Kobe Shoin Women’s University Repository
Title
大学生のひとり親家族のイメージ
University Students' Images of One-Parent Families
Author(s)
竹田 美知(TAKEDA Michi)
李 璟媛(Lee Kyoung Won)
上野 顕子(Akiko Ueno)
Citation
日 本 家 政 学 会 誌 ( Journal of Home Economics of
Japan),Vol.62(No.5)
:317-328
Issue Date
2011
Resource Type
Journal Article / 学術雑誌論文
Resource Version
URL
Right
日 本 家 政 学 会 誌Vo1・62No.5317∼328(2011)
資 料
一
大 学生 のひとり親 家 族 のイメー ジ
竹 田 美 知1*,李 環 媛2,上 野 顕 子3 (1神 戸 松 蔭 女 子 学 院大 学,2岡 山 大 学,3金 城 学 院 大 学) 原稿 受付 平 成22年1月15日;原 稿受 理 平成23年2月5日University
Students'
Images
of One-Parent
Families
Michi Takedal*, Lee Kyoung Won' and Akiko Ueno3 'Kobe Shoin Womens University
, Hyogo 675-0015 2Okayama University
, Okayama 700-8530 3Kinjo Gakuin University
, Aichi 463-8521
The number of one-parent families has been growing in Japan. One-parent families occur for different reasons. Some people are unmarried and are raising a family on their own, or they are separated or widowed. Many of these people suffer from social prejudice. The purpose of this research was focused on what variables are affecting university students' opinions of one-parent families and to find out what their image is of single, separated or widowed parents with children. There are a number of variables: society's opinion of single-parents; opinions on people with children who remarry; opinions on gender roles; experience of taking classes on gender studies; one-parent families as reflected by the mass media; opinions on the students' future with regard to marriage and having children and how these affected students' opinions of single-parents and opinions on gender roles.
There are four images of single parents with children. They are as follows: that children in one -parent families might be more independent; that the -parents and children might be less dependent on each other; that there might be less communication between parents and children; that parents and children might be more co-dependent. In Japan, the most positive image is represented by the latter.
Keywords:One-parentfamiliesひ と り親 家 族,Socialpr(オudice社 会 的 偏 見,FamilyImages家 族 イ メ ー ジ 昭 和58年 の 母 子 家 庭 に な っ た 理 由 と して 死 別36,1%,離 婚49,1%,未 婚5.3%に 対 して,平 成18年 に は 死 別9.7%, 離 婚79.7%,未 婚6.7%と 離 婚 に よ る 母 子 家 庭 の 顕 著 な 増 加 を あ げ て い る.父 子 家 庭 に な っ た 理 由 も,昭 和58年 死 別 40、0%,離 婚54.2%に 対 して,平 成18年 死 別22.1%,離 婚74.4%と 離 婚 に よ る 父 子 家 庭 の 増 加 が 同 様 に み られ る. 離 婚 に よ る ひ と り親 家 庭 が 増 加 す る 中 で,未 婚 の ひ と り親 の 占 め る 割 合 は,日 本 の 場 合 多 くな い.し か し平 成17年 の r国 民 生 活 白 書 』3)に よ る と,第 一 子 の 出 生 数 の うち 結 婚 1.緒 論 平 成17年 の 『国 勢 調 査 』 」)によ ると,ひ とり親 と子 ども か らな る世 帯 は 平 成7年311万 世 帯 か ら平 成17年411万 世 帯 と大 き く増 加 して い る.こ の よ うな ひ とり親 が 増 加 す る へ 王 要 な 原 因 は,親 の 離 婚 で ある.平 成18年 度 に厚 生 労 働 省 が 実 施 したr全 国 母 子 世 帯 等 調 査 結 果 報 告 書 』2)で は,
* To whom correspondence should be addressed E-mail : m-takeda@shoin,acjp
日本 家 政 学 会 誌Voエ62No,5(2011) 期 間 が 妊 娠 期 間よ り短 い 出生 割 合 は年 々増 加 し,1980年 で は12.6%で あった が2000年 に は26.3%と 上 昇 した.特 に 18歳 か ら19歳 の 親 の 場 合8割 以 上,20歳 か ら24歳 の 親 で は約6割,結 婚 期 間 が 妊娠 期 間 より短 い. この ように 未 婚,離 別,死 別 な ど様 々 な 状 況 にあ る ひ とり 親 家 族 に 関 して,ひ とり親 を 対 象 とした調 査 は,厚 生 労 働 省 の 前 出 の調 査 を は じめ多 くの 自治 体 が 実 施 した,(社)日 本 家 政 学 会 家 族 関 係 部 会 研 究 活 動 委 員 会 のrひ とり親 家 庭 等 に 関 す る都 道 府 県 お よび政 令 指 定 都 市 調 査 ・支 援 策 資 料 集 』4)で は 平 成18年 か ら平 成20年 にか けて全 国都 道 府 県 や 政 令 指 定 都 市 単 位 の 実 態 調 査 結 果 を収 集 し調 査 方 法 や調 査 枠 組 み,自 由 回答 の 結 果 の 検 討 を行 った.そ の 結 果,ひ とり親 の 多 くは経 済 的 な 問題 とともに子 育 て に か か わ る不 安 を抱 えて お り,そ れ らの 不 安 は 「ひ とり親 に対 す る社 会 的 偏 見 」 に よってさらに増 幅 され て い ることが 明 らか に な った. 藤 原 千 沙(2005)は,2001年 に行 ったr母 子 世 帯 の母 へ の 就業 支 援 に 関 する調 査JIL調 査 』5)か ら,ひ とり親 世 帯 で育 った ゆ え に子 どもが 低 い 学 歴 しか 獲 得 で きな い とす るな らば,貧 困 が次 世 代 に継 承 され るだ け で は な く,配 偶 者 との 離 別 ・死 別 とい ったひ と り親 経 験 も世 代 に 再 生 産 され て い く 可 能 性 が ある ことを指 摘 した. 神 原 文 子(2007)は,『 ひ とり親 家 族 と社 会 的 排 除 』6) にお いて,こ の ような 子 ども世 代 にお ける機 会 不 平 等 は,経 済 的 ・政 治 的 ・社 会 的 ・文 化 的 諸 権 利 の 不 充 足 ・否 定 ・ア クセ ス 困 難 とい った 「社 会 的 排 除 」 に繋 が ると分 析 した.さ らに 「『全 国 母 子 世 帯 調 査』 で は,ひ とり親 家 族 が 被 ってい る差 別 や 偏 見 につ い ては 把 握 され てい ない が,r大 阪 市 ひ と り親 家 庭 調 査 』で は(近 所 の うわ さ)(住 宅 を 借 りる とき)(就 職 の 時)(子 どもの い じめ)な ど挙 が ってい る」 と述 べ,ま た, 転 入者 であ るひ とり親 家 族 の 親 子 は,よ そ 者 で 異 質 で ある と して,仲 間 に い れ てもらえず,地 域 情 報 のネ ットワー クか らも はず され"仲 間 はず し"と い う排 除 が あると指 摘 して い る, この ような ひ とり親 世 帯 に関 す る研 究 は,核 家 族 世 帯 の 占 め る害1」合 の低 下,単 身 世 帯 や 父 子 ・母 子 世 帯 な どを含 む 非 核 家 族 世 帯 の 比 率 の増 加 とい う世 帯 構 造 の 変 化 に 伴 って 蓄 積 され た.し か しそ れ よ りも標 準 世 帯 として の核 家 族 の 意 味 が 問わ れ 始 め た ことが,よ りひ とり親 家 族 の 研 究 を 深 め た. 山 田 昌弘(1997)は,r近 代 家 族 の ゆ くえ:家 族 と愛 情 の パ ラ ドックス』7)に お い て標 準 世 帯 として の核 家 族 の構 成 を 持 つ 近 代 家 族 が,外 部 社 会 が要 請 す る家 族 の 機 能 を 最 も 遂 行 で きる集 団 として高 度 成 長 期 にモ デ ル とされ た が,そ の 後 の個 人 化 ・私 事 化 によ り家 族 形 態 が 多 様 化 し,も は や 家 族 は,ジ ェンダ ー に基 づ く役 割 で はそ の 機 能 を果 たせ な くな ってい ると述 べ て い る. 牧 野 カ ツ コ(2009)は,r子 育 ての 場 とい う家 族 幻 想 一 近 代 家 族 に お け る子 育 て機 能 の衰 退 一 』8)に お い て,近 代 家 族 が 子 育 て に適 した場 で ある とい う言 説 に対 して 「近 代 家 族 にお い て は ・ 人 と人 との か か わ る力 を 育 て ることが 難 し く,消 費 の 場 とな ることで の 家 庭 教 育 力 が 弱 体 化 し,ジ こン ダ ー 役 割 に よって 父 親 が 家 庭 にお い て不 在 に な り・ 地 域 社 会 か ら閉 じられ 子 どもにとって抑 圧 され た場 所 とな って しまう た」 と反 証 して い る. このよ うな問 題 意 識 の もとに,家 族 に 関 す る研 究 の 対 象 に お い ても・ 近 代 家 族 の モ デ ルで あ った標 準 世 帯 としての 「核 家 族 世 帯 」 か ら、 ひ とり親 世 帯 や 無 子 世 帯,障 害 者 世 帯 の ような 「非 標 準 世 帯 」 にス ポ ッ トが 当て られ は じめ,そ れ ら の 家族 に対 す る研 究 が 蓄 積 されて きた. そ れ らの 研 究 報 告 や 『ひ とり親 家 庭 等 に 関 す る都 道 府 県 お よび 政 令 指 定 都 市 調 査 ・支 援 策 資 料 集 』 にお い て 「非 標 準 世 帯 」 としての ひ とり親 家 族 の実 態 は 明 らか にされ た. しか し,こ の よ うな ひ とり親 に対 す る社 会 的 偏 見 の 形 成 過 程 につ い て はい まだ 明 らか にされ て い な い. そ こで,こ の 報 告 で は,ひ とり親 に対 す る社 会 的 偏 見 が ど のよ うな 要 因 に よって 形 成 され る か,さ らに ひと り親 に対 する イメー ジ タイプ は どのような ものか を 明 らか にす る. オ ル ポ ー ト(1968)はr偏 見 の 心 理 』9)の 中 で,「 家 族 が子 どもに 同一 化 とい うメカ ニズ ム を 通 して,社 会 規 範 や 社 会 的 価 値 観,態 度,意 見 を伝 達 す る過 程 に お い て,あ る集 団 に対 す る拒 否 的 態 度 も寛 容 さの い ず れ も家 族 か ら子 どもへ と学 習 され ること」 を指 摘 してい る.特 に,子 どもが あ る集 団 につ い て,そ の集 団 と交 流 もな く知 識 もな い状 況 では 最 初 に発 せ られ た親 しい 人 た ちか らの 情 報 が その まま受 け取 られ る傾 向 にあ る と述 べ て い る(オ ル ポ ー ト/訳 書,1968).こ の ような 家 族 に よる社 会 化 とともに,マ ス コミによって流 され た情 報,友 人,地 域 の 人 々な ど世 間 か ら付 与 され たひ とり親 の イメー ジ,教 育 機 関 にお け る家 族 に関 す る教 育 な ど多 くの 要 因 が 複 合 的 に プラ ス にマ イナ ス に と影 響 しあ って,ひ とり 親 家 族 の 子 育 て に対 す るイメー ジ タイプ が 形 成 され,肯 定 的 ・ 否 定 的 意 見 に繋 が るので は な い だろ うか,筆 者 らは 図1の よ うな調 査 枠 組 み を持 って質 問 紙 調 査 を 行 った. 2.先 行 研 究 の 流れ これ まで,ひ とり親 が どの ような社 会 的 偏 見 によって差 別 さ れて い るか とい う問 題 関 心 によって行 わ れ た調 査 は少 ない. 平 成4年 に 実 施 され た東 京 都 女 性 問題 調 査 研 究 報 告rひ とり親 家 族 に 関 する研 究 』】o)(《財 》東 京 女 性 財 団,1993)は, 初 めて 「ひ とり親 を とりま く人 び との 意 識 や 視 線 や 言 動 の あ り よ うによって,困 難 や 苦 悩 が 増 幅 され た り緩 和 され た りしてい るの で はな い か 」 とい う問 題 意 識 を もって実 施 され た数 少 な い調 査 の 一つ であ る.こ の 調 査 で は,特 に ひ とり親 の 子 育 て に対 す る社会 的 偏 見 に焦 点 を 当 て,ど の ような 社 会 的 偏 見 が あ るの か を,東 京 都 民 一 般 ・大 学 生 ・高 校 生 を 対 象 として
大 学 生 の ひ とり親 家 族 の イメー ジ 図1.分 析枠組み ・ひとり親の子育てに対する意見形成に影響する要因 図2.ひ とリ親の子育てに対する意見とひとリ親の子育てに対するイメージ 3.調 査 の 枠 組 み と分 析方 法 これ らの 先 行 研 究 か ら,年 齢 や 性 別,生 育 環 境 教 育 歴 な どによって,ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見 に 差 が あ る こ とが み て とれ る,そ こで 図1の よ うな 分 析 枠 組 み を 設 定 し, 併 せ て 図2の よ うに,こ れ までの 調 査 の 中 で ひ とり親 の子 育 て に つ い て 語 られ たイメー ジを あ げ,ど の ような イ メー ジ が ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見 に影 響 を 与 えて い るか を 明 ら か にす ることに した. 分 析 視 点 は次 の5点 とした. 1,大 学 生 が 持 つ 「未 婚,離 婚,死 別 の ひ とり親 の 子 育 て に 対 す る意 見 」 が どの ようで あ るか を 明 らか にす る,あ わ せ て 大 学 生 自身 が 将 来 ひ とり親 に な る ことにつ い て の 意 見 も 明 らか にす る. 2,大 学 生 が感 じた 「未 婚 ・離 婚 ・死 別 の ひとり親 の 子 育 て に対 す る世 間 の 意 見 」 を 明 らか にす る. 3.大 学 生 が 持 つ 「未 婚 ・離 婚 ・死 別 の ひ とり親 の子 育 て に対 す る意 見 」 に どの ような 要 因 が 影 響 を 与 えて い るか,影 響 を 与 えて い る 要 因 間 の 関 係(図1)を 重 回 帰 分 析 とパ ス 解 析 によって明 らか にす る。 4.大 学 生 が 持 つ 「ひ とり親 の 子 育 て 内容 を どの ようにとら えて い るか とい うイメー ジ」(図2)を,等 質ll生分 析(HOMALS) を使 って,類 型 化 す ることによって明 らか にす る, 5.析 出 した大 学 生 の 「ひ とり親 の 子 育 て に対 す るイメー ジ」 類 型 は,「 未 婚,離 婚,死 別 の ひ とり親 の子 育 て に対 す る意 見 」 にどの ように影 響 を 与 えてい る か,一 元 配 置 分 散 分 析 を 使 って 明 らか にす る. 調 査 した. この 『ひ とり親 家 族 に 関 する研 究』 の 調 査 結 果 を まとめ た 渡 辺 秀 樹 の 『ひ とり親 と家 族 問 題 』mに よ ると,「 ひ と り親 で 子 どもを 育 てて い くこと」 に対 す る抵 抗 感 は全 体 として6 割 に達 して い た.特 に 高 校 生 と60歳 以 上 の 回 答 者 の 抵 抗 感 が 高 か った.そ の 理 由 として 高 校 生 の 回 答 で は,第 一 に「異 性 の 親 で は 思 春 期 の 子 どもに対 応 で きな い 」,第 二 に 「相 談 相 手 が い な い の で親 のス トレス がた まる」が あ げ られ てい た, 60歳 以 上 の 回 答 者 で は,「 む ず か しい 年 頃 だ け に,子 ども の 性 格 や 行 動 に問 題 が お き や す い(傍 点 は 筆 者)」 とい う質 問 項 目に 対 して肯 定 した 男 性9割,女 性 が7割 と高 か った. そ の 一 方,「親 子 が 助 け合 って暮 らす の で気 持 ち が 通 じる」, 「子 どもが しっか り現 実 を み す える ようにな る」 な どの 項 目に お い て 「そ う思 う」とい う比 率 も高 く肯 定 的 な意 見 もみ られ る. また 平 成21年3月 に 報 告 され たrひ とり親 家 庭(父 と 子 ・母 と子 の 家 庭)の 生 活 と意 識 に 関 す る調 査 報 告 書 ・ 民 生 委 員 モ ニ タ ー 調 査(北 海 道 民 生 委 員 児 童 委 員 連 盟, 2009)』12)は,父 子 家 庭,母 子 家 庭 の 親 を対 象 として ひ と り親 家 庭 へ の 社 会 的 偏 見 を 調 査 した 項 目が あ る.こ の 報 告 書 による と,父 子 家 庭 の70%が 「社 会 的 偏 見 は な い 」 と答 えて い る の に対 して,母 子 家 庭 の48.3%が 「社 会 的 偏 見 は ある」 と答 えて い る.ま た母 子 家 庭 に対 す る偏 見 は この調 査 の2003年 の 調 査 結 果 と2008年 の 調 査 を比 較 して も減 少 は な く,母 親 の 置 か れ た 条 件 や 階 層 差 を 越 えて母 子 家 庭 一 般 が 社 会 か らの偏 見 を 感 じて い ると述 べ て い る.
日 本 家 政 学 会 誌Vol,62No.5(2011) 調 査 は,2007年7月 に 九 州,近 畿,東 海,東 京 の10 大 学(6共 学 大 学 ・4女 子 大 学)に 所 属 す る4年 制 大 学 生 1年 生 か ら4年 生 を 対 象 として,留 め 置 き 調 査 を 行 っ た,配 布 票 数1796票,回 収 数1379票,回 収 率 は76.8%で あ っ た, 回 収 回 答 票 の うち,男 性20.1%,女 性79,9%で あ っ た, 4.調 査 結 果 の 概 要 この 調 査 の 結 果 の 概 要 は以 下 の とお りであ る, (1)大 学 生 の 未 婚 ・離 婚 ・死 別 の ひ とり親 家 族 の 子 育 てに 対 する意 見 大 学 生 の 「ひ とり親 家 族 の 子 育 て に対 す る意 見 」 の 中 で, 未 婚,離 婚,死 別 を 比 較 す る と,一 番 賛 成 意 見 が 少 な か っ たの は 「未 婚 の 母 が 子 どもを 育 て る こと」 と,「 未 婚 の 父 が 子 どもを 育 て ること」 で あ った.「 未 婚 の 母 が 子 どもを 育 てる ことに 対 して 好 ま しくな い 」 と思 う人 は67.0%(図3),「 未 婚 の 父 が 子 どもを 育 てる ことに対 して 好 ま しくな い」 と思 う人 は67.7%で あ った(図4).大 学 生 は 「離 婚 後 の 母 の み の 子 育 ては 好 ま しくな い」 に対 しては49.7%が,「 離 婚 後 の 父 のみ の子 育 て は好 ましくな い 」 に対 して は50.1%が 賛 成 して い る,そ れ に対 して,「 死 別 後 の母 の み の 子 育 て は 好 ましく ない 」 対 しては,20.7%が,「 死 別 後 の 父 の み 子 育 ては 好 ま しくな い 」 に対 して は22,5%の み が 賛 成 と許 容 的 で あ る, ひ とり親 として 子 育 てを す ることに 関 して は,未 婚,離 別, 死 別 の順 で 反 対 意 見 が 多 く,育 て る親 が 母 親 で あっても父 親 で あ っても 同様 な 傾 向 を 示 して い る,ひ とり親 とな った理 由 によって,ひ とり親 の子 育 て に対 す る意 見 の賛 否 が これ だ け 異 な るの は,未 婚 や 離 別 に 対 す る社 会 的 偏 見 が 影 響 して い ると考 えられ る, 大 学 生 自身 が将 来 ひ とり親 に な ることに 関 して は,男 女 で 考 え方 に差 が あ った.「 未 婚 で子 どもを もうけ る」 ことに 対 し て も,男 性 の147%が 「状 況 に よって は い い 」 と答 えて い るの に対 して,女 性 は7,9%に 止 まる(p<0.01,図5) 平 成4年 に実 施 され た東 京 都 女 性問 題 調 査 研 究 報 告 に お い ても大 学 生 が 最 も抵 抗 感 を感 じる生 き方 として 「未 婚 の 趨 や 父 とな ること」 で ・ そ の比 率 は9割 と高 か った ・ 今 回の 調 査 にお い て も,比 率 はや や 下 回 って い るが,や は り未 婚 の 父 ・ 母 に対 す る抵 抗 感 は 高 い, (2)大 学 生 が 感 じた ひ とり親 に対 す る 世問 の 意 見 世 間 が 否 定 的 にとらえて い ると大 学 生 が 感 じた 「ひ とり親 の子 育 て」 は,未 婚 の 母 の子 育 て85.3%,次 に 離 婚 の 母 の 子 育 て72.4%,さ らに,死 別 の母 親 の 子 育 て26.7%で あ っ た(図6).こ の 順 序 は,大 学 生 自身 が 抱 く 「ひ とり親 の 子 育 てに 対 す る意 見 」 とほ ぼ 同 様 で あ った.世 間 の 価 値 観 が, 大 学 生 の 「ひ とり親 の子 育 て に対 す る意 見 」 に 大 き く影 響 を 与 えて い るの で は な い か と推 測 で きる.し か し,図1で も示 したよ うに,大 学生 が感 じた 「ひ とり親 に対 す る世 間 の 意 見」 が 直 接 その まま大 学 生 自身 が抱 く 「ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見 」 に反 映 され るとは限 らな い.家 族 に 関 す る教 育 や ジ ェンダ ー 意 識 な ど,他 の独 立 変 数 も大 学 生 の 意 識 に 影 響 を 与 えてい る と思 わ れ る. (3)「 ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見」 に与 える影 響 要 因 の 分 析 そ こで,大 学 生 の 「ひ とり親 の子 育 て に対 す る意 見」 に どの ような 要 因 が 影 響 を 与 えて い るか を,重 回 帰 分 析 によ って影 響 要 因 を 調 べ た.影 響 要 因 の選 択 に つ い て は,竹 田 (2005)がr国 際 結 婚 か ら生 まれ た子 ども の 国 籍 選 択 とそ の 影 響 要 因 一 国 際 結 婚 を考 える会 の 場 合 ∼ 』j3)に お い て, マイ ノリテ ィー に対 す る社 会 的 偏 見 を 調 べ た 調 査 で 用 い た 独 立 変 数 群 を参 考 に選 択 し図1に 示 した ような項 目を変 数 とし て設 定 した. 未 婚 ・離 婚 ・死 別の 母親 の子 育て に対 す る 意見 「未 婚 、 離婚 、死 別 の 母 親 だ けが 子 ど もを 育 て る こ とは 好ま し くな い 」 とい 考 えに 対 して 、 あな た 自身 は どの よ うに 思 い ます か 。
副
未 婚 ・離婚 ・死別 の 父親 の 子 育て に対 す る意 見 「未 婚 、離 婚 、死別 の 父 親だ けが子 ど も を育 て る こ とは好 ま し くな い 」 とい1 考 え に対 して、 あ なた 自身 は どの よ うに思 い ます か 。 0 20 40 % 60 80100 注:非 該 当 を 除い た 合 計 の% 図3.未 婚 ・離婚 ・死 別の母 親 の子育 てに対する意見 注:非 該 当 を除 い た合 刮 の% 図 生 未婚 ・離 婚 ・死別 の父 親の 子育 てに対 する意 見大 学 生 の ひ とり親 家 族 の イメー ジ 父,第3位 に母 方 の 祖 母,次 に 父 方 の祖 母,さ らに母 方 祖 父 と母 方 の 親 類 の 関 わ りが 目立 つ.家 族 以 外 で子 育 て に 関わ った人 で 最 も多 い の は幼 稚 園 の 先 生 や 地 域 の 人 々,保 育 所 の 先 生 な ど を,約 半 数 以 上 の 学 生 が 子 育 ての 担 い 手 として挙 げ て い る.成 長 に 関 わ り の あ る人 の 種 類 は,7種 類 を上 げ た 人 が 最 も多 か った(「 成 長 に 関 わ っ た 人 の 種 類 数 」 に つ い て は,母,父,保 育 所 や 幼 稚 園 の 先 生,母 方 祖 父 母, 父 方 祖 父 母,地 域 の人,そ の 他 な どに つ い てそ れ ぞ れ の 有 無 を 聞 き,何 種 類 の 人 が 関 わ ったか を 合 計 した). ま た 「自 分 自 身 に 関 して の ひ と り 親 の 経 験 」 で は,母 との 死 別4.9%, 未 婚 の 母 に よ って 育 て られ た 学 生 は 0.4%,母 の 再 婚 は1,6%,父 の 再 婚 は0.2%で あ った(「 自分 自身 に 関 して ひ とり親 の 経 験 」 は,「 高 校 まで に未 婚 の 父 母 に育 て られ た経 験 」,「父 母 と 死 別 した経 験 」,「親 の離 婚 を 経 験 」 の い ず れ か を 経 験 した 」 を1と し,「 そ れ らの 経 験 な し」 を0と した). 「身 の 回 りに お け るひ とり親 の 存 在 」 に 関 して は,未 婚 の 母 を 知 っ て い る 人15.9%,未 婚 の 父 を 知 って い る 人 4.3%,離 婚 して子 育 てを して い る母 を 知 って い る人57,0%,離 婚 して子 育 て を して い る父 を 知 って い る人2L5%, 死 別 して子 育 てを して い る母 を 知 って い る人35,9%,死 別 して 子 育 て を して い る父 を 知 って い る人24.8%で あ った (「身 の 回 りに お け る ひ とり親 の 存 在 」 は,「 身 の 回 りに未 婚 の 母 や 父 に な っ 大 学 生 が将 来 未 婚 のひ と り親 にな る こ とに つい て の意 見 あな た の将 来 を考 え る際 、 「未 婚 で子 ど もを育 て る こ と」 に つ いて どの よ うに 思 い ま すか ■ 女 性 口 男 性 p〈0.01 0102030405060 図5.大 学 生 が 将 来 未 婚 の ひ とリ親 に なる ことに つ い て の 意 見 大 学 生 が感 じた世 間の ひ と り親 に対 す る意 見 「未 婚 、離 婚 、 死別 の 母親 だ け が子 ど もを育 てる こ とは 好 ま しくな い」 とい う 考 え に対 して 、世 間 で は 、 どの よ うな意 見 が 多 い と思 い ま す か。 ■ 反 対 口 賛成 死 別 の母 離別 の 母 未婚 の母 80100 60 40 20 0 % 図6.大 学生 が感 じたひとり親 に対する世 間の意 見 た人 」 や,「 離 婚 して 子 どもを育 て 人 ⊥ 「死 別 して 子 どもを 育 てた人 」 が い る場 合 を1と し,「そ れ らの 経 験 が な い 場 合 」 を0と した), 一 方,独 立 変 数 の ひ とつ として,「 世 間 の ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見 」 につ いて も,次 の ように尺 度 化 した. 「未 婚 で 母 親 だ け が 子 どもを 育 てる ことは 好 ま しくな い 」 , 「未 婚 で,父 親 だ け が 子 どもを 育 て る ことは好 ま しくな い 」, 「離 婚 して母 親 だ け が 子 どもを 育 て る ことは 好 ま しくな い 」, 「離 婚 して 父 親 だ け が 子 どもを 育 て る ことは 好 ま しくな い 」, 「死 別 して母 親 だ け が 子 どもを 育 て る ことは 好 ま しくな い」, 「死 別 して 父 親 だ け が 子 どもを 育 て る ことは 好 ま し くな い 」 1)「 ひ とり親 の子 育て に対 す る意 見 」 に与 える影 響 要 因(独 立 変 数) 性 別 構 成 は,男 性20.1%,女 性79.1%で あった(「 性 別 ダミー 変 数」 は女 性 を0,男 性 を1と した).家 族 構 成 は父 母 の いる核 家 族 は67,1%と 最 も多 い.父 方 拡 大 家 族 も18.7 %,母 子 家 庭 は2.6%で あ った(「 家 族 構 成 」 変 数 は,「 核 家 族 ダ ミー」 《父 母 の い る核 家 族 を1,そ れ以 外 の家 族 を0》, 「ひ とり親 家 族 」 《ひ とり親 家 族 を1,そ れ 以 外 の 家 族 を0》 , 「拡 大 家 族 ダ ミー 」 《拡 大 家 族 を1,そ れ 以 外 の 家 族 を0》 を 作成 した). 成 長 に関 わ った人 で最 も多 か ったの は母 で あ り,そ の 次 に
日 本 家 政 学 会 誌Vol.62No.5(2011) につ いて これ らの 意 見 を す べ て総 計 して,賛 成 か ら反 対 まで 1点 か ら4点 を与 え,「 ひ とり親 に対 す る世 間 の 意 見 」 とし, 否 定 的 意 見 か ら肯 定 的 意 見(6点 か ら24点)の 一 元 の 尺 度 を 作 成 した,信 頼 性 分 析 を行 うと,信 頼 性 係 数 は0.819 で あ った の で,「 ひ とり親 の 子 育 て に対 す る世 間 の 意 見 」 を 測 定 す る尺 度 として 採 用 した.尺 度 値 の 平 均 は13.4で,標 準 偏 差 は3,68で あ った. さ らに 「未 婚 の ひ とり親 に 対 す る 世 間 の 意 見 」 を 測 定 す るた め に,「 未 婚 で 母 親 だ けが 子 どもを 育 てる ことは 好 ま し くな い」 と 「未 婚 で,父 親 だ けが 子 どもを 育 てる ことは 好 ま しくな い 」 を た して 賛 成 か ら反 対 まで1点 か ら4点 までを 与 え,否 定 的意 見 か ら肯 定 的 意 見(2点 か ら8点)の 一 元 の 尺 度 を 構 成 した(信 頼 性 係 数0.934),同 様 に,「 離 別 の ひ とり親 に対 す る世 間 の 意 見 」 の 尺 度 を 作 成 し(信 頼 性 係 数 0.923),ま た 「死 別 の ひ とり親 に対 す る世 間 の意 見 」 の 尺 度 を作 成 した(信 頼 性 係 数0.941). 「将 来 の 結 婚 と子 育 て に 関す る意 見」 につ い ては,「結 婚 し, 子 どもを持 ち たい 」 と答 えた人 が83.6%で 最 も多 く,標 準 的 ライ フコー ス を予 定 して い る.「 子 どもが いて 再 婚 す る ことに 関 する意 見 」 につ い ては,ど ちらか とい えば賛 成52.5%,賛 成15.9%で あ った.「 性 別 役 割 分 業 に 関 す る意 見 」 に 関 し て は,ど ちらか とい えば 反 対41.9%,反 対27.1%と 反 対 が 多 い.「 男 女 共 同 参 画 に 関 す る講 義 の 受 講 経 験 」 に つ い て は363%が,「 家 族 に つ い ての 講 義 の 受 講 経 験 」 につ い て は69.4%が 「ひ とり親 家 族 に関 す るメデ ィアを見 た経 験 」 に つ い て は29.2%が あ ると答 えて い る. 「大 学 生 の 未 婚 ・離 別 ・死 別 の ひ とり親 の子 育 て に対 す る 意 見 」 を従 属 変 数 とし,① 性 別,② 家 族 構 成,③ 「成 長 に 関 わ った人 の種 類 数 」,④ 「自分 自身 に関 して の ひ とり親 の 経 験 」,⑤ 「身 の 回 りにお け る ひ とり親 の 存 在 」,⑥ 「ひ とり 親 の 子 育 て に対 す る世 間 の 意 見 」,⑦ 「将来 の結 婚 と子 育 て に関 す る意 見 」,⑧ 「子 どもが い て再 婚 す ることに 関 す る意 見 」,⑨ 「性 別 役 割 分 業 に関 す る意 見 」,⑩ 「家 族 に 関 す る 講 義 の 受 講 経 験 」,⑪ 「男 女 共 同 参 画 に 関 す る講 義 の 受 講 経 験 」,⑫ 「ひ とり親 家 族 に関 する メデ ィアを 見 た 経 験 」 を 独 立 変 数 として設 定 した. 2)ひ とり親 の 子 育 てに 対 する意 見 の 尺 度 化(従 属 変 数) 従 属 変 数 の 「ひ と り親 の 子 育 て に 対 す る大 学 生 の 意 見 」 を 測 定 す るため に,次 の ような 手続 きで尺 度 化 し,信 頼 性 分 析 を した,「 未 婚 で母 親 だ け が 子 どもを育 てることは 好 ましく な い 」,「未 婚 で,父 親 だ けが 子 どもを 育 て る ことは 好 ま しく な い」,「離 婚 して 母 親 だ け が 子 どもを 育 て ることは 好 ま しく な い 」,「離 婚 して 父 親 だ け が子 どもを 育 て ることは 好 ま しく な い 」,「死 別 して 母 親 だ け が 子 どもを 育 て ることは 好 ま しく な い 」,「死 別 して 父 親 だ け が 子 どもを 育 て ることは 好 ま しく な い」 を す べ て 総 計 して,賛 成 か ら反 対 まで1点 か ら4点 を 与 え総 計 した.大 学 生 の ひ とり親 に対 して 否 定 的 意 見 か ら肯 定 的 意 見(6点 か ら24点)の 一 元 の 尺 度 を 作 成 した. 信 頼 性 分 析 を行 うと,信 頼 性 係 数 はOB789で あ った の で, 大 学 生 の 「ひ とり親 の 子 育 て に 対 す る意 見 」 を 測 定 す る尺 度 として採 用 した,こ の 意 見 の 平 均 は15.5で,標 準 偏 差 は 4.40で あった, さらに,「 未 婚 の ひ とり親 の 子 育 て に対 す る大 学 生 の意 見 」 を従 属 変 数 として設 定 し測 定 する ため に,一 元 の 尺 度 を 作 成 した(信 頼1生係 数0.9598),同 様 に,「 離 別 の ひ とり親 の 子 育 て対 す る大 学 生 の意 見 」の 尺 度(信 頼 性 係 数 はOl9619), 「死 別 の ひ とり親 に 対 す る大 学 生 の 意 見」 の 尺 度 を 作 成 した (信 頼 性 係 数 は0.9663), 3)重 回 帰分 析 結 果 ・パ ス解 析 結 果 大 学 生 の 「ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見」 を従 属 変 数 と して,そ れ に与 える影 響 要 因 を 調 べ るた め に重 回 帰 分 析 を 行 った,性 別 な どの 前 述 した 独 立 変 数 を投 入 し,ス テ ップ ・ ワイズ 法 で分 析 した結 果,表1の よ うなモ デ ル を得 た.こ の モ デ ル のR2は0.262,調 整 済 みR2は0,258で あ り,求 め た重 回 帰 式 の 当 ては ま りは よい.ま た重 回 帰 の分 散 分 析 のF 値 は,75.911で,有 意 確 率 はp<0.01で 統 計 的 に有 意 で ある. 標 準 回 帰 係 数 は,rひ とり親 の 子 育 て に 対 す る世 間 の 意 見 」(β=0.448),「 子 どもが い ても再 婚 してもよい 」(β= 0,157),「 性 別 役 割 分 業 に関 す る意 見 」(β=0.084),「 男 女 共 同 参 画 に 関 する講 義 の 受 講 経 験 」(β=0.075),「 ひ と り親 家 族 に関 す るメデ ィアを 見 た経 験 」(β=0,059),将 来 の 結 婚 と子 育 て に 関 す る意 見(β=-0、058)と な り,す べ て有 意 水 準5%以 下 で統 計 的 に有 意 で ある. この 結 果 か ら,大 学 生 の 「ひ とり親 の 子 育 てに対 す る意 見 」 は,「 ひ とり親 に対 す る世 間 の意 見 」 か ら β=O,448と,最 も大 き な影 響 を受 け て いた が,今 回 の 重 回 帰 分 析 の 結 果 か ら大 学 生 は,世 間 の 意 見 だ け の 影 響 を 受 けて い る の で は な い ことが 次 のよ うに明 らか にな った. 表1.ひ とり親の子育てに対する意見を従属変数にした重回帰分析の結果 独立変数 幽 親の子育てに対する世問の童見0.448
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齪ll役 割分 業 に閲 す盈 錨L__.」 塑PILO52 塾 些同参唾に関する韻垂璽愛麗 盤 α07{Σ_一 里1皇豊塗重墜型廻す葛メディアを見た糧験0.0互 ≡≧_.凶,051.010撞 塞の縮婚と子育てに一.0511025
この モ デル のF値=75.911,Pく0、001,R2嵩0,262,調 整 済 みRz=0。258 共 線 性 の 統 計 量VIFく2個 有 値 の 条 件 指 標 く15 〈 注 〉 ステ ップワイ ズ によって,性 別 ダ ミー,核 家 族 ダ ミー,ひ とり親 家 族 ダ ミー, 拡 大 家 族 ダ ミー,自 分 自身 の ひ とり親 体 験,身 の 回 りに お け る ひ とり親 体 験,成 長 に 関 わ った人 の 種 類 数,家 族 に関 す る講 義 の 受 講 経 験 が 除 外 され た (p>0.05).大学生のひとり親家族 のイメージ で あ る.図7の よ うに,こ れ ら4つ の独 立 変 数 で 従 属 変 数 の 説 明 率 が22%で あった.こ の パス 解 析 の モ デ ルで は,「 男 女 共 同参 画 に 関 す る講 義 の 受 講 経 験 」 の 有 無 は 「ひ とり親 へ の 大 学 生 の意 見 」 へ の 直 接 効 果 は0.06と 小 さい が,「 性 別 役 割 分 業 に 関 す る意 見 」 を 媒 介 す る ことによって,「 ひ と り親 へ の大 学 生 の意 見 」 へ の影 響 度 が0.15と 高 まって い る. 「男 女 共 同 参 画 に 関 す る 講 義 の 受 講 経 験 」 は ジ ェンダ ー に よって 固 定 化 した 役 割 観 を 相 対 化 し,ひ とり親 の子 育 て に対 して肯 定 的 意 見 を 促 す 傾 向 が あ る. 次 に表2の ように 「未 婚 の ひ とり親 の子 育 て に対 す る大 学 生 の 意 見 」 を 従 属 変 数 として重 回 帰 分 析 を 行 った,影 響 を 及 ぼ してい る独 立 変 数 は先 ほ どの 大 学 生 の 「ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見 」を 従 属 変 数 とした 場 合 とほぼ 同 じで ある が, 男 性 ほ ど肯 定 的 な 意 見 を 持 って い た(β=0.064).さ らに 表3の ように,「 離 別 の ひ とり親 の子 育 て に 対 す る意 見 」 を 表2.未 婚のひとり親の子育てに対する意見を従属変数にした重回帰分析の結果 標準偏回帰 有意確率VIF 係数β 独立変数 未婚のひとり親の子育てに対する世間の意見0,358〈0,011.004 子 どもが いて再 婚することに関す る意見0.154<0.011.047
性別役割分業に関する意見
___q4-_
男女共同参画に関する講義の受講経一
_
一〇 .064く0.051,01 性 別ダ ミー この モ デル のF値 ≡50.314,pく0,001,R2=0、185,調 整 済 みR2=0,181 共 線 性 の 統 計 量VIF<21固 有 値 の 条 件 指 標 く15 〈注 〉 ス テ ップ ワイズ に よって,核 家 族 ダ ミー,ひ とり親 ダ ミー,拡 大 家 族 ダミー, 自分 自身 の ひ と り親 休 験,身 の 回 りにお け るひ とり親 体 験,成 長 に 関 わ っ た 人 の 種 類 数,将 来 の結 婚 と子 育 て に 関 す る 意 見,家 族 に 関 す る講 義 の 受 講 経 験,ひ とり親 家 族 に関 す るメディアを 見 た 経 験 が 除 外 され た(p>0.05), ① 「子 どもが い て も再 婚 して もよ い」 とい う再 婚 に 対 して 許 容 的 な 意 見 は,β=0.157と 「大 学 生 の ひ とり親 の 子 育 て に対 す る肯 定 的 意 見」 に対 して も影 響 力 を持 って い る.ス テ ップ ・ファミリー に対 して 理 解 が あ るほ ど,ひ とり親 の 子 育 て に対 して肯 定 的 で あ った.い い か えれ ば,親 の 結 婚 を 子 どもの ため に あ きらめ るとい う子 ども中 心 主 義 で な い 人 ほ ど, ひ とり親 の子 育 て に対 しても肯 定 的 であ るともい える. ② 性 別 分 業 役 割 意 識 を 持 って い な い 人 ほ ど,ひ とり親 の 子 育 て を 肯 定 して い る.現 実 として ひ とり親 に な ると経 済 的 に 外 に 出 て働 か ざ るを得 な くな り,「男 は 家 庭 外 ・女 は 家 庭 内 」 とい う分 業 は ふ たり親 だ か らで きるの であ って,ひ とり親 は 外 の 役 割 も内 の役 割 も両 方 こな さな くて は な らな い. ③ 男 女 共 同参 画 に 関 す る講 義 の受 講 経 験 が あ るほ ど,ひ とり親 の子 育 て につ い て肯 定 的で あ る.大 学 の 講 義 で,ジ ェ ンダー につ い て学 ぶ 機 会 が ある ほ ど,ひ とり親 に 対 しても肯 定 的 な 意 見 を もつ ことが で きるように な る. ④ ひ とり親 家 族 に 関す るメデ ィアを 見 た経 験 も,大 学 生 の ひ とり親 の 子 育 て に肯 定 的 に 影 響 して い る.映 画 や ドラマで 描 か れ た ひ とり親 像 は,大 学 生 の ひ とり親 に対 す る理 解 を 促 して い る. ⑤ しか し 「将 来 結 婚 や 子 育 てを しよう」 とす る標 準 的 ライ フコー ス を描 く大 学 生 は,ひ とり親 の 子 育 て に対 して否 定 的 に とらえて い る.結 婚 して も子 どもを持 た ない ライ フコー スや 結 婚 しな い ライフ コー スを 描 く大 学 生 ほ ど,ひ とり親 の子 育 てに対 して肯 定 的 であ った, ここで得 られ た5つ の 独 立 変 数 が どの ような 因果 関係 の 連 鎖 に よって 「大 学 生 の ひ とり親 の 子 育 てに 対 す る意 見 」 にな るか,Amosl6を 使 って パ ス 解 析 を 行 った.適 合 度 指 標 を 参 考 に モ デル を 改 良 して最 適 モデ ル として得 られ た の が 図7 モ デ ル の カ イ2乗 値(CMIN)=4.023,自 由 度2,確 率0,134,CFIO.994,RMSEAO .027 *p<0。05**p<0 .Ol 図7.ひ と り親 の 子 育 て に 対 す る 意 見 を 従 属 変 数 と し た パ ス 解 析 結 果日 本 家 政 学 会 誌Vol,62No.5(2011) 表3.離 別のひとり親の子育てに対する意見を従属変数にした重回帰分析の結果 独立変数
標葎騨
有鱒VIF
離婚のひとり親の子育てに対する世間の意見0.195<0.01LO48 子 どもがいて再 婚することに関する意 見0」83く0、011.004 性 別役割 分 業 に関する意見 0、071〈0.051.044一
Ω
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この モ デル のF値 ≡28.644,pく0.001,R2=0.093,調 整 済 みR2=0090 共 線 性 の 統 計 量VIFく2佃 有 値 の条 件 指 標 く15 〈 注 〉 ス テ ップ ワイズ によっ て,性 別 ダ ミー,核 家 族 ダ ミー,ひ と り親 ダ ミー,拡 大 家 族 ダ ミー,自 分 自身 の ひ とり親 体 験,身 の 回 りに お け るひ と り親 体 験, 成 長 に関 わ った 人 の 種 類 数,将 来 の 結 婚 と子 育 て に 関 す る意 見,家 族 に関 す る講 義 の 受 講 経 験,男 女 共 同 参 画 に関 す る講 義 の 受 講 経 験 が 除 外 され た (p>005), 表4.死 別のひとり親の子育てに対する意見を従属変数にした重回帰分析の結果 独立変数囎
署帰有意確率VIF
死別のひとり親の子育てに対する世間の意見0,534<0.011.004 子どもがいて再婚することに関する意見0.074_ _ 性別 役割 分業 に関する意 見 0.053く0.051.044 このモ デ ル のF値=158.446,pく0.001,R2=α302,調 整 済 みR2=0,300 共 線 性 の統 計 量VIFく2r固 有 値 の条 件 指 標 く15 〈 注 〉 ス テ ップ ワイズ によって,性 別 ダ ミー,核 家 族 ダミー,ひ とり親 ダ ミー,拡 大 家 族 ダ ミー,自 分 自身 の ひ とり親 体 験 身 の 回 りに お け る ひ とり親 体 験, 成 長 に関 わ った 人 の 種 類 数 将 来 の 結 婚 と子 育 て に 関 する 意 見,家 族 に 関 す る講 義 の 受 講 経 験,男 女 共 同参 画 に 関 す る講 義 の 受 講 経 験,ひ と り親 家 族 に 関 するメデ ィアを 見 た経 験 が 除 外 され た(p>OIO5). 表5.等 質性分析 ひとり親の子育てに対するイメージ ・カテゴリーウェイト表 カテ ゴ リー 1軸 H軸 子 どもが寂 しい 子 どもが寂 しくな い しつ け がゆきとどか ない しつ け がゆきとどく 親 子 の助 け合い 親 子 の助 け合い な し 子 どもの早期 精神 的 自立 子 どもの早期 精神 的 自立 な し 親 子密 着 親 子密 着 しな い 親 が 負い 目 親 の負 い 目な し 子 どもの早期 経済 的 自立 子 どもの早期 経済 的 自立 な し 子 どもの家事 手伝 い 子 どもの家事 手伝 い なし 子 育 てと仕 事 の両立 困難 子 育 てと仕 事 の両立 子 どもが相談 相手 子 どもが相談 相手 にな らない 0,179 -0 .782 0.3 -0 .173 0.202 -1 .539 0.413 -1 .012 0.542 -0 ,141 0、383 -0 .487 0.466 -0 .961 0.275 -1 .401 0.164 -0 .585 0.457 -0 .465 一〇.243 1.063 -0 .887 0.512 0.109 -0 .841 0.183 -0 。451 -0 .526 0.138 -0 .367 0.465 0.141 -0 .292 0,132 -0 .653 -0287 1.021 0、202 -0 .207 従 属 変 数 として重 回 帰 分 析 も行 った が,「 大 学 生 の ひ とり親 の 子 育 て に 対 す る意 見 」 を従 属 変 数 とした場 合 と同 じよ うな 影 響 が み られ た.最 後 に 「死 別 の ひ とり親 の 子 育 て に対 す る 意 見 」 を従 属 変 数 として重 回 帰 分 析 を 行 ったが,表4の よう に 同様 な影 響 要 因 が 見 られ た, 以 上 の 未 婚 ・離 別 ・死 別 ごとの重 回 帰 分 析 の 結 果 にみ ら れ る特 徴 は,未 婚 の 場 合 の み,ひ とり親 の 子 育 て に対 して, 男 性 に 肯 定 意 見 が 多 か った ことで あ る.こ の 結 果 は,先 に述 べ た ように将 来 「未 婚 で 子 どもを もうける」 ことに 対 して 男 性 の ほ うが 許容 的 であ った ことと符 合 してい る, (4)ひ とり親 の 子 育 てに対 す るイ メージ 大 学 生 が ひ とり親 に 対 して持 つ イメー ジ は どの ような もの だ ろ うか.東 京 都 女 性 問 題 調 査 研 究 報 告 「ひ とり親 家 族 に 関 す る研 究 」 の 設 問を 参 考 として10項 目の 「大 学 生 の ひ と り親 の子 育 てに対 す るイメー ジ」を測 定 す る質 問 を 設 定 した. 設 問 の 回 答 パ ター ンか らどの ような 特 徴 が見 出 され るか に っ い て,親 子 関 係 を 類 型 化 し,「 ひ とり親 の 子 育 て に対 す るイ メー ジ」 を探 った. ひ とり親 の 子 育 て に 対 す るイメー ジ として,「 子 どもに寂 し い 思 い を させ る」,「子 どもの しつ け が ゆ き とどか な い ⊥ 「親 子 で助 け合 ってい る」,「子 どもが 早 くか ら精 神 的 に 自立 す る」, 「親 子 関 係 が 密 着 しす ぎ る」,「親 が 子 どもに負 い 目を 感 じる」, 「子 どもが 早 くか ら経 済 的 に 自立 す る」,「子 どもが 家 事 を 手 伝 って くれ る⊥ 「子 育 て と仕 事 の 両 立 が 難 しい 」,「子 どもが 親 の相 談 相 手 にな って くれ る」 の10項 目を 「肯 定 」,「否 定」 イ メー ジ の2カ テ ゴ リー とした.い ず れ の 回答 も 「無 回 答 」 を 除 外 した.こ れ らの カ テゴ リー は,カ テ ゴリー 間 に順 序 関 係 の な い名 義 デー タで あ るので,数 量 化 によって,似 てい る カ テゴ リー を探 す最 適 尺 度 法 による等 質 性 分 析(HOMALS) を 使 って,大 学 生 の ひ とり親 の 子 育 て に対 す る親 子 関 係 類 型 を 構 成 す る軸 を求 め た. 1)カ テ ゴリー 間 の 関 係 表5の 等 質 性 分 析 ・ひ と り親 の 子 育 て に 対 す る イ メー ジ の カテ ゴ リー ウェイ ト表 を み て い くと,第1軸(X)の プ ラ ス側 の カテ ゴ リー一として,「 子 ど もの 早 くか らの 経 済 的 自 立 」0.466,「 子 どもの 精 神 的 自 立 」0,413,「 親 子 が 密 着 」 0.542と い った子 どもの経 済 的 ・精 神 的 ・生 活 の 自立 に関 す る項 目が あ る.第1軸 を概 観 す ると,プ ラス の側 に は,子 ど もと親 が密 着 してい るが,早 くか ら経 済 的 自立 や 精 神 的 自立 を す るとい うカテゴ リー が あるの に対 して,マ イナス の側 には 親 子 が 相 談 相 手 とな らず,早 期 か ら経 済 的 自立 や 精 神 的 自 立 を してい ない カテ ゴ リー が あ る. 第 二 軸 は,プ ラスの 側 に 「子 どもが 寂 しくな い 」1.063,「 子 育 て と仕 事 の 両 立 」1.021の ような 高 い 絶 対 値 を とる カテ ゴ リー か らマイナ ス の 側 に は 「しつ け が ゆ き とどか ない 」-0,887,「 親 子 の 助 け合 い な し」-0.841と い った カテ ゴ リー大学 生のひとり親家族 のイメージ てい る とな り,「親 と子 が 助 け 合 い 」 を して,自 立 を しな が ら も,助 け合 って 暮 らして い る 「親 子 早 期 自立 イ メー ジ」 群 と い えよう,第2象 限の 親 子 関係 類 型 は,「 密 着 しない 親 子 関 係 ⊥ 「子 育 て と仕 事 の 両 立」,「親 の 負 い 目 は感 じな い 」,「子 どもは 寂 しくな い」 「しっ け はゆ き とどい て い る」 に特 徴 づ け られ る ように,早 くか ら親 離 れ 子 離 れ が す す み,親 と子 の 世 界 を 住 み 分 け た 「親 離 れ 子 離 れ イ メー ジ 」 群 とい えよう.第 3象 限 の 親 子 関係 類 型 は,子 の 経 済 的 自立,精 神 的 自立 は 特 に早 くか ら進 む とは思 わ ない が,親 子 の 助 け 合 い は な く子 どもも相 談 相 手 にな らな い と感 じる 「親 子 孤 立 イ メー ジ」 群 とい えよう.第4象 限 の親 子 関 係 類 型 は,「 親 子 は密 着」 し てい るが,親 は 「子 育 て と仕事 の両 立 困 難」 で,そ の た め 「し つ けもい きとどか な く」,「親 は子 どもに 負 い 目」 を感 じ,「 子 どもも常 に 寂 しい 」 思 い を して い る 「親 子 共 依 存 イメー ジ」 群 とい える, (5)「 未 婚 ・離 婚 ・死 別 の ひ とり親 に対 す る大 学 生 の 意 見 」 とイメー ジの 関 係 次 に,第1次 元,第2次 元 の ホ マル ス のオ ブ ジェクト ・ス コ アを もとに して,大 学 生 の ひ とり親 に 対 す る意 見 尺 度 との 関 連 を 見 た. 分 析 の 手 続 きとして,「 子 の 自立 が 早 い 」 の オブ ジェクトス コア に対 して2点 を,「 子 の 自立 が 早 い とは い えな い 」 の オ が布 置 され,ひ とり親 の 子 育 て の 難 しさを 気 に して い る こと が み える, そ こで,表6の 判 別 判 定 を もとに し,第1次 元(X軸) を子 の 自立 軸(自 立 早 くか ら有 り 一 自立 無 し)と し,第II次 元(Y軸)を,親 離 れ 軸(親 離 れ 一親 離 れ な し)と した この第1軸 と第H軸 を 組 み 合 わ せ てプ ロ ットした 図 が,図8 の 等 質 性 分 析 ・カテ ゴ リー ウェイ ト ・プ ロ ット図 であ る. 2)イ メー ジの 析 出 第1象 限 の 親 子 関 係 類 型 は,「 子 どもが 経 済 的,精 神 的 に早 く自立 」 し,「親 の 相 談 相 手 」 を して子 どもが 支 えとな っ 表6.判 別 判 定 次 元 次元1次 元2 0.256 0.449 0.091 0.082 0.072 0,169 0,041 0.084 0.290 0,041 0.138 0.051 0.357 0.413 0.076 0,185 0.442 0.380 0,095 0.210 *子 どもが 寂 しい *子 どものしつけがゆきとどかない 親 子 で助 けあってい る 子 どもの早 くからの精神 的 自立 親子 関係 の密 着 親 が子 どもに負い 目 子 どもの早くか らの経 済的 自立 子 どもが家 事 を手 伝 う *子 育てと仕事 の両 立 困難 子 どもが親 の桐 談相 手 1 図8.等 質 性 分 析 ・カ デ ゴ リー ウェイ ト ・プ ロッ ト図
日本 家 政 学 会 誌VoL62No.5(2011) ブジェクトス コア に対 して0点 を与 え,次 に 「親 離 れ して い る」 に2点,「 親 離 れ して い な い」 に1点 を 与 えた.回 答 者 ごと にオブ ジェクトスコアを 足 し合 わせ た.こ の ように2次 元 を組 み合 わ せ た タイプ で あ る 「親 子 早 期 自立 イメー ジ 」 群,「 親 離 れ ・子 離 れ イメー ジ」 群 「親 子 孤立 イメージ 」 群,「 親 子 共 依 存 イ メー ジ」 群 に点 数 を 与 えた これ らの イメー ジ群 と未 婚 ・離 婚 ・死 別 の ひ とり親 の 子 育 て に対 す る大 学 生 の 意 見 尺 度 との 関 連 につ い て,一 元 配 置 分 散 分 析 を用 い た結 果 が表7で あ る. 未 婚 の ひ とり親 の子 育 て に対 す る大 学 生 の 意 見 に 関 して, 多 重 比 較 の 結 果 「親 子 共 依 存 イメー ジ」 群 の 平 均 値 の得 点 490が 最 も高 い とい う結 果 とな り,次 に 「親 子 孤 立 イメー ジ」 群4,51,「 親 子 早 期 自立 イ メー ジ」 群4.12,最 下 位 とな っ た の は 「親 離 れ子 離 れイ メー ジ」 群3.51で あ った. 親 子 が 密 着 した子 育 て を しな が ら,仕 事 の 両 立 に悩 んで い る,そ して親 は子 どもに 負 い 目を い つ も感 じて い るとい う イメー ジ群(「 親 子 共 依 存 イメー ジ」 群)が 最 も未 婚 の ひ と り親 に対 す る肯 定 意 見 の平 均 値 が高 い とい う結果 を得 た. そ の 一 方 で 早 くか ら親 離 れ 子 離 れ が す す み,親 と子 の 世 界 を 住 み 分 け た,割 り切 ったイメー ジ 群(「 親 離 れ ・子 離 れ イメー ジ」 群)が 最 も未 婚 の ひ とり親 に対 する肯 定意 見 の 平 均 値 が 低 か った. 未 婚 とい う社 会 的 制 度 か ら守 られ な い状 態 で 子 育 て をす る ことに関 して,親 子 が 肩 を寄 せ 合 って世 間 の風 に立 ち 向 か っ て い るイ メー ジ が 未 婚 の親 の 子 育 て の 姿 として とらえ られ て い る.未 婚 の 子 育 て に肯 定 的 であ って も,そ の イメー ジ は 図 8の よ うに 「子 どもが 寂 しい,子 育 て と仕 事 の 両 立 が 困 難, 親 が負 い 目を 感 じる,し つ け が い き とどか な い」 とい うもの であ った. 表7の よ うに,離 婚 の ひ とり親 の 子 育 て に関 す る肯 定 意 見 にお い ても,ま た 死 別 の ひ とり親 の 子 育 て に関 して も,「 親 離 れ ・子 離 れ イメー ジ」 群 は もっとも平 均 点 が 低 く,離 婚 や 死 別 の ひ とり親 が 早 く子 離 れ を す る ことや 自分 の 世 界 を 持 つ こ とは,あ ま り子 育 て の イメー ジとして肯 定 的 に とらえられ てい な い.ま た離 婚 の ひ とり親 の子 育 て につ いて は,「 親 子 早 期 自立 イメー ジ」 群4.99よ り 「親 子 共 依 存 イ メー ジ 」 群5.53 の ほ うが,肯 定 意 見 の 平 均 点 が 高 い.離 婚 の 親 の子 育 てを 肯 定 した 人 の 中 で多 か ったイメー ジ は,親 の 離 婚 に より子 の 自立 が 促 進 され るとい うイ メー ジ よりも,む しろ離 婚 に よって 親 が負 い 目を背 負 い,子 と親 が 密 着 して暮 ら して い るとい う イメー ジで あった. 5.結 論 と今 後 の 課 題 以 上 の 結 果 か ら,下 記 のよ うな 結 果 が 得 られ た. (1)先 行 研 究 との比 較 ひ とり親 が 子 育 て をす る ことにつ い て は,未 婚,離 別,死 別 の順 で反 対 意 見 が 多 く,育 て る親 が 母 親 で あって も父 親 で あ っても同 じ様 な傾 向 を 示 した.東 京都 女 性 問題 調 査 研 究 報 告 にお いて も9割 の大 学 生 が最 も抵 抗感 を感 じる生 き方 として 「未 婚 の母 や 父 とな る こと」 が 挙 げ られ て い た 結 果 と比 較 し ても,未 婚 の 子 育 て に対 す る意 見 は依 然 として 否定 的で ある, 自分 自身 が ひ とり親 で育 ったケ ー ス は,母 子 家 庭2.6%で あ ったが,「 身 の 回 りにお けるひ とり親 の存 在 」 に関 して は,未 婚 の 母 を 知 って い る人15.9%,未 婚 の 父 を 知 って い る人 4.3%と 周 囲 の家 族 に未 婚 の 子 育 て を見 る機 会 は あ る.離 婚 して子 育 てを して い る母 を 知 って い る人 は,57%も い た.家 族 の 多様 化を 身 近 に感 じな が ら,死 別 の子 育 て に関 して は 比 較 的許 容 的で,未 婚 の子 育 て に関 して は否 定 的 であ った. 表7.「 未 婚 ・離 婚 ・死 別 の ひ とり親 に 対 す る 意 見 」 とイ メ ージ の 関 係 従属変数 親子 早 期 自立 イメー ジ 親 離れ ・子 離れ イメー ジ 親 子 孤 立 イメー ジ 親 子 共 依存 イメー ジ F 多 重 比 較 TukeyHSD 有意確率 未 婚の ひとり親 の子 育て に対 する意見 n m sd 291 4.12 1.87 377 3.51 1.52 401 4.51 1.72 289 4.9 1.84 40297 ** 共依 存 〉孤立 〉 自立 〉親離 れ子 離 れ* 離 婚 のひとり親の子 育て に対 する意 見 n m sd 290 4.99 1.89 383 4.18 1.67 401 5.32 1.84 289 5.53 1.89 38,530 ** 自立 〉親離 れ ・子 離れ* 共依存 〉自立* 孤立 〉親 離 れ ・子 離 れ* 共依 存 〉親離 れ ・子離 れ* 死 別 のひとり親 の子 育て に対 する意見 n m sd 290 6127 1.73 379 5.57 1.97 398 6.6 L61 287 6.61 1.64 28,540 ** 一 自立 〉親離 れ ・子離 れ* 孤立 〉親 離れ ・子 離 れ* 共依存 〉親 離 れ ・子離 れ* **Pく0 .01*P<0.05 n=タ イ プ の 総 数m=平 均 値,sd=標 準 偏 差
大 学 生 の ひ とり親 家 族 の イメー ジ (2)ひ とり親 の子育てに対する大学 生の意見 に影 響を与 える要因 「ひ とり親 の 子 育 て に 対 す る意 見 」 に与 える影 響 要 因 を 重 回 帰 分 析 に よって調 べ ると,「 ひ とり親 の 子 育 て に対 す る世 間 の 意 見 」 す な わ ち ひ と り親 をめ ぐる社 会 的 風 潮 が,大 学 生 の 「ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見 」 に大 き な影 響 を及 ぼ して い る ことが わ か った.し か し,こ の ような 社 会 的 風 潮 に 左 右 され て い るば か りで な く,「子 どもが い て 再 婚 す る ことに 関 す る意 見 」,「性 別 役 割 分 業 に対 す る意 見 」,「男 女 共 同 参 画 に関 す る受 講 経 験 」,「ひ とり親 家 族 に 関す るメデ ィアを 見 た 経 験 」,「将 来 の結 婚 と子 育 て に 関 す る意 見 」 も影 響 力 を 持 って い た.子 連 れ の再 婚 に対 して許 容 的 で あ るほ ど,ひ と り親 の 子 育 て に対 して肯 定 的 で あ った.男 女 共 同 参 画 に つ い ての 講 義 を 受 け た経 験 が ある ほど,ひ とり親 の 子 育 て に対 して 肯 定 的 で あ った.ま た 「男 は仕 事,女 は 家 庭 」 という性 別 役 割 分 業 に対 して否 定 的 な意 見 を 持 つ ほ ど,ひ とり親 の 子 育 て に対 して 肯 定 的 で あった.ひ とり親 を扱 ったマ スメデ ィア もまた大 学 生 の 意 見 に 肯 定 的 に影 響 を 及 ぼ して い た.し か し, 将 来 の ライフ コー ス が 結 婚 もし子 育 て もす るとい う標 準 的 ラ イフ コー ス を望 む 者 ほ ど,ひ とり親 の子 育 て につ い て 否 定 的 な 意 見 を 持 って い た.パ ス解 析 によ って,得 られ た結 果 か ら は 「男 女 共 同参 画 に 関 す る受 講 経 験 」 が あ り,し か も性 別 分 業 に関 す る意 見 に否 定 的で あ ることが,大 学 生 の 「ひ とり 親 の 子 育 て に対 す る意 見」 に肯 定 的 に影 響 を与 えて い た. (3)ひ とり親 の 子 育 て に対 す るイメー ジ 「親 子 早 期 自立 イメー ジ」群,「親 離 れ 子 離 れイ メー ジ」群, 「親 子 孤 立 イメー ジ 」 群,「 親 子 共 依 存 イ メー ジ」 群 の4つ が 析 出 され た.イ メー ジ と死 別 ・離 婚 ・未 婚 の ひ とり親 の 子 育 て に対 す る意 見 の 関 係 を み ると,「親 離 れ ・子 離 れ イメー ジ 」 群 が もっとも支 持 され な か っ た.ひ とり親 と子 が 距 離 を 持 って 生 活 す る とい うイ メー ジ は,ひ とり親 の 肯 定 的 意 見 に はつ な が らな か った.む しろ,未 婚 の ひ とり親 の子 育 てに 関 す る意 見 で み られ た ように,「 親 子 共 依 存 イ メー ジ 」 群 が 最 も肯 定 的 な 意 見 を 集 め た.親 子 の 距 離 が 短 く,双 方 で 助 け 合 うことに よって,肩 を 寄 せ あ って生 活 して い るイ メー ジ が 未 婚 の 親 子 の イメー ジとして肯 定 的 に大 学 生 は とらえて い る. (4)こ の調 査 の限 界 と今 後 の課 題 今 回 の調 査 対象 者 で あった大 学 生 は,こ れ か らの ライフコ ー スで どの よ うな 就 職 を し,結 婚 を し,子 育 て を す るか まだ 白紙 に夢 を 描 い て い る段 階 であ る.彼 らの ひ とり親 の子 育 て に 関 す る意 見 は,世 間 の ひ とり親 に対 す る意 見 に影 響 され や す い と同 時 に,現 在 の 経 済 状 況 を鑑 み ると安 全 な 道 す な わ ち標 準 的 な ライフ コー ス を無 事 に進 ん でい くことを 「良 し」 とす る傾 向 もみ られ た. 多 様 な 家 族 は 周 囲 に存 在 して い るけ れ ども,「 自分 自身 の こと」 で は な く 「よそ 事 」 と して多 様 な 家 族 に対 して 意 見 を 述 べ た の では な い か とい う懸 念 もあ る.ま た ひ とり親 の 子 育 て とい って も,子 どもの 年 齢 によ って 子 育 て に対 す る意 見 も イメー ジ も異 な ることに も留 意 す べ きで あ った.今 後 は 調 査 対 象 者 を子 育 て 中 の 夫 婦 として,実 際 に子 育 て を して い る養 育 期 の 同 年 齢 の ひ とり親 の子 育 て に対 して どの よ うな意 見 を 持 つ か を調 べ てみ た い, 今 回 の 調 査 か らひ とり親 に対 す る大 学 生 の 意 見 に ジェンダ ー に関 す る教 育 の意 義 が 確 認 され た.「 男女共同参 画 に関す る教 育 」 の 機 会 を 持 つ ことが,性 別 役 割 分 業 に 関 す る意 見 に影 響 を与 え,「 ひ とり親 」 に対 して肯 定 的 にな ることに貢 献 してい た. この 研 究 は,平 成18年 度 か ら平 成21年 度 科 学 研 究 費 補 助 金(基 盤 研 究C,課 題 番 号19510284研 究 代 表 者: 竹 田 美 知)の 研 究 成 果 で あ り,国 際 家 政 学 会(IFHETHE 21THWORLDCONGRESS)第21回 スイス ・ル ツェル ンで, 口頭 発 表 を した.ま た 調 査 に 関 して,(社)日 本 家 政 学 会 家 族 関 係 部 会 平 成18年 度 ∼ 平 成20年 度 研 究 活 動 部 会 の メ ンバ ー の 協 力 を 得 て行 った.こ こに付 記 して謝 意 を 表 します. 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 引 用 文 献 総 務 庁 統 計 局,平 成17年 国 勢 調 査,2006,日 本 統 計 協 会 http二"www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/ kihon1/00/04.htm世aOl 厚 生 労 働 省 雇 用 均 等 ・児 童 家 庭 局,平 成18年 度 全 国 母 子 世 帯 等 調 査 結 果 報 告 書,2007, http:〃www.mhlw.gojp/bunya/kodomo/boshi-setaiO6/02-bOl.html 内 閣 府:平 成17年 国 民 生 活 白 書 「子 育 て 世 代 の 意 識 と 生 活 」,第1章 結 婚 出 生 行 動 の 変 化,補 論1結 婚 行 動 に お け る新 しい 流 れ,2005,時 事 画 法 社 http:〃www5.cao.gojp/seikatsu/whitepaper/hl7/Ol _ honpen/html/hmOlho10002html (社)日 本 家 政 学 会 家 族 関 係 部 会 研 究 活 動 委 員 会,ひ と り親 家 庭 等 に 関 す る 都 道 府 県 お よ び 政 令 指 定 都 市 調 査 ・ 支 援 策 資 料 集,2008,p.133-139 藤 原 千 沙,ひ と り親 の 就 業 と 階 層 性,社 会 政 策 学 会 誌, 2005,13号,p.161-173 神 原 文 子,ひ とり親 家 族 と社 会 的 排 除,家 族 社 会 学 研 究, 2007,18-2号,p.11-24 山 田 昌 弘,"近 代 家 族 の ゆ くえ:家 族 と愛 情 のパ ラ ドックス", 第1版,新 曜 社.1994,p.214-237 牧 野 カ ツ コ,子 育 て の 場 とい う家 族 幻 想 一 近 代 家 族 に お け る子 育 て 機 能 の 衰 退 一,2009,家 族 社 会 学 研 究21-1号, P.7-16
AllportGW7】 りθノVヨ甜ノ℃o∫Pr砂 甘dlcθ,DoubledayAnchor bookGardenCi取NJ-1954,(=1968,原 谷 達 士 訳,『 偏 見 の 心 理 』 培 風 館.p.248-250)
日本 籔 政 学 会誌Vo1,62吋"5(2伽1) 10)財 団 法 人 東 京 女 性 財 団,東 点 都 女 性 問 題 調 査 研 究 報 告 ・ む とり親 に 開 す る研 究,1臼93,p.19-23 11)渥 辺 秀 樹.ひ と り親 家 族 と現 代 旅 族 問 題,子 ど もと旗 庭, ig93置2ε7号,P.35-45 12)財 団 法 人 北 海 道 民 生 委 員 児 童 委 員 連 盟,ひ とり親 家 庭(父 と子 ・母 と子 の 家 庭)の 生 活 と意 識 に 関 す る調 査 報 告 轡 【 民 生 委 員 モ ニ ター 調 査1,2009,p43,p.8呂 一9呂 13)竹 田 美 知,国 際 結婚 か 巧生 まれ た 子 どもの 国 籍 選 択 とそ の 影 響 要 因 一国 際 結 婚 を 考 える会 の 場 合 一,日本 家 政 学 会 誌, 2005,56(D,p、3-13