道東6市町村における住民主体の高齢者健康づくり活動の取り組み
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(2) 雪釧路論集 一北橘道教育大字釧路校研究紀豊一 第39号(平成19年). KushiroRonshu,−JournalofHokkaidoUniversityofEducationat KushiroNo.39(2007):115−120.. 道東6市町村における住民主体の高齢者健康づくり活動の取り組み 尚 和 里 子1・松 崎 瑞 穂1・北 澤 一 利2・平 岡. 亮2. 1北海道教育大学大学院 2北海道教育大学釧路校保健体育研究室. Community approach for health promotionin six municipalities of east Hokkaido Satoko SllOWAl・Mizuho MATSUZAKIl・KazutoshiKTTAZAWA2・Akira HIRAOKA2 】Master Course,Kushiro Campus,Hokkaido University ofEducation 2Department ofHealth and PhysicalEducation,Kushiro Campus,Hokkaido University ofEducation. 要 旨 介護保険法改正により介護予防事業が導入されて1年になる。多くの自治体で、介護予防・医療費抑制対 策のための事業が実施されつつある。しかし、行政側の人手不足、PR不足、高齢者の側の意欲のばらつきが. 原因となり、運動教室の参加者集めや教室開催、継続に苦労する例が少なくない。特に過疎地においては、 運動教室を継続させるための人材の確保は大きな問題となっている。住民が継続して参加し、運営実施のた めの人材を確保するには、住民が主体的に健康づくりに取り組むことができるような活動支援が必要である と考えられる。 北海道教育大学釧路校保健体育科では、これまで標茶町をはじめ、大学周辺地域、浜中町、白糠町、弟子. 屈町、池田町の6地域と協働して、住民主体の健康づくり活動を展開させるために、指導者養成を中心とし た健康づくり事業を実施してきた。これら6地域における事業過程・方法は、対象地域の事情・要望に合わ. せて実施したため、それぞれ異なっている。本稿では、6地域における住民主体型健康づくり活動の個別事 情について報告する。. つ高齢者は多く存在すると考えられる。また、最近では、. 1.はじめに. 地方分権化や住民自治の機運の高まりのなかで、防災活動、. 介護保険法改正により介護予防事業が導入されて1年に. 防犯活動、まちづくり活動などを地域住民自らが行う住民. なる。平成12年に策定された、「健康目本21」による事業計. 組織へ注目が集まりつつあり4、行政も住民との協働5を竜要. 画の実施に重ね、多くの自治体で、介護予防・医療費抑制. 祝するようになった。これらのことから、住民が健康づく. 対策のための事業が実施されつつある。. り活動に継続して参加し、運営実施のための人材を確保す るには、住民が主体的に健康づくりに取り組むことができ. しかし、「健康日本21」中間報告によれば、高齢者の「運. 動習慣者の割合」と「日常生活の歩数」は共に低下してお. るような活動支援が必要であると考えられる。. り】、政策の効果は現れていない状況である。これらの背景. 北海道教育大学釧路校保健体育科では、これまで標茶町. として、行政側の人手不足、PR不足、高齢者の側の意欲の. をはじめ、大学周辺地域、浜中町、白糠町、弟子屈町、池. ばらつきが原因2となり、運動教室の参加者集めや教室開催、. 田町の6地域と協働して、指導者養成を中心とした健康づ. 継続に苦労する例が少なくないことが挙げられる。特に過. くり事業を実施してきた。これら6地域における事業過程・. 疎地においては、運動教室を継続させるための人材の確保. 方法は、対象地城の事情・要望に合わせて実施したため、. は大きな課題となっている。. それぞれ異なっている。本稿では、6地域における住民主. これに対し、「地域活動を実施している人」は有意に増加. 体型健康づくり活動の取り組みの個別事情について報告す. 傾向を示した3ことを見ると、地域活動に参加する意欲を持. る。. −115−.
(3) 尚和 里子 他. 表1 地域別指導者養成事業の年表 H17. H16. H19. H18. 5 6 7 8 910 ‖121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 標茶町 一−ト. ●−●◆…=…・◆. 浜中町. l●→●」ト. ーー■ト→. ワンツースリー. 白糠町. 0. ●−」■ ◆・・・・・・=◆ ●●◆・・・・・・・. 池田町. D=…・……=…‥>●●◆. 弟子屈町. ●一●養成講習◆・・◆実地研修 」ト健康教室開催 0ワンツースリー健康教室. 表1 地域別指導者養成事業の年表. 浜中. 標茶. 白糠. ワンツースリー. 健康づくり運動. 健康づくりサボ 白糠町健康づく 浜中町健康づく. 一夕ー養成講習. 名称. りサポーター養. り指導者養成. 池田町. 弟子屈町 ふまねっとサボ. ふまねっとサボ. 一夕ー養成講. 一夕ー養成講座 座. 成事業 NPO法人地域 浜中町役場福 事業. 健康づくり支援. 社会福祉法人 弟子屈町役場 白糠町役場. 祉保健課健康 会ワンツースリ. 介護健康課. 部署 推進係. 池田町社会福 保健福祉課健 祉協議会. 一人材養成事. 康推進係. 業部 ボランティアスク. 一般財源・道補 事業. 助金(地域支え. 講習費. 一般財源. 財源. 指導者養成事業は平成16年5月に、教育大釧路校保健体 育科と標茶町の連携事業として始まった。この事業に到っ. 介護保険予算. 講費. あい事業). 2.活動概要. ール予算+受. ンダンスと、種類が多いのに対し、他の5地域では、本校 保健体育科北澤准教授が介護予防を目的に考案した「ふま ねっと」や、簡単なストレッチにしぼり、指導技術を集中 的に学ぶ、という方式をとった。. たのは、標茶町の高齢化による医療費増大の深刻化の対策. なお、ワンツースリーは、地域の健康づくりを支援する. として、同校に健康づくり事業の協力を要請されたのがきっ. ことを目的に、平成17年5月に設立、平成17年11月NPO法. かけである。この事業を機に、平成17年度には大学と浜中. 人化した。標茶町、白糠町は大学が、浜中町、池田町、弟. 町の共同主催により、教育大周辺住民と浜中町住民を対象. 子屈町はワンツースリーが委託事業を受託する形となって. に指導者養成が行なわれた。さらに、平成18年度には白糠. いる。. 町、池田町、弟子屈町で養成講習会が実施された。これら. 以下、本文では、今回の事業を中心的にすすめた、大学. 6地域のうち、標茶町、浜中町、白糠町、弟子屈町は役場. とNPOが行ってきた健康づくり活動の個別事情について、. が主催し、池田町は池田町社会福祉協議会が主催した。大. 基本的な項目をあげて詳細を紹介したい。. 学周辺住民を対象とした養成講習については、大学教員や 学生と地域住民らで立ち上げた「地域健康づくり支援金ワ ンツースリー」が主催となり実施した。 指導者養成緯習で扱った運動プログラムは、標茶町では ウオーキング・背骨ほぐし運動・eボールダンス・ラダー. 3.各地における活動の個別事情 a)標茶町. 標茶町では「標茶町健康・福祉綺合まちづくり計画」の. 運動・チューブトレーニング・フラダンス■レクリエーショ. 「健康しべちゃ21」の事業として、大学が要語を受け、「健. 116−.
(4) 道東6市町村における住民主体の高齢者健康づくり活動の取り組み 康づくり指導者養成事業」を実施した。主に町内の健康づ. b)ワンツースリー. くり事業を地域で実施するための指導者を養成することを. 平成16年11月より、教育大釧路校保健体育科身体スポー. 目的とした6。初回である平成16年度の養成講習では20名の. ツ文化領域では、運動指導技術を学んできた学生が指導す. 受講者が集まり、教育大釧路校の学生とともに3ケ月に渡. る「健康教室」を、大学周辺住民を対象に開催してきた。. る講習を受講し、全員が合格した。合格した指導者グルー. はじめの参加者は5名であったが徐々に人数が増え、約30. プは、毎月一回の勉強会を実施しており、現在も継続し、. 名が集まる盛況ぶりを見せた。その後、平成17年6月には、. 指導技術を磨いている。その後、平成17年に教育大釧路校. 学生と大学教員、大学周辺住民らが協働して、「地域健康づ. にて他地域と合同の養成講習を実施し、平成18年には標茶. くり支援会ワンツースリー」7という組織を作り、8月に第. 町が独自に指導者養成を行い、現在は29名で活動している。. 一回健康づくりサポーター養成を行った。元は健康教室の. メンバーの年齢構成(図1)を見ると、他地域に比べ、全. 参加者であった住民の中から12名の有志が受講し、ワンツー. 体に年齢が若い。これには、担当した役場の部署が福祉保. スリーの初代サポーターとして認定された。さらに、第二. 健系ではなく教育委員会であったため、募集対象が「一般. 回には6名、平成18年度に行われた第三回には4名、第四. 町民」と必ずしも高齢者であったわけではなかったことや、. 回には釧路市白樺台地区より3名がサポーターとして認定. 講習内容として、「運動指導」の要素が強かったこと、講習. された。平成19年4月には、白樺台地区住民14名がワンツー. 時間が51暗闇であったことが関連したと思われる。また、. スリー初の支部として登録し、「ふまねっとしらかば」を設. メンバーには、体育指導員や保健推進委員等、元々町の活 動に貢献していた人が多かった。. 援を、第四回にサポーター認定を受けた三名が担当している。. 立した。白樺では月2回の健康教室を開催しており、運動支. 現在、健康づくり運動指導者達は、町内の介護予防を目 的とした高齢者対象の健康教室サークルと、生活習慣病予 防を目的とした中年者対象の健康教室のほか、町内会・老 人クラブなどで運動指導を行っている。運動プログラム内 容は、ラダー、背骨ほぐし運動、生き生き体操、軽スポー. ツ等である。活動場所は8ケ所以上で、健康運勒指導者が 活躍する場は多くあるが、運動指導者によっては仕事を持っ ているために、指導の機会がほとんどない人もいる。役場 側は指導者が指導した場合は、一定の謝礼を払っているが、 運動指導者たち自身も会費を納め、新たな括動資金にして いる。また、運動指導者の中から一名を教育委員会内非常 勤の「健康づくりアド/1イザー」に任命し、全体の活動の コーディネートを任せている。. ワンツースリー健康教室の様子. 今後はメンバーの指導技術の差を埋めるため基礎を重視 養成事業において、他地域と異なる特徴の一つに、受講. した指導練習を継続させていくこと、また、新たに町内の ウオーキングマップの作成・標茶町独自のEボールダンスの. 生一人一人が受講費を全額負担して参加するという点が挙. 創作を今年度の目標としている。. げられる。これは、ワンツースリーの「住民による主体的 な健康づくり活動」という理念が反映されたもので、すべ ての活動において、「自主的な参加」を基本としている。も う一つに、他地域に比べ、まちの括動において代表的な役 割を担っていた人物はごく少数で、一般の主婦が大半を占 めているという特徴がある。 現在は「サポーター部会」というミーティングを月に一 回開催しており、ワンツースリー独自の健康教室(鶴ケ岱 武道館にて月2回実施)の運営や、外部からの要請の対応 検討、スキルアップ練習を行っている。外部出弓長先は、釧 路市内、弟子屈町、音別地区、釧路町などで平成18年度の 出張括動回数は80回を超えるほどとなった。ワンツースリー の健康教室では、本学生による運動指導が人気となってい るが、外部出張先の健康教室参加者には、年齢の近いワン ツースリーのサポーターとの交流を楽しみとする高齢者が 多い。サポーターは、ワンツースリーの健康教室に参加す. −117−.
(5) 尚和. 里子 他. ることで、自分の健康づくりを図るだけでなく、学生の指. サポーター活動の運営は、役場予算とサポーター会費を財. 導スキルを手本にし、さらなるスキルアップにつなげてい. 源とし、職員サポーターと住民サポーターが協働で実施し. る。また、外部における多くの運動指導が、課題発見・課. ている。職員サポーターの人数は6市町村の中で一番多く、. 題解決の良い機会となっており、意欲的に参加するメンバー. 活動において職員が積極的に関わっている。. がほとんどである。. 町は、今後も指導者養成が町の健康づくりの一番のポイン. 今後は、地域の要望に柔軟に応えながら活動を継続させ. トと位置づけ、指導者養成を開催していくことや、活動を. ていくこと、サポーターのスキルアップを図ること、活動. 継続させるための支援として、知識を深め、スキルアップ. の運営体制を確立させることが課題である。. につながる講座等を提供していくことを計画している。. ニr′.†. ■一一巳≡ 羅. 、. ■. ■. −■1. −. く. †. い H巨=・イ. ∴ニM. 1. 一†■  ̄ くし. 一.ト﹁. 士六. 一1▲. ¶lJ. ♪ ′卜. l. J汗h. ■ 中. 誓7少. 上ふ ▼ 二十. −、. L∴・▼r ⊥∴〃﹁ ℡サ. ふまね、と■しらかば. I⊥+」. 元気にサークル活動. 1. ︹ ・. ¶ =. ヽ. 浜中町サポーター実地研修の様子. d)白糠町. 白糠町では18年度より.まちづくりの重要な視点として. 「ふまねっとしらかば」釧路新聞2007年5月2日掲載. 「第1次産業の再興と振興」.「町民の健康づくり」.「教卓 (意識改質)」の三つの杜を掲げ、「白糠町健康づくり計画」. c)浜中町. 浜巾町は、介讃予防事菓の一環として「はつらつ健康ク. の実施を進めてきた。健康づくりサポーター養成講嘩はそ. ラブわっはっは」という介顔予防教室を開催するための指. の計l和こ組まれた「健康しらぬか21」に基づく.「健康づく. 導者を養成することを目的とし、ワンツースリーが委託を. り教室」や「転倒予防教室」を開催するための人材養成バと. 貴け.平成17年摩に教育大釧路校内で「第一回浜中町健康. して、大学が委託を受け実施した。 養成講習では、他地域よりも比較的多くの受講者が壊ま. づくり指導者養成」講庵を開催した。初回は24名が合格し、 約2ケ月実技練習を経て、役場とサポーター協働による健. り、合格者は31名であった。大きな特徴の一つとして、メ. 康教室が町内で定期開催されるようになった。平成18年に. ンバーのほぼ半数を70歳以上の高齢者が占めていることが. は第二回サポーター養成が浜中町内で実施され、7名が認. 挙げられる。また、メンバーの経歴構成(図3)において、. 定された。サポーターメンバーは60代、70代が約8割を占. 元々衝の活動に代表的に関わり町の活動に貢献してきた高. めており、町内会役員や保健推進委貝を数名含んでいる。. 齢者が多いことも特徴的である。 現在、サポーター達は、「こだまプロジェクトゴーゴーゴー」. 現在、「わっはっはサポーター」は、総合体育館と茶内地. というプロジェクト名を掲げ、西庶路地区と総合体育館の. 区の2ケ所で、時期を分け、月三回の健康教室指導を行っ ている。毎回約30老.の参加者が集まり、中には1時間以上. 2地区で、各月一回、役場が開催する健康教室での運動指. かけて参加する人もいるほどの人気ぶりである。この教室. 導を実施している。対象は40代以上の町民で、2地区とも. では、職員サポーターがストレッチ・筋力トレーニング・. 20名前後が参加している。運動指導において、ふまねっと. eボールダンスの運動指導を担当し、住民サポーターがふ. 以外のストレッチやeボール運動を職員サポーターが担当. まねっとの運動指導を行っており、相互に役割を分担して いる。サボ一夕←達は、薄緑色のロゴ付ポロシャツをユニ. している点や、主に活動場所を役場が開催する健康教室と している点から、役場の担う役割は大きいものと判断でき る。現在は定期的にサポーターが集まる機会がないため、. フォームを着て、運動指導に当たっている。 その他、月一回のサポータークラブ例会を実施し、スキ. 全体の意思統一、スキルアップの機会を作るなどして、活. ルアップ研修や活動の打ち合わせを行っている。これらの. 動を定着させることが今後の重点的な課題となっている。. −118−.
(6) 道東6市町村における住民主体の高齢者健康づくり活動の取り組み. ご﹂だま〟日日からゴー. 自■健慮づくりは葬しく 白糠「こだまプロジェクトゴーゴーゴー」 釧路新聞2007年4月13日掲載. 「一ミ、まねっとサポーターズ池田」 毎日新聞2007年4月28日掲載. e)池田町. 池田町社会福祉協議会では、毎年「ボランティアスクー ル」というボランティアを養成する事業を実施していた。. れることを主な目的としていた。しかし、サポーター認定. 今回の事業は、ワンツースリーが平成18年度の「ボランティ. 後は、社会福祉協議会のボランティアセンターに登録し、「ふ. アスクール」の内容として「ふまねっとサポーター養成講. まねっとサポーターー九・三」としてグループで町内全体. 座」を担当したものである。対象は、町内の老人クラブや. の健康づくりを支えていくことが目標となり、活動対象の. 既存のボランティアサークル関係者で構成された24名であ. 範囲は当初よりも広がった。これは養成講習におけるグルー. り、半数以上が70歳以上と、他地域に比べて高齢メンバー. プワーク等を通して、メンバー内に交流が生まれ、全体と. であった。そのため、受講したメンバーは、自らの認知症. して結束できたことが大きな要因であると考えられる。 現在サポーター達は、社会福祉協議会のボランティアコー. 予防、歩行機能低下予防に仲間同士一体となって取り組む ことを基本とし、継続的に自主練習を重ねてきた。活動は. ディネーターの支援のもと、定期開催の健康教室2カ所や、. 盛り上がりを見せ、平成19年4月に受講したメンバーが中. その他の国体から依頼を受け、お手製のユニフォームを着. 心となり、「ふまねっとサポーターズいけだ」を設立した9。. てストレッチやふまねっとの指導を行っている。また、月. 設立後も、自らの健康づくりのために活動し、その活動を. 一回のミーティングを行い、活動の打ち合わせやスキルアッ. 生かして、町内における健康教室の開催を継続的に支援し. プの場としている。. ていくことにより、池田町民全体の健康増進を住民の立場. 町は今年度も養成講座を開く予定で、サポーターが増え. からすすめることを目的とし、加入したメンバーが主体的. ることで、自主的な健康づくり活動が進むことを期待して. に運営していくことになった。なお、社会福祉協議会は会. いるという。. の活動運営の支援の役割を担っている。 現在サポーターメンバーは、主にメンバーがそれぞれ所 ている。今後は、まだふまねっと運動を体験していない町 内会に「出前教室」を行うことや、メンバーのスキルアッ プ講習の開催を計画している。. 弟子屈町における「ふまねっとサポーター養成講座」は、. まずはもふまね,とやか. 役場保健福祉課が事業部署となり、介護保険予算を用いた 介護予防事業としてワンツースリーが委託を受け、実施し た。受講者は11名で、全員が女性である。主に町内の介護. ノティアグループ﹁卓. f)弟子屈町. まちの健康づくりを支援弟. 属する町内会を対象に、「ふまねっと健康教室」の支援を行っ. 子員. 予防サークルのリーダーや町内会、自治会の役員の受講生. 「弟子屈町 一九・三発足」釧l路新聞,2007年4月20日掲載. が多く、当初は各所届先の活動にふまねっと運動を取り入. ー119−.
(7) 尚和 里子 他 この事業の大きな成果であると考える。 6地域の活動を通し、大学は専門的知識を生かした効果 標茶町. 的な運動プログラムや、運動の指導・支援方法を住民に提 ■30代三. 浜中町. 供してきた。大学の果たした役割とは、「専門的知識の一般. 日40代. ワンツースリー. 化」であったと言える。しかし、大学が継続的に地域のさ. 白糠町. =三…:. まざまな要望に応えていくことは困難であるため、NPOと. ●70代 ■80代. 池田町 弟子屈町 0%. 50%. いう一つのしくみを利用したことは有効であったと言える。 つまり、①活動を継続的にすすめることができる、②活動. 100%. の専門性を高める、③活動費や専門的人材費の確保が可能、 ④法人的社会組織として借用が得られる10といったNPOの 図1地域別年代構成. 利点を活用できた点である。例えば、ワンツースリーが受 託した浜中町と弟子屈町、池田町のサポーター養成では、 大学教員だけでなく、大学の学生やワンツースリーのスタッ フのマンパワーを活用することができたため、要望に応えや すくなったことや、行政の行き届かない白樺地区のような地 域の要望に対応しやすくなり、住民主体の組織運営を支援す ることができるようになったことが例としてあげられる。 しかし、住民主体の健康づくり体制が整ったとしても、 住民組織が長くその活動を主体的に続けていくことは容易 ではない11ため、今後の大学の役割として、高等研究機関と して活動を見守り、支援し、活動の意義を見出して評価し. 園2 地域別男女比構成. ていくことが望まれるものと考える。. 引用・参考文献. ロ役場職員 皿教職OB ロ体育指導員. 1『「健康日本21」中間評価報告書』平成19年4月10日. 囚保健推進委員 ■民生委員 □町内会等役員. 2 朝日新聞「人手もPRも不足気味 低迷する介護予防教. 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会. 田福祉関係 0 10. 20. 30. 40. 室 参加者満足…でも3カ月限定」2006年11月3日朝刊. □町職OB ■消防. 3 【F「健康日本21」中間評価報告書』平成19年4月10日 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 4 大久保武、中西典子「地域社会へのまなざし」文化書. 図3 地域別経歴種別(重複あり). 房博文社,2006,p287 5 森啓『「協働」の思想と体制』公人の友社,2003,p4. 4.高齢者による健康づくり支援活動の可能性. 6 標茶町役場住民課健康推進係「平成17年度保健事業実. 以上、6地域での健康づくり人材養成活動の取り組みに. 績 平成18年度保健事業計画」. ついて、個別にまとめた。これらの取り組みが、過疎地に. 7 菅原恵「平成17年度学位論文(修士)地域のヘルスポ ロモーション活動における大学の役割」. おける健康づくり活動に関する一般的な問題、すなわち、 健康づくりを担う人材の不足、高齢者の意欲のばらつき、. 8 白糠町「行政執行方針」2007, 9 池田町「ふまねっとサポーターズいけだ設立総会 報. 参加者集めや教室開催、継続に苦労するといった諸問題に. 告第一号」2007,4,27. どのようにアプローチしたのか。一つは、地域において健. 10 長崎大学生涯学習教育研究センター運営委員会「地域. 康づくりを担う人材を養成することで、過疎地特有のマン パワーの問題を解消した点が挙げられる。そして、二つ目. 福祉の推進」財務省印刷局,2001,plO. に、マンパワーによる継続的な運動教室を実施することが. ll大久保武、中西典子「地域社会へのまなざし」文化書. 房博文社,2006,p287. できた。三つ目に、参加者が意欲的に取り組むことのでき る運動プログラムを提供できたため、毎回、多くの参加者 を呼び込むことができた点があげられる。いずれの事業も. (尚和里子,松崎瑞穂 北海道教育大学釧路校大学院). 実施過程や方法は異なっていたが、指導者養成の実施のみ. (北澤一利 北海道教育大学釧路校准教授). に留まることなく、活動が継続し、展開されている点は、. (平岡 亮 北海道教育大学釧路校講師). ー120一.
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