79 大学開放実践センター生涯学習研究院 平成 26 年度修了生課題研究要旨 阪神・淡路大震災及び東日本大震災等の大規模災害の経験から,我が国でも外国人に対する防災 啓発や災害時支援が取り組まれるようになり,徳島県でも関係団体によって,防災訓練や防災講座 の実施等の対策がとられてきた。しかし,四国という土地の災害との関連性や,外国人一人ひとり の災害に対する知識・経験等を鑑みた対応という観点からは,十分に考慮されていない点も多くある。 したがって本稿は,今後高い確率で発生するといわれる南海トラフ地震等の自然災害に対する徳 島県内在住の外国人の防災意識を把握するため,彼らを対象にアンケート調査を実施し,それをも とに,防災で一般的に重要といわれる「自助」「共助」「公助」の視点から彼らの防災意識の現状と 命を守るべき方策について検討した。 アンケート調査より,県内在住外国人は,緊急避難場所や災害発生時に取るべき対応等について は知識を有しているが,災害体験や防災訓練等を伴う体験値が低いことが判明した。以上より,①「自 助」の観点からは,災害時要援護者と位置付けられる外国人ではあるが,災害のメカニズムを知り, 防災知識を高めることにより「自助」を達成し,「共助」についても期待が持てること,②「共助」 の観点からは,国際交流関係団体等の連携を図り,地域住民と外国人とのコミュニケーションを強 化し,普段から互いの顔が見える関係を構築することが重要であること,③「公助」の観点からは, 県及び市町村において,外国人の視点やニーズに合った実質的に有効性の高い防災対策が求められ ること,が指摘できる。 防災の「自助」「共助」「公助」の相互関係のあり方と連携の方法を工夫し,命を守るための実践 へと繋がる施策を構築することは喫緊の課題である。今後,各関係団体によって,より適切な対策 が講じられることにより,自らの命を守るとともに,他者の援護も可能となる外国人が増え,徳島 に暮らす人々が共に支え合える社会の実現が期待される。 国際協力領域 友 滝 洋 子
外国人への防災教育の普及とその実践活動に関する一考察 : 徳島県在住外国人を対象とした防災意識調査結果より
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