大学生のパソコン・携帯電話利用の現状と課題
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(2) 釧路論集一北海道教育大学釧路校研究紀要一第38号(平成18年) KushiroRonshu,−JournalofHokkaidoUniversityofEducationat Kushiro−No.38(2006):103−112.. 大学生のパソコン・携帯電話利用の現状と課題. 鎌 田 浩 子・高 橋 尚 子. 北海道教育大学釧路校家政科教育研究室. The presentcondition andthesubjectoftheinternetuSeOfauniversitystudent Hiroko KAMATA,Naoko TAKAHASI Department of Home Economics Education,Kushiro Campus Hokkaido University of Education. 要 旨. パソコン・携帯電話が普及するとともに、インターネットの利用者も急激に増加し、その利便性も高まっ ている。しかし、それらの利用は、多くの利点がある一方トラブルや犯罪に巻き込まれる危険性も大きい。 そこで、本学釧路校の学生がパソコンや携帯電話をどのくらい所持し、インターネットをどのように利用し ているかについてアンケート調査を実施、実態を把握し、これからのインターネット等の活用の課題につい て検討することとした。. この結果、本学の学生は、携帯電話・パソコンともに90%以上が所有し、その6割以上が自宅でインター ネットに接続していた。そしてインターネット接続の用途は、Webサイトの閲覧、学習、物品の購入が主な ものであった。しかし、携帯電話への迷惑メールを学生の8割以上が受信しており、インターネットによる 架空請求やカード番号の盗用などの被害を受けている学生もいた。しかし、インターネット利用にあたり、 このようなトラブルについて何も気をつけていないと回答した学生も16%おり、今後さらにインターネット トラブルに巻き込まれる危険性も大きいと考えられる。 平成18年度以降の大学人学者は、高校において「情報」の授業が必修とされているため、一定以上の知識 や技能を持っていると考えられる。しかし、インターネットトラブルは、日ごとに複雑化しておりその対応 は個人に求められている。また、本学学生は教員をめざしていることを前提としており、パソコンの操作の みでなく、例えば小学生にどのようにネットワーク上のマナーやルールを教えていくかということを学ぶこ とも大きな課題である。インターネットが今後ますます活用されることが予測されることからも、学生には このような視点からの教育も重要と考える。. 合が増えており、パソコンは、われわれの生活に無くては ならないものになっている。(1)さらに、インターネットは、 家にいながらにして世界中の人々と安価に連絡が取れ、自. 1 研究の背景と目的 (1)パソコンと携帯電話の普及. 日本では、アメリカから遅れること25年、1984年からイ ンターネットに関する研究が開始されたといわれるが、1995 年世界的にWindows95ブームが起き、家庭でもインターネッ トが本格的に普及するきっかけとなり、インターネットが 私たちの暮らしの中に急激に入り始めた。 全国消費実態調査によれば、1999年と2004年の一般家庭 のパソコンの増加率を比較すると106%と大幅に増え、普及 率も2004年には69.3%となり多くの家庭にパソコンが普及 していることがわかる。また、特定の年代でパソコンの所 有が増えているのではなく、どの年代でも大幅に所有の割. 分の知りたい情報を瞬時に検索するなど、多くの利便性を 持っており、私達の生活に必須のものとなっている。 十方携帯電話は、日本では、アメリカでのサービス開始 に遅れること8年、1954年に日本電信電話公社電気通信研究. 所が自動車電話システムの研究を始めたことによる。一般 へのサービスとして自動車電話システムが開始されたのは、 1979年で東京限定だったが、徐々にその他の地域でも自動 車電話の使用が可能になった。そして1987年4月携帯電話. が発売された。その後、携帯電話は、目覚しい改良、発達 を続け小型軽量化され、手のひらサイズとなり、通話料も. ー103−.
(3) 鎌田 浩子・高橋 尚子. 低価格となり、それに伴い携帯電話加入者は増加し続け、 平成11年には加入電話の契約件数を追い越し、若年世代へ. て「答弁書」を提出しなければならない。このため、今ま での手口の架空請求と同じように無視してしまうと、支払 い督促は、強制執行などの危険があり、小額訴訟手続きの 場合は、相手方の主張を認めたものとされてしまい敗訴す る危険がある。いずれにせよ、裁判所や弁護士事務所名で. の普及率は100%に近いものとなっている。その他の世代で. も携帯電話の所有率は増加しておりノ、現在ではわれわれの 生活に固定電話以上に無くてはならないものとなっている。 そして、携帯電話の機能は著しく向上し、小さいパソコン とよばれるまでになっている。. 書類が届いた場合は、一人で判断せず、警察や消費者セン. ターに相談するべきである。. このように、架空請求をはじめとするインターネットト ラブルは、次々と進化していて事前には防げない。インター ネットトラブルに関連した法律として、電子契約法、特定 電子メールに関する法律、不正アクセス禁止法などが制定 されたが、次々と新しい手口が現れ、対応することが難し い。このような悪質な行為が無くなる事を望むが、悪質業 者は常に新たな手口を考えており、しっかりとした対応が できるように消費者は常に考慮することが必要である。. (2)インターネットトラブルの種類と特徴. パソコンや携帯電話の普及とともに増加しているのが、 インターネットトラブルである。本論では、インターネッ トトラブルをインターネットを介して起こるトラブルと定. 義するが、警察庁では、インターネットトラブルの相談事 例をフィッシング、料金請求、インターネット・オークショ ン、メール、ホームページ・掲示、不正アクセス、コンピュー. タ・ウイルス等、その他(有料サイト、オンラインゲーム 等)の8種に分類している。. 2 本学学生のインターネット使用状況. ここでは、平成15年度から16年度大幅に相談件数が増加. し、本学学生も被害者となっている架空請求の具体例を見 る。架空請求とは、手紙、はがき、電子メール等で、利用. 本学学生のパソコンや携帯電話の使用状況やインターネッ. トトラブルについての意識等を明らかにし、被害防止への 方策等を考察するためアンケート調査を行った。. した覚えのない有料電話情事臥 ツーショットダイヤル、ダ. イヤルQ2と称する情報料等を請求する全く根拠のない詐 欺的な請求をいう。(2). (1)調査の方法及び結果. 調査は、質問紙によるアンケート調査とし各研究室の協 力を得て、平成17年11月24日∼12月9日に本学学生を対象 に行った。配布数600、回収数272、回収率は45.3%である。. パソコンを用いた架空請求は、例えば送信されてきたメー ルのアドレスをクイックすると「入会手続きが完了しまし. た」と画面に表示され、続いて利用料金の請求画面ととも に「入金が確認できない場合は訴訟を起こす」と表示され、 郵送による架空請求と同じ手口が使われている。また、携 帯電話に突然「有料サイトの料金が未納であり、放置すると. 1)携帯電話について (∋保有数とインターネットの利用率. 携帯電話の保有数についてたずねたところ、最も多 いのが1台であり225人(93.8%)(回答者全体からの%、 以下同じ)であり、次いで2台が10人(3.7%)、0台 が7人(2.6%)であった。また、携帯電話によるイン ターネットの利用者は、全体の225人(82.7%)に利用 経験があり、25人(9.2%)が無く、他は無回答であっ た。以上のことから、本学学生の8割以上が携帯電話 によりネットを利用していることがわかった。. 自宅および勤務先まで訪問します」と督促メールが届くケー. スもある。(3)このように架空請求では、「支払わないと裁判手 続き」「回収員が自宅まで回収に行く」「財産の差し押さえ」. 「ブラックリストに登録」など、脅迫のような文言で消費. 者を不安にさせ、問い合わせをさせるように仕向けたり、 実際は利用していないのに利用したかもしれないと思い込. ませ、払わなければならないと思い込ませるといういずれ も弱者としての消費者心理を狙ったものである。. ②携帯電話での迷惑メール受信. このような悪質な架空請求について、国民生活センター、. 携帯メールによる迷惑メール受信の有無をたずねた. 警察庁などにより再三にわたり注意が喚起されているが、 被害者が後を絶たないのが現状である。これまで、このよ. ところ、「ある」は219人(80.5%)、「ない」は51人(18.8%) であり、約8割の学生は何らかの迷惑メールの被害に あっている。男女別にみると「ある」答えた女性が128 人(84.2%)、男性が91人(75.8%)であり、女性の方. うな架空請求は無視していればよいといわれたがそうでは. ない場合がある。それは、架空請求業者が手続きする督促 手続や少額訴訟手続きは、裁判所が自ら積極的に事実を調 査して判断するのではなく、紛争の当事者が提出した主張. が男性よりも10%ほど被害を受けている学生が多いこ. とがわかった。(図1). や証拠に基づいて判断すべきであるという民事訴訟におけ. る基本的な考え方に基づいたものである。このため、例え 架空であっても本当の支払督促であった場合、裁判所に対 して「督促異議の申立て」を行い、少額訴訟手続であった. 場合は指定された期日に裁判所に出頭し、その期日に先立っ. 一104−.
(4) 大学生のパソコン・携帯電話利用の現状と課題. 実家 1人暮らし 学生寮. (0)(100.0) 0. 3. (0)(100.0). 8. 4牲1. 2. ︵. 6・15. 3. 5. 誹諺・中傷. 0. 3. 覚えの無い料金請求. 25. 0. 0. 6. 6・2. ︵. 074. 3. .. 5. 〇. 詐欺. 1け0. 9. 4. 個人情報の漏洩. 59. 0. (0)(100.0) 0. 4. 引. 0. 6. L. その他. 2〇.7は2. 12. (14.6). 0. ︵. 5・0. 6. 0・50. いたずら電話. 5. (0)(100.0) 82. 1. (1.2)(100.0). 11. 0. が. (0)(100.0). (36.4). 105. 18.. 22. 4. 全体. 42. 15. 1. 185. (11.9) (56.8) (22.7)(8.1)(0.5)(100.0). 備考)単位:上段人 下段%. 表1 携帯電話でのトラブルの内訳の住居別 ③携帯電話でのトラブル. 携帯電話利用時のトラブルの内容について、「1 個 人情報の漏洩、2 クレジットカード番号の盗用、3. ④携帯トラブルに関する意見 携帯電話利用に関して被害やトラブルついて自由記. 覚えの無い料金請求、4 詐欺、5 誹誘・中傷、. 述で意見をたずねた。この結果、「個人情報の漏洩が多. 6 ネットストーカー、7 いたずら電話、8 その. くなると店などで会員登録の際、自分の情報を書くの. 他」から複数回答してもらった。その結果、「いたずら 電話」と答えた人が82人(56.6%)と最も多く、次に 「覚えの無い料金請求」が59人(40.7%)、「個人情報 の漏洩」が25人(17.2%)の順であった。男女別では. が怖い」や「個人情報がなぜ間単に漏洩するのか理解 できない」「迷惑メールがどうすれば減るのかわからな. い。対処法が知りたい」というような個人情報漏洩や ネットトラブルに対する不安感を訴えるものが多かっ. 「いたずら電話」の被害は、男性が24人(29.6%)、女 性が58人(55.8%)と女性の方が被害にあっている学 生が特に多かった。また「ネットストーカー」につい て被害者はいなかった。(図2). た。反対に「便利に危険は付き物」「架空請求の電話が. かかってきたことがあるか、だまされる人が入るのな らはやるのもしょうがないと思う」といった諦めの意. 見も多く、「携帯電話を使用するなら、ニュースや新聞 等で情報を入手し、ある程度自分の身は自分で守るべ きだ」という自己防衛に関する記述も目立った。 さらに、数人は自分が遭遇したトラブルについて記 述しており、「いくつもの知らないアドレスから誹誘中. 傷メールが来る。アドレスが流出しているのか?」や 「いたずらメール、迷惑メールが大量に送られてくる」 といったトラブルも起こっていることが明らかになっ. た。将来教員になる希望を持つ学生からは「今は非通 知着信は拒否しているが、将来教師になった際、家庭 との連絡の際にそうも行かなくなると思うので、今後 の対応を考えたい」という意見もあった。書かれた意 見を全体的に見ると、きちんと対策が取れている人は 少なく、インターネットの世界を不安に思っている人. 住居別では、「詐欺」以外のどの項目でも「1人暮らし」 で被害にあう学生の割合が一番多かった。また「学生寮」. や、これからどうすればいいのだろうかと考えている. 人が多い結果となった。. の人は「詐欺」被害が一番多く他の被害でも高い割合のも. のが多い。以上のことから、身近に相談できる大人がいな い「1人暮らし」や「学生寮」では、携帯電話のトラブル を経験する割合が高いことがわかった。(表1). 2)パソコンについて ①パソコンの保有率 パソコンの保有について、「1 自分専用、2 家族 と共用、3 持っていない」の3つから一つ選択して. もらったところ、「自分専用」が最も多く236人(86.8%)、 「家族と共用」が16人(5.9%)であり、「持っていな. −105−.
(5) 鎌田 浩子・高橋 尚子. い」は14人(5.1%)で、多くの学生がパソコンを保有 していることがわかった。 ②パソコンの購入場所 パソコンの購入場所について「1 大学生協、2. 家電量販店、3 中古ショップ、4 譲り受けた、5 その他」から選択してもらった。この結果「家電量 販店」が65人(60.3%)で最も多く、「大学生協」が64 人(23.9%)であった。その他では、通販やネットショッ ピングという回答が見られたが、パソコン保有者のほ とんどが、家電量販店あるいは大学生協のいずれかで パソコンを購入していることがわかった。(図3). 住居別では「実家」の人はその82.4%がインターネッ トに接続している。また「一人暮らし」「下宿」「その 他」に住んでいる人も高い割合でインターネットに接 続しており、「学生寮」に住んでいる人だけはインター. ネットに接続していない割合の方が高かった。(図5). 3)パソコンによるインターネットの利用等について. ③インターネットの用途. インターネットの主な用途について「1 Webサイ. (ヨインターネットの利用経験. ト閲覧、2 物品の購入、3 Webサイトの運営、4 株取引、5 チャット、6 ニュース、7 掲示板、. パソコンによるインターネットの利用経験について. たずねたところ「ある」と答えたのは243人(89.3%) で「ない」は24人(8.8%)であった。利用したことの. 8 ネットゲーム、9 学習、10 写真プリント、11. その他」から複数回答してもらった。この結果、「Web サイトの閲覧」と答えた人が243人(89.3%)と多く、 次に「学習」が111人(40.8%)、「物品の購入」が69 人(25.4%)であった。男女別では、「写真プリント」 は女性に多く、「ニュース」は男性が多かったが、それ 以外には大きな差は見られなかった。(図6). ない学生が予想より多かった。 ②インターネット接続. インターネットに接続の有無についてたずねたとこ. ろ、「している」は157人(57.7%)、「していない」は 96人(35.3%)であり、約6割の学生がインターネッ トに接続していることが明らかになった。また、男女 別では特に差はなかった。(図4). −106−.
(6) 大学生のパソコン・携帯電話利用の現状と課題. 3 2 2 1 1. 無回答. その他. 写真プリント. 学習. ネットゲーム. 掲示根. ニュース. チャット. ebサイト. bサイト. の運営. 株取引. W. e. の閲覧. 物品の購入. W. 0 0 0 0 0 0 ∩︶ 0 ﹁∂ 0 5 0 5. 図6 インターネットの主な用途. ④インターネットの利用場所. インターネットの主な利用場所について「1 自宅、. 2 学校、3 ネットカフェ、4 漫画喫茶、5 そ の他」の選択肢から複数回答してもらった。この結果、 「学校」が最も多く222人(81.6%)、次に「自宅」が 183人(67.3%)であった。このことから、学生は主に さらに、1回のインターネット利用時間を「110分. 学校の図書館や研究室、学生コンピューター室などで. イシターネットを利用しているが、183人(67.3%)は. 未満、2 1時間未満、3 2∼4時間、4 5∼9. 自宅でもインターネットサービスに加入しているとい. 時間、5 10時間以上」の選択肢から一つ答えてもらっ. うこともわかった。(図7). た。この結果「1時間未満」が167人(61.4%)と過半 数を占めた。しかし、1日に10時間以上利用するとい う人も全体の1%だがいた。(図9). 1回のインターネット利用時間とインターネット利. 用の頻度をクロスしたところ「週2,3回利用で利用 時間は1時間未満」と答えた人が65人(23.9%)と最も 多く、次に「毎日利用し利用時間は1時間未満」という 人が41人(15.1%)であった。(表2) ⑤インターネット利用の頻度. インターネット利用の頻度について「1 毎日、2 週2.. 3回、3 週1回、4 月2回、5 月1回、6 月1回 より少ない」から一つ選択してもらった。この結果、「週2, 3回」と答えた学生が104人(38.2%)で最も多く、次いで 「毎日」が83人(30.5%)であった。男女別に見ると、「毎 日」と答えた学生は男姓の37.5%、女姓の25.0%であり、 逆に「週2,3回」と答えた人は男姓の32.5%、女姓の42.8% と男姓より女姓の方が多く、男姓は毎日インターネットを 利用する人が多いが、女姓は週2,3回ほど利用する人が 一番多く、男女で差が見られた。(図8). 毎日. 3. 41. 28. 6. 3. 2. 週2,3回. 5. 65. 34. 0. 0. 0 104. 週1回. 1. 31. 10. 0. 0. 0. 42. 月 2回. 0. 9. 2. 0. 0. 0. 11. 月1回. 2. 3. 1. 0. 0. 0. 6. 2. 17. 1. 1. 0. 0. 21. 0. 0. 0. 4. 5. 76. 7. 3. 6. 272. 83. 月1回. 未満 無回答 全体. 0. 13. 1. 167. 備考)単位:人. 表2 インターネット利用の頻度と1回の利用時間. −107−.
(7) 鎌田 浩子・高橋 尚子. ︵ 0 0 0 6 4 2 0 0 0 642 211111. インターネット利用時のトラブルの経験について「1 個人情報の漏洩、2 クレジットカード番号の盗用、. 3 架空請求、4 詐欺、5 誹讃・中傷、6 自分 のサイトが荒らされた、7 著作権侵害、8 特にな い」から、回答してもらった。この結果、「特にない」. 無回答. その他. 特に無い. 著作権侵害. 自分のサイトが 荒らされる. 中傷・誹訣. 詐欺. 被害に遭った人は女性が男性より多かった。(図10). 架空請求. 様々なトラブルに巻き込まれている人もいた。また、. クレジットカード 番号の漏洩. 「架空請求」「カード番号の盗用」「誹誘・中傷」など. 個人情報の漏洩. と答えた人が156人(57.4%)で最も多かった。しかし、. 人 00000000000. ⑥インターネット利用時のトラブル. 図11インターネット利用時に不安な点. ⑨電子メールでのトラブル. 無回答. その他. 特に無い. 自分のサイト が荒らされた. 誹語中傷. 架空請求. クレジットカー ド番号の漏洩. 個人情報の漏洩. 著作権侵害. 電子メール利用時のトラブルの経験について「1. ウイルスメールの添付、2 迷惑メール、3 内容の 盗み見、4 メールアドレスの成りすまし、5 メー ルでの嫌がらせ、6 特になし」から選択して●もらっ た。この結果「特になし」と答える人が多かったが、「迷 惑メール」は19.1%、「ウイルス添付メール」は8.5% の学生が被害に遭っており、どちらも女性の方が被害 に遭う割合が高かった。(図12). 図10 インターネットトラブルの経験. ︵1 1. インターネットトラブルの防止には、パスワードの. 変更等自己防衛も必要である。そこで、パスワードの 変更の頻度について「1 頻繁に行う、2 たまに行. 無回答. 特になし. その他. メールでの 嫌がらせ. メールアドレスの 成りすまし. 内容の盗み見. だった。. 迷惑メール. (68%)、あまり行わないは61人(22.4%)、「たまに行 う」15人(5.5%)、「頻繁に行う」1人(0.4%)の順. ウィルス添付メ﹂Jル. う、3 あまり行わない、4 全く行わない」から選 択してもらった。この結果、「全く行わない」が185人. 射0。806040200. ⑦パスワードの変更. 図12 電子メール利用時に不安な点. 「行う」と答えた人は「頻繁に行う」「たまに行う」. をあわせても5.9%で少なかった。パスワードを変更す. ることが、個人情報の流出や、不正アクセスの予防に. ⑩インターネット利用時の心がけ インターネット、電子メールのトラブルに遭わない. なるということがまだまだ認知されていないため、こ. のような結果になったものと思われる。. ために心がけていることについて「1 個人情報を書. き込まない、2 見知らぬメールに返事をしない、3. ⑧インターネット利用時に不安な点. インターネット利用時に不安に感じている点につい. カード番号を入力しない、4 複数メールアドレス. て「1 個人情報の漏洩、2 クレジットカード番号. の使い分け、5 無料サービス会員にならない、6. の盗用、3 架空請求、4 詐欺、5 誹讃・中傷、. パスワードを定期的に変更、7 その他」から複数回. 6 自分のサイトが荒らされた、7 著作権侵害、8 特にない」から選択してもらった。この結果「個人 情報の漏洩」と答えた学生が182人(66.9%)で最も多 かった。また「架空請求」についても116人(42.6%) と多かった。男女差はほとんどないが「誹誘・中傷」. 答してもらった。この結果、「見知らぬメールには返事 をしない」と答えた人が155人(57.0%)、「個人情報を 書き込まない」が130人(47.8%)、「カード番号を入力. しない」が100人(36.8%)「無料会員サービス会員に ならない」64人(23.5%)という結果になった。「見知. を不安に感じる者は女性の方が男性よりも若干多かっ. らぬメールへの返事をしない」や、「個人情報を書き込. た。(図11). まない」など、しっかりとインターネットトラブル対. −108一.
(8) 大学生のパソコン・携帯電話利用の現状と課題. 策ができている人も多いが、「何も気をつけていない」 と答えた人も43人(15.8%)いた。 また、カード番号の入力は、暗証番号の盗用などト ラブルに繋がることも多いが、セキュリティのしっか りしたサイトを自分で見極め、そして使用することが 求められている。インターネットが今後ますます普及. 果、「テレビ」が最も多く104人(38.2%)、次に「友人・. 知人から」が91人(33.5%)で多かった。(図15) ︶. 1. 2000806040200. 1. する中でこれを使用しない生活を続けることは困難な. 時代が来るかもしれない。(図13). いない. 何も気をつけて. その他. パスワードを定 期的に変更. 無料サービス会 員にならない. 複数メールアド レスの使い分け. 力しない. カード番号を入. 見知らぬメール に返事をしない. 個人情報を書き 込まない. ⑫パソコン講習会への参加の意思 パソコンによるインターネット接続の有無と今後パ. ソコン講習会等への参加の意思の関連性を見た。この 結果、講習会等に参加したいと答えた人のうち、パソ コンをインターネットに接続している人は12人(7.6%) で、接続していない人は11人(11.5%)であり接続し. 図13 インターネット利用時の心がけ. ている人よりも接続していない人のほうが参加したい. と思っている割合が若干だが高かった。(図16) ⑪インターネットトラブルの解決方法. それでは、インターネットトラブルの経験者はどの ように問題を解決したのであろうか。トラブル経験者 のうち「対処していない」が67人(24.6%)で最も多 かった。「自分で解決」が32人(11.8%)の他、「消費 者センター等を利用」が7人(2.6%)いた。(図14). 3 学校教育におけるインターネット教育 (1)小・中・高・各段階のインターネット教育 現在、各学校や、行政が行なっているインターネットに ついての教育、特にインターネットトラブルに関してはど また、インターネットトラブルの防止の方法につい. のように行われているのであろうか。ここでは、学習指導. ての知識の情報源について「1 友人・知人、2 学. 要領総則から、その理念を見ることとする。. 校の授業、3 本や雑誌、4 ホームページ、5 そ の他、6 ない」から複数回答してもらった。この結. 一109−. 無回答. 無い. その他. ホームページ. テレビ. 本や雑誌. 学校の授業. 友人・知人から. ︵864208642 11111. 人0000000000. 図15 インターネットトラブルの知識.
(9) 鎌田 浩子・高橋. 1.小学校におけるインターネット教育 「小学校学習指導要領 総則」によれば、コンピュー. 尚子. 科や総合的な学習の時間等でも適切な指導を行なうこ. とが望ましいとされている。(6)情報社会の特質や情報化 の進展がもたらす社会や人間に対する影響について、 個人情報や、著作権の保護、コンピュータ犯罪、健康 問題なども含め、光と影の存在について考えさせると. タ等の教材・教具の活用、第1章 第5の2(8)として 「各教科の指導に当たっては、児童がコンピュータや 情報通信ネットワークなどの情報手,段に慣れ親しみ、 適切に活用する学習活動を充実するとともに、視聴覚. いう記述があり、小学校段階からの学校教育において. 初めてコンピュータ犯罪という記述が見られた。(7)また、 インターネットなどのネットワークの進展の中で、個. 教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図る. こと」(4)としている。また「コンピュータなどの情報手 段の活用に当たっては、プライバシーの保護や著作権 の問題、児童の心身の健康への影響などに十分配慮す る必要がある」(5)とされている。. 人情報の管理などの問題で情報社会においで情報の被 害者となるばかりでなく加害者となる恐れがあること. また、算数、社会、理科の学習指導要領では、どの 教科ともコンピュータを活用し、資料の収集、表等の 作成など、表現できるように使いこなせるようにする という内容の記述があった。. を知らせると記述があり、被害者から加害者になると いうのは、メールでのウイルス感染や、チェーンメー ルについて述べているものと考えられる。(8)ウイルスに ついては、全く知識がなく放置してしまうとアドレス 帳の中に入っているアドレスすべてにウイルス添付メー. いずれもコンピュータの使用を勧めてはいるが、い. ルを本人が気がつかないうちに送りつけてしまい、知 らないうちに被害者になってしまう。また、チェーン メールは、○人に送ると画像がもらえるなどというも のもあり、それらは小・中学生の間でも使用されてお り早い段階からの教育が必要と考えられる。(9). つどのようなときにコンピュータを用いるかというこ. とには明記されていないため、コンピュータ利用の頻 度や、教える事柄は各教員に委ねられている。 また、インターネットトラブルに関する事柄は「適 切な活用」という部分にこめられており、解説のとお り、プライバシーの保護、著作権等について配慮する ようにとされている。 小学校での学習指導要領では、コンピュータに「慣 れ、親しませる」ことを基本としており、ネットトラ ブルや、ネットマナーなどについては何も書かれてい ない。コンピュータの基本操作が出来ることを目指し ている印象を受けるが、佐世保市で小学生の同級生同 志でおこった殺人事件は、インターネットが関係して. 3.高等学校におけるインターネット教育 「高等学校指導要領 総則」では、(8)コンピュータ 等の教材・教具の活用、第1章第6款の5の(8)として 「各教科・科目等の指導に当たっては、生徒がコンピュー タや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に 活用できるようにするための学習活動の充実に努める. とともに、視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の 適切な活用を図ること」として、中学校までの学習を 基礎として、情報手段についてより深い理解が必要と されるとしており、さまざまなメディアの活用が情報 の特徴をとらえ、それらからの情報が人や社会に与え る影響を考え、情報に対する的確な判断力を育成する. いるといわれ、パソコンの普及率から考えても児童が パソコン及びインターネットに触れる割合は高いと思. われ、やはり小学校教育でも個人情報やセキュリティ、 マナーなどの事柄は教えるべきであると考える。. 学習活動を行なうことと記述されている。(10). 2.中学校におけるインターネット教育 「中学校学習指導要領 総則」では、コンピュータ 等の教材・教具の活用、第1章第6の2(9)として「各 教科の指導に当たっては、生徒がコンピュータや通信. インターネット教育については中学校指導要領と同. 情報ネットワークなどの情報手段を積極的に活用でき. じく、情報化への対応として、ネットワーク上のルー ルやマナー、個人情報・プライバシー、著作権等の配 慮が必要との記述があり、中学校での技術・家庭科と 同様に情報の時間だけでなく、他の教科や総合的な学. るようにするための学習活動の充実に努めるとともに、. 習の時間等でも適切な指導を行なうことが望ましいと. 視覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を. されている。(11). 図る」とされ、小学校段階においては体験的学習に重 点を置いた学習活動であるが、中学校段階では体験を 比較検討したりするなどして、体験を知識レベルに高 めることが必要とされている。そして、インターネッ ト教育は小学校とは違っで情報化への対応として、ネッ. 高等学校での「情報」の授業は平成15年度から普通. 教科として新設され、「情報A」、「情報B」、「情報C」 から1科目を選択必修することとなっている。ABC は、履修する生徒の興味・関心に応じて選択できるよ うになっており、「情報A」はコンピュータや情報通信. トワーク上のルールやマナー、個人情報・プライバシー、. ネットワークなどを活用して情報を選択・処理・発信. 著作権等の配慮が必要との記述がある。また、これら については、技術・家庭科の時間だけでなく、他の教. できる基礎的な技能の育成に重点を、「情報B」はコン ピュータの機能や仕組み及びコンピュータ活用の方法. −110−.
(10) 大学生のパソコン・携帯電話利用の現状と課題. 率に及ぼす影響」や、「実世界と仮想世界の混同」といっ たもので、大きな問題の中から生徒自身がセキュリティ 問題やコンピュータ犯罪を見つけ出し、それについて 考える内容となっている。. について科学的に理解させることに重点を「情報C」 は情報通信ネットワークなどが社会の中で果たしてい. る役割や影響を理解し、情報社会に参加する上での望 ましい態度を育成することに重点を置くとされている。(12) 情報ABCの学習指導要領で、インターネット教育. 生徒のコンピュータへの理解度や小学校・中学校の. についての記述はそれぞれ以下のとおりになっている。. 学習経験により、ABCの授業を選択できる体系は、 それぞれの段階の生徒にとって適切な授業が受けられ. 「情報A」. るため有効なシステムといえるが、情報ABCにより. (4)情報機器の発達と生活の変化. 差異は大きく、実際に学校で自由に生徒が選択できる. イ 情報化の進展が生活に及ぼす影響. システムでない場合が多い。. 情報化の進展が生活に及ぼす影響を身の回りの事. さらに、小学校・中学校でのパソコン・インターネッ. 例などを通して認識させ、情報を生活に役立て主体 的に活用しようとする心構えについて考えさせる。. ト学習については、技術・家庭科で学習する内容以外. は各学校で独自の取り組.みとなっている。しかし、近 年のインターネットの普及とインターネット犯罪やト. ラブルの量を考えると、その対応について児童・生徒 が学習していくことは重要なことと考えられる。. 「情報B」. (4)情報社会を支える情報技術 イ 情報技術における人間への配慮. 情報技術を導入する際には、安全性や使いやすさ を高めるための配慮が必要であることを理解させる。. 4 まとめと今後の課題 インターネットの普及とともに、インターネットトラブ. り 情報技術の進展が社会に及ぼす影響. ルが増加し、架空請求やなどの消費者被害が増加し、社会. 情報技術の進展が社会に及ぼす影響を認識させ、. 的な問題となっている。今回のアンケート調査では、本学. 情報技術を社会の発展に役立てようとする心構えに. 学生は携帯電話を9割以上が所持すると同時にパソコンも. ついて考えさせる。. 家族と共有の者も含めて9割以上が所持し、そのうち約6 割がインターネットに接続していることがわかった。そし. て、携帯電話による迷惑メールを8割以上が受信し、現実. 「情報C」. としてインターネットによる架空請求やカード番号の盗用. (2)情報通信ネットワークとコミュニケーション. により被害を受けている学生がいることが明らかになった。. ア 情報通信ネットワークの仕組み. しかし、インターネット利用時に「何も気をつけていな. 情報通信ネットワークの仕組みとセキュリティを. い」学生が約16%おり、「見知らぬメールに返事をしない」. 確保するための工夫について理解させる。. と答えた学生は6割を切ることは、今後何らかのインター ネットトラブルに巻き込まれる危険性が大きいと考えられ. (4)情報化の進展と社会への影響. る。. イ 情報化が社会に及ぼす影響. 平成17年度以降に高等学校を卒業した学生は、学習指導. 情報化が社会に及ぼす影響を様々な面から認識さ. 要領において、これまでのコンピュータに関する学習の内. せ、望ましい情報社会のあり方を考えさせる。. 容が強化されたり、高等学校では教科として「情事削 が新 設され、必修となり学習してきているためこれ以前の学生. 上記のように「情報A」と「情報B」については似. よりパソコンの機器の操作等は熟知していることが予想さ. た内容となっており、学習指導要領解説でもいずれも. れる。. コンピューター犯罪やセキュリティ問題をどのように. しかし、その学習内容や習熟度には差があるとともに、. 捉え、どう対処するべきか心構えを生徒に持たせるこ. インターネットトラブルは日々進化するものであるから、. とが大切であるとされている。. 常に新しい知識が必要である。さらに本学学生は、教員を. 「情報C」については「情報AJ「情報B」を選択す. 目指すことからも児童・生徒の各教科でのパソコンの利用. る生徒よりもコンピュータや情報機暑削こついて深い知. の指導法とともに、学習指導要領総則に示されるようなネッ. 識を持っている生徒を対象としていることもあり、コ. トワーク上のマナーやルールについて深く学び、さらに現. ンピューター犯罪などのトラブルについて、対応策を. 状にあった教育を実践できる力を身につけさせることが今. 学習するだけではなく、それを克服するための心構え. 後の課題と考えられる。. や工夫について考えさせるとされている。例として挙. 最後になりましたが、調査にご協力いただきました釧路. げられている問題は「情報化が仕事の種類や仕事の効. 校学生の方々に御礼申しあげます。. ー111−.
(11) 鎌田 浩子・高橋 尚子. 〔註〕. (1)http://www.stat.go.jp/data/zensho/2004/02index.htm (2)http://www.npa.go.jp/index.htm (3)国民生活センター「くらしの豆知識’06」 2005 P23 (4)文部科学省「小学校学習指導要領解説 総則編」東. 京書籍1999 P87∼101 (5)文部科学省 前掲(4)P89 (6)文部科学省 「中学校学習指導要領解説総則編」東. 京書籍1999 PlOO∼101 (7)文部科学省 「中学校学習指導要領解説 技術・家. 庭編」東京書籍1999 P32∼34 (8)文部科学省 前掲(7)P32∼34 (9)http://www.kokusen.go.jp (10)文部科学省「高等学校学習指導要領解説 総則編」. 東山書房1999 P192∼193 (11)文部科学省 前掲(10)P192∼193 (12)文部科学省 「高等学校学習指導要領解説 情報編」. 開隆堂出版 2000 P4∼5. −112−.
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