新たなアスペクトの気づきを促す国語科授業の構築-小学校第2学年「お手紙」の実践を通して-
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(2) ド・ローベル著の物語文『お手紙』である。こ. 動を通して,登場人物の心情や行動以外の新た. こで,恒常的アスペクトを「かえるくんとがま. な情報の取り出しを行うことが出来た。. くんの友情の物語」(以下,友情の物語と記す). 3.3 新たなアスペクトの気づきを促す授業の. とし,新たなアスペクトを「コミュニケーショ. 効果の検証. ンツールとしての手紙がえがかれた物語」(以. 第4章では,実践と併せて,実践した授業が. 下,「手紙の物語」と記す)とした。新たなア. 児童の手紙についての理解にどのような影響. スペクトを「手紙の物語」としたのは,題名が. を及ぼしたかを検証した。. 『お手紙』とあるように,本作品は手紙に関す. その結果,単元学習前と単元学習後の手紙に. る物語だからである。実践では,児童の得てい. ついての理解には明らかに変化が見られ,単元. る恒常的アスペクトが「友情の物語」であるこ. 学習後では,より多く視点から手紙を捉えてい. とを確認した上で,その精緻化を行っていくと. る児童が増えていた。変化の傾向としては,単. 共に,「手紙の物語」アスペクトヘの気づきを. 元学習前に手紙についての理解が乏しかった. 促す指導を行っていくこととした。新たなアス. 児童ほど,変化量は大きいことがわかった。ま. ペクトの気づきを促すための手だてとして,①. た,授業のまとめとして行った,新たな枠組み. 示唆的発間によって新たなアスペクトから得. で文章を捉えなおす活動の記述と理解の変化. られる意味づけを行う,②新たな枠組みを用い. との間にも,かなり正の相関が見られた。. て,文章を捉え直し書き表す活動を取り入れる. 実践によって,児童の手紙についての理解が. こととした。以上のことを踏まえ,単元目標,. 深まったと言える。. 評価規準,授業仮説,単元計画,指導計画,授. 4.まとめと今後の課田. 業案,授業で用いるワークシートを作成した。. 3.2新たなアスペクトの気づきを促す授業の. 登場人物の行動や心情の読み取りを行うと. 実践. ともに,示唆的発問や新たな枠組みを用いて文. 第4章では,第3章で構想した授業の実践を. 章を捉え直す活動を導入することによって,児. 行った。実際の授業では,r手紙」とはどんな. 童から新たなアスペクトに関する理解の深ま. ものか知るために,『お手紙』というお話を勉. りが見られた。このことから,通常の指導であ. 強しようと興味づけて授業を展開した。場面ご. る恒常的アスペクトの精緻化に加え,新たなア. との読み取りの時間では,登場人物の行動や心. スペクトヘの気づきを促すことが出来たと言. 情の読み取りを行うとともに,「手紙の物語」. える。. というアスペクトから意味づけ出来る箇所に. 今後の実践では,新たなアスペクトの気づき. ついて,示唆的発問を行い,併せて,授業のま. を促すことが出来れば読みの促進・深化が出来. とめとして,勉強した中で「手紙とはどんなも. ているという前提の確かさを検証すると共に,. のか」気づいたことをワークシートに記入させ. 新たな枠組みを用いて文章を捉え直す活動に. る学習活動を行った。. 関する追試や,他の文学的文章での検証,説明. 実践を行った結果,児童は,『お手紙』を「友. 的文章の学習の場合での検討を行う必要があ. 情の物語」として読んだり「手紙の物語」とし. る。. て読んだりすることによって,主人公の行動や. 心情に新たな意味づけを行って読み深めるこ とが出来た。また,手紙の意味を見つけるとい. 主任指導教員 米田 豊. う新たな枠組みで文章を捉え直し書き表す活. 指導教員 黒岩 督. 一475一.
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