高校の教科書はいくらですか?」「私立の単願 と併願の違いはなんですか?」次々と質問が出てき ました。他の中学生なら当然知っているようなこと も分かっていない様子でした。言葉が通じないせ いで、授業についていけない。高校自体を理解でき ていない。そんな現状を目の当たりにしました。 国際理解というと、遠い海外を思い浮かべてし まいますが、自分の身近にいる困ったこどもたちに 手を差し伸べることも大切だと改めて気付きました。 通訳の方、国際交流協会の方、プロジェクトの方、 教育委員会の方、宇都宮大学の学生の方、皆さん が協力しあって、外国人児童生徒を支えていること に感動しました。 私たちも、ここ栃木県の外国人児童生徒のため に力になりたいと思うようになりました。 栃木県立鹿沼東高等学校 英語国際理解部

川 嶋  沙 妃

金 子  真 理

「多言語による高校進学ガイダンス」に参加して

参照

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